ユニット型植栽基盤および植栽の形成方法
【課題】軽量で厚みが薄くでき施工場所を限定されないユニット式の植栽基盤を容易に形成でき、施工後のメンテナンスや不要になった場合の後処理の問題がない植物一体型植栽基盤とその製造方法とそれを用いた植栽の形成方法の提供。
【解決手段】編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体と、該植栽基盤形成体内の前記培養物に根を張って前記植栽基盤形成体と一体化されて該植栽基盤形成体の一面を覆っている地被植物から少なくともなり、地被植物が覆っている植栽基盤形成体の面の面積が0.1〜1.1m2 であるユニット型植裁基盤であり、また、任意の型枠形状を有する基盤型枠材の内側に、前記植栽基盤形成体をその外側面どおしが接するようにして敷き詰めて載置し、さらにその上面に地被植物を植え付けて植栽基盤形成体と一体化するユニット型植裁基盤の製造方法。
【解決手段】編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体と、該植栽基盤形成体内の前記培養物に根を張って前記植栽基盤形成体と一体化されて該植栽基盤形成体の一面を覆っている地被植物から少なくともなり、地被植物が覆っている植栽基盤形成体の面の面積が0.1〜1.1m2 であるユニット型植裁基盤であり、また、任意の型枠形状を有する基盤型枠材の内側に、前記植栽基盤形成体をその外側面どおしが接するようにして敷き詰めて載置し、さらにその上面に地被植物を植え付けて植栽基盤形成体と一体化するユニット型植裁基盤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は緑化形成に関わるユニット型の植栽基盤及びその植栽基盤を用いた植栽方法に関する。更に詳しくは、ビルの屋上やアスファルト路面脇またはその他の所望する場所などに植物を育成させるために使用できるユニット型の植栽基盤と該植栽基盤を用いた植栽方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒートアイランド現象の深刻化などに伴い、その対策の一環として敷地面積9,000m2以上、または建築面積3,000m2以上の特定工場には、敷地内または建造物屋上に緑化部分を作ることが義務化された。
【0003】
また、東京都などの都心部では、工場以外の建物にも緑化の義務が課せられたことにより緑化の需要が高まっている。
【0004】
しかし、ビルの屋上やアスファルト上などの直接には植物が育つ環境でない場所には、植栽基盤を形成させる必要があり、建築以外に更なる手間とコストがかかることになった。
【0005】
一般に、建物の上に植栽基盤を作る場合、建物屋上に防根・防水シートを敷き、その上に培養土を敷き詰めれば植栽基盤として成り立つが、培養土のみの場合、植物が適正に育つためには相当な量の培養土が必要とされる。
【0006】
すなわち、一般に、芝生においては深さ約30cmの土壌が必要であり、一般的な培養土を使用した場合、重量が重く厚みのある植栽基盤となってしまう。このため、建物の耐久性を考えての建築設計や植栽基盤の軽量化設計が必要となる。更に、乾燥した培養土が風によって周囲に飛散し環境上の問題も招来する。
【0007】
また、施工後の植物の管理にも問題があり、例えば、芝生の場合、人が多く足を踏み入れる場所は芝が育ちにくいことが問題となっている。
【0008】
たとえば、先行技術として、軽量化をねらったものとして、最下部に形成された保水層と、該保水層の上面に敷設された不織布からなる透水層と、該透水層の上面に形成された客土層とを備え、該保水層は多数の籾殻を有するという植生培地構造と緑化用マットが提案されている(特許文献1)。この提案のものは、保水層の保水量を大きくすることができ植生の管理が容易となり、また、籾殻により形成される保水層は軽量であるため、植生培地構造全体を軽量化することができる。
【0009】
また、保水層を使用し、該保水層を軽量化することにより植栽基盤全体を軽量化する緑化システムも多く提案されている(特許文献2−4)。
【0010】
しかし、いずれも、十分な軽量化ができていないかあるいは軽量化ができていても厚みがありすぎることなどが問題であった。しかも、施工できる場所が限定されることが多かった。
【0011】
また、先に本発明者らは、ビルの屋上、その他適当な場所に植物を植えて生育させるため、ビルに大きな負担がかからず、施工も簡単な植栽地盤を形成する繊維構造体として、編物で構成される筒状生地に培養土を充填して繊維構造体とし、そしてJIS L1018 8.10に基づいて求めた編物生地のカバーファクター値を5〜20とし、繊維構造体の上に芝生などを載置するだけで編目を通過して根が内部に進入できる繊維構造体と該繊維構造体を使用した植栽地盤を提案した(特許文献5)。
【0012】
しかし、この特許文献5で提案されている方法は、軽量化や厚みの問題は解決されているにしても、植物が枯れてしまった場合に一部分を取り除くことや、不必要になった場合に撤去することが困難であり、施工後の問題を解決できていなかった。
【0013】
このようなことから、十分に満足できる緑化手法は、いまだ得られていないのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−325037号公報
【特許文献2】特開2002−125452号公報
【特許文献3】特開2002−084889号公報
【特許文献4】特開2003−210034号公報
【特許文献5】特開2008−289393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、従来の植栽基盤の問題を解決し、軽量で厚みが薄く施工場所を限定されず、さらに施工後の問題を解決したユニット型というべき植栽基盤とその製造方法を提供すること、さらに該植栽基盤を用いた植栽方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる課題を解決するために、本発明の植裁基盤は、以下の(1)の構成からなる。
(1)編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体と、該植栽基盤形成体内の前記培養物に根を張って前記植栽基盤形成体と一体化されて該植栽基盤形成体の一面を覆っている地被植物から少なくともなり、該地被植物が覆っている該植栽基盤形成体の面の面積が0.1〜1.1m2であることを特徴とするユニット型植裁基盤。
【0017】
かかる本願発明のユニット型植裁基盤において、具体的に好ましい態様として、以下の(2)の構成とするのがよい。
(2)前記ユニット型植裁基盤の外形輪郭が、型枠により賦形されたものであることを特徴とする上記(1)記載のユニット型植栽基盤。
【0018】
また、本発明のユニット型植裁基盤の製造方法は、以下の(3)の構成を有する。
(3)任意の型枠形状を有する基盤型枠材の内側に、編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体を該植栽基盤形成体の外側面どおしが接するようにして敷き詰めて載置し、さらに該載置された前記植栽基盤形成体の上面に地被植物を植え付けることにより該地被植物と前記植栽基盤形成体とを一体化させることを特徴とするユニット型植裁基盤の製造方法。
【0019】
また、本発明の植栽の形成方法は、以下の(4)記載の構成を有する。
(4)上記(1)または(2)記載のユニット型植裁基盤を2個以上敷き詰めることにより緑化を行うことを特徴とする植裁の形成方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明のユニット型植裁基盤、ユニット型植栽基盤の製造方法によれば、緑化を行うに当たり、その植栽基盤の重量・厚みを従来のものよりも小さくすることができ、施工場所を特に限定されず、緑化工事の施工が可能な場所を広げ、また、施工後の管理や撤去も容易にできる植栽基盤とその製造方法が提供される。また、その植栽基盤を用いることにより、従来はできなかった場所やデザインでの緑化を可能にする植栽方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明のユニット型植栽基盤に使用する編物、織物または不織布で形成された筒状物の内部に培養物を充填するときの一例状態を説明する概要図である。
【図2】図2は、本発明のユニット型植栽基盤に使用する植裁基盤形成体の一例を示した正面である。
【図3】図3は、本発明にかかるユニット型植裁基盤の一例を示した斜視図である。
【図4】図4は、本発明にかかるユニット型植裁基盤の一例を示した断面図である。
【図5】図5は、本発明にかかるユニット型植栽基盤の一例を示した断面図である。
【図6】図6は、本発明にかかるユニット型植栽基盤に使用できる植裁基盤形成体を渦巻状にして形成した一例を示した植栽基盤の正面図である。
【図7】図7は、本発明にかかるユニット型植栽基盤に使用できる植裁基盤形成体を三角形状にして形成した一例を示した植栽基盤の正面図である。
【図8】図8は、本発明にかかる植栽基盤形成体を一直線に延ばしたときの一例構造を示した正面図である。
【図9】図9は、本発明にかかるユニット型植裁基盤を並べて緑地を完成させたときの一例を示したものである。
【図10】図10は、本発明にかかるユニット型植裁基盤を並べて緑地を完成させたときの他の一例を示したものである。
【図11】図11は、本発明にかかるユニット型植裁基盤を並べて緑地を完成させたときの他の一例を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のユニット型植裁基盤について、図面等を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
本発明のユニット型植栽基盤は、図1に示したように、編物、織物または不織布の生地により形成された筒状物1に培養物2を充填し、図2に示すように敷かれた植栽基盤形成体3と、目的とする芝などの地被植物4が図3に示したように一体化しているユニット型と言うべき植栽基盤5であり、1ユニットの表面部の面積S(図3に示したように、該1ユニットの表面部の長さa、幅bとして、S=a×b)が0.1〜1.1m2であることを特徴とする。
【0024】
本発明のユニット型植栽基盤は、植栽基盤形成体と地被植物が一体化していることが重要である。その植栽基盤と植物が一体化する原理は、培養物を充填した前記筒状の編物などからなる筒状物に、目的とする地被植物を載せることにより、該地被植物の根が筒状の生地の上部表面から生地の間隙を通して根が入り込み培養物の中に広がり、さらには生地表面全体まで根が張りめぐり、全体として一体化されることになる。そうなると、地被植物と植栽基盤形成体を容易に剥がすことはできなくなり、一体化したユニット型植栽基盤となるのである。
【0025】
本発明のユニット型植栽基盤1ユニットの面積Sは0.1〜1.1m2であることが必要である。0.1m2未満となると、1ユニットのサイズが小さすぎるため、作製時や運搬時などに手間がかさみコストが高くなってしまい好ましくなく、1.1m2を超えるものとなると、サイズが大きいことから、植栽基盤と植物が安定して一体化しない場合があることや、運搬・持運びが不便になることが問題になる。ここで、「植栽基盤1ユニットの面積S」とは、一個のユニット型植栽基盤の地被植物が覆っている一面を平面視したときの面積をいう。地被植物が完璧に覆っていない部分があっても、該部分を含めてその一つの面の面積を求めるものである。
【0026】
この1ユニットの表面積Sは、適度に広い方が効率的なことから、0.2〜1.0m2が好ましく、さらに0.2〜0.8m2がより好ましく、さらに、家庭園芸作業のように特に簡易に施工ができる点を加味すると0.3〜0.6m2であることがより好ましい。
【0027】
また、筒状物4の内部に培養物が充填された植栽基盤形成体の状態で、筒状物の長さ方向に対して垂直な断面積N、つまり培養物を充填した筒状の生地の太さ(面積)は20〜150cm2であることが好ましい。
【0028】
培養物を充填した筒状物を並べると、図4のように隙間6ができるのが一般的である。この隙間6があることにより、培養物に余分な水分を溜まらせない排水効果や、培養物に新しい空気を送る役割を果たすことができる。150cm2よりも大きいものになると培養物の体積に対して隙間6の割合が少なくなりすぎるため、根腐りを起こし植物が枯れてしまう。20cm2以下になると、植栽基盤の厚みが確保できず植物が健全に栽培できなくなることや、作業効率が悪くなる問題が発生する。
【0029】
この断面積Nは、25〜120cm2であることが好ましく、30〜100cm2であることがより好ましい。
【0030】
なお、ユニット型植栽基盤を作製すると、図4のように隙間6ができるため、断面積Nは、図5に示すようにA、B、Cに分割し次のようにして求めることができる。
N=A+2B+4C=c×d+2×e×f+e2×π
【0031】
あるいはまた、適宜の手段で形態を保持したまま、断面積を実測して求めることができる。
【0032】
また、本発明において断面積は、n数を5として、筒状物の一端から他端側にほぼ均等な間隔になるようにして5箇所の断面積を求めて平均するものである。
【0033】
また、本発明のユニット型植栽基盤の厚みMは、図3、図4に示した如く、4〜10cmであることが好ましい。4cm未満である場合、地被植物を健全に栽培することができず、10cmよりも大きいものの場合、施工時に持ち運びが不自由になることや、設置した該植栽基盤と地面との段差が大きくなりすぎるなどの問題が発生する。
【0034】
また、ユニット型植栽基盤は四角形に限定されるものではなく、図6のような円形や、図7のような三角形など、あるいは図示していない台形状や楕円形状やひょうたん形状など、どのような形のものにもすることができる。そのような各種の形状に賦形して形成するには、例えば、所望の外形に対応した木製等の型枠材を作製し、その型枠材の中に長い植栽基盤形成体(培養物が充填されている筒状物)をぐるぐると巻くようにしてもしくはジグザグ状にして、あるいはそれらを組み合わせて、該基盤形成体の外側面どおしが接するようにぴったりと載置して、その上に芝生などの所望の地被植物を一定期間置いて、型内植栽基盤形成体の全体にしっかりと根付かせ、しかる後、型枠材から取り出すこと等により形成することができる。
【0035】
あるいは、上記の型枠材の中に長い植栽基盤形成体を上述のように載置して後、型枠材を取り除き、その形付けられた植栽基盤形成体の上に芝生などの所望の地被植物を一定期間置いて、型内植栽基盤形成体の全体にしっかりと根付かせて形成してもよい。どの方法でユニット型植栽基盤を作製する場合においても、型枠に植栽基盤形成体を敷き詰めた後、型枠と同程度以上の大きさの板を載せて上から押し潰すことにより、植栽基盤の高さが型枠と同じ厚みとなり、全てのユニットの厚みを整えることができる。また、ローラーをかける、足で踏み固めるなどをして厚みを整えてもよい。
【0036】
また、場合によって、植栽基盤がその型枠材ごとそのまま施工場所に置かれるようなものとしてもよく、例えば、煉瓦模様のデザインが施されている型枠材や、丸太状などの天然木材が使用された型枠材などとして、その型枠材ごと施工できるようにすることも好ましい。また、型枠材は、平面状あるいはネット状などの底面を有するものを使用してもよい。
【0037】
型枠材の内側に、植栽基盤形成体の外側面どおしが接するようにして載置するに際しては、全体をより一体的に強固にしっかりと作成できることから、円形状や楕円形状の場合には、ある程度強く引きながらぐるぐると巻くようにして形成するのがよい。なお、ただし、図6や図7のように四角形でない植栽基盤は、表面の面積Sを単純に計算できないものもある。そのため、培養物を充填した筒状生地を敷き詰め、形を作った植栽基盤の表面の面積Sと、その形作った植栽基盤を崩し、図8のように培養物を充填した生地を一直線に伸ばしたときの上部表面の面積が同じになることより、S=g×Kで求めるとよい。
【0038】
本発明のユニット型植栽基盤に使用する筒状物を形成する編物などの生地は、筒状物であれば織物、編物または不織布のいずれも使用することができる。織物、編物または不織布のいずれの場合でも隙間があるため、培養物が織物、編物、不織布に覆われた状態で水を通し、培養物に保水されることができ、水分の蒸発を防ぐこともできる。そのため、保水層を必要とせず厚みを軽減させることができる。
【0039】
織物は強度的に優れ、編物は伸縮性に優れ、不織布はコスト的に優れているという特徴がそれぞれにあり、用途により使い分けすることができる。その中でも、多くの場合、編物である丸編地を使用することが好ましい。丸編地は特殊なことをせずとも筒状物に仕上がり、その生地は伸縮性があることから取り扱いやすく、十分な強度があり、かつ、植栽した植物の根も張りやすいので、本発明に好適である。
【0040】
織物、編物ともに製布後、縫製や融着することにより、筒状物に仕上げることは可能だが、生産効率を考えると下記のような製布方法が好ましい。
【0041】
織物は、緯糸が連続しているシャトル織機や円形織機で筒状物を作製することができる。編物は、経編地と緯編地の2種類あるが、経編地はダブルラッセル機を使用し筒状の生地を作製することができる。緯編地は、針床が2個以上ある横編機や、シングル丸編機、ダブル丸編機などのすべての丸編機で筒状物を作製することができる。丸編地は、編機の釜径により筒状生地の径が変わるため、10インチ以下の丸編機を使用することが好ましい。また、織物、編物ともに、筒状物であるということが満たされれば、特に組織は限定されない。
【0042】
不織布は、用いる繊維に応じて湿式法、乾式法、直接式法から選んで製布後、融着して筒状の生地を作製することができる。
【0043】
充填する培養物は、養分保持率、保水性に優れたものが好ましく、赤玉土、黒土、鹿沼土等の自然土や、腐葉土、パーク堆肥、バーミキュライト、ピートモス等の人工土や、その他、オガクズ、炭、石炭の燃えカス等を場所や植物によって混合を含めて適宜使い分けて使用すればよい。
【0044】
本発明のユニット式植栽基盤を用いた植栽方法は、地被植物を生育させたい場所に上記で説明したユニット型植栽基盤を、該生育希望場所の面積に応じて複数個用意して、目的とする面積分の数を敷き詰めることで図9のように緑地を完成させることができる。
【0045】
施工に際しては、外形輪郭が相違するユニット型植裁基盤を2個以上敷き詰めると、よりデザイン性に優れた緑化を行うことができる。その場合、地被植物の種類を外形輪郭に応じて相違するものとしてもよい。図10、図11は、外形輪郭が相違するユニット型植裁基盤を2個以上敷き詰めて、全体としてよりデザイン性に富んだ植栽を形成させた例をモデル的に示した平面図である。このように、本発明のユニット型植栽基盤を用いれば、敷地の形状や他の植栽、さらに建物や通行路等に適宜かつ自在にマッチさせて所望する植栽を形成することができる。
【0046】
また、前述したように特にデザインされた型枠材を採用して型枠材ごとに載置して緑化するようにしてもよい。
【0047】
本発明の植栽の形成方法によれば、植栽基盤形成体と地被植物が一体化したまま1ユニットごとに撤去することが可能であるため、緑地が不要となったときは撤去することが容易であり、また部分的に撤去することも可能である。撤去したユニット型植栽基盤は廃棄することもできるが、一体化したまま撤去しているため、そのまま別の場所で再利用することも可能である。
【0048】
さらに、施工後、部分的に植物が枯れてしまった場合においても、枯れた植物が付いたユニットと、新しいユニットとを交換することにより容易に正常な緑地にすることができる。
【0049】
また、緑化には芝生を用いることが多いが、人の通り道になる部分は芝が剥げてしまう問題が起こる。その場合においても、剥げかけた芝生のユニットと正常な芝生のユニットとを交換し、剥げかけた芝生を足の踏み入れのない場所でしばらく置いておき、芝生を復活させる方法もとれる。
【0050】
植裁させる地被植物の種類としては、特に限定されるものではなく、コウライシバ、ノシバなどの芝類、メキシコマンネングサ、モリムラマンネングサ、サカサマンネングサ、コーラルカーペットなどのセダム類、ラベンダー、サントリナ、ローズマリーなどのハーブ類、ヘデラ類など、背丈の低いさまざまな草花を育成することができ、特に、植栽させる土地の全面に敷き詰めるように植栽を形成したい芝類や背丈の低い草花、草本などに有効なものである。
【実施例】
【0051】
以下、実施例に基づいてさらにくわしく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0052】
実施例1
ポリエステル167デシテックス、48フィラメントの仮撚加工糸を使用し、釜径3.5インチ、22ゲージの丸編機で作製した筒状の編物生地に、市販の培養土を充填し、図2に示したように、平面図が四角形状で1ユニットの一片aが0.75m、もう一片bが0.6mで面積0.45m2の植栽基盤形成体と、図7のように三角形で筒状生地の幅gが0.075m、筒状生地の長さKが8.5mで面積0.64m2の植栽基盤形成体を作製した。この植栽基盤形成体に芝生を載せ、2週間を置き根付かせて本発明にかかるユニット型植栽基盤を作製した。このとき、ともに断面積Nは約37cm2(c=6.5cm、d=5cm、e=0.5cm、f=4cm)、厚さMが5cm、芝生の厚みLが2cmの合計7cmであり、特に厚みは薄かった。
【0053】
1ユニットの重量は、四角形の植栽基盤が26.1kg、三角形の植栽基盤が37.7kgで、植栽基盤形成体と芝生がしっかり一体化していたため、持ち上げても崩れることはなかった。
【0054】
ビルの屋上に防根シートを敷き、その上に四角形の該植栽基盤128個、三角形の該植栽基盤16個を図10のように敷き詰め、68m2の緑地を完成させた。施工後、月4回程度の散水で芝生は枯れることなく成長し、生地から培養土がもれて飛散することもなかった。
【0055】
実施例2
ポリエステル330デシテックス、72フィラメントの仮撚加工糸を使用し、経糸給糸が500本の円形織機で作製した筒状織物生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが0.4m、もう一片bが0.6mで面積0.24m2の植栽基盤形成体を作製し、これに芝生を載せ2週間置き、根付かせてユニット型植栽基盤を作製した。このとき、ともに断面積Nは約116cm2(c=11cm、d=9cm、e=1cm、f=7cm)、厚さMが9cm、芝生の厚みLが2cmの合計11cmと薄かった。
【0056】
1ユニットの重量は22.5kgで、植栽基盤形成体と芝生がしっかり一体化していたため、持ち上げても崩れることはなかった。
【0057】
幼稚園のグランドに該植栽基盤を図9のように150個敷き詰め、36m2の緑地を完成させた。施工後、月4回程度の散水を行ったが、人の通り道になっていた部分10ユニットが剥げかけてしまった。剥げかけた10ユニットと人通りのない10ユニットを交換すると剥げかけた部分は緑を取り戻した。
【0058】
実施例3
ポリエステルを原料にサーマルボンド方式にて作製した厚み0.5mmのスパンボンド不織布を幅10cmにカットし、2枚重ね合わせ端を熱融着させた筒状不織布生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが1.0m、もう一片bが0.8mで面積0.8m2の植栽基盤形成体と図6のように円形で筒状不織布生地の幅gが0.06m、筒状生地の長さKが2.5mで面積0.15m2の植栽基盤形成体を作製し、芝生を載せ2週間置き根付かせユニット型植栽基盤を作製した。このとき、断面積Nは約24cm2(c=5cm、d=4cm、e=0.5cm、f=3cm)、厚さMが4cm、芝生の厚みLが2cmの合計6cmと薄かった。
【0059】
1ユニットの重量は、四角形の植栽基盤が39.3kg、円形の植栽基盤が7.4kgで、植栽基盤と芝生がしっかり一体化していたため、持ち上げても崩れることはなかった。
【0060】
ビルの屋上に防根シートを敷き、その上に四角形の該植栽基盤50個、円形の該植栽基盤10個を図11のように敷き詰め、41.5m2の緑地を完成させた。施工後、月4回程度の散水で芝生は枯れることなく成長し、生地から培養土がもれて飛散することもなかった。
【0061】
半年後、不要となった8m2分、10ユニットの該植栽基盤を容易に取り除くことができた。
【0062】
比較例1
ポリエステル167デシテックス、48フィラメントの仮撚加工糸を使用し、釜径2インチ、22ゲージの丸編機で作製した筒状編物生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが0.2m、もう一片bが0.3mで面積0.06m2の植栽基盤形成体を作製し、芝生を載せ2週間置き根付かせユニット型植栽基盤を作製した。このとき、断面積Nは約14cm2(c=3cm、d=3cm、e=0.5cm、f=2cm)、厚さMが3cm、芝生の厚みLが2cmの合計5cmと薄かった。
【0063】
1ユニットの重量は2.4kgで、植栽基盤と芝生がしっかり一体化していたため、持ち上げても崩れることはなかった。
【0064】
ビルの屋上に防根シートを敷き、その上に該植栽基盤を図9のように500個敷き詰め、30m2の緑地を完成させた。施工面積の対して該植栽基盤の個数が多かったため、作業にかなりの時間を要し作業効率が悪かった。施工後、月4回程度の散水をしたが芝生が枯れる箇所が多々あった。
【0065】
比較例2
ポリエステル440デシテックス、96フィラメントの仮撚加工糸を使用し、経糸給糸が500本の円形織機で作製した筒状織物生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが1.2m、もう一片bが1.0mで面積1.2m2の植栽基盤形成体を作製し、芝生を載せ2週間置き根付かせユニット型植栽基盤を作製した。このとき、断面積Nは約164cm2(c=13cm、d=11cm、e=1cm、f=9cm)、厚さMが11cm、芝生の厚みLが2cmの合計13cmと厚かった。
【0066】
1ユニットの重量は133.6kgで持ち上げると、芝生と植栽基盤形成体が接がれてしまい運ぶことができなかった。
【0067】
比較例3
ポリエステル167デシテックス、48フィラメントの仮撚加工糸を使用し、釜径3.5インチ、22ゲージの丸編機で作製した筒状編物生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが1.5m、もう一片bが0.8mで面積1.2m2の植栽基盤形成体を作製し、芝生を載せ2週間置き根付かせユニット型植栽基盤を作製した。このとき、ともに断面積Nは約37cm2(c=6.5cm、d=5cm、e=0.5cm、f=4cm)、厚さMが5cm、芝生の厚みLが2cmの合計7cmと薄かった。
【0068】
1ユニットの重量は69.6kgで、持ち上げると植栽基盤と芝生が接がれることはなかったが、植栽基盤が折れ曲がってしまった。
【0069】
ビルの屋上に防根シートを敷き、その上に該植栽基盤を図9のように50個敷き詰め、60m2の緑地を完成させた。1ユニットの重量が重く折れ曲がるため、運搬に時間を要し作業効率が悪かった。施工後、月4回程度の散水で芝生は枯れることなく成長し、生地から培養土がもれて飛散することもなかった。
【符号の説明】
【0070】
1:編物、織物または不織布の生地で構成された筒状物
2:培養物
3:植栽基盤形成体
4:地被植物
5:植栽基盤と植物が一体化したユニット型植栽基盤
6:植栽基盤形成体間の隙間
7:レンガ
A:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積
B:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積
C:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積
K:培養物を充填した筒状生地の長さ
L:植物層の厚み
M:植栽基盤形成体の厚み
N:培養物を充填した筒状生地の断面積
a:ユニット型植栽基盤の一辺の長さ
b:ユニット型植栽基盤の他の一辺の長さ
c:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積Aの一辺の長さ
d:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積Aの他の一辺の長さ
e:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積Bの一辺の長さおよび培養物を充填 した筒状生地の断面の一部の面積Cの半径
f:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積Bの他の一辺の長さ
g:培養物を充填した筒状生地を円形または三角形に敷き詰めたときの、筒状生地の幅
【技術分野】
【0001】
本発明は緑化形成に関わるユニット型の植栽基盤及びその植栽基盤を用いた植栽方法に関する。更に詳しくは、ビルの屋上やアスファルト路面脇またはその他の所望する場所などに植物を育成させるために使用できるユニット型の植栽基盤と該植栽基盤を用いた植栽方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒートアイランド現象の深刻化などに伴い、その対策の一環として敷地面積9,000m2以上、または建築面積3,000m2以上の特定工場には、敷地内または建造物屋上に緑化部分を作ることが義務化された。
【0003】
また、東京都などの都心部では、工場以外の建物にも緑化の義務が課せられたことにより緑化の需要が高まっている。
【0004】
しかし、ビルの屋上やアスファルト上などの直接には植物が育つ環境でない場所には、植栽基盤を形成させる必要があり、建築以外に更なる手間とコストがかかることになった。
【0005】
一般に、建物の上に植栽基盤を作る場合、建物屋上に防根・防水シートを敷き、その上に培養土を敷き詰めれば植栽基盤として成り立つが、培養土のみの場合、植物が適正に育つためには相当な量の培養土が必要とされる。
【0006】
すなわち、一般に、芝生においては深さ約30cmの土壌が必要であり、一般的な培養土を使用した場合、重量が重く厚みのある植栽基盤となってしまう。このため、建物の耐久性を考えての建築設計や植栽基盤の軽量化設計が必要となる。更に、乾燥した培養土が風によって周囲に飛散し環境上の問題も招来する。
【0007】
また、施工後の植物の管理にも問題があり、例えば、芝生の場合、人が多く足を踏み入れる場所は芝が育ちにくいことが問題となっている。
【0008】
たとえば、先行技術として、軽量化をねらったものとして、最下部に形成された保水層と、該保水層の上面に敷設された不織布からなる透水層と、該透水層の上面に形成された客土層とを備え、該保水層は多数の籾殻を有するという植生培地構造と緑化用マットが提案されている(特許文献1)。この提案のものは、保水層の保水量を大きくすることができ植生の管理が容易となり、また、籾殻により形成される保水層は軽量であるため、植生培地構造全体を軽量化することができる。
【0009】
また、保水層を使用し、該保水層を軽量化することにより植栽基盤全体を軽量化する緑化システムも多く提案されている(特許文献2−4)。
【0010】
しかし、いずれも、十分な軽量化ができていないかあるいは軽量化ができていても厚みがありすぎることなどが問題であった。しかも、施工できる場所が限定されることが多かった。
【0011】
また、先に本発明者らは、ビルの屋上、その他適当な場所に植物を植えて生育させるため、ビルに大きな負担がかからず、施工も簡単な植栽地盤を形成する繊維構造体として、編物で構成される筒状生地に培養土を充填して繊維構造体とし、そしてJIS L1018 8.10に基づいて求めた編物生地のカバーファクター値を5〜20とし、繊維構造体の上に芝生などを載置するだけで編目を通過して根が内部に進入できる繊維構造体と該繊維構造体を使用した植栽地盤を提案した(特許文献5)。
【0012】
しかし、この特許文献5で提案されている方法は、軽量化や厚みの問題は解決されているにしても、植物が枯れてしまった場合に一部分を取り除くことや、不必要になった場合に撤去することが困難であり、施工後の問題を解決できていなかった。
【0013】
このようなことから、十分に満足できる緑化手法は、いまだ得られていないのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−325037号公報
【特許文献2】特開2002−125452号公報
【特許文献3】特開2002−084889号公報
【特許文献4】特開2003−210034号公報
【特許文献5】特開2008−289393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、従来の植栽基盤の問題を解決し、軽量で厚みが薄く施工場所を限定されず、さらに施工後の問題を解決したユニット型というべき植栽基盤とその製造方法を提供すること、さらに該植栽基盤を用いた植栽方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる課題を解決するために、本発明の植裁基盤は、以下の(1)の構成からなる。
(1)編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体と、該植栽基盤形成体内の前記培養物に根を張って前記植栽基盤形成体と一体化されて該植栽基盤形成体の一面を覆っている地被植物から少なくともなり、該地被植物が覆っている該植栽基盤形成体の面の面積が0.1〜1.1m2であることを特徴とするユニット型植裁基盤。
【0017】
かかる本願発明のユニット型植裁基盤において、具体的に好ましい態様として、以下の(2)の構成とするのがよい。
(2)前記ユニット型植裁基盤の外形輪郭が、型枠により賦形されたものであることを特徴とする上記(1)記載のユニット型植栽基盤。
【0018】
また、本発明のユニット型植裁基盤の製造方法は、以下の(3)の構成を有する。
(3)任意の型枠形状を有する基盤型枠材の内側に、編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体を該植栽基盤形成体の外側面どおしが接するようにして敷き詰めて載置し、さらに該載置された前記植栽基盤形成体の上面に地被植物を植え付けることにより該地被植物と前記植栽基盤形成体とを一体化させることを特徴とするユニット型植裁基盤の製造方法。
【0019】
また、本発明の植栽の形成方法は、以下の(4)記載の構成を有する。
(4)上記(1)または(2)記載のユニット型植裁基盤を2個以上敷き詰めることにより緑化を行うことを特徴とする植裁の形成方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明のユニット型植裁基盤、ユニット型植栽基盤の製造方法によれば、緑化を行うに当たり、その植栽基盤の重量・厚みを従来のものよりも小さくすることができ、施工場所を特に限定されず、緑化工事の施工が可能な場所を広げ、また、施工後の管理や撤去も容易にできる植栽基盤とその製造方法が提供される。また、その植栽基盤を用いることにより、従来はできなかった場所やデザインでの緑化を可能にする植栽方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明のユニット型植栽基盤に使用する編物、織物または不織布で形成された筒状物の内部に培養物を充填するときの一例状態を説明する概要図である。
【図2】図2は、本発明のユニット型植栽基盤に使用する植裁基盤形成体の一例を示した正面である。
【図3】図3は、本発明にかかるユニット型植裁基盤の一例を示した斜視図である。
【図4】図4は、本発明にかかるユニット型植裁基盤の一例を示した断面図である。
【図5】図5は、本発明にかかるユニット型植栽基盤の一例を示した断面図である。
【図6】図6は、本発明にかかるユニット型植栽基盤に使用できる植裁基盤形成体を渦巻状にして形成した一例を示した植栽基盤の正面図である。
【図7】図7は、本発明にかかるユニット型植栽基盤に使用できる植裁基盤形成体を三角形状にして形成した一例を示した植栽基盤の正面図である。
【図8】図8は、本発明にかかる植栽基盤形成体を一直線に延ばしたときの一例構造を示した正面図である。
【図9】図9は、本発明にかかるユニット型植裁基盤を並べて緑地を完成させたときの一例を示したものである。
【図10】図10は、本発明にかかるユニット型植裁基盤を並べて緑地を完成させたときの他の一例を示したものである。
【図11】図11は、本発明にかかるユニット型植裁基盤を並べて緑地を完成させたときの他の一例を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のユニット型植裁基盤について、図面等を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
本発明のユニット型植栽基盤は、図1に示したように、編物、織物または不織布の生地により形成された筒状物1に培養物2を充填し、図2に示すように敷かれた植栽基盤形成体3と、目的とする芝などの地被植物4が図3に示したように一体化しているユニット型と言うべき植栽基盤5であり、1ユニットの表面部の面積S(図3に示したように、該1ユニットの表面部の長さa、幅bとして、S=a×b)が0.1〜1.1m2であることを特徴とする。
【0024】
本発明のユニット型植栽基盤は、植栽基盤形成体と地被植物が一体化していることが重要である。その植栽基盤と植物が一体化する原理は、培養物を充填した前記筒状の編物などからなる筒状物に、目的とする地被植物を載せることにより、該地被植物の根が筒状の生地の上部表面から生地の間隙を通して根が入り込み培養物の中に広がり、さらには生地表面全体まで根が張りめぐり、全体として一体化されることになる。そうなると、地被植物と植栽基盤形成体を容易に剥がすことはできなくなり、一体化したユニット型植栽基盤となるのである。
【0025】
本発明のユニット型植栽基盤1ユニットの面積Sは0.1〜1.1m2であることが必要である。0.1m2未満となると、1ユニットのサイズが小さすぎるため、作製時や運搬時などに手間がかさみコストが高くなってしまい好ましくなく、1.1m2を超えるものとなると、サイズが大きいことから、植栽基盤と植物が安定して一体化しない場合があることや、運搬・持運びが不便になることが問題になる。ここで、「植栽基盤1ユニットの面積S」とは、一個のユニット型植栽基盤の地被植物が覆っている一面を平面視したときの面積をいう。地被植物が完璧に覆っていない部分があっても、該部分を含めてその一つの面の面積を求めるものである。
【0026】
この1ユニットの表面積Sは、適度に広い方が効率的なことから、0.2〜1.0m2が好ましく、さらに0.2〜0.8m2がより好ましく、さらに、家庭園芸作業のように特に簡易に施工ができる点を加味すると0.3〜0.6m2であることがより好ましい。
【0027】
また、筒状物4の内部に培養物が充填された植栽基盤形成体の状態で、筒状物の長さ方向に対して垂直な断面積N、つまり培養物を充填した筒状の生地の太さ(面積)は20〜150cm2であることが好ましい。
【0028】
培養物を充填した筒状物を並べると、図4のように隙間6ができるのが一般的である。この隙間6があることにより、培養物に余分な水分を溜まらせない排水効果や、培養物に新しい空気を送る役割を果たすことができる。150cm2よりも大きいものになると培養物の体積に対して隙間6の割合が少なくなりすぎるため、根腐りを起こし植物が枯れてしまう。20cm2以下になると、植栽基盤の厚みが確保できず植物が健全に栽培できなくなることや、作業効率が悪くなる問題が発生する。
【0029】
この断面積Nは、25〜120cm2であることが好ましく、30〜100cm2であることがより好ましい。
【0030】
なお、ユニット型植栽基盤を作製すると、図4のように隙間6ができるため、断面積Nは、図5に示すようにA、B、Cに分割し次のようにして求めることができる。
N=A+2B+4C=c×d+2×e×f+e2×π
【0031】
あるいはまた、適宜の手段で形態を保持したまま、断面積を実測して求めることができる。
【0032】
また、本発明において断面積は、n数を5として、筒状物の一端から他端側にほぼ均等な間隔になるようにして5箇所の断面積を求めて平均するものである。
【0033】
また、本発明のユニット型植栽基盤の厚みMは、図3、図4に示した如く、4〜10cmであることが好ましい。4cm未満である場合、地被植物を健全に栽培することができず、10cmよりも大きいものの場合、施工時に持ち運びが不自由になることや、設置した該植栽基盤と地面との段差が大きくなりすぎるなどの問題が発生する。
【0034】
また、ユニット型植栽基盤は四角形に限定されるものではなく、図6のような円形や、図7のような三角形など、あるいは図示していない台形状や楕円形状やひょうたん形状など、どのような形のものにもすることができる。そのような各種の形状に賦形して形成するには、例えば、所望の外形に対応した木製等の型枠材を作製し、その型枠材の中に長い植栽基盤形成体(培養物が充填されている筒状物)をぐるぐると巻くようにしてもしくはジグザグ状にして、あるいはそれらを組み合わせて、該基盤形成体の外側面どおしが接するようにぴったりと載置して、その上に芝生などの所望の地被植物を一定期間置いて、型内植栽基盤形成体の全体にしっかりと根付かせ、しかる後、型枠材から取り出すこと等により形成することができる。
【0035】
あるいは、上記の型枠材の中に長い植栽基盤形成体を上述のように載置して後、型枠材を取り除き、その形付けられた植栽基盤形成体の上に芝生などの所望の地被植物を一定期間置いて、型内植栽基盤形成体の全体にしっかりと根付かせて形成してもよい。どの方法でユニット型植栽基盤を作製する場合においても、型枠に植栽基盤形成体を敷き詰めた後、型枠と同程度以上の大きさの板を載せて上から押し潰すことにより、植栽基盤の高さが型枠と同じ厚みとなり、全てのユニットの厚みを整えることができる。また、ローラーをかける、足で踏み固めるなどをして厚みを整えてもよい。
【0036】
また、場合によって、植栽基盤がその型枠材ごとそのまま施工場所に置かれるようなものとしてもよく、例えば、煉瓦模様のデザインが施されている型枠材や、丸太状などの天然木材が使用された型枠材などとして、その型枠材ごと施工できるようにすることも好ましい。また、型枠材は、平面状あるいはネット状などの底面を有するものを使用してもよい。
【0037】
型枠材の内側に、植栽基盤形成体の外側面どおしが接するようにして載置するに際しては、全体をより一体的に強固にしっかりと作成できることから、円形状や楕円形状の場合には、ある程度強く引きながらぐるぐると巻くようにして形成するのがよい。なお、ただし、図6や図7のように四角形でない植栽基盤は、表面の面積Sを単純に計算できないものもある。そのため、培養物を充填した筒状生地を敷き詰め、形を作った植栽基盤の表面の面積Sと、その形作った植栽基盤を崩し、図8のように培養物を充填した生地を一直線に伸ばしたときの上部表面の面積が同じになることより、S=g×Kで求めるとよい。
【0038】
本発明のユニット型植栽基盤に使用する筒状物を形成する編物などの生地は、筒状物であれば織物、編物または不織布のいずれも使用することができる。織物、編物または不織布のいずれの場合でも隙間があるため、培養物が織物、編物、不織布に覆われた状態で水を通し、培養物に保水されることができ、水分の蒸発を防ぐこともできる。そのため、保水層を必要とせず厚みを軽減させることができる。
【0039】
織物は強度的に優れ、編物は伸縮性に優れ、不織布はコスト的に優れているという特徴がそれぞれにあり、用途により使い分けすることができる。その中でも、多くの場合、編物である丸編地を使用することが好ましい。丸編地は特殊なことをせずとも筒状物に仕上がり、その生地は伸縮性があることから取り扱いやすく、十分な強度があり、かつ、植栽した植物の根も張りやすいので、本発明に好適である。
【0040】
織物、編物ともに製布後、縫製や融着することにより、筒状物に仕上げることは可能だが、生産効率を考えると下記のような製布方法が好ましい。
【0041】
織物は、緯糸が連続しているシャトル織機や円形織機で筒状物を作製することができる。編物は、経編地と緯編地の2種類あるが、経編地はダブルラッセル機を使用し筒状の生地を作製することができる。緯編地は、針床が2個以上ある横編機や、シングル丸編機、ダブル丸編機などのすべての丸編機で筒状物を作製することができる。丸編地は、編機の釜径により筒状生地の径が変わるため、10インチ以下の丸編機を使用することが好ましい。また、織物、編物ともに、筒状物であるということが満たされれば、特に組織は限定されない。
【0042】
不織布は、用いる繊維に応じて湿式法、乾式法、直接式法から選んで製布後、融着して筒状の生地を作製することができる。
【0043】
充填する培養物は、養分保持率、保水性に優れたものが好ましく、赤玉土、黒土、鹿沼土等の自然土や、腐葉土、パーク堆肥、バーミキュライト、ピートモス等の人工土や、その他、オガクズ、炭、石炭の燃えカス等を場所や植物によって混合を含めて適宜使い分けて使用すればよい。
【0044】
本発明のユニット式植栽基盤を用いた植栽方法は、地被植物を生育させたい場所に上記で説明したユニット型植栽基盤を、該生育希望場所の面積に応じて複数個用意して、目的とする面積分の数を敷き詰めることで図9のように緑地を完成させることができる。
【0045】
施工に際しては、外形輪郭が相違するユニット型植裁基盤を2個以上敷き詰めると、よりデザイン性に優れた緑化を行うことができる。その場合、地被植物の種類を外形輪郭に応じて相違するものとしてもよい。図10、図11は、外形輪郭が相違するユニット型植裁基盤を2個以上敷き詰めて、全体としてよりデザイン性に富んだ植栽を形成させた例をモデル的に示した平面図である。このように、本発明のユニット型植栽基盤を用いれば、敷地の形状や他の植栽、さらに建物や通行路等に適宜かつ自在にマッチさせて所望する植栽を形成することができる。
【0046】
また、前述したように特にデザインされた型枠材を採用して型枠材ごとに載置して緑化するようにしてもよい。
【0047】
本発明の植栽の形成方法によれば、植栽基盤形成体と地被植物が一体化したまま1ユニットごとに撤去することが可能であるため、緑地が不要となったときは撤去することが容易であり、また部分的に撤去することも可能である。撤去したユニット型植栽基盤は廃棄することもできるが、一体化したまま撤去しているため、そのまま別の場所で再利用することも可能である。
【0048】
さらに、施工後、部分的に植物が枯れてしまった場合においても、枯れた植物が付いたユニットと、新しいユニットとを交換することにより容易に正常な緑地にすることができる。
【0049】
また、緑化には芝生を用いることが多いが、人の通り道になる部分は芝が剥げてしまう問題が起こる。その場合においても、剥げかけた芝生のユニットと正常な芝生のユニットとを交換し、剥げかけた芝生を足の踏み入れのない場所でしばらく置いておき、芝生を復活させる方法もとれる。
【0050】
植裁させる地被植物の種類としては、特に限定されるものではなく、コウライシバ、ノシバなどの芝類、メキシコマンネングサ、モリムラマンネングサ、サカサマンネングサ、コーラルカーペットなどのセダム類、ラベンダー、サントリナ、ローズマリーなどのハーブ類、ヘデラ類など、背丈の低いさまざまな草花を育成することができ、特に、植栽させる土地の全面に敷き詰めるように植栽を形成したい芝類や背丈の低い草花、草本などに有効なものである。
【実施例】
【0051】
以下、実施例に基づいてさらにくわしく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0052】
実施例1
ポリエステル167デシテックス、48フィラメントの仮撚加工糸を使用し、釜径3.5インチ、22ゲージの丸編機で作製した筒状の編物生地に、市販の培養土を充填し、図2に示したように、平面図が四角形状で1ユニットの一片aが0.75m、もう一片bが0.6mで面積0.45m2の植栽基盤形成体と、図7のように三角形で筒状生地の幅gが0.075m、筒状生地の長さKが8.5mで面積0.64m2の植栽基盤形成体を作製した。この植栽基盤形成体に芝生を載せ、2週間を置き根付かせて本発明にかかるユニット型植栽基盤を作製した。このとき、ともに断面積Nは約37cm2(c=6.5cm、d=5cm、e=0.5cm、f=4cm)、厚さMが5cm、芝生の厚みLが2cmの合計7cmであり、特に厚みは薄かった。
【0053】
1ユニットの重量は、四角形の植栽基盤が26.1kg、三角形の植栽基盤が37.7kgで、植栽基盤形成体と芝生がしっかり一体化していたため、持ち上げても崩れることはなかった。
【0054】
ビルの屋上に防根シートを敷き、その上に四角形の該植栽基盤128個、三角形の該植栽基盤16個を図10のように敷き詰め、68m2の緑地を完成させた。施工後、月4回程度の散水で芝生は枯れることなく成長し、生地から培養土がもれて飛散することもなかった。
【0055】
実施例2
ポリエステル330デシテックス、72フィラメントの仮撚加工糸を使用し、経糸給糸が500本の円形織機で作製した筒状織物生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが0.4m、もう一片bが0.6mで面積0.24m2の植栽基盤形成体を作製し、これに芝生を載せ2週間置き、根付かせてユニット型植栽基盤を作製した。このとき、ともに断面積Nは約116cm2(c=11cm、d=9cm、e=1cm、f=7cm)、厚さMが9cm、芝生の厚みLが2cmの合計11cmと薄かった。
【0056】
1ユニットの重量は22.5kgで、植栽基盤形成体と芝生がしっかり一体化していたため、持ち上げても崩れることはなかった。
【0057】
幼稚園のグランドに該植栽基盤を図9のように150個敷き詰め、36m2の緑地を完成させた。施工後、月4回程度の散水を行ったが、人の通り道になっていた部分10ユニットが剥げかけてしまった。剥げかけた10ユニットと人通りのない10ユニットを交換すると剥げかけた部分は緑を取り戻した。
【0058】
実施例3
ポリエステルを原料にサーマルボンド方式にて作製した厚み0.5mmのスパンボンド不織布を幅10cmにカットし、2枚重ね合わせ端を熱融着させた筒状不織布生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが1.0m、もう一片bが0.8mで面積0.8m2の植栽基盤形成体と図6のように円形で筒状不織布生地の幅gが0.06m、筒状生地の長さKが2.5mで面積0.15m2の植栽基盤形成体を作製し、芝生を載せ2週間置き根付かせユニット型植栽基盤を作製した。このとき、断面積Nは約24cm2(c=5cm、d=4cm、e=0.5cm、f=3cm)、厚さMが4cm、芝生の厚みLが2cmの合計6cmと薄かった。
【0059】
1ユニットの重量は、四角形の植栽基盤が39.3kg、円形の植栽基盤が7.4kgで、植栽基盤と芝生がしっかり一体化していたため、持ち上げても崩れることはなかった。
【0060】
ビルの屋上に防根シートを敷き、その上に四角形の該植栽基盤50個、円形の該植栽基盤10個を図11のように敷き詰め、41.5m2の緑地を完成させた。施工後、月4回程度の散水で芝生は枯れることなく成長し、生地から培養土がもれて飛散することもなかった。
【0061】
半年後、不要となった8m2分、10ユニットの該植栽基盤を容易に取り除くことができた。
【0062】
比較例1
ポリエステル167デシテックス、48フィラメントの仮撚加工糸を使用し、釜径2インチ、22ゲージの丸編機で作製した筒状編物生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが0.2m、もう一片bが0.3mで面積0.06m2の植栽基盤形成体を作製し、芝生を載せ2週間置き根付かせユニット型植栽基盤を作製した。このとき、断面積Nは約14cm2(c=3cm、d=3cm、e=0.5cm、f=2cm)、厚さMが3cm、芝生の厚みLが2cmの合計5cmと薄かった。
【0063】
1ユニットの重量は2.4kgで、植栽基盤と芝生がしっかり一体化していたため、持ち上げても崩れることはなかった。
【0064】
ビルの屋上に防根シートを敷き、その上に該植栽基盤を図9のように500個敷き詰め、30m2の緑地を完成させた。施工面積の対して該植栽基盤の個数が多かったため、作業にかなりの時間を要し作業効率が悪かった。施工後、月4回程度の散水をしたが芝生が枯れる箇所が多々あった。
【0065】
比較例2
ポリエステル440デシテックス、96フィラメントの仮撚加工糸を使用し、経糸給糸が500本の円形織機で作製した筒状織物生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが1.2m、もう一片bが1.0mで面積1.2m2の植栽基盤形成体を作製し、芝生を載せ2週間置き根付かせユニット型植栽基盤を作製した。このとき、断面積Nは約164cm2(c=13cm、d=11cm、e=1cm、f=9cm)、厚さMが11cm、芝生の厚みLが2cmの合計13cmと厚かった。
【0066】
1ユニットの重量は133.6kgで持ち上げると、芝生と植栽基盤形成体が接がれてしまい運ぶことができなかった。
【0067】
比較例3
ポリエステル167デシテックス、48フィラメントの仮撚加工糸を使用し、釜径3.5インチ、22ゲージの丸編機で作製した筒状編物生地に、市販の培養土を充填し、図2のように四角形で1ユニットの一片aが1.5m、もう一片bが0.8mで面積1.2m2の植栽基盤形成体を作製し、芝生を載せ2週間置き根付かせユニット型植栽基盤を作製した。このとき、ともに断面積Nは約37cm2(c=6.5cm、d=5cm、e=0.5cm、f=4cm)、厚さMが5cm、芝生の厚みLが2cmの合計7cmと薄かった。
【0068】
1ユニットの重量は69.6kgで、持ち上げると植栽基盤と芝生が接がれることはなかったが、植栽基盤が折れ曲がってしまった。
【0069】
ビルの屋上に防根シートを敷き、その上に該植栽基盤を図9のように50個敷き詰め、60m2の緑地を完成させた。1ユニットの重量が重く折れ曲がるため、運搬に時間を要し作業効率が悪かった。施工後、月4回程度の散水で芝生は枯れることなく成長し、生地から培養土がもれて飛散することもなかった。
【符号の説明】
【0070】
1:編物、織物または不織布の生地で構成された筒状物
2:培養物
3:植栽基盤形成体
4:地被植物
5:植栽基盤と植物が一体化したユニット型植栽基盤
6:植栽基盤形成体間の隙間
7:レンガ
A:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積
B:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積
C:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積
K:培養物を充填した筒状生地の長さ
L:植物層の厚み
M:植栽基盤形成体の厚み
N:培養物を充填した筒状生地の断面積
a:ユニット型植栽基盤の一辺の長さ
b:ユニット型植栽基盤の他の一辺の長さ
c:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積Aの一辺の長さ
d:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積Aの他の一辺の長さ
e:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積Bの一辺の長さおよび培養物を充填 した筒状生地の断面の一部の面積Cの半径
f:培養物を充填した筒状生地の断面の一部の面積Bの他の一辺の長さ
g:培養物を充填した筒状生地を円形または三角形に敷き詰めたときの、筒状生地の幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体と、該植栽基盤形成体内の前記培養物に根を張って前記植栽基盤形成体と一体化されて該植栽基盤形成体の一面を覆っている地被植物から少なくともなり、該地被植物が覆っている該植栽基盤形成体の面の面積が0.1〜1.1m2 であることを特徴とするユニット型植裁基盤。
【請求項2】
前記ユニット型植裁基盤の外形輪郭が、型枠により賦形されたものであることを特徴とする請求項1記載のユニット型植栽基盤。
【請求項3】
任意の型枠形状を有する基盤型枠材の内側に、編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体を該植栽基盤形成体の外側面どおしが接するようにして敷き詰めて載置し、さらに該載置された前記植栽基盤形成体の上面に地被植物を植え付けることにより該地被植物と前記植栽基盤形成体とを一体化させることを特徴とするユニット型植裁基盤の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2記載のユニット型植裁基盤を2個以上敷き詰めることにより緑化を行うことを特徴とする植裁の形成方法。
【請求項1】
編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体と、該植栽基盤形成体内の前記培養物に根を張って前記植栽基盤形成体と一体化されて該植栽基盤形成体の一面を覆っている地被植物から少なくともなり、該地被植物が覆っている該植栽基盤形成体の面の面積が0.1〜1.1m2 であることを特徴とするユニット型植裁基盤。
【請求項2】
前記ユニット型植裁基盤の外形輪郭が、型枠により賦形されたものであることを特徴とする請求項1記載のユニット型植栽基盤。
【請求項3】
任意の型枠形状を有する基盤型枠材の内側に、編物、織物または不織布により形成された筒状物の内部に培養物が充填されている植栽基盤形成体を該植栽基盤形成体の外側面どおしが接するようにして敷き詰めて載置し、さらに該載置された前記植栽基盤形成体の上面に地被植物を植え付けることにより該地被植物と前記植栽基盤形成体とを一体化させることを特徴とするユニット型植裁基盤の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2記載のユニット型植裁基盤を2個以上敷き詰めることにより緑化を行うことを特徴とする植裁の形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−19409(P2011−19409A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165074(P2009−165074)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(597052053)ミツカワ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(597052053)ミツカワ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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