説明

ライブラリ装置、カートリッジ及びハンド機構

【課題】カートリッジを収納部に確実にロックするロック機構及びこのロック機構によるロックを確実に解除するロック解除機構を小型な構成で実現するライブラリ装置、カートリッジ及びハンド機構を提供する。
【解決手段】ライブラリ装置は、カートリッジに設けられたロック部材が嵌合するロック穴を有し、ロック部材とロック穴との嵌合によりカートリッジをロックして収納する収納部と、カートリッジを把持するとともにロック部材に係合する把持部と、把持部を先端に支持し、収納部に対して把持部により把持されたカートリッジの挿抜を行うアームと、アームをカートリッジの挿抜方向に移動させる第1のモータと、ロック部材とロック穴との嵌合を解除する位置にロック部材を移動させるように把持部を移動させる第2のモータと、
を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、ライブラリ装置、カートリッジ及びハンド機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大型コンピュータ装置に接続されて使用される大容量の外部記憶装置として、ライブラリ装置が知られている。ライブラリ装置の一例として、磁気テープライブラリ装置が挙げられる。
【0003】
このような磁気テープライブラリ装置は、磁気テープ媒体が内蔵された磁気テープカートリッジを多数収納する収納庫(マガジン)、磁気テープカートリッジを搬送する搬送機構、磁気テープ媒体に対するデータの読み書きを実行する磁気テープドライブ等を備えている。
【0004】
また、磁気テープライブラリ装置は、運用者によりマガジン単位で運用や管理が行われる。ゆえに、マガジンは、運用者が磁気テープカートリッジの交換を行う為に、磁気テープライブラリ装置から引き出し可能、もしくは着脱自在になっている。しかしながら、運用者によってマガジンの取り扱い方が異なり、設計者の想定を超えた取り扱いがなされる場合がある。
【0005】
また、マガジンは側面に磁気テープカートリッジの出し入れを行う為の開口が設けられており、マガジンから飛び出さないように開口側を下向きにしないように取り扱う必要がある。しかしながら、運用者が、誤ってマガジンの開口を下側に向けてしまい、マガジンから磁気テープカートリッジが脱落し、床に落ちてしまう場合がある。その際に、磁気テープカートリッジが破損して重要なデータを失ってしまう可能性が考えられる。
【0006】
そこで、磁気テープカートリッジとマガジンをロックするロック機構を設けて、磁気テープカートリッジのマガジンからの脱落を防止することが考えられている(例えば、特許文献1、2)。
【0007】
図18(A)、(B)は、従来例のロック部材を説明するための図である。図18(A)、(B)は、マガジンの収納部であるセル81を抜粋して示したものである。図18(A)は、カートリッジ80がマガジン(セル81)にロックされているロック状態を示す。
【0008】
セル81の側壁面81hにロック部材83が設けられている。ロック部材83は、一端に設けられた固定部82でセル81の側壁面81hに固定されている。また、ロック部材83は、ばね性を有するアーム部84を有し、その先端にカートリッジ80に設けられた係合溝80mに係合する係合部85が設けられている。従って、係合部85と係合溝80mとが係合することにより、カートリッジ80がマガジン(セル81)にロックされる。
【0009】
図18(B)は、カートリッジ80がA方向(挿抜方向)にセル81に対して出し入れされている様子を示す。また、図18(B)は、カートリッジ80とマガジン(セル81)のロックが解除されているロック解除状態を示している。
【0010】
カートリッジ80がセル81に挿入される場合には、ロック部材83の係合部85がカートリッジ80に押されて、セル81の側壁面81hに設けられた開口81kから逃げる。続いて、係合部85が係合溝80mに対向すると、アーム部84の弾性力により係合部85が初期位置に戻る。従って、係合部85と係合溝80mは係合し、カートリッジ80がマガジン(セル81)にロックされる。
【0011】
カートリッジ80がセル81から抜き出す場合には、係合部85と係合溝80mとの間に発生する摩擦抵抗(ロック力)より大きな力でカートリッジ80を抜き出す。これにより、ロック部材83の係合部85がカートリッジ80に押されて、セル81の側壁面81hに設けられた開口81kから逃げる。従って、係合部85と係合溝80mの係合が解除され、ロックが解除される。
【0012】
前述したようなロック部材において、確実なロックを実現するために、ロック部材のロック力を効果的に設計する必要がある。しかしながら、実際には、カートリッジの表面状態や係合溝の形状のばらつき、係合部と係合溝との間に発生する摩擦抵抗のばらつき等があり、設計のために高度な解析が要求される。
【0013】
従って、確実なロックを実現するために、ロック部材のロック力を大きくすることが考えられる。しかし、ロック力を大きくしてしまうと、ハンド機構を用いてロックを確実に解除してカートリッジを抜き出すために、挿抜能力が大きなハンド用モータが要求される。ゆえに、前述したロック部材は、構造的には簡単にみえても、確実なロック及びロック解除を実現するために、ロック力と挿抜能力のバランスを考慮した高度な設計が要求される。
【0014】
さらに、近年、磁気テープカートリッジ1巻当たりの記憶容量が飛躍的に増大している。このため、同じ記憶容量を確保するために必要な磁気テープカートリッジの巻数が減少している。従って、マガジンの小型化、磁気テープライブラリ装置の小型化が進められている。
【0015】
それゆえに、カートリッジのマガジンからの脱落を確実に防止できるロック機構を小スペースで実現することが望まれている。また、このロック機構によるロックを解除するロック解除機構を、ライブラリ装置の小型化を阻むことなく実現することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】WO2006/103735号公報
【特許文献2】特開平10−241238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
開示の技術は、カートリッジを収納部に確実にロックするロック機構及びこのロック機構によるロックを確実に解除するロック解除機構を小型な構成で実現するライブラリ装置、カートリッジ及びハンド機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
開示の技術の一側面によると、ライブラリ装置は、カートリッジに設けられたロック部材が嵌合するロック穴を有し、ロック部材とロック穴との嵌合によりカートリッジをロックして収納する収納部と、カートリッジを把持するとともにロック部材に係合する把持部と、把持部を先端に支持し、収納部に対して把持部により把持されたカートリッジの挿抜を行うアームと、アームをカートリッジの挿抜方向に移動させる第1のモータと、ロック部材とロック穴との嵌合を解除する位置にロック部材を移動させるように把持部を移動させる第2のモータとを備える。
【0019】
また、開示の技術の他の側面によると、カートリッジは、側面に溝をそれぞれ有するカートリッジの把持を行うハンド機構において、アームと、アームの先端に設けられ、溝に係合してカートリッジを把持する把持部と、把持部が溝に対向する位置にアームを移動させる第1のモータと、把持部が溝に対向する位置で係合するように把持部を回転移動させる第2のモータとを備える。
【0020】
さらに、開示の技術の他の側面によると、側面に溝をそれぞれ有するカートリッジの把持を行うハンド機構において、アームと、アームの先端に設けられ、溝に係合してカートリッジを把持する把持部と、把持部が前記溝に対向する位置にアームを移動させる第1のモータと、把持部が溝に対向する位置で係合するように把持部を回転移動させる第2のモータとを備える。
【発明の効果】
【0021】
開示のライブラリ装置及びカートリッジは、カートリッジのロック部材と収納部のロック穴との嵌合によって、カートリッジを確実にロックすることにより、カートリッジの収納部からの脱落を確実に防止することができる。また、収納部側にロックの為の特別なスペースを要することがないので、カートリッジの収納部の省スペース化を図ることができ、ライブラリ装置の小型化を図ることができる。
【0022】
また、開示のライブラリ装置及びハンド機構は、把持部を駆動することにより、確実にカートリッジのロックの解除を行うことができる。さらに、開示のライブラリ装置及びハンド機構は、把持部を駆動することにより、小スペースでカートリッジを簡単に出し入れすることができる。ゆえに、カートリッジの収納部の省スペース化を図ることができ、ライブラリ装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、磁気テープライブラリ装置の外観図である。
【図2】図2は、磁気テープライブラリ装置の内部構成図である。
【図3】図3は、磁気テープライブラリ装置のブロック図である。
【図4】図4は、マガジンの構成を説明するための図である。
【図5】図5は、磁気テープカートリッジの外観図である。
【図6】図6は、第1の実施形態のロック部材を説明するための図である。
【図7】図7は、第1の実施形態のロック部材の分解斜視図である。
【図8】図8は、第1の実施形態のロック部材を説明するための平面図である。
【図9】図9は、ロボット機構の斜視図である。
【図10】図10は、第1の実施形態のアームの動作を説明するための図である。
【図11】図11は、第1の実施形態のアームとロック部材の係合状態を説明するための平面図である。
【図12】図12は、把持部とロック部材の位置関係を説明するための図である。
【図13】図13は、第2の実施形態のロック部材を説明するための図である。
【図14】図14は、第2の実施形態のロック部材を説明するための平面図である。
【図15】図15は、第2の実施形態のアームの動作を説明するための図である。
【図16】図16は、第2の実施形態のアームとロック部材の係合状態を説明するための図である。
【図17】図17は、把持部とロック部材の位置関係を説明するための図である。
【図18】図18は、従来例のロック部材を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。ライブラリ装置の一例として、磁気テープライブラリ装置を用いて説明する。図1は、磁気テープライブラリ装置の外観図である。
【0025】
磁気テープライブラリ装置1は、内部に収納空間を有する筐体10、操作用ボタンやディスプレイを備えたオペレータパネル13を備える。オペレータパネル13の両側に、筐体10に対して挿抜可能な引き出し式の収納庫(マガジン)11が配置される。
【0026】
図2は、磁気テープライブラリ装置の内部構成図である。筐体10の内部は、2つの収納空間に分離されている。装置前面側の収納空間には、オペレータパネル13、マガジン11、ロボット機構40が配置される。また、装置後面側の収納空間には磁気テープドライブ15やその他電子回路部品等が配置される。
【0027】
マガジン11には、磁気テープカートリッジ30を1巻ずつ収納する為の収納部である複数のセル21a〜21dが並設されている。従って、マガジン11は、磁気テープカートリッジ30を長手方向に並んで収納することができる。なお、マガジン11は、収納棚が一段である一段タイプのマガジンを一例として示すが、鉛直方向(上下方向)に並んで収納する多段タイプを採用することもできる。
【0028】
左右のマガジン11の間の収納空間には、ロボット機構40が配置される。ロボット機構40は、ロボット51を装置の前後方向(マガジン11の挿抜方向)に移動させ、ロボット51の向きを回転させるロボット用モータ(図示せず)を備える。また、ロボット機構40は、ハンド機構47を備える。
【0029】
ロボット機構40は、例えば、マガジン11のセル21bに収納されている磁気テープカートリッジ30をハンド機構47により取り出し、磁気テープドライブ15に搬送する。そして、ハンド機構47は、磁気テープカートリッジ30を挿入排出口15eから挿入して、磁気テープドライブ15にローディングする。
【0030】
磁気テープドライブ15は、ローディングされた磁気テープカートリッジ30に対してデータの読出しまたは書込みを行う。その後、ロボット機構40は、アンロードされた磁気テープカートリッジ30を搬送し、元のマガジン11のセル21bに戻す動作を行う。
【0031】
図3は、磁気テープライブラリ装置のブロック図である。磁気テープライブラリ装置1において、信号線19sにより、コントローラ17と、オペレータパネル13、磁気テープドライブ15、ロボット機構40とが接続される。また、電源線19eにより、コントローラ17、オペレータパネル13、磁気テープドライブ15、ロボット機構40に対して電源18から電力が供給される。
【0032】
ロボット機構40のロボット用モータ40mは、コントローラ17からの指示に基づいて駆動される。また、ハンド機構47のハンド用モータ47mも同様に、コントローラ17からの指示に基づいて駆動される。
【0033】
磁気テープドライブ15の入出力端子15t、コントローラ17の入出力端子17t、電源18の入力端子18tは、装置後面に配置される。磁気テープドライブ15の入出力端子15tは、インタフェースを介してホストコンピュータに接続される。また、コントローラ17の入出力端子17tも同様にインタフェースを介して図示しないホストコンピュータに接続される。電源18の入力端子18tは交流電源に接続される。
【0034】
図4(A)、(B)は、マガジンの構成を説明するための図である。図4(A)はマガジンの外観図である。図4(B)はマガジンの上面図である。マガジン11は、下壁部21、上壁部22、装置前面側に露出する把手部23を有する。下壁部21と上壁部22の間の収納空間には、磁気テープカートリッジ30が1巻ずつ収納できるように区画されたセル21a〜21dが形成されている。
【0035】
各セル21a〜21dには、後述するロック部材に係合するロック穴25a〜25dが設けられている。ロック穴25a〜25dは、貫通孔を一例として示すが、くぼみ(凹み)で構成しても良い。図4(B)に示されているように、ロック穴を各セル21a〜21dに2個ずつ設けておく。
【0036】
また、これらのロック穴25a〜25dは、収納されるカートリッジの外形スペースの内側の領域に配置される。従って、各セル21a〜21dは、ロック穴25a〜25dを設ける為に特別にスペースを必要とせず、マガジン11の小型化を図ることができる。
【0037】
ロック穴25a〜25dは、後述するロック部材を備えていないカートリッジを各セル21a〜21dに収納することを妨げない。従って、マガジン11は、各種カートリッジを収納することができるので、ライブラリ装置としての汎用性を高めることができる。
【0038】
図5は、磁気テープカートリッジの外観図である。磁気テープカートリッジ30の筐体30hは、上面30a、下面30b、及び側面30s等の複数の壁面を有する。磁気テープカートリッジ30の筐体30hの内部には、リール30rに巻き付けられた磁気テープが収納されている。このような磁気テープカートリッジは、磁気テープドライブとの互換性を確保する為に規格化されている。
【0039】
本実施形態では、規格で定められた外形形状を変更することなく、ロック部材33を配置する為に、筐体30hの両側の側面30sに設けられた溝を把持用溝31として利用する。従って、規格に準拠した磁気テープドライブとの互換性を確保することができる。なお、カートリッジに新たに把持用溝31を設けることもできるが、その際には、磁気テープドライブとの互換性を考慮してカートリッジを予め設計しておく。
【0040】
左右一対の把持用溝31は、ハンド機構47が磁気テープカートリッジ30をハンドリングする為に用いられる。これらの把持用溝31にロック部材33がそれぞれ配置される。そして、このロック部材33とロック穴25a〜25dとでロック機構を形成する。
【0041】
図6は、第1の実施形態のロック部材を説明するための図である。図7は、第1の実施形態のロック部材の分解斜視図である。図8(A)、(B)は、第1の実施形態のロック部材を説明するための平面図である。
【0042】
図6及び図7において、ロック部材33は、延出部の一例である突起部33a、本体部33b、軸部33c、弾性部材の一例であるコイルばね34を有する。突起部33aは、本体部33bの主壁面から略垂直方向に延びた突起である。なお、突起ではなく、本体部33bの主壁面の上側に略垂直方向に延びた段差を設け、延出部としてもよい。
【0043】
本体部33bは、平坦な主壁面と、その下端部に傾斜面33sを有する平板である。本体部33bの上部に、ロック部材33を支持する為の軸部33cが設けられている。そして、コイルばね34が嵌め込まれた軸部33cは、把持用溝31の上部の孔35に挿入される。
【0044】
ロック部材33は、この把持用溝31の範囲内に収められるサイズである。つまり、磁気テープカートリッジ30とマガジン11とのロックが解除されている場合(ロック解除状態)において、カートリッジ筐体30hの外形からはみ出さないように、本体部33b及び突起部33a等のサイズを予め設計しておく。
【0045】
把持用溝31は、第1の開口31pと第2の開口31qを有する溝である。第1の開口31pは、カートリッジ筐体30hの側面30s側の開口であり、この開口に後述するハンド機構47の把持部が挿入される。第2の開口31qは、カートリッジ筐体30hの下面30b側の開口であり、本体部33bの下端部が出入りする。
【0046】
本実施形態では、第1の開口31pと第2の開口31qは連結している。なお、本体部33bの下端部の形状に応じて、第2の開口31qは小さな貫通孔等、様々な形状にアレンジすることができる。
【0047】
把持用溝31は、側壁37a、37b、奥壁37c、上壁37d等により取り囲まれて形成されている。また、側壁37a、37bには、それぞれストッパ36a、36bが設けられている。この上壁37dに、コイルばね34が押しつけられることにより、コイルばね34は付勢力を本体部33bに与えることができる。
【0048】
図8(A)は、磁気テープカートリッジ30とマガジン11とのロックがなされている場合(ロック状態)を示し、図8(B)は、磁気テープカートリッジ30とマガジン11とのロックが解除されている場合(ロック解除状態)を示す。図8(A)、(B)に示すように、側壁37a、37bは、開口側のスペース31bは奥壁37c側のスペース31aより幅が狭くなるように、把持用溝31の内側に突出して形成されている。
【0049】
奥壁37c側のスペース31aに本体部33bが配置され、開口側のスペース31bに突起部33aが配置される。つまり、突起部33aは第1の開口31pに向かって突出するように、ロック部材33は把持用溝31内に配置される。
【0050】
なお、突起部33aの外形は、スペース31bから外側に突出しないように予め設計しておき、カートリッジ筐体30hの外形からはみ出さないようにする。従って、ストッパ36a、36bが突起部33aの下方への移動を制限することにより、ロック部材33は筐体30hから脱落することが無い。また、ロック部材33は、突起部33aがストッパ36a、36bと上壁面37dの間を上下移動可能に筐体30hに保持される。
【0051】
図8(A)のロック状態において、コイルばね34の付勢力により本体部33bが下方に押され、第2の開口31qから外側に下端部(傾斜面33s)が所定量突出する。すなわち、カートリッジ筐体30hの下面30bから本体部33bの下端部が所定量突出する。なお、この突出量はストッパ36a、36bの設置位置により制御することができる。
【0052】
図8(B)のロック解除状態において、ロック部材33が上方(付勢力と反対方向)に押されると、コイルばね34が縮み、本体部33bの下端部(傾斜面33s)はカートリッジ筐体30hの下面30bから上側に引き上げられる。すなわち、本体部33b下端部は第2の開口31qから把持用溝31の内部に引き上げられる。従って、ロック部材33は後述するロック穴との係合を解除して、ロックを解除することができる。
【0053】
図9は、ロボット機構の斜視図である。ロボット機構40は、ロボット51の下面側にロボット用モータ(図示せず)を搭載している。このロボット用モータによりガイドレール52及びラックギア53に沿って、ロボット51は装置の前後方向(マガジン11の挿抜方向)に移動する。従って、ロボット機構40は、磁気テープカートリッジ30を磁気テープドライブ15に搬送したりマガジン11に戻したりすることができる。
【0054】
ロボット51は、ハンド機構47を搭載している。ハンド機構47は、一対のアーム42を有し、ハンド用モータ47mにより駆動される。ハンド用モータ47mは、ハンド機構47を水平移動させる第1のモータ44、各アームを回転駆動する為の第2のモータ45を含む。また、ハンド機構47は、第1のモータ44により、ガイドレール48及びラックギア49に沿って水平移動する。リンク機構46は、第2のモータ45の動力を一対のアーム42に伝達し、把持部43を回転させる。
【0055】
アーム42の先端には、平板状の把持部43がアーム42の長手方向に沿って設けられている。把持部43は平板であるので、突起部33aにおける把持部43との当接面に対して位置合わせが容易であり、安定して面接触もしくは線接触することができる。従って、把持部43は、突起部33aを容易に持ち上げることができる。
【0056】
なお、把持部43の形状は適宜アレンジすることができ、図示は省略するがアーム42に対して垂直な棒(ピン)としてもよい。この場合は、突起部33aの平面に対して線接触または点接触することになる。
【0057】
また、把持部43の厚みは、アーム42の幅(直径)以下とする。これにより、セル21a〜21dの各幅は、磁気テープカートリッジ30の幅と一対のアーム42の幅に多少のマージンを足した幅にすることができる。
【0058】
従って、セル21a〜21dを小スペースにすることができ、マガジン11の長手方向の長さを小さくして、小型化を実現することができる。ゆえに、磁気テープライブラリ装置の小型化を実現することができる。
【0059】
そして、アーム42が回転することによって、把持部43を所定の角度回転させることができる。従って、ハンド機構47は、一対の把持部43によって磁気テープカートリッジ30を捉えることができる。また、ハンド機構47は、第1のモータ44によりアーム42を水平移動することにより、簡単に磁気テープカートリッジ30をロボット51に載せたり下ろしたりすることができる。
【0060】
本実施形態のハンド機構は、前述したような構成であるので、磁気テープカートリッジ30のようなロック部材を備えていないカートリッジも取り扱うことができる。また、本実施形態のハンド機構は、ロック穴25a〜25dとロック部材33の組合せによるロック機構を採用していないライブラリ装置においても適用可能である。
【0061】
つまり、本実施形態のハンド機構は、ロック機構が無いライブラリ装置や、他のロック機構を採用したライブラリ装置においても適用可能である。従って、本実施形態のハンド機構は、第1の実施形態や後述する第2の実施形態のカートリッジと組合せなくても、セルを小スペースにすることができ、マガジンの長手方向の長さを小型化することができる。ゆえに、ライブラリ装置の小型化を実現することができる。
【0062】
図10(A)、(B)は、第1の実施形態のアームの動作を説明するための図である。図11(A)〜(C)は、第1の実施形態のアームとロック部材の係合状態を説明するための平面図である。また、図1のセル21bに収納された磁気テープカートリッジ30を一例として説明する。
【0063】
図10(A)及び図11(A)はロック状態を示す。磁気テープカートリッジ30は運用者によって、マガジン11のセル21bに装填される。なお、ロック部材33の傾斜面33sの傾斜方向はセル21bの開口側に向かう方向とし、開口側が鋭角をなすように本体部33bは形成される。この鋭角は、任意に設定可能であるが、10°〜30°の範囲で選択するのが好ましい。
【0064】
磁気テープカートリッジ30のセル21bへの装填動作にともなって、この傾斜面33sがマガジン11の下壁部21に押し当たり、ロック部材33は把持用溝31内に収納される。そして、本体部33bがロック穴25bに対向した時に、本体部33bは、コイルばね34の付勢力により下方に押され、下端部(傾斜面33s)が第2の開口31qからロック穴25bに突出する。
【0065】
従って、運用者は、容易に磁気テープカートリッジ30をマガジン11に装填することができる。また、ロック部材33がロック穴25bに嵌合してしまうと、セル21bの開口側の本体部33bの壁33hがロック穴25bの壁25hに当たり、磁気テープカートリッジ30を取り出そうとしても容易には取り出すことができない。
【0066】
つまり、運用者が指やジグ等でロック部材を押し上げてロックを解除しない限り、磁気テープカートリッジ30を取り出そうとしても容易には取り出すことができない。従って、本実施形態のロック機構により、磁気テープカートリッジ30がマガジン(セル)から脱落するのを確実に防止することができる。
【0067】
また、ロック部材33は、摺動動作にともなって磨耗しやすい為、耐摩擦性、耐磨耗性、摺動性に優れた材料を用いるのが好ましい。材料の一例としては、ポリアセタール樹脂(POM)が挙げられる。
【0068】
マガジン11が磁気テープライブラリ装置1に装填された後は、ハンド機構47のアーム42を利用することで、ロック及びロック解除を行う。ロボット機構40は、セル21bの磁気テープカートリッジ30を磁気テープドライブ15に移動する命令をコントローラ17から受信する。そして、ロボット機構40は、ロボット用モータを駆動してハンド機構47をセル21bに対向する位置に移動する。
【0069】
続いて、ハンド機構47は、第1のモータ44により水平移動してアーム42をセル21b内に挿入し、図10(A)及び図11(A)に示すように、把持部43を磁気テープカートリッジ30の把持用溝31に対向させる。その際、把持部43の把持面は側面30sに対して平行である。
【0070】
また、図10(A)のアーム42の断面拡大図に示すように、把持部43の厚みDがアーム42の幅(直径R)以下であるので、把持部43の把持面は側面30sに対して平行である時には、アーム42の幅は直径Rと同じになる。これにより、セル21bにおいてアーム42を挿抜するのに必要な水平方向の幅は、アーム42の幅に多少のマージンを足した幅にすることができる。
【0071】
従って、セル21bの省スペース化を図ることができる。ゆえに、前述したように、セル21a〜21dの省スペース化を図ることができ、マガジン11の長手方向の小さくして、小型化を実現することができる。
【0072】
続いて、アーム42を第2のモータ45により回転させ、把持部43は約90°回転する。この回転動作により、図10(B)及び図11(B)に示すように、把持部43は、第1の開口31pから把持用溝31に進入し、突起部33aに接触する。
【0073】
なお、本実施の形態では、突起部33aは第1の開口31pの内側に収納可能なサイズで示しているが、第1の開口31pから外側にはみ出るサイズで形成しても良い。その場合は、把持部43を第1の開口31pから把持用溝31に進入させる必要がなく、把持部43を突起部33aに接触させることができる。
【0074】
この時、図10(B)のアーム42の断面拡大図に示すように、アームの水平方向の幅はアーム42の直径Rに把持部43の幅Lを加えた幅である。従って、把持用溝31とロック部材33の配置、アーム42と磁気テープカートリッジ30の側面30sとの間隔等を考慮して把持部43を設計する。これにより、把持部43を把持用溝31内に位置させることができ、突起部33aに接触させることができる。
【0075】
続いて、把持部43は、回転動作により突起部33aを持ち上げる。ゆえに、ロック部材33が上昇し、把持用溝31内に収納される。この動作により、本体部33bとロック穴25bとの係合が解除され、ロックが解除される。このロック解除の状態のまま、ハンド機構47は、第1のモータ44により水平移動して磁気テープカートリッジ30をセル21bから引き出してロボット51に積載する。
【0076】
そして、ロボット機構40は、磁気テープカートリッジ30を磁気テープドライブ15に搬送する。次に、ロボット51を90°回転して向きを変え、ハンド機構47を磁気テープドライブ15の挿入排出口15eに対向させる。ハンド機構47は、第1のモータ44によりアーム42を水平移動して磁気テープカートリッジ30をロボット51から押し出し、挿入排出口15eに装填する。
【0077】
図11(c)に示すように、磁気テープドライブ15にはロック穴が設けられていないので、ロック部材33はコイルばね34の付勢力により壁面15hに押し当たるだけである。つまり、ロック部材33は、ロック非係合状態となる。
【0078】
なお、磁気テープカートリッジ30は、本実施の形態のロック穴が設けられていないマガジンにも利用することができるが、ロック部材33は図11(c)と同様なロック非係合状態となりロックの機能は果たさない。つまり、磁気テープカートリッジ30は、他のマガジンやライブラリ装置との互換性を確保することができる。
【0079】
その後、磁気テープカートリッジ30が磁気テープドライブ15の挿入排出口15eから排出されると、ハンド機構47は、第1のモータ44によりアーム42を水平移動して把持部43を磁気テープカートリッジ30の把持用溝31に対向させる。その際、把持部43の把持面は側面30sに対して平行である。
【0080】
次に、アーム42を第2のモータ45により回転させ、把持部43は約90°回転する。この回転動作により、把持部43は突起部33aに接触して突起部33aを持ち上げ、ロック部材33を把持用溝31内に収納する。この状態のまま、ハンド機構47は、第1のモータ44によりアーム42を水平移動して磁気テープカートリッジ30をセル21bから引き出し、ロボット51に積載する。従って、本体部33bが磁気テープドライブ15の壁部15hと擦れて磨耗するのを防止することができる。
【0081】
続いて、ロボット機構40は、磁気テープカートリッジ30をセル21bに搬送する。ロボット51を−90°回転して向きを変え、ハンド機構47をセル21bの開口に対向させる。把持部43は、突起部33aを持ち上げた状態のまま、磁気テープカートリッジ30をセル21bに挿入する。
【0082】
その後、把持部43は約−90°回転し、0°の初期位置に戻る。従って、把持部43の把持面は側面30sに対して平行になる。これにより、ロック部材33は、把持部43と突起部33aとの係合が解除され、コイルばね34の付勢力により下方に押され、ロック穴25bに嵌合する。また、ハンド機構47は、把持部43が0°の初期位置のまま、第1のモータ44により水平移動し、アーム42をセル21bから離脱させる。
【0083】
図12は、把持部とロック部材の位置関係を説明するための図である。図12は、アーム42が例えばセル21bに挿入された状態を示す。また、図12は、本体部33とセル21bのロック穴25bが嵌合し、ロック部材33が磁気テープカートリッジ30をマガジン11にロックしているロック状態を示している。
【0084】
この時、ロック部材33はロック位置Aの位置にある。また、アーム42の把持部43は0°の角度位置(初期位置)にある。その際、ロック部材33とアーム42の把持部43は非係合状態である。図12に示すように、突起部33aの把持部43との当接面は、ロック状態の時にアーム42の回転中心よりも下に位置するように設定されている。
【0085】
その後、把持部43の回転にともなって、ロック部材33の突起部33aと係合し、本体部33bを持ち上げる。そして、約90°の角度位置において、ロック部材33はロック解除位置Bに達する。この時、本体部33とロック穴25bとの嵌合が解除され、磁気テープカートリッジ30とマガジン11とのロックが解除される。
【0086】
また、ハンド機構47による磁気テープカートリッジ30をセル21a〜21dに収納する際は、前述したように、ロック部材33はロック解除位置Bに保持される。つまり、把持部43は約90°の角度位置を維持する。従って、約90°の角度位置の時に、把持部43は、磁気テープカートリッジ30のマガジン11とのロック解除と、磁気テープカートリッジ30の把持を同時に実施することができる。そして、セル21a〜21dへの収納が完了すると、把持部43は約−90°回転し、0°の初期位置に戻る。
【0087】
従って、ロック部材33をロック解除位置にしておくことにより、ロック部材33がセル21a〜21dと摩擦することなく、磁気テープカートリッジ30をセル21a〜21dに対してスムーズに出し入れすることが可能になる。
【0088】
以上説明したように、第1の実施形態のカートリッジを用いたロック機構は、ロック及びロック解除を行うためにアーム42の把持部43の回転動作を利用する。把持部43を駆動することにより、ロック力を考慮してロック部材を設計することなく確実なロックを実現できる。また、挿抜能力を考慮してハンド機構47を複雑化(ハンド用モータの大型化高性能化)することなく確実なロック解除を実現することができる。
【0089】
従って、第1の実施形態のカートリッジを用いたロック機構は、マガジンやライブラリ装置を大型化複雑化することなく、小型な構成で確実なロック及びロック解除を実現することを可能とする。
【0090】
図13は、第2の実施形態のロック部材を説明するための図である。図13において示される磁気テープカートリッジ60は、図6の磁気テープカートリッジ30にラッチ部材71を追加したものである。
【0091】
磁気テープカートリッジ60の筐体60hは、上面60a、下面60b、及び側面60s等を有する。磁気テープカートリッジ60の筐体60hの内部には、リール60rに巻き付けられた磁気テープが収納されている。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、筐体60hの両側の側面60sに設けられた溝を把持用溝61として利用する例を用いて説明する。
【0092】
この把持用溝61は、ハンド機構47が磁気テープカートリッジ60をハンドリングする為に用いられる。この把持用溝61にロック部材63が配置される。そして、このロック部材63と前述したロック穴25a〜25dとでロック機構を形成する。
【0093】
ロック部材63は、延出部の一例である突起部63a、本体部63b、軸部63c、弾性部材の一例であるコイルばね64を有する。突起部63aは本体部63bの主壁面から略垂直方向に延びた突起である。なお、突起ではなく、本体部63bの主壁面の上側に略垂直方向に延びた段差を設け、延出部にしてもよい。
【0094】
本体部63bは、平坦な主壁面と、その下端部に傾斜面63sを有する平板である。本体部63bの上部に、本体部材63を支持する為の軸部63cが設けられている。そして、コイルばね64が嵌め込まれた軸部63cは、把持用溝61の上部の孔65に挿入される。軸部63cの先端にはリング部63dが設けられている。
【0095】
また、ロック部材63は、この把持用溝61の範囲内に収められるサイズである。つまり、磁気テープカートリッジ60とマガジン11とのロックが解除されている状態(ロック解除状態)において、カートリッジ筐体60hの外形からはみ出さないように、本体部63b及び突起部63aのサイズを予め設計しておく。
【0096】
把持用溝61は、第1の開口61pと第2の開口61qを有する溝である。第1の開口61pは、カートリッジ筐体60hの側面60s側の開口であり、この開口にハンド機構47の把持部が挿入される。第2の開口61qは、カートリッジ筐体60hの下面60b側の開口であり、本体部63bの下端部が出入りする。また、突起部63aは第1の開口61pに向かって突出するように、ロック部材63は、第1の実施形態同様に、把持用溝61内に配置される。
【0097】
本実施形態では、第1の開口61pと第2の開口61qは連結している。なお、本体部63bの端部の形状に応じて、第2の開口61qは小さな貫通孔等、様々な形状にアレンジすることができる。
【0098】
把持用溝61は、側壁67a、67b、奥壁67c、上壁67d等により取り囲まれて形成されている。また、側壁67a、67bには、それぞれストッパ66a、66bが設けられている。この上壁67dに、コイルばね64が押しつけられることにより、コイルばね64は付勢力を本体部63bに与えることができる。
【0099】
第1の実施形態の把持用溝31と同様に、ストッパ66a、66bが突起部63aの下方への移動を制限することにより、ロック部材63は筐体60hから脱落することが無い。また、ロック部材63は、突起部63aがストッパ66a、66bと上壁面67dの間を上下移動可能に筐体60hに保持される。ラッチ部材71は、側面60sの内側のラッチ部材設置部69に取り付けられている。
【0100】
図14(A)、(B)は、第2の実施形態のロック部材を説明するための平面図である。本実施形態では、ラッチ部材の一例として、一定の距離を押してから離すことによりラッチ/ラッチ解除を行うラッチ部材71を用いて説明する。ラッチ部材71には、ラッチアーム72a、72b及びラッチスイッチ73が設けられる。
【0101】
図14(A)は、磁気テープカートリッジ60とマガジン11とのロックがなされている状態(ロック状態)を示す。コイルばね64の付勢力により本体部63bが下方に押されているので、本体部63bの下端部(傾斜面63s)が第2の開口61qから外側に所定量突出している。
【0102】
すなわち、カートリッジ筐体60hの下面60bから本体部63bの下端部が所定量突出している。なお、この突出量はストッパ66a、66bの設置位置により制御することができる。
【0103】
また、図14(A)は、ロック部材63とラッチ部材72とのラッチが解除されている状態(ラッチ解除状態)を示す。ラッチ解除状態では、ラッチアーム72a、72bは、ハの字状に離間し、リング部63dとの係合が解除されている。
【0104】
図14(B)は、磁気テープカートリッジ60とマガジン11とのロックが解除されている状態(ロック解除状態)を示す。ロック部材63が上方(付勢力と反対方向)に押し上げられると、コイルばね64が縮み、本体部63bの下端部(傾斜面63s)はカートリッジ筐体60hの下面60bから上側に引き上げられる。すなわち、本体部63bの下端部は第2の開口61qから把持用溝61の内部に引き上げられる。従って、ロック部材63は対向するロック穴との係合を解除して、ロックを解除することができる。
【0105】
ロック解除状態において、本体部63bが押し上げられると、リング部63dがラッチ状態に移行する位置までラッチスイッチ73を押圧する。この押圧により、ラッチスイッチ73が押し上げられ、ラッチスイッチ73に連結されたラッチアーム72a、72bが上昇するとともにその先端が互いに接近し、リング部63dを挟み込む。従って、ラッチ部材71は、ロック部材63をラッチし、ロック解除状態を維持することができる。
【0106】
その後、ラッチ解除を行う場合は、本体部63bを押し上げて、リング部63dにラッチスイッチ73を押圧させる。この押圧により、ラッチスイッチ73が押し上げられる。ラッチスイッチ73をラッチ解除状態に移行する位置まで押し上げてから、ラッチスイッチ73への押圧を解除する。
【0107】
ラッチスイッチ73への押圧を解除する事により、ラッチスイッチ73とラッチスイッチ73に連結されたラッチアーム72a、72bが下降する。下降に伴ってその先端がハの字状に離間する。
【0108】
そして、リング部63dがラッチアーム72a、72bから開放されると、コイルばね64の付勢力によりロック部材63は下降する。そして、カートリッジ筐体60hの下面60bから本体部63bの下端部が所定量突出することで、対向するロック穴と嵌合することができる。
【0109】
図15(A)、(B)は、第2の実施形態のアームの動作を説明するための図である。図16(A)、(B)は、第2の実施形態のアームとロック部材の係合状態を説明するための平面図である。また、図1のセル21bに磁気テープカートリッジ60が収納された状態を一例として説明する。
【0110】
図15(A)及び図16(A)は、磁気テープカートリッジ60とマガジン11とのロックがなされている状態(ロック状態)を示す。磁気テープカートリッジ60は運用者によって、マガジン11のセル21bに装填される。
【0111】
なお、ロック部材63の傾斜面63sの傾斜方向はセル21bの開口側に向かう方向とし、開口側が鋭角をなすように本体部63bは形成される。この鋭角は、任意に設定可能であるが、10°〜30°の範囲で選択するのが好ましい。
【0112】
磁気テープカートリッジ60をセル21bに装填する前に、予めラッチ部材71によりロック部材63をラッチしておく。装填後、運用者は指やジグ等により、ロック部材63を押し上げて、ラッチ部材71のラッチを解除する。これより、本体部63bはロック穴25bに対向する位置で、コイルばね64の付勢力により下方に押され、下端部(傾斜面63s)が第2の開口61qからロック穴25bに突出する。
【0113】
従って、運用者は、ロック部材63を磨耗させることなく、スムーズに磁気テープカートリッジ60をマガジン11に装填することができる。ゆえに、ロック部材63の耐久性を高めるとともに、磨耗による塵埃の発生を防止することができる。
【0114】
また、ラッチ解除状態にすることで、ロック部材63はロック穴25bに嵌合しロック状態となる。ゆえに、セル21bの開口側の本体部63bの壁63hがセル21bの開口側のロック穴25bの壁25hに当たり、磁気テープカートリッジ60を取り出そうとしても容易には取り出すことができない。
【0115】
つまり、運用者が指やジグ等でロック部材を押し上げてロックを解除しない限り、磁気テープカートリッジ60を取り出そうとしても容易には取り出すことができない。従って、本実施形態のロック機構により、磁気テープカートリッジ60がマガジン(セル)から脱落するのを確実に防止することができる。
【0116】
また、前述したような運用者によるロック/ロック解除の作業を無くす為に、磁気テープカートリッジ60をセル21bに装填する前に、予めロック部材63の本体部63bを突出させておく(ロック位置にする)こともできる。
【0117】
この状態で、磁気テープカートリッジ60をセル21bに装填することにより、本体部63bの下端部(傾斜面63s)は、セル21bの下壁面を摺動する。そして、ロック穴25bに対向する位置で、コイルばね64の付勢力により下方に押され、下端部(傾斜面63s)が第2の開口61qからロック穴25bに突出する。
【0118】
従って、運用者の手を煩わせることなく、自動的に磁気テープカートリッジ60をマガジン11にロックすることができる。なお、磁気テープカートリッジ60の交換回数が少ない運用の場合、本体部63bとセル21bとの磨耗はあまり考慮する必要がない。従って、装填方法は運用方法に応じて運用者が適宜選択可能である。
【0119】
マガジン11が磁気テープライブラリ装置1に装填された後は、ハンド機構47のアーム42を利用することで、ラッチ及びラッチ解除やロック及びロック解除を行う。ロボット機構40は、セル21bの磁気テープカートリッジ60を磁気テープドライブ15に移動する命令をコントローラ17から受信する。そして、ロボット機構40は、ロボット用モータを駆動してハンド機構47をセル21bに対向する位置に移動する。
【0120】
続いて、ハンド機構47は、第1のモータ44により水平移動してアーム42をセル21b内に挿入し、図15(A)及び図16(A)に示すように、把持部43を磁気テープカートリッジ60の把持用溝61に対向させる。その際、把持部43の把持面は側面60sに対して平行である。
【0121】
続いて、アーム42を第2のモータ45により回転させ、把持部43は約90°回転する。この回転動作により、図15(B)及び図16(B)に示すように、把持部43は、第1の開口61pから把持用溝61に入り込み、突起部63aに接触して突起部63aを持ち上げる。これにより、ロック部材63が上昇し、把持用溝61内に収納される。この動作により、本体部63bとロック穴25bとの係合が解除され、ロックが解除される。
【0122】
さらに、把持部43を約100°の角度位置になるまで回転させることにより、リング部63dがラッチスイッチ73を押し上げていき、ラッチ部材71によりロック部材63をラッチする。
【0123】
ハンド機構47は、把持部43を約90°の角度位置に戻す。この時、ロック部材63は、ラッチ部材71にラッチされた状態(ラッチ状態)である。続いて、第1のモータ44によりアーム42を水平移動して磁気テープカートリッジ60をセル21bから引き出してロボット51に積載する。
【0124】
そして、ロボット機構40は、磁気テープカートリッジ60を磁気テープドライブ15に搬送する。次に、ロボット51を90°回転して向きを変え、ハンド機構47を磁気テープドライブ15の挿入排出口15eに対向させる。ハンド機構47は、第1のモータ44により水平移動して磁気テープカートリッジ60を押し出し、挿入排出口15eに装填する。
【0125】
第2の実施形態で説明したカートリッジは、ロック部材がラッチ部材によりラッチされた状態(ラッチ状態)で、磁気テープドライブ15に装填されるので、図11(c)にて説明したようなロック非係合状態になるのを防止できる。従って、ロック部材63を磨耗させることなく、スムーズに磁気テープカートリッジ60を磁気テープドライブ15に装填することができる。ゆえに、ロック部材63の耐久性を高めるとともに、磨耗による塵埃の発生を防止することができる。
【0126】
また、ロック部材63をラッチ状態にしておくことで、磁気テープカートリッジ60は本技術のロック穴が設けられていないマガジンや、本技術のロック機構を採用していないライブラリ装置にも利用することができる。ゆえに、他のライブラリ装置との互換性を確保することができる。
【0127】
その後、磁気テープカートリッジ60が磁気テープドライブ15の挿入排出口15eから排出されると、ハンド機構47は、第1のモータ44により水平移動して把持部43を磁気テープカートリッジ60の把持用溝61に対向させる。その際、把持部43の把持面は側面60sに対して平行である。
【0128】
次に、アーム42を第2のモータ45により回転させ、把持部43は約90°回転する。この回転動作により、把持部43は第1の開口61pに進入する。この時、ラッチ状態は維持される。続いて、ハンド機構47は、第1のモータ44によりアーム42を水平移動して磁気テープカートリッジ60をセル21bから引き出し、ロボット51に積載する。
【0129】
その後、ロボット機構40は磁気テープカートリッジ60をセル21bに搬送する。ロボット51を−90°回転して向きを変え、ハンド機構47をセル21bの開口に対向させる。そして、把持部43は磁気テープカートリッジ60をセル21bに挿入する。
【0130】
磁気テープカートリッジ60のセル21bへの収納完了後、把持部43は約100°の角度位置まで回転し、ロック部材63をさらに持ち上げる。続いて、リング部63dによりラッチ部材71のラッチスイッチ73を押し上げて、ラッチを解除する。そして、把持部43は0°の角度位置まで逆回転し、初期位置に戻る。従って、把持部43の把持面は、側面60sに対して平行になる。
【0131】
これにより、把持部43と突起部63aとの係合が解除され、ロック部材63は、コイルばね64の付勢力により下方に押され、対向するロック穴25bに嵌合する。また、ハンド機構47は、把持部43が0°の初期位置のまま、第1のモータ44により水平移動し、アーム42をセル21bから離脱させる。
【0132】
図17は、把持部とロック部材の位置関係を説明するための図である。図17は、アーム42が例えばセル21bに挿入された状態を示す。また、図17は、本体部63とセル21bのロック穴25bが嵌合し、ロック部材63が磁気テープカートリッジ60をマガジン11にロックしているロック状態を示している。
【0133】
図17に示すように、突起部63aの把持部43との当接面は、ロック状態の時にアーム42の回転中心よりも下側に位置するように設定されている。図17は、本体部63bが把持部43によって移動することにより、本体部63bの上面が、ロック位置A、ロック解除位置B、ラッチ位置/ラッチ解除位置Cに到達する様子を示している。ラッチ位置/ラッチ解除位置Cは、ロック位置Aやロック解除位置Bよりも高い位置に設定されている。
【0134】
この時、ロック部材63はロック位置Aの位置にある。また、アーム42の把持部43は0°の角度位置(初期位置)にある。その際、ロック部材63とアーム42の把持部43は非係合状態である。
【0135】
その後、把持部43の回転にともなって、把持部43がロック部材63の突起部63aと係合し、本体部63bを持ち上げる。そして、約90°の角度位置において、ロック部材63はロック解除位置Bに達する。この時、本体部63とロック穴25bとの嵌合が解除され、磁気テープカートリッジ60とマガジン11とのロックが解除される。
【0136】
さらに、把持部43が回転し、約100°の角度位置でラッチ位置Cに達し、ロック部材63がラッチ部材71にラッチされる。すなわち、このラッチ位置Cまで、本体部63bが持ち上げられると、軸部63cの先端のリング部63dがラッチスイッチ73をラッチ状態に移行する位置まで押圧することができる。これにより、前述したように、ロック部材63はラッチ部材71によりラッチされる。
【0137】
そして、突起部63aと把持部43との係合が解除された時に、ロック部材63はラッチ状態のまま、ロック解除位置に維持される。その後、ラッチを解除する時は、把持部43を約100°の角度位置まで回転させ、本体部63bがラッチ解除位置Cまで持ち上げられる。
【0138】
これにより、軸部63cの先端のリング部63dがラッチスイッチ73をラッチ解除状態に移行する位置まで押圧することができる。ゆえに、前述したように、ロック部材63のラッチ部材71によるラッチを解除することができる。
【0139】
ラッチが解除されると、本体部63bはコイルばね64の付勢力により下方に下がりロック位置に戻る。従って、ラッチ部材71により、ロック部材63をロック解除状態にしてラッチすることにより、ロック部材63がセル21a〜21dと摩擦することがなくなる。ゆえに、磁気テープカートリッジ60をセル21a〜21dに対してスムーズに出し入れすることが可能になる。
【0140】
以上説明したように、第2の実施形態のカートリッジを用いたロック機構は、ロック及びロック解除、ラッチ及びラッチ解除をアーム42の把持部43の回転動作を利用する。把持部43を駆動することにより、ロック力を考慮してロック部材を設計することなく確実なロックを実現できる。また、挿抜能力を考慮してハンド機構47を複雑化(ハンド用モータの大型化高性能化)することなく確実なロック解除を実現することができる。
【0141】
従って、第2の実施形態のカートリッジを用いたロック機構は、マガジンやライブラリ装置を大型化複雑化することなく、小型な構成で確実なロック及びロック解除を実現することを可能とする。また、第2の実施形態のカートリッジは、ラッチ部材によりロック部材の耐久性を高めるとともに、磨耗による塵埃の発生を防止することができる。
【0142】
第1及び第2の実施形態において、磁気テープカートリッジ及び磁気テープライブラリ装置を用いて説明したが、光ディスクカートリッジ及び光ディスクライブラリ装置にも適用可能である。また、カートリッジのロック機構は、記憶媒体用のカートリッジだけでなく、物品が収納されたカートリッジや物品が搭載されたトレイ型カートリッジ等にも適用可能である。
【0143】
つまり、本技術のライブラリ装置は、カートリッジ式の物品を取り扱う収納システムも含み、本技術のハンド機構は、収納システムのハンド機構としても適用可能である。この場合においても、前述したように、カートリッジの収納スペースを小さくすることができるので、収納システムの収納庫の小型化を図ることができる。
【0144】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。矛盾のない限りにおいて、複数の実施の形態を組み合わせても構わない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0145】
以上の実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
カートリッジに設けられたロック部材が嵌合するロック穴を有し、前記ロック部材と前記ロック穴との嵌合により前記カートリッジをロックして収納する収納部と、
前記カートリッジを把持するとともに前記ロック部材に係合する把持部と、
前記把持部を先端に支持し、前記収納部に対して前記把持部により把持された前記カートリッジの挿抜を行うアームと、
前記アームを前記カートリッジの挿抜方向に移動させる第1のモータと、
前記ロック部材と前記ロック穴との嵌合を解除する位置に前記ロック部材を移動させるように前記把持部を移動させる第2のモータと、
を備えることを特徴とするライブラリ装置。
(付記2)
前記カートリッジは、
前記把持部が対向するカートリッジ側面に設けられた第1の開口とカートリッジ上面またはカートリッジ下面の一方に設けられた第2の開口とを有する把持用溝が形成されたカートリッジ筐体を備え、
前記ロック部材は、前記把持用溝に配置されるとともに、弾性部材と、前記弾性部材の付勢力によって一端が押圧されることにより他端が前記第2の開口から外側に突出する本体部と、前記本体部から前記第1の開口に向けて延びた延出部を有する、
ことを特徴とする付記1に記載のライブラリ装置。
(付記3)
前記把持部は、前記第2のモータにより回転移動して、前記延出部を前記弾性部材による付勢力と反対方向に押して前記ロック部材と前記ロック穴との嵌合を解除する位置に前記ロック部材を移動させることを特徴とする付記2に記載のライブラリ装置。
(付記4)
前記カートリッジ筐体は、前記本体部の他端が前記弾性部材による付勢力により前記第2の開口から突出しないように前記本体部と係合して前記ロック部材をラッチするラッチ部材を有することを特徴とする付記2または付記3に記載のライブラリ装置。
(付記5)
前記把持部は、前記第2のモータにより回転移動して、前記ロック部材が前記ラッチ部材によりラッチされる位置または/及びラッチが解除される位置に前記ロック部材を移動させることを特徴とする付記4に記載のライブラリ装置。
(付記6)
前記把持部の厚さは、前記把持部の厚さ方向の前記アームの幅以下であることを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか一つに記載のライブラリ装置。
(付記7)
前記把持部は、前記アームの長手方向に沿って設けられた平板であることを特徴とする付記6に記載のライブラリ装置。
(付記8)
側面に設けられた第1の開口及び上面または下面の一方に設けられた第2の開口を有する溝が設けられたカートリッジ筐体と、
前記溝に配置されるとともに、弾性部材と、前記弾性部材により一端が押圧されて他端が前記第2の開口から外側に突出するように付勢される本体部と、前記本体部の主面から前記第1の開口に向けて延出した延出部を有するロック部材と、
を備えることを特徴とするカートリッジ。
(付記9)
前記カートリッジ筐体は、前記本体部の他端が前記弾性部材による付勢力により前記第2の開口から突出しないように前記本体部と係合して前記ロック部材をラッチするラッチ部材を有することを特徴とする付記8に記載のカートリッジ。
(付記10)
側面に溝をそれぞれ有するカートリッジの把持を行うハンド機構において、
アームと、
前記アームの先端に設けられ、前記溝に係合して前記カートリッジを把持する把持部と、
前記把持部と前記溝とが対向する位置に前記アームを移動させる第1のモータと、
前記把持部が前記溝に対向する位置で係合するように前記把持部を回転移動させる第2のモータと、
を備えることを特徴とするハンド機構。
(付記11)
前記把持部の厚さは、前記把持部の厚さ方向の前記アームの幅以下であることを特徴とする付記10に記載のハンド機構。
(付記12)
前記把持部は、前記アームの長手方向に沿って設けられた平板であることを特徴とする付記11に記載のハンド機構。
【符号の説明】
【0146】
1 ライブラリ装置
11 マガジン
15 磁気テープドライブ
17 コントローラ
21a〜21d セル
25a〜25d ロック穴
30 磁気テープカートリッジ
30h 磁気テープカートリッジの筐体
30s 磁気テープカートリッジの側面
31 把持用溝
33 ロック部材
33a 突起部
33b 本体部
36a〜36b ストッパ
34 コイルばね
40 ロボット機構
42 アーム
43 把持部
44 第1のモータ
45 第2のモータ
47 ハンド機構
60 磁気テープカートリッジ
60h 磁気テープカートリッジの筐体
60s 磁気テープカートリッジの側面
61 把持用溝
63 ロック部材
63a 突起部
63b 本体部
66a〜66b ストッパ
64 コイルばね
71 ラッチ部材
72a、72b ラッチアーム
73 ラッチスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジに設けられたロック部材が嵌合するロック穴を有し、前記ロック部材と前記ロック穴との嵌合により前記カートリッジをロックして収納する収納部と、
前記カートリッジを把持するとともに前記ロック部材に係合する把持部と、
前記把持部を先端に支持し、前記収納部に対して前記把持部により把持された前記カートリッジの挿抜を行うアームと、
前記アームを前記カートリッジの挿抜方向に移動させる第1のモータと、
前記ロック部材と前記ロック穴との嵌合を解除する位置に前記ロック部材を移動させるように前記把持部を移動させる第2のモータと、
を備えることを特徴とするライブラリ装置。
【請求項2】
前記カートリッジは、
前記把持部が対向するカートリッジ側面に設けられた第1の開口とカートリッジ上面またはカートリッジ下面の一方に設けられた第2の開口とを有する把持用溝が形成されたカートリッジ筐体を備え、
前記ロック部材は、前記把持用溝に配置されるとともに、弾性部材と、前記弾性部材の付勢力によって一端が押圧されることにより他端が前記第2の開口から外側に突出する本体部と、前記本体部から前記第1の開口に向けて延びた延出部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のライブラリ装置。
【請求項3】
前記把持部は、前記第2のモータにより回転移動して、前記延出部を前記弾性部材による付勢力と反対方向に押して前記ロック部材と前記ロック穴との嵌合を解除する位置に前記ロック部材を移動させることを特徴とする請求項2に記載のライブラリ装置。
【請求項4】
前記カートリッジ筐体は、前記本体部の他端が前記弾性部材による付勢力により前記第2の開口から突出しないように前記本体部と係合して前記ロック部材をラッチするラッチ部材を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のライブラリ装置。
【請求項5】
前記把持部は、前記第2のモータにより回転移動して、前記ロック部材が前記ラッチ部材によりラッチされる位置または/及びラッチが解除される位置に前記ロック部材を移動させることを特徴とする請求項4に記載のライブラリ装置。
【請求項6】
前記把持部の厚さは、前記把持部の厚さ方向の前記アームの幅以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のライブラリ装置。
【請求項7】
側面に設けられた第1の開口及び上面または下面の一方に設けられた第2の開口を有する溝が設けられたカートリッジ筐体と、
前記溝に配置されるとともに、弾性部材と、前記弾性部材により一端が押圧されて他端が前記第2の開口から外側に突出するように付勢される本体部と、前記本体部の主面から前記第1の開口に向けて延出した延出部を有するロック部材と、
を備えることを特徴とするカートリッジ。
【請求項8】
側面に溝をそれぞれ有するカートリッジの把持を行うハンド機構において、
アームと、
前記アームの先端に設けられ、前記溝に係合して前記カートリッジを把持する把持部と、
前記把持部が前記溝に対向する位置に前記アームを移動させる第1のモータと、
前記把持部と前記溝とが対向する位置で係合するように前記把持部を回転移動させる第2のモータと、
を備えることを特徴とするハンド機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−174312(P2012−174312A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36488(P2011−36488)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】