説明

ライナベース加圧式配給システムにおけるライナの閉塞遮断の防止

収縮可能ライナ(例えば剛性オーバーパック内に配設された)から流体を加圧式配給する際の、収縮可能ライナの閉塞遮断に関連する問題を回避するために、加圧式配給パッケージが、ライナ内の穿孔フランジ、ライナ内のチャネル画成フランジ、ライナの内面に沿った少なくとも1つの液体チャネルを画成するフィルム、ライナに結合された半径方向補強要素、ライナ内に配設された穴画成中空内部サポート、ライナに関連付けされ、コンテナを囲む、1つまたは複数の磁性要素および相補的磁性的反応要素、またはライナパネルの間の種々の収縮特徴部、の中のいずれかを備える閉塞防止要素を備える。また、加圧式配給のために構成された収縮可能ライナの閉塞遮断を防止するための方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2007年1月30日に出願された米国仮特許出願第60/887,194号にもとづくものであり、該仮特許出願の利益を主張する。該仮特許出願の開示は、ここに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、使用するための流体材料の供給を行うために用いられるような配給システムに関する。ある特定の態様においては、本発明は、液体または他の流体材料が、例えば空気または液体などの加圧された媒体によって変位されることにより供給源容器から吐出される、加圧式配給システムに関し、このようなシステムの製造、作動プロセスおよび設置に関連した関連態様に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 多数の産業用途において、化学試薬および化学組成物は、高純度の状態で供給される必要があり、供給される材料が、パッケージ充填、保管、搬送および最終的な配給の実施の全般にわたって純粋かつ適切な状態に保たれるようにした専用パッケージが開発されている。
【0004】
[0004] 特に、マイクロ電子デバイス製造の分野においては、多様な液体および液体含有組成物に適したパッケージに対する需要が非常に高まっている。その理由は、パッケージングされた材料中の汚染物質、および/またはパッケージ中に収容された材料への環境的汚染物質の進入が、このような液体または液体含有組成物を用いて製造されたマイクロ電子デバイス製品に悪影響を及ぼすおそれがあり、マイクロ電子デバイス製品がその使用目的に対して不十分なものに、さらには用をなさないものになる可能性があるからである。
【0005】
[0005] これらを考慮した結果として、フォトレジスト、エッチャント、化学気相蒸着用試薬、溶剤、ウェーハおよびツールの洗浄用調合物、化学機械研磨用組成物、等々の、マイクロ電子デバイス製造において使用される液体ならびに液体含有組成物向けに、多数のタイプの高純度パッケージが開発されている。
【0006】
[0006] このような用途で用いられるようになったあるタイプの高純度パッケージは、剛性または半剛性のオーバーパックを備え、このオーバーパックは、蓋またはカバーなどの保持構成物によりオーバーパック内に定位置に固定された可撓性ライナまたはバッグ内に、液体または液体ベース組成物を収容する。このようなパッケージは、一般的には「バッグインカン(bag-in-can)」(BIC)パッケージ、「バッグインボトル(bag-in-bottle)」(BIB)パッケージ、および「バッグインドラム(bag-in-drum)」(BID)パッケージと呼ばれる。各例において、オーバーパック材料は、中に収容されたライナよりもはるかに高剛性である。例えば、パッケージの剛性または半剛性のオーバーパックは、高密度ポリエチレンまたは他のポリマーあるいは金属から形成されてよく、ライナは、ライナ内に収容されることとなる収容液体または液体ベース材料に対して不活性であるように選択された、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン、PTFEベース多層積層、ポリウレタン、または同様のものなどの、ポリマーフィルム材料から構成された、事前洗浄された無菌収縮可能バッグとして提供されてよい。このようなタイプのパッケージは、ATMI社(米国コネチカット州、Danbury)からNOWPAKの商標で市販されている。
【0007】
[0007] このようなライナパッケージを使用した液体および液体ベース組成物の配給動作においては、液体は、浸漬チューブまたは短プローブを備える配給アセンブリをライナのポートに連結して、浸漬チューブが収容液体中に浸漬されるようにすることにより、ライナから配給される。配給アセンブリがこのようにライナに結合された後に、例えばガスなどの流体圧力が、ライナの外側面に加えられ、それにより、ライナは、漸進的に収縮し、配給アセンブリを介して液体を押し出し、関連付けされた流れ回路に吐出し、最終使用箇所に流す。
【0008】
[0008] 収縮可能ライナベース配給システムから液体を配給することに関連する1つの問題は、ライナがくびれ、最終的にそれ自体に接するようにまたはライナ内部の構造物に接するように収縮して、閉塞ポイントを形成するが、この閉塞ポイントがかなりの量の液体の上方に位置し、この液体がこの閉塞ポイントの下方に位置する場合の、早期閉塞遮断である。これが生じた場合には、この早期閉塞遮断によって、ライナ内に位置する液体を完全に使用し切ることが不可能となる。マイクロ電子デバイス製品の製造などの産業プロセスにおいて使用される特殊化学薬品は非常に高額であるため、このことは些細な問題ではない。したがって、経済的観点から、パッケージから可能な限り全ての液体を使用し切ることを達成し、それにより、配給動作が完了した後に、パッケージ内にあまり多くの残量の液体が残らないようにすることが必要である。
【0009】
[0009] したがって、当技術分野では、配給パッケージおよびシステムの改良が試みられ続けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
[0010] 本発明は、流体材料が使用されるツール、プロセス、または位置にこの流体材料を供給するのに有効な配給システムに関し、この配給システムにおいて有効な構成要素およびアセンブリに関し、このシステムを使用するための付随的な方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[0011] 一態様においては、本発明は、流体を保持するように構成された収縮可能ライナと、(a)ライナ内に配設された少なくとも1つの穿孔フランジ、(b)ライナ内に配設された少なくとも1つのチャネル画成フランジ、(c)ライナの内側面に沿って配設された、少なくとも1つの液体チャネルを画成するフィルム、(d)ライナに結合された半径方向補強要素、(e)ライナの側壁部内に配設され、側壁部に動作可能に結合された中空内部サポートであって、ライナの下方部分中に配設された第1の穴を有し、ライナの上方部分中に配設された第2の穴を有する、中空内部サポート、(f)ライナに結合された少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料であって、ライナを囲むオーバーパックコンテナに結合された、対応する少なくとも1つの第2の磁性材料または磁性的相互作用材料と相互作用するように構成された、少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料、および(g)ライナの第1のパネルであって、第1のパネルに外縁部で接合されたライナの第2のパネルとは異なる収縮特性を有する第1のパネル、の中のいずれかを備える閉塞防止要素とを備える、加圧式配給パッケージに関する。
【0012】
[0012] また、前記ライナに対して閉塞防止要素を追加するステップを含む、加圧式配給のために構成された収縮可能ライナの閉塞遮断を防止するための方法が提供される。前記流体配給の際にライナの閉塞遮断を防ぐために閉塞防止要素を使用しつつ、このライナと周囲を囲むオーバーパックコンテナとの間のスペースを加圧してよい。
【0013】
[0013] 以下の開示および添付の特許請求の範囲より、本発明の他の態様、特徴、および利点がより十分に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】[0014]マイクロ電子製品の製造のためにマイクロ電子デバイス製造設備内の加工ツールに化学試薬を供給するように構成されたライナベース流体保管/配給パッケージを含むプロセス設定の概略図である。
【図2A】[0015]3つの連続的な加圧式配給実施状態のうちの1つにおける、オーバーパックコンテナ内に配設された収縮可能ライナの概略側断面図である。
【図2B】3つの連続的な加圧式配給実施状態のうちの1つにおける、オーバーパックコンテナ内に配設された収縮可能ライナの概略側断面図である。
【図2C】3つの連続的な加圧式配給実施状態のうちの1つにおける、オーバーパックコンテナ内に配設された収縮可能ライナの概略側断面図であり、ライナの一部分がライナ自体に当たるように収縮して、ライナに沿った中間位置に望ましくない閉塞ポイントが形成されている図である。
【図3】[0016]浸漬チューブを有するライナの概略側断面図である。
【図4】[0017]本発明のある特定の実施形態による、加圧式配給の際に中間位置でのライナの収縮および閉塞遮断状態を防止するように構成された内部フランジを有するライナの概略側断面図である。
【図5A】[0018]ある特定の実施形態による、加圧式配給の際に中間位置でのライナの収縮および閉塞遮断状態を防止するように構成された第1の半径方向外側部補強要素を有するライナの概略側断面図であり、このライナが、第1の作動状態にある図である。
【図5B】[0019]加圧式配給の際の第2の作動状態(例えば圧縮状態など)にある、図5Aのライナの概略側断面図である。
【図6】[0020]ある特定の実施形態による、加圧式配給の際に中間位置でのライナの収縮および閉塞遮断状態を防止するように構成された部分的半径方向外側部補強要素を有するライナの概略上方断面図である。
【図7】[0021]ある特定の実施形態による、加圧式配給の際に中間位置でのライナの収縮および閉塞遮断状態を防止するように構成された内部中空サポート要素を有するライナの概略上方断面図である。
【図8A】[0022]ある特定の実施形態による、ライナの内側面に沿って配設された、少なくとも1つの液体チャネルを画成するフィルム部分であって、加圧式配給の際に中間位置でのライナの収縮および閉塞遮断状態を防止するように構成されたフィルム部分を備えるライナの概略側断面図である。
【図8B】[0023]図8Aのフィルム部分の面中に形成された種々のチャネルの拡大概略図である。
【図9A】[0024]別の特定の実施形態による、コンテナ内に配設されたライナの概略側断面図であり、ライナが、リングとして構成された磁性要素または磁性的相互作用要素を備える閉塞防止要素を有し、コンテナが、閉塞防止要素と磁性的に相互作用するように構成された対応する磁性要素または磁性的相互作用要素を有する図である。
【図9B】[0025]別の特定の実施形態による、コンテナ内に配設されたライナの概略側断面図であり、ライナが、磁性要素または磁性的相互作用要素を備える閉塞防止要素を有し、コンテナが、閉塞防止要素と磁性的に相互作用するように構成された対応する磁性要素または磁性的相互作用要素を有する図である。
【図10】[0026]互いに対して外縁部で接合された第1の多層複合パネルおよび第2の多層複合パネルから形成されたライナの一部分の断面図である。
【図11A】[0027]ある特定の実施形態による、外縁部で接合された第1および第2のパネルから形成されたライナの概略正面図であり、第1のパネルが、第2のパネルと異なる収縮特性を第1のパネルに与える第1の垂直配向局部領域を有する図である。
【図11B】[0028]第1のパネルおよび第2のパネルのそれぞれ異なる収縮特性により、第1のパネルと第2のパネルとの間にギャップが残されることを示す、ある程度収縮した状態にある図11Aのライナの概略断面図である。
【図11C】[0029]ある特定の実施形態による、外縁部で接合された第1および第2のパネルから形成された別のライナの概略正面図であり、第1のパネルが、第2のパネルと異なる収縮特性を第1のパネルに与える第1および第2の垂直配向局部領域を有する図である。
【図11D】[0030]ある特定の実施形態による、外縁部で接合された第1および第2のパネルから形成された別のライナの概略正面図であり、第1のパネルが、第2のパネルと異なる収縮特性を第1のパネルに与えるジグザグ形状局部領域を有する図である。
【図11E】[0031]ある特定の実施形態による、外縁部で接合された第1および第2のパネルから形成された別のライナの概略正面図であり、第1のパネルが、第2のパネルと異なる収縮特性を第1のパネルに与える矩形局部領域を有する図である。
【図12】[0032]100kpaの圧力にて1ミリメートルの穴を通過する、3つの異なる粘度(すなわち1cps、10cpsおよび31cps)を有する流体の流れについての、算出された流量(ミリメートル/分)に対する粘度(cps)のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0033] 本発明は、流体材料を供給するための配給システム、ならびにこのシステムの製造方法および使用方法に関する。ある特定の態様においては、本発明は、例えばマイクロ電子デバイス製品の製造において使用される高純度液体試薬および化学機械研磨用組成物などの、化学試薬および組成物を保管および配給するためのライナベース液体収容システムに関する。
【0016】
[0034] ライナが剛性または半剛性の外側容器内に設置される、流体材料を保管および配給するためのライナベースパッケージの使用においては、配給動作は、加圧式配給用ガスを、容器内に、ライナの外側に流し、それにより、ガスによって加えられた圧力がライナを漸進的に圧縮させ、それにより、次いでライナ内の流体材料がライナから流出されるようにすることを伴ってよい。このように配給された流体材料は、コネクタ、弁を介して、配管、マニホルドに流されるなどして、例えば流体を利用するプロセスツールなどの使用位置に供給されてよい。
【0017】
[0035] このようなライナベース液体収容システムは、様々な特性の化学試薬および組成物の保管および配給のために使用することが可能である。本発明は、マイクロ電子デバイス製品の製造において使用するための組成物を収容しているが、本発明の有用性はそれに限定されず、本発明は、多様な他の用途および収容される材料にまで及び、それらを包含することが明らかになろう。
【0018】
[0036] 本明細書において使用される際に、「マイクロ電子デバイス」という語は、レジスト塗布された半導体基板、フラットパネルディスプレイ、薄膜記録ヘッド、微小電子機械システム(MEMS)、および他の高度マイクロ電子コンポーネントを指す。マイクロ電子デバイスは、パターニングされたおよび/または被覆された、シリコンウェーハ、フラットパネルディスプレイ基板、もしくはポリマー基板を含んでよい。さらに、マイクロ電子デバイスは、メソポーラス無機固体またはマイクロポーラス無機固体を含んでよい。
【0019】
[0037] 本発明のライナベース液体媒体収容システムは、マイクロ電子デバイス製品の製造において使用される液体媒体に対する適用において、特に有用である。さらに、このシステムは、液体媒体または液体材料をパッキングする必要がある、医用品および医薬品、建築材料および建設材料、食料品および飲料製品、化石燃料および石油、農薬、等々を含む、多数の他の用途においても有用である。
【0020】
[0038] 典型的には、流体配給パッケージは、ライナから材料を配給するためにライナと連通している配給ポートを備える。さらに、配給ポートは、適切な配給アセンブリに結合される。配給アセンブリは、任意の多様な形態を取ることが可能であり、例えばライナ内の材料と接触し容器から材料を配給するための浸漬チューブを有するプローブまたはコネクタを備えるアセンブリなどであってよい。
【0021】
[0039] 一実施形態における配給アセンブリは、例えばパッケージのライナ内に供給された化学試薬を使用するマイクロ電子デバイス製造設備の流れ回路などの流れ回路と結合するように構成される。この半導体製造試薬は、フォトレジストまたは他の高純度化学試薬または特殊試薬であってよい。
【0022】
[0040] パッケージは、ライナが1リットルから2000リットルまたはそれ以上の材料を収容可能な大型パッケージであることが可能である。
【0023】
[0041] ある加圧式配給モードにおいては、ライナベースパッケージは、ポンプ、圧縮機、圧縮ガスタンクなどの圧縮ガス供給源に結合されるように構成することが可能である。
【0024】
[0042] 次に図面を参照すると、図1は、マイクロ電子製品の製造のためにマイクロ電子製品製造設備内のツールに化学試薬を供給するように構成されたライナベース流体保管/配給パッケージを含むプロセス設定の概略図である。
【0025】
[0043] 図1は、本発明の一般的な実施において有効なタイプの、例示的なライナベース流体保管/配給コンテナ10の斜視図を示す。コンテナ10は、例えば高純度液体(99.99重量%超の純度を有する)などの液体を保持することが可能な、可撓性の弾性ライナ12を備える。
【0026】
[0044] 一実施形態においては、ライナ12は、外縁部で接合された(例えば溶接された)ポリマーフィルム材料からなる少なくとも2つのシートから形成されてよい。この「2次元」ライナは、適切な流体(例えば液体など)を充填されると、ほぼ円筒形状に展開され得るものである。
【0027】
[0045] 別の実施形態においては、ライナ12は、管状ストック材料から形成されてよい。例えばブローされた管状ポリマーフィルム材料などの管状ストックを用いることにより、ライナの側部に沿った熱融着および溶接シームが回避される。いくつかの用途においては、側部の溶接シームがないことにより、ライナは、ライナに応力を加える傾向がある、および極端な場合には外縁部で接合された2次元ライナのシームの破損を引き起こし得る力および圧力に対して、より良く耐えることが可能になり得るため、有利である。
【0028】
[0046] 最も好ましくは、ライナ12は、使い捨ての薄膜ライナであり、これは、各使用後に(例えばコンテナ内に収容された液体が使い果たされた場合などに)取り出され、新たな事前洗浄されたライナと交換することが可能であり、それによりコンテナ10全体を再利用することが可能となる。
【0029】
[0047] 好ましくは、ライナ12は、例えばこのライナ内に収容された液体内に浸出することにより汚染物質源となり得る、あるいは、ライナ中においてより高い拡散率を有し、ライナ表面に移動し、可溶性になるまたはライナ内の液体の汚染物質となる分解生成物を、分解によって生じさせることにより汚染物質源になり得る、可塑剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、目止め剤などの成分を含まない。
【0030】
[0048] 好ましくは、純粋(無添加)ポリエチレンフィルム、純粋ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、または、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブチレン等々の他の適切な純粋ポリマー材料など、実質的に純粋なフィルムが、ライナに使用される。より一般的には、ライナは、金属被覆および箔被覆された、またはそれらを伴わない、積層プラスチック、共有押出成形物、オーバーモールド押出成形物、複合材料、共重合体、および混合材料から形成されてよい。
【0031】
[0049] ライナ材料の厚さは、例えば約1ミル(0.001インチ)から約30ミル(0.030インチ)までの範囲内の、任意の適切な厚さであることが可能である。一実施形態においては、ライナは、20ミル(0.020インチ)の厚さを有する。
【0032】
[0050] ライナは、(上述したような)薄いシートの外縁部の接合などの任意の適切な態様で、または3次元ライナの管状ブロー成形によって形成することが可能である。好ましくは、一体化された充填用開口が、容器の上方端部に形成され、これは、図1に図示されるように、ポートまたはキャップ構造物28に接合されてよい。このように、ライナ12は、流体の案内または吐出をそれぞれ伴う充填動作または配給動作に適したコネクタにライナを結合させるための開口を有してよい。ライナポートに接合されたキャップは、手動で着脱可能であってよく、特定の構造のライナポートおよびキャップについて様々に構成されてよい。また、キャップは、流体を案内または配給するための浸漬チューブに結合するように構成されてよい。
【0033】
[0051] 好ましくは、ライナ12は、図1に図示されるように、その上部部分に2つのポートを備えるが、本発明の一般的な実施においては、有用には、単一ポートのライナ、または代替的には3つ以上のポートを有するライナを使用することが可能である。ライナは、実質的に剛性のハウジングまたはオーバーパック14内に配設され、このハウジングまたはオーバーパック14は、図示されるような概して矩形平行六面体形状であってよく、ライナ12を中に収容するための下方レセプタクル部分16、および任意には上方スタッキングおよび搬送用掴みセクション18を備える。オーバーパック14は、ライナ12よりもかなり剛性である特性を有する。スタッキングおよび搬送用掴みセクション18は、それぞれ対面する前壁部20Aおよび後壁部20Cと、対面する側壁部20Bおよび20Dを備える。少なくとも2つの対面する側壁部(図1においては20Bおよび20Dとして図示される)は、手掴み用開口22および24をそれぞれ有し、それにより、コンテナの使用時に、コンテナを手で把持し、物理的に持ち上げるまたは搬送することが可能となる。代替としては、オーバーパックは、円筒形態、または任意の他の適切な形状または形態のものであってよい。
【0034】
[0052] 一実施形態においては、ハウジング14の下方レセプタクル部分16は、図1に図示されるように、若干テーパ状になされる。図示されるように、下方レセプタクル部分16の4つの壁部の全てが、下方に内方にテーパ状になされ、それにより、多数のこのようなコンテナが保管されるおよび搬送される場合に、保管および搬送のためにコンテナをスタックすることが可能となる。一実施形態においては、ハウジング14の下方部分16は、例えば約2°と12°との間の角度など、15°未満のテーパ角を有するテーパ状壁部を有してよい。
【0035】
[0053] また、概して剛性のハウジング14は、オーバーパック蓋26を備え、これは、ハウジング14の壁部に漏れ止め式に接合されて、図示されるように、ライナ12を収容するハウジング14内の内部スペースを画定する。ライナ12とハウジング14との間のスペースは、加圧され、ライナ12の流体内容物の加圧式配給を生じさせる。
【0036】
[0054] 図1に図示される装置においては、ライナ12は、キャップ28に結合し、液体を配給するために浸漬チューブ36が通って進むのを許容するように構成された主要上部ポートを含む、2つの剛性ポートを有する。浸漬チューブ36は、浸漬チューブ、配給ヘッド34、継手38、および液体配給チューブ40を備える配給アセンブリの一部である。また、配給アセンブリは、ガス充填チューブ44を備え、これは、継手42によって配給ヘッド34に接合され、配給ヘッド中の通路43と連通する。さらに、通路43は、配給動作の際にライナ12に対して圧力を加えるための圧縮ガスの案内に対応するために、オーバーパック蓋26中の内部容積部ポート30(例えばガス入口ポート30)に漏れ止め式に結合されるように構成され、それにより、ライナ12内に収容された液体は、ライナから押し出されて、中空浸漬チューブ36の内部通路および配給アセンブリを通り、液体配給チューブ40に送られる。このように、ガス入口ポート30は、外部圧縮ガス供給源(図示せず)から圧縮ガスを受けるように、ならびにライナの内容物を配給するためにオーバーパックコンテナとライナとの間のスペースに圧縮ガスを配給するように、動作可能に結合される。
【0037】
[0055] ガス充填チューブ44は、加圧式配給動作の際にオーバーパックの内部容積部分内に圧縮ガスを供給し、ライナを漸進的に圧縮するために、例えば圧縮機、圧縮ガスタンクなどの圧縮ガス供給源7に結合されたガス供給ライン8に接合される。
【0038】
[0056] 液体配給チューブ40は、流量制御弁3およびポンプ4を備える配給ガス供給ライン2に結合されて、パッケージからこの流れ回路を介してマイクロ電子製品製造設備6(「FAB」)内のツール5(「TOOL」)へと配給液体流を生じさせる。例えば、ツール5は、ウェーハにフォトレジストを塗布するためのスピンコータを備え、配給液体は、この目的に適したフォトレジスト材料から構成されてよい。代替としては、ツールは、特定の配給化学試薬の使用に適合された、任意の適切なタイプのものであってよい。
【0039】
[0057] したがって、マイクロ電子製品製造設備6において使用するために、液体化学試薬を、例示のタイプのライナベースパッケージ(または複数の例示のタイプのライナベースパッケージ)から配給して、例えばフラットパネルディスプレイまたは集積回路を組み込んだ半導体ウェーハなどのマイクロ電子製品9を生産することが可能となる。
【0040】
[0058] 有利には、ライナ12は、可撓性および収縮可能性の特性を有するのに適した厚さのフィルム材料から形成される。一実施形態においては、ライナは、定格充填容量、すなわちこのライナがハウジング14内にて完全充填された場合にライナ内に収容することが可能な液体の容量の約10%以下まで圧縮可能である。種々の実施形態においては、ライナは、例えば4000ミリリットルのパッケージにおいて10ミリリットル未満など、定格充填容量の約0.25%以下まで圧縮可能であってよく、または約0.05%以下(19Lのパッケージにおいて10mL以下が残る)まで、または0.005%以下(200Lのパッケージにおいて10mL以下が残る)まで圧縮可能であってよい。好ましいライナ材料は、交換用ユニットとして発送される際のライナの折りたたみまたは圧縮を考慮して、十分に柔軟なものである。好ましくは、ライナは、液体がライナ内に収容される場合に粒子およびマイクロバブルの形成を妨げる、ならびに、温度および圧力の変化による液体の膨張および収縮を許容するのに十分な可撓性を有する、ならびに、例えば半導体製造用途または他の要高純度液体供給用途におけるような、液体が使用されることとなる特定の最終使用用途に対して純度を維持するのに有効である、組成および特徴のものである。
【0041】
[0059] 半導体製造用途については、「Semiconductor Industry Association、International Technology Roadmap for Semiconductors(SIA、ITRS)1999 Edition」に記載されている規定に合わせて、コンテナ10のライナ12内に収容された液体は、ライナの充填時に直径0.25ミクロンの粒子を75粒子未満/ミリリットル有するべきであり、ライナは、液体中に30ppb未満の全有機体炭素(TOC)を有し、カルシウム、コバルト、銅、クロム、鉄、モリブデン、マンガン、ソジウム、ニッケルおよびタングステンなどの各重要元素ごとに10ppt未満の金属抽出レベルとし、フッ化水素、過酸化水素および水酸化アンモニウムのライナ汚染物質について元素ごとに150ppt未満の鉄抽出レベルおよび銅抽出レベルとするべきである。
【0042】
[0060] 任意には、図1のライナ12は、液体内容物の非侵襲的な磁気攪拌を補助するために、図示されるような金属ペレット45を内部スペースに含んでよい。磁気攪拌ペレット45は、研究所での作業の際に使用されるような従来のタイプのものであってよく、適切な磁場発生テーブルと共に使用することが可能であり、それにより、ライナに液体が充填された状態でコンテナがこのテーブルの上に配置されると、コンテナが攪拌されて、液体に均質性を与え、液体が沈降するのを防ぐことが可能となる。このような磁気攪拌の機能は、液体内容物の沈殿または相分離を助長する条件下での液体の搬送後に、この液体の成分の溶解度を再度高めるために使用することができる。このように遠隔的に作動させることが可能な攪拌要素は、シールされたライナの内部に攪拌器を侵襲的に導入する必要がないという利点を有する。
【0043】
[0061] ハウジング14のデッキ26中のポート30は、ライナの剛性ポートに結合することが可能であり、そのためライナは2つのポートを有するように製造される、または代替としては、ライナは、単一ポート構成を用いて通気可能となるように製造されてもよい。さらに別の実施形態においては、追加の通気孔を用いずに、ヘッドスペースガス除去ポート取付具が、内部液体配給用据付部を囲む。
【0044】
[0062] ハウジング14のデッキ26は、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルおよびポリブチレンなど、ハウジングの他の構造構成要素と同一の概して剛性の材料から形成されてよい。
【0045】
[0063] コンテナ10の他の適宜の変形形態としては、収容された液体および/またはその使用目的に関する情報を提供するために、RFIDタグ32がライナの上に設けられてよい。このRFIDタグは、ユーザまたは技術者に対して無線トランスポンダまたは受信機を介して情報を提供するように構成することが可能であり、それによりユーザまたは技術者は、コンテナ内の液体の状態、液体名、供給業者、有効期限、使用目的箇所およびプロセス、等々を確認することが可能となる。RFIDデバイスの代替として、ハンドヘルドスキャナ、受信機を備えるコンピュータなど、遠隔センサにより読取り可能なおよび/または伝達可能な他の情報記憶装置を使用してもよい。
【0046】
[0064] 図1に図示されるコンテナ10を使用した配給動作においては、空気または他のガス(窒素、アルゴンなど)が、チューブ44内に案内され、蓋26のポート30を通過して、ライナ12の外側面上に圧力を加え、ライナを収縮させ、それにより、液体を、浸漬チューブ36および配給アセンブリを介して液体配給チューブ40に追いやることができる。
【0047】
[0065] 同様に、充填作動の際には、空気は、ハウジング14の内部容積部からポート30を介して変位されて、配給ヘッド34中の通路43を介してチューブ44に流れ、そのため、空気は、ライナ12の液体充填の際にライナ12が膨張するにつれて変位される。
【0048】
[0066] 前述のように、収縮可能なライナからの流体の加圧式配給に関連する問題は、ライナが早期にくびれ、最終的にそれ自体に接するように、またはライナ内部の構造物に接するように収縮して、閉塞ポイントを形成するが、この閉塞ポイントが、配給されずに残っているかなりの量の液体の上方に位置する場合の、早期閉塞遮断である。この問題は、図2Aから図2Cに概略的に図示される。図2Aは、ライナ1002を圧縮するために著しい差圧がかけられる前の、加圧式配給パッケージ1000を示し、この加圧式配給パッケージ1000は、ライナ1002を備え、ライナ1002は、据付部1005を備え、据付部1005は、剛性オーバーパック1001の実質的に中に配設される。図2Bは、ライナ1002とオーバーパック1001との間の間隙スペースが加圧されて、ライナ1002が若干圧縮された場合のパッケージ1000を図示する。図2Cは、ライナの中央部分1007が圧縮されて、それ自体に接触し、ライナ1002の下方部分1008内に位置する流体を逃がすための通路を閉鎖している状態の、望ましくない早期閉塞遮断状況にあるパッケージ1000を図示する。剛性据付部1005が存在することにより、ライナ1002の上方部分1006もまた、開いたままである場合がある。このような閉塞遮断現象は、ライナの化学内容物を完全に使用し切ることを妨げるため、多くの問題を含むおそれがあることは明らかである。
【0049】
[0067] この閉塞遮断問題を改善することが可能な種々の構造物が、図3から図8Bに示される。
【0050】
[0068] 図3は、加圧式配給パッケージ1020を示し、この加圧式配給パッケージ1020は、ライナ1022を備え、ライナ1022は、据付部1025を備え、内部中空浸漬チューブ1030を有する。浸漬チューブ1030は、複数の高さで穿孔されてもよく、あるいは、浸漬チューブ1030は、ライナの収縮を防ぐために、その外側部の少なくとも一部分に沿って垂直またはらせん状のチャネルを有してよい。典型的な浸漬チューブは、その下方または遠位端部に孔を有し、この孔は、ライナから流体が出る唯一の箇所としての役割を果たすが、一実施形態による、閉塞遮断の防止のために使用されるいわゆる「ダミー」浸漬チューブは、好ましくはこの浸漬チューブに沿った頂部または中間部分に、少なくとも1つの他の孔または開口1028を適宜に画成して、別の流体抽出ポート(図示せず)に流体を誘導することを可能にする。この別の流体抽出ポート(図示せず)は、ライナ中に設けられてよく、閉塞遮断の防止用に使用される浸漬チューブには連結されなくともよく、この浸漬チューブは、閉塞遮断を防ぐための下方穴および上方穴を画成し、この別の流体抽出ポートは、ライナの上方部分から流体を引き出すために配置される。これに関して、抽出ポートは、ライナの上方部分から直接流体を受けることができ、さらには、ライナが浸漬チューブの中間部分の周囲にて収縮した場合には、ライナの下方部分から浸漬チューブ(その上方穴を介して)を経由して流体を受けることができる。浸漬チューブ中に画成された上方穴1028の他の利点は、この上方穴1028を使用して、配給サイクルの開始時にヘッドスペースの除去(すなわちパッケージの上部のガスの除去)を行うことができるということである。
【0051】
[0069] 図3は、浸漬チューブを有する加圧式配給パッケージの一部分を示すが、本明細書において説明される種々の実施形態による加圧式配給パッケージは、好ましくは、いかなる浸漬チューブも有さない。
【0052】
[0070] 図4は、中空浸漬チューブ使用の一代替形態となる加圧式配給パッケージ1040を示し、複数の穿孔されたまたはチャネルを画成されたフランジ1052Aから1052Cを懸吊させた幅細ロッド1051が、据付部1045を備えたライナ1042内に挿入される。好ましくは、各フランジ1052から1053は、その中に(例えば垂直方向に配向された)ホールを、またはその上に(例えば垂直方向に配向された)表面チャネルを画成して、ライナ1042がフランジ1052Aから1052Cの周囲で収縮した場合にも、ライナ1042の頂部方向への流体流路を与える。ロッド1051およびフランジ1052Aから1052Cを使用する1つの利点は、浸漬チューブの平均直径をさらに大きくすることを回避することが可能となり、したがって、加圧式配給により、ライナ1042の内容物をさらに多く抽出することが可能になり得る点である。
【0053】
[0071] 図5Aから図5Bは、ある特定の実施形態による、加圧式配給パッケージ1060のライナ1062を示し、ライナ1062が、加圧式配給の際に中間位置でのライナの収縮および閉塞遮断状況を防止するように構成された、第1の半径方向外側部補強要素1063を有する。中間位置でのライナの収縮を防ぐ補強要素の効果を示すために、図5Aは、完全に膨張した状態のライナを示し、図5Bは、ある程度圧縮された状態のライナを示す。補強要素は、ライナ1062の内部に、または(より好ましくは)ライナ1062の外部に取り付けられてよく、あるいは代替的にはライナ中に形成されてよい(例えば、ライナ材料の多重層の間に張合せまたは他の方法で配置される)。補強要素1063は、弾性または圧縮性の特性を有してよいが、好ましくはポリマーフィルムから構成されるライナ1060よりは収縮可能性が低い。補強要素1063は、ライナ1060の1つまたは複数の壁部に結合された(例えば、溶接、接着、張合せ、等々によって)、ポリマー材料からなるセクションまたはリングであってよい。一実施形態においては、補強要素1063は、らせん状のまたは部分的にらせん状の形状である。好ましくは、補強要素は、ライナ1060の高さより上方にごく一部分のみ延在し、他の場合には閉塞遮断する可能性のある区域に、またはその区域の付近に配置される。
【0054】
[0072] 図6は、ある特定の実施形態による、加圧式配給装置1070のライナ1072の上方断面図を示し、ライナ1072が、加圧式配給の際に中間位置でのライナの収縮および閉塞遮断状態を防止するように構成された外側部補強要素1073を有する。特に、補強要素1073は、ライナ1070の外周部の周囲の一部分のみに延在する。このような構成により、補強要素1073を(その高さが十分に低いものである場合には)、関連付けされるオーバーパックコンテナ(図示せず)の開口を通してより一層容易に挿入することが可能になり、さらに、ライナが、配給作動の終了時に、その流体内容物のほぼ完全な排出を達成することが可能となる。要望に応じて、補強要素1073は、ライナの内部に、ライナの外部に、またはライナの層間に結合されてよい。これに関して(および本明細書において他で使用される際に)、「結合」とは、ライナへの、またはライナ中への不特定の装着、あるいはライナの一体部分としての形成(例えば、ライナの1つまたは複数の層とのシール、接着、または張合せなどによる)を意味する。
【0055】
[0073] 図7は、加圧式配給装置1080のライナ1082の上方断面図を示し、ライナ1082は、ライナ1082の内壁部に動作可能に結合された内部中空サポート1084を有する。この例におけるこの結合には、直接的な結合(例えばライナの内壁部への装着など)、あるいは、ライナの側壁部に付着された少なくとも1つの収縮可能サポートストリップまたはサポートストリングなどの1つまたは複数の中間要素との間接的な結合が含まれてよい。好ましくは、中空サポート1084は、他の場合には閉塞遮断する可能性のある区域の付近に、ライナ内に、ある限定された距離にのみわたって伸びている。この中空サポート1084は、ライナ壁部に装着され、ライナ壁部によって支持されてよく、他の場合には閉塞遮断する可能性のある区域にのみ位置してもよいため、ライナ1080の一方の端部から支持された類似する浸漬チューブよりもはるか短くてよい。長い中空サポート(上述のような「ダミー」浸漬チューブに類似する)を使用する場合と比較すると、短い中空サポートを使用する利点は、このサポートは、ライナの収縮をあまり阻害せず、したがって、ライナからの流体の配給を著しく妨げることがないという点である。この中空サポートは、熱溶接技術またはポリマーと共に利用するのに適した他の接合技術により、ライナの内壁部に装着されてよい。壁部から離して(すなわちライナの中央部付近に)中空サポートを配置することが望まれる場合には、1つまたは複数の収縮可能な中間サポートが、中空サポートとライナの1つまたは複数の壁部との間に設けられてよい。例えば、ポリマーフィルム材料(図示せず)からなる1つまたは複数のストリップまたはストリングが、ライナ壁部(または複数のライナ壁部)の対向し合う内側面またはシームに溶接され、中空内部サポートが、サポートストリップ(または複数のサポートストリップ)またはサポートストリング(または複数のサポートストリング)に対して中央に付着されて、ライナが膨張(充填)状態にあるときにはライナの内部内の中央にこの中空サポートを維持し、このサポートストリップ(または複数のサポートストリップ)またはサポートストリング(または複数のサポートストリング)は、ライナが空の状態へと収縮したときには中空内部サポートに当たるように収縮可能となるようにしてもよい。この態様においては、比較的短い中空内部サポートが、ライナ内で中央に支持されて、閉塞遮断を防止してもよいが、ライナは、依然として、中空内部サポートから離れた他のあらゆる区域では、ライナ自体に接するようにほぼ完全に収縮可能である。一実施形態における中空内部サポートと組み合わせて使用される際に、「比較的短い」という語は、中空内部サポートの長さが、好ましくはライナの高さの約半分以下である、より好ましくはライナの高さの約四分の一以下である、さらにより好ましくはライナの高さの約十分の一以下であることを意味する。
【0056】
[0074] 図8Aは、ある特定の実施形態による加圧式配給装置1090のライナ1092の概略側断面図を示し、ライナ1092は、フィルム部分1095を備え、このフィルム部分1095は、ライナ1092の内側面に沿って配設され、加圧式配給の際には中間位置でのライナの収縮および閉塞遮断状況を防止するように構成された、少なくとも1つの液体チャネル1099(図8Bを参照)を画成する。この液体チャネル(または複数の液体チャネル)は、エンボス加工または任意の他の適切な技術により、材料の表面中に画成されてよい。フィルム部分1095は、ライナ1092の全体を構成するために使用されてよく、あるいは、ライナ1092の一部分のみについて使用され、溶接シーム1096Aから1096Bまたは他の装着手段によって他の材料に接合されてもよい。図8Bを参照すると、チャネルは、フィルム1095中に1つまたは多数の方向に画成されてよい。このチャネルが存在することにより、ライナがそれ自体に接するように収縮した場合に、流体流路が与えられる。
【0057】
[0075] 図9Aから図9Bは、ライナの閉塞遮断を防ぐために磁気相互作用を利用する実施形態を示す。図9Aは、一実施形態による、コンテナ1101内に配設されたライナ1102を備えるパッケージ1100を示す。好ましくは、ライナ1102は、コンテナ1101内に囲まれる。ライナ1102は、ライナ1102に材料を追加する、またはライナ1102から材料を配給するためになど、ライナとの流体連通を可能にするために、コンテナ1101中に画成された開口(図示せず)と位置合わせされるように構成された開口画成据付部1105を備える。ライナ1102は、磁性要素または磁性的相互作用要素(例えばリングとして構成される)を備える閉塞防止要素1112Aから1112Dを備え、コンテナは、閉塞防止要素1112Aから1112Dと磁性的に相互作用するように構成された、対応する磁性要素また磁性的相互作用要素1111Aから1111Dを有する。一実施形態においては、少なくとも1つの磁性材料が、ライナ1102に結合され(例えば、ライナの外部に配置され、あるいは1つまたは複数の多層ライナパネルの層間に配設され、あるいは好ましさにおいて劣るがライナの内部に配設され)、少なくとも1つの磁性的相互作用(例えば鉄を含む)材料が、オーバーパックコンテナ1101の壁部中または壁部上に配置される。別の実施形態においては、少なくとも1つの磁性的相互作用材料が、ライナ1102に関連付けされ、それに対応するように、少なくとも1つの磁性材料が、オーバーパックコンテナ1101に関連付けされる。任意の磁性材料および/または磁性相互作用材料が、離散的固体要素、可撓性ストリップ、テープ(例えば感圧式接着面を有する)、フィルム、フォイル、または同様のものなど、任意の従来の形態で提供されてよい。これらの要素は、要望に応じて、リングとして構成されてよいが、この構成は必要ではない。任意の適切なタイプの磁性材料または磁性的相互作用材料を使用することができる。一実施形態においては、希土類(例えばネオジム)磁石が使用され、好ましくは、再利用可能なオーバーパックコンテナに関連付けされる。磁性要素(例えばコンテナに関連付けされる)は、印加される磁場の制御を可能にするために、1つまたは複数の電磁石を備えてよい。
【0058】
[0076] 図9Bに図示される実施形態においては、比較的少数の、離散的な磁性材料および磁性的相互作用材料が提供される。わずかに1つの磁性材料および磁性的相互作用材料が提供されてよい。パッケージ1120は、コンテナ1121内に配設されたライナ1122を備え、ライナ1122は、コンテナ1121中に画成された開口(図示せず)に位置合わせされるようになされた開口画成据付部1125を備える。ライナ1122は、磁性要素または磁性的相互作用要素(例えば離散的要素として構成される)を備える閉塞防止要素1132Aから1132Dを備え、コンテナ1121は、閉塞防止要素1132Aから1132Dと磁性的に相互作用するように構成された、対応する磁性要素または磁性的相互作用要素1131Aから1131Dを有する。
【0059】
[0077] 様々なライナを上記において説明した。種々の実施形態において、ライナは、外縁部で接合されたパネルから形成されてよい。図10は、第1のシート1151Aおよび第2のシート1151Bからなる第1のパネルと、第1のシート1152Aおよび第2のシート1152Bからなる第2のパネルとから形成されたライナ1150を示し、第1および第2のパネル1151から1152は、シール1159に沿って外縁部で接合される。各パネルのシートまたは層は、その表面の実質的に全体にわたって共に張り合わされてよく、または、シートは、それらの間で面接合を施されることなく、互いに対して移動可能であってよい。他の実施形態においては、単一層パネルが共に接合される。
【0060】
[0078] 図11Aから図11Eは、閉塞防止要素が、第1のパネルに外縁部で接合されたライナの第2のパネルとは異なる収縮特性を有するライナの第1のパネルを備える実施形態を示す。2つのパネル間の収縮特性が異なることにより、図11Bに図示されるように、加圧式配給の際にパネル間にギャップが保たれて、ライナの閉塞遮断を防止する。このようなそれぞれ異なる収縮特性は、ライナの据付部がオーバーパックコンテナ内に位置合わせされ、圧力がライナとコンテナとの間のスペースにかけられてライナを圧縮する状態で、ライナが加圧式配給下にある際に、現れることが理解されよう。したがって、ライナの1つのパネルまたは別のパネルに沿って据付部が存在することにより、この据付部が、ライナに沿った閉塞遮断領域となる可能性のある任意の位置の上方に支持され、その位置から離れて配設されると、一方のパネルの収縮特性が他方のパネルの収縮特性に影響を及ぼすことができなくなる。
【0061】
[0079] それぞれ異なる収縮特性は、熱加工、熱および圧力加工、バルク層(局部的なものであるかパネル全体にわたるものであるかにかかわらず)と同一のまたは異なる組成物から構成される層の追加、および同様のことなど、局部的加工またはバルク加工を含む種々の方法により得ることができる。好ましい熱加工としては、熱融着および熱溶接が含まれる。一実施形態においては、第1のパネルの少なくとも一部分が、第2のパネルとは組成的に異なる。別の実施形態においては、第1のパネルの少なくとも一部分が、第2のパネルよりも厚い。一実施形態においては、第1のパネルは、第1のパネル面を取り囲む外縁端部を備え、第1のパネル面の少なくとも一部分が、熱変質を受けて、第2のパネルとは異なる収縮特性を第1のパネルにもたらす。一実施形態においては、第1のパネル全体が、処理され、または加工されて、第2のパネルとは異なる収縮特性をもたらす。一実施形態においては、第1のパネルは、第1のパネル面を取り囲む外縁端部を備え、第1のパネル面の少なくとも一部分が、熱および圧力をかけることによって変質を受けて、第2のパネルとは異なる収縮特性を第1のパネルにもたらす。一実施形態においては、ライナが、第1のパネルの中または上に配設され、第2のパネルに接して第1のパネルが収縮するのを防ぐように構成された、補強材料を備える。本明細書において説明されるような第1のパネルに対する様々な変更を行うことにより、第1のパネルにわたって、第2のパネルとは相対的に、補強された領域が形成される。
【0062】
[0080] 図11Aは、据付部1205と、層1201Aと1201Bとの間の外縁シール1209とを有するライナ1200を示す。第1のパネル1207は、第1のパネルと第2のパネルとの間にそれぞれ異なる収縮特性をもたらすための、局部的処理領域1207を有する。この局部的処理領域1207は、例えば熱シーラによる熱加工によって、形成されてよい。この熱加工は、第1のパネルの温度を、パネルを形成する材料の溶融温度範囲にまで局部的に上昇させることを含んでよい。図11Bは、図11Aのライナの断面図を示し、第1のパネル1201Aの折り畳みが、要素1207によってある程度まで防がれる。
【0063】
[0081] 図11Cは、据付部1215、前面パネル1211A、外縁シール1219、および垂直に配置された複数の局部的処理領域1217Aから1217Bを有する、ライナ1210を示す。図11Dは、据付部1225、前面パネル1221A、外縁シール1229、およびジグザグ形態で配置された処理領域1227を有する、同様のライナ1220を示す。図11Eは、据付部1235、前面パネル1231、外縁シール1239、および広矩形処理領域1237を有する、ライナ1230を示す。この領域1237は、(例えば圧力または温度により)局部的に処理されてよく、あるいは、この領域1237は、(例えば、前面パネル1231Aに接着された、前面パネル1231Aに熱接合された、または前面パネル1231Aの複数の層内に張り合わされた)追加の材料を備えてよい。各場合において、それぞれ異なる収縮特性が、第2のパネルとは相対的に第1のパネルにもたらされて、ライナの閉塞遮断を防止する。
【0064】
[0082] 好ましくは、ライナの第2のパネルとは異なる収縮を生じさせるための第1のパネルの処理は、第1のパネルと第2のパネルとの間の外縁部での接合を行う前に実施される。
【0065】
[0083] 100kpaの圧力にて1ミリメートルの穴を通過する、3つの異なる粘度(すなわち1cps、10cpsおよび31cps)を有する流体の流れについての、算出された流量(ミリメートル/分)に対する粘度(cps)のグラフを示す図12には、非常に小さな通路(例えば1ミリメートル径の穴など)であっても流れを維持することにおいて効果を有することが示される。これは、小さなチャネルであっても、様々な流体粘度に関して、完全な閉塞状況の回避において有効であり得ることを実証する。
【0066】
[0084] 1つまたは複数の流体使用プロセスツール(例えばマイクロ電子デバイス加工ツール)と供給関係に加圧式配給パッケージを配設して使用することが、具体的に予期される。一実施形態においては、マイクロ電子デバイス製造設備が、上述のような閉塞防止要素を有するライナベース加圧式配給パッケージから液体を受けるように連結されたマイクロ電子デバイス加工ツールを備える。
【0067】
[0085] 収縮可能なライナの閉塞遮断を防ぐように構成された前述の構造物に加えて、閉塞遮断を防ぐための方法が、同様に予期される。加圧式配給用に構成された収縮可能なライナの閉塞遮断を防ぐための1つの方法は、前記ライナに閉塞防止要素を追加することを含み、閉塞防止要素は、(a)ライナ内に配設された少なくとも1つの穿孔フランジ、(b)ライナ内に配設された少なくとも1つのチャネル画成フランジ、(c)ライナの内側面に沿って配設された、少なくとも1つの液体チャネルを画成するフィルム、(d)ライナに結合された半径方向補強要素、(e)ライナの側壁部内に配設され、ライナの側壁部に動作可能に結合された、中空内部サポートであって、ライナの下方部分中に配設された第1の穴およびライナの上方部分中に配設された第2の穴を有する中空内部サポート、(f)ライナに結合された、少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料であって、ライナを囲むオーバーパックコンテナに結合された少なくとも1つの第2の磁性材料または磁性的相互作用材料と相互作用するように構成された、少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料、ならびに(g)ライナの第1のパネルであって、第1のパネルに外縁部で接合されたライナの第2のパネルとは異なる収縮特性を有するライナの第1のパネル、の中のいずれかを備える。好ましくは、このライナは、オーバーパックコンテナ内に配設される。次いで、ライナとオーバーパックとの間のスペースが、加圧されて、ライナから流体を配給し、閉塞防止要素が使用されて、前記流体配給の際にライナの閉塞遮断を防止する。流体配給の際のライナの閉塞遮断を防ぐことにより、配給されにくいライナの下方部分内の残留流体の望ましくない「封じ込め」が回避される。
【0068】
[0086] 本明細書では、本発明の特定の態様、特徴および例示の実施形態を参照として、本発明を説明したが、本発明の有用性はそれらに限定されず、本明細書における開示にもとづき本発明の分野の当業者に示唆されるような、多数の他の変形形態、修正形態、および代替の実施形態にまで及び、それらを包含することが理解されよう。同様に、後に特許請求の範囲で請求される本発明は、その趣旨および範囲内にあらゆるこのような変形形態、修正形態、および代替の実施形態を含むように、広く解釈され理解されるべきものとして意図される。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、種々の流体利用プロセスに対して加圧式に配給される化学試薬の効率的な供給および使用を促進するため、産業上において有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を保持するように構成された収縮可能ライナと、
(a)前記ライナ内に配設された少なくとも1つの穿孔フランジ、
(b)前記ライナ内に配設された少なくとも1つのチャネル画成フランジ、
(c)前記ライナの内側面に沿って配設された、少なくとも1つの液体チャネルを画成するフィルム、
(d)前記ライナに結合された半径方向補強要素、
(e)前記ライナの側壁部内に配設され、前記側壁部に動作可能に結合された中空内部サポートであって、前記ライナの下方部分中に配設された第1の穴を有し、前記ライナの上方部分中に配設された第2の穴を有する、中空内部サポート、
(f)前記ライナに結合された少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料であって、前記ライナを囲むオーバーパックコンテナに結合された、対応する少なくとも1つの第2の磁性材料または磁性的相互作用材料と相互作用するように構成された、少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料、および
(g)前記ライナの第1のパネルであって、この第1のパネルに外縁部で接合された前記ライナの第2のパネルとは異なる収縮特性を有する、第1のパネル
の中のいずれかを備える、少なくとも1つの閉塞防止要素と
を備える、加圧式配給パッケージ。
【請求項2】
浸漬チューブを有さない、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項3】
前記収縮可能ライナよりもはるかに剛性である材料から形成されたオーバーパックコンテナであって、前記ライナおよび前記少なくとも1つの閉塞防止要素がそれぞれ中に配設されるオーバーパックコンテナをさらに備える、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項4】
圧縮ガス供給源から圧縮ガスを受け、前記オーバーパックコンテナと前記ライナとの間のスペースに圧縮ガスを供給するように構成された、ガス入口ポートを備える、請求項3に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項5】
圧縮ガス供給源に動作可能に結合される、請求項4に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項6】
前記ライナは、開口画成据付部を備え、前記コンテナは、開口を画成し、前記据付部は、開口に位置合わせされた状態でコンテナに結合されるように構成される、請求項3に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項7】
前記ライナは、開口所有据付部を備え、前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記開口所有据付部を貫通して延在するサポート要素により前記ライナ内に懸吊された、少なくとも1つの穿孔フランジまたは少なくとも1つのチャネル画成フランジを備える、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナ内に配設された、複数の穿孔フランジおよび複数のチャネル画成フランジのいずれかを備える、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナの内側面に沿って配設された、少なくとも1つの液体チャネルを画成するフィルムを備える、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの液体チャネルは、エンボス加工によって形成される、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナに結合された半径方向補強要素を備える、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項12】
前記半径方向補強要素は、前記ライナの外側面に接合される、請求項11に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項13】
前記半径方向補強要素は、前記ライナの一部分のみの周囲に延在する、請求項11に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナの側壁部内に配設され、前記側壁部に結合された、中空内部サポートを備え、前記中空内部サポートは、前記ライナの下方部分中に配設された第1の穴を有し、前記ライナの上方部分中に配設された第2の穴を有する、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項15】
前記中空内部サポートは、前記側壁部に付着された少なくとも1つの収縮可能サポートストリップまたはサポートストリングにより、前記ライナの側壁部に動作可能に結合される、請求項14に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナに結合された少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料を備え、前記少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料は、前記ライナを囲むオーバーパックコンテナに結合された、対応する少なくとも1つの第2の磁性材料または磁性的相互作用材料と相互作用するように構成される、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項17】
少なくとも1つの第1の磁性材料が、前記ライナに結合される、請求項16に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項18】
(a)前記少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料、および(b)前記少なくとも1つの第2の磁性材料または磁性的相互作用材料のいずれかが、前記ライナまたはオーバーパックコンテナの外周部の実質的に全周にわたって延在する、請求項16に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項19】
前記少なくとも1つの第1の磁性材料および前記少なくとも1つの第2の磁性材料のいずれかが、磁気テープを備える、請求項16に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項20】
少なくとも1つの磁性的相互作用材料が、前記ライナに結合される、請求項16に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの磁性的相互作用材料は、鉄含有テープまたはフォイルを備える、請求項20に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項22】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナの第1のパネルを備え、この第1のパネルは、前記第1のパネルに外縁部で接合された前記ライナの第2のパネルとは異なる収縮特性を有する、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項23】
前記第1のパネルの少なくとも一部分が、前記第2のパネルとは組成的に異なる、請求項22に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項24】
前記第1のパネルの少なくとも一部分が、前記第2のパネルよりも厚い、請求項22に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項25】
前記第1のパネルは、第1のパネル面を取り囲む外縁端部を備え、前記第1のパネル面の少なくとも一部分が、熱変質を受けて、前記第2のパネルとは異なる収縮特性を前記第1のパネルに与える、請求項22に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項26】
前記第1のパネルは、第1のパネル面を取り囲む外縁端部を備え、前記第1のパネル面の少なくとも一部分が、熱および圧力を加えることによって変質を受けて、前記第2のパネルとは異なる収縮特性を前記第1のパネルに与える、請求項22に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項27】
前記第1のパネルの中または上に配設され、前記第2のパネルに当たるように前記第1のパネルを収縮させるのを防ぐように構成された、補強材料を備える、請求項22に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項28】
前記第1のパネルおよび前記第2のパネルはそれぞれ、外縁部分のみに沿って接合された複数の材料層を備える、請求項22に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項29】
前記第1のパネルおよび前記第2のパネルはそれぞれ、複数の張り合わされた材料層を備える、請求項22に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項30】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、要素(a)から(g)の中の少なくとも2つを備える、請求項1に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項31】
流体使用プロセスツールと供給関係において連結される、請求項1から30のいずれか一項に記載の加圧式配給パッケージ。
【請求項32】
請求項1から30のいずれか一項に記載の前記加圧式配給パッケージから液体を受けるように連結されたマイクロ電子デバイス加工ツールを備える、マイクロ電子デバイス製造設備。
【請求項33】
流体の加圧式配給のために構成された収縮可能ライナの閉塞遮断を防止するための方法であって、前記ライナに対して少なくとも1つの閉塞防止要素を追加するステップを含み、前記少なくとも1つの閉塞防止要素が、
(a)前記ライナ内に配設された少なくとも1つの穿孔フランジ、
(b)前記ライナ内に配設された少なくとも1つのチャネル画成フランジ、
(c)前記ライナの内側面に沿って配設された、少なくとも1つの液体チャネルを画成するフィルム、
(d)前記ライナに結合された半径方向補強要素、
(e)前記ライナの側壁部内に配設され、前記側壁部に動作可能に結合された中空内部サポートであって、前記ライナの下方部分中に配設された第1の穴を有し、前記ライナの上方部分中に配設された第2の穴を有する、中空内部サポート、
(f)前記ライナに結合された少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料であって、前記ライナを囲むオーバーパックコンテナに結合された、対応する少なくとも1つの第2の磁性材料または磁性的相互作用材料と相互作用するように構成された、少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料、および
(g)前記ライナの第1のパネルであって、この第1のパネルに外縁部で接合された前記ライナの第2のパネルとは異なる収縮特性を有する、第1のパネル
の中のいずれかを備える、方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナ内に配設された少なくとも1つの穿孔フランジを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナ内に配設された少なくとも1つのチャネル画成フランジを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナの内側面に沿って配設された、少なくとも1つの液体チャネルを画成するフィルムを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナに結合された半径方向補強要素を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナの側壁部内に配設され、前記側壁部に動作可能に結合された中空内部サポートであって、前記ライナの下方部分中に配設された第1の穴を有し、前記ライナの上方部分中に配設された第2の穴を有する中空内部サポートを備える、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナに結合された少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料であって、前記ライナを囲むオーバーパックコンテナに結合された、対応する少なくとも1つの第2の磁石または強磁性材料と相互作用するように構成された、少なくとも1つの第1の磁性材料または磁性的相互作用材料を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも1つの閉塞防止要素は、前記ライナの第1のパネルであって、この第1のパネルに外縁部で接合された前記ライナの第2のパネルとは異なる収縮特性を有する第1のパネルを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
オーバーパックコンテナ内に前記ライナを挿入するステップをさらに含み、前記オーバーパックコンテナは、前記圧縮可能ライナよりもはるかに剛性である材料を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記ライナから流体を配給するために前記ライナと前記オーバーパックコンテナとの間のスペースを加圧するステップと、前記流体配給の際にライナの閉塞遮断を防ぐために前記閉塞防止要素を使用するステップとをさらに含む、請求項41に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−516585(P2010−516585A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548425(P2009−548425)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/052506
【国際公開番号】WO2008/095024
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】