説明

ラインヘッド及び画像形成装置

【課題】貼り合わせ構造を有するラインヘッドにおいて、そりの発生を好適に抑制するこ
とが可能なラインヘッド及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】発光素子アレイ30の出射面31bには、有機EL素子32から出射した光
を感光体(感光ドラム16)上に結像する結像部材33が設置されている。また、発光素
子アレイ30の結像部材33とは反対側には、応力差緩和部材としての封止ガラス36及
び緩和用ロッドレンズアレイ37が設置されており、発光素子アレイ30と結像部材33
との間の線膨張係数とヤング率の積の差により発光素子アレイ30における結像部材33
側の部分とその反対側の部分とに生じる応力差を緩和する構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ラインヘッド及びこれを用いた電子写真方式の画像形成装置に関するもの
である。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタ(画像形成装置)は、感光ドラム(感光体)を露光して潜像を
形成するためのラインヘッドを備えている。従来、ラインヘッドの薄型化や軽量化等を図
るために、例えば特許文献1に記載されているような複数の有機エレクトロルミネッセン
ス素子等の発光素子を有する平板状の発光素子アレイを発光源として利用する提案がなさ
れている。
【0003】
図4に示すように、ラインヘッド40の発光素子アレイ41は、感光ドラムの回転軸方
向に沿って延びる長方形板状に形成された基板41a上に配置された発光素子41bを備
えており、この発光素子アレイ41には発光素子41bを覆うように封止ガラス42が貼
り合わされている。また、発光素子アレイ41において発光素子41bからの光が出射さ
れる側には、複数の発光素子に対向して配置される複数のロッドレンズが樹脂にて一体に
形成されたロッドレンズアレイやロッドレンズアレイの結像位置を調節するためのガラス
板等の結像部材43が設置されている。そして、この結像部材43により発光素子41b
から照射した光が感光ドラム上に結像するようになっている。
【特許文献1】特開2006−147461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した構成のラインヘッド40では、線膨張係数の異なる部材が非対
称に設置されるため、例えばラインヘッド40を長時間動作(点灯)させた場合など、ラ
インヘッド40の温度が上昇すると、ラインヘッド40の結像部材43側の部分とその反
対側の部分との間で応力差が生じ易く、そりが発生する虞がある。このそりの発生は、光
量ムラや焦点ずれによる印刷濃度ムラ等の不具合を生じさせる原因となる。
【0005】
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、貼り合わ
せ構造を有するラインヘッドにおいて、そのそりの発生を好適に抑制することが可能なラ
インヘッド及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明では、基板上に配置された発光素子を有する平板状の
発光素子アレイと、前記発光素子アレイにおいて前記発光素子からの光が出射される出射
面側に設置され、前記発光素子から出射した光を感光体上に結像する結像部材とを備えた
ラインヘッドにおいて、前記発光素子アレイの前記結像部材とは反対側に設置されるとと
もに前記結像部材の線膨張係数とヤング率の積が同程度の値を有する応力差緩和部材を備
えたことを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、結像部材の線膨張係数とヤング率の積と同程度の値を有する応力差緩
和部材を発光素子アレイの結像部材とは反対側に設置したため、発光素子アレイと結像部
材との間の線膨張係数とヤング率の積の差により発光素子アレイにおける結像部材側の部
分に生じる応力と同程度の応力を、その反対側の部分に発生させることができる。よって
、発光素子アレイと結像部材との間の線膨張係数とヤング率の積の差によりラインヘッド
の結像部材側の部分とその反対側の部分とに生じる応力差を緩和することが可能となり、
ラインヘッドのそりの発生を好適に抑制することができる。
【0008】
本発明のラインヘッドにおいては、前記応力差緩和部材は、前記結像部材と同一の部材
からなる同一形状のものであり、前記発光素子アレイを挟んで対称に配置された。
同構成によれば、応力差緩和部材は、結像部材と同一の部材からなる同一形状のもので
あり、発光素子アレイを挟んで対称に配置されたため、ラインヘッドの結像部材側の部分
の線膨張係数(熱膨張による伸び)とヤング率の積とその反対側の部分の線膨張係数(熱
膨張による伸び)とヤング率の積とを同程度とすることができる。よって、発光素子アレ
イと結像部材との間の線膨張係数とヤング率の積の差によりラインヘッドの結像部材側の
部分に生じる応力と同程度の応力を、その反対側の部分に発生させることができる。また
、応力差緩和部材として結像部材と同一の部材からなる同一形状のものを発光素子アレイ
を挟んで対称に配置することにより、例えば結像部材が複数の部材から構成された場合で
も、発光素子アレイにおける結像部材側の部分とその反対側の部分とに生じる応力差を容
易且つ的確に緩和することができる。
【0009】
本発明のラインヘッドにおいては、前記応力差緩和部材は、その線膨張係数とヤング率
の積が前記結像部材の値と同程度となるよう構成された単一の部材である。
同構成によれば、応力差緩和部材は単一の部材であるため、比較的簡素な構成としなが
ら、ラインヘッドのそりの発生を好適に抑制することができる。
【0010】
本発明のラインヘッドにおいては、前記結像部材は、複数のロッドレンズが樹脂にて一
体に形成されたロッドレンズアレイと、前記感光体上に結像させるべく前記発光素子アレ
イと前記ロッドレンズアレイとの間に設置される結像位置調節部材とを備えた。
【0011】
同構成によれば、結像部材は互いに設置された複数の部材から構成されている。仮にラ
インヘッドのそりが生じると、そのそりによりロッドレンズアレイと結像位置調節部材と
が剥離し光量ムラや焦点ずれ等が生じる虞がある。しかし、上述した構成によりラインヘ
ッドのそりを抑制したため、ロッドレンズアレイと結像位置調節部材との間で剥離が発生
せず、光量ムラや焦点ずれが生じることはない。
【0012】
上記目的を達成するために本発明では、感光ドラムと、前記感光ドラムを露光して潜像
を形成するラインヘッドとを備えた画像形成装置において、前記ラインヘッドは、基板上
に配置された複数の発光素子を有する平板状の発光素子アレイと、前記発光素子アレイに
おいて前記発光素子からの光が出射される出射面側に設置され、前記発光素子から出射し
た光を感光体上に結像する平板状の結像部材と、前記発光素子アレイの前記結像部材とは
反対側に設置されるとともに前記結像部材の線膨張係数とヤング率の積が同程度の値を有
する応力差緩和部材とを備えたことを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、結像部材の線膨張係数とヤング率の積と同程度の値を有する応力差緩
和部材を発光素子アレイの結像部材とは反対側に設置したため、発光素子アレイと結像部
材との間の線膨張係数とヤング率の積の差により発光素子アレイにおける結像部材側の部
分に生じる応力と同程度の応力を、その反対側の部分に発生させることができる。よって
、発光素子アレイと結像部材との間の線膨張係数とヤング率の積の差によりラインヘッド
の結像部材側の部分とその反対側の部分とに生じる応力差を緩和することが可能となり、
ラインヘッドのそりの発生を好適に抑制することができる。その結果、このそりに起因す
る光量ムラや焦点ずれによる印刷濃度ムラ等の不具合の発生を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。まず、画像形成装
置としての電子写真方式のプリンタについて以下に説明する。
図1において、電子写真方式のプリンタ(以下、プリンタという)10は、その筐体1
1の内部に、駆動ローラ12、従動ローラ13及びテンションローラ14を備えるととも
に、各ローラ12,13,14に対して転写ベルト15を張設している。そして、駆動ロ
ーラ12を回転すると、転写ベルト15が図1中反時計回り方向に循環駆動するようにな
っている。
【0015】
転写ベルト15の上方(図1中Y矢印方向)には、4体の感光体としての感光ドラム1
6が、図1中時計回り方向に回転可能に併設されている。各感光ドラム16の外周面には
、光導電性を有する図示しない感光層が形成されており、各感光ドラム16は、この感光
層に所定の波長領域の光を照射されることにより、照射された部位の電荷が消失されるよ
うになっている。
【0016】
各感光ドラム16の外周には、その感光層に摺接するように帯電ローラ17が配設され
ており、この帯電ローラ17によって感光ドラム16の感光層全周面に所定の帯電電位が
供給されるようになっている。また、各感光ドラム16の外周であって帯電ローラ17の
時計回り方向(感光ドラム16の回転方向)には、ラインヘッド20がそれぞれ配設され
ている。
【0017】
各ラインヘッド20は、直方体形状のもので、その長辺方向が、対応する感光ドラム1
6の回転軸方向(図1中Z矢印方向)に沿うように配置されている。各ラインヘッド20
は、対応する各感光ドラム16に印刷データに基づいた所定の波長領域の光Lを照射する
ようになっている。そして、各感光ドラム16に光Lが照射されると、光Lが照射された
部位の感光層が導電性となり、その部位の電荷が消失する。この結果、各感光ドラム16
の感光層上に、静電荷による画像(静電潜像)が形成される。
【0018】
また、各感光ドラム16の外周であって対応するラインヘッド20の時計回り方向には
、画像形成ユニット21a〜21dがそれぞれ配設されている。各画像形成ユニット21
a〜21dのうち、図1中最左側に配設された画像形成ユニット21aには黒の着色粒子
(トナー)Taが収容されている。また、その右側に配設された画像形成ユニット21b
にはシアンの着色粒子Tbが、また、その右側に配設された画像形成ユニット21cには
マゼンタの着色粒子Tcが、さらに最右側に配設された画像形成ユニット21dにはイエ
ロの着色粒子Tdがそれぞれ収容されている。各画像形成ユニット21a〜21dは、帯
電させた各色の着色粒子Ta〜Tdを、対応する感光ドラム16の感光層にそれぞれ供給
するようになっている。
【0019】
そして、各感光ドラム16に帯電電位と略等しいバイアス電位を印加して、対応する画
像形成ユニット21a〜21dから着色粒子Ta〜Tdを供給すると、供給された着色粒
子Ta〜Tdが感光ドラム16の感光層の露光された領域にのみ付着する。この結果、各
感光ドラム16の感光層には、それぞれ前記静電潜像に対応した単色の可視像(顕像)が
形成される(現像される)。
【0020】
そして、4体の感光ドラム16に形成された各色の顕像が転写ベルト15上で重ねられ
てフルカラーの画像(トナー像)を形成する。転写ベルト15に形成されたフルカラーの
トナー像は、各種ローラによって記録紙Pに順次転写され、筐体11の排出口11aから
筐体11の外側に排出するようになっている。
【0021】
次に、各ラインヘッド20について図2及び図3に従って詳述する。尚、各露光ヘッド
は、全て同じ構成であるので、以下、説明の便宜上、そのうちの一つのラインヘッド20
についてのみ説明することとし、他の3つの露光ヘッドについては、その詳細な説明を省
略する。
【0022】
図2に示すように、ラインヘッド20は、感光ドラム16の回転軸方向(Z矢印方向)
に沿って配置された発光素子アレイ30を備えている。図3に示すように、発光素子アレ
イ30は、透明なガラス基板等の基板31を有し、該基板31の素子形成面31a上には
発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)32
が形成されている。有機EL素子32は、基板31上に、陽極(透明電極)、有機発光層
、陰極及び有機発光層と陰極とを密封する封止層を順に積層した構造を有する。各有機E
L素子32は、図示しない駆動回路と電気的に接続されており、該駆動回路から供給され
る駆動信号に基づいた輝度の光L(図1参照)を基板31の有機EL素子32が形成され
たのと反対側の出射面31bから出射するようになっている。
【0023】
また、発光素子アレイ30の出射面31bには、有機EL素子32から出射した光Lを
感光ドラム16上に結像する結像部材33が設置されている。本実施の形態では、結像部
材33は、発光素子アレイ30の出射面31bに設置される結像位置調節部材34と、そ
の結像位置調節部材34の前記発光素子アレイ30とは反対側に設置されたロッドレンズ
アレイ35とを備えている。結像位置調節部材34は、発光素子アレイ30の基板31と
同一の屈折率を有する透明なガラス板であり、ロッドレンズアレイ35は、2枚のFRP
(繊維強化樹脂)板35aの間に規則正しく配列された複数のロッドレンズ35bを有し
それらの間隙が図示しない黒色樹脂で充たされてなる(図2参照)。
【0024】
また、本実施の形態において、前記発光素子アレイ30の結像部材33とは反対側には
、結像部材33の線膨張係数とヤング率の積と同程度の値を有する応力差緩和部材として
封止ガラス36と緩和用ロッドレンズアレイ37とが設置されており、ラインヘッド20
の温度が上昇することによるラインヘッド20のそりを抑制している。
【0025】
詳述すると、封止ガラス36は、前記結像位置調節部材34と同一の部材からなる同一
形状のものであり、発光素子アレイ30の封止層を覆うように設けられている。緩和用ロ
ッドレンズアレイ37は、前記ロッドレンズアレイ35と同一の部材からなる同一形状の
ものであり、封止ガラス36の発光素子アレイ30とは反対側に設置されている。即ち、
このラインヘッド20は、線膨張係数とヤング率の積が同程度(本実施の形態では同一)
の部材が発光素子アレイ30を挟んで対称に配置されており、ラインヘッド20の結像部
材33側の部分の熱膨張による伸びとその反対側(緩和用ロッドレンズ35側)の部分の
熱膨張による伸びとが同程度となる。従って、ラインヘッド20の温度が上昇すると、発
光素子アレイ30と結像部材33との間の熱膨張による伸びの差、言い換えれば線膨張係
数とヤング率の積の差によりラインヘッド20の結像部材33側の部分に生じる応力と同
程度の応力が、ラインヘッド20の緩和用ロッドレンズアレイ37側の部分に発生する。
よって、発光素子アレイ30と結像部材33との間の線膨張係数とヤング率の積の差によ
り発光素子アレイ30における結像部材33側の部分とその反対側の部分とに生じる応力
差が緩和され、ラインヘッド20のそりが抑制される。なお、気温60℃、相対湿度90
%の状況下での点灯動作試験を実施したところ、図4に示す従来のラインヘッド40では
、300時間程度で結像位置調節部材43aとロッドレンズアレイ43bとの間に剥離が
生じたが、図3に示す本実施の形態のラインヘッド20では、2000時間経過した場合
においても剥離は生じなかった。
【0026】
次に、上記実施の形態の作用効果を以下に記載する。
(1)結像部材33の線膨張係数とヤング率の積と同程度の値を有する部材(封止ガラ
ス36及び緩和用ロッドレンズアレイ37)を発光素子アレイ30の結像部材33とは反
対側に設置した。そのため、発光素子アレイ30と結像部材33との間の線膨張係数とヤ
ング率の積の差により発光素子アレイ30における結像部材33側の部分に生じる応力と
同程度の応力を、その反対側の部分に発生させることができる。よって、発光素子アレイ
30と結像部材33との間の線膨張係数とヤング率の積の差によりラインヘッド20の結
像部材33側の部分とその反対側の部分とに生じる応力差を緩和することが可能となり、
ラインヘッド20のそりの発生を好適に抑制することができる。その結果、このそりに起
因する光量ムラや焦点ずれによる印刷濃度ムラ等の不具合の発生を低減することができる

【0027】
(2)封止ガラス36及び緩和用ロッドレンズアレイ37は、それぞれ結像位置調節部
材34及びロッドレンズアレイ35と同一の部材からなる同一形状のものであり、発光素
子アレイ30を挟んで対称に配置されている。そのため、ラインヘッド20の結像部材3
3側の部分の線膨張係数(熱膨張による伸び)とヤング率の積とその反対側の部分の線膨
張係数(熱膨張による伸び)とヤング率の積とを同程度とすることができる。よって、発
光素子アレイ30と結像部材33との間の線膨張係数とヤング率の積の差によりラインヘ
ッド20の結像部材33側の部分に生じる応力と同程度の応力を、その反対側の部分に発
生させることができる。また、応力差緩和部材として結像部材33と同一の部材からなる
同一形状のものを発光素子アレイ30を挟んで対称に配置することにより、発光素子アレ
イ30における結像部材33側の部分とその反対側の部分とに生じる応力差を容易且つ的
確に緩和することができる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、以下の態様に変更した変形例を採用してもよい。
・上記実施の形態では、封止ガラス36及び緩和用ロッドレンズアレイ37を応力差緩
和部材としたが、線膨張係数とヤング率の積が結像部材33の線膨張係数とヤング率の積
と同程度となるよう構成された例えば発光素子アレイ30、封止ガラス36及び結像部材
33を収容するケースや、封止ガラス36を応力差緩和部材として設けてもよい。同構成
によれば、比較的簡素な構成としながら、ラインヘッド20のそりの発生を好適に抑制す
ることができる。また、上記実施の形態では、結像部材33として結像位置調節部材34
及びロッドレンズアレイ35が設置されているが、結像部材33は例えばロッドレンズア
レイ35のみで構成されていてもよい。この場合、発光素子アレイ30の結像部材とは反
対側に、応力差緩和部材として緩和用ロッドレンズアレイ37を設置する。また、上記実
施の形態では、線膨張係数とヤング率の積が同程度の部材(ロッドレンズアレイ35及び
緩和用ロッドレンズアレイ37)が発光素子アレイ30を挟んで設置されているため、封
止ガラス36は結像位置調節部材34と異なる部材からなるものでもよく、また、異なる
形状としてもよい。
【0029】
・上記実施の形態では、発光素子アレイ30は、基板31の有機EL素子32が形成さ
れたのと反対側の出射面31bから光Lを出射する所謂ボトムエミッション型としたが、
これに限定されるものではなく、トップエミッション型としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】電子写真方式プリンタの概略構成図。
【図2】本実施の形態のラインヘッドの斜視図。
【図3】本実施の形態のラインヘッドの側面図。
【図4】従来のラインヘッドの側面図。
【符号の説明】
【0031】
10…画像形成装置としての電子写真方式プリンタ、16…感光体としての感光ドラム
、20,40…ラインヘッド、30,41…発光素子アレイ、31,41a…基板、31
b…出射面、32,41b…発光素子としての有機EL素子、33,43…結像部材、3
4,43a…結像部材を構成する結像位置調節部材、35,43b…結像部材を構成する
ロッドレンズアレイ、35b…ロッドレンズ、36…応力差緩和部材を構成する封止ガラ
ス、37…応力差緩和部材を構成する緩和用ロッドレンズアレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置された発光素子を有する平板状の発光素子アレイと、
前記発光素子アレイにおいて前記発光素子からの光が出射される出射面側に設置され、
前記発光素子から出射した光を感光体上に結像する結像部材と
を備えたラインヘッドにおいて、
前記発光素子アレイの前記結像部材とは反対側に設置されるとともに前記結像部材の線
膨張係数とヤング率の積が同程度の値を有する応力差緩和部材を備えたことを特徴とする
ラインヘッド。
【請求項2】
前記応力差緩和部材は、前記結像部材と同一の部材からなる同一形状のものであり、
前記発光素子アレイを挟んで対称に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のライ
ンヘッド。
【請求項3】
前記応力差緩和部材は、その線膨張係数とヤング率の積が前記結像部材の値と同程度と
なるよう構成された単一の部材であることを特徴とする請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項4】
前記結像部材は、
複数のロッドレンズが樹脂にて一体に形成されたロッドレンズアレイと、
前記感光体上に結像させるべく前記発光素子アレイと前記ロッドレンズアレイとの間に
設置される結像位置調節部材と
を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のラインヘッド。
【請求項5】
感光ドラムと、
前記感光ドラムを露光して潜像を形成するラインヘッドと
を備えた画像形成装置において、
前記ラインヘッドは、
基板上に配置された複数の発光素子を有する平板状の発光素子アレイと、
前記発光素子アレイにおいて前記発光素子からの光が出射される出射面側に設置され、
前記発光素子から出射した光を感光体上に結像する平板状の結像部材と、
前記発光素子アレイの前記結像部材とは反対側に設置されるとともに前記結像部材の線
膨張係数とヤング率の積が同程度の値を有する応力差緩和部材と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−142907(P2008−142907A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329218(P2006−329218)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】