説明

ユーザ嗜好適合アイテム推薦装置

【課題】ユーザの嗜好に適したアイテム情報の推薦を行う推薦装置において、ユーザの行動履歴から生成されたユーザ嗜好情報を用いて、嗜好情報を生成したメディアとは異なるメディアのアイテムを推薦可能とする。
【解決手段】行動履歴情報と行動履歴対象メディア情報からユーザ嗜好情報を生成し、各種の推薦対象メディア情報とアイテム情報との関係性を登録してあるアイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、前記ユーザ嗜好情報に基づいてユーザ嗜好情報を生成した行動履歴対象メディアとは異なる推薦対象メディアのアイテムを推薦する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ嗜好に適合したアイテムをユーザに推薦する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代の情報文明社会において、放送番組やインターネットコンテンツなどの各種メディアが提供する情報量は計り知れない。そうした中で、TV番組中のCMなどのあらゆるメディアの広告媒体は、不特定多数のユーザに向けて、情報を提示してきた。その一方、近年、情報が氾濫する現代社会において、個々のユーザの求める情報の相違が大きいという原因から、そのような広告媒体の不特定多数への影響力が低下しているという問題がある。
そこで、個々のユーザの嗜好情報(どのようなものに、どれくらいの興味を持っているのか)を抽出して、個々のユーザの嗜好に適合した情報を提示する技術が開発されている。
【0003】
特許文献1では、ユーザの過去の番組視聴履歴や嗜好情報などのユーザ情報と現在視聴中のテレビ番組の情報を用いて、現在視聴中のテレビ番組に関連する物販情報やユーザにとって望ましいと思われる情報をインターネットから検索して提示する情報提供システムが開示されている。
【0004】
特許文献2では、放送中の番組の視聴者の検索要求に対して、当該視聴者の過去の検索履歴から、検索傾向、検索分野などを分析して、商品情報サーバから当該視聴者に必要な商品情報などを提供するデジタル放送における検索システムが開示されている。
【0005】
特許文献3では、ユーザが番組視聴中に気になった場面に対して、当該場面の気になった属性(「ファッション」など)を同時に登録しておき、当該場面の関連情報(商品情報、ホームページのリンク先など)を提供するコンテンツ供給システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−318475号公報
【特許文献2】特開2006−033546号公報
【特許文献3】特開2007−088967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ユーザ嗜好情報は、ユーザの行動履歴、例えば、テレビ番組の視聴履歴などを用いて生成されるものである。その場合、ユーザ嗜好情報を構成するユーザの興味度は、テレビ番組に関わる情報(出演者やジャンルなどの番組を特徴づけるキーワード)すなわちメディア情報に対して付与されるものである。そのため、番組視聴時以外の時間に提供が望まれるような情報、例えば、商品やサービスに関わる情報は、番組視聴履歴とメディア情報とから生成されたユーザ嗜好情報に基づいて推薦することはできない。
【0008】
また、インターネットなどでWEBページを閲覧した閲覧履歴など、テレビ番組以外のメディアから取得されたユーザの行動履歴を用いて生成されたユーザ嗜好情報に基づいて、テレビ番組に関わる情報を推薦することはできない。
【0009】
つまり、所定のメディアの使用履歴を用いて当該ユーザの行動履歴から生成されたユーザ嗜好情報を利用して、別のメディアに関わる商品やサービスの情報すなわちアイテムを当該ユーザに対して推薦することはできない、という課題がある。
【0010】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定のメディアにおけるユーザの行動履歴から生成されたユーザ嗜好情報を蓄積し、蓄積されたユーザ嗜好情報に基づいて、当該ユーザ嗜好情報を生成したメディアとは異なるメディアのアイテムをユーザに対して推薦可能なアイテム推薦装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ユーザの行動履歴と行動履歴対象メディア情報とから、ユーザ嗜好情報生成部でユーザ嗜好情報を生成し、各種の推薦対象メディア情報とアイテム情報との関係性を登録してあるアイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照して、前記ユーザ嗜好情報に基づいて、ユーザ嗜好情報を生成した行動履歴対象メディアとは異なる推薦対象メディアに関連するアイテムの推薦を可能とするものである。
【0012】
本発明によるユーザ嗜好適合アイテム推薦装置の第1の態様は、ユーザ嗜好に適合したアイテムをユーザに対して推薦するためのアイテム推薦装置であって、
(a)ユーザの行動履歴に基づいて、ユーザを一意に識別するユーザIDと、該行動履歴を取得した行動履歴対象メディアを一意に識別する行動履歴対象メディアIDと、該行動履歴対象メディアに関連する一又は複数の行動履歴関連キーワードとを対応付けてユーザプロファイルデータベースに蓄積する手段と、
(b)前記ユーザプロファイルデータベースから一つのユーザIDに対応する前記行動履歴関連キーワードを全て抽出し、各行動履歴関連キーワード毎に計算された興味度を対応付けてユーザ嗜好情報を生成し、該ユーザIDと該ユーザ嗜好情報とを対応付けてユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段と、
(c)アイテムを一意に識別するアイテムIDと、該アイテムに関連する一又は複数のアイテム関連キーワードと、該アイテム情報と、該アイテムに関連する一又は複数の推薦対象メディアの各々を一意に識別する一又は複数の推薦対象メディアIDとを対応付けてアイテム−推薦対象メディア相関情報データベースに蓄積する手段と、
(d)ユーザからのアイテム推薦要求に応じて、前記アイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、全ての前記アイテム関連キーワードを抽出する手段と、
(e)抽出した前記アイテム関連キーワードの各々に基づいて前記ユーザ嗜好情報データベースを参照し、該アイテム関連キーワードに一致する前記行動履歴関連キーワードを抽出し、抽出された該行動履歴関連キーワードに対応付けられた前記興味度を該アイテム関連キーワードの興味度として決定する手段と、
(f)各アイテムIDに対応付けられた一又は複数のアイテム関連キーワードの各々について決定された興味度に基づいて各アイテムID毎にスコアを計算する手段と、
(g)計算された前記スコアに基づいて一又は複数のアイテムIDを抽出し、抽出されたアイテムIDに基づいてアイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、対応する一又は複数の前記アイテム情報を表示する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明によるユーザ嗜好適合アイテム推薦装置の第2の態様は、ユーザ嗜好に適合したアイテムをユーザに対して推薦するためのアイテム推薦装置であって、
(a)ユーザの行動履歴に基づいて、ユーザを一意に識別するユーザIDと、該行動履歴を取得した行動履歴対象メディアを一意に識別する行動履歴対象メディアIDと、該行動履歴対象メディアに関連する一又は複数の行動履歴関連キーワードとを対応付けてユーザプロファイルデータベースに蓄積する手段と、
(b)前記ユーザプロファイルデータベースから一つのユーザIDに対応する前記行動履歴関連キーワードを全て抽出し、各行動履歴関連キーワード毎に計算された興味度を対応付けてユーザ嗜好情報を生成し、該ユーザIDと該ユーザ嗜好情報とを対応付けてユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段と、
(c)アイテムを一意に識別するアイテムIDと、該アイテムに関連する一又は複数のアイテム関連キーワードと、該アイテムに関連するアイテム情報と、該アイテムに関連する一又は複数の推薦対象メディアの各々を一意に識別する一又は複数の推薦対象メディアIDとを対応付けてアイテム−推薦対象メディア相関情報データベースに蓄積する手段と、
(d)前記推薦対象メディアIDと、該推薦対象メディアに関連する一又は複数の推薦対象メディア関連キーワードとを対応付けて推薦対象メディア情報データベースに蓄積する手段と、
(e)ユーザからのアイテム推薦要求に応じて、前記推薦対象メディア情報データベースを参照し、全ての前記推薦対象メディア関連キーワードを抽出する手段と、
(f)抽出した前記推薦対象メディア関連キーワードの各々に基づいて前記ユーザ嗜好情報データベースを参照し、該推薦対象メディア関連キーワードに一致する前記行動履歴関連キーワードを抽出し、抽出された該行動履歴関連キーワードに対応付けられた前記興味度を該推薦対象メディア関連キーワードの興味度として決定する手段と、
(g)各推薦対象メディアIDに対応付けられた一又は複数の推薦対象メディア関連キーワードの各々について決定された興味度に基づいて各推薦対象メディアID毎にスコアを計算する手段と、
(h)計算された前記スコアに基づいて一又は複数の推薦対象メディアIDを抽出し、抽出された推薦対象メディアIDに基づいて前記アイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、対応する一又は複数の前記アイテム情報を表示する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記の態様において、前記ユーザ嗜好情報を生成して前記ユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段が、
前記ユーザプロファイルデータベースから複数の前記行動履歴対象メディアIDと各行動履歴対象メディアIDに対応付けられた前記行動履歴関連キーワードとを抽出し、各行動履歴対象メディアIDに対応する各行動履歴対象メディア間の類似度を計算することにより複数の前記行動履歴対象メディアをクラスタリングし、複数のクラスタの中心ベクトルの各要素を、各行動履歴関連キーワードに対する興味度として決定することが好適である。
【0015】
上記の態様において、前記複数のクラスタの中心ベクトルと前記推薦対象メディア関連キーワードとの類似度を計算し、最も類似度の高い一又は複数の推薦対象メディアIDを抽出し、抽出された推薦対象メディアIDに基づいて前記アイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、対応する一又は複数のアイテム情報を抽出して表示する手段と、をさらに備えたことが好適である。
【0016】
上記の態様において、前記複数のクラスタの中心ベクトルと前記推薦対象メディア関連キーワードとの類似度を計算し、最も類似度の低い一又は複数の推薦対象メディアIDを抽出し、抽出された推薦対象メディアIDに基づいて前記アイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、対応する一又は複数のアイテム情報を抽出して表示する手段と、をさらに備えたことが好適である。
【0017】
上記の態様において、前記ユーザ嗜好情報を生成して前記ユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段が、
表示された前記アイテム情報がユーザにより選択されたか選択されなかったかに基づいて、該アイテム情報に係るアイテムIDに対応付けられたアイテム関連キーワードと一致する行動履歴関連キーワードに対して重み付けをした上で、各行動履歴関連キーワード毎に興味度を計算することが好適である。
【0018】
上記の態様において、前記ユーザ嗜好情報を生成して前記ユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段が、
表示された前記アイテム情報のうちユーザに選択されたアイテム情報に対応するアイテムのカテゴリに基づいて、該カテゴリに対する興味度を計算することにより第2のユーザ嗜好情報を生成することが好適である。
【0019】
上記の態様において、前記アイテム情報を表示する手段が、
ユーザが利用する情報表示媒体に応じて、情報表示方式を変換することが好適である。
【0020】
上記の態様において、前記ユーザからのアイテム推薦要求に応じて、前記ユーザ嗜好情報データベースを参照する手段が、前記ユーザ嗜好情報に替えて他のユーザのユーザ嗜好情報を参照することが好適である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の特徴によれば、ユーザは、行動履歴を取得した行動履歴対象メディアに限られず他の推薦対象メディアに関連するアイテム情報も取得でき、自身の嗜好に合致した商品やサービスなどのアイテム情報を広範囲で取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るアイテム推薦装置の実施形態の基本構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係るアイテム推薦装置の第1実施例の概略構成図である。
【図3】ユーザプロファイル(閲覧履歴)の構成例を示す図である。
【図4】ユーザ嗜好情報の構成例を示す図である。
【図5】番組情報(電子番組表)の構成例を示す図である。
【図6】アイテム-番組相関情報の構成例を示す図である。
【図7】アイテム推薦部の処理の流れ(アイテム−番組相関情報のキーワードからのアイテム推薦)を示すフローチャートである。
【図8】アイテム推薦部の処理の流れ(番組情報のキーワードからのアイテム推薦)を示すフローチャートである。
【図9】ユーザ嗜好情報生成部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】WEBページ情報の構成例(WEBページに関わるキーワードの興味度からのアイテム推薦)を示す図である。
【図11】ユーザ嗜好ベクトルの構成例を示す図である。
【図12】本発明に係るアイテム推薦装置の第2実施例の構成図であり、第1実施例にユーザ嗜好を学習させる処理を付与した概略構成図である。
【図13】アイテム推薦部の処理の流れ(ユーザ嗜好を学習させる処理)を示すフローチャートである。
【図14】アイテム嗜好情報の構成例を示す図である。
【図15】アイテム推薦部の処理の流れ(表示する媒体に応じた表示方式を選択する処理)を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係るアイテム推薦装置の第3実施例の構成図であり、第1実施例に当該ユーザ以外のユーザの嗜好情報を使用してアイテム推薦を行う処理を付与した概略構成図である。
【図17】本発明に係るアイテム推薦装置の第4実施例の構成図であり、第1実施例に推薦アイテム情報とユーザ嗜好情報を保持したサーバを付与した概略構成図である。
【図18】本発明に係るアイテム推薦装置の第5実施例の構成図であり、第1実施例に番組情報解析部を付与した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を、実施例を示した図面に基づいて説明する。
図1は、本発明によるユーザ嗜好適合アイテム推薦装置(以下、単に「アイテム推薦装置」と称する)の実施形態の基本構成を示す概略構成図である。本装置は、適宜のコンピュータに導入されたプログラムにより実現される複数の機能処理部と、関連データを格納する複数のデータベースとを構成要素として有する。
【0024】
先ず、各構成要素の概略を説明する。
行動履歴取得部111は、メディア使用に関するユーザの行動履歴から履歴データを抽出して行動履歴情報を生成する。メディア使用に関するユーザの行動履歴情報とは、携帯電話の操作履歴、テレビ番組の視聴履歴、WEBページの閲覧履歴、雑誌の購読履歴など、ユーザによる様々なメディアの使用履歴を表す情報である。行動履歴情報の基となる種々のメディアを「行動履歴対象メディア」と称し、雑誌、テレビ番組、WEBページ等である。電子メディアの場合は、例えば当該メディア端末を含む環境に設置されている各種センサ(図示しない)等から履歴データを取得する。電子メディアの環境には、メディア端末と本装置とを直接的に又は間接的に接続する種々のネットワークも含む。本発明では、行動履歴情報の基となる履歴データの取得方法は限定しない。オンライン又はオフラインのいずれの手段で取得してもよい。
【0025】
行動履歴取得部111により生成された行動履歴情報は、ユーザプロファイルデータベース112に蓄積される。
【0026】
行動履歴対象メディア情報データベース113は、任意に設けられ、行動履歴情報の基となった雑誌、テレビ番組、WEBページなどの行動履歴対象メディアに関する情報を蓄積している。
【0027】
ユーザ嗜好情報生成部114は、行動履歴情報のみに基づいて、又は、行動履歴情報と行動履歴対象メディア情報とに基づいて、行動履歴関連キーワードに対するユーザの興味度を計算することにより、ユーザ嗜好情報を生成する。
【0028】
ユーザ嗜好情報生成部114により生成されたユーザ嗜好情報は、ユーザ嗜好情報データベース115に蓄積される。
【0029】
アイテム−推薦対象メディア相関情報データベース118は、アイテム(商品やサービス等)と推薦対象メディア(雑誌、テレビ番組、WEBページ等)とを関連付けたアイテムーメディア相関情報を蓄積している。
【0030】
アイテム推薦部116は、推薦方式の一例においては、ユーザ嗜好情報データベース115に蓄積されたユーザ嗜好情報に基づいて、アイテム−推薦対象メディア相関情報データベース118に蓄積されたアイテム−推薦対象メディア相関情報から、推薦するアイテムを抽出する。また、別の推薦方式においては、アイテム推薦部116は、推薦対象メディア情報データベース117を使用した評価を行うことを含めて、推薦するアイテムを抽出する。推薦対象メディア情報データベース117には、推薦対象メディア(雑誌、テレビ番組、WEBページ等)の情報を蓄積している。
【0031】
アイテム推薦部116の処理の特徴は、ユーザがアイテム推薦を要求したとき、行動履歴対象メディアとは異なる推薦対象メディアに関連するアイテムも提供できることである。例えば、行動履歴対象メディアがWEBページであっても、推薦対象メディアはテレビ番組や雑誌の場合があり、推薦対象メディアに関連付けられたアイテムのアイテム情報を提供することができる。
【0032】
アイテム推薦部116により抽出されたアイテムのアイテム情報は、表示部119で出力する。表示部119の機能としては、ネットワークを介してユーザの利用するメディア端末に送信し、当該メディア端末の表示装置に表示させることも含む。
【0033】
図2は、本発明に係るアイテム推薦装置の第1実施例の概略構成図である。第1実施例では、行動履歴対象メディアを、携帯電話やPCのWEBページと想定し、そして行動履歴情報を、これらのWEBページの閲覧履歴情報と想定している。さらに、推薦対象メディアをテレビ番組と想定し、推薦対象メディア情報は、具体的にはテレビ番組情報すなわち電子番組表(EPG:Electric Program Guide)と想定している。図3〜図6は、図2の構成に含まれる各データベース内のテーブル構成例である。
【0034】
図2の閲覧履歴抽出部211は、図1の行動履歴抽出部111に対応しており、ユーザの携帯電話やPCから、WEBページの閲覧履歴データを抽出し、閲覧履歴情報を生成する。図2のユーザプロファイルデータベース212は、閲覧履歴抽出部211で抽出した閲覧履歴情報を蓄積している。
【0035】
図3は、生成した閲覧履歴情報のテーブル構成例を示す。図3の閲覧履歴情報テーブル301は、一ユーザについての閲覧履歴情報を示している(すなわち、当該ユーザを一意に特定するユーザIDに対応付けられている)。閲覧履歴情報テーブル301の項目には、WEBページを一意に特定する「URL」及び「サイト名」、検索に使用したキーワード及び/又は閲覧サイトに関わるキーワード(メタタグの情報などの特徴的なキーワードも含む)など閲覧内容に関連したキーワードである「閲覧履歴関連キーワード」、サイトを閲覧した回数を示す「閲覧回数」がある。一つのWEBページに対して一又は複数の閲覧履歴関連キーワードが関連付けられている。
【0036】
図2のユーザ嗜好情報生成部213は、ユーザプロファイルデータベース212に蓄積された閲覧履歴情報に基づいてユーザの「興味度」を計算することにより、ユーザ嗜好情報を生成する。ユーザ嗜好情報生成部213で生成したユーザ嗜好情報は、図2のユーザ嗜好情報データベース214に蓄積されている。なお、図2の第1実施例では、閲覧履歴情報のみでユーザ嗜好情報を生成するため、図1で示した行動履歴対象メディア情報データベース113に対応するデータベースは配置していない。
【0037】
図4は、生成したユーザ嗜好情報のテーブル構成例を示す。ユーザ嗜好情報テーブル401は、ユーザのWEBページに対する興味度を計算して作成したユーザ嗜好情報である。ユーザを一意に特定する「ユーザID」、図3の閲覧履歴情報テーブルから抽出した「閲覧履歴関連キーワード」、「興味度」の項目をもつ。「興味度」は、図3に示した閲覧履歴情報テーブル301における「閲覧履歴関連キーワード」の登場回数及び「閲覧回数」などから計算された値をもつ(一例は図9〜11で説明する)。一つの閲覧履歴関連キーワードに対して興味度を示す一つの数値が計算されている。
【0038】
図2のアイテム推薦部215は、ユーザ嗜好情報データベース214に蓄積されたユーザ嗜好情報に基づいて、商品やサービスなどのアイテムと番組情報とを関連付けたアイテム−番組相関情報を蓄積したアイテム−番組相関データベース217を参照することにより、推薦するアイテムを抽出する。アイテム−番組相関データベース217は、図1のアイテム−推薦対象メディア相関情報データベース118に対応している。
【0039】
推薦方式によっては、番組情報データベース216を利用した評価を行うことも含めて推薦するアイテムを抽出する。番組情報データベース216は、テレビ番組情報を蓄積している。番組情報データベース216は、図1の推薦対象メディア情報データベース117に対応している。
【0040】
図5は、番組情報データベース216に蓄積されたテレビ番組情報すなわち電子番組表のテーブル構成例を示す。番組情報テーブル501は、番組を一意に特定する「番組ID」、「番組名」、番組の出演者を示す「出演者」、旅行や夏などの特徴を示す当該メディアに関連するキーワードである「番組関連キーワード」、番組の種類を示す「ジャンル」、番組の時間長を示す「番組長」という項目をもつ。これらの項目は、EPG(Electronic Program Guide)などから抽出する。一つの番組に対して一又は複数の番組関連キーワードが関連付けられる。
【0041】
図6は、アイテム−番組相関情報のテーブル構成例を示す。アイテム−番組相関情報テーブル601は、アイテムを一意に特定する「アイテムID」、「アイテム名」、アイテムの種類を示す「カテゴリ」、アイテムに関連するキーワードである「アイテム関連キーワード」、アイテムに対する説明を記載したURLの情報やアイテムの登場時期などの情報を含む「アイテム情報」、アイテムと関連付けた「番組ID」という項目をもつ。一つのアイテムに対して一又は複数のアイテム関連キーワードが関連付けられる。また、一つのアイテムに対して一又は複数の番組IDが関連付けられる。一つの番組IDが、異なる複数のアイテムに対して関連付けられてもよい。
【0042】
図2のアイテム推薦部215で抽出されたアイテムは、表示部218で出力する。
【0043】
なお、図3及び図4のテーブル項目の「閲覧履歴関連キーワード」、図5のテーブル項目の「番組関連キーワード」及び図6のテーブル項目の「アイテム関連キーワード」に格納する各キーワードは、共通のキーワード群の中から選択されることが好ましい。これは、実質的に同じ情報を示すキーワードについての表記の揺らぎをなくして統一した表記とするためである。例えば、"映画"と"シネマ"は、"映画"に統一し、"旅行"と"トラベル"は"旅行"に統一する。これにより、実質的に同じ情報を示す2つのキーワードが、表記のばらつきのために異なるキーワードとして判定されるといった不適切な処理を防止できる。
【0044】
また、図3〜図6の各テーブル項目の名称は、説明の便宜上、図2の第1実施例(行動履歴対象メディアがWEBページで、推薦対象メディアがテレビ番組)における名称としているが、図1の基本構成においては、テーブル項目はそれぞれ上位概念を表す名称となる。図3の閲覧履歴情報テーブルの「URL」は「行動履歴対象メディアID」と、「閲覧履歴関連キーワード」は「行動履歴関連キーワード」と称され、図5の「番組ID」は「推薦対象メディアID」と、「番組関連キーワード」は「推薦対象メディア関連キーワード」と称される。
【0045】
図2〜図6に示した第1実施例の処理の流れを図7〜図11を参照して説明する。説明において図2〜図6中の符号を使用する場合がある。
【0046】
図7は、図2のアイテム推薦部215の処理の一実施例を示すフローチャートである。この処理では、図6のアイテム−番組相関情報テーブル601に格納された各アイテム毎に、ユーザの興味度を計算する。
【0047】
ステップ701において、アイテム推薦処理が開始される。この開始判定は、例えば、ユーザによるテレビのリモコンの該当するボタンの押下、あるいは、ユーザによるテレビやPCなどの画面上のアイコンのクリックなどが、ネットワークを介して本装置のコンピュータに送信されることにより行ってもよい。この開始判定の処理において、当該ユーザを特定するユーザIDも認識する。
【0048】
ステップ702において、アイテム−番組相関情報データベース217を参照し、図6のアイテム−番組相関情報テーブルに含まれる全てのアイテム関連キーワードを抽出する。
【0049】
ステップ703において、ユーザ嗜好情報データベース214を参照し、該当するユーザIDについての図4のユーザ嗜好情報テーブル401の閲覧履歴関連キーワードの中に、ステップ702で抽出したアイテム関連キーワードと一致するものがあるか否かを判断する。一致するものがあれば、その閲覧履歴関連キーワードに対するユーザの興味度を抽出して当該アイテム関連キーワードについてのユーザの興味度として決定する。なお、閲覧履歴関連キーワードの中に一致するものがなかったアイテム関連キーワードは、ユーザの興味度がゼロということになる。
【0050】
ステップ704において、図6のアイテム−番組相関情報テーブル601に含まれる各アイテムのスコアを計算する。図6のアイテム−番組相関情報テーブル601において、一つのみのアイテム関連キーワードに関連付けられたアイテムは、その一つのアイテム関連キーワードについてのユーザの興味度が、そのままユーザの興味度となる。複数のアイテム関連キーワードに関連付けられたアイテムは、それら複数のアイテム関連キーワードの興味度を総合評価したものがユーザの興味度となる。このようにして、各アイテムについてのユーザの興味度を評価することを、「アイテムのスコアを計算する」という。一つのアイテムのスコアの計算方法には、例えば以下の数式1を使用する。
【0051】
【数1】

【0052】
はアイテムPのスコア、NはアイテムPのもつアイテム関連キーワードの総数、I(Xi)は、アイテム関連キーワードXiのユーザの興味度である。
【0053】
別の実施例として、アイテムの登場時期を加味して、以下の数式2でスコアを計算してもよい。
【0054】
【数2】

【0055】
は、アイテムPの登場時期から現在までの時間によって定義される重みである。古いアイテムほど、優先度が下がるように設定される。
【0056】
ステップ705において、ステップ704で得られたスコアの上位5件のアイテムIDを抽出する。件数は5件でなくてもよい。ステップ706において、抽出された上位のアイテムIDに基づいてアイテム−番組相関情報データベース217を参照し、対応するアイテム情報を表示する。
【0057】
図8は、図2のアイテム推薦部215の処理の別の実施例を示すフローチャートである。
ステップ801は、図7のステップ701と同じである。
ステップ802において、番組情報データベース216を参照し、図5の番組情報テーブル501に格納された番組関連キーワードを全て抽出する。
【0058】
ステップ803において、ユーザ嗜好情報データベース214を参照し、該当するユーザについての図4のユーザ嗜好情報テーブル401の閲覧履歴関連キーワードの中に番組関連キーワードと一致するものがあるか否かを判断する。一致するものがあれば、その閲覧履歴関連キーワードに対するユーザの興味度を抽出して当該番組関連キーワードに対するユーザ興味度として決定する。これにより、抽出した各番組キーワードについてのユーザの興味度が得られる。なお、閲覧履歴関連キーワードの中に一致するものがなかった番組関連キーワードは、ユーザの興味度がゼロということになる。
【0059】
ステップ804において、図5の番組情報テーブル501に含まれる各番組のスコアを算出する。図5の番組情報テーブル501において、一つのみの番組関連キーワードに関連付けられた番組は、その一つの番組関連キーワードについてのユーザの興味度が、そのままユーザの興味度となる。複数の番組関連キーワードに関連付けられた番組は、それら複数の番組関連キーワードの興味度を総合評価したものがユーザの興味度となる。このようにして、各番組についてのユーザの興味度を評価することを、「番組のスコアを計算する」という。
【0060】
スコアの算出方法は、数式1又は数式2における「アイテム」を「番組」と置き換え、同様の方法でよい。
【0061】
ステップ805において、例えばスコア上位5件の番組を抽出し、ステップ806において、抽出された上位の番組の番組IDに基づいてアイテム−番組相関情報データベース216を参照し、対応するアイテムIDを抽出する。ステップ807において、抽出されたアイテムIDに対応するアイテム情報を表示する。
【0062】
図9は、図2のユーザ嗜好情報生成部213の処理の一実施例を示すフローチャートである。
ステップ901において、ユーザプロファイルデータベース212を参照し、図3の閲覧履歴情報テーブル301から全てのWEBページのURL及び全ての閲覧履歴関連キーワードを含むWEBページ情報を抽出する。
【0063】
ステップ902において、ステップ901で抽出した各WEBページ情報毎に各閲覧履歴関連キーワードの興味度を判定する。このとき、抽出したWEBページ情報は、全ての閲覧履歴関連キーワードに基づき、図10のようなテーブル形式で保持する。各URLについての横一行の中に、抽出した全ての閲覧履歴関連キーワードを示す「閲覧履歴関連キーワードX1」、「閲覧履歴関連キーワードX2」、「閲覧履歴関連キーワードX3」..が並べられており、それぞれのキーワードに対する興味度の基本値が格納される。各URLについて、その閲覧履歴関連キーワードが含まれていれば興味度の基本値を"1"と、含まれなければ、興味度の基本値を"0"とし、各閲覧履歴関連キーワードの興味度に基本値を割り当てる。
【0064】
ステップ903において、ステップ902で判定した興味度を用いてWEBページ間の類似度を計算し、ユーザが閲覧したWEBページをクラスタリングする。
閲覧したWEBページ間の類似度は、例えば、以下の数式3で計算される。
【0065】
【数3】

【0066】
PQは、WEBページPとWEBページQとの類似度であり、P(Xi)はWEBページPにワードXiが入っているかどうか、すなわち"1"か"0"の2値を示す。この値については2値でなくてもよい。また、類似度は、数式3以外にも、ユークリッド距離などで求めてもよい。
クラスタリングの手法は、K−Meansアルゴリズムなどの分割最適化手法でも、最短距離法などの階層的手法でも、いずれでもよい。また、このようなクラスタリングは、推薦ボタン押下時ではなく、定期的にバックグラウンドで行われるとしてもよい。
【0067】
ステップ904において、複数のクラスタの中心のベクトルを生成し、それらのベクトルをユーザ嗜好ベクトルの情報として蓄積する。
【0068】
図11に、ステップ904で得られたユーザ嗜好ベクトルのテーブル構成例を示す。「ユーザID」は、ユーザを一意に特定する。「閲覧履歴関連キーワードX1」、「閲覧履歴関連キーワードX2」、「閲覧履歴関連キーワードX3」..の各項目は、ユーザ嗜好ベクトルの各要素を値としてもつ。各要素の値は、図3のユーザ嗜好情報テーブル301の興味度の値に対応している。
【0069】
アイテム推薦部215の別の実施例として、生成した図11のユーザ嗜好ベクトルテーブル1101と図5の番組情報テーブル501の各番組との類似度を、数式3などを用いて計算してもよい。最も類似度の高い上位数件の番組を抽出し、抽出された番組の番組IDに基づいて図6のアイテム−番組相関情報テーブル601を参照し、該当するアイテムのアイテム情報を提示する。このとき、最も類似度の高い番組ではなく非類似度の高い番組でもよいし、予め設定された類似度の番組を検索するようにしてもよい。また、設定された類似度は、ユーザのアイテムへの評価によって、変化させていくようにしてもよい。
【0070】
図12は、本発明に係るアイテム推薦装置の第2実施例の概略構成図である。第2実施例では、第1実施例で示した機能に加えて、推薦されたアイテムをユーザが選択したか否かというアイテムへの評価によって、ユーザキーワードに対するユーザの興味度を学習する機能を備えている。
【0071】
第2実施例の装置構成は、図2の第1実施例の装置構成に対し、ユーザ嗜好を学習させる機能を持つユーザ嗜好学習部1214と、アイテム推薦部1216で推薦されたアイテムがユーザに選択されたか否かを判定するアイテム選択部1219とが追加されている。
【0072】
図13は、第2実施例におけるアイテム推薦部1216、アイテム選択部1219及びユーザ嗜好学習部1214の処理の一実施例を示したフローチャートである。
ステップ1301から1306までの処理の流れは、図7のステップ701からステップ706のアイテム推薦部の処理と同様であるが、ステップ1304のアイテムのスコアの計算式として以下の数式4及び数式5を使用する。
【0073】
【数4】

【0074】
【数5】

【0075】
wiは、アイテム関連キーワードXiの、ユーザのアイテムの需要に対する重みである。初期値では、全てのアイテム関連キーワードの重みを等しく設定しておく。
【0076】
ステップ1307において選択されたアイテムと選択されなかったアイテムそれぞれに含まれているアイテム関連キーワードのwiに対して、ステップ1308で重み付けを行う。例えば、選択されたアイテム関連キーワードの重みwiについて、値を0.1加算して(キーワード数で等分配)、選択されなかったアイテム関連キーワードの重みは0.1減算する(キーワード数で等分配)などのアイテム関連キーワードの重みに対して傾斜が生じるような処理を行う。
また、数式4ではなく、以下の数式6でもよい。
【0077】
【数6】

【0078】
λiは、アイテム関連キーワードXiのユーザのアイテムの需要に対する重みである。
但し、上記のような処理は、ユーザの当該アイテム関連キーワードへの興味度を変化させるものではなく、アイテム関連キーワードのアイテムへの寄与度をユーザによって適応させていく処理である。
【0079】
また、アイテムの選択履歴を保持しておき、アイテムのカテゴリの興味度を求め、アイテム嗜好情報としてユーザ嗜好情報データベースに登録しておくようにしてもよい。
図14は、ユーザ嗜好情報データベース1215に蓄積されたアイテム嗜好情報のテーブル構成例を示す。アイテム嗜好情報テーブル1401として、「ユーザID」、「カテゴリ」、「興味度」という項目を持つ。ユーザIDをキーとして、図3のユーザ嗜好情報テーブル301に関連付ける。上記の場合、ステップ1304のアイテムのスコアの計算式として、数式4に替えて以下の数式7を用いてもよい。
【0080】
【数7】

【0081】
ここで、Cpは、アイテムPのカテゴリであり、I(Cp)は、カテゴリCpのユーザの興味度を示す。
【0082】
図15は、第1実施例及び第2実施例におけるアイテム推薦部の処理の流れの別の実施例を示す(以下の第3〜第5実施例にも適用可能)。この実施例では、ステップ1501〜1505の流れは、図7に示した実施例と同じであるが、アイテム情報を表示するステップ1506及びステップ1507において、表示する媒体に応じた表示方式を選択する処理を行う。表示媒体(PC画面、TV画面、携帯端末のディスプレイなど)に応じて、画像の圧縮を行ったり、情報をテキスト情報で提示したりするなどの表示媒体に適した表示方法を選択する。また、そのような表示方式を予め設定するようにしてもよい。
【0083】
図16は、本発明に係るアイテム推薦装置の第3実施例の概略構成図である。第3実施例では、図2に示した第1実施例の構成に加え、他ユーザ嗜好情報を蓄積した他ユーザ嗜好情報データベース1618を追加している。
【0084】
第1実施例と異なる部分のみ、記述する。他ユーザ嗜好情報とは、当該ユーザ以外のユーザの嗜好情報であり、他のユーザの嗜好情報を用いて、第1実施例のような処理を行い、アイテム推薦を行う。また、当該ユーザと一又は複数の他のユーザの嗜好情報を用いて、二つの嗜好情報の平均値を計算するなどの処理を行い、二つ又はそれ以上の嗜好情報を混合して新しい嗜好情報を作成するとしてもよい。ここで、他ユーザ嗜好情報データベース1618は、外部記憶端末を用いて挿入されてもよいし、インターネットなどのネットワーク上で共有するとしてもよい。また、推薦されたアイテムを、他ユーザに対して提示する機能を有してもよい。さらに、ユーザプロファイルデータベース1712を、外部記憶装置やインターネット上で他のユーザと共有できるようにしてもよい。
【0085】
図17は、本発明に係るアイテム推薦装置の第4実施例の概略構成図である。第4実施例では、図2に示した第1実施例の構成に加え、推薦アイテムの選択情報を蓄積した推薦アイテム情報データベース1719と、他ユーザ嗜好情報を蓄積した他ユーザ嗜好情報データベース1720とを保持したサーバ1718を追加している。
【0086】
複数のユーザの嗜好情報と推薦アイテムの選択情報がサーバに保存してあり、ネットワークを介して共有できるようになっている。アイテム推薦部1715は、推薦ボタン押下などによって、第1実施例と同様のアイテム推薦の処理を行うか、又は、サーバ1718にアクセスしてアイテム推薦の処理を行うかを判別する手段を有する。後者の場合に、当該ユーザと嗜好情報の類似度が高い他のユーザを検索し、類似度の高い他のユーザが選択したアイテムの推薦を行う処理を行う機能を有する。
【0087】
図18は、本発明に係る装置の第5実施例の概略構成図である。第5実施例では、図2に示した第1実施例の構成に加え、番組情報解析部1818を追加している。
【0088】
番組情報解析部1818は、番組情報データベース1817に蓄積された番組情報から、アイテムに関わる情報のみを抽出し、アイテム−番組相関情報データベース1816に蓄積する処理を行う機能を有する。番組情報はインターネット上や外部記憶媒体などから取得するとしてもよい。
【0089】
以上、本発明に係る装置の各実施例の説明を、ユーザの行動履歴を携帯電話やPCからのWEBページの閲覧履歴と想定し、推薦対象メディア情報をテレビ番組に含まれる情報と想定して行ったが、それぞれを、あらゆる環境に設置されている各種センサから得られるユーザの行動履歴、あらゆるメディア情報としても本発明が有効であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本願発明は、例えばDVDレコーダ、TV等の家庭向け映像機器や、テレビ機能付のパソコン、PDAや携帯電話等の情報機器、ネット配信番組を再生するセットトップボックス等に適用できる。
【符号の説明】
【0091】
111 行動履歴取得部
112 ユーザプロファイルデータベース(行動履歴情報)
113 行動履歴対象メディア情報データベース
114 ユーザ嗜好情報生成部
115 ユーザ嗜好情報データベース
116 アイテム推薦部
117 推薦対象メディア情報データベース
118 アイテム−推薦対象メディア相関情報データベース
119 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ嗜好に適合したアイテムをユーザに対して推薦するためのアイテム推薦装置であって、
(a)ユーザの行動履歴に基づいて、ユーザを一意に識別するユーザIDと、該行動履歴を取得した行動履歴対象メディアを一意に識別する行動履歴対象メディアIDと、該行動履歴対象メディアに関連する一又は複数の行動履歴関連キーワードとを対応付けてユーザプロファイルデータベースに蓄積する手段と、
(b)前記ユーザプロファイルデータベースから一つのユーザIDに対応する前記行動履歴関連キーワードを全て抽出し、各行動履歴関連キーワード毎に計算された興味度を対応付けてユーザ嗜好情報を生成し、該ユーザIDと該ユーザ嗜好情報とを対応付けてユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段と、
(c)アイテムを一意に識別するアイテムIDと、該アイテムに関連する一又は複数のアイテム関連キーワードと、該アイテム情報と、該アイテムに関連する一又は複数の推薦対象メディアの各々を一意に識別する一又は複数の推薦対象メディアIDとを対応付けてアイテム−推薦対象メディア相関情報データベースに蓄積する手段と、
(d)ユーザからのアイテム推薦要求に応じて、前記アイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、全ての前記アイテム関連キーワードを抽出する手段と、
(e)抽出した前記アイテム関連キーワードの各々に基づいて前記ユーザ嗜好情報データベースを参照し、該アイテム関連キーワードに一致する前記行動履歴関連キーワードを抽出し、抽出された該行動履歴関連キーワードに対応付けられた前記興味度を該アイテム関連キーワードの興味度として決定する手段と、
(f)各アイテムIDに対応付けられた一又は複数のアイテム関連キーワードの各々について決定された興味度に基づいて各アイテムID毎にスコアを計算する手段と、
(g)計算された前記スコアに基づいて一又は複数のアイテムIDを抽出し、抽出されたアイテムIDに基づいてアイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、対応する一又は複数の前記アイテム情報を表示する手段と、を備えたことを特徴とするユーザ嗜好適合アイテム推薦装置。
【請求項2】
ユーザ嗜好に適合したアイテムをユーザに対して推薦するためのアイテム推薦装置であって、
(a)ユーザの行動履歴に基づいて、ユーザを一意に識別するユーザIDと、該行動履歴を取得した行動履歴対象メディアを一意に識別する行動履歴対象メディアIDと、該行動履歴対象メディアに関連する一又は複数の行動履歴関連キーワードとを対応付けてユーザプロファイルデータベースに蓄積する手段と、
(b)前記ユーザプロファイルデータベースから一つのユーザIDに対応する前記行動履歴関連キーワードを全て抽出し、各行動履歴関連キーワード毎に計算された興味度を対応付けてユーザ嗜好情報を生成し、該ユーザIDと該ユーザ嗜好情報とを対応付けてユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段と、
(c)アイテムを一意に識別するアイテムIDと、該アイテムに関連する一又は複数のアイテム関連キーワードと、該アイテムに関連するアイテム情報と、該アイテムに関連する一又は複数の推薦対象メディアの各々を一意に識別する一又は複数の推薦対象メディアIDとを対応付けてアイテム−推薦対象メディア相関情報データベースに蓄積する手段と、
(d)前記推薦対象メディアIDと、該推薦対象メディアに関連する一又は複数の推薦対象メディア関連キーワードとを対応付けて推薦対象メディア情報データベースに蓄積する手段と、
(e)ユーザからのアイテム推薦要求に応じて、前記推薦対象メディア情報データベースを参照し、全ての前記推薦対象メディア関連キーワードを抽出する手段と、
(f)抽出した前記推薦対象メディア関連キーワードの各々に基づいて前記ユーザ嗜好情報データベースを参照し、該推薦対象メディア関連キーワードに一致する前記行動履歴関連キーワードを抽出し、抽出された該行動履歴関連キーワードに対応付けられた前記興味度を該推薦対象メディア関連キーワードの興味度として決定する手段と、
(g)各推薦対象メディアIDに対応付けられた一又は複数の推薦対象メディア関連キーワードの各々について決定された興味度に基づいて各推薦対象メディアID毎にスコアを計算する手段と、
(h)計算された前記スコアに基づいて一又は複数の推薦対象メディアIDを抽出し、抽出された推薦対象メディアIDに基づいて前記アイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、対応する一又は複数の前記アイテム情報を表示する手段と、を備えたことを特徴とするユーザ嗜好適合アイテム推薦装置。
【請求項3】
前記ユーザ嗜好情報を生成して前記ユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段が、
前記ユーザプロファイルデータベースから複数の前記行動履歴対象メディアIDと各行動履歴対象メディアIDに対応付けられた前記行動履歴関連キーワードとを抽出し、各行動履歴対象メディアIDに対応する各行動履歴対象メディア間の類似度を計算することにより複数の前記行動履歴対象メディアをクラスタリングし、複数のクラスタの中心ベクトルの各要素を、各行動履歴関連キーワードに対する興味度として決定することを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ嗜好適合アイテム推薦装置。
【請求項4】
前記複数のクラスタの中心ベクトルと前記推薦対象メディア関連キーワードとの類似度を計算し、最も類似度の高い一又は複数の推薦対象メディアIDを抽出し、抽出された推薦対象メディアIDに基づいて前記アイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、対応する一又は複数のアイテム情報を抽出して表示する手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のユーザ嗜好適合アイテム推薦装置。
【請求項5】
前記複数のクラスタの中心ベクトルと前記推薦対象メディア関連キーワードとの類似度を計算し、最も類似度の低い一又は複数の推薦対象メディアIDを抽出し、抽出された推薦対象メディアIDに基づいて前記アイテム−推薦対象メディア相関情報データベースを参照し、対応する一又は複数のアイテム情報を抽出して表示する手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のユーザ嗜好適合アイテム推薦装置。
【請求項6】
前記ユーザ嗜好情報を生成して前記ユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段が、
表示された前記アイテム情報がユーザにより選択されたか選択されなかったかに基づいて、該アイテム情報に係るアイテムIDに対応付けられたアイテム関連キーワードと一致する行動履歴関連キーワードに対して重み付けをした上で、各行動履歴関連キーワード毎に興味度を計算することを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ嗜好適合アイテム推薦装置。
【請求項7】
前記ユーザ嗜好情報を生成して前記ユーザ嗜好情報データベースに蓄積する手段が、
表示された前記アイテム情報のうちユーザに選択されたアイテム情報に対応するアイテムのカテゴリに基づいて、該カテゴリに対する興味度を計算することにより第2のユーザ嗜好情報を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ嗜好適合アイテム推薦装置。
【請求項8】
前記アイテム情報を表示する手段が、
ユーザが利用する情報表示媒体に応じて、情報表示方式を変換することを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ嗜好適合アイテム推薦装置。
【請求項9】
前記ユーザからのアイテム推薦要求に応じて、前記ユーザ嗜好情報データベースを参照する手段が、前記ユーザ嗜好情報に替えて他のユーザのユーザ嗜好情報を参照することを特徴とする請求項1又は2に記載のユーザ嗜好適合アイテム推薦装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−95814(P2011−95814A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246324(P2009−246324)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】