説明

ユーザ通知装置、ユーザ通知方法及びユーザ通知システム

【課題】 本発明は、ユーザの状態の異常をユーザに通知することができるユーザ通知装置、ユーザ通知方法及びユーザ通知システムを提供する。
【解決手段】 ユーザ通知装置1は、ユーザの状態に関するユーザ状態データを取得するユーザ状態データ取得部10と、一の通知方法を規定する通知ルール及び当該一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを少なくとも記憶する通知ルール記憶TBL18と、通知ルール記憶TBL18を参照して、ユーザ状態データ取得部10により取得されたユーザ状態データに基づいて、一の通知方法を実行し、一の通知方法を実行した後、所定時間内に上記ユーザからの応答を受け付けなかった場合に、一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を実行するユーザ通知実行部13とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの状態に基づいた所定の通知を実行するユーザ通知装置及びユーザ通知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、健康測定機器を用いて測定されたデータを収集し、収集したデータから抽出した特徴量に基づいて健康状態の正常/異常を判定し、判定結果を利用者に対して通知するシステムが記載されている。このシステムでは、測定条件の変動の影響を除いた特徴量に基づいて健康状態の正常/異常を判定するので、信頼性の高い判定結果を利用者に通知することが可能となる。
【0003】
特許文献2には、利用者の血圧等の各種測定データを収集し、収集した測定データを標準値と比較して正常/異常の判定をし、異常と判定した場合には異常内容に対応した警告メッセージを利用者に対して表示するシステムが記載されている。このシステムでは、測定データの異常内容に対応したメッセージにより利用者に対して健康状態を通知するので、利用者の健康状態を該利用者に迅速且つ適切に知らしめることが可能となる。
【特許文献1】特開2006−235940号公報
【特許文献2】特開2004−129980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムには、以下に示すような問題点があった。すなわち、上記従来のシステムにおいては、利用者の健康状態に関するメッセージ等を利用者に対して通知又は表示等するのみであるので、そのメッセージ等を利用者が見たか否かは考慮されていない。従って、利用者が自らの健康状態の異常及びその異常の程度を認識しない可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点を解決し、ユーザの状態の異常を確実にそのユーザに通知することができるユーザ通知装置及びユーザ通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のユーザ通知装置は、ユーザの状態を通知するユーザ通知装置において、上記ユーザの状態に関するユーザ状態データを取得するユーザ状態データ取得手段と、一の通知方法を規定する通知ルール及び当該一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを少なくとも記憶する通知ルール記憶手段と、上記通知ルール記憶手段を参照して、上記ユーザ状態データ取得手段により取得されたユーザ状態データに基づいて、上記一の通知方法を実行し、当該一の通知方法を実行した後、所定時間内に上記ユーザからの応答を受け付けなかった場合に、上記一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を実行するユーザ通知実行手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明のユーザ通知方法は、コンピュータがユーザの状態を通知するユーザ通知方法において、上記コンピュータが、上記ユーザの状態に関するユーザ状態データを取得する取得ステップと、一の通知方法を規定する通知ルール及び当該一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを少なくとも記憶する通知ルール記憶手段を参照して、上記取得ステップにおいて取得したユーザ状態データに基づいて、上記一の通知方法を実行する第1通知ステップと、上記一の通知方法を実行した後、所定時間内に上記ユーザからの応答を受け付けなかった場合に、上記一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を実行する第2通知ステップとを実行することを特徴とする。
【0008】
これら構成により、ユーザの状態に応じた適切な通知ルールに基づく通知を実行することができる。また、この通知を実行した後、所定時間内にユーザからの応答がなかった場合には、先に実行した通知より通知先に認識させやすい通知を実行することができる。これにより、ユーザの状態に応じて行った通知をユーザが認識しなかった場合であっても、通知先に認識させやすい通知方法により再び通知を行うので、ユーザの状態をユーザ又は当該ユーザ以外の者に認識させることが可能となる。
【0009】
また、本発明のユーザ通知装置は、上記通知ルール記憶手段は、視覚により認識させる通知方法を規定する通知ルール及び聴覚により認識させる通知方法を規定する通知ルールを記憶していることを特徴とすることが好適である。
【0010】
この構成により、視覚により認識させる通知をユーザが認識しなかった場合には、聴覚により認識させる通知を行うことができる。これにより、ユーザが視覚による先の通知を認識しなかった場合であっても、より認識されやすい音を用いた通知を行うので、ユーザの状態をユーザ又は当該ユーザ以外の者に認識させることが可能となる。
【0011】
また、本発明のユーザ通知装置は、上記通知ルール記憶手段は、通信網を介して所定の通知先に通知する通知方法を規定する通知ルールを記憶していることを特徴とすることが好適である。
【0012】
この構成により、先の通知に応答する入力操作が行われなかった場合に、所定の通知先に通信網を介した通知を行うことができる。これにより、ユーザ又はこのユーザの周囲の者がユーザの状態を認識しなかった場合でも、所定の通知先にユーザの状態を認識させることが可能となる。
【0013】
また、本発明のユーザ通知装置は、上記通知ルール記憶手段は、上記通知ルールとして、上記ユーザ通知装置が有する表示部に、上記ユーザに上記ユーザ状態データを認識させるための表示を行う通知方法を規定する通知ルールと、上記ユーザ通知装置が有する表示部に、上記ユーザに上記ユーザ状態データを認識させるための表示をポップアップ表示すると共に、音を発する通知方法を規定する通知ルールと、所定の音量以上でアラーム音を発する通知方法を規定する通知ルールと、通信網を介して所定の通知先に通知する通知方法を規定する通知ルールとのうちの少なくとも2つの通知ルールを記憶していることを特徴とすることが好適である。
【0014】
この構成により、通知が認識されず、この通知に対する応答がなかった場合であっても、認識されやすさの程度を段階的に高めながら、再度の通知を行うことができる。これにより、ユーザの状態をより確実にユーザ又はこのユーザ以外の者に認識させることが可能となる。
【0015】
また、本発明のユーザ通知装置は、上記ユーザ状態データを、通信網を介して他のコンピュータに送信するデータ送信手段を更に備えることを特徴とすることが好適である。
【0016】
この構成により、取得したユーザ状態データを他のコンピュータに蓄積させることが可能となる。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明のユーザ通知システムは、ユーザの状態を測定する外部測定装置と、上記ユーザの状態を通知するユーザ通知装置と、上記ユーザの状態に関するデータを蓄積するデータ管理装置とからなるユーザ通知システムにおいて、上記外部測定装置は、上記ユーザの状態を検出するユーザ状態検出手段と、検出した上記ユーザの状態を計測すると共に、計測したユーザの状態に基づいてユーザ状態データを生成するユーザ状態計測手段と、上記ユーザ状態データを送信するユーザ状態データ送信手段とを備え、上記ユーザ通知装置は、上記ユーザの状態に関するユーザ状態データを取得するユーザ状態データ取得手段と、一の通知方法を規定する通知ルール及び当該一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを少なくとも記憶する通知ルール記憶手段と、上記通知ルール記憶手段を参照して、上記ユーザ状態データ取得手段により取得されたユーザ状態データに基づいて、上記一の通知方法を実行し、当該一の通知方法を実行した後、所定時間内に上記ユーザからの応答を受け付けなかった場合に、上記一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を実行するユーザ通知実行手段と、上記ユーザ状態データを、通信網を介して他のコンピュータに送信するデータ送信手段とを備え、上記データ管理装置は、上記ユーザ状態データを上記ユーザ通知装置から受信するデータ受信手段と、上記データ受信手段が受信した上記ユーザ状態データを蓄積して記憶するデータ蓄積手段と、上記ユーザ状態データを上記データ蓄積手段に蓄積させるユーザ状態データ蓄積手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明のユーザ通知方法は、ユーザの状態を測定する外部測定装置と、上記ユーザの状態を通知するユーザ通知装置と、上記ユーザの状態に関するデータを蓄積するデータ管理装置とからなるユーザ通知システムのユーザ通知方法において、上記外部測定機器が、上記ユーザの状態を検出するユーザ状態検出ステップと、上記外部測定機器が、検出した上記ユーザの状態を計測すると共に、計測したユーザの状態に基づいてユーザ状態データを生成するユーザ状態計測ステップと、上記外部測定機器が、上記ユーザ状態データを送信するユーザ状態データ送信ステップと、上記ユーザ通知装置が、上記ユーザ状態データを取得する取得ステップと、上記ユーザ通知装置が、一の通知方法を規定する通知ルール及び当該一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを少なくとも記憶する通知ルール記憶手段を参照して、上記取得ステップにおいて取得したユーザ状態データに基づいて、上記一の通知方法を実行する第1通知ステップと、上記ユーザ通知装置が、上記一の通知方法を実行した後、所定時間内に上記ユーザからの応答を受け付けなかった場合に、上記一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を実行する第2通知ステップと、上記ユーザ通知装置が、上記ユーザ状態データを上記データ管理装置に送信するデータ送信ステップと、上記データ管理装置が、上記ユーザ状態データを上記ユーザ通知装置から受信するデータ受信ステップと、上記ユーザ通知装置が、上記ユーザ状態データと上記入力操作の有無に関する情報を含むデータとを、データを蓄積して記憶するデータ蓄積手段に蓄積させるユーザ状態データ蓄積ステップと
を備えることを特徴とする。
【0019】
これら構成により、ユーザ状態データをデータ管理装置に記憶させることができる。これにより、各ユーザの状態に関する情報を一括して管理させることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のユーザ通知装置及びユーザ通知法方法は、ユーザの状態に応じて行った通知をユーザが認識しなかった場合であっても、通知先に認識させやすい通知方法により再び通知を行うので、ユーザの状態をユーザ又は当該ユーザ以外の者に認識させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施形態に係るユーザ通知装置について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0022】
図1は、本実施形態に係るユーザ通知装置1、ユーザ通知装置1からデータを受信するデータ管理サーバ2及びユーザ通知装置1にデータを送信する外部測定機器3の機能的構成を示すブロック図である。これらの装置及び機器は有線又は無線の通信手段を介してデータの送受信を行なう。有線の通信手段としては、例えばUSB、IEEE1394規格による通信等が挙げられる。また、無線の通信手段としては、IEEE802.11方式、Bluetooth(登録商標)方式等による通信等が挙げられる。
【0023】
ユーザ通知装置1は、機能的には、ユーザ状態データ取得部10、異常値検出部11、通知方法決定部12、ユーザ通知実行部13、ユーザ入力受付部14、データ送信部15、標準データTBL(テーブル)17及び通知ルールTBL(テーブル)18を備えている。
【0024】
また、図2は、ユーザ通知装置1のハードウェア構成図である。ユーザ通知装置1は、物理的には、図2に示すように、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置105、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置106、ディスプレイ等の出力装置107、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール104などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図1において説明した各機能は、図2に示すCPU101、RAM102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール104、入力装置106、出力装置107を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置105におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。また、データ管理サーバ2も、同様にコンピュータシステムとして構成されている。さらに、外部測定機器3は、専用装置として構成される場合とコンピュータシステムとして構成される場合とがある。
【0025】
ユーザ通知装置1は、例えば携帯端末装置により構成される。また、ユーザ通知装置1は、専用の装置により構成されることとしてもよい。以下、図1を用いて、各機能要素について詳細に説明する。
【0026】
ユーザ状態データ取得部10は、外部測定機器3から送信されたユーザ状態データを取得する。図3は、ユーザ状態データを模式的に示す図である。ユーザ状態データは、データ種別、測定値及び測定日時に関するデータを含む。図3に示す例では、データ種別は「最高血圧」であり、測定値は「152」であり、測定日時は「2008/1/4」である。
【0027】
異常値検出部11は、標準データTBL17を参照して、取得したユーザ状態データに含まれる測定値の正常/異常を判定する。図4は、標準データTBL17を模式的に示す図である。標準データTBL17は、データ種別毎に正常な値の範囲を標準データとして記憶している。例えば、データ種別「最高血圧」の標準データは、「140mmhg以下」である。また、異常値検出部11は、測定値の正常/異常を示すデータをデータ送信部15に送出する。
【0028】
通知方法決定部12は、異常値検出部11において測定値が異常であると判定された場合には、通知ルールTBL18を参照して、取得したユーザ状態データに対応する通知ルールを抽出する。図5は、通知ルールTBL18を模式的に示す図である。通知ルールTBL18は、データ種別及び測定値毎に複数の通知ルールを対応付けて記憶している。複数の通知ルールは、それぞれ複数の反応段階18aに対応付けられており、反応段階18aが上であるほど通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールが対応付けられている。通知ルールは、通知方法及び反応期間を含む。通知方法は、ユーザ通知装置1がユーザに対して行う通知の方法を定める。反応期間は、ユーザの入力操作を受け付ける期間である。この入力操作は、ユーザが通知に応答して行われるものである。また、入力操作を受け付けなかった旨を示すデータをユーザ入力受付部14から取得した場合には、通知方法決定部12は、実行された通知の基となる通知ルールより上の反応段階18aの通知ルールを抽出する。
【0029】
ユーザ通知実行部13は、通知方法決定部12により抽出された通知ルールに基づいてユーザに対する通知を実行する。この通知は、ユーザ状態データに含まれる測定値に異常があることをユーザに認識させることを目的とする。例えば、取得した通知ルールに含まれる通知方法が「確認画面」である場合には、ユーザ通知実行部13は、ユーザ通知装置1が有する表示部(図示せず)に、ユーザにユーザ状態データを認識させるための確認画面の表示を行う。ユーザは、この確認画面を目視することにより、ユーザ状態データを認識することができる。
【0030】
取得した通知ルールに含まれる通知方法が「音有ポップアップ確認画面」である場合には、ユーザ通知実行部13は、ユーザ通知装置1が有する表示部に、ユーザにユーザ状態データを認識させるための確認画面をポップアップ表示すると共に、ユーザ通知装置1が有するスピーカ(図示せず)から音を出力させる。ポップアップ表示は、通知を行うための確認画面の表示を専用のウインドウ内に表示させる表示方法なので、通常の表示方法よりもユーザの目に留まりやすい。ユーザは、スピーカから発せられる音とポップアップ表示とにより、「確認画面」による通知よりも容易にユーザ状態データを認識することができる。
【0031】
取得した通知ルールに含まれる通知方法が「アラーム鳴動」である場合には、ユーザ通知実行部13は、ユーザ通知装置1が有するスピーカから、所定の音量以上でアラーム音を出力させる。「確認画面」及び「音有ポップアップ確認画面」による通知を実行してもユーザがこれらの通知を認識しない場合には、例えばユーザが意識を失っていることが考えられる。このような場合であっても、所定以上の音量でアラーム音を鳴動させることにより、ユーザの周囲にいる人に当該ユーザの状態を認識させることが可能となる。
【0032】
取得した通知ルールに含まれる通知方法が「緊急発信」である場合には、ユーザ通知実行部13は、所定の相手先に所定の情報を発信する。所定の相手先は、例えば救急の緊急連絡先である。所定の情報は、例えばユーザの所在地である。このような通知をユーザ通知装置が行うことにより、ユーザが意識を失っている場合及び周囲の人がユーザの状態を認識しない場合であっても、救急の緊急連絡先にユーザの所在地を知らしめることが可能となる。
【0033】
ユーザ入力受付部14は、ユーザからの応答を示す入力操作を受け付けると共に、通知ルールに含まれる反応期間内に入力操作を受け付けたか否かを判定する。反応期間内に入力操作を受け付けた場合には、ユーザ入力受付部14は、入力操作を受け付けた旨を示すデータをデータ送信部15に送出する。一方、反応期間内に入力操作を受け付けなかった場合には、ユーザ入力受付部14は、入力操作を受け付けなかった旨を示すデータを通知方法決定部12に送出する。
【0034】
データ送信部15は、測定値の正常/異常を示すデータ及び入力操作を受け付けた旨を示すデータと併せてユーザ状態データをデータ管理サーバ2に送信する。
【0035】
データ管理サーバ2は、機能的には、データ受信部20、データ蓄積部21、アラート判定部22、アラート表示部23及び蓄積テーブル24を備えている。
【0036】
データ受信部20は、ユーザ通知装置1から、測定値の正常/異常を示すデータ及び入力操作を受け付けた旨を示すデータと併せてユーザ状態データを受信する。これらのデータは、ユーザ通知装置1のデータ送信部15から送信される。また、データ受信部20は、これらのデータをデータ蓄積部21に送出する。
【0037】
データ蓄積部21は、データ受信部20から送出されたユーザ状態データ、測定値の正常/異常を示すデータ及び入力操作を受け付けた旨を示すデータを取得すると共に、蓄積TBL24にこれらのデータを記憶させる。図6は、蓄積TBL24を模式的に示す図である。蓄積TBL24は、ユーザを識別する情報であるユーザID、データ種別、測定値、測定日時及び状態を対応付けて記憶している。
【0038】
アラート判定部22は、データ受信部20が受信したデータに測定値の異常を示すデータが含まれるか否かを判定する。測定値の異常を示すデータが受信したデータに含まれている場合には、アラート判定部22は、その旨をアラート表示部23に表示させる。
【0039】
アラート表示部23は、データ受信部20が受信したデータに測定値の異常を示すデータが含まれる旨を表示するものであって、例えばディスプレイ等の表示器により構成される。
【0040】
外部測定機器3は、機能的には、センサ30、データ計測部31及びデータ送信部32を備えている。外部測定機器3は、例えば、血圧計、脈拍計、歩数計等である。
【0041】
センサ30は、ユーザの状態を検出するものであって、例えばユーザの血圧、脈拍又は歩数等を検出するものである。また、例えばセンサ30は3軸加速度センサにより構成されることにより、ユーザの転倒を検出することができる。
【0042】
データ計測部31は、センサ30が検出したユーザの状態を測定又は取得する。データ計測部31は、例えばユーザの最高血圧、最低血圧又は単位時間あたりの脈拍の回数又は1日に歩行した歩数等を測定すると共に、これらの測定結果をユーザ状態データとして取得する。また、データ計測部31は、例えば、ユーザが転倒したことをユーザ状態データとして取得する。ユーザ状態データは、測定したデータ種別、測定値及び測定日時を含む。
【0043】
データ送信部32は、取得したユーザ状態データをユーザ通知装置1に送信する。
【0044】
なお、本実施形態においては、外部測定機器3は、ユーザ通知装置1とは別に構成される装置としたが、ユーザ通知装置1と外部測定機器3とが、携帯端末装置として一体に構成されることとしてもよい。
【0045】
続いて、本実施形態にかかるユーザ通知装置1の動作について説明する。図7は、ユーザ通知装置が通知を実行する手順を示す図である。
【0046】
まず、ユーザ状態データ取得部10は、外部測定機器3からユーザ状態データを取得する(S701)。
【0047】
異常値検出部11は、ユーザ状態データに含まれる測定値と標準データTBL17に記憶されている標準データとの比較により、測定値の正常/異常を判定する(S702)。例えば、ユーザ状態データ取得部が図3に示すようなユーザ状態データを取得した場合には、ユーザ状態データに含まれるデータ種別「最高血圧」の測定値「152」は、標準データTBL17においてデータ種別「最高血圧」に対応付けられている標準データ「140mmhg以下」には該当しないので、異常値検出部11は、測定値は異常であると判定する。
【0048】
異常値検出部11がユーザ状態データに含まれる測定値は異常であると判定した場合には(S703)、通知方法決定部12は、通知ルールTBL18を参照して、ユーザ状態データ及び反応段階18aに対応する通知ルールの有無を判定すると共に、通知ルールが有ると判定した場合には当該通知ルールを抽出する(S704)。当該ユーザ状態データに基づいて初めて通知を行う場合には、反応段階18a「0」に対応付けられている通知ルールが抽出される。例えば、ユーザ状態データ取得部10が図3に示すようなユーザ状態データを取得した場合には、ユーザ状態データに含まれるデータ種別「最高血圧」の測定値「152」は、通知ルールTBL18のレコード18bに該当するので、通知方法決定部12は、取得したユーザ状態データに対応する通知ルールがあると判定すると共に、レコード18bの反応段階「0」に対応づけられている通知ルール「音有ポップアップ確認画面、7分」を抽出する。
【0049】
通知方法決定部12が、ユーザ状態データ及び反応段階に対応する通知ルールが通知ルールTBL18に記憶されていると判定した場合には(S705)、ユーザ通知実行部13は、抽出された通知ルールに基づいて通知を実行する(S706)。通知ルールとして「音有ポップアップ確認画面、7分」が抽出された場合には、ユーザ通知実行部13は、ユーザ通知装置1が有する表示部に、ユーザにユーザ状態データを認識させるための確認画面の表示をポップアップ表示すると共に、通知をユーザに気付かせるための音をユーザ通知装置1が有するスピーカから出力させる。
【0050】
ユーザ入力受付部14が、ユーザ通知実行部13が実行した通知に対する入力操作を反応期間内に受け付けなかった場合には(S707、S708)、通知方法決定部12は、反応段階18aを1段上の段階に更新する(S709)。例えば、反応段階18aが「0」であった場合には、反応段階18aは、「1」に更新される。
【0051】
反応段階18aが更新された場合には、通知方法決定部12は、再び通知ルールTBL18を参照して、ユーザ状態データ及び反応段階18aに対応する通知ルールの有無を判定すると共に、通知ルールが有ると判定した場合には当該通知ルールを抽出する(S704)。例えば、ユーザ状態データに含まれるデータ種別が「最高血圧」であり、測定値が「152」であり、反応段階18aが「1」に更新された場合には、通知方法決定部12は、取得したユーザ状態データに対応する通知ルールがあると判定すると共に、通知ルールTBL18のレコード18b中で反応段階「1」に対応付けられている通知ルール「アラーム鳴動、7分」を抽出する。以後、ステップS704〜S709の手順が繰り返される。
【0052】
異常値検出部11が、ユーザ状態データに含まれる測定値は異常ではないと判定した場合(S703)、通知方法決定部12が、ユーザ状態データ及び反応段階に対応する通知ルールが通知ルールTBL18に記憶されていないと判定した場合(S705)、及びユーザ入力受付部14がユーザ通知実行部13が実行した通知に対する入力操作を受け付けた場合には(S707)、データ送信部15は、測定値の正常/異常を示すデータ及び入力操作を受け付けた旨を示すデータと併せてユーザ状態データをデータ管理サーバ2に送信する(S710)。
【0053】
続いて、本実施形態に係るユーザ通知装置1の作用及び効果について説明する。本実施形態に係るユーザ通知装置1においては、通知方法決定部12が、ユーザの状態に応じた通知ルールを選択し、ユーザ通知実行部13は、この通知ルールに基づく通知を実行することができる。また、ユーザ入力受付部14が、この通知に対するユーザの応答を示す入力操作を受け付けなかった場合には、通知方法決定部12が、実行された通知より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを選択し、ユーザ通知実行部13は、選択された通知ルールに基づいて再び通知を行うことができる。これにより、ユーザの状態に応じて行った通知をユーザが認識しなかった場合であっても、通知先に認識させやすい通知方法により再び通知を行うので、ユーザの状態をユーザ又は当該ユーザ以外の者に認識させることが可能となる。
【0054】
また、本実施形態に係るユーザ通知装置1においては、例えば視覚により認識される「確認画面」の表示といった通知をユーザが認識しなかった場合には、通知方法決定部12は、聴覚によっても認識される通知方法「音有ポップアップ確認画面」を規定する通知ルールを選択し、ユーザ通知実行部13は、この通知ルールに基づいて通知を実行することができる。これにより、ユーザが先に実行した通知を認識しなかった場合であっても、より認識されやすい音を用いた通知を行うので、ユーザの状態をユーザ又は当該ユーザ以外の者に認識させることが可能となる。
【0055】
また、本実施形態に係るユーザ通知装置1においては、通知ルールTBL18は、通信網を介して所定の通知先に通知する通知方法「緊急発信」を規定する通知ルールを記憶しており、ユーザ通知実行部13は、通信網を介して所定の通知先に通知を行うことができる。このため、ユーザ又はこのユーザの周囲にいる者が通知を認識せず、通知に応答する入力操作が行われなかった場合であっても、所定の通知先にユーザの状態を認識させることが可能となる。
【0056】
また、本実施形態に係るユーザ通知装置1においては、通知ルールTBL18は、通知ルールが規定する通知方法として、「確認画面」、「音有ポップアップ確認画面」、「アラーム鳴動」及び「緊急発信」のうちの少なくとも2つを記憶している。このため、通知が認識されず、この通知に応答する入力操作が行われなかった場合であっても、通知の認識されやすさの程度を段階的に高めながら、ユーザ通知実行部13は、再度の通知を行うことができる。これにより、ユーザの状態をより確実にユーザ又はこのユーザ以外の者に認識させることが可能となる。
【0057】
また、本実施形態に係るユーザ通知装置1においては、データ送信部15は、ユーザ状態データと入力操作の有無に関する情報を含むデータとを、ネットワークを介してデータ管理サーバ2に送信する。このため、取得したユーザ状態データ及びこのユーザ状態データに基づく通知に応じた入力操作の履歴をデータ管理サーバ2の蓄積TBL24に蓄積させることが可能となる。これにより、各ユーザの状態に関する情報を一括してデータ管理サーバ2に管理させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】ユーザ通知装置、データ管理サーバ及び外部測定機器の機能ブロック図である。
【図2】ユーザ通知装置のハードブロック図である。
【図3】ユーザ状態データを模式的に示す図である。
【図4】標準データTBLを模式的に示す図である。
【図5】通知ルールTBLを模式的に示す図である。
【図6】蓄積TBLを模式的に示す図である。
【図7】ユーザ通知装置が行う処理手順を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1…ユーザ通知装置、2…データ管理サーバ、3…外部測定機器、10…ユーザ状態データ取得部、11…異常値検出部、12…通知方法決定部、13…ユーザ通知実行部、14…ユーザ入力受付部、15…データ送信部、17…標準データTBL、18…通知ルールTBL。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの状態を通知するユーザ通知装置において、
前記ユーザの状態に関するユーザ状態データを取得するユーザ状態データ取得手段と、
一の通知方法を規定する通知ルール及び当該一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを少なくとも記憶する通知ルール記憶手段と、
前記通知ルール記憶手段を参照して、前記ユーザ状態データ取得手段により取得されたユーザ状態データに基づいて、前記一の通知方法を実行し、当該一の通知方法を実行した後、所定時間内に前記ユーザからの応答を受け付けなかった場合に、前記一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を実行するユーザ通知実行手段と
を備えることを特徴とするユーザ通知装置。
【請求項2】
前記通知ルール記憶手段は、視覚により認識させる通知方法を規定する通知ルール及び聴覚により認識させる通知方法を規定する通知ルールを記憶していることを特徴とする請求項1に記載のユーザ通知装置。
【請求項3】
前記通知ルール記憶手段は、通信網を介して所定の通知先に通知する通知方法を規定する通知ルールを記憶していることを特徴とする請求項1または2に記載のユーザ通知装置。
【請求項4】
前記通知ルール記憶手段は、前記通知ルールとして、
前記ユーザ通知装置が有する表示部に、前記ユーザに前記ユーザ状態データを認識させるための表示を行う通知方法を規定する通知ルールと、
前記ユーザ通知装置が有する表示部に、前記ユーザに前記ユーザ状態データを認識させるための表示をポップアップ表示すると共に、音を発する通知方法を規定する通知ルールと、
所定の音量以上でアラーム音を発する通知方法を規定する通知ルールと、
通信網を介して所定の通知先に通知する通知方法を規定する通知ルールと
のうちの少なくとも2つの通知ルールを記憶していることを特徴とする請求項1に記載のユーザ通知装置。
【請求項5】
前記ユーザ状態データを、通信網を介して他のコンピュータに送信するデータ送信手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のユーザ通知装置。
【請求項6】
コンピュータがユーザの状態を通知するユーザ通知方法において、
前記コンピュータが、
前記ユーザの状態に関するユーザ状態データを取得する取得ステップと、
一の通知方法を規定する通知ルール及び当該一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを少なくとも記憶する通知ルール記憶手段を参照して、前記取得ステップにおいて取得したユーザ状態データに基づいて、前記一の通知方法を実行する第1通知ステップと、
前記一の通知方法を実行した後、所定時間内に前記ユーザからの応答を受け付けなかった場合に、前記一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を実行する第2通知ステップとを実行すること
を特徴とするユーザ通知方法。
【請求項7】
ユーザの状態を測定する外部測定装置と、前記ユーザの状態を通知するユーザ通知装置と、前記ユーザの状態に関するデータを蓄積するデータ管理装置とからなるユーザ通知システムにおいて、
前記外部測定装置は、
前記ユーザの状態を検出するユーザ状態検出手段と、
検出した前記ユーザの状態を計測すると共に、計測したユーザの状態に基づいてユーザ状態データを生成するユーザ状態計測手段と、
前記ユーザ状態データを送信するユーザ状態データ送信手段とを備え、
前記ユーザ通知装置は、
前記ユーザの状態に関するユーザ状態データを取得するユーザ状態データ取得手段と、
一の通知方法を規定する通知ルール及び当該一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを少なくとも記憶する通知ルール記憶手段と、
前記通知ルール記憶手段を参照して、前記ユーザ状態データ取得手段により取得されたユーザ状態データに基づいて、前記一の通知方法を実行し、当該一の通知方法を実行した後、所定時間内に前記ユーザからの応答を受け付けなかった場合に、前記一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を実行するユーザ通知実行手段と、
前記ユーザ状態データを、通信網を介して他のコンピュータに送信するデータ送信手段とを備え、
前記データ管理装置は、
前記ユーザ状態データを前記ユーザ通知装置から受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段が受信した前記ユーザ状態データを蓄積して記憶するデータ蓄積手段と、
前記ユーザ状態データを前記データ蓄積手段に蓄積させるユーザ状態データ蓄積手段とを備える
ことを特徴とするユーザ通知システム。
【請求項8】
ユーザの状態を測定する外部測定装置と、前記ユーザの状態を通知するユーザ通知装置と、前記ユーザの状態に関するデータを蓄積するデータ管理装置とからなるユーザ通知システムのユーザ通知方法において、
前記外部測定機器が、前記ユーザの状態を検出するユーザ状態検出ステップと、
前記外部測定機器が、検出した前記ユーザの状態を計測すると共に、計測したユーザの状態に基づいてユーザ状態データを生成するユーザ状態計測ステップと、
前記外部測定機器が、前記ユーザ状態データを送信するユーザ状態データ送信ステップと、
前記ユーザ通知装置が、前記ユーザ状態データを取得する取得ステップと、
前記ユーザ通知装置が、一の通知方法を規定する通知ルール及び当該一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を規定する通知ルールを少なくとも記憶する通知ルール記憶手段を参照して、前記取得ステップにおいて取得したユーザ状態データに基づいて、前記一の通知方法を実行する第1通知ステップと、
前記ユーザ通知装置が、前記一の通知方法を実行した後、所定時間内に前記ユーザからの応答を受け付けなかった場合に、前記一の通知方法より通知先に認識させやすい通知方法を実行する第2通知ステップと、
前記ユーザ通知装置が、前記ユーザ状態データを前記データ管理装置に送信するデータ送信ステップと、
前記データ管理装置が、前記ユーザ状態データを前記ユーザ通知装置から受信するデータ受信ステップと、
前記ユーザ通知装置が、前記ユーザ状態データと前記入力操作の有無に関する情報を含むデータとを、データを蓄積して記憶するデータ蓄積手段に蓄積させるユーザ状態データ蓄積ステップと
を備えることを特徴とするユーザ通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−193154(P2009−193154A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30828(P2008−30828)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】