説明

モータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システム及び判断方法

【課題】適切な時期にフィルターを交換できるようにするシステム及び方法の提供。
【解決手段】空気清浄機に備えられたフィルターを動作させるモータの回転速度を測定するモータ速度測定部310と、モータに電源を供給してモータが回転を開始する時、またはモータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントする時間カウント部320と、モータの回転速度が既設定された速度に達したかを判断する速度判断部330と、速度判断部が、モータの回転速度が既設定された速度に達したと判断した時、時間カウント部からカウントされた時間に関する情報を受信してカウントされた時間を既設定された時間と比較する時間比較部340と、モータの回転速度が既設定された速度に達するまでの時間と既設定された時間との比較結果によってフィルターの交換時期になったか否かを判断するフィルター交換時期判断部350とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、モータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システム及び判断方法に関するもので、特に空気清浄機に備えられたフィルターを動作させるモータの回転速度を測定して、適切な時期にフィルターを交換することができるようにするシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、空気清浄機は室内の空気に含まれた各種ほこり及び細菌を除去、または、タバコの臭い及び汗の臭いなどを脱臭して室内の空気を浄化する装置である。
【0003】
このような空気清浄機は、通常、汚染された空気をファンで吸い込み、フィルターにより0.03μm程度までの微細ほこりや細菌などを集塵して除去するように構成され、室内空気の汚染により減少した陰イオンを発生させて快適な室内環境を提供する。
【0004】
図1は、従来の空気清浄機に備えられたモータ駆動システムの構成図である。図1に示されたように、電源部20は、SMPS(Switching Mode Power Supply)などで構成され、商用電源である交流電圧を直流電圧に変換させ、スイッチング素子駆動部40は、電源部20で変換された直流電圧の印加を受けてスイッチング制御信号を発生させる。そして、スイッチング素子50は、スイッチング制御信号に応じて電源部20で印加を受けた直流電圧を3相電圧に変換させてモータ10に印加する。
【0005】
3相電圧によりモータ10の巻線(図示省略)から磁場が発生してモータ10の回転子(図示省略)が回転するようになる。モータ10の回転子が回転することによって圧縮機(図示省略)が駆動される。
【0006】
モータ10の回転子が回転することによって巻線には逆起電力が出力され、逆起電力検知部70はこのような逆起電力を検出してマイコン60に印加する。該逆起電力の検出により、マイコン60は、モータ10が正確に動作するようにスイッチング素子駆動部40を制御する。
【0007】
電源部20で変換された直流電圧は、高圧発生部30に供給されて高圧が発生され、集塵フィルター80は、高圧発生部30から入力される高電圧を用いて集塵を行うようになる。そして、電源部20で変換された直流電圧は、マイコン60に供給されて、マイコン60では風量調節、汚染度表示、タイマー訂正、陰イオン発生などの機能をし、陰イオン発生部90は、高圧発生部30のようにマイナス(−)の高電圧を誘起させて、その出力を陰イオン発生針に供給することによって陰イオンを流出する。
【0008】
モータ10に印加される電圧は、PWM(Pulse Width Modulation)波形であり、そのデューティ比(duty ratio)が大きいほどモータ10の駆動力が強くなり、デューティ比が小さいほどモータ10の駆動力が弱くなる。モータ10の駆動回路は、PWMのデューティ比を調節することによってモータ10の回転速度を調節し、モータ10はファンを回転させる。
【0009】
上記のような空気清浄機の使用に当たって、フィルターの汚染度が増加するようになるとフィルターを交換する必要があるが、この場合、空気清浄機を使用した時間を積算してフィルターを交換していた。
【0010】
従って、従来技術では、正確な汚染度を判断することができず、適切な交換時期にフィルターを交換できないという問題点があった。即ち、汚染度が、適切な汚染度より低い場合にもフィルターを交換することによって不要にフィルターを交換したり、汚染度が、適切な汚染度より高い場合にもフィルターを交換せずに使用していたり、フィルターの機能を十分に発揮できない状況が発生していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一側面は、空気清浄機に備えられたフィルターを適切な時期に交換することができるようにして、効率的に空気清浄機を使用するとともに、最適な室内環境を造成しようとするシステム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一側面は、空気清浄機に備えられたフィルターを動作させるモータの回転速度を測定するモータ速度測定部と、上記モータに電源を供給して上記モータが回転を開始する時、または上記モータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントする時間カウント部と、上記モータの回転速度が既設定(予め設定)された速度に達したかを判断する速度判断部と、上記速度判断部が、上記モータの回転速度が既設定された速度に達したと判断した時、上記時間カウント部からカウントされた時間に関する情報を受信して上記カウントされた時間を既設定された時間と比較する時間比較部と、上記モータの回転速度が既設定された速度に達するまでの時間と既設定された時間との比較結果によって上記フィルターの交換時期になったか否かを判断するフィルター交換時期判断部と、を含むことを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システムを提供する。
【0013】
本発明の一実施例において、上記時間カウント部は、上記モータに電源を供給して上記モータが回転を開始する時を始点としてそれ以後の時間をカウントし、上記既設定された速度は目標速度であり、上記モータの回転速度が上記目標速度に達するまでの時間が既設定された時間より短い場合、上記フィルター交換時期判断部は上記フィルターの交換時期になったと判断することを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システムを提供する。
【0014】
本発明の他の実施例において、上記モータの回転速度が既設定された速度である時、上記モータに供給される電源を遮断する電源遮断部をさらに含み、上記電源遮断部が上記モータに供給される電源を遮断する時、上記時間カウント部は、上記モータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントし、上記速度判断部は、上記モータの回転速度が0に達するか否かを判断し、上記時間比較部は、上記モータの回転速度が0に達するまでの時間を既設定された時間と比較し、上記モータの回転速度が0に達するまでの時間が既設定された時間より長い場合、上記フィルター交換時期判断部は上記フィルターの交換時期になったと判断することを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システムを提供する。
【0015】
本発明のさらに他の実施例において、上記フィルター交換時期判断部は、上記フィルターの交換時期になった時、上記フィルターの交換信号を知らせるメッセージまたはアラーム信号を表示部に出力することを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システムを提供する。
【0016】
本発明の他の側面は、空気清浄機に備えられたフィルターを動作させるモータの回転速度を測定するステップと、上記モータに電源を供給して上記モータが回転を開始する時、または上記モータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントするステップと、上記モータの回転速度が既設定された速度に達したかを判断するステップと、上記モータの回転速度が既設定された速度に達したと判断した時、上記カウントされた時間を既設定された時間と比較するステップと、上記モータの回転速度が既設定された速度に達するまでの時間と既設定された時間との比較結果によって上記フィルターの交換時期になったか否かを判断するステップと、を含むことを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法を提供する。
【0017】
本発明の一実施例において、上記時間をカウントするステップは、上記モータに電源を供給して上記モータが回転を開始する時を始点としてそれ以後の時間をカウントし、上記既設定された速度は目標速度であり、上記フィルターの交換時期になったか否かを判断するステップは、上記モータの回転速度が上記目標速度に達するまでの時間が既設定された時間より短い場合、上記フィルターの交換時期になったと判断することを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法を提供する。
【0018】
本発明の他の実施例において、上記モータの回転速度が既設定された速度である時、上記モータに供給される電源を遮断するステップをさらに含み、上記電源を遮断するステップで上記モータに供給される電源を遮断する時、上記時間をカウントするステップは、上記モータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントし、上記既設定された速度に達したかを判断するステップは、上記モータの回転速度が0に達するか否かを判断し、上記既設定された時間と比較するステップは、上記モータの回転速度が0に達するまでの時間を既設定された時間と比較し、上記フィルターの交換時期になったかを判断するステップは、上記モータの回転速度が0に達するまでの時間が既設定された時間より長い場合、上記フィルターの交換時期になったと判断することを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法を提供する。
【0019】
本発明のさらに他の実施例において、上記フィルターの交換時期になった時、上記フィルターの交換信号を知らせるメッセージまたはアラーム信号を表示部に出力するステップをさらに含むことを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一側面によると、空気清浄機に備えられたフィルターを適切な時期に交換することができるようにして、効率的に空気清浄機を使用するとともに、最適な室内環境を造成することができるようにする。
本発明の他の側面によると、空気清浄機に備えられたフィルターの正確な汚染度を判断してフィルターを交換することができるようになり、フィルターの浪費を防ぐとともに、フィルターの空気浄化能力を低下させない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来の空気清浄機に備えられたモータ駆動システムの構成図である。
【図2】本発明のモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システムの構成図である。
【図3】図2の制御部の構成図である。
【図4】本発明の第1モードにおいて、フィルターの汚染度が高い場合(a)と、低い場合(b)に空気清浄機に備えられたモータから発生するパルス信号を比較したグラフである。
【図5】本発明の第1モードにおいて汚染度が高い場合と低い場合に、モータの回転速度が目標速度に達するまでの時間を比較したグラフである。
【図6】本発明の第1モードにおいてモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法のフローチャートである。
【図7】本発明の第2モードにおいて、フィルターの汚染度が高い場合(a)と、低い場合(b)に空気清浄機に備えられたモータから発生するパルス信号を比較したグラフである。
【図8】本発明の第2モードにおいて汚染度が高い場合と低い場合に、モータの回転速度が0に達する時間を比較したグラフである。
【図9】本発明の第2モードにおいてモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下で説明される実施形態のみにより限定されるものではない。図面に図示された構成要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のため誇張することがあり、図面上において同一の符号で示される構成要素は同一の構成要素である。
【0023】
図2は、本発明のモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システムの構成図であり、図3は、図2の制御部の構成図である。図2及び図3に示されたように、モータ500の速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システムは、操作部100、電源部200、制御部300、表示部400を含み、制御部300は、モータ速度測定部310、時間カウント部320、速度判断部330、時間比較部340、フィルター交換時期判断部350、電源遮断部360を含むことができる。
【0024】
操作部100は、ユーザから所望の運転情報(例えば、自動運転または手動運転)とその他の操作信号の入力を受ける。
【0025】
電源部200は、空気清浄機に電源を供給し、交流電源を整流及び平滑させて直流電源として供給する整流部と、整流部から供給される直流電源を、任意の可変周波数を有するパルス状の3相交流電源に変換しモータに供給するインバータと、から構成されることができる。
【0026】
モータ速度測定部310は、空気清浄機に備えられたフィルターを動作させるモータの回転速度を測定する。モータの回転速度は、通常1分間当たりの回転数(rpm)で示す。
【0027】
時間カウント部320は、モータに電源を供給してモータが回転を開始する時、またはモータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントする。
【0028】
速度判断部330は、モータの回転速度が既設定された速度に達したかを判断する。
【0029】
時間比較部340は、速度判断部330が、モータの回転速度が既設定された速度に達したと判断した時、時間カウント部320からカウントされた時間に関する情報を受信してカウントされた時間を既設定された時間と比較する。
【0030】
フィルター交換時期判断部350は、モータの回転速度が既設定された速度に達するまでの時間と既設定された時間との比較結果によってフィルターの交換時期になったか否かを判断する。
【0031】
上述したようなモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システムは、2つのモードに区分して具体的に述べることができる。
【0032】
第1モードは、モータが回転し始めて目標速度に達するまでの時間をカウントしてフィルター交換時期を判断する場合であり、第2モードは、モータが目標速度で回転している時、モータに供給される電源を遮断した後にモータの回転速度が0に達するまでの時間をカウントしてフィルター交換時期を判断する場合である。
【0033】
第1モードにおいて時間カウント部320は、モータに電源を供給してモータが回転し始めた時を始点としてそれ以後の時間をカウントし、速度判断部330は、モータの回転速度が目標速度に達したかを判断する。そして、時間比較部340は、速度判断部330がモータの回転速度が目標速度に達したと判断した時、時間カウント部320からカウントされた時間に関する情報を受信してカウントされた時間を既設定された時間と比較する。また、フィルター交換時期判断部350は、モータの回転速度が目標速度に達するまでの時間が既設定された時間より短い場合、フィルターの交換時期になったと判断してフィルターの交換信号を知らせるメッセージまたはアラーム信号を表示部400に出力する。
【0034】
第2モードにおいて電源遮断部360は、モータの回転速度が目標速度であると、モータに供給される電源を遮断し、時間カウント部320は、モータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントする。そして、速度判断部330は、モータの回転速度が0に達するか否かを判断し、時間比較部340は、モータの回転速度が0に達したと判断した時、時間カウント部320からカウントされた時間に関する情報を受信してカウントされた時間を既設定された時間と比較する。また、フィルター交換時期判断部350は、モータの回転速度が0に達するまでの時間が既設定された時間より長い場合、フィルターの交換時期になったと判断してフィルターの交換信号を知らせるメッセージまたはアラーム信号を表示部400に出力する。
【0035】
表示部400は、フィルター交換時期判断部350が出力するメッセージまたはアラーム信号を表示して、ユーザにフィルターの交換時期になったことを知らせる。ユーザは、メッセージまたはアラーム信号を通じてフィルターの交換時期になったことが分かり、空気清浄機に備えられたフィルターを交換して使用することができる。
【0036】
図4は、本発明の第1モードにおいて、フィルターの汚染度が高い場合と低い場合に、空気清浄機に備えられたモータから発生するパルス信号を比較したグラフである。図4に示されたように、フィルターの汚染度が高い場合には(a)のようなパルス信号を示し、フィルターの汚染度が低い場合には(b)のようなパルス信号を示す。
【0037】
(a)は、フィルターの汚染度が高い場合で、tでモータの回転速度が目標速度に達し、(b)は、フィルターの汚染度が低い場合で、tでモータの回転速度が目標速度に達する。(a)と(b)の結果から、tがtより小さいことが分かる。
【0038】
フィルターの汚染度が高い場合、フィルターを通じて流入される空気の量が少なくモータの負荷が小くなり、フィルターの汚染度が低い場合、フィルターを通じて流入される空気の量が多くモータの負荷が大きくなる。従って、モータの負荷によってモータの回転速度が変わることを用い、モータの回転速度が目標速度に達するまでの時間をカウントしてフィルターの交換時期が分かるようになる。
【0039】
図5は、本発明の第1モードにおいて汚染度が高い場合と低い場合に、モータの回転速度が目標速度に達するまでの時間を比較したグラフである。図5に示されたように、フィルターの汚染度が高い場合には(a)のようにモータの回転速度が目標速度に達するまでの時間がtであり、汚染度が低い場合には(b)のようにモータの回転速度が目標速度に達するまでの時間がtである。この時、t<tであることから、フィルターの汚染度が高いと、フィルターの汚染度が低い場合よりもモータが目標速度に達するまでの時間が短いことが分かる。
【0040】
従って、本発明の空気清浄機では、フィルターの交換時期に該当するフィルターの汚染度を知っている状態で、モータの回転速度が目標速度に達するまでの時間をカウントすることによって、フィルターの交換時期を判断することができる。
【0041】
図6は、本発明の第1モードにおいてモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法のフローチャートである。図2及び図3を参照して図6について述べると、モータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法は以下のようである。
【0042】
先ず、モータ速度測定部310は、空気清浄機に備えられたフィルターを動作させるモータの回転速度を測定し、時間カウント部320は、モータが回転し始めた時を始点としてそれ以後の時間をカウントする(S110)。モータの回転速度は、通常1分間当たりの回転数(rpm)で示す。
【0043】
その後、速度判断部330は、モータの回転速度が目標速度に達したか否かを判断する(S120)。
【0044】
その後、時間比較部340は、モータの回転速度が目標速度に達するまでの時間を既設定された時間と比較する(S130)。
【0045】
その後、モータの回転速度が、目標速度に達するまでの時間が既設定された時間より短い場合、フィルター交換時期判断部350は、フィルターの交換時期になったと判断してフィルターの交換信号を知らせるメッセージまたはアラーム信号を表示部に出力する(S141)。しかし、モータの回転速度が目標速度に達するまでの時間が既設定された時間と同一またはそれよりも長い場合には、フィルター交換時期判断部350はフィルターの交換時期になったと判断しない(S142)。
【0046】
フィルターの汚染度が高い場合、フィルターを通じて流入される空気の量が少なくモータの負荷が小くなり、フィルターの汚染度が低い場合、フィルターを通じて流入される空気の量が多くモータの負荷が大きくなる。従って、モータの負荷によってモータの回転速度が変わることを用いて、モータの回転速度が目標速度に達するまでの時間をカウントしてフィルターの交換時期が分かる。
【0047】
図7は、本発明の第2モードにおいてフィルターの汚染度が高い場合と低い場合に、空気清浄機に備えられたモータから発生するパルス信号を比較したグラフである。図7に示されたように、フィルターの汚染度が高い場合には(a)のようなパルス信号を示し、フィルターの汚染度が低い場合には(b)のようなパルス信号を示す。
【0048】
(a)は、フィルターの汚染度が高い場合で、tでモータの回転速度が目標速度に達した。この時、モータに供給される電源を遮断すると、モータは減速するようになり、tでの回転速度が0に達した。
【0049】
(b)は、フィルターの汚染度が低い場合で、tでモータの回転速度が目標速度に達した。この時、モータに供給される電源を遮断すると、モータは減速するようになり、tでの回転速度が0に達した。
【0050】
(a)と(b)の結果から、モータの回転速度が目標速度に達する時間tから回転速度が0に達する時間tまでの経過時間が、モータの回転速度が目標速度に達する時間tから回転速度が0に達する時間tまでの経過時間より長いことが分かる。
【0051】
フィルターの汚染度が高い場合、フィルターを通じて流入される空気の量が少なくモータの負荷が小くなり、フィルターの汚染度が低い場合、フィルターを通じて流入される空気の量が多くモータの負荷が大きくなる。従って、モータの負荷によってモータの回転速度が変わることを用いて、モータの回転速度が0に達するまでの時間をカウントしてフィルターの交換時期が分かる。
【0052】
図8は、本発明の第2モードにおいて汚染度が高い場合と低い場合に、モータの回転速度が0に達する時間を比較したグラフである。図8に示されたように、フィルターの汚染度が高い場合には(a)のようにモータの回転速度が目標速度から0に達するまでの時間がt’であり、汚染度が低い場合には(b)のようにモータの回転速度が目標速度から0に達するまでの時間がt’である。この時、t’>t’であることから、フィルターの汚染度の高い場合がフィルターの汚染度が低い場合よりも、モータの回転速度が0に達するまで多くの時間がかかることが分かる。
【0053】
従って、本発明の空気清浄機では、フィルターの交換時期に該当するフィルターの汚染度を知っている状態で、モータの回転速度が0に達する時間をカウントすることによって、フィルターの交換時期を判断することができる。
【0054】
図9は、本発明の第2モードにおいて、モータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法のフローチャートである。図2及び図3を参照して図9について述べると、モータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法は以下のようである。
【0055】
先ず、モータ速度測定部310は、空気清浄機に備えられたフィルターを動作させるモータの回転速度を測定し、時間カウント部320は、モータが目標速度で回転する状態で電源遮断部360により電源が遮断された時を始点としてそれ以後の時間をカウントする(S210)。モータの回転速度は、通常1分間当たりの回転数(rpm)で示す。
【0056】
その後、速度判断部330は、モータの回転速度が0に達したか否かを判断する(S220)。
【0057】
その後、時間比較部340は、モータの回転速度が0に達するまでの時間を既設定された時間と比較する(S230)。
【0058】
その後、モータの回転速度が、0に達するまでの時間が既設定された時間より長い場合、フィルター交換時期判断部350は、フィルターの交換時期になったと判断してフィルターの交換信号を知らせるメッセージまたはアラーム信号を表示部に出力する(S241)。しかし、モータの回転速度が0に達するまでの時間が既設定された時間と同一またはそれよりも短い場合には、フィルター交換時期判断部350はフィルターの交換時期になったと判断しない(S242)。
【0059】
フィルターの汚染度が高い場合、フィルターを通じて流入される空気の量が少なくモータの負荷が小くなり、フィルターの汚染度が低い場合、フィルターを通じて流入される空気の量が多くモータの負荷が大きくなる。従って、モータの負荷によってモータの回転速度が変わることを用いて、モータの回転速度が0に達するまでの時間をカウントしてフィルターの交換時期が分かる。
【0060】
本発明は、上述した実施形態及び添付された図面によって限定されない。添付された請求の範囲によって権利の範囲を限定しようとし、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内において多様な形態の置換、変形及び変更が可能であるということは当技術分野の通常の知識を有する者には自明である。
【符号の説明】
【0061】
100 操作部
200 電源部
300 制御部
310 モータ速度測定部
320 時間カウント部
330 速度判断部
340 時間比較部
350 フィルター交換時期判断部
360 電源遮断部
400 表示部
500 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機に備えられたフィルターを動作させるモータの回転速度を測定するモータ速度測定部と、
前記モータに電源を供給して前記モータが回転を開始する時、または前記モータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントする時間カウント部と、
前記モータの回転速度が既設定された速度に達したかを判断する速度判断部と、
前記速度判断部が、前記モータの回転速度が既設定された速度に達したと判断した時、前記時間カウント部からカウントされた時間に関する情報を受信して前記カウントされた時間を既設定された時間と比較する時間比較部と、
前記モータの回転速度が既設定された速度に達するまでの時間と既設定された時間との比較結果によって前記フィルターの交換時期になったか否かを判断するフィルター交換時期判断部と、
を含むことを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システム。
【請求項2】
前記時間カウント部は、前記モータに電源を供給して前記モータが回転を開始する時を始点としてそれ以後の時間をカウントし、前記既設定された速度は目標速度であり、前記モータの回転速度が前記目標速度に達するまでの時間が既設定された時間より短い場合、前記フィルター交換時期判断部は前記フィルターの交換時期になったと判断することを特徴とする請求項1に記載のモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システム。
【請求項3】
前記モータの回転速度が既設定された速度である時、前記モータに供給される電源を遮断する電源遮断部をさらに含み、前記電源遮断部が前記モータに供給される電源を遮断する時、前記時間カウント部は、前記モータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントし、前記速度判断部は、前記モータの回転速度が0に達するか否かを判断し、前記時間比較部は、前記モータの回転速度が0に達するまでの時間を既設定された時間と比較し、前記モータの回転速度が0に達するまでの時間が既設定された時間より長い場合、前記フィルター交換時期判断部は、前記フィルターの交換時期になったと判断することを特徴とする請求項1に記載のモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システム。
【請求項4】
前記フィルター交換時期判断部は、前記フィルターの交換時期になった時、前記フィルターの交換信号を知らせるメッセージまたはアラーム信号を表示部に出力することを特徴とする請求項1に記載のモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断システム。
【請求項5】
空気清浄機に備えられたフィルターを動作させるモータの回転速度を測定するステップと、
前記モータに電源を供給して前記モータが回転を開始する時、または前記モータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントするステップと、
前記モータの回転速度が既設定された速度に達したかを判断するステップと、
前記モータの回転速度が既設定された速度に達したと判断した時、前記カウントされた時間を既設定された時間と比較するステップと、
前記モータの回転速度が既設定された速度に達するまでの時間と既設定された時間との比較結果によって前記フィルターの交換時期になったか否かを判断するステップと、
を含むことを特徴とするモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法。
【請求項6】
前記時間をカウントするステップは、前記モータに電源を供給して前記モータが回転を開始する時を始点としてそれ以後の時間をカウントし、前記既設定された速度は目標速度であり、前記フィルターの交換時期になったか否かを判断するステップは、前記モータの回転速度が前記目標速度に達するまでの時間が既設定された時間より短い場合、前記フィルターの交換時期になったと判断することを特徴とする請求項5に記載のモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法。
【請求項7】
前記モータの回転速度が既設定された速度である時、前記モータに供給される電源を遮断するステップをさらに含み、前記電源を遮断するステップで前記モータに供給される電源を遮断する時、前記時間をカウントするステップは、前記モータに供給される電源を遮断する時を始点としてそれ以後の時間をカウントし、前記既設定された速度に達したかを判断するステップは、前記モータの回転速度が0に達するか否かを判断し、前記既設定された時間と比較するステップは、前記モータの回転速度が0に達するまでの時間を既設定された時間と比較し、前記フィルターの交換時期になったかを判断するステップは、前記モータの回転速度が0に達するまでの時間が既設定された時間より長い場合、前記フィルターの交換時期になったと判断することを特徴とする請求項5に記載のモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法。
【請求項8】
前記フィルターの交換時期になった時、前記フィルターの交換信号を知らせるメッセージまたはアラーム信号を表示部に出力するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のモータの速度測定を用いた空気清浄機のフィルター交換時期判断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−12463(P2010−12463A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157825(P2009−157825)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(505414838)ウンジンコーウエイ カンパニイ リミテッド (18)
【Fターム(参考)】