説明

モルタル組成物およびその製造方法

【課題】初期材齢における強度が高いとともに経時的な劣化が少なく、しかも施工が容易なモルタル材料を提供すること。
【解決手段】上記モルタル組成物は、SiO、Al、CaO、SOおよびFを特定の割合で含んでなるセメント100重量部、(B)石灰系膨張剤4〜15重量部、(C)細骨材80〜180重量部、(D)分散剤0.04〜0.4重量部、(E)凝結遅延剤0.2〜1.1重量部、(F)有機繊維および水を含有するモルタル組成物であって、前記(F)有機繊維の直径Dが15〜500μmであり、(F)有機繊維の長さLと直径Dとの比L/Dが100〜1,000であり、(F)有機繊維の長さLと(C)細骨材の最大粒経dとの比L/dが4.7〜9であり、そして(F)有機繊維の含有割合が、組成物中の該有機繊維以外の成分(水を含む)の合計100容量部に対して1〜3容量部であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モルタル組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート製道路橋梁の床版は、車両の通行による繰り返し加重のストレスがかかるため、コンクリートにひび割れが生じ、ひび割れ幅が経時的に大きくなっていくため、定期的な補修が必要となる。
また、道路法第47条第1項が委任する車両制限令第3条第1項第2号の改正法が平成5年11月25日から施行され、道路を通行可能な車両の総重量が20トンから25トンへと緩和された。これに伴い、旧来の基準で施工された道路床版では強度が不足することとなり、補強が必要となった。
このような道路床版の補修ないし補強のため、上面増厚工法が採用されている。
上面増厚工法とは、道路表層の舗装層を一旦除去した後、既設の床版の上面に補強コンクリートを薄層で敷設して打継ぐことにより、床版の強度を回復ないし補強する工法である。そして該補強コンクリート層の上に再び舗装層を形成することにより、強度が回復ないし補強された道路とすることができる。ここで、非特許文献1(「上面増厚工法設計施工マニュアル」、(財)高速道路調査会、1995年)では、補強コンクリートが達成すべき物性として、例えば圧縮強さが通常3時間で24N/mm以上であることなどが規定されており、補強コンクリートとして鋼繊維補強コンクリートを使用することが推奨されている。
【0003】
しかしながら鋼繊維補強コンクリートにおいて補強材として使用される鋼繊維は、錆が発生するとその機能が低下し、コンクリートのひび割れを来たして所期の目的を達成できないものであることが明らかになってきた。特に、冬季の積雪地帯では道路上に融雪剤が使用されるため、錆の発生が促進される。
また、通行量の多い道路について上面増厚工法を施工する場合には、工事時間を可及的に短くして通行止めの不便を最小限とすべく、急硬性のセメント、例えばジェットセメント、が使用されることが多い(鋼繊維補強ジェットセメントにつき、例えば特許文献1参照)。しかしジェットセメントは、初期材齢における強度は高いものの、疲労による機能の低下が見られ、やはり所期の目的を達成することはできない。
さらに、上記非特許文献1に規定された物性を満足するコンクリートは、必然的にスランプ値が低く流動性に劣るため施工の際に配管による圧送が困難であり、手作業による敷設を要し、施工コストの観点からも問題がある。
そこで、上面増厚工法の所期の目的に適し、しかも施工の容易な材料の検討が行われている。
例えば特許文献2には、普通ポルトランドセメントにポリプロピレン繊維を混合したセメント組成物が記載されており、該組成物から形成された硬化物(モルタル)が非特許文献2(「複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料設計・施工指針(案)」、(社)土木学会、2007年)の基準を満たすと記載されている。しかしながら特許文献2の技術は、工事時間の短縮の要請を満たすものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−320833号公報
【特許文献2】特開2009−292667号公報
【特許文献3】特許第3167900号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「上面増厚工法設計施工マニュアル」、(財)高速道路調査会、1995年
【非特許文献2】「複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料設計・施工指針(案)」、(社)土木学会、2007年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に上面増厚工法に好適に使用することのできる、初期材齢における強度が高いとともに経時的な劣化が少なく、しかも施工が容易なモルタル材料およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第一に、
(A)SiOを13.5〜21.0重量%、Alを6.0〜12.0重量%、CaOを55.0〜65.0重量%、SOを5.5〜11.0重量%およびFを0.2〜1.0重量%の範囲で含んでなるセメント100重量部、
(B)石灰系膨張剤4〜15重量部、
(C)細骨材80〜180重量部、
(D)分散剤0.04〜0.4重量部、
(E)凝結遅延剤0.2〜1.1重量部、
(F)有機繊維および

を含有するモルタル組成物であって、
前記(F)有機繊維の直径Dが15〜500μmであり、
(F)有機繊維の長さLと直径Dとの比L/Dが100〜1,000であり、
(F)有機繊維の長さLと(C)細骨材の最大粒経dとの比L/dが4.7〜9であり、そして
(F)有機繊維の含有割合が、組成物中の該有機繊維以外の成分(水を含む)の合計100容量部に対して1〜3容量部であることを特徴とする、前記モルタル組成物によって達成される。
【0008】
本発明の上記目的および利点は、第二に、
少なくとも(A)SiOを13.5〜21.0重量%、Alを6.0〜12.0重量%、CaOを55.0〜65.0重量%、SOを5.5〜11.0重量%およびFを0.2〜1.0重量%の範囲で含んでなるセメント100重量部、
(B)石灰系膨張剤4〜15重量部、
(C)細骨材80〜180重量部、
(D)分散剤0.04〜0.4重量部、
(E)凝結遅延剤0.2〜1.1重量部および

を混合して前駆スラリーとした後、
該前駆スラリー100容量部に対して1〜3容量部の(F)有機繊維を混合するモルタル組成物の製造方法であって、
前記(F)有機繊維の直径Dが15〜500μmであり、
(F)有機繊維の長さLと直径Dとの比L/Dが100〜1,000であり、そして
(F)有機繊維の長さLと(C)細骨材の最大粒経dとの比L/dが4.7〜9であることを特徴とする、前記モルタル組成物の製造方法によって達成される。
【0009】
上記(A)セメントは、好ましくは
(a1)11CaO・7Al・CaFの組成を有するセメント40〜75重量部と
(a2)ポルトランドセメント25〜60重量部と
からなる混合物、ただし(a1)および(a2)の合計は100重量部である、である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、初期材齢における強度、特に圧縮強さが高いとともに経時的な劣化が少なく、しかも施工が容易なモルタル組成物およびその製造方法が提供される。本発明のモルタル組成物の硬化物は、ひずみ硬化型高じん性モルタルである。従って、本発明のモルタル組成物は、上面増厚工法に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例2のモルタル組成物の硬化物につき測定した曲げじん性係数試験の結果を示すグラフ(測定点数4)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<モルタル組成物>
以下、本発明のモルタル組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
[(A)セメント]
本発明のモルタル組成物に含有される(A)セメントは、SiOを13.5〜21.0重量%、Alを6.0〜12.0重量%、CaOを55.0〜65.0重量%、SOを5.5〜11.0重量%およびFを0.2〜1.0重量%の範囲で含んでなるセメントである。(A)セメントは、SiOを15.3〜19.3重量%、Alを6.6〜9.9重量%、CaOを59.0〜62.8重量%、SOを5.2〜9.1重量%およびFを0.35〜0.75重量%の範囲で含んでなるセメントであることが好ましい。(A)セメントは、上記の成分以外に、例えばNaO、KaO、MgO、Feなどの微量成分をさらに含有していてもよい。
上記の値は、(A)セメントに含まれる元素の割合を例えば蛍光X線分析などの適宜の方法で分析し、これを酸化物換算の重量比として表した値である。従って各成分の含有割合の合計は、必ずしも100重量%になるものではない。
【0013】
(A)セメントは、上記の組成を導くクリンカー原料から一括合成してもよく、あるいは各別に合成した異なる組成のセメントを混合して上記組成としてもよい。本発明における(A)セメントとしては、
(a1)11CaO・7Al・CaFの組成を有するセメントおよび(a2)ポルトランドセメントからなるものであることが好ましい。
(a1)11CaO・7Al・CaFの組成を有するセメントは、急硬性セメントとして知られており、我が国では「ジェットセメント」の名称で市販されている。
(a2)ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントなどから適宜に選択して使用することができるが、普通ポルトランドセメントおよび早強ポルトランドセメントよりなる群から選択して使用することが好ましい。
(a1)セメントと(a2)セメントの割合は、(a1)セメント40〜75重量部および(a2)セメント25〜60重量部、ただし(a1)および(a2)の合計は100重量部である、とすることが好ましい。より好ましくは(a1)セメント100重量部に対して(a2)セメント40〜150重量部であり、さらに好ましくは(a1)セメント100重量部に対して(a2)セメント42.5〜120重量部である。(a1)セメントと(a2)セメントの割合は、得られるモルタル組成物の流動性の保持時間および強度発現性が所望の程度となるように、施工温度に応じて上記の範囲で適宜に設定される。
【0014】
[(B)石灰系膨張剤]
本発明のモルタル組成物に含有される(B)石灰系膨張剤としては、例えば生石灰、生石灰−石膏混合系、仮焼ドロマイトなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
本発明のモルタル組成物における(B)石灰系膨張剤の含有割合は、(A)セメント100重量部に対して4〜15重量部である。(B)石灰系膨脹剤の含有量が4重量部未満では、モルタル硬化後の収縮が大きくなりひび割れを生ずる場合がある。一方、この値が15重量部を超えると異常な膨脹を生じ、モルタル硬化物が破壊し、あるいは床版の上部に施工した舗装面を押し上げる場合がある。
(A)セメントが上記(a1)セメントおよび(a2)セメントからなるものである場合、(B)石灰系膨張剤の含有割合は、(a1)セメントおよび(a2)セメントの合計量を100重量部として上記範囲内から適宜に選択して設定されるべきであるが、(a1)セメント100重量部に対して10〜20重量部であることが好ましい。
【0015】
[(C)細骨材]
本発明のモルタル組成物に含有される(C)細骨材としては、例えば砂、無機粒子、樹脂粉砕物およびその他の細骨材を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
上記砂としては、例えば珪砂、川砂、海砂、浜砂、山砂、砕砂などを;
上記無機粒子としては、例えばシリカ粉、粘土鉱物、廃FCC触媒などを;
上記樹脂粉砕物としては、例えばウレタン砕、EVAフォーム、発泡樹脂などの粉砕物を;
その他の細骨材としては、例えばアルミナセメントクリンカー骨材などを、それぞれ挙げることができる。
細骨材は、一般的には10mmふるいをすベて通過し、粒径5mm以下のものが85重量%以上含まれる骨材をいうが、本発明のモルタル組成物における(C)細骨材としては、最大粒径dが2.5mm以下であるものが好ましい。最大粒径dが2.5mmを超えると、有機繊維が細骨材に絡みつくことにより骨材とセメントとの接着力が十分に発現せず、圧縮強度が低下し、あるいは曲げじん性向上の効果が不十分となる場合がある。
【0016】
本発明のモルタル組成物における(C)細骨材の含有割合は、(A)セメント100重量部に対して80〜180重量部である。(C)細骨材の配合割合が80重量部未満では、練混ぜに必要な水の量が増加するため、勾配が付されたコンクリート床版に打設した際にモルタル組成物がダレを生じ施工性が損なわれる場合があるほか、硬化後の乾燥収縮が過度に大きくなり、硬化物にひび割れを生じる場合がある。一方、180重量部以上の配合割合では、有機繊維の(C)細骨材への絡みつき量が増大して曲げじん性が不足する場合があるほか、モルタル組成物中における(A)セメントの量が相対的に少なくなるため、既設コンクリート床版への接着性が不足する場合がある。
(A)セメントが上記(a1)セメントおよび(a2)セメントからなるものである場合、(C)細骨材の含有割合は、(a1)セメントおよび(a2)セメントの合計量を100重量部として上記範囲内から適宜に選択され設定されるベきであるが、(a1)セメント100重量部に対して200〜250重量部であることが好ましい。
【0017】
[(D)分散剤]
本発明のモルタル組成物に含有される(D)分散剤としては、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属のポリカルボン酸塩、メラミンホルマリン縮合物スルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸アルデヒド縮合物、ポリアルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。上記アルカリ金属としては、例えばナトリウム、カリウムなどを;
上記アルカリ土類金属としては、例えばマグネシウム、カルシウム、バリウムなどを、それぞれ挙げることができる。
本発明のモルタル組成物における(D)分散剤の含有割合は、モルタル組成物の流動性および適切な硬化速度と硬化物の耐久性とのバランスの観点から、(A)セメント100重量部に対して0.04〜0.4重量部である。(A)セメントが上記(a1)セメントおよび(a2)セメンからなるものである場合、(D)分散剤の含有割合は、(a1)セメントおよび(a2)セメントの合計量を100重量部として上記範囲内から適宜に選択され設定されるべきであるが、(a1)セメント100重量部に対して0.1〜0.5重量部であることが好ましい。
【0018】
[(E)凝結遅延剤]
本発明のモルタル組成物に含有される(E)凝結遅延剤としては、例えば無機酸のナトリウム塩、有機酸のナトリウム塩、オキシカルボン酸、オキシカルボン酸塩などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。上記無機酸のナトリウム塩としては、例えば硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどを;
上記有機酸のナトリウム塩としては、例えばL−酒石酸ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム類、グルコン酸ナトリウムなどを、それぞれ挙げることができる。
上記オキシカルボン酸としては、例えば脂肪族オキシ酸、芳香族オキシ酸などを挙げることができ、その具体例としては、脂肪族オキシ酸として、例えばクエン酸、グルコン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸などを;
芳香族オキシ酸として、例えばサリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸などを、それぞれ挙げることができる。
上記オキシカルボン酸塩としては、例えば上記に例示したオキシカルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などを挙げることができる。上記アルカリ金属としては、例えばナトリウム、カリウムなどを;
上記アルカリ土類金属としては、例えばマグネシウム、カルシウム、バリウムなどを、それぞれ挙げることができる。
本発明のモルタル組成物における(E)凝結遅延剤の含有割合は、モルタル組成物の流動性の保持時間と硬化後の強度発現性能のバランスの観点から、(A)セメント100重量部に対して0.2〜1.1重量部である。(A)セメントが上記(a1)セメントおよび(a2)セメントからなるものである場合、(E)凝結遅延剤の含有割合は(a1)セメント100重量部に対して0.5〜1.5重量部であることが好ましい。
【0019】
[(F)有機繊維]
本発明のモルタル組成物に含有される(F)有機繊維は、その直径Dが15〜500μmである。この直径Dは30〜50μmであることが好ましい。(F)有機繊維の長さLと直径Dとの比L/Dは、100〜1,000である。この比L/Dは、好ましくは200〜400である。(F)有機繊維の長さLは3mm以上であって47mm未満であることが好ましい。
さらに、本発明のモルタル組成物においては、(F)有機繊維の長さLと(C)細骨材の最大粒経dとの比L/dが4.7〜9である。補強材である(F)有機繊維の長さLと骨材の最大粒径dとの比をこの範囲とすることにより、(F)有機繊維の補強効果を最大限に発現することができる。比L/dがこの範囲より小さいと十分な補強効果を発現することができず、一方この範囲より大きい場合には、有機繊維がファイバーボールを形成してしまい、やはり十分な補強効果を発現することができない
(F)有機繊維は、その繊維引張強度が270MPa以上であることが好ましい。
(F)有機繊維としては、上記の如き寸法上の要請を充足する有機繊維であれば制限なく使用することができるが、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維およびナイロン繊維よりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。前記ポリオレフィン樹脂の具体例としては、例えばポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などを挙げることができる。
本発明のモルタル組成物における(F)有機繊維としては、これらのうち、ポリオレフィン繊維を使用することが好ましく、特にポリプロピレン繊維を使用することが好ましい。
【0020】
本発明における(F)有機繊維としては、特許文献3(特許第3167900号明細書)に記載された如きポリプロピレン繊維が最も好ましい。すなわち、単糸繊度5〜100dr(約28〜約125μmに相当)、好ましくは10〜60dr(約39〜約97μmに相当)のポリプロピレンフィラメントが分離可能に連結した総繊度200〜3,000drの連糸形状テープを、繊維長3〜30mm、好ましくは5〜15mmに切断してなるポリプロピレン繊維である。このようなポリプロピレン繊維は、例えばアイソタクチックペンタッド分率が0.95以上の高度に立体規則的なポリプロピレンを、相互に連結または隣接した連糸形状ダイスから溶融状態で押し出した後、該ポリプロピレンの融点以下且つ軟化点以上の温度で3〜20倍、好ましくは10〜15倍の延伸倍率で熱延伸することにより、製造することができる。
このようなポリプロピレン繊維の市販品としては、例えばバルリンク(萩原工業(株)製)などを挙げることができる。
なお、(F)有機繊維が上記の如き連糸形状テープである場合、該有機繊維の直径Dは、単糸フィラメントの直径を表すものとして理解されるべきである。
【0021】
本発明のモルタル組成物における(F)有機繊維の含有割合は、組成物中の該有機繊維以外の成分(水を含む)の合計100容量部に対して1〜3容量部である。ここで(F)有機繊維の容量とは、有機樹脂の重量をその密度で除した値を意味する。従ってこの(F)有機繊維の容量は、有機繊維の形状や集合状態などによって変動するものではない。
なお、上記(F)有機繊維の容量の範囲は、(A)セメント100重量部に対する重量に換算すると、(F)有機繊維がポリプロピレン繊維である場合には概ね1.0〜4.1重量部に相当し、(F)有機繊維がポリビニルアルコール繊維である場合は概ね1.4〜5.9重量部に相当する。
【0022】
[その他の成分]
本発明のモルタル組成物は、上記の如き(A)セメント、(B)石灰系膨張剤、(C)細骨材、(D)分散剤、(E)凝結遅延剤および(F)有機繊維ならびに後述の水を必須の成分として含有するが、本発明の効果が減殺されない限り、その他の成分を含有していてもよい。本発明のモルタル組成物が含有することのできるその他の成分としては、例えば(G)無水石膏、(H)シリカヒューム、(I)消泡剤などを挙げることができる。
上記(G)無水石膏は、(A)セメント100重量部に対して、5.7重量部以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは0.8〜5.7重量部の範囲で使用される。(A)セメントが上記(a1)セメントおよび(a2)セメントからなるものである場合、(G)無水石膏の含有割合は(a1)セメント100重量部に対して、8重量部以下の範囲であることが好ましく、2〜8重量部であることがより好ましい。
上記(H)シリカヒュームは、(A)セメント100重量部に対して、5.7重量部以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは0.8〜5.7重量部の範囲で使用される。(A)セメントが上記(a1)セメントおよび(a2)セメントからなるものである場合、(H)シリカヒュームの含有割合は(a1)セメント100重量部に対して、8重量部以下の範囲であることが好ましく、2〜8重量部であることがより好ましい。
上記(I)消泡剤としては、例えば鉱油系消泡剤、油脂系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、オキシアルキレン系消泡剤、アルコール系消泡剤、アミド系消泡剤、リン酸エステル系消泡剤、金属石鹸系消泡剤、シリコーン系消泡剤などを挙げることができ、これらのうちの1種以上を使用することができる。このような(I)消泡剤は、(A)セメント100重量部に対して、0.22重量部以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは0.04〜0.22重量部の範囲で使用される。(A)セメントが上記(a1)セメントおよび(a2)セメンからなるものである場合、(I)消泡剤の含有割合は(a1)セメント100重量部に対して、0.3重量部以下の範囲であることが好ましく、0.1〜0.3重量部であることがより好ましい。
【0023】
[水]
本発明のモルタル組成物に含有される水としては、(A)セメントの水和およびモルタル組成物の流動性および強度発現性に影響しないものを適宜に選択して用いることができる。このような水の例としては、例えば水道水、下水道処理水、生コン上澄水などを挙げることができる。
本発明のモルタル組成物における水は、得られるモルタル組成物のスランプ値が15〜25cmとなるような割合で使用されることが好ましい。ここでスランプ値とは、コンクリートのスランプ試験方法(JIS A1101)に規定された混合物の流動性を定量測定する尺度である。具体的には、上端内径100mm、下端内径200mm、高さ300mmおよび厚さ5mm以上の金属製コーン内にモルタル組成物を上端まで充填し、コーンを引き上げた後の下がりを0.5cm単位で計測した値をいう。このスランプ値は15.5〜22.5cmであることがより好ましい。上記の如き好ましい範囲で水を含有する本発明のモルタル組成物は、早硬性でありながら施工に必要な時間はその流動性を確保することができ、例えば組成物練混ぜ40分後、好ましくは練混ぜ60分後のスランプ値を上記の範囲に維持することができる。
所望のスランプ値を得るために必要十分な水の使用割合は、当業者による少しの予備実験によって容易に知ることができる。
【0024】
<モルタル組成物の製造方法>
本発明のモルタル組成物は、上記の如き(A)〜(F)成分および水ならびに必要に応じて添加されるその他の成分を適宜に混合することによって製造することができる。
しかしながら、組成物中への各成分の均一な分散、(F)有機繊維の飛散防止などの観点から、(F)有機繊維以外の各成分(水を含む)の混合物である前駆スラリーを先ず調製し、該前駆スラリーを撹拌しながらこれに(F)有機繊維を添加する方法によることが好ましい。すなわち、本発明のモルタル組成物の好ましい製造方法は、
少なくとも(A)SiOを13.5〜21.0重量%、Alを6.0〜12.0重量%、CaOを55.0〜65.0重量%、SOを5.5〜11.0重量%およびFを0.2〜1.0重量%の範囲で含んでなるセメント100重量部、
(B)石灰系膨張剤4〜15重量部、
(C)細骨材80〜180重量部、
(D)分散剤0.04〜0.4重量部、
(E)凝結遅延剤0.2〜1.1重量部および

を混合して前駆スラリーとした後、
該前駆スラリー100容量部に対して1〜3容量部の(F)有機繊維を混合する方法である。(A)〜(E)成分および水を混合して前駆スラリーとするとき、必要に応じてさらに(G)無水石膏、(H)シリカヒューム、(I)消泡剤などのその他の成分を上記した範囲で加えてもよい。(A)〜(E)成分および必要に応じて使用されるその他の成分ならびに水を混合する際には、水以外の各成分の混合物を先ず調製し、該混合物と水とを混合する方法によることが好ましい。
上記の如き方法により、所期の性能を発現する本発明のモルタル組成物を、容易且つ高効率に製造することができる。
【0025】
<モルタル組成物の硬化物>
本発明のモルタル組成物の硬化物であるモルタルは、初期材齢における圧縮強度が高いものであり、材齢3時間のときにJIS A1108に従って測定した圧縮強度が24N/mm以上である。この圧縮強度の値は、非特許文献1(「上面増厚工法設計施工マニュアル」)の要求する強度基準を満たすものであり、しかも材料の疲労による強度の低下が極めて抑制されたものである。材齢3時間における圧縮強度は、好ましくは27N/mm以上とすることができる。
本発明のモルタル組成物は早硬性であり、材齢3時間程度で上記の如き高い圧縮強度を発現することができる。
【実施例】
【0026】
以下の実施例および比較例で使用した成分の詳細は以下のとおりである。
(A)セメント;以下のセメントを実施例および比較例に記載のとおりに混合して使用した。
ジェットセメント:組成化合物11CaO・7Al・CaF、3CaO・SiO 太平洋セメント(株)製
普通ポルトランドセメント:組成化合物3CaO・SiO、2CaO・SiO、3CaO・Al、4CaO・Al・FeO(株)トクヤマ製
早強ポルトランドセメント:組成化合物3CaO・SiO、2CaO・SiO、3CaO・Al、4CaO・Al・FeO(株)トクヤマ製
(B)石灰系膨張剤;太平洋セメント(株)製の市販品を使用した。
(C)細骨材;4号珪砂、5号珪砂および7号珪砂を38重量%、40重量%および22重量%の割合で混合して使用した(最大粒径d=2.5mm)。
(D)分散剤;花王(株)製のポリカルボン酸系減水剤を使用した。
(E)凝結遅延剤;グルコン酸ソーダ(試薬)を使用した。
(G)無水石膏;副生石膏(無水フッ酸石膏)を使用した。
(H)シリカヒューム;SiO 95.4%、BET比表面積18m/gのものを使用した。
(I)消泡剤;サンノプコ(株)製のシリコーン系粉末消泡剤を使用した。
【0027】
繊維;実施例および比較例に記載のとおりに以下の繊維のいずれかを使用した。
有機繊維
PP繊維(1):萩原工業(株)製、ポリプロピレン繊維、密度=0.91g/cm、直径D=43μm、長さL=12mm、繊維引張強度482MPa以上
PP繊維(2):萩原工業(株)製、ポリプロピレン繊維、密度=0.91g/cm、直径D=700μm、長さL=30mm、繊維引張強度500MPa以上(比較例)
鋼繊維:神鋼建材工業(株)製、密度=7.85g/cm、直径D=600μm、長さL=30mm、繊維引張強度1,200MPa以上(比較例)
水;水道水を使用した。
【0028】
実施例1〜5および比較例1〜5の実験方法
(1)モルタル組成物の製造
繊維と水を除く成分(すなわち(A)〜(E)成分および(G)〜(I)成分)を表1に記載の割合となるように計量し、オムニミキサーで混合して粉体混合物を調製した。
容量20Lのペール缶に所定量の水を秤りとり、これをハンドミキサーで撹拌しながら上記の粉体混合物を加えた。粉体混合物の全量を加え終わった後、1分間撹拌を継続して前駆スラリーとした。次いで該前駆スラリーの100容量部に対して表1に示した種類および量の繊維を添加し、さらに30秒間撹拌を継続することにより、各モルタル組成物を製造した。
(A)セメントとしては、表1に記載の酸化物組成となるように以下のセメントを混合して使用した。なお、表1に記載の数値は酸化物換算の割合であり、さらに各セメントは微量成分を含有するため、記載された酸化物の重量%の合計は100重量%とはならない。
【0029】
実施例1:ジェットセメント40重量部および早強ポルトランドセメント60重量部を混合して使用。
【0030】
比較例1:ジェットセメント20重量部および早強ポルトランドセメント80重量部を混合して使用。
【0031】
実施例2および3ならびに比較例2〜4:ジェットセメント50重量部および早強ポルトランドセメント50重量部を混合して使用。
【0032】
実施例4:ジェットセメント70重量部および普通ポルトランドセメント30重量部を混合して使用。
【0033】
実施例5および比較例5:ジェットセメント50重量部および普通ポルトランドセメント50重量部を混合して使用。
【0034】
繊維としては、以下の繊維を使用した。
実施例1〜5ならびに比較例1、2および5:PP繊維(1)
比較例3:PP繊維(2)
比較例4:鋼繊維
【0035】
(2)評価方法
(2−1)スランプ値
スランプ値は、練混ぜ直後のモルタル組成物についてJIS A1101に準拠して測定した。
(2−2)可使時間
練混ぜ直後から20分間が経過するごとに上記と同様にしてスランプ値を測定し、スランプ値が15〜25cmの値を維持した時間を調べた、この値が40分以上であったとき可使時間「良」、40分未満(20分以下)であったとき可使時間「不良」として評価した。
(2−3)圧縮強度
圧縮強度は、練混ぜ直後から3時間経過後の組成物につき、JIS A1108に準拠して測定した。なお、非特許文献1(「上面増厚工法設計施工マニュアル」)に記載された管理基準値は24N/mmである。
(2−4)曲げじん性係数試験
実施例2のモルタル組成物から得られた硬化物についての曲げじん性係数試験は、JSCE−G 552−2007に準拠して行った。すなわち、10×10×40cmの角柱試験体に変位計およびそれを固定する治具からなるたわみ測定装置を取り付け、荷重−たわみ曲線を計測した。測定点数は4点とした。
実施例1〜5および比較例1〜5
上記のようにして各種モルタル組成物を製造し、評価した。
結果は表2に示した。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
表1における繊維の使用量(容量部)は、前駆スラリー100容量部に対する容量部である。
比較例2においては、練混ぜ後3時間を経過した時点で強度が発現しておらず、型枠より試験体が取り出せなかったため、圧縮強度は測定不能であった。
比較例3および4においては、スランプ試験の計測範囲を超えたため、スランプ値が測定不能であった。
また、上記で極めて高い圧縮強度を示した実施例2のモルタル組成物について練混ぜ直後から60分後に測定したスランプ値は20.5cmであり、練混ぜ後60分経過後にもなお可使性を維持していた。この実施例2のモルタル組成物の空気量は、練混ぜ直後および60分経過後の双方において、それぞれ3.2%であった。
さらに実施例2の各モルタル組成物から得られた材齢7日の硬化物につき、曲げじん性係数試験を行った。この試験の結果を図1に示した。図1には4点測定した結果をすべて図示した。図1に示されるように、この硬化物はひずみ硬化型高じん性モルタルであることが確認された。
【0039】
実施例6
本実施例では、上記実施例2と同じ組成のモルタル組成物を用いて、施工試験を行った。
上記実施例2と同じ組成の粉体混合物752kgをプロシェアミキサーにより混合した。
次いで容量0.5mのセルフレベリング材料混ぜに用いられる高速ミキサーに水135kgを秤りとり、これを撹拌しながら上記粉体混合物を加えて2分間撹拌して前駆スラリーとした。次いでここに、前駆スラリー100容量部に対して1.5容量部のPP繊維(1)を加え、さらに1分間撹拌することにより、モルタル組成物を製造した。
このモルタル組成物をアジテーターに投入し、直ちにスランプ値および空気量を測定したところ、それぞれ21.7cmおよび2.0%であった。
アジテーターにスクィーズ式ポンプを接続し、モルタル組成物を約30mポンプ圧送した。圧送先(圧送後の筒先)で再度測定したスランプ値および空気量はそれぞれ20.0cmおよび1.8%であった。
圧送後のモルタル組成物を、約2%の勾配を付した長さ100cm、幅130cmのコンクリート板上にポンプ打設したところ、ダレを生じることなく良好に仕上げることができた。
圧送後の筒先で採取したモルタル組成物につき、練混ぜ3時間後、7日後および28日後の圧縮強度を測定したところ、それぞれ31.5N/mm、55.9N/mmおよび68.5N/mmであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)SiOを13.5〜21.0重量%、Alを6.0〜12.0重量%、CaOを55.0〜65.0重量%、SOを5.5〜11.0重量%およびFを0.2〜1.0重量%の範囲で含んでなるセメント100重量部、
(B)石灰系膨張剤4〜15重量部、
(C)細骨材80〜180重量部、
(D)分散剤0.04〜0.4重量部、
(E)凝結遅延剤0.2〜1.1重量部、
(F)有機繊維および

を含有するモルタル組成物であって、
前記(F)有機繊維の直径Dが15〜500μmであり、
(F)有機繊維の長さLと直径Dとの比L/Dが100〜1,000であり、
(F)有機繊維の長さLと(C)細骨材の最大粒経dとの比L/dが4.7〜9であり、そして
(F)有機繊維の含有割合が、組成物中の該有機繊維以外の成分(水を含む)の合計100容量部に対して1〜3容量部であることを特徴とする、前記モルタル組成物。
【請求項2】
(a1)11CaO・7Al・CaFの組成を有するセメント40〜75重量部、
(a2)ポルトランドセメント25〜60重量部、
ただし上記(a1)および(a2)の合計は100重量部である、
(B)石灰系膨張剤4〜15重量部、
(C)細骨材80〜180重量部、
(D)分散剤0.04〜0.4重量部、
(E)凝結遅延剤0.2〜1.1重量部、
(F)有機繊維および

を含有するモルタル組成物であって、
前記(F)有機繊維の直径Dが15〜500μmであり、
(F)有機繊維の長さLと直径Dとの比L/Dが100〜1,000であり、
(F)有機繊維の長さLと(C)細骨材の最大粒経dとの比L/dが4.7〜9であり、そして
(F)有機繊維の含有割合が、組成物中の該有機繊維以外の成分(水を含む)の合計100容量部に対して1〜3容量部であることを特徴とする、前記モルタル組成物。
【請求項3】
上記モルタル組成物のスランプ値が15〜25cmである、請求項1または2に記載のモルタル組成物。
【請求項4】
さらに、(G)無水石膏0.8〜5.7重量部を含有する、請求項1または2に記載のモルタル組成物。
【請求項5】
さらに、(H)シリカヒューム0.8〜5.7重量部を含有する、請求項1または2に記載のモルタル組成物。
【請求項6】
さらに、(I)消泡剤0.04〜0.22重量部を含有する、請求項1または2に記載のモルタル組成物。
【請求項7】
少なくとも(A)SiOを13.5〜21.0重量%、Alを6.0〜12.0重量%、CaOを55.0〜65.0重量%、SOを5.5〜11.0重量%およびFを0.2〜1.0重量%の範囲で含んでなるセメント100重量部、
(B)石灰系膨張剤4〜15重量部、
(C)細骨材80〜180重量部、
(D)分散剤0.04〜0.4重量部、
(E)凝結遅延剤0.2〜1.1重量部および

を混合して前駆スラリーとした後、
該前駆スラリー100容量部に対して1〜3容量部の(F)有機繊維を混合するモルタル組成物の製造方法であって、
前記(F)有機繊維の直径Dが15〜500μmであり、
(F)有機繊維の長さLと直径Dとの比L/Dが100〜1,000であり、そして
(F)有機繊維の長さLと(C)細骨材の最大粒経dとの比L/dが4.7〜9であることを特徴とする、前記モルタル組成物の製造方法。
【請求項8】
少なくとも(a1)11CaO・7Al・CaFの組成を有するセメント40〜75重量部、
(a2)ポルトランドセメント25〜60重量部、
ただし上記(a1)および(a2)の合計は100重量部である、
(B)石灰系膨張剤4〜15重量部、
(C)細骨材80〜180重量部、
(D)分散剤0.04〜0.4重量部、
(E)凝結遅延剤0.2〜1.1重量部および

を混合して前駆スラリーとした後、
該前駆スラリー100容量部に対して1〜3容量部の(F)有機繊維を混合するモルタル組成物の製造方法であって、
前記(F)有機繊維の直径Dが15〜500μmであり、
(F)有機繊維の長さLと直径Dとの比L/Dが100〜1,000であり、そして
(F)有機繊維の長さLと(C)細骨材の最大粒経dとの比L/dが4.7〜9であることを特徴とする、前記モルタル組成物の製造方法。
【請求項9】
上記前駆スラリーが、さらに(G)無水石膏0.8〜5.7重量部を混合して得られたものである、請求項7または8に記載のモルタル組成物の製造方法。
【請求項10】
上記前駆スラリーが、さらに(H)シリカヒューム0.8〜5.7重量部を混合して得られたものである、請求項7〜9のいずれか一項に記載のモルタル組成物の製造方法。
【請求項11】
上記前駆スラリーが、さらに(I)消泡剤0.04〜0.22重量部を混合して得られたものである、請求項7〜10のいずれか一項に記載のモルタル組成物の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−207670(P2011−207670A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76933(P2010−76933)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000003182)株式会社トクヤマ (839)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000234122)萩原工業株式会社 (47)
【Fターム(参考)】