説明

ユニバーサルライティングネットワーク方法およびシステム

【課題】本発明の課題は、大幅な再配線を必要とせずに、広範な場所においてコンピュータネットワーク機能を提供できるユニバーサルデバイスを提供することにある。
【解決手段】本発明は、プロセッサを搭載するスマートライティングデバイス、および照明を提供する機能があり、センサで刺激を検出し、かつ/または信号を送出することのできるスマートライティングデバイスを含むネットワークに関する。実施態様によっては、センサおよびエミッタは、取り外してモジュール式に追加される。スマートライティングデバイスおよびスマートライティングネットワークは、通信目的、ビルディング自動化、システム監視、およびその他の様々な機能に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、コンピュータネットワークおよびライティングシステムに関する。より具体的には、本発明は、ライティングデバイスおよびネットワークデバイスに対して、照明とデータ操作機能および伝送機能とを一体化するデバイス、方法およびシステムと共に、前者を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連する特許の相互参照
本出願は、以下の係属中の米国特許出願に基づき、一部その継続であり、その優先権を主張し、その全開示を参照として組み入れるものである。
【特許文献1】米国特許出願第09/425770号
【特許文献2】米国特許出願第09/215624号
【特許文献3】米国特許出願第09/213537号
【特許文献4】米国特許出願第09/213607号
【特許文献5】米国特許出願第09/213189号
【特許文献6】米国特許出願第09/213548号
【特許文献7】米国特許出願第09/213581号
【特許文献8】米国特許出願第09/213659号
【特許文献9】米国特許出願第09/213540号
【特許文献10】米国特許出願第09/333739号
【0003】
発明の背景
コンピュータネットワークの到来により、ユーザには以前は利用できなかった多くの機能が提供されるようになった。分散ユーザは、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、インターネットなどのグローバルネットワークを用いてデータを通信することができる。遠隔地にあるコンピュータ上で動くソフトウエアプログラムが、他の場所から送られたデータを含むデータを記憶、処理、検索することができる。すなわち、コンピュータネットワークは、データを収集、検索または表示しようとする各地点において、大型のコンピュータを必要とすることなく、コンピュータパワーの恩恵を提供する。このような理由で、コンピュータネットワークは、企業オフィス、工場などの多くの事業環境において普及することになった。コンピュータネットワークは、家庭、小売環境など他の場所にも設置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在のコンピュータネットワークには、小売店現場および家庭などの新規環境においての使用を妨げるいくつかの重大な制限がある。
現在のコンピュータネットワーク技術における重要な問題とは、配線が必要なことである。ほとんどの近代的な建物には、過剰なほどのワイヤやコードが張り巡らされている。それはコンピュータケーブル、電話線、電気配線、スピーカ、セキュリティシステム、警報システム、ケーブルテレビジョンとモデムなどである。このような複雑さが様々な問題をもたらす。修理時には、適当なワイヤの組を互いに選別しなくてはならない。擦り切れたワイヤは、ショートを起こし火災を発生させる可能性があり、これは複数のワイヤシステムの存在によって複雑化した問題である。新しいシステムが頻繁に開発され、新規の配線システムを要求することが多い。新規配線システムを既存の建物に設置することは高価になる可能性がある。というのは、このようなシステムは通常、壁の内部に配置されており、その設置は、一般に壁の取り壊しと補修を必要とする侵入型であるか、または壁の背後にあるワイヤ、パイプ、および支持具の迷路の全体にわたってワイヤを徐々に慎重に解き放すことを伴う複雑なものであるからである。したがって、多大な配線を必要とするコンピュータネットワークは、そのような配線が困難であるか、または見苦しくなる(小売環境など)環境、あるいは専門知識を利用できない環境(一般家庭など)への設置を妨げている。
【0005】
現在のコンピュータネットワークついての別の問題は、これらのシステムの多くが、コンピュータなどのプロセッサの制御下にあること、またはそのような制御の能力を有することである。しかし、これらのシステムは分離されて、個々の制御システムを備えたものであることが多い。このように分離されていると、既存システムを更新して、制御システムを設置するか、または利用可能になった改良型の新型制御システムを活用することがより困難、かつ高価になる。別のシステムに有用であると思われる構成要素を1つのシステムが含むが、これらのシステムが分離されたままであることが多い。したがって、これらの異なるシステムを、共通の制御下におきこれらのシステムの更新を簡略化すると共に、壁、天井および床を通る配線の多種多様さを低減することへの要求がある。統合化されたシステムは、より効率的であるだけでなく、現在分離されているシステムが、別のシステムの構成要素を互いに利用することによって大幅な全体便益を達成することも可能となる。
【0006】
現行コンピュータネットワークについてのもう一つの問題は、現在の配線技術では、多くのデバイスを便利な場所に設置することが難しいことである。例えば、電話差込み口を経由する配線は通常、遠隔地点から対象物を見通すことを必要とするカメラなどのネートワーク化デバイスを、カメラが位置する部屋に大規模な追加の配線をすることなく配置するには適していない。したがって、ネットワーク化デバイスに対してより便利な場所を提供する配線方式が望まれる。
このようなユニバーサルシステムは考えられてはいるが、現在提案されているのは、新規の配線を追加したり既存の配線を変更したり、高額の設置費用を必要とするものである。したがって、大幅な再配線を必要とせずに、広範な場所においてコンピュータネットワーク機能を提供できるユニバーサルデバイスに対する要求は続いてある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本願に記載するシステムおよび方法は、ライティング(lighting,点灯)要素およびマイクロプロセッサを含むライティングデバイスに関する。様々な実施態様において、ライティング要素には、発光ダイオードなどの発光半導体、またはその他の類似のデバイスまたはその他の多様なライティング要素の任意のものが含まれる。LEDまたは発光ダイオードの用語は、本明細書においては、内容的にそのような理解が除外される場合を除いて、任意の発光半導体またはその他のライティング要素を含むものと理解すべきである。実施態様によっては、これらのデバイスは、追加の電子構成要素を取り付けるための1つまたは複数の接続具をさらに含む。実施態様によっては、これらの接続は、デバイス上のモジュラー構成要素の互換使用を可能にする。いくつかの実施態様においては、ライティングデバイスは、構成要素とマイクロプロセッサとの間の通信を可能とし、例えばセンサ要素からの入力に基づいてライティング要素の制御を可能にしたり、他のデバイスとの双方向の信号伝送を中継することによって電子通信を容易にする。いくつかの実施態様においては、このような通信が、ライティングデバイスのネットワークを利用することによって容易となる。いくつかの実施態様においては、ライティングデバイスは、ハロゲン電球、エジソン型(ねじ込み式)電球、蛍光灯などの従来型のライティング要素と互換可能に適合されている。
【0008】
別の実施態様においては、本発明の原理によるシステムは、その出力が通常の照明(illumination)を提供すると共に、無線通信用に高速で変調されているLEDを提供する。一実施態様においては、制御信号のデューティサイクルを制御することによってLED輝度を制御し、一方でより高速の変調方式を用いて同じ制御信号に、独立したデータを符号化することができる。LEDをデータ通信に利用する場合には、本発明は一実施態様において、ネットワーク化機能を有する無線データ送受信を用いて、LEDがネットワーク内のいくつかの異なるデバイスと通信できるようにする。これらのデバイスは、LEDからの光信号のデータを復号することのできる信号受信機を備えている。
【0009】
本発明においては多機能ライティングデバイスを提供する。これらのデバイスには、電源アダプタに結合された複数の電気接続を搭載した基板、電気接続に結合されて光を放出する1つまたは複数のライティング要素、外部刺激に基づいて電気信号を生成または変調する1つまたは複数のセンサ、および電気接続に結合されてセンサからの信号を処理するプロセッサなどの様々な要素が含まれる。
【0010】
ライティング要素は、発光半導体、LED、またはその他のライティング要素とすることができる。プロセッサは、マイクロプロセッサでもよい。センサは、任意の電磁気信号から音響信号、生物学的または化学的信号、さらにその他の信号におよぶ任意の環境条件を検知する任意のセンサでよい。その例としては、IR検知器、カメラ、運動検知器、オゾン検知器、一酸化炭素検知器、その他の化学検知器、接近検知器、光起電力センサ、光導電センサ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光電子放出センサ、光電磁気センサ、マイクロ波受信器、UVセンサ、磁気センサ、磁気抵抗センサ、および位置センサなどがある。
【0011】
センサは、温度を感知してもよい。センサは、例えば熱電対、サーミスタ、放射高温計、放射温度計、光ファイバ温度センサ、半導体温度センサ、および抵抗温度検知器でもよい。センサは、音を感知してもよく、例えばマイクロフォン、ピエゾ圧電材料、または超音波センサでもよい。センサは、振動、湿度、または蒸気、粒子状物質、もしくはガスの濃度を感知してもよい。
【0012】
実施態様によっては、デバイスには、プロセッサをデータネットワークに結合するためのデータ接続、またはセンサからプロセッサに信号を伝送するためのセンサとプロセッサ間の通信接続を含めてもよい。
また本発明では、電源アダプタに結合された複数の電気接続を搭載する基板、電気接続に結合されて光を放出するためのライティング要素、信号を放出するための信号ユニット、および電気接続に結合されて信号ユニットに信号を放出するように命令するためのプロセッサを含むことのできる、多機能ライティングデバイスを提供する。
【0013】
本発明では、データを受け取るための方法も提供する。この方法は、電源アダプタに結合された複数の電気接続を搭載する基板を提供するステップ、電気接続に結合されたライティング要素を提供するステップ、センサを提供するステップ、電気接続およびセンサに結合されたプロセッサを提供するステップ、センサで刺激を受け取るステップ、センサからの刺激を表す信号をプロセッサに伝送するステップなどの様々なステップを含む。実施態様によっては、この方法は、アクチュエータに、ライティング要素の位置を変更する命令を送るステップを含む。
【0014】
本発明ではまた、データを伝送する方法も提供する。この方法は、電源アダプタの結合された複数の電気接続を搭載する基板、電気接続に結合されたライティング要素、信号を放出するための信号ユニット、電気接続および信号ユニットに結合されたプロセッサをそれぞれ提供するステップと、プロセッサから信号ユニットに信号命令を伝送するステップとを含んでもよい。
【0015】
本発明はまた、多機能ライティングデバイスを製造する方法であって、例えば電源アダプタに結合された複数の電気接続を搭載する基板を提供するステップ、ライティング要素を電気接続に結合するステップ、プロセッサを電気接続に結合するステップ、センサを電気接続およびプロセッサに結合するステップなどの様々なステップを含む方法を提供する。この方法は、センサを結合するステップ、例えばIR検出器、カメラ、運動検出器、接近検出器、光起電力センサ、光導電センサ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光電子放出センサ、光電磁気センサ、マイクロ波受信器、UVセンサ、磁気センサ、磁気抵抗センサ、および位置センサから選択されるセンサを結合するステップ、あるいは熱電対、サーミスタ、放射高温計、放射温度計、光ファイバ温度センサ、半導体温度センサ、および抵抗温度検出器から選択されるセンサを結合するステップを含んでもよい。センサの結合は、音を感知するセンサの結合を含んでもよい。
【0016】
本発明で提供する多機能ライティングデバイスの製造方法はまた、電源アダプタに結合された複数の電気接続を搭載する基板を提供するステップ、ライティング要素を電気接続に結合するステップ、プロセッサを電気接続に結合するステップ、および信号ユニットを電気接続およびプロセッサに結合するステップを含んでもよい。
【0017】
本発明は、多機能ライティングデバイスを製造する方法であって、電源アダプタに結合された複数の電気接続を搭載する基板を提供するステップ、ライティング要素を電気接続に結合するステップ、アクチュエータを電気接続に結合するステップ、およびプロセッサを電気接続およびアクチュエータに結合するステップを含む方法を提供する。
また本発明は、多機能ライティングデバイスのネットワークを構築する方法であって、本開示にしたがって複数のライティングデバイスを1つの配設に配置するステップと、各ライティングデバイスとその他のライティングデバイスとの間の通信リンクを確立するステップとを含む方法を提供する。
【0018】
本発明は、ビジネスを実行する様々な方法であって、小売環境を提供するステップと、ライティング要素およびマイクロプロセッサを含むライティングシステムを用いて小売環境をライティングするステップと、小売環境の状態を検知するステップと、検知した状態を反映して小売環境のライティングを調整するステップとを含む方法を提供する。検知される状態を、小売商品への顧客の接近とし、この場合にライティング条件を、小売商品への照明を増大させるように調整してもよい。検知される状態を、店舗の入口への顧客の進入とし、この場合にはライティング条件を、顧客が店舗のさらに奥に入るように動機づけるように調整してもよい。ライティング条件を、移動虹効果(moving rainbow effect)としてもよい。
以下に示す図は、本発明を説明するためのいくつかの実施態様を示しており、これらの図において同じ参照番号は同じ要素を示す。これらの実施態様は、本発明を説明するものであり、いかなる意味でも限定するものではないことを理解されたい。添付の図面を参照すれば、以下のさらなる説明から本発明がより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本明細書に記載したスマートライティングデバイスを示す図である。
【図2】本明細書に記載した複数のスマートライティングデバイスを含む、スマートライティングネットワークを示す図である。
【図3】本発明の原理によるLEDエンコーダおよびLEDデコータを示す図である。
【図4】本発明の原理による制御信号の構成を示す図である。
【図5】本発明の原理によるライティングサブシステムを示す図である。
【図6】本発明の原理によるネットワーク化ライティングシステムを示す図である。
【図7】本発明の原理によるモジュール化ラティングサブシステムを示す図である。
【図8】本発明の原理によるモジュール式ライティングサブシステムのいくつかの実施態様を示す図である。
【図9】本発明による小売り環境を示すである。
【図10】本発明によるオフィス環境を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図示した実施態様の詳細な説明
以下の説明は,本発明を説明するいくつかの実施態様に関するものである。当業者であれば本発明の多様な変更態様を考えつくであろうが、このような変更態様および改良は、開示の範囲の入ることを意図するものである。したがって、本発明の範囲は、いかなる意味においても以下の開示に限定されるものではない。
本明細書に記載するシステムおよび方法は、図1のデバイス1のような、本明細書ではスマートライティングデバイスと呼ぶ電子デバイスに関し、このデバイスは、ライティング要素20およびプロセッサ30と共に、センサ、エミッタ、アクチュエータなどの追加の電子構成要素を取り付けるための複数の接続40を含む。ライティング要素20は,特にLEDライティング要素を用いる場合に、プロセッサ30に結合することによって、センサからの入力の関数として、またはプロセッサ30によって実行される所定のプログラムによって、放出光を変化させてもよい。
ライティング要素20は、白熱電灯、ハロゲン、LED、蛍光、あるいはある領域を照明するのに十分な光、例えば少なくとも25W白熱電灯とほぼ同等の光量を放出することのできる、その他のライティング要素でもよい。LEDライティング要素は、特にこのようなネットワークに適しており、それは、LEDはDMSなどのデータプロトコルを始めとする電子信号に応答するように構成できるからである。さらに、LEDライティング要素を動作させるのに使用する電圧、電流、および制御を、従来型の電子および/またはデジタルデバイスに用いるものに、より緊密に類似するように適合させることができる。米国特許出願第09/215624号、第09/213537号、第09/213607号、第09/213189号、第09/213548号、第09/213581号、第09/213659号、第09/213540号、および米国特許第6016038号を参照されたい。例えば白熱ライティング要素などのその他のライティング要素を制御をすることによって、例えば減光(dimming)を提供することもできる。
【0021】
ライティング要素20は、電気信号を受け取り、その信号に応答して有色光を生成することのできる任意のシステムを含んでもよい。したがって、ライティング要素20には、すべての種類の発光ダイオード、発光ポリマー、電流に応答して光を生成する半導体チップ(semiconductor dies)、有機LED、電界ルミネセンスストリップ、その他のシステムが含まれる。一実施態様においては、ライティング要素20は、個別に制御される複数の半導体チップを有する単一発光ダイオードを意味することもある。ライティング要素20は、有機LED、発光プラスチック、その他を含む、任意の種類の発光半導体でもよい。
【0022】
ライティング要素20はまた、任意のLEDシステムを含む任意の他の照明源、ならびにフィラメントランプ、火炎などのパイロルミネセンス光源、ガスマントルなどのキャンドルルミネセンス光源、およびカーボンアーク放射光源などの白熱光源、ならびにガス放電、蛍光光源、燐光光源、レーザ、電界ルミネセンスランプなどの電界ルミネセンス光源、発光ダイオード、電子飽和を使用する正極ルミネセンス光源などのフォトルミネセンス光源、ならびに電流蛍光(galvano−luminescent)光源、結晶ルミネセンス光源、キネルミネセンス光源(kine−luminescent sources)、熱ルミネセンス光源、トリボルミネセンス(triboluminescent)光源、ソノルミネセンス(sonoluminescent)光源、放射ルミネセンス光源などの様々なルミネセンス光源でもよい。照明光源は、原色を生成することのできるルミネセンスポリマーでもよい。
【0023】
プロセッサ30は、マイクロプロセッサなどの任意のデータ処理デバイスでもよい。接続40は、電気またはその他のエネルギーを電子構成要素に提供する電力接続および/または、プロセッサ30と接続40に結合された構成要素との通信のためのプロセッサ30へのデータ接続を含んでもよい。いくつかの実施態様においては、データおよび電力は、例えばパルス幅変調プロトコル、その他の搬送波プロトコルなどを用いて同一の接続によって同時に伝送してもよい。いくつかの実施態様においては、スマートライティングデバイス1は、電源への接続用の電源アダプタ42を含む。電源アダプタ42は、ハロゲン、蛍光またはエジソンマウント(ネジ式)取付具などの従来型のライティングジャックを介して電源に接続するように適合させてもよい。
【0024】
ある実施態様においては、接続40は、相互交換可能なセンサおよびエミッタ構成要素のモジュール再構成を可能にし、これによってスマートライティングデバイス1の様々な入力および出力型式を、ニーズと状況の変化に応じて変えることができる。センサとして使用可能な構成要素の例としては、電磁気信号(例えば、カメラ、運動検知器、接近検知器、光起電力センサ、UVセンサ、光導電センサ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光電子放出センサ、光電センサ、電磁気センサ、マイクロ波受信器、磁気センサ、磁気抵抗センサ、位置センサなど)、温度に感度のあるセンサ(例えば熱電対、サーミスタ、放射高温計、放射温度計、光ファイバ温度センサ、半導体温度センサ、抵抗温度検出器、など)、音に感度のあるセンサ(例えば、マイクロフォン、圧電材料、超音波センサなど)、振動、湿度、薬品(蒸気またはガスの濃度をなど)を感知するセンサ、または刺激に応答して検出可能な信号を生成することのできる任意の種類のセンシングデバイスを含む。
【0025】
エミッタとして使用できる構成要素の例としては、電磁気放射線(赤外線、マイクロ波、無線、または他の種類の信号など)を放出するもの、音響信号(スピーカ、超音波エミッタ、またはその他の音波を放出するその他のデバイス)を放出するもの、または信号、特に通信信号を放出するその他のデバイスがある。電子信号に応答して力を生成することのできるアクチュエータも、スマートライティングデバイス1に結合し、例えばスマートライティングデバイスの位置を変更したり、あるいはスマートライティングデバイス1の近傍に別の物理的な変化を起こしてもよい。センサ、アクチュエータ、およびエミッタの任意の組み合わせを、スマートライティングデバイス1上の接続40に結合してもよく、またプロセッサ30と通信することによって、プロセッサ30によって実行される命令と組み合わせるなどして、例えばライティング要素20からの出力を、センサによって検出される刺激に応答して、生成または変更することができる。
【0026】
複数のスマートライティングデバイス1を、互いに結合することによって、図2に示すようにネットワーク44を形成してもよい。スマートライティングデバイス1間で、ツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバ、または例えば赤外線、マイクロ波、または無線伝送を用いる無線リンクなどの任意の物理媒体上で、データを伝送してもよい。任意の適当なデータネットワークプロトコルをデータ伝送に用いてもよく、それにはTCP/IP、イーサネット(登録商標)の変更形態、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ブルートゥ−ス(Bluetooth(登録商標))、ファイアワイヤ(Firewire)、DMX、トークンリング、トークンバス、シリアルバス、またはその他の適当な無線または有線プロトコルなどがある。ネットワーク44としては、これらの物理媒体とデータプロトコルの組み合わせを用いてもよく、またインターネットや公衆電話交換網(Public Switched Telephone Network ("PSTN"))などの公知のネットワークを用いてもよい。
【0027】
米国特許第5844888号、第5113498号、および第4969146号に記載の技法およびシステムを、本明細書に記載するライティングネットワークで使用するように適合させることができる。したがって、例えば建物内のライティング器具に、本明細書に記載のスマートライティングデバイス1を取り付けることができる。天井固定具内にあるスマートライティングデバイス1は、例えば中央ネットワークに配線して、電燈内のライティングデバイスと例えば赤外線伝送を用いて通信してもよい。コマンドは、遠隔地からインターネットを介してスマートライティング要素の中央ネットワークに送ることもできる。
【0028】
スマートライティング要素は、広範な機能の任意のものに利用してもよい。以下に示す例は、家庭やオフィスなどの建物内で可能な、例示的な使用であり、例えば天井灯取付具が本明細書に記載するスマートライティング要素を含む。これに追加して、あるいは代替として、スマートライティングデバイスは、ディスプレイ、点灯フロアまたは壁パネル、コーブライティング(cove lighting)、またはその他の所望の構成において、利用可能である。以下に示す機能またはその他の機能を有する、スマートライティング要素のその他の構成および用途は、本発明の範囲に入るものと考える。
【0029】
一実施態様において、スマートライティングネットワークは、移動通信技術を容易にするために使用することができる。セルラー電話、無線データ伝送(アップルコンピュータのエアポイント(Airpoint)技術など)、およびその他の移動通信デバイスは、適当なネットワークに接続するために、一般に高エネルギー伝送または近傍受信器を必要とする。例えばインターネットまたは電話網に接続されたスマートライティングネットワークが敷設された建物においては、赤外線、無線、マイクロ波またはその他の適当なトランシーバを含む、スマートライティングデバイスで各部屋を構成してもよい。高密度ネットワークまたは移動電話通信で現在使用されているトラフィック管理技術を用いることによって、例えば1つまたは複数のコードレス電話を、低電力信号を用いて建物中で機能するようにして、これによってバッテリパワーの要求を低減することができる。
【0030】
この技術は、無線電話に用いることもでき、例えばセルラーインフラストラクチャ内のマイクロセルを可能にする第3世代無線電話ソルーションなどの具体的な応用がある。このような解決手法を用いることによって、建物内部にマイクロセルを形成することができ、スマートライティングネットワークを介して、外部無線ネットワークに接続されるか、またはPSTNに直接的に接続される。このような解決手法は、そうでなければ建物の壁を貫通して信号を伝送するのに必要となる、無線デバイスエネルギーを節減することができる。
【0031】
同様に、ポータブルコンピュータは、建物中を移動中に、インターネットまたはその他のデータネットワークに接続したままにできる。例えばテレビまたはステレオシステム用の遠隔スイッチからの信号を一室で受け取り、スマートライティングネットワーク上で転送し、対応する構成要素を含む部屋(または全ネットワーク上)に伝送することによって、遠隔制御の範囲を拡大して、例えば住居の任意の部屋からステレオシステムの制御が可能となる。移動がない状況においても、このようなネットワークは、接続を維持するために必要なコードやワイヤの数を低減することによって、共通通信システムを開放すると共に簡略化する可能性がある。例えば、データまたは電話ジャックの位置に関係なく、オフィスのどの場所にでも机を配置することができる。
【0032】
コンピュータ構成要素は、ワイヤ上ではなく、空間を介して通信が可能であり、これによって、モニター、コンピュータ、プリンタなどの構成要素を、有線接続を用いては困難であるか、または不可能である方法で、構成または再配置することができる。例えば、データがコンピュータからプリンタに転送されている間でも、接続をするための再配線なしで、プリンタをオフィスの別の部屋に移動させることが可能である。したがって、本明細書で開示する方法およびシステムは、様々な機能のための構造化配線の代替として、無線方式を提供することができる。
【0033】
別の実施態様においては、スマートライティングネットワークを用いて、視聴覚信号を配送してもよい。例えば、ネットワークに、スピーカを有するか、または内蔵するデバイスとプロセッサ制御ライティング要素とを含めてもよい。ユーザが、録音された聴覚または視聴覚プログラムの再生を開始するとき、またはラジオまたはテレビジョン放送などの聴覚または視聴覚送信を受信するときに、スマートライティングネットワークが、伝送または記録の聴覚部分を生成するようにしてもよい。サラウンドサウンド技術またはその他の空間音響イメージ技法を用いて、多重チャネル式サラウンドサウンド効果を生成し、中央コントローラによるかまたはスマートライティングデバイスの個々のプロセッサによって仲介してもよい。遠隔構成要素は、スマートライティングネットワークを介して通信してもよい。例えば、サラウンドサウンドシステムのサテライトスピーカは、スマートライティングネットワークを介して無線で音響信号を受信することができる。
【0034】
プログラムが、従来型の視聴覚データを補完して周囲光状態の指示を具備する、ライティングトラックを含む場合には、スマートライティングネットワークのライティング要素を用いて、従来型の視聴覚プログラムと連携したライティング効果を生成することができる。例えば、雷光、日没、火炎赤熱光(fiery red glows)、または環境ライティングの色および/または輝度を修正することによって生成することのできるその他の効果を用いて、例えば従来型のテレビジョンまたは映画体験の効果を強調することができる。同様に、音楽またはインターコム(intercom)用途などの音響フィードは、建物全体に配線した別個のシステムを必要することなく、全スマートライティングネットワークに放送するか、またはネットワーク内の特定のライティング要素に送ることもできる。逆に、既存のライティング、インターコム、またはスピーカシステムを修正または適合させることによって、広範な書き換えや、破壊的な更新を必要とすることなく、スマートライティングシステムを提供することができる。
【0035】
同様のスマートライティングネットワークを劇場、音楽ホール、講堂、またはその他の演奏場で使用することができる。例えば、ライティング要素、マイクロフォン、および演奏者、俳優などの移動を追跡するためのセンサなどを含む、スマートライティングネットワークをステージに設けることができる。そのようなシステムによって、スマートライティングネットワークは、特定の演劇、オペラ、ミュージカルまたはその他の劇場イベント用に設計されたライティング場面をプログラムすることができる。ネットワークは、例えば俳優などの位置および/または移動を追跡することによって、イベントの進行をモニターすると共に、例えば場面間でのライティングを変化させたり、あるいは例えば、ステージ上のイベントに一致するようにプログラムされた、雷光、深まる夕日、日の出、停電(灯火管制および一時的な明滅などを含む)などの効果を提供することができる。
【0036】
さらに、このようなライティングシステムには、例えば聴衆の上方などの座席領域に配置したスマートライティング要素を含めることもできる。これらのライティング要素には、予め録音された音響効果を含む、ステージまたは上演領域からの音を再生するためのマイクロフォンを含めることもできる。雷、車のホーン、電話音、タイヤの鳴き、ブレーキ鳴きなどの予め録音された音響効果を、前述のライティング効果のように、ステージ上のスマートライティング要素からのセンサ入力によって、イベント用に設計されたプログラムに従って、トリガーすることもできる。さらに、座席領域のライティング要素は、全観衆上にわたってオンステージライティング効果を再生して、例えば火事の明滅する光、雷の閃光、夜明け、またはその他のライティング効果を模擬することができる。
【0037】
マイクロフォンおよびスピーカをスマートライティングネットワークに含めることによって、個別の電話デバイスを必要とすることなく、通信を設定することができる。例えば、スマートライティングデバイスは、音声駆動電話として作動し、音声コマンドによって番号をダイアルしたり、相手に接触したりすることができる。通信相手は、したがって手持ち電話デバイスから開放され、例えば通常スピーカフォンによるよりも、広い領域で、多数の参加者が利用することができる。さらに、カメラをスマートライティングネットワークに含めて、ビデオフォン用途を可能にすることもできる。いくつかの実施態様においては、スマートライティングシステムは、音声に応答して最も近傍のスマートライティングデバイス内のカメラを起動するように構成したり、任意選択で、アクチュエータを用いてカメラを話者に向けることができる。スマートライティングネットワークは、話者入力またはその他の聴覚入力の位置を、三角測量またはその他の手段によって特定するように構成することができる。本明細書に開示する方法およびシステムは、室内の物体位置特定システムなどの方法として使用することができる。
【0038】
スマートライティングデバイスは、適切に配置した光センサを設けることによって、周囲光を検出し、ライティング要素の出力を修正して所定の明るさまたは色彩を達成することができる。このようなネットワークは、操作室、写真スタジオ、または農業作業などの敏感な環境に特に適切である。農業環境においては、スマートライティングデバイスは、湿度センサまたは温度センサなどのセンサを含んでもよく、これによってコンピュータ制御式加湿、加熱、灌漑、給水システムなどの他のシステムと共に、ライティングを調整することによって、最適の成長条件の制御と維持が可能となる。
【0039】
スマートライティングデバイスは、例えば煙、一酸化炭素、ラドン、ガス漏れなどを検出する化学センサを設けることによって、家庭、企業または車両内での統合型センサ/警報システムを提供してもよい。振動センサは、地震監視に使用することができる。接近および/または運動検出器は、任意選択でカメラ構成要素と組み合わせて、セキュリティシステムに使用することができる。このようなネットワークは、例えば、乳児室で動作するマイクロフォンおよび/またはカメラを用いて、子供を監視し、別の部屋またはインターネットなどのネットワーク上にデータを伝送するために使用することができる。スピーカおよび/または灯火は、指定の刺激が検出されると、警報または警告信号を生成するのに使用することができる。インターネットなどのより大きなネットワーク上で、このようなスマートライティングネットワークへアクセスすることによって、セキュリティ企業は、建物のライティングおよびその他の機能を、遠隔地から制御して、簡単なライティングタイマーよりも、より効果的に強盗を抑制できるようになり、また同様にセキュリティ目的または本物の危険と誤警報とを区別するための遠隔ビデオ監視が可能となる。
【0040】
追加のデータ収集機能および監視機能を、スマートライティングネットワークによって達成することができる。例えば、スマートライティング要素を、小売店、会議ホール、市街地、スポーツ会場、エンターテインメント会場などの公共の場所に配置し、人、車両、その他の対象物の流れを監視することができる。スマートライティング要素は、例えばユニットのそばを通る人または物体の数、人または物体がユニットのそばを通過する速度、あるいはその他の好適な測定値を測定することができる。次いで、収集されたデータは、例えばスマートライティングネットワークに接続されたプロセッサを用いるか、または収集された情報を適当なプロセッサなどにダウンロードして分析することによって、交通流、交通パターン、渋滞箇所などを測定することができる。この分析は、例えば交通の渋滞箇所を特定したり交通流を変更すること、通過と渋滞を緩和する効果のある配設または構成の変更を同定すること、あるいは、例えば顧客が好むスーパーマーケットの移動方法、または劇場での座席の探し方を特定することに有用である。
【0041】
デパート、公園、リゾート、カジノなどの小売または娯楽環境においては、このようなデータは、展示に対する顧客の反応を特定するのに有用である。例えば、展示物内のスマートライティング要素、または小売施設におけるスマートライティングネットワークは、顧客が展示を見る平均時間や、展示が店舗の遠隔場所から顧客の注意を惹くかどうかの情報を収集したり、または顔の表情などの特徴をとらえたり、分析したりすることによって、小売展示、宣伝、または注意を惹くためのその他の展示に対する、顧客の興味および反応を計ることができる。このような情報は、さらに売上データ、例えばチェックアウトライン、キャッシュレジスタ、またはその他の在庫システムで収集される情報と関係づけることによって、小売展示および宣伝の全体効率を測定することができる。このようなデータを調査、分析することによって、小売業者やマーケッティング業者は、どのような種類の展示が、どの場所が、そしてどうような商品の組合せが、顧客に好まれ、販売の増加をもたらすのに有望で、かつ最も効果的かを、正確に評価することができる。このような情報を用いて、関心の高い商品を店舗全体に配置して均一な往来を達成したり、新規、または無名の商品、または通常衝動的に購買される商品への顧客の暴露を増大させたりできる。
【0042】
スマートライティングネットワークを用いることで、様々な追跡機能を容易に達成することができる。例えば、例えばカメラ、マイクロフォン、運動検出器などのスマートライティング要素に設けられたセンサの測定範囲内にある物体は、ユニットまたはネットワークによって物体として識別される。物体が範囲外に通過すると、ネットワークは、物体の移動を追跡し、物体がどこに行くかを判定し、その場所にあるスマートライティング要素を特定し、物体が第2のスマートライティング要素の測定範囲に入るのを、ハンドオフ技法またはその他のプロトコルによって追跡する。
【0043】
様々な娯楽用途に、スマートライティングネットワークを使用することができる。例えば、劇場またはその他のライティングシステムは、屋外環境、または複雑なライティングシステム用に配線がされていない屋内環境に迅速に設定することができる。適切なスマートライティングデバイスを、例えば電気コンセント付近に設置し、互いに配線する代わりに、無線命令によって制御することができる。このようなネットワークは、スマートライティング要素の中にスピーカを組み込むことによってサウンドシステムとしても機能することができる。最小の配線を使用して機能するモジュールネットワークは、移動公演の設置、または高校体育館、石造りの教会、テント、屋外集会、噴水またはその他の水利用展示などの複雑な配線配設を設置するのが見苦しいか、危険であるか、または困難である環境においての設置を容易にする。さらに、スマートライティングデバイスは、ダンサーや観客の接近に応答したり、音楽の速度または強弱に応答するなどして、視聴覚出力を相互作用式に変調するのに使用することのできる、マイクロフォンや接近センサなどのセンサを装着することができる。応答型または相互作用式のスマートライティングデバイスはまた、ファンハウスまたは娯楽目的のその他の対話型環境において使用することができる。
【0044】
スマートライティングネットワークは、集中型システムによるか、またはスマートライティングネットワークの集合マイクロプロセッサにより協調的に制御してもよい。機器および、家庭用、事務用、産業用、またはその他のデバイスを、例えば赤外線、マイクロ波、または無線信号によって、遠隔制御用に装着して、スマートライティングネットワークを用いる集中型システムによって制御してもよい。そのようなシステムは、ビルディングシステム機能および電気装置を、例えば広範囲または特定の再配線を必要することなく、自動化するのに使用することができる。使用は広範囲におよび、例えばコーヒーマシンをスタートさせたり、コンピュータを立ち上げたり、サーモスタットの設定を上げたり、指定された時間に車を始動かつ暖機したり、あるいは処理プラントの主要機能を連続的に制御するのに使用することができる。システムにセンサを含めることによって、例えば人が部屋に入ったときに電灯をつけ、部屋が空のときにそれを切るなどのより複雑で、相互作用的な機能が可能になる。
【0045】
個人が、識別情報または一般分類方式に基づく信号を送信するバッジを装着することによって、システムが建物の様々な場所への入出場制御を行ったり、占有者の予め決められた選好に合致する音楽を室内で演奏したり、建物の入居者の活動および位置を監視したり、またその他の機能を実行することが可能となる。音声コマンドは、建物の遠隔場所において、任意選択では、例えばバッジ、音声または顔面認識などによって識別によって判定されるコマンドの発信者の状態に応じて受信、解釈、実行することができる。ネットワークは、インターネットや公共電話網などの電気通信ネットワークからアクセスできるために、スマートライティングネットワークの環境は、遠隔地点から監視および/または修正することができる。スマートライティングネットワーク内のセンサからの出力を受け取ることによって例えば、営業状態、ホームセキュリティ状態、およびその他の状態を、遠隔場所の端末において、例えばウエブブラウザまたはその他の適当なインタフェースを用いて検証してもよい。命令は遠隔場所からも送ることができ、スマートライティングネットワークによって制御または調整する建物の温度、ライティング制御、機器または機械運転などの任意の機能の調整が可能になる。
【0046】
さらに、当業者であれば、スマートライティングネットワークは、ライティング要素を含まないが、センサ、送信器、指示器、スピーカなどのその他の機能を含む、スマートライティング要素およびスマートユニットを備えることによって、例えばネットワーク接続性は望ましいが、ライティングが必要でないか、あるいは望ましくない環境における情報を収集または送信できることを理解するであろう。
以下の説明は、当業者であれば、本発明の範囲をまたは特性をいかなる意味でも制限することなく、本発明を例示する様々な実施態様として理解するであろう。以下からあきらかなように、スマートライティング要素のデジタルライティングシステムは、ネットワーク全体で利用可能なセンサ情報の収集、交換および説明をサポートすると共に、環境を制御かつ修正するためのセンサ情報の応用をサポートするプラットフォームとして動作することができる。
【0047】
デジタルライティングネットワークは、小売環境において有用である。基本的に、小売店舗およびチェーンは、人を惹きつけ、製品およびサービスにより多くの金を使うようにさせようとする。通常は観察者を使って、買い物客を観察し、その観察結果から、トレンド、応答、およびその他の価値ある情報を抽出することができる。センシングデバイスによって強化されたスマートライティングネットワークは、同じ観察能力を提供して、購買客の詳細報告を自動的に生成する。これから得られる情報は、店舗全体を連続的に監視するものでもよく、往来を解明したり、商品販売のフィードバックを提供したり、商品配置の試行を分析したり、配置、ライティング、販売促進、グラフィック、店舗設備などの効果を分析したりするのに使用することができる。このような知識は、通常は簡単には把握できず、店舗またはチェーンの所有者には貴重なものである。
【0048】
単にデータ収集を追跡かつ提供するよりもよりも影響の大きいのは、ユーザ行動の即時フィードバックの可能性である。したがって小売業者は、さまざまな展示および商品配置に対する買い物客の応答についての即時、または擬即時データを受けとることができる。この情報は、展示の前で立ち止まる買い物客に応答して展示ライティングを変化させるか、または音響トラックを起動させるなど、微妙な、または顕著な、動的表示を生成するのに使用してもよい。リアルタイム買い物情報は、在庫をより詳細に制御したり、販売傾向を追跡したりするのに使用することができる。
【0049】
スーパーマーケットやその他の利益の薄い小売業者は、デジタルライティングネットワークを有利に利用することによって、良好な通交流や商品へのアクセスを提供したり、供給業者や卸売り業者に対する棚スペースをより正確に値付けすることができる。供給業者および卸売業者は、棚スペースおよび位置の費用をすでに支払っている可能性があるが、追跡情報が、店内で人がどのように移動するかを予測するのに非常に有用であることを見い出すであろう。スマートライティングネットワークを備える店舗は、大手卸売業者に無償でそのような情報を提供し、店舗、供給業者、および顧客に便益を与えることができる。
【0050】
小売用途で収集された情報は、コンピュータなどの中央場所で提示してもよく、また音響システム、灯火、およびその他のデバイスなどのデジタルライティングネットワーク内の様々な出力を制御するソフトウエアを含んでもよい。
スマートライティング要素のデジタルライティングネットワークは、セキュリティシステムに有効に利用できる。多くの公共建築物、建築ロビー、階段、エレベータ、コンビニエンスストア、銀行ATM、および多くの街路には、それぞれの事業に関連して歩く人を観察するカメラが備えられている。ポータルサイトおよびウエブサイトがユーザのクリック追跡を提供するのと同様にして、このような追跡機能を、スマートライティングネットワークを使用する物理的世界に拡張することによって、レンガとモルタルのシステムが人の挙動と行動を追跡できるようにすることができる。
【0051】
高犯罪地域に対しては、スマートライティングネットワークは、車両および人の追跡に使用することによって、現行犯または事後に犯人を逮捕するのを助けることができる。スマートライティング要素が、追跡により複数のネットワークユニット間におけるデータおよび情報の連続性が確立されるように、情報を受け渡すことができる。例えば、視野内で車両が対象物体としてラベル付けされ、次いで移動した後に、隣接するノードに物体として受け渡される。この技法によって、地域が一つの大きなカメラの範囲にあるかのように、追跡プロセスを自動化するための連続性と整合性が確立される。
【0052】
これらのシナリオ、および接近、化学センシング、煙および火災検知器を組み込むその他のシナリオを、モジュール方式でスマートライティング要素の機能を適合かつ変更する能力によって促進することができる。またセキュリティシステムを、変化する状態に迅速に合わせることができる。
スマートライティング要素のデジタルライティングネットワークは、オフィスまたはその他の商業地域に有効に利用することができる。無線技術を利用するスマートライティングネットワークは、企業が成長したり規模的に変化するにつれて容易に拡張したり適合させることができ、商業環境における無線ローカルエリアネットワークに対する代替、あるいは強化として提供することができる。ローカル無線は、建物全体または企業構内全体のネットワークアクセスを可能し、また情報を転送、および情報にアクセスする能力が大幅に促進されることになる。
【0053】
スマートライティング要素のデジタルライティングネットワークは、テーマパーク、リゾート、ホテル、カジノおよび娯楽企業に有効に利用できるが、これらはすべて細心の連続した顧客追跡を必要とする。スマートライティングネットワークによって、人が避けたり、惹きつけられたりする領域を迅速に特定することができる。
見本市をはじめとする大規模イベントでは、スマートライティングネットワークを使用して、来場者の流れ、関心、滞留時間、および個々のブース、または見本市会場全区域にわたる相互作用を測定することができる。劇場は、当然チケット販売を把握しているが、スマートライティングネットワークを用いることによって、人々がどのように劇場に入退場するか、どのような場所に座りかつ移動するのを好むか、いかに場内売り場がアクセスと販売を提供するかなどについてより多くの情報を得ることができる。大型映画館は、常にスケジューリングと観客制御の問題を取り扱っており、スマートライティングネットワークを用いることによって、問題を診断、監視すると共に、解決策の有効性を予測することができる。
【0054】
実施態様によっては、デジタルライティングネットワークのハードウエアおよびネットワークには、スマートライティング要素として、容易に利用可能な標準化された技術を利用することができる。既存の電源配線を使用すること、および802.11無線LAN標準、ブルートゥ−ス、または赤外線データ通信機能標準化協会(IrDA)の標準などの新しい無線標準を使用することによって、設置費用を低減することができる。
一実施態様においては、スマートライティング要素は完全にモジュール化されている。各スマートライティング要素は、デジタルライティングネットワークにシームレスに対して追加、または除去することのできるモジュール化I/O兼ネットワークデバイスである。オープンアーキテクチャを使用することによって、多様な異なるスマートライティング要素、および異なる用途向けのその他の整合性のあるデバイスの使用と発展が可能となる。このフレームワークには、各スマートライティング要素またはその他のデバイス(集合的にモジュールと呼ぶ)について、電源および有線ネットワークへの導管および最少セットのI/O機能が含まれる。両要素とも、所望の機能セットに応じて、モジュールを追加または変更することを簡単かつ効率的にするように設計することができる。
【0055】
ソフトウエアに対して既知の特定のモジュールに対するより詳細な機能定義および制御と同様に、一般データ収集および、ブラウザインタフェースなどのポイント・クリックベースの操作を可能にするソフトウエアによって、モジュールを制御してもよい。例えば、ソフトウエアは、1つまたは複数のモジュールによって生成される情報を表示するグラフィックインタフェースを含み、スマートライティング要素であるとわかっているモジュールに対して光強度または色彩の制御を可能にしてもよい。
【0056】
地図は、部屋や領域を表示する直感的なユーザインタフェースを提供することができる。例えば、店舗地図を表示して、その地図内でドラグ・ドロップ操作によってモジュールを配置することができる。次いでモジュールを、ダブルクリックすることによって、構成ウインドまたはメニューを開き、構成がオンラインであれば、モジュールの機能を問い合わせることができる。これによって、特徴と自己テストの結果をリストする、異なるウインドまたはフレームを開いてもよい。モジュールの機能または種類が予めわかっている場合には、これを構成ウインドに直接入れるか、または領域マップ上へのドラグ・ドロップの項目として選択することも可能である。モジュールは、出力デバイス(スピーカ、灯火、移動システムなど)を含むことができるので、プログラムまたは作用は、制御ソフトウエアを介して、または独立して書くか開発して、デジタルライティングネットワーク上でモジュールに組み入れることができる。
【0057】
このようなスマートライティングネットワークは、データと動作をリンクすることを可能にする。グラフィカルユーザインタフェースには、プロセスフローを生成するツールを含めてもよい。例えば、簡単なブロック図または状態図手法によって、確定的プロセス、事象駆動型プロセス、および条件論理の実装などの、様々なプロセスをグラフィカルに記述することができる。例えば、誰かが部屋に入ると、ライティング順序をトリガーしたり、または単一の「呈示(presentation)」スイッチによって複数の動作を起こさせることができる。
【0058】
デジタルライティングネットワークは、データ獲得ツールとして有効に使用することができる。廊下、開放領域、エレベータ、および出入り口の通行流を監視するためにデータ収集を自動化し、通行流を時間、場所またはその他の要因と関係づけることができる。
小売り環境における用途例について次に詳細に述べる。米国北東部全域のモール内で十代女性を対象に営業する衣料品チェーンは、カメラおよび接近検出器、およびデジタルライティングを含む多様なセンサデバイスを備えるモジュールを設置することができる。これらのモジュールは、それぞれ単一の電源接続によって設置することができ、またモジュールの1つを、その店舗の本社とデータ通信するための電話線を使用する店舗のデータネットワークにつなぐことができる。このシステムは、さらに売り場(POS)データ収集システムに接続して、獲得したデータの交換や統合を可能にしてもよい。
【0059】
朝に店舗を空けた後に、店舗管理者はモニタスクリーンを見て、夜間におけるデジタルネットワーク上の全活動を探索することができる。このシステムは、清掃員が入場したことを知らせるかもしれない。しかし、システムはまた、夜間に空調が故障し、温度センサが午前3時から4時の間に大幅な温度上昇を検出したことを警告するかもしれない。衣料品にとっては、これは大きな問題ではないが、店舗内の化粧品によっては、温度上昇によって悪影響を受ける可能性がある。
【0060】
日中に顧客が、店舗内を移動すると、その概略移動を追跡することができる。その後に、1日のデータ収集から地図を生成し、人の通行および店舗内の様々な地点での滞留時間を表示することができる。この情報は、例えばシャツとアクセサリの廊下が、店舗内で最も訪問の少ないことを明らかにすることができる。廊下はアクセスが容易であるが、顧客がその領域に接近するときに、衣料品のラックが、意図せずにその廊下を視界から目立ち難くしていたことを、管理者は発見するかもしれない。
【0061】
1日の領収も、好奇心をそそる異常を明らかにする可能性がある。例えば購買行動に関する考察をするのに使えるデータのクラスタ化によって、小さなサイズのズボン、シャツを購入する少女が、そのズボンのサイズに一致しないずっと大きなシャツも購入していることがわかるかもしれない。管理者は、これらの商品を店内で互いに近くに移動させて、これによってその領域での販売と通行が増大するかどうかを調べることができる。
迅速追跡分析から、人々が入口の展示の前では立ち止まらず、入口から店舗内に通り抜けていることが明らかになり、これから入口展示を店舗のより内部に移動するか、または入口展示を賑やかにすることが促される可能性もある。ブラウスの廊下付近の通行は、売上が通常よりも大幅に低いときでも、正常であることが確認されることもある。この情報は、複数の人がその領域にいる場合には、1人または両者が迅速に通り過ぎることを示している可能性がある。調査の後、管理者は、展示ケースを2人の人にとって快適な距離よりも近づけすぎたことに気付き、展示物を移動して互いの間隔を空けるかもしれない。
【0062】
衣料品の供給業者のいつかが、分析用にいくつかの店舗からデータを購入する可能性がある。これらの業者は、通行の傾向と、店内の自社の製品位置を調査するかもしれない。配置がよくなれば、販売がよくなる可能性がある。このようにしてモジュールは、展示領域の効率性の計測を容易にする。
顧客は、入場して衣料の代表的商品、すなわちズボン、スカート、ブラウス、シャツ、ランジェリーなどを示す製品展示表示を見る可能性がある。顧客が衣料の一点に触れると、円滑だが迅速な一連の光が、店舗の天井の経路を追跡し、その種の商品がどこに展示されているかを示してもよい。この光は、指示される衣料の上で、単一の指示光となって終わるようにしてもよい。これによって顧客は、指示された場所に移動してセーターの展示を見ることができる。
【0063】
価格変更を、スマートライティングネットワークを介して、動的に転送することができる。例えば、顧客が展示物の前で長時間を過ごす場所では、製品の価格を下げて顧客が購入するように勧誘してもよい。さらに、顧客に対する価格は、顧客を勘定場まで追跡し、顧客が商品を選択したときに表示した価格を顧客に提供することによって、個人化することができる。あるいは、例えば在庫の50%が1日の午前中で売れる場合には、価格を上げてもよい。より複雑な値付け方式を実装してもよく、個々の顧客毎にその観察された買い物行動に従って個人化してもよい。
【0064】
上記のような小売り環境においては、製品、製品販売、顧客、在庫、価格などに関する情報が、店舗所有者や管理者の知的所有権であり、価値が高いこともあり、スマートライティングネットワークにセキュリティを付加することが望ましいこともある。セキュリティの高い伝送は、いくつかの暗号化技術、またはその他の技法を用いて実装することが可能であり、例えば物理層、ネットワーク層、またはアプリケーション層の暗号化システムとして、各スマートライティングネットワークノードの複雑度および処理能力に応じて、実装することができる。さらに、それぞれの通信リンクに対して個々にセキュリティを取り決めるか、または各スマートライティング要素にそれ自体の暗号キーを持たせるか、または全スマートライティングネットワークに対して単一のキーを与えてもよい。
【0065】
次に、スマートライティング要素を備えるデジタルライティングシステムの、競技場(arena)環境への応用について詳細に述べる。スポーツ競技場は、ホッケーやバスケットボールなどのスポーツイベントと共にロックコンサートなどを収容する可能性がある。これらのイベントには違った行動をする、まったく種類の異なる観衆が集まる可能性がある。セキュリティのためには、既存のCCTVカメラシステムが適当であったかもしれないが、イベントの事前、進行中および事後の通行流を追跡する助けとはならない。しかしながらモジュールは、イベント中の通行流の追跡を容易にする。例えば、スマートライティングネットワークは、出入り口を簡単に再構成し、かつ再設計することを可能にする通行流の詳細地図を提供することができる。さらにシステムは、特定のイベント中に重大な障害となったいくつかの場内売り場や洗面所の構成を特定することができる。いくつかの場内売り場を閉鎖し、他を開くことによって、問題を低減したり、解消したりすることができる。
【0066】
さらに、ロックコンサート中には、徘徊するファンの群が、他人に対して重大な損害や被害を与える可能性がある。スマートライティングネットワークの追跡機能およびセンシングデバイスは、犯人を特定して追跡し、これによってセキュリティ職員が、計画を立てて阻止を実行するのに十分な時間余裕をもって、阻止がきるようになる。
本発明のいくつかの実施態様においては、本明細書に開示したスマートライティングデバイスのLEDの変調によって、スマートライティングデバイス間、またはスマートライティングデバイスと別のネートワーク化デバイス間の通信機能を提供する。
【0067】
最近のLEDに基づく汎用照明具の発達には、単色性の赤、緑、青LEDなどの固定波長LEDを混合して利用するライティングの使用、または青LEDを利用して、色のスペクトルを生成することなどが含まれる。このようなLEDシステムは、1998年12月17日付け出願の米国特許出願整理番号第09/215624号に開示されており、この出願を参照として本明細書に組み入れる。一般に、これらのシステムにおけるLEDは、飽和デバイスとして構成されており、すなわち、調整電流によって決まる単一の「オン」強度を有する。これらのシステムにおけるLEDの知覚強度は、n個の調整デューティサイクルを有する制御信号によって、LEDのオン、オフを迅速に切り替えることによって制御される。この制御信号の周期は、人の目では「オン」と「オフ」状態の進行を検出できないほど十分に短いものであるが、従来型のLEDには、まだ大幅に余分のスイッチング速度が残されている。
【0068】
無線通信においては、データ信号は、無線周波数、可視光(レーザ)、または赤外線キャリアなどの搬送信号上に、伝送媒体に応じて選択される適当な変調方式によって変調される。無線データ伝送には、通常白色赤外LEDが、パルス符号変調「PCM」を用いて使用されており、可視光LEDは、照明用に使用されてきた。照明分野においては、LEDは、異なる波長、すなわち異なる色のLEDを混合することによって、所望のライティング効果と所望の色を生成することができるために、大幅な設計の柔軟性を提供する。重大な欠点としては、LEDのシステム、より具体的には可視光LEDは、ネットワーク化ライティングシステムとして動作させるためには、追加の、独立したデータ通信ハードウエアを必要とする。これには、ツイストペアワイヤリード線、またはその他のバス構造を含み、これは1つまたは複数の制御ユニットを、制御すべきライティングサブシステムに物理的に相互接続しなくてはならない。
【0069】
この実施態様においては、パルス幅変調(PCM)を用いて照明強度を制御し、パルスコード変調(PCM)を用いてデータを搬送するLEDシステムを提供する。しかし、当業者であれば、本明細書で記載する方法およびシステムは、その他のLEDに適する変調方式に好適に適合させることがでると共に、多くの既知のデータネットワーク技法と組み合わせてさらに使用することができることを理解するであろう。本発明の原理は、照明と無線データ通信の二重機能が望まれる、任意の環境に対して、特に適用可能である。
【0070】
図3は、本発明の原理によるLEDエンコーダおよびLEDデコータを示す。多数のLEDおよびデコーダを、より詳細を以下に述べるように組み合わせて使用できることが理解されるであろう。単一LEDシステムは、照明信号入力60、データ入力65、プロセッサ70、LEDドライバ75、およびLED80を備える送信器50を含む。システムは、さらに光学トランスデューサ85、デコータ90およびデータ出力95を含む受信器82を含む。
【0071】
従来型のLEDシステムにおいては、照明信号入力60に印加される照明信号は、制御信号としてLEDドライバ75に提供されるパルス幅変調(PWM)信号に変換される。LED80の知覚強度は、制御信号のデューティサイクル、または平均「オン」時間の関数である。本発明の原理によれば、LED80の強度が照明信号によって制御されるように制御信号のデューティサイクルを保持したままで、この制御信号を、データ入力65に印加されたデータ信号によって、さらに変調することができる。受け取るデータレートが制御信号のデータ容量を超えるときには、プロセッサ70に、データ入力65で受け取るデータを記憶するバッファ97を含めてもよい。
【0072】
信号を受信、処理、生成する多数のデバイスが公知であり、本発明に使用できることが理解されるであろう。プロセッサ70またはデコーダ90は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルデジタル信号プロセッサ、特定用途向けIC、プログラマブルロジックデバイス、プログラマブルゲートアレイ、または本発明の原理に整合する入力および出力信号を受け取り操作するその他のデバイスでもよい。プロセッサ70およびデコータ90は、オペレーションアンプおよびトランジスタなどのアナログ構成要素であるか、離散型ロジック構成要素であるか、またはアナログ構成要素、離散型ロジック構成要素、およびその他の処理構成要素の組合せでもよい。
【0073】
一実施態様においては、受信器82は公知の技術を適用して、光学トランスデューサ85に付加されたPCM信号を復号する。光学トランスデューサ85は、フォトトランジスタ、フォトダイオード、またはLED80が放出する波長を有する入射光を検出可能な他の任意のデバイスでよい。デコーダ90は、光学トランスデューサから信号を受け取り、所定の中央周波数を有するPCM信号を復元する。デコータ90は、復元されたPCM信号をデータ出力95におけるデータ出力信号に変換する。プロセッサ70は、PCMを使用してデータ信号を符号化するために、同一の中央周波数を使用する。
【0074】
図4は、本発明の原理による制御信号の構成を示す。図4の制御信号は、特に、共有の光チャネル内で照明を制御し、かつデータを伝送することが望まれる環境に適用が可能である。図に示すように、PWM信号100は、0からtまで「オン」であり、tからTまで「オフ」である。この信号のデューティサイクルは、「オン」状態の長さtの、全PWM信号の周期Tに対する比として表わされる。データ信号110も図示してある。データ信号110は、PWM信号100よりも短い周期を有することが好ましく、その周期はデコーダ90の中央周波数によって決まる。PWM信号100のデューティサイクルを、制御信号120の範囲内に維持するために、データ信号110の逆転形態もプロセッサ70によって生成されて、元のPWM信号100の終了位置から始まる。
【0075】
制御信号120は、PWM信号100およびデータ信号110の排他的論理和(XOR)を取ることによって生成される。制御信号120は、LEDドライバ75に転送されて、そこでLED80を起動するのに使用される。制御信号120に応答して、LED80は、LED80によって決まる色と、制御信号120の平均「オン」時間によって決まる強度を有する可視光を生成する。本明細書に参照として組み入れる応用例は、PEMおよびその他の搬送波技法についてさらなる詳細を提供しており、本明細書で開示するPWM制御の方法は、説明のための一実施態様にすぎず、その他のPWM実施態様が本開示の範囲内にあることを理解すべきである。
【0076】
LED80からの可視光は、光トランスデューサ85に当たり、このトランスデューサがデコータ90への信号を生成する。デコータ90は、可視光に含まれるPCMデータを復号し、データ出力信号を復元する。この実施態様において、制御信号120のデータ搬送能力は、PWM信号100およびデータ信号110のデューティサイクルに依存する。例えば、LED80が常にオフ(デューティサイクル0%)、または常にオン(デューティサイクル100%)であることを示す照明信号は、情報搬送能力はない。パルス位置変調などの他の変調方式が公知であり、PWM信号100のデューティサイクルによって示される平均「オン」時間を保存する方法で変調が実行されるならば、これらの変調方式を使用して、本発明の原理にしたがってデータ信号110をモジュール化することができる。
【0077】
他の技法として、ライティング機能とデータ通信機能とを組み合わせることが可能である。例えば、データ信号は、赤外線LEDによって伝送してもよく、照明信号は可視光LEDによって伝送してもよい。一実施態様においては、受信器上にマッチング光フィルタを備えることにより、可視光LEDの特定の色だけを用いてデータを伝送することができる。別の実施態様においては、データは、照明の前に、ある時間で伝送することができる。データ信号および照明信号が固定周期で交番するか、またはデータをパワーアップ位相の間だけで伝送するか、あるいは変調データヘッダをデータに先行させて、データが続くことを受信器に合図してもよい。別の実施態様では、ライティングを、白熱灯または蛍光灯などの任意の従来型光源によって提供するのに対して、データは変調LEDを用いて伝送することができる。これらのいずれの技法、またはその他の技法を用いて、ネットワーク化ライティングシステムを実現することができる。
【0078】
図5は、本発明の原理によるライティングサブシステムを示す。ライティングサブシステム130は、照明信号134に応答する光源132と、図1を参照して記載した送信器および受信器のような送信器136および受信器138を含めてもよい。図3には示していないが、送信器136および光源132は、上記のLEDのような単一のライティングデバイスとして実現してもよい。ライティングサブシステム130は、プロセッサ140、メモリ150および入出力回路160を含んでもよい。
【0079】
送信器136および受信器138は、その上でライティングサブシステム130がデータを送受信することのできる、ライティングネットワークへの物理的リンクを提供することができる。ライティングサブシステム130は、ネットワークを介して伝送されるその他の任意のデータまたは制御信号と共に、イルミネーションデータを受信器138から受け取ってもよい。光源132は、LED灯、プログラマブルLED配列、白熱ランプ、フラッドライト、高圧スポットライト、追跡ライト、蛍光灯、ネオン灯、ハロゲン灯、またはその他の任意の照明光源を含めて、公知の任意の光源でよい。入出力回路160は、任意の適切なアナログ/デジタルおよびデジタル/アナログ回路と、プロセッサ140からの信号を光源132および送信器136用の信号に変換すると共に、受信器138からの信号をプロセッサ140の信号に変換する、その他のシグナルプロセシング回路とを含んでもよい。例えば、入出力回路160は、図3を参照して記載した構成要素を含んでもよい。
【0080】
メモリ150は、ライティングサブシステム132に関係する情報を記憶することができる。例えば、メモリ150は、ライティングサブシステム132の製造日、ライティングサブシステム132の通し番号、ライティングサブシステム132のアドレス、ライティングサブシステムの機能、およびライティングサブシステム132に関する任意の設定または他の情報を記憶してもよい。アドレスは、複数のライティングサブシステム132またはその他のデバイスから、ライティングサブシステム132を固有に特定する、識別子またはデジタル署名となる。次いでこのアドレスを、下記のネットワークのようなライティングネットワーク上を搬送されるデータ用の発送元または宛先アドレスとして使用してもよい。製造月日および通し番号を、例えばライティングサブシステム132、およびライティングサブシステム132の既知の機能を識別するのに使用してもよい。あるいは、上述のように、ライティングサブシステム132の特定の機能を、送信器136を用いて明示的に通信してもよい。
【0081】
設定はメモリ150中に記憶してもよい。これには、ライティングサブシステム132に対応する任意の設定を含んでもよい。例えば、ライティングサブシステム132が、プログラマブルLED配列を含む場合には、この設定には、その配列のプログラミング情報を含めてもよい。この設定には、例えばフェード、タイマーなどの構成可能なライティング効果を含めてもよい。設定には、ライティングサブシステム132用のフラグを含めることによって、他のライティングサブシステム132用の制御ユニットとして作動させるか、または他のライティングサブシステム132用の通信ノードとして作動させるか、あるいは別のデバイスのスレーブとして作動するようにしてもよい。
多数のメモリ装置が公知であり、本発明の原理によるライティングサブシステム132に使用できることが理解されるであろう。例えば、メモリ150は、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ、またはその他の不揮発性メモリでもよく、あるいはメモリは、ランダムアクセスメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ、または他の揮発性メモリとしてもよい。
【0082】
ライティングサブシステム132には、プロセッサ140を含めてもよい。プロセッサ140は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向けIC、プログラマブルロジックデバイス、またはライティングサブシステム132の作動を制御するように構成可能な任意の他のデバイスとしてもよい。ライティングサブシステム132がバッテリ電源装置の場合には、プロセッサ140は低電力プロセッサとしてもよい。ライティングサブシステム132のメモリ150には、ライティングサブシステム132のプロセッサ140によって自律的に実行するためのプログラミングコードを含めてもよい。プログラミングコードには、ライティングサブシステム132によってライティングを制御する情報、またはライティングサブシステム132をライティングネットワークの通信ノードとして制御するための情報を含めてもよい。プログラミングコードに、1つまたは複数の診断ルーチンを含めて、ライティングサブシステム132の電源が投入されるたび、または受信器138で受信された制御信号によるなど特に要求されたときに、ライティングサブシステム132の機能を自動的に試験するようにしてもよい。
【0083】
図6は、本発明の原理によるネットワーク化ライティングシステムを示す。ネットワーク化ライティングシステム200には一般に、ライティングネットワーク208上でデータを共有する、複数のライティングサブシステム202、212、214、216、その他のネットワーク化デバイス204、および1つまたは複数の制御ユニット206を含めてもよい。制御ユニット206は、制御ユニット206およびライティングネットワーク208への遠隔アクセスのためのデータネットワーク210に接続してもよい。
ライティングサブシステム202のそれぞれは、図5を参照して前述したもののようなライティングサブシステムでもよい。各ライティングサブシステム202は、ライティングネットワーク208に接続して、他のライティングサブシステム202、他のネットワーク化デバイス204、および制御ユニット206と通信関係を形成してもよい。
【0084】
ライティングサブシステム212の1つが、ライティングネットワーク208内のノードとして動作しているのが示されている。ライティングサブシステム212は、ライティングサブシステム202の1つの構成要素を含む。ライティングサブシステム212は、追加のライティングサブシステム214、216を、ライティングネットワーク208、ならびにそれに接続された制御ユニット206およびネットワーク化デバイス204に接続するノードとして動作するように構成されている。追加のライティングサブシステム214、216は、領域内の照明の全体強度を提供する情報などの制御情報を交換するため、またはそれぞれのライティングサブシステム214、216で利用可能な色彩源を混合することによって照明色を制御する目的で、追加でライティングネットワーク208とは独立に相互に通信するように構成してもよい。
【0085】
次にネットワーク化デバイス204について述べると、各ネットワーク化デバイス204は、ライティングネットワーク208上で通信するための受信器および送信器と共に、前述したプロセッサおよびメモリのようなプロセッサおよびメモリを含んでもよい。ネットワーク化デバイス204は、ライティング取付具、サーモスタット、運動センサ、光センサ、タイマー、スイッチ、電源コントロール、ファン、電子的に動作可能なウインドブラインドおよびカーテン、アラームまたは音響信号生成器、またはその他の任意のセンサ、トランスデューサ、またはライティングネットワーク208と共に動作するアクチュエータを含んでもよい。本発明と共に使用可能なその他のネットワーク化デバイス204としては、煙生成機、オーディオビデオプレゼンテーション装置、ストロボライト、電子ドア、その他がある。
【0086】
本発明の原理によれば、ネットワーク化デバイス204の物理的配置は、ネットワーク化デバイス204が、ライティングネットワーク208に接続された他のデバイスへの有線接続を必要とすることなく、ライティングネットワーク208を介して通信して、センサデータを提供し、かつ/または制御情報を受け取ることのできるようにすることができる。ライティングサブシステム202、212、214、216と同様に、ネットワーク化デバイス204は、ライティングネットワーク208の通信ノードとして動作するか、あるいはスレーブまたは制御構成で動作するように構成してもよい。
【0087】
1つまたは複数のライティングサブシステム202、204、206、210、212、214を独立に動作するように構成し、それぞれが、ライティングネットワーク208を介して、他のライティングサブシステムに、データを送信および/または受信するようにしてもよい。すなわち、ネットワーク208を分散化することにより、例えば、第1のサブネットワーク内の第1のサブグループのライティングサブシステム202、204、206を相互接続すると共に、第2のサブネットワーク内のライティングサブシステム210、212、214の第2のサブグループを副接続する、1つまたは複数のサブネットワークで構成してもよい。ネットワーク208、またはそれに属する任意のサブネットワークは、ある数の自律的ネットワークノード、またはネットワーク208、もしくはそれに属する任意のサブネットワークよって共有されるピア(peer)ネットワークとして動作するように構成してもよい。ピアネットワークまたはクライアントサーバネットワークのいずれかにおいて、1つのノードを、サブネットワークまたはネットワーク208に接続された他のライティングサブシステムの動作を制御するマスタとして動作するようにしてもよい。
【0088】
ネットワーク化ライティングシステム200は、制御ユニット206を含んでもよい。制御ユニット206は、パーソナルコンピュータ、またはユーザ入力を受け取り、ライティングネットワーク208のための制御情報を維持することのできるその他任意のデバイスなどのプログラマブルデバイスとしてもよい。制御ユニット206には、ライティングネットワーク208上での通信を確立するための送信器および受信器を含めてもよい。また、ライティングネットワーク208を管理、監視、制御、およびトラブルシューティングをすると共に、ライティングネットワーク208と整合する他の機能を実行するためのインタフェースを含めて、ライティングネットワーク208の管理用に設計された他の任意のソフトウエアを含めてもよい。例えば、制御ユニット206を用いて、1つまたは複数のライティングサブシステム202またはネットワーク化デバイス204に、制御プログラムをダウンロードして、これらのデバイスおよびサブシステムを自律的に実行するようにしてもよい。または制御ユニット206を使用して、システム200、ならびにネットワーク化デバイス204およびそれに取り付けられたライティングサブシステム202によって提供される環境条件の効果または制御を同期させてもよい。
【0089】
制御ユニット206は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、プライベートエリアネットワーク、またはインターネットなどの公共ネットワークなどの従来型データネットワーク210に接続してもよい。この接続を介して、ライティングネットワーク208の制御情報を、データネットワーク210に接続した任意のデバイスを介して遠隔地から提供してもよい。さらに、ライティングサブシステム202に関連するセンサ、またはネットワーク化デバイス204からのデータを、簡単な監視機能のため、またはシステム200の対話型制御のために、データネットワーク210に接続された遠隔デバイスから検索して見るようしてもよい。制御ユニット206には、ライティングネットワーク208から利用可能なデータのプライバシーを維持し、ライティングネットワーク208に取り付けられたデバイスを用いた無許可の悪用を防止するために、パスワード保護などの公知のセキュリティ機能を含めて、通信を保護してもよい。
【0090】
ネットワーク化ライティングシステム200は、劇場ライティングシステム、ホームライティングシステム、ウインドディスプレイなどの商業展示、公共施設の屋内ライティングシステム、建築設計または景観設計に設定された屋外ライティングシステム、複数のライティングサブシステム間で有効な情報の通信が可能なその他任意のシステムなどの、任意の制御されたライティング環境において使用できる。例えば、スペクトルセンサを、ネットワーク化デバイス204として設け、それぞれが異なる着色光源を含む、いくつかのライティングサブシステム202からの照明を受けるようにしてもよい。このスペクトルセンサは、ライティングサブシステム202と通信し、所定の色のライティングを自動的に提供することができる。
ネットワーク化ライティングシステム200は、無線コンピュータネットワークなど他の通信ネットワークの代わりに使用してもよい。すなわち、ライティングサブシステムのデータ搬送機能を使用して、ライティング機能とは独立に、コンピュータ間、または通常ネットワーク化される他のデバイス間で、コンピュータの接続ポイント間の物理的ギャップを橋渡しする、データリンクを形成してもよい。
【0091】
図7は、本発明の原理によるモジュール式ライティングサブシステムを示す。モジュール式ライティングサブシステム700には、ある数のモジュール710、712、714、716の汎用プラットフォームを形成するベース702を含めてもよい。ベース702には、LED光源またはその他の光源などの光720を含めてもよい。光720は、レンズなどの離散ライティング領域をベース702内に形成してもよく、またはベース702は、拡散材料(diffusing material)で形成することによって、光720がベース702全体に照明を提供するようにしてもよい。ベース702は、図7には円形に示してあるが、ベース702は任意の形状でよく、またフック、ネジ穴、接着剤、またはある場所に取り付けるためのその他の構成要素を含んでもよい。またベース702には、電気コード、例えば110VAC出力または低圧DC出力に取り付けるためのコードおよびプラグを含めてもよい。
【0092】
各モジュール710、712、714、716は、ベース702内のクレードルに適合し、このクレードルはモジュールを受け入れるように適合された任意の形状のものである。クレードルには、モジュールとの電源接続を形成するための電気接点を含めてもよく、またベース702とモジュール710、712、714、716との間のデータ接続と共に、モジュール710、712、714、716間でのデータ接続を形成するための電気接点を含めてもよい。モジュールには、ライティングサブシステム700の機能を拡張あるいは変更するための構成要素を含めてもよい。例えば、第1のモジュール710に、電力を提供し、かつバッテリまたは外部電源をライティングサブシステム700に適した電源に変換するための変換器を含めてもよい。第2のモジュール712は、赤外線または無線周波数ネットワークへの物理インタフェースなどのネットワークインタフェースや、ライティングサブシステム700とその他のネットワークノードとの間の通信リンクを形成するのに必要な任意のネットワークプロトコルスタックを提供してもよい。
【0093】
第3のモジュール714は、マイクロフォン、温度センサ、デジタルカメラ、または例えば上記の任意のセンサなどのセンサを提供してもよい。第4のモジュール716は、スピーカ、LEDまたはLCDディスプレイ、追加の光源もしくはLED、またはその他の出力デバイスなどの、出力デバイスを提供してもよい。その他のモジュールは、例えばプロセッサまたはその他のデバイスを含んでもよい。一実施態様においては、各クレードルは同一であり、これによって任意のモジュールは任意のクレードルに挿入することができる。この実施態様において、ベース702には、モジュール型式を検出し、各モジュールに適切な接続を形成する回路を含めてもよい。
【0094】
図8は、本発明の原理によるモジュール式ライティングサブシステムのいくつかの実施態様を示す。モジュール式ライティングサブシステム800においては、各モジュール810は、センシングや通信などの追加の機能を提供することができる。図8には、モジュール810は、簡単な機械式および/または電気式接続によってベース820に接続してもよい。接続を形成するのに適切な機構は、当該技術分野において公知であり、それは、セルラー電話およびパーソナルデジタルアシスタントの電源およびデータ接続、電球接続、二重インラインピンパッケージソケット(in−line pin package sockets)、ゼロ挿入力ソケット(zero insertion−force sockets)、ゲームプラットフォームのゲームカートリッジスロット、クレードル、電話およびネットワーク接続用のモジュラージャク、電気ソケット、ゲームプラットフォーム用のゲームカートリッジスロット、コンピュータ用ドッキングステーション、その他である。機械式レベルマウント(mechanical level mounting)または差込みソケット(bayonet mounting)などのロック機構を用いることによって、すべてのモジュール810が、他のモジュールを取り外したり、差し込んだりするときに定位置に留まることを保証することができる。
【0095】
カメラ850などの高バンド幅デバイスへの外部配線840は、図示のようにモジュール810に含めるか、またはベース820内のポートに直接取り付けてもよい。ベース820は、多様なセンシングモジュールおよび通信モジュール810用の中央接続を提供してもよい。図8に概要を示すように、異なる形式および装飾に適合するように、多様な物理的形態を、場違いにならないように製作することができる。機能は、各ベース820について同一とするか、または1つまたは複数の異なる種類のベース820に対して専用化してもよい。
【0096】
図9は、本発明による小売り環境を示す。小売り環境900内で、コンピュータモニタ910は、例えば時間および店内の通行に関する情報を含む情報を、店舗の平面図の有効なグラフィック形式で表示してもよい。平面図920は、グラフ、表形式データ、棒グラフなどを含め、多くの形態をとることができる。一例として、グラフィック表現は、関連するデータを示す、強力で分り易い手段を提供することができる。
【0097】
図9の小売り環境900において、人930は、例えば、2つのディスプレイを見ることができる。それは左側の第1のディスプレイ940および右側の第2のディスプレイ950である。両方のディスプレイ940、950は、注意獲得型の視覚販売手法によって人の注意を惹くことができる。本発明によるライティングネットワークによって、画像認識機能付カメラまたは接近センサなどのセンサを用いて、人を検出して追跡すると共に、ディスプレイ940、950の1方の平面図920上に、人の位置を表示することができる。
【0098】
このようにして、利用客の移動歴を完全にプロットすることができる。一実施態様においては、フロア上のライン960および1つまたは複数の時計970によって、一日の利用客の経路と時間をグラフィックで示すことができる。ライン960の厚さまたは幅が、経路に沿った通行量を示してもよい。時計970は、ディスプレイ940、950で費やされる平均時間を表わしてもよい。このようにして、視覚販売手法を、それぞれの注意獲得能力、通行効率の割合、相互作用について、迅速かつ容易に比較することができる。人930と、ライン960および時計970との関係を示すために、小売り環境900のフロア上に示したが、ライン960および時計970は、店主または管理者が点検するために、コンピュータモニタ910の平面図上に表示することもできる。さらに、顧客の相互作用に関して、ディスプレイ940自体を監視かつ制御してもよい。例えば、ライティングまたは運動デバイスの変更が、顧客を惹き付ける能力について比較、分析することができる。ディスプレイ940自体は、小売り環境900全体の他のセンサを含む、データ収集過程の一部として使用してもよい。
【0099】
図10は、本発明によるオフィス環境を示す。オフィス環境1000は、家庭であれ職場であれ、ビルディング自動化システムを構築する別の現場を提供する。ライティングモジュールサブシステム1010が、2つの壁に取り付けられているのが示されており、これらはネットワーク化の機能と、人がオフィスにいるかどうかを検出するセンサを提供する。無線および有線ネットワークは、ライティングモジュールサブシステム1010を、入力または出力デバイス、ノードまたは通信ハブとして使用することができる。オフィス環境1000内でライティングモジュールサブシステム1010を使用するシステムは、万引きや従業員の不法侵入を検出できると共に、オフィス使用者に通信路を提供する。ライティングモジュールサブシステム1010はまた、TCP/IPネットワーク化をサポートすると共に、オフィス外部のウエブブラウジング機能を提供することができる。したがってネットワーク化機能は、オフィス環境1000内のデータ収集および報告機能を簡略化し、ネットワークを生成するか、または既存のネットワークを補完することによってオフィスネットワークを簡略化することができる。
【0100】
ポータブルデバイスは、オフィス環境1000への持ち込みおよび持ち出しされると、様々なプロトコルを使用してライティングモジュールサブシステム1010にリンクすることができ、これらのプロトコルは透過的接続または明示的なユーザ制御接続を提供することができる。本明細書に示すと共に詳細を記載した好適な実施態様に関連して、本発明を開示したが、これに対する様々な変更および改良が、当業者であれば容易にわかるであろう。したがって、本発明の趣旨と範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラットフォームと、
ライティング機能および少なくとも1つの非ライティング機能を有して、プラットフォーム上に配置されたライティング要素と、
ライティング機能および非ライティング機能を提供するようにライティング要素を制御するための少なくとも1つのプロセッサであって、ライティング機能を制御するためにパルス幅変調信号を生成する、プロセッサと、
を有する多機能デバイス。
【請求項2】
前記非ライティング機能は放射機能である、請求項1に記載の多機能デバイス。
【請求項3】
前記ライティング機能は、LEDによって提供される、請求項1に記載の多機能デバイス。
【請求項4】
多機能デバイスにおいて多機能を提供する方法であって、
プラットフォームを提供するステップと、
プラットフォーム上に、ライティング機能を有すると共に、少なくとも1つの非ライティング機能を配置するステップと、
ライティング機能および非ライティング機能を提供するためのライティング要素を制御するための少なくとも1つのプロセッサを提供するステップと、
ライティング機能を制御するためのパルス幅変調信号を生成するステップと、
を含む方法。
【請求項5】
通信機能、配置機能、センシング機能、操作機能、放射機能およびネットワーク化機能からなる群から選択される第2の非ライティング機能を提供するステップを更に有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
照明を提供するための少なくとも可視光を含む放射を生成する少なくとも1つの光源と、
前記少なくとも1つの光源に結合されていると共に、観測者に対して照明の外観に影響を著しく与えることなく、生成された前記放射を介してデータを送信するように前記少なくとも1つの光源を制御するコントローラとを
有する装置であって、
前記コントローラは、少なくとも1つの制御信号を生成するために、前記データに関連する前記パルスコード変調技術と前記照明に関連するパルス幅変調技術とを使用して前記少なくとも1つの光源を制御する、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−39648(P2012−39648A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−225423(P2011−225423)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【分割の表示】特願2002−528935(P2002−528935)の分割
【原出願日】平成13年9月19日(2001.9.19)
【出願人】(500074578)フィリップス ソリッド−ステート ライティング ソリューションズ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】