説明

ヨモギ含有パスタ

【課題】容易にそして継続的にヨモギ成分およびタモギ茸成分の摂取を可能とし、健康維持・改善に最適な食品を提供する。
【解決手段】小麦全粒紛、ヨモギを含有し、さらにタモギ茸若しくはトマトを配合したパスタにより本発明の課題を解決できることを見出した。本発明のパスタは、空腹感が満たされるが体重増加を抑制し、大人も子供も食事やおやつに気軽に食すことができる。そのため、容易にそして継続的に、種々の効能を持つヨモギを摂取することができ、タモギ茸若しくはトマトがその効果を一層高めることができる。本発明のパスタは健康維持・改善に最適な食品である。本発明のパスタは、肥満、高血圧、糖尿病、アトピー性皮膚炎、癌等の予防、改善に効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヨモギ含有パスタおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生活習慣病の予防、肥満の改善、ストレス解消、精神の安定、癌の予防など健康を維持する食品の需要が増加している。
【0003】
ヨモギは、ミネラル、ビタミンが豊富で、整腸効果が高く、便秘に良いと言われている。また、臓器の機能を正常に保ち、有害物質や老廃物が溜まらないように体外に排出し、血液を浄化する効能がある。ホルモンのバランスを調節し、子宮の機能を活発にする働きもある。「血液、血管系」全般を改善する働きから「百病に有効」と言われている。また、精油成分を豊富に含んでおり抗菌作用ですり傷、切り傷の止血や殺菌に効果がある。
ヨモギは、薬膳食品として広く利用されている。
特許文献1には、健康に良い有色麺の材料としてヨモギが挙げられている。また、ヨモギ粉末とはと麦等との混合粉末の効果については特許文献2に記載がある。
しかし、食べやすく広い年齢層に好まれ、容易にそして継続的にヨモギ成分の摂取を可能とする食品は未だを提供されていない。
【0004】
パスタは大人も子供も好んで食する人気のある食品である。パスタ、特に全粒粉のパスタは他の穀物類や、麺類と比較して、グリセミックインデックス値(GI値)が低いことが知られている。グリセミックインデックス値(GI値)とは、炭水化物が消化されて糖に変化する速さを相対的に表す数値であり、1981年にデヴィッドJ.ジェンキンズ博士らが、食品による血糖値の上がり方の違いを発見し提唱した(非特許文献1)。具体的には、食品の炭水化物50グラムを摂取した後の血糖上昇曲線下面積の、同量の炭水化物量の基準食またはブドウ糖(グルコース)を摂取した後の平均血糖上昇曲線下面積に対する割合として表される。
【0005】
グリセミックインデックス値(GI値)の数値が低いものほど吸収が遅く血糖上昇が小さいため、インスリン分泌は抑制され、過剰な糖質が体脂肪として蓄えられることなく、体重の制御が可能である。また、消化時間が長いため、空腹になりにくく過剰摂取を抑制できる。
【0006】
タモギ茸には、β-グルカンが大量に含有されており、ガンの予防や改善に大きな効果があるとして注目されているキノコである。乾燥タモギ茸100g中、21.8gのβ-グルカンが含有すると言われている(日本食品分析センター調べ)。β-グルカンには、免疫活性化作用、抗酸化作用がある。
また、タモギ茸はキシロースを多く含むと言われている(100g中300mg)キシロースは大腸内の環境を整え便秘を改善し、整腸作用を有し、腸内腐敗産物の抑制効果がある。タモギ茸はエルゴチオネインも多く含有する(乾燥1gあたり、2.99mg)。エルゴチオネインはビタミンEの7000倍の抗酸化作用がある。
これらの作用により、タモギ茸には、免疫力の強化作用、活性酸素除去作用、各種ガンの予防と改善、糖尿病の予防、抗ウィルス作用、コレステロールの低下作用、アレルギー性疾患の予防と改善、血圧の正常化作用、動脈硬化、心臓病、心筋梗塞、脳血栓の予防、便秘の改善等の効果があると言われている。
タモギ茸、ハナビラ茸など菌類の乾燥および粉砕加工された免疫賦活食品について特許文献3に記載がある。
【0007】
トマトはリコピンが大量に含まれている。リコピンは抗活性酸素作用を有し、抗癌効果、および動脈硬化、高血圧、脳卒中、心臓病などの生活習慣病に効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−290675号公報
【特許文献2】特開2001−299273号公報
【特許文献3】特開2005−102525号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Jenkins DJ et al. "Glycemic index of foods: a physiological basis for carbohydrate exchange" Am J Clin Nutr 34(3), 1981 Mar, pp362-6.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
食べやすく広い年齢層に好まれ、容易にそして継続的にヨモギ成分およびタモギ茸成分の摂取を可能とし、健康維持・改善に最適な食品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、小麦全粒紛とヨモギに加えタモギ茸またはトマトを含有するパスタにより本発明の課題を解決できることを見出し本発明を完成した。本発明は以下からなる。
1.小麦全粒紛およびヨモギを含有し、さらにタモギ茸若しくはトマトを含有しているパスタ。
2.小麦全粒紛、ヨモギおよびタモギ茸を配合して調製された前項1に記載のパスタ。
3.小麦全粒紛、ヨモギおよびトマトを配合して調製された前項1に記載のパスタ。
4.小麦粉1重量部に対して、タモギ茸粉末が0.01〜0.2重量部配合されている前項1または2に記載のパスタ。
5.小麦粉1重量部に対してトマトが0.1〜2重量部配合されている前項1または3に記載のパスタ。
6.小麦全粒紛、ヨモギ、タモギ茸およびトマトを配合して調製された前項1〜5のいずれか一に記載のパスタ。
7.小麦粉1重量部に対して、ヨモギ粉末が0.02〜0.3重量部配合されている前項1〜6のいずれか一に記載のパスタ。
8.さらに寒天を含有し、小麦粉1重量部に対して、寒天粉末が0.01〜0.15重量部配合されている前項1〜7のいずれか一に記載のパスタ。
9.ブドウ糖を基準食としたグリセミックインデックス値(GI値)が50以下である前項1〜8のいずれか一に記載のパスタ。
10.小麦全粒紛がデュラム小麦全粒紛である前項1〜9のいずれか一に記載のパスタ。
11.高血圧、動脈硬化、心臓病、不整脈、糖尿病、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、肥満、更年期障害、神経痛、胃潰瘍、視力障害、メタボリックシンドローム、神経障害および癌から選ばれる少なくとも一の予防および/または改善に有効である前項1〜10のいずれか一に記載のパスタ。
12.体重増加抑制、内臓脂肪減少、血糖低下、血圧低下および/または食欲改善の臨床効果を有する前項1〜11のいずれか一に記載のパスタ。
13.小麦全粒紛にヨモギ、タモギ茸およびトマトを練り合わせることを特徴とするパスタの製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明のパスタは、空腹感が満たされるが体重増加を抑制することができ、大人も子供も食事やおやつに気軽に食すことができ、容易にそして継続的に摂取可能な食品である。本発明のパスタの継続摂取により、薬草として用いられ、種々の効能を持つヨモギを継続的に摂取することができる。GI値の低いパスタであることにより、血糖値の上昇を抑制し、肥満の予防・改善に効果があり、糖尿病患者または糖尿病予備軍と言われる血糖値が高い人でも安心して食すことがでる。
本発明のパスタは、タモギ茸を含有することにより、タモギ茸中のβ-グルカンとヨモギ中のクロロフィルが両者の各種薬効に対して相乗効果を有すると考えられ、ヨモギの効果が一層高められたパスタであり、さらに、癌の予防、改善に顕著な効果を有する。またタモギ茸の含有により、種々の効果が継続するすることにも特徴がある。本発明のパスタは健康維持・改善に最適な食品である。
本発明のパスタは、不快な匂いがなく、タモギ茸により、甘み、旨みが加わり食べやすいパスタである。
【0013】
本発明のパスタは、トマトを配合していることによりヨモギの各種薬理効果がさらに一層高められたパスタである。
トマトはリコピンが大量に含まれている。リコピンは強い抗活性酸素作用を有し、抗癌効果および動脈硬化、高血圧、脳卒中、心臓病などの生活習慣病に効果がある。また加熱することでリコピンの吸収が良くなることよりパスタ配合に好適である。さらに、トマトは炭水化物の消化を遅らせて血糖値上昇を抑制する作用があり、トマトを配合することでよりいっそう体重抑制、肥満予防/治療の効果を有し、糖尿病患者または糖尿病予備軍と言われる血糖値の高い人にとっては安心な食品となる。
また、トマトを配合すると、味がまろやかになり食べやすい。さらに、毎日食しても飽きない味と食感を有する。本願のパスタは、和食のおかず(例えば魚)にもあう好都合な味である。
【0014】
本発明のパスタは、高血圧、動脈硬化、心臓病、不整脈、糖尿病、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、肥満、更年期障害、神経痛、胃潰瘍、視力障害、メタボリックシンドローム、神経障害および/または癌等の予防/改善に有効である。また、体重増加抑制、内臓脂肪減少、血糖低下、血圧低下、食欲改善等の臨床効果を有する。
特に、小麦全粒紛、ヨモギ、タモギ茸およびトマトを配合して調製されたパスタは、小麦全粒紛、ヨモギ、タモギ茸、トマトの組み合わせが最適であり、上記効果を最も高く発揮できるパスタである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、小麦全粒紛およびヨモギを含有し、さらにタモギ茸若しくはトマトを含有しているパスタに関する
【0016】
ヨモギは、ミネラル、ビタミンが豊富で、整腸効果が高く、便秘に良いと言われている。また、臓器の機能を正常に保ち、有害物質や老廃物が溜まらないように体外に排出し、血液を浄化する効能がある。ホルモンのバランスを調節し、子宮の機能を活発にする働きもある。
【0017】
本発明のパスタに配合されるヨモギは、特に制限されるものではなく、乾燥させて粉状にしたもの、生のヨモギを小さく刻んだもの、エキス等どのような状態のものでもよい。パスタ配合に好適であるのは、粉末のヨモギである。ヨモギをすり潰すとヨモギの臭いが気になり食べにくく、刻むと口にヨモギが残り食べにくい。好ましくは、粒子径0.1mm以下の粉末を使用する。市販のヨモギ粉末を使用することもできる。
ヨモギ粉末は乾燥したヨモギの葉を粉末にしたものである。ヨモギの葉は、好適には、天日干しにて、からからに乾燥したもの、あるいは、熱湯に重曹を入れよくゆでた後乾燥させたものを用いる。
ヨモギ粉末は、乾燥したヨモギを、製粉機、臼等を使って粉砕して得られる。
【0018】
本発明のパスタにおいて、小麦粉(好ましくは小麦全粒紛)とヨモギの配合比は、生のヨモギの葉の重量で表すと、小麦粉1重量部に対して、ヨモギが0.1〜0.5重量部、好ましくは0.2〜0.4重量部配合する。
小麦粉(好ましくは小麦全粒紛)とヨモギ粉末の配合比は、小麦粉1重量部に対して、ヨモギ粉末が0.02〜0.3重量部、好ましくは0.03〜0.2重量部、より好ましくは、0.04〜0.15重量部配合する。0.3重量部を超えるとパスタ本来の味が損なわれ食べにくくなり、0.02重量部より低いとヨモギによる効能が低くなる。
【0019】
本発明のパスタはタモギ茸を含有する。タモギ茸であれば、産地、種類は限定されない。タモギ茸は、生のタモギ茸を刻んで細かくしたもの、乾燥したタモギ茸を粉状にしたもの、タモギ茸のエキス等、タモギ茸の加工状態には限定されることなく使用することができるが、粉状のタモギ茸は小麦粉やヨモギ粉末と混ぜやすく好適である。市販の粉状のタモギ茸を用いてもよい。
本発明のバスタにおいて、小麦粉(好ましくは小麦全粒紛)とタモギ茸の配合比は、乾燥したタモギ茸を粉砕したタモギ茸粉末の重量で表すと、小麦粉1重量部に対して、タモギ茸が0.01〜0.2重量部、好ましくは0.01〜0.15重量部、より好ましくは0.015〜0.1重量部配合する。0.2重量部を超えるとパスタ本来の味が損なわれ食べにくくなり、0.01重量部より低いとタモギ茸による効能が低くなる。
【0020】
本発明のパスタは、トマトを含有する。トマトは、特に制限されるものではなく、生トマトを破砕及び/又は搾汁し、トマト搾汁としてから使用するか、トマトジュースを使用することができる。市販のものを用いてもよい。パスタ調製用小麦粉(好ましくは小麦全粒紛)とトマトの好適な配合量は、小麦粉1重量部に対してトマト搾汁または100%トマトジュースが0.1〜2重量部、さらに好ましくは0.3〜1重量部である。
【0021】
本発明で使用される小麦全粒紛は、胚芽やふすま(表皮)をつけたまま挽いて製した小麦粉であり、茶褐色を帯びていて、胚乳だけをひいた小麦粉よりもビタミン・ミネラル・繊維質を多く含むものである。
【0022】
また、本発明のパスタ調製用の小麦粉の小麦全粒粉含量は、60〜100重量%、好ましくは80〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%であり、通常のいわゆる胚芽が除去された小麦粉を残量配合してもよい。パスタの所望の硬さに応じて配合可能である。薬膳的に全粒粉が最善であるので、最も好適には全粒粉が100%である。また、本発明で用いられる小麦粉の種類は限定されないが、デュラム小麦全粒紛、特にデュラム・セモリナ粉であることが好ましい。
【0023】
本発明では、所望により、強力粉(グルテン含有率10.5〜13%)を含有してもよい。所望により、中力粉、薄力粉を含有することも許される。
【0024】
本発明のパスタには寒天を配合してもよい。寒天は、テングサ(天草)、オゴノリなどの紅藻類の粘液質を凍結・乾燥したものである。ほとんどは食物繊維(アガロースやアガロペクチンなどの多糖類)からできており、ヒトの消化酵素のみでは分解されない性質を持つ。
寒天は、糖やコレステロールの吸収を阻害し余分なコレステロールを対外に排出する、腸内の水分を集めて老廃物を排出する、植物繊維を多く含みビタミンCの吸収がよいので肌に艶が出る、動脈硬化の進行を阻止する、ダイエット効果に優れているなどの効果がある。
本発明で用いられる寒天は、粉末寒天 、フレーク寒天 、固形寒天 、角寒天 、糸寒天 など種類は問わないが、粉末寒天は小麦粉やヨモギ粉末と混ぜやすく好適である。
【0025】
本発明のパスタ調製用小麦粉(好ましくは小麦全粒紛)と寒天の配合比は、小麦粉1重量部に対して、寒天が0.01〜0.15重量部、好ましくは、0.02〜0.1重量部配合する。0.15重量部を超えると小麦粉と寒天を練り合わせるのが困難になる。0.01重量部より低いと寒天の効果が低くなる。
【0026】
本発明のパスタは、さらに他の材料や栄養素、塩、オリーブ油等を所望により含有することができる。
【0027】
本発明は、小麦全粒紛にヨモギ、タモギ茸およびトマトを練り合わせることを特徴とするパスタの製造方法に関する。
小麦全粒粉を含有する小麦粉(好ましくは全粒粉100%)にヨモギ、タモギ茸およびトマトを練り合わせる。ヨモギは乾燥後粉砕して得た粉末を用いるのが好ましい。タモギ茸は乾燥後粉砕して得た粉末を用いるのが好ましい。トマトは生トマトを粉砕搾汁したもの若しくはトマトジュースを用いることができる。
好ましくは、小麦全粒粉、ヨモギ粉末およびタモギ茸粉末を混合し、そこにトマト搾汁またはトマトジュースを加え練り合わせる。適宜、他の材料や調味成分を加えることができる。その後熟成、成形し所望のパスタ形状としてパスタを製造する。その後、乾燥パスタ、生パスタ、冷凍パスタ、インスタントパスタなど所望の販売形態に合わせて加工することができる。
【0028】
本発明のパスタは、スパゲッティ、リングイネなどのロングパスタ、マカロニ、ペンネなどのショートパスタ、その他、板状、団子状、筒状のパスタなど種類は限定されない。また、生パスタ、乾燥パスタ、冷凍パスタ、インスタントパスタ等の種類も限定されることなくすべての態様を含む。
【0029】
かくして調製される本発明のヨモギ含有パスタは、ブドウ糖を基準食としたグリセミックインデックス値(GI値)が50以下であることが好ましく、さらに45以下であるのが好ましい。これは、パスタ摂取による血中への糖の吸収ができるかぎり調節されたものであることが、主にヨモギ成分並びにトマト成分および/またはタモギ茸成分を摂取することを主目的にするパスタであるためパスタの味、食感を落とさない範囲でGI値が抑えられたものが好ましいからである。
【0030】
本発明のヨモギ含有パスタは、高血圧、動脈硬化、心臓病、不整脈、糖尿病、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、肥満、更年期障害、神経痛、胃潰瘍、視力障害、メタボリックシンドローム、神経障害および/または癌の予防/改善に有効である。また、体重増加抑制、内臓脂肪減少、血糖値低下、血圧低下、食欲改善等の臨床効果を有する。また、糖尿病患者または糖尿病予備軍と言われる血糖値が高い人でも安心して食べることができる食品である。
【0031】
本発明のパスタは手軽に食すことができ(例えば、茹でてそのまま、スープに加えるなど)食べやすく、幅広い年齢層が毎日摂取することができるものであり、上記症状改善効果、および臨床効果を有する。上記のような臨床効果を得るためには、1日平均20〜300g(茹でた後の重量)の本発明のヨモギ含有パスタの摂取が好適である。
【0032】
以下に本発明のパスタを実施例によって説明するが、これは好適例を例示するものであって、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0033】
(実施例1)
トマト2個をジューサーにより絞りトマト搾汁を得た。デュラム・セモリナ粉60gにヨモギ粉末(よもぎ健康市場製)3g、寒天粉末5g、塩1gを加えて混合した。これに上記トマト搾汁40mlとオリーブ油5mlを加えて練り合わせた。よく練り合わせた後、2時間熟成させた。その後成形しパスタ(スパゲッティ)を製造した。
これを、茹でて食べたところ食感は滑らかであり、いやな匂いや苦味はなく味がまろやかな食べやすいパスタであった。
【0034】
(実施例2)
トマト2個をジューサーにより絞りトマト搾汁を得た。デュラム・セモリナ粉60gにヨモギ粉末(よもぎ健康市場製)3g、タモギ茸粉末(奥田製作所製)1g、塩1gを加えて混合した。これに上記トマト搾汁40mlとオリーブ油5mlを加えて練り合わせた。よく練り合わせた後、2時間熟成させた。その後成形しパスタ(スパゲッティ)を製造した。
これを、茹でて食べたところ食感は滑らかであり、味は甘み、旨みがあり、まろやかであり、いやな匂いや苦味はなく食べやすいパスタであった。
【0035】
(実施例3)
トマト搾汁の代わりに40mlの食塩無添加100%トマトジュース(カゴメ株式会社製)を使用した以外は実施例2と同様にしてパスタ(スパゲッティ)を製造した。
これを、茹でて食べたところ食感は滑らかであり、味は甘み、旨みがあり、まろやかであり、いやな匂いや苦味はなく食べやすいパスタであった。
【0036】
(臨床例)
本発明のパスタを茹でて食したところ、以下の臨床例に示す効果があった。なお、臨床例に示すパスタの重量は茹でた後の重量である。
【0037】
(臨床例1)45歳 男性 高血圧
パスタを食べる前は、最高血圧160、最低血圧が100であった。実施例1で得られたパスタ100gを毎日食べたところ、2日後には最高血圧が140、最低血圧が90になり、1週間後には、最高血圧が130、最低血圧が89になった。
【0038】
(臨床例2)50歳 女性 不整脈
実施例1で得られたパスタ100gを毎日1週間食べたところ、不整脈が出ないようになった。徹夜しても不整脈は出なかった。
【0039】
(臨床例3)27歳 女性 肥満(70kg)
実施例1で得られたパスタ200gと共に、その他好きな食品を毎日夕食として食べたところ、2週間で体重が5kg減少した。パスタ自体が飽きない味であり、他の食品と共に食べることができるため、その後も食べ続けることができた。
【0040】
(臨床例4)42歳男性 肥満(95kg)
実施例1で得られたパスタ200gと共に、その他好きな食品を毎日夕食として食べたところ、2週間で体重が4kg減少した。パスタ自体が飽きない味であり、他の食品と共に食べることができるため、その後も食べ続けることができた。
【0041】
(臨床例5)42歳男性 肥満(120kg)
夜中に食事をする習慣があった。そこで、夜中の食事を実施例1で得られたパスタ200gに替えたところ、1週間で体重が2kg減った。
【0042】
(臨床例6)56歳女性 肥満(体重92kg)
実施例1で得られたパスタ100gを夕食の主食とした以外は通常の食事をしたところ、1週間で体重は変わらないが、内臓脂肪が17から15に減少した。
【0043】
(臨床例7)6歳男子 アトピー性皮膚炎
実施例1で得られたパスタ100gを毎日食べたところ、痒みが楽になった。
【0044】
(臨床例8)64歳男性 糖尿病
食事制限が厳しく何を食べてよいかわからず、生命活動が減退していた。実施例1で得られたパスタ200gを、毎日2週間食したところ、血糖値が210mg/dlから140mg/dlまで下がった。
【0045】
(臨床例9)39歳女性 脱力感
原因不明の脱力感があり、1日中起きることができない状態で食欲もなかった。唯一食べれるのがスパゲッティであったので、実施例1で得られたパスタ100gを1週間食べたところ、食欲がでてきて脱力感が少し改善された。
【0046】
(臨床例10)
実施例1で得られたパスタ50gを2歳〜5歳の幼児5人に食べさせたところ、匂いが気にならず、美味しいと毎日食べることができた。
【0047】
(臨床例11)50歳代女性 高血圧
最高血圧178、最低血圧107であり、疲れるとよりいっそう血圧が高くなっていた。実施例3で得られたパスタ100gを毎日食したところ、二日目に最高血圧151、最低血圧95に下がった。一週間目には最高血圧136、最低血圧90まで下がった。
【0048】
(臨床例12)60歳代女性 癌
肝臓に癌が8個あり、直腸にも癌があり、手術は不可能であった。抗癌剤は服用せず、実施例1で得られたパスタを1ヶ月間、毎日80g食したところ、直腸からの出血が止まり、内視鏡検査の所見が改善され、黄疸も改善した。
その後、実施例3で得られたパスタを毎日80g食したところ、実施例3のパスタを食べ始めた日を1日目として以下のように改善した。
1日目 大便18回(水状態、血便3回)、小便18回、胸やけがひどく食欲もない。
2日目 大便15回、小便16回、ゲップ減少。胸やけが少し楽になる。
5日目 大便13回(出血改善、塊有り)、小便13回。
8日目 大便6回(2回塊有り)、小便10回。食欲が少し出てきた。
14日目 血液検査の値が改善された(表1)。
【表1】

【0049】
(比較例)
以下のように、トマトを含有しないヨモギ含有パスタを製造した。
デュラム・セモリナ粉60gにヨモギ粉末(よもぎ健康市場より購入)3g、寒天粉末5g、塩1gを加えて混合した。これに、オリーブ油5mlおよび水40mlを加え練り合わせた。よく練り合わせた後、2時間熟成させた。その後成形しパスタ(スパゲッティ)を製造した。
これを、茹でて食べたところ、いやな匂いや苦味はなく食べやすいパスタであった。
【0050】
上記比較例で得られたパスタを茹でて食したところ、以下の比較臨床例に示す効果があった。なお、比較臨床例に示すパスタの重量は茹でた後の重量である。
【0051】
(比較臨床例1)45歳 男性 高血圧
パスタを食べる前は、最高血圧162、最低血圧が100であった。比較例で得られたパスタ100gを毎日食べたところ、1週間後には、最高血圧が136、最低血圧が91になった。
【0052】
(比較臨床例2)50歳 女性 不整脈
比較例で得られたパスタ100gを毎日1週間食べたところ、不整脈が改善された。しかし、徹夜など無理をしたときは、不整脈がでた。
【0053】
(比較臨床例3)27歳 女性 肥満(70kg)
比較例で得られたパスタ200gのみを毎日夕食として食べたところ、1週間で体重が2kg減少した。しかし、1週間食べ続けると飽きてしまい、食べるのを止めたところ、その後体重が増えた。
【0054】
(比較臨床例4)42歳 男性 肥満(100kg)
比較例で得られたパスタ200gのみを毎日夕食として食べたところ、3ヶ月で体重が10kg減少した。しかし、食べ続けると飽きてしまい、食べるのを止めたところ、その後体重が増えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦全粒紛およびヨモギを含有し、さらにタモギ茸若しくはトマトを含有しているパスタ。
【請求項2】
小麦全粒紛、ヨモギおよびタモギ茸を配合して調製された請求項1に記載のパスタ。
【請求項3】
小麦全粒紛、ヨモギおよびトマトを配合して調製された請求項1に記載のパスタ。
【請求項4】
小麦粉1重量部に対して、タモギ茸粉末が0.01〜0.2重量部配合されている請求項1または2に記載のパスタ。
【請求項5】
小麦粉1重量部に対してトマトが0.1〜2重量部配合されている請求項1または3に記載のパスタ。
【請求項6】
小麦全粒紛、ヨモギ、タモギ茸およびトマトを配合して調製された請求項1〜5のいずれか一に記載のパスタ。
【請求項7】
小麦粉1重量部に対して、ヨモギ粉末が0.02〜0.3重量部配合されている請求項1〜6のいずれか一に記載のパスタ。
【請求項8】
さらに寒天を含有し、小麦粉1重量部に対して、寒天粉末が0.01〜0.15重量部配合されている請求項1〜7のいずれか一に記載のパスタ。
【請求項9】
ブドウ糖を基準食としたグリセミックインデックス値(GI値)が50以下である請求項1〜8のいずれか一に記載のパスタ。
【請求項10】
小麦全粒紛がデュラム小麦全粒紛である請求項1〜9のいずれか一に記載のパスタ。
【請求項11】
高血圧、動脈硬化、心臓病、不整脈、糖尿病、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、肥満、更年期障害、神経痛、胃潰瘍、視力障害、メタボリックシンドローム、神経障害および癌から選ばれる少なくとも一の予防および/または改善に有効である請求項1〜10のいずれか一に記載のパスタ。
【請求項12】
体重増加抑制、内臓脂肪減少、血糖低下、血圧低下および/または食欲改善の臨床効果を有する請求項1〜11のいずれか一に記載のパスタ。
【請求項13】
小麦全粒紛にヨモギ、タモギ茸およびトマトを練り合わせることを特徴とするパスタの製造方法。

【公開番号】特開2011−83272(P2011−83272A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273230(P2009−273230)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(508234785)
【Fターム(参考)】