説明

ライセンス管理システム

【課題】同一クライアントのライセンス条件を越えた利用の防止や、ユーザにとって残期間の公平性を考慮した配布をする事が可能なライセンス管理システムを提供する。
【解決手段】ライセンスを発行する為に必要なアクセスナンバー(License Access Number:以降LA)で管理される複数のライセンス個々を識別したライセンスの利用状情報と、使用PC毎に管理された同LAで発行したライセンスに関する有効期限情報を用いて、ライセンスの状態管理及び発行、配布を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC上で動作するソフトウェアのライセンスを管理するライセンス管理システムのライセンス管理サーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ライセンス管理されたソフトウエアを利用する為のライセンスを、PCからLAとPC個体識別情報を含む要求にしたがってライセンス管理サーバから配付するライセンス管理システムがある。あわせてPCから一旦ライセンス管理サーバにライセンスを返却する事を可能とするシステムがある。
【0003】
また、PCからの再取得要求時にPCから取得した使用したライセンスに関する情報(使用期限、使用時間等)を用いてライセンス配布を制御する技術等が存在する。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開平06-223040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライセンス管理サーバが管理対象とするライセンスが有効期限付きではない場合、返却されたライセンスを含むライセンスをどのように配布しても問題はなかった。
【0005】
しかしながら、上記従来技術では管理対象となるライセンスが有効期限付きの場合、有効期限を考慮せずにライセンスを配布すると初めてライセンスを取得したPCに有効期限の短いライセンスが配付されしまう。一方、逆に返却して再取得する事で同一PCにLAに紐付く有効期間を越えて利用できるライセンスが配付されるといったユーザにとって不平等が発生してしまう問題が発生する。
【0006】
また、PCから取得した使用したライセンスに関する情報(使用期限、使用時間等)を用いる場合、PC側の情報改ざんなどに対応することができない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のライセンス管理システムは、
PCとインターネットを通じて接続されるライセンス管理サーバを有するライセンス管理システムであって、
前記PCはソフトウエアを利用する為のライセンスを前記ライセンス管理サーバに要求し取得・保存する手段と
前記取得したライセンスによってソフトウエアを利用する手段と、
前記ライセンスによって設定された有効期間によって利用可能な期間が制限される手段と、
前記ライセンスを前記ライセンス管理サーバに返却する手段をもち、
前述ライセンス管理サーバは、
ソフトウエアIDを登録、管理する手段とLAの発行、管理を行う手段と
前記LAで管理される対象ソフトウエア、ライセンス数及び有効期間を登録、管理する手段と
PC個体識別情報とLAとの引き替えにライセンスを発行する手段と
同LAで発行したライセンスに関する有効期限情報を使用PC毎に保存、管理する手段と
同LAで管理される複数のライセンス個々を識別した利用状況情報を保存、管理する手段と
定期的に前記同LAで管理される複数のライセンス個々を識別したライセンスの利用状情報と前記使用PC毎に管理された同LAで発行したライセンスに関する有効期限情報を用いて有効期限に到達したライセンスがあるかを監視する手段と、
有効期限に到達したライセンスがある場合、有効期限に達したライセンスの状態を制御、管理する手段をもち、
前記同LAで管理される複数のライセンス個々を識別したライセンスの利用状情報と
前述使用PC毎に管理された同LAで発行したライセンスに関する有効期限情報を用いて
ライセンスの状態管理及び発行、配布を制御する事を特徴とするライセンス管理システムである。
【発明の効果】
【0008】
ライセンス管理サーバにおいて、1LAに紐づく複数ライセンス個々の使用状況情報を管理しその内容を考慮して使用期限を有するライセンスの配付を行う。そうする事で同一PCでLAに紐付く有効期間を越えたの利用を防止やユーザにとって残期間の公平性を考慮した配布の実施が可能なる。さらに、公平化によりむだなライセンスの返却・取得を抑止されサーバ負荷の増大も防ぐ事が可能になる。
【0009】
また、ライセンス管理サーバ側のみで管理している情報だけを用いてライセンス配付を制御する事が可能でPC側の情報改ざんにも対応する事が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明に係わる実施例を添付図面に従って説明する。
【0012】
本発明に係る発明の実施の1形態例が適用されるネットワークシステム全体の構成図を図1に示す。
【0013】
複数のPC(102,103,104,105)はLAN106を通じてインターネット107に接続し、ライセンス管理サーバ101と接続されている。
【0014】
そしてPC(102,103,104,105)にイントールされたソフトウエアを利用する為に必要なライセンスをライセンス管理サーバ101に要求し取得する事によりソフトウエアの利用が可能となる。また、前記PCは取得したライセンスをライセンス管理サーバ101に返却する事が可能である。
【0015】
前記ライセンス管理サーバ101はインターネット107に接続され、PC上で動作するソフトウエアを有効化するライセンスの発行・配付や、配付したライセンスのPCからの返却及び再配付等のライセンス処理に関わるライセンス管理全般を行う。
【0016】
そして前述ライセンス発行サーバ101は、ソフトウエアを利用するPCを一意に識別するPC個体識別情報(PCid)とライセンスを発行する為に必要なLAと引き替えにライセンスを発行する。
【0017】
また、前記ライセンス管理サーバ101は1LAでの複数ライセンス対応と有効期限をもつライセンスの管理が可能である。尚、本ライセンス管理サーバに措ける有効期限管理においては、有効期限を持つライセンスがライセンス管理サーバ101に返却中も該当ライセンスのライセンス消費が停止する事はない。
【0018】
図2は、図1に示したライセンス管理サーバ101のモジュール構成を示すブロック図である。
【0019】
ライセンス管理制御部201は、ライセンス管理サーバ全体を制御する。
【0020】
ライセンス制御部202は、前記PCからの要請によりライセンスの発行、返却、再発行に関する制御を行う。
【0021】
LA制御部203は、ライセンス発行に必要なLAの発行とLAに対応する対象ソフトウエア、ライセンス数、有効期限の設定等LAに関する管理・制御を行う。
【0022】
LA管理情報保存部204は、発行されたLA、対応する対象ソフトウエア、ライセンス数、有効期限等LAに関連する情報を格納するものである。
【0023】
図3は、LA管理情報保存部204に保存される発行LAと対応する対象ソフトウエアの後述SW_id、ライセンス数、有効期限を管理するテーブル(LA管理テーブル301)を示す表である。
【0024】
入出力制御部205は、ライセンス発行・返却の入出力など 外部とのライセンスやLA等のデータ入出力の制御、管理を行う。
【0025】
ライセンス情報保存部206は、ライセンス発行・配付及び返却の管理に必要な1LAに紐付く複数ライセンス個々の以下情報を格納するものである。
【0026】
・ライセンス識別No(同LAの複数ライセンスを識別するNo)
・ステータス(ライセンスの現在の状態を示す)
とりうるステータスは以下4状態となる。
【0027】
1)未使用 : 一度も利用されていない
2)使用中 : 現在使用中
3)返却 : 使用実績があり返却されたが再使用可能
4)期限切 : ライセンスの有効期限が切れて使用できない。
【0028】
・PC個体識別情報 (本ライセンスを割り当てたPCのPCid)
・配付日 (本ライセンスを初めてPCに割り当てた日時情報)
・有効期限 (本ライセンスの有効期限日の日時情報)
図4は、ライセンス情報保存部206に保存される上記情報を管理するテーブルであるLA毎ライセンス割当管理テーブル401を示す表である。
【0029】
また、ライセンス情報保存部206はLA毎にライセンス配布先PC(ライセンス利用PC)別の有効期限を管理する為の以下情報も格納する。
【0030】
・ライセンス有効期限 (対応LAの有効期間から計算した最長有効期限日の日時情報)
・PC個体識別情報 (ライセンスを割り当てたPCのPCid)
図5は、ライセンス情報保存部206に保存される上記情報を管理するテーブルであるLA毎PC別ライセンス配付管理テーブル501を示す表である。
【0031】
ソフトウエア情報管理部207は,ライセンス対象であるソフトウエアのソフトウエア名、及び一意に識別するID(SW_id)の登録・管理を行う。
【0032】
ソフト情報保存部208は前述情報を格納するものである。
【0033】
図6は、ソフト情報保存部208に保存されるソフトウエア名、SW_idを管理するテーブル(ソフトウエア管理テーブル)601を示す表である。
【0034】
有効期限管理部209は,ライセンスの有効期限に関する制御・管理を行う。
【0035】
図7は、前記ライセンス管理サーバ101の概略構成を示すブロック図である。
【0036】
図7において、701は表示装置であり、その表示画面には、例えばウインドウ、アイコン、メッセージ、メニューその他のユーザインターフェース情報が表示される。702はVRAMであり、表示装置701に表示するための画像が描画される。このVRAM702に生成された画像データは、所定の規定に従って表示装置701に転送され、これにより表示装置701に画像が表示される。703はCDD(コンパクトディスクドライブ)であり、CD−ROMや、CD−Rなどの記録メディアとの間で各種制御プログラムやデータの読み書きを行う装置である。これはDVDドライブであってもよい。
【0037】
704はキーボードであり、文字入力を行うための各種キーを有する。705はPD(ポインティングデバイス)であり、例えば、表示部701の表示画面上に表示されたアイコン、メニューその他のオブジェクトを指示するために使用される。706はCPUであり、ROM707、HDD(ハードディスクドライブ)709、FDD(フレキシブルディスクドライブ)710及び外部記憶装置703に格納された制御プログラムに基づいてCPUデバイスに接続された各デバイスを制御する。707はROM(リードオンリメモリ)であり、各種の制御プログラムやデータを保持する。708はRAM(ランダムアクセスメモリ)でありCPU706のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等を有する。
【0038】
709は記憶装置としてのHDDであり、各種制御プログラムや各種データを保存する。711はネットワーク・インターフェースであり、他の情報処理装置(PC102-104)とインターネット107を介して通信を行うことができる。712はCPUバスであり、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。CPU706に対する制御プログラムの提供は、ROM707、HDD709、FDD710、CDD703から行うことができる。
【0039】
図8は、前記PC(102〜104)の本実施例に必要な主なモジュール構成を示すブロック図である。
【0040】
801はPCライセンス制御部であり、ライセンスの取得、ライセンスによるソフトウエアの利用可能不可の制御、ライセンスの有効期限管理、ライセンスの返却等のライセンス機能,ライセンス情報の入出力等の制御処理及び管理を行う。
【0041】
802はPCライセンス保存部であり、ライセンス管理サーバ101から取得したライセンス及び関連する情報を保存する。
【0042】
図9は、図1に示したPC(102,103,104,105)の概略構成を示すブロック図である。
【0043】
図9において、901は表示装置であり、その表示画面には、例えばウインドウ、アイコン、メッセージ、メニューその他のユーザインターフェース情報が表示される。902はVRAMであり、表示装置901に表示するための画像が描画される。このVRAM902に生成された画像データは、所定の規定に従って表示装置901に転送され、これにより表示装置901に画像が表示される。903はCDD(コンパクトディスクドライブ)であり、CD−ROMや、CD−Rなどの記録メディアとの間で各種制御プログラムやデータの読み書きを行う装置である。これはDVDドライブであってもよい。
【0044】
904はキーボードであり、文字入力を行うための各種キーを有する。905はPD(ポインティングデバイス)であり、例えば、表示部901の表示画面上に表示されたアイコン、メニューその他のオブジェクトを指示するために使用される。906はCPUであり、ROM907、HDD(ハードディスクドライブ)909、FDD(フレキシブルディスクドライブ)910及び外部記憶装置903に格納された制御プログラムに基づいてCPUデバイスに接続された各デバイスを制御する。907はROM(リードオンリメモリ)であり、各種の制御プログラムやデータを保持する。908はRAM(ランダムアクセスメモリ)でありCPU906のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等を有する。
【0045】
909は記憶装置としてのHDDであり、各種制御プログラムや各種データを保存する。911はネットワーク・インターフェースであり、他の情報処理装置(ライセンス管理サーバ)とインターネット106を介して通信を行うことができる。912はCPUバスであり、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。CPU906に対する制御プログラムの提供は、ROM907、HDD909、FDD910、CDD903から行うことができる。
【0046】
次に、図1,図2,図7,図8,図9が示す本発明システムの一動作例について、ライセンス管理サーバ101の制御過程を示すフローチャート 図10,図11,図12と管理テーブルを説明する図3,図4,図5,図6及びPC(102-105)の制御過程を示すフローチャート 図13を参照して説明する。
【0047】
ライセンス管理サーバ101において,ソフトウエア情報管理部207の制御の元にライセンスが必要なソフトウエア名とSW_idの登録を行い、ソフトウエア情報保存部208のソフトウエア管理テーブル601に保存する。
【0048】
さらに、LA制御部203の制御の元にソフトウエア管理テーブル601に登録したソフトウエアに対して、ライセンス数と有効期限を設定したLAを発行し、LA管理情報保存部204のLA管理テーブル301に保存する。
【0049】
PC102では別途ライセンス対象ソフトウエアとLAを入手し、ソフトウエアのインストールを行う。そして取得したライセンスをPCライセンス管理情報部801の制御の元に、ライセンス情報保存部802に保存し、保存したライセンスを用いて対象ソフトウエアを有効化し利用可能状態とする。
【0050】
また、PC102は、ライセンスが不要になった場合ライセンス情報保存部802に保存されているライセンスをライセンス管理情報部801の制御の元に、ライセンス管理サーバ101に返却する。これにより対象ソフトウエアが無効化され利用不可状態となる。
【0051】
より詳細には、PC102でライセンス対象ソフトウエアを起動すると、PCライセンス管理制御部801の制御の元にPCライセンス保存情報部802に該当ライセンスがあるかを確認する(S1301)。
【0052】
もし該当ライセンスが無い場合、PCライセンス管理制御部801の制御の元にライセンス対象ソフトウエア用の前記LAと依頼PC102のPC個体識別番号(PCid)を用いてライセンス管理サーバ101に対してライセンス発行を依頼する(S1302)。
【0053】
そして、ライセンス管理サーバ101からライセンス取得の有無を判別し(S1304)、ライセンスが取得できた場合、PCライセンス管理制御部801の制御の元に前記取得したライセンスをPCライセンス保存情報部802に保存し(S1307)、PCライセンス管理制御部801の制御の元該当ソフトウエアを起動する。(S1305)もしライセンスが取得できない場合(S1304)、PCライセンス管理制御部801の制御の元に該当ソフトウエアは起動しない。(S1306)
一方ライセンス管理サーバ101では、入出力制御部205の制御の元にPC102からライセンス関連依頼を受けると、ライセンス制御部202の制御の元に依頼がライセンスの取得か返却かを判別する。(S1001)
取得の場合、ライセンス制御部202の制御の元に依頼のLAに対応するLA毎ライセンス割当管理テーブル401を用いて配付可能なライセンスの有無を判別する。(S1002)
配付可能なライセンスとは,“未使用”または“返却”のステータスであるライセンスの事である。配付可能なライセンスがない場合はライセンスを割り当てない。(S1010)
配付可能なライセンスがある場合ライセンス制御部202の制御の元に依頼LAに対応するLA毎PC別ライセンス配付管理テーブル501に依頼PC(PCid)が登録されているかを検索し、対応LAにおいて初めてライセンスを要求したPCであるか識別する。(S1003)
登録されていない場合は初めてのPCと判別する。そして、前記LA毎PC別ライセンス配付管理テーブル501に依頼したPC(PCid)と、LA管理テーブル301の対応LAの有効期間と現在の日時情報から算出したライセンス有効期限日時をライセンス有効期間に登録する。(S1004)
次に、ライセンス制御部202の制御の元に依頼LAに対応するLA毎ライセンス配付管理テーブル401を用いてどのPCにも配付していなステータスが“未使用”であるライセンスがあるかを判別する。(S1005)
未使用のライセンスがある場合、前述LA毎ライセンス割当管理テーブル401の該当するライセンスのステータスを"使用中"に変更する。さらに、使用PCに依頼PCの“PCid”,PCに最初に配付した日に現在の日時を、有効期限にはLA管理テーブル301の対応LAの有効期間と現在の日時情報から算出したライセンス有効期限日時を登録する。そして、ライセンス制御部202と入出力制御部205の制御の元にPC102用の対応LAの有効期限を持つライセンスを発行し PCに配付する。(S1011)
未使用のライセンスがない場合、前述LA毎ライセンス割当管理テーブル401からステータスが「返却」であるライセンスの中で有効期限が最も長いものを配付するライセンスに選択する。そして、選択したライセンスのステータスを“使用中”に、使用PCに依頼PCの“PCid”を登録し、ライセンス制御部202と入出力制御部205の制御の元にPC102用の該当ライセンスの有効期限日時を有効期限に持つライセンスを発行しPC102に配付する。(S1006)
S1003において、前記依頼LAに対応するLA毎PC別ライセンス配付管理テーブル501に依頼PC(PCid)が登録されている場合以下のいずれかであるかを判別する。
【0054】
ライセンス制御部202の制御の元に前記依頼LAに対応するLA毎ライセンス割当管理テーブル401に、依頼PC(PCid)で登録されたステータスが“期限切れ”のライセンスがあるか。
【0055】
または、LA毎PC別ライセンス配付管理テーブル501の依頼PC(PCid)のライセンス有効期限日時が現在の日時より前であるかにより依頼PCに対してライセンスが有効期限切れによるライセンス切れであるか。(S1008)
そして、有効期限切れによるライセンス切れの場合、ライセンスを割り当てない。(S1010)
ライセンス切れではない場合(S1009)、前述LA毎ライセンス割当管理テーブル401からステータスが「返却」であるライセンスの中で使用PCに依頼PC(PCid)が登録されているライセンスがあるかを検索する。そして以前使用したライセンスの有無を判別する。(S1101)
以前利用したライセンスがある場合、その中で有効期限が最も長いものを配付するライセンスに選択する。(S1102)
もし以前利用したライセンスがない場合、次に前述LA毎ライセンス割当管理テーブル401から未使用ライセンス以外で割当可能なステータスが「返却」であるライセンスがあるかを検索する。(S1105)
ステータスが「返却」であるライセンスがない場合、未使用のライセンスを配付するライセンスに選択して前述LA毎ライセンス割当管理テーブル401の該当ライセンスのステータスを“使用中”に登録する。さらに、使用PCに依頼PCの“PCid”,PCに最初に配付した日に現在の日時を、有効期限にはLA管理テーブル301の対応LAの有効期間と現在の日時情報から算出したライセンス有効期限日時を登録する。(S1106)
そして依頼PCであるPC102用の有効期限を依頼LAに対応するLA毎PC別ライセンス配付管理テーブルの該当PCのライセンス有効期限に設定したライセンスを発行しPC102に配付する。(S1104)
S1101で以前利用したライセンスがある場合、対応LA毎ライセンス割当管理テーブル401からステータスが「返却」であるライセンスの中で有効期限が最も長いものを配付するライセンスに選択する。そして該当ライセンスのステータスを“使用中”に、使用PCを依頼PCの“PCid”に変更する。(S1102)
次に、選択したライセンスの有効期限と依頼LAに対応するPC別ライセンス配付管理テーブル501の依頼PCの“PCid”に対応するライセンス有効期限を比較して、前記ライセンス割当管理テーブルの有効期限の方が短いかを判別する。(S1103)
短い場合、ライセンス管理制御部201、ライセンス制御部202の制御の元に該当ライセンスの有効期限日時を有効期限に持つライセンスを発行し依頼PCに配付する。(S1107)
長い場合、前記LPC別ライセンス配付管理テーブルの該当PCのライセンス有効期限を設定したライセンスを発行しPCに配付する。(S1104)
さらに、ライセンス管理サーバ101では別途ライセンスが一度でも発行されたLAに対応するライセンスの有効期限を監視する。
【0056】
ライセンス管理サーバ101が定期的に実行するライセンスの有効期限の監視処理に関してその制御過程を示すフローチャート図12を参照して以下に説明する。
【0057】
ライセンス管理制御部201及び有効期限管理部209の制御の元に、全てのLA毎ライセンス割当管理テーブルを監視し、有効期限日時に到達したライセンスがあるかを検索する。(S1201)
有効期限日時に到達したライセンスがあった場合、該当ライセンスのステータスを“期限切れ”に変更する。(S1202)
有効期限日時に到達したライセンスが無くなった後、次にライセンス管理制御部201及び有効期限管理部209の制御の元に全てLA毎PC別ライセンス配付管理テーブル501を監視し、ライセンス有効に到達したPCがあるかを検索する。(S1203)
ライセンス有効期限日時に到達したPCがある場合は、対応するLAのライセンス割当管理テーブ401ルを検索して、該当PCに配付されたライセンスがあるかを検索する。(S1204)
配付されたライセンスがあった場合、ライセンス管理制御部201の制御の元に該当ライセンスのステータスを“返却”に変更し再配布可能な状態とする(S1205)。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態におけるネットワークシステム全体の構成図
【図2】本発明の一実施形態におけるライセンス管理サーバ101のモジュール構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施形態におけるLA管理テーブル
【図4】本発明の一実施形態におけるLA毎ライセンス割当管理テーブル
【図5】本発明の一実施形態におけるLA毎PC別ライセンス配付管理テーブル
【図6】本発明の一実施形態におけるソフトウエア管理テーブル
【図7】本発明の一実施形態におけるライセンス管理サーバ101の概略構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態におけるPC102のモジュール構成を示すブロック図
【図9】本発明の一実施形態におけるPC102の概略構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるライセンス管理サーバ101のライセンス配付の制御過程を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態におけるライセンス管理サーバ101の制御過程を示すフローチャートである。
【図12】図11ライセンス割り当て &ライセンス配付(S1009)の詳細制御過程を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態におけるPC102の制御過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
101 ライセンス管理サーバ
102 PC
201 ライセンス管理制御部
202 ライセンス制御部
203 LA制御部
204 LA管理情報保存部
205 入出力制御部
206 ライセンス情報保存部
207 ソフトウエア情報管理部
208 ソフトウエア情報保存部
209 有効期限管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCとインターネットを通じて接続されるライセンス管理サーバを有するライセンス管理システムであって、
前記PCはソフトウエアを利用する為のライセンスを前記ライセンス管理サーバに要求し取得・保存する手段と、
前記取得したライセンスによってソフトウエアを利用する手段と、
前記ライセンスによって設定された有効期間によって利用可能な期間が制限される手段と、
前記ライセンスを前記ライセンス管理サーバに返却する手段を有すると共に、
前述ライセンス管理サーバは、
ライセンスの対象ソフトウエアを一意に識別するID(以降 ソフトウエアID)を登録、管理する手段と、
ライセンスを発行する為に必要なアクセスナンバー(License Access Number: 以降 LA)の発行、管理を行う手段と、
前記LAで管理される対象ソフトウエア、ライセンス数及び有効期間を登録、管理する手段と、
ライセンスを依頼したPCを一意に識別する個体識別情報(以降 PC個体識別情報)と前記LAとの引き替えにライセンスを発行する手段と、
同LAで発行したライセンスに関する有効期限情報を使用PC毎に保存、管理する手段と、
同LAで管理される複数のライセンス個々を識別した利用状況情報(使用PC、ライセンスの状態、有効期限)を保存、管理する手段と、
定期的に前記同LAで管理される複数のライセンス個々を識別したライセンスの利用状情報と前記使用PC毎に管理された同LAで発行したライセンスに関する有効期限情報を用いて有効期限に到達したライセンスがあるかを監視する手段と、
有効期限に到達したライセンスがある場合、有効期限に達したライセンスの状態を制御、管理する手段を有しており、
前記同LAで管理される複数のライセンス個々を識別したライセンスの利用状情報と、
前述使用PC毎に管理された同LAで発行したライセンスに関する有効期限情報を用いて、
ライセンスの状態管理及び発行、配布を制御することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項2】
有効期限を過ぎた前記PCには、同LAで管理されるライセンスを発行、配付しない手段を持つ事を特徴とする請求項1に記載のライセンス管理システム。
【請求項3】
ライセンスを返却したことのある前記PCから同LAでライセンス要求された場合、
要求PC対して最初に同LAでライセンスを発行した日時からの有効期限を越えないように有効期限を制限されたライセンスを発行・配付する手段を持つ事を特徴とする請求項1に記載のライセンス管理システム。
【請求項4】
前記ライセンス管理サーバにおいて、
前記同LAで管理される複数のライセンス個々を識別したライセンスの利用状情報により、
有効期限に達したライセンスを検知した場合、該当ライセンスを期限切れとして以降発行・配付しないように管理する手段を有する事を特徴とする請求項1に記載のライセンス管理システム。
【請求項5】
前記ライセンス管理サーバにおいて、
前記使用PC毎に管理された同LAで発行したライセンスに関する有効期限情報により、
有効期限に達したライセンスを検知した場合、
ライセンスが利用している使用PCが同じであるライセンスが前記同LAで管理される複数のライセンス個々を識別したライセンスの利用状情報にある場合、
該当ライセンスのライセンス状態を変更し以降発行・配付可能にするように管理する手段を有する事を特徴とする請求項1に記載のライセンス管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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