説明

ユーザ端末割付方法、通信システム及び管理サーバ

【課題】ユーザ端末をエッジルータに動的に割り付けることを目的とする。
【解決手段】複数のエッジルータに接続された管理サーバは、エッジルータに設定すべきユーザ情報を格納するユーザ情報記憶部と、エッジルータへのユーザ端末の収容状況を格納する収容状況記憶部と、複数のエッジルータのうち第1のエッジルータからユーザ端末の設定要求を受信する設定要求受信部と、前記収容状況記憶部に格納された収容状況に基づいて、当該ユーザ端末を収容する第2のエッジルータを選択するエッジルータ選択部と、当該ユーザ端末について前記ユーザ情報記憶部に格納されたユーザ情報を、前記第2のエッジルータに設定するユーザ情報設定部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末割付方法、通信システム及び管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが複数のエッジルータを含むネットワークへ加入する場合、ユーザは、いずれか1つのエッジルータにユーザ情報を設定することによりユーザ登録する。図1は、エッジルータにおけるユーザ登録を示す概念図である。ユーザ#1のユーザ契約情報は、加入時の登録先であるエッジルータ#1に保持される。また、ユーザ#2のユーザ契約情報は、加入時の登録先であるエッジルータ#2に保持される。ユーザ端末からの全てのサービスプロトコルの設定要求はユーザ登録したエッジルータのみで処理される(非特許文献1参照)。すなわち、ユーザ#1のユーザ端末からのプロトコル設定要求(PPP設定要求、DHCP設定要求、マルチキャスト設定要求等)は、エッジルータ#1で処理される。
【0003】
ユーザ契約情報はユーザ登録したエッジルータのみに設定されているため、通信を行うエッジルータを切り替える際は、再度切替先のエッジルータでユーザ登録を行う必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】LAN構築のテクニック−L3スイッチの冗長構成http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/NBY/techsquare/20040721/1/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、ユーザは、加入時に特定のエッジルータにユーザ登録する。すなわち、ユーザ毎にプロトコル設定を行うエッジルータが固定的に割付けられる。よって、エッジルータのユーザ収容率はユーザ加入時の登録先に依存するため、設備投資効率が低下する可能性がある。
【0006】
また、ユーザ毎にプロトコル設定を行うエッジルータが固定的に割付けされており、ユーザ情報をエッジルータ間で移動する方法がない。このため、ユーザ端末との通信を切り替えることができず、例えば、エッジルータの故障によりユーザ登録先を切り替える必要が出てきたときに、改めてユーザ情報を切替先のエッジルータに登録し直す必要がある。その結果、ユーザ端末のマルチキャスト視聴状態や、トンネルプロトコルのシーケンス番号等を引き継ぐことが出来ず、トラヒックロスが発生し、サービスが停止することになる。
【0007】
本発明は、ユーザ端末をエッジルータに動的に割り付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のユーザ端末割付方法は、
複数のエッジルータと、該複数のエッジルータに接続された管理サーバとを有する通信システムにおけるエッジルータへのユーザ端末割付方法であって、
前記管理サーバが、エッジルータに設定すべきユーザ情報をユーザ情報記憶部に格納するステップと、
前記管理サーバが、エッジルータへのユーザ端末の収容状況を収容状況記憶部に格納するステップと、
前記複数のエッジルータのうち第1のエッジルータが、ユーザ端末から設定要求を受信し、当該設定要求を前記管理サーバに送信するステップと、
前記管理サーバが、前記収容状況記憶部に格納された収容状況に基づいて、当該ユーザ端末を収容する第2のエッジルータを選択するステップと、
前記管理サーバが、当該ユーザ端末について前記ユーザ情報記憶部に格納されたユーザ情報を、前記第2のエッジルータに設定するステップと、
前記第2のエッジルータが、ユーザ情報を設定し、設定応答を当該ユーザ端末に送信するステップと、
を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の通信システムは、
複数のエッジルータと、該複数のエッジルータに接続された管理サーバとを有する通信システムであって、
前記複数のエッジルータのうち第1のエッジルータは、
ユーザ端末から設定要求を受信し、当該設定要求を前記管理サーバに送信する設定要求送受信部を有し、
前記管理サーバは、
エッジルータに設定すべきユーザ情報を格納するユーザ情報記憶部と、
エッジルータへのユーザ端末の収容状況を格納する収容状況記憶部と、
前記第1のエッジルータからユーザ端末の設定要求を受信する設定要求受信部と、
前記収容状況記憶部に格納された収容状況に基づいて、当該ユーザ端末を収容する第2のエッジルータを選択するエッジルータ選択部と、
当該ユーザ端末について前記ユーザ情報記憶部に格納されたユーザ情報を、前記第2のエッジルータに設定するユーザ情報設定部と、
を有し、
前記第2のエッジルータは、
設定応答を当該ユーザ端末に送信する設定応答送信部を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の管理サーバは、
複数のエッジルータに接続された管理サーバであって、
エッジルータに設定すべきユーザ情報を格納するユーザ情報記憶部と、
エッジルータへのユーザ端末の収容状況を格納する収容状況記憶部と、
複数のエッジルータのうち第1のエッジルータからユーザ端末の設定要求を受信する設定要求受信部と、
前記収容状況記憶部に格納された収容状況に基づいて、当該ユーザ端末を収容する第2のエッジルータを選択するエッジルータ選択部と、
当該ユーザ端末について前記ユーザ情報記憶部に格納されたユーザ情報を、前記第2のエッジルータに設定するユーザ情報設定部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザ端末をエッジルータに動的に割り付けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】エッジルータにおけるユーザ登録を示す概念図
【図2】本発明の実施例に係る通信システムの概念図
【図3】本発明の実施例に係るユーザ・網リソース管理サーバの機能ブロック図
【図4】網リソース記憶部及びユーザ契約情報記憶部に格納される情報の例
【図5】本発明の実施例に係るユーザ端末割付方法を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0014】
図2は、本発明の実施例に係る通信システムの概念図である。通信システムは、複数のエッジルータ#1〜#M(10〜10)と、ユーザ・網リソース管理サーバ20とを有する。通信システムは、ユーザ認証を行う認証サーバ、トンネリングプロトコルやユーザの動画視聴状態等のセッションを制御するセッション制御サーバ、映像のようなコンテンツを配信する配信サーバ、ユーザ端末のデータを他のネットワークに転送する中継ルータ等を含んでもよい。
【0015】
エッジルータ#1〜#M(10〜10)は、PPP(Point-to-Point Protocol)を用いたインターネットアクセス、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によるIP(Internet Protocol)アドレスの払い出し、マルチキャストによる映像配信といった様々なプロトコルを終端する。ユーザ#1、#2のユーザ端末は、Ethernet(登録商標)網等でエッジルータエッジルータ#1〜#M(10〜10)に接続される。
【0016】
ユーザ・網リソース管理サーバ20は、エッジルータのプロトコル毎のユーザ端末の収容状況(収容数、収容率等)のような網リソースを管理する。また、ユーザ・網リソース管理サーバ20は、ユーザ契約情報(ユーザ端末のアドレス、パケットフィルタ設定等)を管理する。ユーザ契約情報は、エッジルータ#1〜#M(10〜10)にユーザ情報を設定する際に用いられる情報であり、ユーザの契約時に入力される情報である。更に、ユーザ・網リソース管理サーバ20は、PPPセッション状態、マルチキャスト視聴状態等の複数のプロトコル状態を保持してもよい。
【0017】
本発明の実施例では、エッジルータ#1(10)を代表エッジルータとみなし、各ユーザ端末からのプロトコル設定要求(PPP設定要求、DHCP設定要求、マルチキャスト設定要求等)を代表して受信する(S101)。ユーザ端末がプロトコル設定要求を全てのエッジルータにブロードキャストした場合、代表エッジルータ#1(10)のみがプロトコル設定要求を受信し、他のエッジルータはプロトコル設定要求を破棄する。また、予め代表エッジルータ#1(10)が分かっている場合、ユーザ端末は、代表エッジルータ#1(10)のみにプロトコル設定要求を送信してもよい。ユーザ端末からのプロトコル設定要求を受信した代表エッジルータ#1(10)は、プロトコル設定要求をユーザ・網リソース管理サーバ20に送信する(S103)。
【0018】
ユーザ・網リソース管理サーバ20は、プロトコル種別、エッジルータのプロトコル毎のユーザ収容状況(収容数、収容率)、ユーザ契約情報に基づいて、プロトコル設定要求を処理するエッジルータを選択する。ここでは、エッジルータ#M(10)が選択されたものとする。そして、ユーザ・網リソース管理サーバ20は、選択したエッジルータ#M(10)に対してユーザ情報(コンフィグレーション)設定を行う(S105)。ユーザ情報設定は、ユーザ・網リソース管理サーバ20で管理されているユーザ契約情報を用いて、ユーザ・網リソース管理サーバ20からエッジルータ#M(10)に設定コマンドを送信することにより行われてもよい。このように、ユーザ情報とは、エッジルータに対して設定される情報を意味する。
【0019】
選択されたエッジルータ#M(10)は、ユーザ端末にプロトコル設定応答を送信する(S107)。このようにして、ユーザ端末と選択されたエッジルータ#M(10)との間で当該プロトコルの通信が行われる。
【0020】
なお、選択されたエッジルータ#M(10)の故障時には、ユーザ・網リソース管理サーバ20は、故障したプロトコル種別についてユーザ端末を収容するエッジルータの帰属関係に基づいて、別のエッジルータを選択し、ユーザ情報を再設定し、収容エッジルータの切り替えを行う。この場合、PPPセッション状態、マルチキャスト視聴状態が実行中であるユーザ端末のみを別のエッジルータに切り替えてもよい。そして、ユーザ情報画再設定されたエッジルータは、ユーザ端末に再設定通知を行い、ユーザ端末と通信する。
【0021】
ユーザ・網リソース管理サーバ20について更に詳細に説明する。
【0022】
図3は、本発明の実施例に係るユーザ・網リソース管理サーバ20の機能ブロック図である。ユーザ・網リソース管理サーバ20は、網リソース記憶部201と、ユーザ契約情報記憶部203と、プロトコル設定要求受信部211と、エッジルータ選択部213と、ユーザ情報設定部215と、エッジルータ故障検出部217とを有する。
【0023】
網リソース記憶部201は、図4(A)に示すように、エッジルータへのユーザ端末の収容状況を格納する。例えば、エッジルータ毎の収容数、収容率等を格納する。図4には収容率が示されている。また、エッジルータがどのユーザ端末を収容しているかを示す帰属関係(エッジルータ毎の収容ユーザ端末)を格納してもよい。エッジルータが複数のプロトコルを終端する場合、網リソース記憶部201は、プロトコル毎に収容状況を格納する。図4(A)に図示しないが、エッジルータと収容ユーザ端末との間のPPPセッション状態、マルチキャスト視聴状態等の複数のプロトコル状態を格納してもよい。図4(A)は、単なる一例であり、このような収容状況は、2つ以上のテーブルに格納されてもよい。
【0024】
ユーザ契約情報記憶部203は、図4(B)に示すように、ユーザ契約情報を格納する。ユーザ契約情報は、ユーザ端末のアドレス、パケットフィルタ設定等を含み、エッジルータにユーザ情報を設定する際に用いられる。なお、ユーザ契約情報がそのままユーザ情報として設定される場合もあり、ユーザ端末から見えない認証サーバのアドレス等がユーザ情報として設定される場合もある。
【0025】
プロトコル設定要求受信部211は、ユーザ端末のプロトコル設定要求を受信した代表エッジルータ#1(10)から、プロトコル設定要求を受信する。
【0026】
エッジルータ選択部213は、網リソース記憶部201に格納された収容状況に基づいて、プロトコル設定要求を送信したユーザ端末を収容するエッジルータを選択する。例えば、エッジルータ選択部213は、ユーザ端末の収容率が低い順にエッジルータを選択する。また、エッジルータが複数のプロトコルを終端する場合、仮にプロトコル設定要求に対応するプロトコルの収容率が低くても、他のプロトコルの収容率が高い場合には、複数のプロトコルの収容状況を総合的に判断して、エッジルータを選択する。エッジルータ選択部213は、エッジルータを選択した後に、網リソース記憶部201に格納された収容状況を更新し、収容状況を最新の状態に保持する。
【0027】
ユーザ情報設定部215は、プロトコル設定要求を送信したユーザ端末についてユーザ契約情報記憶部203に格納されたユーザ契約情報を、選択されたエッジルータに設定する。なお、設定応答は、代表エッジルータ#1(10)からではなく、選択されたエッジルータからユーザ端末に送信される。
【0028】
エッジルータ故障検出部217は、エッジルータの故障を検出する。例えば、エッジルータ故障検出部217は、エッジルータの故障時にエッジルータから送信された故障情報を受信することにより、エッジルータの故障を検出する。この場合、エッジルータ選択部213は、網リソース記憶部201に格納された収容状況に基づいて、故障を検出したエッジルータに収容されているユーザ端末の切替先となるエッジルータを選択する。この場合も同様に、ユーザ端末の収容率が低い順に切替先となるエッジルータを選択してもよい。そして、ユーザ情報設定部215は、故障を検出したエッジルータに収容されているユーザ端末についてユーザ契約情報記憶部203に格納されたユーザ契約情報を用いて、ユーザ情報を切替先となるエッジルータに設定する。この場合、網リソース記憶部201に格納されたPPPセッション状態、マルチキャスト視聴状態が実行中であるユーザ端末のみを別のエッジルータに切り替えてもよい。再設定通知は、切替先のエッジルータからユーザ端末に送信される。
【0029】
図5は、本発明の実施例に係るユーザ端末割付方法を示すシーケンス図である。なお、ステップS101〜S107は、図2のステップS101〜107と同じである。すなわち、ユーザ端末#1は、全てのエッジルータにプロトコル設定要求をブロードキャストする、或いは、代表エッジルータ#1(10)にプロトコル設定要求を送信する(S101)。ユーザ端末からのプロトコル設定要求を受信した代表エッジルータ#1(10)は、プロトコル設定要求をユーザ・網リソース管理サーバ20に送信する(S103)。ユーザ・網リソース管理サーバ20は、プロトコル設定要求を処理するエッジルータを選択する。ここでは、エッジルータ#M(10)が選択されたものとする。そして、ユーザ・網リソース管理サーバ20は、選択したエッジルータ#M(10)に対してユーザ情報(コンフィグレーション)設定を行う(S105)。選択されたエッジルータ#M(10)は、ユーザ端末にプロトコル設定応答を送信する(S107)。このようにして、ユーザ端末と選択されたエッジルータ#M(10)との間で当該プロトコルの通信が行われる。
【0030】
選択されたエッジルータ#M(10)が故障した場合、エッジルータ#M(10)は、故障情報をユーザ・網リソース管理サーバ20に送信する(S201)。ユーザ・網リソース管理サーバ20は、故障を検出したエッジルータに収容されているユーザ端末の切替先となるエッジルータを選択する。ここでは、エッジルータ#L(10)が選択されたものとする。そして、ユーザ・網リソース管理サーバ20は、切替先のエッジルータ#L(10)に対してユーザ情報(コンフィグレーション)設定を行う(S203)。切替先のエッジルータ#L(10)は、ユーザ端末にプロトコルの再設定通知を送信する(S205)。
【0031】
上記のユーザ端末割付方法をPPPoE(PPP over Ethernet)トンネル確立要求に適用した例について説明する。
【0032】
まず、ユーザ端末は、PPPトンネル確立要求パケット(PADI:PPPoE Active Discovery Initiation)を全てのエッジルータにブロードキャストする。代表エッジルータ#1(10)がPADIを受け取ると、そのユーザ端末のMACアドレスと共にPADIを受信した旨をユーザ・網リソース管理サーバ20へ送信する。
【0033】
ユーザ・網リソース管理サーバ20は、ユーザ端末のMACアドレスと、各エッジルータのPPPoEトンネル確立数に基づいて、PPPoEを終端するエッジルータを選択する。ユーザ・網リソース管理サーバ20は、選択されたエッジルータに対して、ユーザ端末のMACアドレスを送信し、PPPoEトンネル確立指示を行う。
【0034】
指示を受けたエッジルータは、PPPoEトンネルをエッジルータとユーザ端末間に設立するため、PADIに対する応答パケット(PADO:PPPoE Active Discovery Offer)をユーザ端末に送信する。以降、指示を受けたエッジルータは、PPPoEトンネル確立フェーズをユーザ端末との間で行う。
【0035】
上記のユーザ端末割付方法をDHCPリクエストに適用した例について説明する。
【0036】
まず、ユーザ端末は、DHCPリクエスト(DHCP Request)パケットを全てのエッジルータにブロードキャストする。代表エッジルータ#1(10)がDHCPリクエストを受け取ると、そのユーザ端末のMACアドレスと共にDHCPリクエストを受信した旨をユーザ・網リソース管理サーバ20へ送信する。
【0037】
ユーザ・網リソース管理サーバ20は、ユーザ端末のMACアドレスと、各エッジルータのDHCPによるアドレス設定数に基づいて、アドレス情報を登録するエッジルータを選択する。ユーザ・網リソース管理サーバ20は、選択されたエッジルータに対して、ユーザ端末のMACアドレスを送信し、DHCPによるアドレス払い出し指示を行う。
【0038】
指示を受けたエッジルータは、DHCPに対する応答パケット(DHCP Reply)をユーザ端末に送信する。以降、指示を受けたエッジルータは、ユーザ端末にアドレス払い出しを行う。
【0039】
上記のユーザ端末割付方法をマルチキャスト動画視聴要求に適用した例について説明する。
【0040】
まず、ユーザ端末は、マルチキャストチャネル動画視聴要求(視聴要求チャネルの配信サーバのアドレス及び配信チャネル番号)を全てのエッジルータにブロードキャストする。代表エッジルータ#1(10)がマルチキャストチャネル動画視聴要求を受け取ると、そのユーザ端末のMACアドレスと、視聴要求チャネルの配信サーバのアドレス及び配信チャネル番号情報とをユーザ・網リソース管理サーバ20へ送信する。
【0041】
ユーザ・網リソース管理サーバ20は、視聴要求チャネル情報と、ユーザのMACアドレス、各エッジルータのマルチキャスト配信数に基づいて、ユーザにマルチキャスト配信を行うエッジルータを選択する。ユーザ・網リソース管理サーバ20は、選択されたエッジルータに対して、ユーザ端末のMACアドレスと視聴要求チャネルとを送信し、要求したチャネルをユーザ端末に配信する指示を行う。
【0042】
指示を受けたエッジルータは、マルチキャスト転送用のユーザ情報設定を行い、ユーザ端末に対して配信を開始する。
【0043】
<実施例の効果>
上記のように、本発明の実施例では、管理サーバでユーザ端末の収容状況及びユーザ情報を保持しておき、その情報に基づいてプロトコル設定要求を処理するエッジルータを選択する。このようにして、ユーザ端末をエッジルータに動的に割り付けることが可能になり、プロトコル毎に定められたエッジルータのリソースを有効活用できる。
【0044】
また、エッジルータの故障時に、故障したエッジルータに収容しているユーザ端末を、管理サーバで保持されている収容状況に基づいて別のエッジルータに収容先を切り替えることにより、エッジルータ故障時のユーザ通信の復旧を高速化できる。
【0045】
説明の便宜上、本発明の実施例に係るユーザ・網リソース管理サーバは機能的なブロック図を用いて説明しているが、本発明のユーザ・網リソース管理サーバは、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。例えば、ユーザ・網リソース管理サーバの各機能部がソフトウェアで実現され、プログラムとしてユーザ・網リソース管理サーバ内に実現されてもよい。また、2以上の実施例及び実施例の各構成要素が必要に応じて組み合わせて使用されてもよい。
【0046】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々の変更・応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、複数のユーザ端末が複数のエッジルータに接続されているネットワークにおいて利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
10〜10 エッジルータ
20 ユーザ・網リソース管理サーバ
201 網リソース記憶部
203 ユーザ情報記憶部
211 プロトコル設定要求受信部
213 エッジルータ選択部
215 ユーザ情報設定部
217 エッジルータ故障検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエッジルータと、該複数のエッジルータに接続された管理サーバとを有する通信システムにおけるエッジルータへのユーザ端末割付方法であって、
前記管理サーバが、エッジルータに設定すべきユーザ情報をユーザ情報記憶部に格納するステップと、
前記管理サーバが、エッジルータへのユーザ端末の収容状況を収容状況記憶部に格納するステップと、
前記複数のエッジルータのうち第1のエッジルータが、ユーザ端末から設定要求を受信し、当該設定要求を前記管理サーバに送信するステップと、
前記管理サーバが、前記収容状況記憶部に格納された収容状況に基づいて、当該ユーザ端末を収容する第2のエッジルータを選択するステップと、
前記管理サーバが、当該ユーザ端末について前記ユーザ情報記憶部に格納されたユーザ情報を、前記第2のエッジルータに設定するステップと、
前記第2のエッジルータが、設定応答を当該ユーザ端末に送信するステップと、
を有するユーザ端末割付方法。
【請求項2】
前記管理サーバが、エッジルータの故障を検出するステップと、
前記管理サーバが、前記収容状況記憶部に格納された収容状況に基づいて、故障を検出したエッジルータに収容されているユーザ端末の切替先となる第3のエッジルータを選択するステップと、
前記管理サーバが、故障を検出したエッジルータに収容されているユーザ端末について前記ユーザ情報記憶部に格納されたユーザ情報を、前記第3のエッジルータに再設定するステップと、
前記第3のエッジルータが、再設定通知をユーザ端末に送信するステップと、
を更に有する、請求項1に記載のユーザ端末割付方法。
【請求項3】
前記選択するステップは、ユーザ端末の収容率が低い順にエッジルータを選択する、請求項1又は2に記載のユーザ端末割付方法。
【請求項4】
前記選択するステップは、第2のエッジルータを選択した場合、前記収容状況記憶部に格納された収容状況を更新する、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のユーザ端末割付方法。
【請求項5】
前記複数のエッジルータが複数のプロトコルを終端する場合、前記収容状況記憶部は、プロトコル毎に収容状況を格納し、
前記選択するステップは、複数のプロトコルの収容状況に基づいて、前記第2のエッジルータを選択する、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のユーザ端末割付方法。
【請求項6】
複数のエッジルータと、該複数のエッジルータに接続された管理サーバとを有する通信システムであって、
前記複数のエッジルータのうち第1のエッジルータは、
ユーザ端末から設定要求を受信し、当該設定要求を前記管理サーバに送信する設定要求送受信部を有し、
前記管理サーバは、
エッジルータに設定すべきユーザ情報を格納するユーザ情報記憶部と、
エッジルータへのユーザ端末の収容状況を格納する収容状況記憶部と、
前記第1のエッジルータからユーザ端末の設定要求を受信する設定要求受信部と、
前記収容状況記憶部に格納された収容状況に基づいて、当該ユーザ端末を収容する第2のエッジルータを選択するエッジルータ選択部と、
当該ユーザ端末について前記ユーザ情報記憶部に格納されたユーザ情報を、前記第2のエッジルータに設定するユーザ情報設定部と、
を有し、
前記第2のエッジルータは、
設定応答を当該ユーザ端末に送信する設定応答送信部を有する通信システム。
【請求項7】
複数のエッジルータに接続された管理サーバであって、
エッジルータに設定すべきユーザ情報を格納するユーザ情報記憶部と、
エッジルータへのユーザ端末の収容状況を格納する収容状況記憶部と、
複数のエッジルータのうち第1のエッジルータからユーザ端末の設定要求を受信する設定要求受信部と、
前記収容状況記憶部に格納された収容状況に基づいて、当該ユーザ端末を収容する第2のエッジルータを選択するエッジルータ選択部と、
当該ユーザ端末について前記ユーザ情報記憶部に格納されたユーザ情報を、前記第2のエッジルータに設定するユーザ情報設定部と、
を有する管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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