説明

ユーザ特徴と利用動向の分析システム、およびその処理方法とプログラム

【課題】画面情報を利用するユーザの特徴に基づいてそれら特徴が一致するユーザグループの動向やユーザ個人の動向を分析することのできるユーザ特徴と利用動向の分析システムを提供する。
【解決手段】画面情報を構成するオブジェクト毎の操作履歴情報が示すオブジェクトの種別、または当該オブジェクトの操作時刻、または当該オブジェクトの操作回数、または当該オブジェクトに対する操作種別の少なくとも何れか1つと、画面情報を利用するユーザの特徴を判定するユーザ特徴判定アルゴリズムと、に基づいて、画面情報のユーザ特徴を判定する。そして、ユーザそれぞれの複数の操作履歴情報で示される操作対象のオブジェクトの種別または操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか一方または両方と、ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、ユーザそれぞれの動向分析情報を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページ等の画面情報を利用するユーザの利用動向を分析するユーザ特徴と利用動向の分析システム、およびその処理方法とプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットに接続された端末に対してウェブページ等のコンテンツを配信するコンテンツ提供者は、コンテンツを利用するユーザのうち、当該コンテンツを利用して目的達成(例えば、商品販売ウェブサイトであれば商品購入完了が目的達成である)したユーザと、目的達成しなかったユーザのそれぞれについてのコンテンツに対する興味に関し分析を行っている。例えば、電子商取引において、ユーザ属性情報と購入履歴から顧客の興味について分析を行い、効果的なダイレクトマーケティングを行っている。しかし、購入履歴には購入結果しか残らず、購入に至った経緯は不明である。また、購入に至らなかった顧客の動向も不明である。
ここで、ユーザの操作履歴、ユーザの属性(システム利用にあたり予め登録する、ユーザの氏名、年齢、性別、住所、職業、家族構成、趣味など)、ユーザの利用したコンテンツ情報(ジャンル、内容など)に基づいて、データマイニング手法を用いて、ユーザの動向を分析する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−132800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献の技術では、ユーザ動向の分析に利用するユーザの操作履歴データの詳細度が限られており、能力的特徴または嗜好的特徴または生活習慣的特徴などの様々な特徴においてどのような特徴を持つユーザが画面情報を利用しているのかを詳細に分析することはできず、またその特徴に基づいたユーザの動向を分析して、詳細なユーザの動向を得ることはできない。
【0005】
そこで本発明は、画面情報を利用するユーザの特徴に基づいてそれら特徴が一致するユーザグループの動向や、ユーザ個人の動向を分析することのできるユーザ特徴と利用動向の分析システム、およびその処理方法とプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、画面情報を構成するオブジェクト毎の操作履歴情報を受信する操作履歴受信部と、前記操作履歴情報が示す前記オブジェクトの種別、または当該オブジェクトの操作時刻、または当該オブジェクトの操作回数、または当該オブジェクトに対する操作種別の少なくとも何れか1つと、前記画面情報を利用するユーザの特徴を判定するユーザ特徴判定アルゴリズムと、に基づいて、前記画面情報のユーザ特徴を判定するユーザ特徴判定部と、を備えることを特徴とするユーザ特徴と利用動向の分析システムである。
【0007】
また本発明は、上述のユーザ特徴と利用動向の分析システムにおいて、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記ユーザそれぞれの動向分析情報を特定するユーザ動向分析部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上述のユーザ特徴と利用動向の分析システムにおいて、前記判定したユーザの特徴をユーザ毎に記憶するユーザ記憶部と、を備え、前記ユーザ動向分析部は、前記判定したユーザの特徴を前記ユーザ記憶部から読み取って、当該特徴が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上述のユーザ特徴と利用動向の分析システムにおいて、前記ユーザの属性情報をユーザ毎に記憶するユーザ記憶部と、を備え、前記ユーザ動向分析部は、前記ユーザの属性情報を前記ユーザ記憶部から読み取って、当該属性情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記属性情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上述のユーザ特徴と利用動向の分析システムにおいて、前記ユーザが入力した入力内容情報をユーザ毎に記憶するユーザ記憶部と、を備え、前記ユーザ動向分析部は、前記入力内容情報を前記ユーザ記憶部から読み取って、当該入力内容情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記入力内容情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上述のユーザ特徴と利用動向の分析システムにおいて、前記ユーザ動向分析部は、ユーザ特徴と、操作履歴情報と、ユーザの属性情報と、入力内容情報と、決定木アルゴリズムとを用いて、目的達成に影響を与えた前記操作履歴情報、ユーザ特徴、ユーザの属性情報、入力内容情報のいずれかと、目的達成に影響を与えない前記操作履歴情報、ユーザ特徴、ユーザの属性情報、入力内容情報のいずれかとの決定木グラフを生成することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上述のユーザ特徴と利用動向の分析システムにおいて、前記ユーザ動向分析部は、ユーザ特徴と、操作履歴情報と、ユーザの属性情報と、入力内容情報と、バスケット分析アルゴリズムとを用いて、それらユーザ特徴と操作履歴情報とユーザの属性情報と入力内容情報との相関を示すバスケット分析結果グラフを生成することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、ユーザ特徴と利用動向の分析システムにおける処理方法であって、前記ユーザ特徴と利用動向の分析システムの操作履歴受信部が、画面情報を構成するオブジェクト毎の操作履歴情報を受信し、前記ユーザ特徴と利用動向の分析システムのユーザ特徴判定部が、前記操作履歴情報が示す前記オブジェクトの種別、または当該オブジェクトの操作時刻、または当該オブジェクトの操作回数、または当該オブジェクトに対する操作種別の少なくとも何れか1つと、前記画面情報を利用するユーザの特徴を判定するユーザ特徴判定アルゴリズムと、に基づいて、前記画面情報のユーザ特徴を判定することを特徴とする処理方法である。
【0014】
また本発明は、上述の処理方法において、前記ユーザ特徴と利用動向の分析システムのユーザ動向分析部が、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記ユーザそれぞれの動向分析情報を特定することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、上述の処理方法において、前記ユーザ動向分析部は、前記判定したユーザの特徴をユーザ記憶部から読み取って、当該特徴が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定することを特徴とする。
【0016】
また本発明は、上述の処理方法において、前記ユーザ動向分析部は、前記ユーザの属性情報をユーザ記憶部から読み取って、当該属性情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記属性情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定することを特徴とする。
【0017】
また本発明は、上述の処理方法において、前記ユーザ動向分析部は、前記入力内容情報をユーザ記憶部から読み取って、当該入力内容情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記入力内容情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、ユーザ特徴と利用動向の分析システムのコンピュータを、画面情報を構成するオブジェクト毎の操作履歴情報を受信する操作履歴受信手段、前記操作履歴情報が示す前記オブジェクトの種別、または当該オブジェクトの操作時刻、または当該オブジェクトの操作回数、または当該オブジェクトに対する操作種別の少なくとも何れか1つと、前記画面情報を利用するユーザの特徴を判定するユーザ特徴判定アルゴリズムと、に基づいて、前記画面情報のユーザ特徴を判定するユーザ特徴判定手段として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0019】
また本発明は、前記コンピュータを、さらに、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記ユーザそれぞれの動向分析情報を特定するユーザ動向分析手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0020】
また本発明は、前記ユーザ動向分析手段が、前記判定したユーザの特徴をユーザ記憶部から読み取って、当該特徴が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定することを特徴とするプログラムである。
【0021】
また本発明は、前記ユーザ動向分析手段が、前記ユーザの属性情報をユーザ記憶部から読み取って、当該属性情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記属性情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定することを特徴とするプログラムである。
【0022】
また本発明は、前記ユーザ動向分析手段が、前記入力内容情報をユーザ記憶部から読み取って、当該入力内容情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記入力内容情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定することを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ウェブページのユーザ操作に基づいて、「ユーザの特徴」を自動的に推定できることによって、効率的にユーザに関する情報が収集を行うことができ、またそれらの蓄積や、統計用データとして利用することが容易にできる。
また上述の処理によれば、人による推定よりも詳細な「ユーザの特徴」が推定でき、従来では得られない詳細なユーザ動向を得ることによって、ウェブページのユーザビリティ評価の精度向上やダイレクトマーケティングの有効性向上を図ることができる。
また上述の処理によれば、人による推定よりも詳細な「ユーザ特徴」が推定できることによって、その詳細な「ユーザの特徴」またはそれを含む「ユーザプロファイル情報」を用いて、一般的なデータマイニング手法によりコンテンツ分析をし、これにより、従来の分析手法に比べて詳細な分析結果を得ることができる。
以上から、よりターゲットを絞ったコンテンツの作成(ユーザに合った内容、提供方法、画面設計等)や、より効果的なダイレクトマーケティングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ユーザ特徴と利用動向の分析システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ユーザ特徴と利用動向の分析システムを構成する各装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】ユーザ特徴と利用動向の分析システムの処理フローを示す第1の図である。
【図4】ユーザ特徴と利用動向の分析システムの処理フローを示す第2の図である。
【図5】ユーザ特徴判定ルールデータの例を示す図である。
【図6】ユーザのプライスセンシビリティの判定概要を示す図である。
【図7】ユーザのITスキルの判定概要を示す図である。
【図8】ユーザの契約関心度の判定概要を示す図である。
【図9】ユーザの商品知識度の判定概要を示す図である。
【図10】生活パターンの判定用のウェブページを示す図である。
【図11】ユーザの生活パターンの判定概要を示す図である。
【図12】ユーザのコミュニケーション柔軟性の判定概要を示す図である。
【図13】ユーザの音声依存度の判定概要を示す図である。
【図14】ユーザ動向分析処理の処理フローを示す第1の図である。
【図15】ユーザ動向分析処理の処理フローを示す第2の図である。
【図16】ユーザ動向分析処理の処理フローを示す第3の図である。
【図17】決定木アルゴリズムによる分析結果を示す図である。
【図18】バスケット分析アルゴリズムによる分析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態によるユーザ特徴と利用動向の分析システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態によるユーザ特徴と利用動向の分析システムの構成を示すブロック図である。
この図において、符号1はインターネット上にウェブページ(画面情報)等のコンテンツを配信するウェブサーバである。また2はウェブページを閲覧・利用するユーザの、当該ウェブページにおける操作履歴を取得する操作履歴システムである。また3はユーザがウェブページに入力した入力内容情報の検出や、ウェブページの操作履歴等に基づいてユーザの特徴を抽出する処理を行うプロファイリングシステムである。また4はユーザの操作履歴や、ウェブページへの入力内容情報や、ユーザ特徴に基づいて、ウェブページを利用するユーザの動向を分析処理するウェブアプリケーション分析システム(以下、WebAP分析システムとする)である。
【0026】
また5はユーザごとのウェブページの操作履歴情報を自装置に備えたデータベースへ記録する操作履歴データベース装置(以下、操作履歴DB装置とする)、6はユーザがウェブページに入力した入力内容情報を自装置に備えたデータベースへユーザごとに記録する入力内容データベース装置(以下、入力内容DB装置とする)、7はプロファイリングシステム3によって登録された入力内容情報やユーザ特徴情報、ウェブサーバから入力されたユーザ属性情報を自装置に備えたデータベースへユーザ毎に記録するユーザプロファイルデータベース装置(以下、ユーザプロファイルDB装置とする;ユーザ記憶部)である。また8はユーザがウェブページを表示させて利用する端末である。
【0027】
図2はユーザ特徴と利用動向の分析システムを構成する各装置の機能ブロックを示す図である。
この図で示すように、操作履歴取得システム2は、端末8のウェブブラウザから操作履歴情報を受信する操作履歴受信部21を備える。
また操作履歴DB装置5は、操作履歴取得システム2から操作履歴情報を取得して自装置の備える操作履歴DBに記録するとともに、プロファイリングシステム3の要求に応じて操作履歴情報を出力する操作履歴DB連携部51を備える。
またプロファイリングシステム3は操作履歴情報や入力内容情報を受信して、それらの情報とユーザ特徴判定ルールデータとに基づいてユーザ特徴を推定するユーザ特徴判定部31を備える。
またユーザプロファイルDB装置7は、自装置の備えるユーザプロファイルDBへ、プロファイリングシステム3で判定されたユーザ特徴の情報や、プロファイリングシステム3から受信した入力内容情報や、ウェブサーバ1から受信した端末8を利用するユーザの属性情報を記録し、またWebAP分析システム4からの要求に基づいて当該ユーザ特徴の情報や入力内容情報を送信するユーザプロファイルDB連携部71を備える。
またWebAP分析システム4は、ユーザプロファイルDB装置7から取得したユーザ特徴情報や、入力内容情報、また操作履歴DB装置5から取得した操作履歴情報に基づいて、ユーザ動向を分析するユーザ動向分析部41を備える。
また端末8はウェブブラウザのプログラムが実行されることにより操作履歴取得部81を備える。なお、操作履歴取得部81の機能を実行させるプログラムがコンテンツ中に含まれ、これを実行することによって端末8が当該操作履歴取得部81の機能を備えるようにしてもよい。
そして、本実施形態によるユーザ特徴と利用動向の分析システムは、少なくとも、操作履歴取得システム2、プロファイリングシステム3、WebAP分析システム4、操作履歴DB装置5、入力内容DB装置6、ユーザプロファイルDB装置7が通信ネットワークを介して接続されることにより構成される。それらシステムや装置に加え、ユーザ特徴と利用動向の分析システムの定義としては、ウェブサーバ1をさらに含む構成としてもよいし、また端末8をさらに含む構成としてもよい。
【0028】
そして、本実施形態によるユーザ特徴と利用動向の分析システムは、ウェブページを構成するオブジェクト毎の操作履歴情報を受信して、操作履歴情報が示すオブジェクトの種別、または当該オブジェクトの操作時刻、または当該オブジェクトの操作回数、または当該オブジェクトに対する操作種別の少なくとも何れか1つと、ウェブページを利用するユーザの特徴を判定するユーザ特徴判定アルゴリズムと、に基づいて、ウェブページのユーザ特徴を判定する処理を行う。
そして、ユーザ特徴と利用動向の分析システムは、ユーザそれぞれの操作履歴情報で示される操作対象のオブジェクトの種別または操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか一方または両方と、ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、ユーザそれぞれの動向分析情報を特定する処理を行う。
また、ユーザ動向分析部は、判定したユーザの特徴を読み取って、当該特徴が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、ユーザそれぞれの複数の操作履歴情報で示される操作対象のオブジェクトの種別または操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか一方または両方と、ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、複数のユーザに関する動向分析情報を特定する処理を行う。
このような処理により、ユーザ特徴と利用動向の分析システムは、ウェブページ等の画面情報を利用するユーザの特徴に基づいてそれら特徴が一致するユーザグループの動向や、ユーザ個人の動向を分析する。
なお、本実施形態においては、画面情報がウェブページである場合の例について説明するが、画面情報はその他の情報、例えば動画像データであってもよい。つまり、画面情報は、オブジェクトによって構成された画面情報であれば、どのようなものであってもよい。
【0029】
次にユーザ特徴と利用動向の分析システムの処理フローについて順を追って説明する。
図3はユーザ特徴と利用動向の分析システムの処理フローを示す第1の図である。
まず、端末8がウェブブラウザの機能によりウェブサーバ1にアクセスしてウェブページ等のコンテンツを受信する。そして端末8の表示部にウェブページを表示する。端末8の操作履歴取得部81は、ウェブブラウザの操作が行われるとその操作履歴情報を取得する。例えば、操作履歴情報としては、オブジェクト毎の操作内容やその操作時刻などである。オブジェクトとは、ウェブページを構成する当該ウェブページ上に表示されたボタン、入力カラム、スクロールバーなどである。また操作内容とは、ボタン押下、入力カラムへの文字列の入力、オブジェクトの操作開始時刻及び終了時刻、スクロールバーを利用したウェブページの表示位置のスクロールなどである。そして、操作履歴取得部81は、操作履歴や端末IDなどを含む操作履歴情報を、所定のタイミング(例えば、ウェブブラウザ利用停止時や、所定の時間間隔など)で操作履歴取得システム2へ送信する。操作履歴取得システム2の操作履歴受信部21は操作履歴情報を受信すると(ステップS101)、その操作履歴情報を操作履歴DB装置5へ送信する(ステップS102)。そして、操作履歴DB装置5の操作履歴DB連携部51が自装置に備えられた操作履歴DBへ操作履歴情報を登録する(ステップS103)。
【0030】
また、当該端末8に表示されたウェブページの入力カラムに入力された文字列などの入力内容情報はウェブサーバ1が端末8から受信し(ステップS104)、当該入力内容情報とその入力内容情報を入力した端末のIDとを入力内容DB装置6へ送信する(ステップS105)。そして入力内容DB連携部61が自装置に備えられた入力内容DBへ端末8の端末IDに対応付けて入力内容情報を登録する(ステップS106)。またさらにウェブサーバ1は、端末8からウェブページを利用するユーザの属性情報を受信し(ステップS107)、その属性情報をユーザプロファイルDB装置7に送信する(ステップS108)。ユーザプロファイルDB装置7のユーザプロファイルDB連携部71は、受信した属性情報を自装置のユーザプロファイルDBへ登録する(ステップS109)。そして、プロファイリングシステム3は、操作履歴情報、入力内容情報、属性情報を各DB装置から受信して(ステップS110)、予め決められたタイミングや、処理開始の指示を受け付けた場合に、ウェブページのユーザ特徴の判定処理を開始する(ステップS111)。
【0031】
図4はユーザ特徴と利用動向の分析システムの処理フローを示す第2の図である。
次に、図4を用いてウェブページのユーザ特徴の判定処理の詳細について説明する。
まず、ユーザ特徴判定部31は、ユーザ特徴の判定処理の開始を検出すると(ステップS201)、操作履歴DB装置5へ操作履歴情報の送信を要求する(ステップS202)。そして、その応答として操作履歴DB連携部51から操作履歴情報を受信する(ステップS203)。またユーザ特徴判定部31は、入力内容DB装置6へ入力内容情報の送信を要求する(ステップS204)。そして、その応答として入力内容DB連携部61から入力内容情報を受信する(ステップS205)。ユーザ特徴判定部31は、操作履歴情報と入力内容情報とを受信すると、それら情報に格納されている端末IDに基づいてソートし、ウェブサーバ1が配信するウェブページを利用したユーザ毎に、操作履歴情報と入力内容情報とをメモリや記憶部に一時記録する(ステップS206)。また、ユーザ特徴判定部31は、自装置内の記憶部からユーザ特徴判定ルールデータを読み取る(ステップS207)。そして、操作履歴情報と、入力内容情報と、ユーザ特徴判定ルールデータと、を用いて、ユーザ毎にそのユーザ特徴を判定する(ステップS208)。
【0032】
図5はユーザ特徴判定ルールデータの例を示す図である。
本実施形態において、ユーザ特徴判定ルールデータは7つ存在し、(1)プライスセンシビリティ(価格関心度)、(2)IT(Information Technology)スキル、(3)契約関心度、(4)商品知識度、(5)生活パターン、(6)コミュニケーション柔軟性、(7)音声依存度、の各特徴を判定するためのデータである。
より具体的には、(1)のプライスセンシビリティの度合いが高いか低いかを判定するユーザ特徴判定ルールデータは、料金に関するウェブページを繰り返し閲覧しているユーザが、プライスセンシビリティの度合いが高いユーザであると特定するためのデータである。例えば、このルールデータには、アクセス元のウェブページに表示されたボタンのうち料金に関するウェブページへアクセスするための遷移ボタンの識別情報と、料金に関するウェブページからアクセス元のウェブページへ戻るための遷移ボタンの識別情報と、料金に関するウェブページに表示された料金内訳の詳細ページへアクセスするための遷移ボタンの識別情報と、各遷移ボタンが押下された場合のポイント数、プライスセンシビリティ判定アルゴリズムなどが格納される。
【0033】
また、(2)ITスキルの度合いが高いか低いかを判定するユーザ特徴判定ルールデータは、入力カラムに対して文字入力する際の入力時間が早いユーザをITスキルの度合いが高いユーザであると特定するためのデータである。例えば、このルールデータには、ITスキルを判定するための入力カラムが含まれるウェブページの識別情報や、入力時間の計算などのITスキル判定アルゴリズムや、入力時間が短いと判断するための入力時間の閾値(当該閾値以下の入力時間である場合にITスキルの度合いが高いと判断される)などが格納される。
【0034】
また、(3)契約関心度の度合いが高いか低いかを判定するユーザ特徴判定ルールデータは、契約に関するウェブページを長く閲覧しているユーザが、契約関心度(商品やサービスなどの契約事項への関心度)の度合いが高いユーザであると特定するためのデータである。例えば、このルールデータには、契約に関するウェブページの識別情報と、そのウェブページにフォーカスが当たっている(端末8上でマウス等によりウェブページが選択されている状態)閲覧時間を算出するためのアルゴリズムと、契約関心度の度合いが高いと判断するための閲覧時間の閾値(当該閾値以上の閲覧時間である場合に契約関心度の度合いが高いと判断される)などが格納される。
【0035】
また、(4)商品知識度の度合いが高いか低いかを判定するユーザ特徴判定ルールデータは、商品リストからの購入対象商品を選択し購入手続を完了するまでの時間が短いユーザが、商品知識度の度合いが高いユーザであると特定するためのデータである。例えば、このルールデータには、商品リストのウェブページの識別情報と、商品購入ボタンの識別情報とを、商品リストのウェブページがフォーカスされた時刻から商品購入ボタンが押下された時刻までの購入決定時間を算出するアルゴリズム(商品購入ボタンが押下された時刻−商品リストのウェブページがフォーカスされた時刻)などが格納される。
【0036】
また、(5)生活パターンがどのようなパターンかを判定するユーザ特徴判定ルールデータは、ユーザが選択した希望日の曜日や時間(例えば商品購入であれば商品送付希望日の曜日や配送時間)からユーザの生活パターン(平日型/休日型、在宅時間など)を特定するためのデータである。例えばこのルールデータには、希望日情報取得指示や、生活パターン判定アルゴリズムが格納される。
【0037】
また、(6)コミュニケーション柔軟性の度合いが高いか低いかを判定するユーザ特徴判定ルールデータは、ウェブページ運用会社の担当者からの連絡の可否や、連絡手段の選択内容からユーザのコミュニケーション柔軟性の度合いが高いか低いかを特定するためのデータである。例えば、このルールデータには、コミュニケーション柔軟性が高いと判定される入力欄の識別情報や、コミュニケーション柔軟性が低いと判定される力欄の識別情報や、コミュニケーション柔軟性の判定アルゴリズムが格納される。
【0038】
また、(7)音声依存度の度合いが高いか低いかを判定するユーザ特徴判定ルールデータは、ウェブページを構成する音声ガイダンスボタンが押下されることによりウェブサーバ1から送信され端末8がスピーカへ出力する音声ガイダンスの利用頻度が、高いか低いかを判定するためのデータである。例えば、このルールデータには、音声ガイダンスボタンの識別情報と、この音声ガイダンスボタンが押下された回数が閾値よりも多いか少ないかに基づいて音声依存度が高いか低いかを判定する音声依存度判定アルゴリズムなどが格納される。
【0039】
図6はウェブページを利用するユーザのプライスセンシビリティの判定概要を示す図である。
ユーザ特徴判定部31は、ウェブページを利用するユーザのプライスセンシビリティの判定開始を検出すると、ある1人のユーザの操作履歴情報(より具体的には、1アクセスの操作履歴情報)を読み取って、料金に関するウェブページへアクセスする遷移ボタンが表示されるアクセス元のウェブページの当該遷移ボタンの識別情報と、料金に関するウェブページに表示されるアクセス元のウェブページに戻るための遷移ボタンの識別情報が、所定の時間内に所定の閾値で示される回数以上、操作履歴情報に出現するかを判定する。それら2つの遷移ボタンの押下が所定の時間内に所定の閾値で示される回数以上、操作履歴情報に出現する場合には、アクセス元のウェブページと、アクセス先の料金に関するウェブページとの間でウェブページの閲覧を切り替えて、料金に関するウェブページを詳しく閲覧していると判断できる。従ってユーザ特徴判定部31は、操作の状態に応じて当該ユーザにポイント数を付与し、例えばプライスセンシビリティ判定結果テーブルにユーザの利用する端末IDに対応付けてポイント数を記録する。また料金に関するウェブページに表示された料金内訳の詳細ページへアクセスするための遷移ボタンの種別情報が、操作履歴情報に出現する場合にもポイントを付与し、例えばプライスセンシビリティ判定結果テーブルにユーザの利用する端末IDに対応付けてポイント数を記録する。そして、この処理をウェブページにアクセスした全てのユーザに対して行う。そして、ユーザ特徴判定部31は、ポイント範囲毎(例えば0ポイント〜100ポイント、101ポイント〜201ポイント・・・)に、当該ポイント範囲内のポイントが付与されたユーザの延べ人数をカウントする。例えば、0〜100ポイントが付与されたユーザの延べ人数を算出し、101〜200ポイントが付与されたユーザの述べ人数算出し、またこのようにポイント範囲毎のユーザ延べ人数を順次算出して、図6(b)で示すようなグラフを生成できるデータを生成する。
【0040】
そして、所定のポイント閾値以上のポイントの付与されたユーザを、プライスセンシビリティの度合いの高いユーザと判定して、例えばその情報をユーザの利用する端末のIDに対応付けてプライスセンシビリティ判定結果テーブルに登録する。また所定のポイント未満のポイントの付与されたユーザをプライスセンシビリティの度合いの低いユーザと判定してその情報を例えばユーザの利用する端末のIDに対応付けてプライスセンシビリティ判定結果テーブルに登録するようにしてもよい。これらの処理はユーザ特徴判定ルールデータに記録されているユーザ判定アルゴリズムに基づいて行われる。ユーザ特徴判定部31は、指示を受け付けた場合には、プライスセンシビリティ判定結果テーブルに登録されている情報に基づいて、図6(b)で示すようなグラフを生成してモニタ等へ出力する。なおポイントの付与アルゴリズムについては、例えば、料金関するウェブページが1つ操作履歴情報内に出現すると100ポイント加算、アクセス元のウェブページへ遷移する遷移ボタンが1つ操作履歴情報内に出現すると100ポイント加算、さらに、料金内訳の詳細ページへアクセスするための遷移ボタンが1つ操作履歴情報内に出現すると150ポイント加算、などといったポイントの付与の処理を行う。
【0041】
図7はウェブページを利用するユーザのITスキルの判定概要を示す図である。
ユーザ特徴判定部31は、ウェブページを利用するユーザのITスキルの判定開始を検出すると、ある1人のユーザの操作履歴情報を読み取って、例えば、当該操作履歴情報から、ITスキル判定用の入力カラムが表示される契約者情報入力ページにおいて、当該入力カラムにユーザ入力した文字列の最初の文字が入力された時刻Aと、当該文字列の最後の文字列が入力された時刻Bとを読み取る。そして、{(時刻B−時刻A)÷文字列に含まれる文字数}によって1文字の入力時間を計算する。そしてユーザ特徴判定部31は、この入力時間の範囲毎にユーザの人数をカウントする。例えば、1文字の入力時間がaミリ秒〜aミリ秒の人数を算出し、また1文字の入力時間がbミリ秒〜bミリ秒の人数を算出し、このような入力時間の範囲毎のユーザの人数を順次算出して、図7(b)で示すようなグラフを生成できるデータを生成する。
【0042】
そして、所定の入力時間以上のユーザを、ITスキルの度合いの高いユーザと判定して、その情報を例えばユーザの利用する端末のIDに対応付けてITスキル判定結果テーブルに登録する。また所定の入力時間未満のユーザをITスキルの度合いの低いユーザと判定してその情報を例えばユーザの利用する端末のIDに対応付けてITスキル判定結果テーブルに登録するようにしてもよい。これらの処理はユーザ特徴判定ルールデータに格納されたITスキル判定アルゴリズムに基づいて行われる。ユーザ特徴判定部31は、指示を受け付けた場合には、ITスキル判定結果テーブルに登録されている情報に基づいて、図7(b)で示すようなグラフを生成してモニタ等へ出力する。
なお、このほか、図7(a)で示すように、ITスキルの度合い判定するための入力カラムとして、性と名の2つの入力カラムがウェブ上で指定されている場合において、ユーザ特徴判定部31は、それぞれの入力カラムに入力された最初の文字の入力時刻cと最後の文字の入力時刻cとを操作履歴情報から読み取る。そして、ユーザ特徴判定部31は、Σ(c−c)の計算式によって、姓と名の2つの入力カラムに契約者氏名の文字列が入力される入力時間の総和を算出して、当該入力時間の閾値との比較によってITスキルの度合いを判定してもよい。
また、入力カラムへの入力時刻ではなく、性と名の2つの入力カラムがウェブ上で指定されている場合において、ユーザ特徴判定部31は、それぞれの入力カラムにカーソルがフォーカスされた時刻dとフォーカスが外れた時刻dとを操作履歴情報から読み取る。そして、ユーザ特徴判定部31は、Σ(d−d)の計算式によって、姓と名の2つの入力カラムに契約者氏名の文字列が入力される入力時間の総和を算出して、当該入力時間の閾値との比較によってITスキルの度合いを判定してもよい。
【0043】
図8はウェブページを利用するユーザの契約関心度の判定概要を示す図である。
ユーザ特徴判定部31は、ウェブページを利用するユーザの契約関心度の判定開始を検出すると、ある1人のユーザの操作履歴情報を読み取って、例えば、当該操作履歴情報から、契約関心度判定用のウェブページの識別情報に対応付けられて記録されている当該ウェブページにフォーカスが当たった時刻eと、フォーカスが外れた時刻eとを読み取る。そして、ユーザ特徴判定部31は、Σ(e−e)の計算式によって、契約関心度判定用のウェブページがフォーカスされることにより閲覧された時間の総和を算出し、当該閲覧時間の閾値と比較する。そしてユーザ特徴判定部31は、閲覧時間が閾値より長ければ契約関心度が高いと判定し、閲覧時間が閾値より短ければ契約関心度が高いと判定し、その判定結果と入力時間とを例えばユーザの利用する端末のIDに対応付けて契約関心度判定結果テーブルに登録する。これらの処理はユーザ特徴判定ルールデータに格納された契約関心度判定アルゴリズムに基づいて行われる。ユーザ特徴判定部31は、指示を受け付けた場合には、契約関心度判定結果テーブルに登録されている情報に基づいて、図8(b)で示すようなグラフを生成してモニタ等へ出力する。
【0044】
図9はウェブページを利用するユーザの商品知識度の判定概要を示す図である。
ユーザ特徴判定部31は、ウェブページを利用するユーザの商品知識度の判定開始を検出すると、ある1人のユーザの操作履歴情報を読み取って、当該操作履歴情報から、商品知識度判定用のウェブページ(例えば商品リストが表示されるウェブページと、その商品リストのうちの何れかの商品の購入決定ボタンが表示されるウェブページ)の識別情報に対応付けて記録されている時刻を読み取る。商品リストが表示されるウェブページの識別情報に対応付けられて記録されている時刻fは、当該ウェブページの表示開始時刻であり、また、購入決定ボタンが表示されるウェブページの識別情報に対応付けられて記録されている時刻は、当該ウェブページの購入決定ボタンが押下(クリック)された時刻fである。ユーザ特徴判定部31は、(f−f)の計算式によって、商品リストを表示してから商品が購入されるまでの購入決定時間を算出し、当該購入決定時間と閾値を比較する。そしてユーザ特徴判定部31は、購入決定時間が閾値より長ければ商品知識度が高いと判定し、購入決定時間が閾値より短ければ商品知識度が高くないと判定し、その判定結果と購入決定時間とを例えばユーザの利用する端末のIDに対応付けて商品知識度判定結果テーブルに登録する。これらの処理はユーザ特徴判定ルールデータに格納された商品知識度判定アルゴリズムに基づいて行われる。ユーザ特徴判定部31は、指示を受け付けた場合には、商品知識度判定結果テーブルに登録されている情報に基づいて、図9(b)で示すようなグラフを生成してモニタ等へ出力する。
【0045】
図10は生活パターンの判定用のウェブページを示す図である。
図11はウェブページを利用するユーザの生活パターンの判定概要を示す図である。
ユーザ特徴判定部31は、ウェブページを利用するユーザの生活パターンの判定開始を検出すると、ある1人のユーザの操作履歴情報や入力内容情報を読み取って、当該操作履歴情報や入力内容情報から、図10で示すような生活パターン判定用のウェブページ(例えば工事日選択画面のウェブページ)の識別情報に対応付けられて記録されている選択された工事日の曜日、工事の時間帯、または工事日相談の有無の情報を読み取る。そして、ユーザ特徴判定部31は、曜日が平日(月〜金)を示す場合、当該工事日の指定を行ったユーザを平日型判定し、また曜日が休日(土,日,祝日を)示す場合、当該工事日の指定を行ったユーザを休日型と判定する。またユーザ特徴判定部31は、選択された工事の時間帯を判定し、当該時間帯によって在宅時間の判定を行う。またユーザ特徴判定部31は、選択された工事日相談有無の情報に基づいて生活パターンが不確定かどうかを判定する(工事日相談が無い場合には生活パターンが確定であると判定し、工事日相談がある場合には生活パターンが不確定であると判定する)。そしてユーザ特徴判定部31は、それらの判定結果の情報を例えばユーザの利用する端末のIDに対応付けて生活パターン判定結果テーブルに登録する。これらの処理はユーザ特徴判定ルールデータに格納された生活パターン判定アルゴリズムに基づいて行われる。ユーザ特徴判定部31は、指示を受け付けた場合には、商品知識度判定結果テーブルに登録されている情報に基づいて、図9(b)で示すようなグラフを生成してモニタ等へ出力する。なお、ユーザ特徴判定部31は、生活パターン判定用のウェブページへのアクセス開始時刻とアクセス終了時刻を操作履歴情報から読み取って、その時間帯から、在宅時間を判定するようにしてもよい。
【0046】
図12はウェブページを利用するユーザのコミュニケーション柔軟性の判定概要を示す図である。
ユーザ特徴判定部31は、ウェブページを利用するユーザのコミュニケーション柔軟性の判定開始を検出すると、ある1人のユーザの操作履歴情報や入力内容情報を読み取る。そして、ユーザ特徴判定部31は、当該操作履歴情報や入力内容情報から、図12(b)で示すようなコミュニケーション柔軟性判定用のウェブページ(例えば連絡手続画面のウェブページ)の識別情報に対応付けられて記録されている、選択された連絡手段の種別情報を読み取る。そして、ユーザ特徴判定部31は、連絡手段が「電子メール」であればコミュニケーション柔軟性を「低」と判定し、また連絡手段が「電話」であればコミュニケーション柔軟性を「中」と判定し、連絡手段について「どちらでもよい」という項目を選択している場合にはコミュニケーション柔軟性を「高」と判定する。そしてユーザ特徴判定部31は、それらの判定結果の情報を例えばユーザの利用する端末のIDに対応付けてコミュニケーション柔軟性判定結果テーブルに登録する。これらの処理はユーザ特徴判定ルールデータに格納されたコミュニケーション柔軟性判定アルゴリズムに基づいて行われる。ユーザ特徴判定部31は、指示を受け付けた場合には、コミュニケーション柔軟性判定結果テーブルに登録されている情報に基づいて、図12(c)で示すような判定結果を表示するグラフを生成してモニタ等へ出力する。
【0047】
図13はウェブページを利用するユーザの音声依存度の判定概要を示す図である。
ユーザ特徴判定部31は、ウェブページを利用するユーザの音声依存度の判定開始を検出すると、ある1人のユーザの操作履歴情報を読み取って、当該操作履歴情報から、図13(b)で示すようなコミュニケーション柔軟性判定用のウェブページ(例えば連絡手続画面のウェブページ)の識別情報に対応付けられて記録されている、当該ウェブページ上の音声機能ボタンのクリック回数を検出する。この音声機能ボタンは、クリックすることによりウェブページのガイダンス音声を端末8が出力するための機能である。なお音声ガイダンスのデータはウェブサーバ1から端末8へ送信され、当該端末8が音声出力部から出力する。そして、ユーザ特徴判定部31は、当該回数が閾値よりも多い場合には音声依存度を「高」と判定し、それら判定結果と、操作履歴情報における音声機能ボタンの識別情報の検出回数(クリック回数)とを、例えばユーザの利用する端末のIDに対応付けて音声依存度判定結果テーブルに登録する。これらの処理はユーザ特徴判定ルールデータに格納された音声依存度判定アルゴリズムに基づいて行われる。ユーザ特徴判定部31は、指示を受け付けた場合には、音声依存度判定結果テーブルに登録されている情報に基づいて、図13(c)で示すような音声依存度の判定結果を表示するグラフを生成してモニタ等へ出力する。なおこのグラフは、音声機能ボタンのクリック回数(音声機能利用回数)ごとのユーザ人数を示している。
【0048】
以上のように、ユーザ特徴判定部31は、ユーザそれぞれの特徴を判定して各データテーブルへ格納する。そして、そのユーザ特徴を示す各データテーブルからなるユーザ特徴情報をユーザプロファイルDB装置7へ出力し、ユーザプロファイルDB連携部71が、そのユーザ特徴情報をユーザプロファイルDBへ格納する。また、ユーザ特徴判定部31は、入力内容DB連携部61から受信した入力内容情報をユーザプロファイルDB装置7へ出力し、ユーザプロファイルDB連携部71が、それら入力内容情報をユーザプロファイルDBへ格納する。なお、上述のユーザ特徴判定部31が行うユーザ特徴の判定処理は、これに限らず、他の方法によって様々なユーザ特徴の判定処理を行うようにしてよい。そして、ウェブページを利用するユーザの特徴を示すユーザ特徴情報がユーザプロファイルDB装置7へ順次蓄積されていき、その後、ユーザ動向分析部41が、ユーザプロファイルDB装置7に蓄積されているユーザ特徴情報を用いて、ウェブページを利用するユーザの動向を分析する。
【0049】
本実施形態のユーザ動向分析処理では、(A)ユーザの離脱(閲覧の中止)に関する動向が見られる操作対象のウェブページを判定する処理(以下、離脱動向判定処理とする)、(B)ユーザの操作の迷いによる反復操作に関する動向が見られる操作対象のウェブページを判定する処理(以下、迷い動向箇所判定処理とする)、(C)ユーザの離脱の原因に関する動向が見られる操作対象のウェブページを判定する処理(以下、離脱原因判定処理とする)、のそれぞれの場合のユーザ動向分析処理について説明する。
【0050】
(A)離脱動向判定処理について
図14はユーザ動向分析処理の処理フローを示す第1の図である。
WebAP分析システム4のユーザ動向分析部41は、ユーザプロファイルDB装置7へ、ユーザ特徴情報と、入力内容情報と、ユーザ属性情報との送信要求を行い、また、操作履歴DB装置5へ操作履歴情報の送信要求を行う(ステップS301)。これにより、ユーザプロファイルDB装置7はWebAP分析システム4へ、それらユーザ特徴情報と、入力内容情報と、ユーザ属性情報とを送信し、また、操作履歴DB装置はWebAP分析システム4へ、操作履歴情報を送信する。そして、WebAP分析システム4のユーザ動向分析部41は、離脱動向判定処理の開始の指示を受け付けると(ステップS302)、当該離脱動向判定処理を示すユーザ動向分析ルールから離脱動向判定アルゴリズム(ユーザ動向分析アルゴリズム)を読み出し(ステップS303)、当該アルゴリズムに基づいて以下の処理を開始する。まずユーザ動向分析部41は、操作履歴情報から、あるユーザの最終操作オブジェクト(ボタンやカラム)の識別情報を読み取って(ステップS304)、その操作オブジェクトによって構成されるウェブページIDを、操作オブジェクトとそれにより構成されるウェブページのIDの対応関係を示すデータテーブルから取得する(ステップS305)。そして、このウェブページIDのウェブページが示す種別情報(例えば、価格関連ウェブページ、契約関連ウェブページ、商品表示ウェブページなど)を読み取る(ステップS306)。なお、ユーザ動向分析部41は、分析対象のウェブページ以外のページにアクセスされたときに離脱したと判断し、その際の分析対象のウェブページ内の最後の操作オブジェクトを検出する。
【0051】
そして、ユーザ動向分析部41は、あるユーザの最終操作オブジェクトを構成するウェブページ、つまり離脱箇所となるウェブページの種別情報の出現割合(操作履歴情報における他の全ての最終操作オブジェクトの数に対する出現割合)を算出する(ステップS307)。ユーザ動向分析部41は、それらウェブページの種別情報と、離脱箇所となる割合とを、動向分析情報として、ユーザの利用する端末8のIDとに対応付けて、自装置の備えた記憶部内の離脱動向判定結果テーブルに記録する(ステップS308)。ユーザ動向分析部41は、出力要求を受け付けた場合には、離脱箇所を示す各ウェブページの種別情報ごとの出現割合(操作履歴情報における他の全ての最終操作オブジェクトの数に対する出現割合)を、ユーザ毎に出力するようにしてもよい。
【0052】
またユーザ動向分析部41は、ある特定のユーザ特徴を持つユーザについてのみ、離脱動向判定処理を行うようにしてもよい。この場合、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴の識別情報と、当該ユーザ特徴の度合い「高」の情報と、離脱動向判定処理の開始の指示を受け付ける。すると、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴識別情報で示される判定結果テーブルをユーザ特徴データから読み取り、その判定結果テーブル内に格納されているユーザのうち、ユーザ特徴の度合いが高いことを共通に示しているユーザの利用する端末8のIDを読み取る。そして、その端末8のIDに基づいて、ユーザ毎の離脱動向判定処理を上述と同様に行う。これにより、ユーザ特徴がITスキル、ユーザ特徴の度合い「高」である場合には、ITスキルが高いユーザについての離脱動向判定処理を行うことができ、ITスキルの高いユーザが離脱する箇所のウェブページの種別を判定することができる。
なお、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴が共通するユーザの利用する端末8のIDに基づいて、特徴を同じにするユーザグループが示す離脱動向判定処理を行う代わりに、別途取得した属性情報が同じユーザの利用する端末8のIDに基づいて、当該属性情報を同じにするユーザグループが示す離脱動向判定処理を行うようにしてもよい。またユーザ動向分析部41は、取得した入力内容情報が同じユーザの利用する端末8のIDに基づいて、入力内容情報を同じにするユーザグループが示す離脱動向判定処理を行うようにしてもよい。
【0053】
(B)迷い動向箇所判定処理について
図15はユーザ動向分析処理の処理フローを示す第2の図である。
WebAP分析システム4のユーザ動向分析部41は、迷い動向箇所判定処理の開始の指示を受け付けると(ステップS401)、当該迷い動向箇所判定処理を示すユーザ動向分析ルールから離脱動向判定アルゴリズム(ユーザ動向分析アルゴリズム)を読み出し(ステップS402)、当該アルゴリズムに基づいて以下の処理を開始する。まずユーザ動向分析部41は、操作履歴情報から、ウェブサーバ1と端末8の間の同一セッションにおける、あるユーザのウェブページ操作に関する操作オブジェクト(ボタンやカラムまたはウェブページ自体)の識別情報を読み取る(ステップS403)。そしてユーザ動向分析部41はその操作オブジェクトの識別情報のうち、所定の回数以上出現する操作オブジェクトの識別情報が複数検出できるかを判定する(ステップS404)。そして、ユーザ動向分析部41は、所定の回数以上出現する操作オブジェクトの識別情報が複数検出できる場合には、それらの操作オブジェクトを構成するウェブページ間でユーザが反復閲覧していると判定する(ステップS405)。例えば、商品価格のウェブページと、商品詳細説明のウェブページの識別情報が所定の回数以上同一セッションにおける操作履歴情報内から検出した場合、ユーザは、商品価格と商品詳細説明とを反復閲覧して商品の購入を迷っていると判定することができる。そしてユーザ動向分析部41は、所定の回数以上同一セッションにおける操作履歴情報内から検出した複数のウェブページの識別情報を、迷い動向箇所情報(動向分析情報)として、ユーザの利用する端末8のIDとに対応付けて、自装置の備えた記憶部内の迷い動向箇所判定結果テーブルに記録する(ステップS406)。
【0054】
またユーザ動向分析部41は、あるユーザに関する迷い動向箇所情報を迷い動向箇所判定結果テーブルに蓄積した後、当該迷い動向箇所が示すウェブページの識別情報から、当該ウェブページの種別を検出する。そして、その種別によって、ユーザがウェブページの閲覧において迷う可能性のある、当該ウェブページの種別を特定する。例えば、あるユーザが商品Xの価格を表示するウェブページと、商品Yの価格を表示するウェブページとの間で所定の回数以上反復閲覧しており、商品Xの価格を表示するウェブページと、商品Zの価格を表示するウェブページとの間で所定の回数以上反復閲覧しているような場合、商品の種別によらず、当該ユーザは、価格に関するウェブページで迷い動向(反復閲覧)を行う傾向があると判定することができる。
【0055】
またユーザ動向分析部41は、ある特定のユーザ特徴を持つユーザについてのみ迷い動向箇所判定処理を行うようにしてもよい。例えば、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴の識別情報と、当該ユーザ特徴の度合い「低」の情報と、迷い動向箇所判定処理の開始の指示を受け付ける。すると、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴識別情報で示される判定結果テーブルをユーザ特徴データから読み取り、その判定結果テーブル内に格納されているユーザのうち、ユーザ特徴の度合いが低いユーザの利用する端末8のIDを読み取る。そして、その端末8のIDに基づいて、ユーザ毎の迷い動向箇所判定処理を上述と同様に行う。これにより、ユーザ特徴がITスキル、ユーザ特徴の度合い「低」である場合には、ITスキルが低いユーザについての迷い動向箇所判定処理を行うことができ、ITスキルの低いユーザが迷い動向を示す箇所のウェブページの種別を判定することができる。
なお、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴が共通するユーザの利用する端末8のIDに基づいて、特徴を同じにするユーザグループが示す迷い動向箇所判定処理を行う代わりに、別途取得した属性情報が同じユーザの利用する端末8のIDに基づいて、当該属性情報を同じにするユーザグループが示す迷い動向箇所判定処理を行うようにしてもよい。またユーザ動向分析部41は、取得した入力内容情報が同じユーザの利用する端末8のIDに基づいて、入力内容情報を同じにするユーザグループが示す迷い動向箇所判定処理を行うようにしてもよい。
【0056】
(C)離脱原因判定処理について
図16はユーザ動向分析処理の処理フローを示す第3の図である。
WebAP分析システム4のユーザ動向分析部41は、離脱原因判定処理の開始の指示を受け付けると(ステップS501)、当該離脱原因判定処理を示すユーザ動向分析ルールから離脱原因判定処理アルゴリズム(ユーザ動向分析アルゴリズム)を読み出し(ステップS502)、当該アルゴリズムに基づいて以下の処理を開始する。まずユーザ動向分析部41は、あるユーザの操作履歴情報から、同一セッションにおける最終n個の操作オブジェクトを抽出する(ステップS503)。そして、その最終n個の操作オブジェクトのうち、最後の操作オブジェクトの種別と同一の種別が、連続して最後まで所定の回数以上操作され(ステップS504)、かつ、それら同一の種別の操作オブジェクトがそれぞれ1回以上出現せず(反復閲覧がない)(ステップS505)、また、当該連続する同一種別の操作オブジェクトの最初の操作時刻から最後の操作オブジェクトの操作時刻までの時間で示される閲覧時間が基準閾値を超えるかを判定する(ステップS506)。そして全てYesの場合、ユーザ動向分析部41は、当該ウェブページの種別によって特定される原因によって、ユーザが離脱したと判定する(ステップS507)。つまり、例えば、ユーザが「操作開始(時刻t0)・・・ → 商品リストページの商品Xの機能閲覧ボタン(t1)→ 機能詳細閲覧ボタン(t2)→ 機能詳細ウィンドスクロール(t3)→ 機能詳細ウィンドスクロール(t4) → ブラウザ・クローズボタン(最終操作)=離脱(t5)」という操作である場合、最後のt2〜t5までの操作における操作オブジェクトは全て種別が「商品Xの機能」である。そして、「t5−t2」の算出により得られた商品Xの機能に関する閲覧時間が所定の閾値以上である場合、商品Xの機能について時間をかけて閲覧したにもかかわらず操作を終了していることが分かる。従って、このような場合、ユーザ動向分析部41は、ユーザの離脱原因が、商品Xの機能であると判定する。そしてユーザ動向分析部41は、離脱原因であると判定した操作オブジェクトの種別情報を動向分析情報として、端末8のIDとに対応付けて、自装置の備えた記憶部内の離脱原因判定結果テーブルに記録する(ステップS508)。
【0057】
またユーザ動向分析部41は、ある特定のユーザ特徴を持つユーザについてのみ離脱原因判定処理を行うようにしてもよい。例えば、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴の識別情報と、当該ユーザ特徴の度合い「高」の情報と、離脱原因判定処理の開始の指示を受け付ける。すると、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴識別情報で示される判定結果テーブルをユーザ特徴データから読み取り、その判定結果テーブル内に格納されているユーザのうち、ユーザ特徴の度合いが高いユーザの利用する端末8のIDを読み取る。そして、その端末8のIDに基づいて、当該特徴を示すユーザの離脱原因判定処理を上述と同様に行う。これにより、ユーザ特徴がITスキル、ユーザ特徴の度合い「高」である場合には、ITスキルが高いユーザについての離脱原因判定処理を行うことができ、ITスキルの高いユーザのウェブページにおける離脱原因を判定することができる。
なお、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴が共通するユーザの利用する端末8のIDに基づいて、特徴を同じにするユーザグループが示す離脱原因判定処理を行う代わりに、別途取得した属性情報が同じユーザの利用する端末8のIDに基づいて、当該属性情報を同じにするユーザグループが示す離脱原因判定処理を行うようにしてもよい。またユーザ動向分析部41は、取得した入力内容情報が同じユーザの利用する端末8のIDに基づいて、入力内容情報を同じにするユーザグループが示す離脱原因判定処理を行うようにしてもよい。
【0058】
<決定木アルゴリズムの利用>
ユーザ動向分析部41は決定木アルゴリズムを利用して、図17(決定木アルゴリズムによる分析結果を示す図)で示すように、決定木グラフを生成して、ウェブページの利用に関するユーザの動向や嗜好や属性を判定するようにしてもよい。例えば、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴データや、操作履歴情報や、ユーザ動向分析部41による判定処理結果や、ユーザの属性情報や、入力内容情報に基づいて、決定木アルゴリズムを用いて、ウェブページを利用して商品を購入したユーザや、商品を購入しなかったユーザが、どのような特徴を示すユーザなのか、どのような属性を示すユーザなのか、どのような動向を示すユーザなのか、どのようなウェブページ上の操作・選択を行ったユーザなのか、等を判定することができる。
つまり、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴と、操作履歴情報と、ユーザの属性情報と、入力内容情報と、決定木アルゴリズムとを用いて、目的達成に影響を与えた操作履歴情報、ユーザ特徴、ユーザの属性情報、入力内容情報のいずれかと、目的達成に影響を与えない操作履歴情報、ユーザ特徴、ユーザの属性情報、入力内容情報のいずれかとの決定木グラフを生成する。
<バスケット分析アルゴリズムの利用>
またユーザ動向分析部41はバスケット分析アルゴリズムを利用して、図18(バスケット分析アルゴリズムによる分析結果を示す図)で示すように、ウェブページの利用に関するユーザの動向や嗜好や属性の相関を判定するようにしてもよい。例えば、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴データや、操作履歴情報や、ユーザ動向分析部41による判定処理結果や、ユーザの属性情報や、入力内容情報に基づいて、バスケット分析アルゴリズムを用いて、ウェブページを利用して商品を購入したユーザや、商品を購入しなかったユーザが、どのような特徴を示すユーザと相関するのか、どのような属性を示すユーザと相関するのか、どのような動向を示すユーザと相関するのか、どのようなウェブページ上の操作・選択を行ったユーザと相関するのか、等を判定することができる。
つまり、ユーザ動向分析部41は、ユーザ特徴と、操作履歴情報と、ユーザの属性情報と、入力内容情報と、バスケット分析アルゴリズムとを用いて、それらユーザ特徴と操作履歴情報とユーザの属性情報と入力内容情報との相関を示すバスケット分析結果グラフを生成する。
【0059】
以上、本実施形態について説明したが、上述の処理によれば、ウェブページのユーザ操作に基づいて、「ユーザの特徴」を自動的に推定できることによって、効率的にユーザに関する情報が収集を行うことができ、またそれらの蓄積や、統計用データとして利用することが容易にできる。
また上述の処理によれば、人による推定よりも詳細な「ユーザの特徴」が推定でき、従来では得られない詳細なユーザ動向を得ることによって、ウェブページのユーザビリティ評価の精度向上やダイレクトマーケティングの有効性向上を図ることができる。
また上述の処理によれば、人による推定よりも詳細な「ユーザ特徴」が推定できることによって、その詳細な「ユーザの特徴」またはそれを含む「ユーザプロファイル情報」を用いて、一般的なデータマイニング手法によりコンテンツ分析をし、これにより、従来の分析手法に比べて詳細な分析結果を得ることができる。
以上から、よりターゲットを絞ったコンテンツの作成(ユーザに合った内容、提供方法、画面設計等)や、より効果的なダイレクトマーケティングが可能となる。
【0060】
なお、上述の各システムや装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0061】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0062】
1・・・ウェブサーバ
2・・・操作履歴取得システム
3・・・プロファイリングシステム
4・・・ウェブアプリケーション分析システム
5・・・操作履歴DB装置
6・・・入力内容DB装置
7・・・ユーザプロファイルDB装置
8・・・端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面情報を構成するオブジェクト毎の操作履歴情報を受信する操作履歴受信部と、
前記操作履歴情報が示す前記オブジェクトの種別、または当該オブジェクトの操作時刻、または当該オブジェクトの操作回数、または当該オブジェクトに対する操作種別の少なくとも何れか1つと、前記画面情報を利用するユーザの特徴を判定するユーザ特徴判定アルゴリズムと、に基づいて、前記画面情報のユーザ特徴を判定するユーザ特徴判定部と、
を備えることを特徴とするユーザ特徴と利用動向の分析システム。
【請求項2】
前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記ユーザそれぞれの動向分析情報を特定するユーザ動向分析部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のユーザ特徴と利用動向の分析システム。
【請求項3】
前記判定したユーザの特徴をユーザ毎に記憶するユーザ記憶部と、を備え、
前記ユーザ動向分析部は、前記判定したユーザの特徴を前記ユーザ記憶部から読み取って、当該特徴が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載のユーザ特徴と利用動向の分析システム。
【請求項4】
前記ユーザの属性情報をユーザ毎に記憶するユーザ記憶部と、を備え、
前記ユーザ動向分析部は、前記ユーザの属性情報を前記ユーザ記憶部から読み取って、当該属性情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記属性情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載のユーザ特徴と利用動向の分析システム。
【請求項5】
前記ユーザが入力した入力内容情報をユーザ毎に記憶するユーザ記憶部と、を備え、
前記ユーザ動向分析部は、前記入力内容情報を前記ユーザ記憶部から読み取って、当該入力内容情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記入力内容情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載のユーザ特徴と利用動向の分析システム。
【請求項6】
前記ユーザ動向分析部は、ユーザ特徴と、操作履歴情報と、ユーザの属性情報と、入力内容情報と、決定木アルゴリズムとを用いて、目的達成に影響を与えた前記操作履歴情報、ユーザ特徴、ユーザの属性情報、入力内容情報のいずれかと、目的達成に影響を与えない前記操作履歴情報、ユーザ特徴、ユーザの属性情報、入力内容情報のいずれかとの決定木グラフを生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のユーザ特徴と利用動向の分析システム。
【請求項7】
前記ユーザ動向分析部は、ユーザ特徴と、操作履歴情報と、ユーザの属性情報と、入力内容情報と、バスケット分析アルゴリズムとを用いて、それらユーザ特徴と操作履歴情報とユーザの属性情報と入力内容情報との相関を示すバスケット分析結果グラフを生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のユーザ特徴と利用動向の分析システム。
【請求項8】
ユーザ特徴と利用動向の分析システムにおける処理方法であって、
前記ユーザ特徴と利用動向の分析システムの操作履歴受信部が、画面情報を構成するオブジェクト毎の操作履歴情報を受信し、
前記ユーザ特徴と利用動向の分析システムのユーザ特徴判定部が、前記操作履歴情報が示す前記オブジェクトの種別、または当該オブジェクトの操作時刻、または当該オブジェクトの操作回数、または当該オブジェクトに対する操作種別の少なくとも何れか1つと、前記画面情報を利用するユーザの特徴を判定するユーザ特徴判定アルゴリズムと、に基づいて、前記画面情報のユーザ特徴を判定する
ことを特徴とする処理方法。
【請求項9】
前記ユーザ特徴と利用動向の分析システムのユーザ動向分析部が、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記ユーザそれぞれの動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項8に記載の処理方法。
【請求項10】
前記ユーザ動向分析部は、前記判定したユーザの特徴をユーザ記憶部から読み取って、当該特徴が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項9に記載の処理方法。
【請求項11】
前記ユーザ動向分析部は、前記ユーザの属性情報をユーザ記憶部から読み取って、当該属性情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記属性情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項9に記載の処理方法。
【請求項12】
前記ユーザ動向分析部は、前記入力内容情報をユーザ記憶部から読み取って、当該入力内容情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記入力内容情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項9に記載の処理方法。
【請求項13】
ユーザ特徴と利用動向の分析システムのコンピュータを、
画面情報を構成するオブジェクト毎の操作履歴情報を受信する操作履歴受信手段、
前記操作履歴情報が示す前記オブジェクトの種別、または当該オブジェクトの操作時刻、または当該オブジェクトの操作回数、または当該オブジェクトに対する操作種別の少なくとも何れか1つと、前記画面情報を利用するユーザの特徴を判定するユーザ特徴判定アルゴリズムと、に基づいて、前記画面情報のユーザ特徴を判定するユーザ特徴判定手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを、さらに、
前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記ユーザそれぞれの動向分析情報を特定するユーザ動向分析手段、
として機能させることを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記ユーザ動向分析手段は、前記判定したユーザの特徴をユーザ記憶部から読み取って、当該特徴が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記ユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記ユーザ動向分析手段が、前記ユーザの属性情報をユーザ記憶部から読み取って、当該属性情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記属性情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項17】
前記ユーザ動向分析手段が、前記入力内容情報をユーザ記憶部から読み取って、当該入力内容情報が共通する複数のユーザの操作履歴情報と、前記入力内容情報が共通するユーザそれぞれの前記操作履歴情報で示される操作対象の前記オブジェクトの種別または前記操作履歴情報における出現頻度の少なくとも何れか1つと、前記ユーザ動向分析アルゴリズムとに基づいて、前記複数のユーザに関する動向分析情報を特定する
ことを特徴とする請求項14に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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