説明

ライセンス管理システム、ライセンス管理プログラム、およびライセンス管理方法

【目的】本発明は、顧客毎に多数のソフトウェア商品のライセンスを管理するライセンス管理システム、ライセンス管理プログラムおよびライセンス管理方法に関し、顧客企業の多数の社員が使用する多種類のソフトウェア商品を安価で任意の期間使用可となり、かつライセンス管理を簡易に実現することを目的とする。
【構成】 顧客の各ユーザ端末に設け、ソフトウェア商品がインストールされた当該ユーザ端末で、一意のライセンスキーをもとに当該ソフトウェア商品を起動して使用可とするエージェントと、顧客のユーザ端末からのキー発行依頼に対応して当該顧客の発行済みのライセンス数を管理すると共に当該ユーザ端末に一意のライセンスキーを作成して返送して保存させる管理センタとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客毎に多数のソフトウェア商品のライセンスを管理するライセンス管理システム、ライセンス管理プログラムおよびライセンス管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ソフトウェア商品は顧客企業が社員に使用させる数分のライセンスを一括購入し、社内LANに接続された各社員の端末(パソコン)にインストールしてそれぞれ使用していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したように、顧客企業では、ソフトウェア商品を購入して社員のパソコンにインストールして使用していたため、社員が使用する最大数分のライセンスを購入する必要があり、あるときは最大数分のソフトウェア商品を社員がそれぞれ使用していたが、このときは購入した最大数分のライセンスだけのソフトウェア商品を使用しなくなって使用されないライセンスが多数発生して無駄になってしまうなどの問題があった。
【0004】
また、ソフトウェア商品を購入した顧客企業では、購入した最大数分のライセンスを越えて使用しないようにしたりなどの煩雑な管理が要求されてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、これらの問題を解決するため、多数のユーザ端末、ユーザ端末を管理する管理サーバを顧客側に設けると共に、複数の顧客に対してソフトウェア商品のライセンス数を管理およびキーを発行する管理センタを設け、管理センタが各顧客のユーザ端末あるいは媒体毎に一意のキーの発行、失効を一括管理すると共に、各ソフトウェア商品のライセンスを一括購入して安価に配分、再配分することを目的としている。
【0006】
従って、顧客企業の多数の社員が使用する多種類のソフトウェア商品を安価で任意の期間使用可となり、かつライセンス管理を簡易に実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、多数のユーザ端末、ユーザ端末を管理する管理サーバを顧客側に設けると共に、複数の顧客に対してソフトウェア商品のライセンス数を管理およびキーを発行する管理センタを設け、管理センタが各顧客のユーザ端末あるいは媒体毎に一意のキーの発行、失効を一括管理すると共に、各ソフトウェア商品のライセンスを一括購入して安価に配分、再配分することにより、顧客企業の多数の社員が使用する多種類のソフトウェア商品を安価で任意の期間使用可となり、かつライセンス管理を簡易に実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、多数のユーザ端末、ユーザ端末を管理する管理サーバを顧客側に設けると共に、複数の顧客に対してソフトウェア商品のライセンス数を管理およびキーを発行する管理センタを設け、管理センタが各顧客のユーザ端末あるいは媒体毎に一意のキーの発行、失効を一括管理すると共に、各ソフトウェア商品のライセンスを一括購入して安価に配分、再配分することを実現した。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
図1において、管理サーバ1は、顧客企業内に設けたサーバであって、ここでは、顧客企業内のLANに接続された多数のユーザ端末2を管理するものであり、ライセンス有効確認手段11、稼動状況記録手段12、ライセンス管理テーブル13などから構成されるものである。
【0010】
ライセンス有効確認手段11は、顧客企業内のLANに接続された多数のユーザ端末2が使用するソフトウェア商品のライセンスの有効を確認(所定期間、例えば月毎にライセンスの有効か否かを確認)するものである(図2から図6を参照)。
【0011】
稼動状況記録手段12は、顧客企業内のLANに接続された多数のユーザ端末2が使用するソフトウェア商品のライセンスの稼動状況を確認(所定期間、例えば月毎にライセンスの利用状況を確認)するものである(図2から図6を参照)。
【0012】
ライセンス管理テーブル13は、顧客企業内のLANに接続された多数のユーザ端末2が使用するソフトウェアのライセンスを登録して管理するものである(図6の(c)参照)。
【0013】
ユーザ端末2は、顧客企業内のLANに接続した端末(パソコン)であって、ソフトウェア商品をインストールし、起動して業務処理を行うものであり、エージェント21、ICカードアダプタ22などから構成されるものである。
【0014】
エージェント21は、インストールされたソフトウェア商品の起動時に、キー(ライセンスキー)をもとにソフトウェア商品を起動するものである。エージェント21は、キーをもとにユーザ端末2の固有ID(例えばハードディスクの固有ID,CPUの固有ID)あるいはユーザ端末2に接続された媒体(例えばICカード23)の固有IDが当該キーに暗号化(書き換え不可)されて格納されている値と一致したときにソフトウェア商品を起動したりなどするものである(図2から図6を用いて後述する)。
【0015】
ICカードアダプタ22は、ICカード23などの媒体を接続するためのものであって、当該ICカード23の媒体固有のIDを読み出すためのものである。ICカード23から読み出した固有のIDが、キーに含まれている暗号化されたIDと一致したときに当該ICカード23の接続されているユーザ端末2の該当ソフトウェア商品をエージェント21が起動可能とするためのものである。
【0016】
ICカード23は、ユーザ端末2に接続する媒体の例であって、上述したように、当該媒体の固有のIDを読み出すためのものである。ICカード23の他に、媒体としては、HD(ハードディスク装置)、通信用の通信アダプタなどの各種外部取り付け装置がある。
【0017】
管理センタ3は、ネットワークを介して顧客企業の管理サーバ1、更に、ユーザ端末2に接続してソフトウェア商品のライセンスを一括管理するものであって、ここでは、ライセンス発行手段31、ライセンス管理手段32、ソフトウェア取引テーブル33、顧客管理テーブル34、ライセンス管理テーブル35、ライセンスキーテーブル36などから構成されるものである。
【0018】
ライセンス発行手段31は、顧客企業のユーザ端末2に固有のライセンスキーを発行するものである(図2から図6を参照)。
【0019】
ライセンス管理手段32は、顧客企業のユーザ端末2に発行、失効したライセンス(ライセンス数)を一括管理するものである(図2から図6を参照)。
【0020】
ソフトウェア取引テーブル33は、メーカからソフトウェア商品を一括契約してその内容を登録するテーブルである(図6の(a)参照)。
【0021】
顧客管理テーブル34は、顧客毎に契約したソフトウェア商品、契約期間、開封キー、媒体キー、最大契約数などを登録して管理するものである(図6の(b)参照)。
【0022】
ライセンス管理テーブル35は、顧客のユーザ端末毎にそのライセンス情報(ユーザ端末名、契約種別、契約期間、稼動記録など)を管理するものである(図6の(c)参照)。
【0023】
ライセンスキーテーブル36は、顧客のユーザ端末2に発行した一意のライセンスキーを登録して管理するものである(図6の(d)参照)。
【0024】
次に、図2から図5のフローチャートの順番に、図1の構成の動作を、図6のテーブルを参照しつつ詳細に説明する。ここで、ユーザ端末2、管理サーバ1、管理センタ3は、図1のユーザ端末2、管理サーバ1、管理センタ3にそれぞれ対応する。メーカは、ソフトウェア商品のライセンスを行うメーカ(会社など)である。
【0025】
図2は、本発明の動作説明フローチャート(その1)を示す。
図2において、S1は、注文する。これは、管理センタ3がメーカにソフトウェア商品の一括ライセンスの注文を行う(例えばネットワークを介して契約書をメーカに送付して注文を行う、あるいは別途、書面で契約書をメーカに郵送して注文を行う)。
【0026】
S2は、メーカが受け付け、出荷する。これは、S1で注文したことに対応して、メーカがソフトウェア商品の注文を受け付け、当該ソフトウェア商品およびライセンス情報(例えば開封キー、ライセンス数など)を出荷する(ネットワーク経由して管理センタ3に送信あるいは別途、媒体に記録して郵送する)。
【0027】
S3は、納品する。これは、S2で出荷されたソフトウェア商品およびライセンス情報を管理センタ3に納品する。
【0028】
S4、S5は、ソフトウェア取引テーブル33に登録/更新する。これにより、図6の(a)のソフトウェア取引テーブル33に記載されているように、納品されたソフトウェア商品である、ソフトウェアA,B・・・など(ソフトウェア名、版数、ライセンス数、契約期間、契約金額など)か図示のように登録、あるいは更新される。
【0029】
以上のS1からS5によって、管理センタ3は開発元(販売元)のメーカにソフトウェア商品を注文し、納品を受けて図6の(a)の取引テーブル33にソフトウェア名、版数、ライセンス数(一括注文して納品を受けたソフトウェアのライセンス数)、契約期間、契約金額などを図示のように登録/更新し、多数の顧客企業のユーザ端末2にライセンスキーを発行する準備が完了したこととなる。
【0030】
S11は、契約する。これは、顧客企業のユーザ端末2から契約(ソフトウェア商品のライセンスの契約)を、管理センタ3に送信する(あるいは別途、契約書を郵送する)。
【0031】
S12は、受け付ける。これは、S11で送信(郵送)された契約(契約書)を受け付ける。
【0032】
S13は、顧客管理テーブル34に登録/更新する。これは、S12で受け付けた契約を、図6の(b)の顧客管理テーブル34に記載されているように、顧客企業のライセンス付与を希望する、ソフトウェア名称、版数、ユーザ名(顧客名)、契約期間、開封キー、最大契約数(最大の契約したライセンス数)などを登録あるいは更新する。
【0033】
S14は、管理サーバ1を設置する。これは、顧客企業側で、図1の管理サーバ1を設置する。
【0034】
S15は、エージェントをインストールする。これは、顧客企業内のユーザ端末2に、エージェントプログラムをインストールし、S16以降のユーザ端末2における各種処理を実行できるようにする。
【0035】
S16は、媒体キーを生成する。これは、S15でインストールされたエージェント21がインストールされたユーザ端末2の固有ID(例えばハードディスク、CPUの装置固有のID)あるいはユーザ端末2に接続されたICカード23などの媒体の固有のIDを読み取って媒体キーを生成(例えば読み取ったIDをそのまま媒体キーとして生成)する。
【0036】
S17は、アプリケーションをインストールする。これは、ライセンスの対象のアプリケーション(ソフトウェア商品)をユーザ端末2にインストールし、動作可能状態にする。
【0037】
S18は、キー発行依頼を送信する。
S19は、S18のキー発行依頼時にS16で生成した媒体キーを添付する。
【0038】
S20は、受付/管理する。これは、管理サーバ1がS18、S19で送信されたキー発行依頼を受け付け、ライセンス管理テーブル13に登録/更新して管理する。
【0039】
S21は、受け付け、媒体キーを受領する。これは、管理センタ3がS20で管理サーバ1で受け付けられた媒体キーの添付されたキー発行依頼を受け付ける。
【0040】
S22は、ライセンスキーを発行する。これは、管理センタ3がS21で受け付けた媒体キー(ユーザ端末2あるいはユーザ端末2に接続された媒体の一意のキー)、更に、図6の(d)のライセンスキーテーブル36に記載されている、ソフトウェア名、契約期間、開封キーをもとに改ざん防止HASHを公知の手法で生成する。これにより、生成されたライセンスキーをもとに、ソフトウェア名、契約期間、開封キー、媒体キーが一致しないと、ユーザ端末2にインストールされたエージェント21が該当ソフトウェアを起動しないように制御される。
【0041】
S23は、顧客管理テーブル34に登録する。
S24は、ライセンス管理テーブル35に登録する。これらS23、S24は、S22でライセンスキーを発行したことに対応して、図6の(b)の顧客管理テーブル34に新たなエントリを作成して当該ライセンスキーを発行した情報(ソフトウェア名、版数、ユーザ名(顧客名)、契約期間、開封キー、媒体キー(ユーザ端末2あるいは媒体に一意のキー)、最大契約数(顧客が契約した最大契約数))を登録、および図6の(c)のライセンス管理テーブル35に新たなエントリを作成して当該ライセンスキーを発行した情報(ユーザ端末、契約種別、契約期間、稼動記録(登録時はなし))を登録する。
【0042】
S25は、ライセンスキーを受領する。これは、管理サーバ1が、管理センタ3からS22で発行されたライセンスキーを受領する。
【0043】
S26は、配布を受ける。これは、S25でライセンスキーを受領した管理サーバ1からユーザ端末2が当該ライセンスキーの配布を受ける。
【0044】
S27は、アプリケーション利用開始する。
S28は、所定期間(例えば利用開始していから1月)を経過か判別する。YESの場合には、S29に進む。NOの場合には、S28を繰り返す。
【0045】
S29は、稼動報告を送信する。
S30は、稼動チェックする。これは、S29で送信された稼動報告を参照し、ソフトウェア毎の起動回数をチェックする。
【0046】
S31は、アプリケーション利用ありか判別する。これは、S30の稼動チェック(例えばソフトウェア(アプリケーション)毎の起動回数チェック)の結果、所定回数(例えば0回以上)あって利用ありか判別する。YESの場合には、S33でアプリケーション(ソフトウェア)の利用(起動)を継続する。一方、NOの場合には、S32で管理者に通知(例えばソフトウェア名、1ヶ月の利用回数が0回などのメッセージを管理者のユーザ端末2の画面上にリストとして表示して通知)する。
【0047】
以上のS11からS33によって、顧客企業が管理センタ3に契約(ソフトウェア名、ライセンス数などを契約)して図6の(a)のソフトウェア取引テーブル33および図6の(b)の顧客管理テーブル34に登録/更新し、管理サーバ1を設定、ユーザ端末2にエージェント21をインストール、ソフトウェア(アプリケーション)をインストールし、ユーザ端末2から媒体キーを添付したキー発行依頼を管理サーバ1経由で管理センタ3に送信すると、ライセンスキーを発行して図6の(b)の顧客管理テーブル34、図6の(c)のライセンス管理テーブル35、更に、図6の(d)のライセンスキーテーブル36に登録すると共に、ライセンスキーをユーザ端末2に送信して当該ライセンスキーをもとにアプリケーション(ソフトウェア)を起動して業務処理を開始することが可能となる。この際、所定期間毎(例えば1ヶ月毎)にユーザ端末2の稼動状況を管理サーバ1に通知し、利用されていないアプリケーション(ソフトウェア)があるときは管理者にその旨のメッセージを提示することが可能となる。
【0048】
図3は、本発明の動作説明フローチャート(その2)を示す。
図3において、S41は、アプリケーションを起動する。
【0049】
S42は、キーのHASHチェックが正常か、異常か判別する。これは、既述した図2のS22で管理センタ3が発行したライセンスキーについて、当該ライセンスキーのHASHが正常で改ざんされていなく正常か、改ざんされて異常か判別する。正常と判明した場合には、S43に進む。異常で改ざんされていると判明した場合には、S55に進む。
【0050】
S43は、契約期間内か判別する。これは、S41でアプリケーションを起動指示した日が、キーに含まれている契約期間内か判別する。YESの場合には、S44に進む。NOの場合には、契約期間内でないと判明したので、S55に進む。
【0051】
S44は、稼動報告期間内か判別する。これは、例えばアプリケーション使用開始してから稼動報告期間(例えば1ヶ月)以内か判別する。YESの場合には、S52に進む。NOの場合には、稼動報告期間(例えば1ヶ月)を経過していると判明したので、S45に進む。
【0052】
S45は、S44で稼動報告期間(例えば1ヶ月)を経過していると判明したので、ユーザ端末2がキー失効確認を管理サーバ1に送信する。
【0053】
S46は、管理サーバ1がキー失効確認を受信する。そして、管理センタ3に転送する。
【0054】
S47は、管理センタ3がキー失効確認を受信する。
S48は、顧客管理テーブル34を参照する。
【0055】
S49は、キー確認結果を生成する。これは、S48で図6の(b)顧客管理テーブル34を参照し、キー失効確認のあったキー(ライセンスキー)が登録されている(失効して削除されていない)か、あるいは登録されていない(失効して削除済み)かのいずれかのキー確認結果を生成する。そして、管理サーバ1に返信する。
【0056】
S50は、管理サーバ1がキー確認結果を受信する。そして、ユーザ端末2に転送する。
【0057】
S51は、キー失効か判別する。これは、ユーザ端末2のエージェント21が、受信したキー確認結果がキー失効(図6の(b)の顧客管理テーブル34に登録されていなく、キー失効)か判別する。YESの場合には、S54で失効したキーを無効化し、S55に進む。一方、NOの場合には、キーが失効していなく有効と判明したので、S52に進む。
【0058】
S52は、媒体キーと比較して一致か判別する。これは、エージェント21がキー(ライセンスキー)に含まれる媒体キーと、ユーザ端末2の固有IDあるいはユーザ端末2に接続されている媒体(例えば図1のICカード23)の固有IDと比較して一致か判別する。YESの場合には、S53でアプリケーションを起動し、運用開始する。一方、NOの場合には、S55に進む。ここで、媒体キーは、ユーザ端末2のCPU,ハードディスクの固有のID(装置ID)、更に、セキュリティID、セキュリティチップのIDなどであり、ユーザ端末2に接続された媒体の場合には、ICカード23のIDなどである。
【0059】
S55は、エラーメッセージと起動不可を表示し注意を促す。これにより、ユーザ端末2を操作する利用者は、起動しようとしたソフトウェアのライセンスが失効、キー(ライセンスキー)の改ざん、有効期限経過などで利用できないことを認知することが可能となる。
【0060】
以上によって、利用者がユーザ端末2上のアプリケーション(ソフトウェア)の起動指示したときに、キーをもとにHASHチェックして当該キーが改ざんされていないか判別、期間経過していなか判別、稼動報告期間経過していなか判別、更に、キー失効していなか判別し、これらが正常(有効)のときに、更に、キーに含まれる媒体キーとユーザ端末2の媒体キーとが一致して正当な端末か判別してOKのときにアプリケーション(ソフトウェア)を起動し、業務処理を開始することが可能となる。
【0061】
図4は、本発明の動作説明フローチャート(その3)を示す。
図4において、S62は、所定期間経過か判別する。これは、ユーザ端末2を構成するエージェント21が稼動報告する所定期間(例えば1ヶ月)を経過か判別する。YESの場合には、S63で稼動報告を管理サーバ1に送信し、S65に進む。NOの場合には、S64に進み、処理を続行する。
【0062】
S65は、稼動状況を記録する。これは、S63で稼動報告を受信した管理サーバ1が当該受信した稼動報告を記録する。そして、管理センタ3に転送する。
【0063】
S66は、管理センタ3が稼動報告を記録する。
S67は、ライセンス管理テーブル35に記録する。これは、図6の(c)のライセンス管理テーブル35に、ユーザ端末2のエージェント21から報告のあった当該ユーザ端末2における稼動状況(例えば稼動日)中の最終の稼動日を取り出して登録する。
【0064】
S68は、管理サーバ1が締め日か判別する。これは、管理サーバ1がユーザ端末2がアプリケーションの稼動状況を管理する締め日(例えば月に1回の締め日)か判別する。YESの場合には、S70に進む。NOの場合には、S69で処理を続行する。
【0065】
S70は、稼動状況を作成する。これは、ユーザ端末2毎(更にアプリケーション毎)の稼動状況(起動回数、最終起動日など)を作成する。
【0066】
S71は、顧客管理者に通知する。これは、S70で作成した稼動状況のリストを提示して通知する。
【0067】
S72は、アプリケーション稼動実績ありか判別する。これは、S71で通知を受けた稼動状況中に、所定期間(例えば1ヶ月)の間にアプリケーションの起動実績ありか判別する。YESの場合には、S73で継続して処理を行う。NOの場合には、S74に進む。
【0068】
S74は、管理者に確認依頼する。管理者が使わないと指定したときはS76に進む。管理者が使うと指定したときはS75で継続して処理を行う。
【0069】
S76は、契約更新(ライセンス数変更)する。これは、ユーザ端末2にインストールされているアプリケーション(ソフトウェア)が使われていなく、かつ管理者が使わないと指定したと判明したので、当該アプリケーションのライセンスが不要となったので、契約更新(ライセンス数を1つ削減)すると決定する。
【0070】
S77は、キー失効を受け付ける。これは、S76でライセンスが不要と判明したので、当該ライセンスのキーの失効を受け付ける。
【0071】
S78は、エージェントのキー失効処理を行う。これにより、ユーザ端末2を構成するエージェント21が該当キー(使用されていなく、かつ管理者が不要と指定したライセンスキー)を無効にする。
【0072】
S79は、管理センタ3が管理サーバ1からのキー失効を受け付ける。
S80は、顧客管理テーブル34から該当エントリ(失効したキーのエントリ)を削除する。
【0073】
以上によって、所定期間毎(例えば1月毎)に各ユーザ端末2のエージェントがアプリケーション(ソフトウェア)の稼動状況を管理サーバ1に通知して記録し、締め日に使用されていないアプリケーションがあったときに管理者に提示して使わないと指定されたときに失効と決定し、ユーザ端末2を構成するエージェントに通知してキーを失効させると共に、管理センタ3に通知して顧客管理テーブル34から該当エントリを削除してキーを失効させることが可能となる。失効させたライセンスは、他のユーザ端末2からのキー発行依頼があったときに再利用することが可能となる。
【0074】
図5は、本発明の動作説明フローチャート(その4)を示す。
図5において、S81は、管理センタ3が注文する。
【0075】
S82は、受付/出荷する。これは、S81の注文を、メーカが受け付け、出荷する(ソフトウェアおよびライセンス情報を出荷する)。
【0076】
S83は、納品する。これは、S82で出荷されたソフトウェアおよびライセンス情報を、管理センタ3に納品する。
【0077】
S84は、未契約エントリを作成する。
S85は、ソフトウェア取引テーブル33に登録する。
【0078】
以上のS81からS85によって、管理センタ3がソフトウェアを開発元(販売元)のメーカに注文し、メーカから納品されたソフトウェア(ライセンス情報)を図6の(a)のソフトウェア取引テーブル33に示すように登録することが可能となる。
【0079】
S91は、ユーザ端末2のエージェント21がキー発行依頼を送信する。
S92は、S91で送信されたキー発行依頼を、管理サーバ1が受付け、管理する。
【0080】
S93は、管理サーバ1が管理センタ2にキー発行依頼の管理、新規発行依頼を送信する。
【0081】
S94は、S93で送信された新規発行依頼を受け付ける。
S95は、最大契約数以内か判別する。これは、S94で受け付けたキー(ライセンスキー)の新規発行依頼が当該顧客の最大契約数以内か判別する。YESの場合には、S96でキーを生成し、S97で顧客管理テーブル34に登録すると共に管理サーバ1にキーを通知する。
【0082】
S98は、S95で通知を受けた管理サーバ1が受付け、ライセンス管理テーブル13に登録して管理すると共に、キーを該当ユーザ端末2のエージェント21に送信する。
【0083】
S99は、S98で送信を受けたエージェント21がキーの配布を受けて保存する。これにより、以降は、エージェント21は当該キーをもとにアプリケーション(ソフトウェア)を起動することが可能となる。
【0084】
S100は、管理センタ3がメーカとの注文数以内か判別する。これは、S96でキーを生成したことで、ライセンス数が1増加したので、当該アプリケーション(ソフトウェア)の全体のライセンス数が、管理センタ3がメーカに注文したライセンス数内か判別する。YESの場合には、注文したライセンス数以内と判明したので、S102で継続して処理を行う。一方、NOの場合には、注文したライセンス数を超えたと判明したので、S101で注文(追加注文)を行って管理センタ3のライセンス数を増やし、S102で処理を続行する。
【0085】
S103は、S95で受け付けたキー発行依頼が、当該顧客の契約した最大ライセンス数を超えると判明したので、顧客管理者にその旨(今回のキー発行依頼が契約ライセンス数を越える旨)の通知を行い、S104で管理者が追加契約を行う。そして、図示しないが、S94以降を繰り返し、キーを該当ユーザ端末のエージェント21に配布する。
【0086】
以上のS91からS104によって、ユーザ端末2のエージェント21からのキー発行依頼に対応して、管理センタ3が当該顧客の最大契約数以内であればキーを発行してエージェント21に配布し、一方、顧客の最大契約数を超えるときは追加契約してからキーを発行してエージェント21に配布することが可能となる。また、キーを発行したことに対応して、管理センタ3は最大ライセンス数を超えたときはメーカに事後注文してライセンス数を増加させ、ライセンス数が不足しないように手当てすることが可能となる。
【0087】
図6は、本発明のテーブル例を示す。
図6の(a)は、ソフトウェア取引テーブルの例を示す。ソフトウェア取引テーブル33は、ソフトウェアの開発元(販売元)から購入した情報を登録して管理するものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録し、管理するものである。
【0088】
・ソフトウェア名称:
・版数:
・ライセンス数:
・契約期間:
・契約金額:
・その他:
ここで、ソフトウェア名称はソフトウェアを区別する一意の名称である。版数はソフトウェアの版数である。ライセンス数はソフトウェアをライセンス可能な最大数である。契約期間はソフトウェアをライセンス可能な契約期間である。契約金額はライセンスを取得した契約金額である。
【0089】
以上のように、管理センタ3がメーカからソフトウェアのライセンス数を多量に安価で一括購入してテーブルで管理し、このライセンス数を超えない範囲(越えたときは事後に追加注文してライセンス数を増加させて超えない範囲)で多数の顧客のユーザ端末2に小分けしてライセンスキーを付与して当該ライセンスのもとでソフトウェアの使用および管理を行うことが可能となる。
【0090】
図6の(b)は、顧客管理テーブルの例を示す。顧客管理テーブル34は、顧客毎(ユーザ毎)の発行したキー(ライセンスキー)および最大契約数などを登録して管理するものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録して管理するものである。
【0091】
・ソフトウェア名称:
・版数:
・ユーザ名(顧客名):
・契約期間:
・開封キー:
・媒体キー:
・最大契約数:
・その他:
ここで、ソフトウェア名称はライセンスする対象の一意のソフトウェア名称である。版数はソフトウェアの版数である。ユーザ名(顧客名)はソフトウェアをライセンスする対象の顧客(顧客企業)である。契約期間はソフトウェアをライセンスする契約期間である。開封キーはソフトウェアを開封するキーである。媒体キーはソフトウェアをインストールしてキーの発行依頼したユーザ端末2の媒体キー(ユーザ端末2のハードウェアの固有ID,ユーザ端末2に接続したICカードなどの媒体のID)である。最大契約数は顧客が契約した最大のライセンス数である。
【0092】
図6の(c)は、ライセンス管理テーブルの例を示す。ライセンス管理テーブル35は、ユーザ端末2に発行したキー(ライセンスキー)のライセンス情報を登録して管理するものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録して管理するものである。
【0093】
・端末種別:
・契約種別:
・契約期間:
・稼動記録:
・その他:
ここで、端末種別はライセンスキーを発行した顧客のユーザ端末2の種別を登録したものである。契約種別はライセンスキーを発行したソフトウェアの名称である。契約期間はライセンスキーを発行したソフトウェアのライセンスの契約期間である。稼動記録はライセンスキーを発行したソフトウェアの最終の起動した日を登録したものである。
【0094】
図6の(d)は、ライセンスキーテーブルの例を示す。ライセンスキーテーブル36は、ソフトウェアのライセンスキーに関係する情報を登録して管理するものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録して管理するものである。
【0095】
・契約ソフトウェア:
・契約期間:
・開封キー:
・媒体キー:
・HASH:
・その他:
ここで、契約ソフトウェアはライセンスキーを発行するソフトウェア名称である。契約期間はライセンスの契約期間である。開封キーはソフトウェアを開封ときに使用するキーである。媒体キーはソフトウェアをインストールしたユーザ端末2の装置固有のIDあるいはユーザ端末2に接続したICカード23などの媒体の固有のIDである。HASHは契約ソフトウェア、契約期間、開封キー、媒体キーの改ざんを防止するための改ざん防止HASHである。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、顧客企業の多数の社員が使用する多種類のソフトウェア商品を安価で任意の期間使用可となり、かつライセンス管理を簡易に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の動作説明フローチャート(その1)である。
【図3】本発明の動作説明フローチャート(その2)である。
【図4】本発明の動作説明フローチャート(その3)である。
【図5】本発明の動作説明フローチャート(その4)である。
【図6】本発明のテーブル例である。
【符号の説明】
【0098】
1:管理サーバ
11:ライセンス有効確認手段
12:稼動状況記録手段
13:ライセンス管理テーブル
2:ユーザ端末
21:エージェント
22:ICカードアダプタ
23:ICカード
3:管理センタ
31:ライセンス発行手段
32:ライセンス管理手段
33:ソフトウェア取引テーブル
34:顧客管理テーブル
35:ライセンス管理テーブル
36:ライセンスキーテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客毎に多数のソフトウェア商品のライセンスを管理するライセンス管理システムにおいて、
顧客の各ユーザ端末に設け、ソフトウェア商品がインストールされた当該ユーザ端末で、一意のライセンスキーをもとに当該ソフトウェア商品を起動して使用可とするエージェントと、
前記顧客のユーザ端末からのキー発行依頼に対応して当該顧客の発行済みのライセンス数を管理すると共に当該ユーザ端末に一意のライセンスキーを作成して返送して保存させる管理センタと
を備えたことを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項2】
前記ライセンスキーは、ソフトウェア商品情報、ソフトウェア商品を開封する開封キー、およびソフトウェア商品を起動可能とするユーザ端末あるいは接続された媒体の一意の媒体キーのうちの少なくとも1つ以上を含んだ改変不可としたものであることを特徴とする請求項1記載のライセンス管理システム。
【請求項3】
前記管理センタは、顧客毎にユーザ端末に発行した全体のライセンス数を管理および失効した旨の通知があったときにそのライセンスを削除して再利用することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のライセンス管理システム。
【請求項4】
前記管理センタは、全顧客に発行したライセンス数を管理し、当該ライセンス数がソフトウェア商品の最大ライセンス数を越えたときにその旨のメッセージを表示することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のライセンス管理システム。
【請求項5】
前記多数のユーザ端末を管理する管理サーバを顧客側に設け、管理サーバはユーザ端末が前記ソフトウェア商品の使用状況を所定期間毎あるいは逐次管理し、未使用のユーザ端末を提示して管理者からの失効指示があったときに前記管理センタに通知して当該ユーザ端末のライセンスを失効させることを特徴とする請求項1から請求項4記載のライセンス管理システム。
【請求項6】
顧客毎に多数のソフトウェア商品のライセンスを管理するライセンス管理プログラムにおいて、
顧客の各ユーザ端末に設け、ソフトウェア商品がインストールされた当該ユーザ端末で、一意のライセンスキーをもとに当該ソフトウェア商品を起動して使用可とするエージェント手段と、
前記顧客のユーザ端末からのキー発行依頼に対応して当該顧客の発行済みのライセンス数を管理すると共に当該ユーザ端末に一意のライセンスキーを作成して返送して保存させる管理センタ手段と
してコンピュータに動作させるためのライセンス管理プログラム。
【請求項7】
顧客毎に多数のソフトウェア商品のライセンスを管理するライセンス管理方法において、
顧客の各ユーザ端末に設け、ソフトウェア商品がインストールされた当該ユーザ端末で、一意のライセンスキーをもとに当該ソフトウェア商品を起動して使用可とするステップと、
前記顧客のユーザ端末からのキー発行依頼に対応して当該顧客の発行済みのライセンス数を管理すると共に当該ユーザ端末に一意のライセンスキーを作成して返送して保存させる、管理センタに設けたステップと
を有するライセンス管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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