ラウドスピーカの懸架装置
【課題】応力集中及び座屈を低減できるラウドスピーカ懸架装置を提供する。
【解決手段】ラウドスピーカ懸架構造は、内周縁と外周縁とを有しており、複数の溝の各々が、内周縁に対する法線に関して角度をもって内周縁から外周縁まで延在しており、周囲部分のプロファイルは、連続的な曲線を有している。 各々の溝は、内周縁から外周縁まで変化しており、この変化は、懸架構造の主要部の変化に対応している。
【解決手段】ラウドスピーカ懸架構造は、内周縁と外周縁とを有しており、複数の溝の各々が、内周縁に対する法線に関して角度をもって内周縁から外周縁まで延在しており、周囲部分のプロファイルは、連続的な曲線を有している。 各々の溝は、内周縁から外周縁まで変化しており、この変化は、懸架構造の主要部の変化に対応している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サラウンド部材(surrounds)及びスパイダ部材(spiders)を備えたラウドスピーカの懸架装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、一般的なラウドスピーカ14は剛性の高いコーン15を備えており、このコーン15は、その頂点でボイスコイル20に接続されている。 このラウドスピーカは、前記コーンに取り付けられているダストキャップ23を備えることができる。 ボイスコイル20は、永久磁石25と、バックプレート/ポールピース構造30と、上板21とから構成されている磁気回路と相互に作用している。 ボイスコイルがオーディオ信号によって駆動されると、コーンは音を生成するために軸方向に振動する。
【0003】
コーンの外縁は、一般的にはサラウンド部材と称される懸架部材50によって、環状取付フランジ47に沿って剛体バスケット45に取り付けられている。 ボイスコイル20及び/若しくはコーン15の頂点は、一般的にはスパイダ部材と称される第2懸架部材35によって、剛体バスケット45の別の部位に取り付けられている。 サラウンド部材50は、しばしば繊維(fabric)のような柔軟な材料によって作製され、これにより、コーンの振動を許容するが、ボイスコイル20が駆動されていないときは、コーンが停止位置へ復帰するのを支援するための復帰力を提供している。 スパイダ部材35は一般的に、同心状の波形部(corrugations)を備えた織布部分とされている。 懸架部材は、可動部のための、(軸方向に沿った)復帰力を与えると共に調心力(centering force)を提供している。 単一の若しくは複数のサラウンド部材及び/若しくはスパイダ部材は、種々のトランスデューサの実施例において使用されている。
【0004】
次に図2及び図4を参照すると、従来技術のサラウンド部材50は、中心O周りで、内周縁60と外周縁55とを備えた中空の半トロイド状(semi-toroid)を為していることが理解できる。 図4に示されるように、サラウンド部材50は、図2のA−A線視で、半円形状若しくはドーム形状の断面を備えて描写されている。
【0005】
図3は、代替の従来技術のサラウンド部材形状の平面図を示している。 図5は、図3のB−B線視による周辺部の形状を示している。 図3における一例のサラウンド部材は、該サラウンド部材の内周縁から外周縁の全スパンの大部分に亘って、径方向外側にある角度で延在している溝65を備えている。 各々の溝は、底部のV字状の谷底Dと、上部の折り曲げコーナーE,Fとを備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、応力集中及び座屈を低減できるラウドスピーカ懸架装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的に、一の態様においては、本発明の装置は、
内周縁と外周縁とを有するラウドスピーカ懸架構造と、
複数の溝であって、該溝の各々が、前記内周縁に対する法線に関して角度をもって前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝と、
連続的な曲線を有している前記懸架構造の周囲部分のプロファイルと、
を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
実施形態は、一以上の次の特徴を備えている。
前記溝は、前記内周縁と前記外周縁との間の距離の一部にのみ亘っている。
前記連続する曲線が、周期的な形状(cyclical)を為している。
前記連続する曲線が、一連の頂部及び溝部を含んでおり、前記頂部の各々の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも大きくされている。
前記連続する曲線が、一連の頂部及び溝を含んでおり、前記頂部の各々の少なくとも一部の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも小さくされている(若しくは他の例では大きくされている)。
隣接している前記溝の曲率半径に対する前記頂部の各々の曲率半形の比が、3よりも小さくされている(または、5よりも小さくされている、若しくは、10よりも小さくされている)。
前記懸架構造が、トロイドの一構成部分を備えている。
前記懸架構造が、ロール形状に適合している。
前記ロール形状がロールアップである。
前記ロール形状がロールダウンである。
前記ロール形状が、前記内周縁と前記外周縁との間で2以上のロール部分を有している。
前記溝の各々の曲率半径が、前記懸架構造を形成している材料の厚さの少なくとも約3倍である。
前記溝の各々の曲率半径が、前記懸架構造を形成している材料の厚さの少なくとも約7倍である。
溝が前記懸架構造の周囲に沿って規則正しく間隔を置いて設けられており、前記溝の各々は所定の深さを有しており、前記間隔のピッチが前記深さの少なくとも約4倍である。
前記溝は、平面視でストレートである。
前記溝の前記角度は、10°〜80°の範囲とされている。
前記溝の各々は、平面視で曲線部を有している。
前記曲線溝の前記角度は、10°〜80°の範囲とされている。
前記曲線が、内周縁境界若しくは外周縁境界に対する法線に関して角度をもって開始されている。
前記曲線が複数の部分から成る。
前記部分が、ストレート部分若しくは曲線部分を有している。
前記部分が、内周縁境界に対する法線に関してそれぞれ異なる角度を有している。
前記部分が、前記ストレート部分若しくは前記曲線部分に滑らかに接続される移行領域を有している。
前記部分が、変曲点で会合している。
前記溝の各々が、前記内周縁から前記外周縁まで変化する深さを有している。
前記変化が、懸架構造の主要部(principal contour)の高さの変化に対応している。
前記溝が、前記主要部よりも大きな曲率半径を有している。
前記溝の各々は、前記溝路の形成部分(path)の大部分に沿って略一定の深さを有している。
前記溝が、2以上の極小部若しくは極大部を有している。
前記懸架構造の径方向の断面が、部分的なトロイド形状を有している。
前記懸架構造の径方向の断面が、部分的なトロイド形状以外の形状を有している。
前記懸架構造の径方向の断面が、2以上の極小部若しくは極大部を有している。
前記連続的な曲線が、折れ線状の輪郭を有している。
前記懸架構造が、サラウンド部材を備えている。
前記懸架構造が、スパイダ部材を備えている
【0009】
一般的に、別の態様においては、本発明の装置は、内周縁と外周縁とを有するラウドスピーカ懸架構造と、複数の溝であって、該溝の各々が、前記内周縁に対する法線に関して角度をもって前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝と、前記内周縁から前記外周縁まで変化している前記溝の底部であって、前記変化が、前記懸架構造の主要部の変化に対応している底部と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
一般的に、別の態様においては、本発明の装置は、内周縁、外周縁、及び材料厚さを有するラウドスピーカ懸架構造と、前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝であって、該溝が溝ピッチで分離されていると共に、所定の溝曲率半径を有している複数の溝と、隣接している溝の間で定義される頂部であって、該頂部が頂部曲率半径を有していると共に、該頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の約10倍よりも小さくされている(less than about ten times the groove radius)頂部と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
実施形態は、一以上の次の特徴を備えている。
前記頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の5倍よりも小さくされている。
前記頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の3倍よりも小さくされている。
前記溝が平面視で曲線状とされている。
前記溝が平面視で直線状とされている。
【0012】
一般的に、別の態様においては、本発明のラウドスピーカは、
コーンと、
該コーンを支持するためのバスケットと、
部分的にトロイド状の輪郭と、内周縁と、外周縁とを有するサラウンド部材であって、該サラウンド部材は、所定の厚さを有する材料で形成されていると共に、前記コーンの外周縁をフレキシブルに前記バスケットに接続するためのサラウンド部材と、
軸方向の高さを有し、前記内周縁から前記外周縁まで延在しており、頂部ピッチによって分離された頂部であって、頂部曲率半径を定義している頂部と、
隣接している前記頂部の間で延在している複数の溝であって、溝部曲率半径を定義しており、溝部曲率半径が、材料の厚さの少なくとも約3倍である溝と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
他の利点及び特徴は、以下の記述及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下の議論において、サラウンド懸架部材の挙動が記述されているが、当該記述は、スパイダ部材のような他の懸架部材をも含めるように一般化され得るものである。 スパイダ部材を描写している実施例は、図12に示されている。
【0015】
図6Aから図6Cを参照すると、半トロイド状を為すサラウンド懸架部材100は、中心O周りにセンタリングされており、径方向の幅すなわちスパンWによって区画されている内周縁105と外周縁110とを備えている。 このサラウンド部材100は、コーン及びバスケットに接続するための、内周縁105から径方向内向きに延在している内側取付フランジ115と、外周縁110から径方向外向きに延在している外側取付フランジ120とをそれぞれ備えている。 ここで用いられる際に、サラウンド部材100は、例として図12に示されているラウドスピーカのスパイダ部材も含んでいる。 図6Aから図6Cにおけるサラウンド部材100は、(前記幅Wに亘ってせり上がったハーフロール状を為す)単一のコンボリューションを備えているが、他のサラウンド部材の実施例では、複数のコンボリューションを有していても良い。 ここで用いられる用語としてのコンボリューションとは、場合により繰り返し構造を採る1サイクルを含んでおり、この場合において、前記構造は、一般的には弧の連結部分から成っている。 弧は一般的には円形であるが、任意の曲率とすることができる。 図12におけるスパイダ部材200は、複数の(この場合2つの)コンボリューション220,230を有している。 他のスパイダ部材の実施例においては、より多くの若しくはより少ないコンボリューション、又は、コンボリューションの一部が私用される場合もある。
【0016】
図6Aから図6Cにおけるサラウンド部材100は部分的なトロイド形状に描写されているけれども、(例えば楕円、長円若しくは他の非円形のような)非円形とすることも企図される。 周辺部の断面が示されているところでは、非円形の形状も取り込まれていることが理解されるであろう。 周辺部の断面A−Aは図9Aに示されている。 この断面は、サラウンド懸架部材の内縁に対して法線方向に一定の距離のところで得られたものである。 円形形状のサラウンド部材に対しては、当該断面は円形を描くであろう。 非円形の形状を為すサラウンド部材についての同様の断面も、内縁に対して法線方向に一定の距離のところで得られるが、そのような実施例に関するサラウンド部材の周囲で描かれる経路(path)は、もはや円形とはならないであろう。 記述を容易とするために、周辺部の断面という用語は、円形と非円形のサラウンド部材とを包含していることを意味しており、また、当該断面は、懸架部材の内縁に対して法線方向に一定の距離のところで得られることを意味している。
【0017】
径方向の断面が示されているところでも、非円形の形状が取り込まれていることが理解されるであろう。 径方向の断面B−Bは図9Bに示されている。 この断面は、サラウンド懸架部材の内縁に対して法線方向で得られたものである。 円形形状のサラウンド部材についても、当該断面は径方向で一致するであろう。 非円形の形状を為すサラウンド部材についての同様の断面も、内縁に対して法線方向で得られると理解されるが、この場合当該断面は、もはや径方向に対応しないであろう。 記述を容易とするために、径方向の断面という用語は、懸架部材の内縁に対して法線方向で得られ、円形と非円形のサラウンド部材とを包含していることを意味している。
【0018】
径方向の断面においては、半円(すなわち典型的なハーフロール)ではない類似形状も企図されている。 例えば、いくつかの実施例は、例として図13に示されているように、典型的なマルチロールのサラウンド部材若しくはスパイダ部材がそうであるように、円弧の連結部から成る半径方向の断面を備えているか、又は、略円弧状の部分(nominally circular arcs or arc sections)に沿ったアンジュレーションを備えている。 (図示しない)別の断面は典型的なハーフロールのように見えるかもしれないが、側壁は有効ロール高さを増大させるために深くされている(deepened)。 これら径方向のプロファイルは、図6Aから図6Cに示されたトロイド形状のサラウンド部材、又は、軸方向に対称性の少ない他の形状(例えば楕円形、卵型、長円形若しくはその他の非円形形状)に使用することができる。
【0019】
サラウンド部材100はほぼ内周縁105から外周縁110まで延びている一連の溝125を備えている。 これら溝は、径方向に所定の角度を為して、より一般的には、内周縁に最も近接した溝の点におけるサラウンド懸架部材の内縁の法線に対して所定の角度を為して延在している。 これら溝は、内周縁から外周縁の全スパンに亘って延在していることは要しない点に留意されたい。 これら溝は(当該溝の間の溝が形成されていたい部分と共に)、周囲方向に沿ってサラウンド部材上に波形(例えば連続的な波形)表面を形成することができる。 図6Aの平面図及び後続のいくつかの図に示されている溝は、幅を有していないストレートに描かれている点に留意されたい。 これは当該溝の方向及び位置を描く便宜のためである。 図示された線は、溝に沿った最低位(底部)の位置を示している。 当該溝に関してのプロファイルは、他の記載箇所でより完全に説明されている。
【0020】
隣接している溝はピッチ距離P(図6C参照)により分離されている。 この距離Pは、原点から特定の半径方向の距離で得られる周方向の距離として定義され得る。 便宜のために、この距離Pは、サラウンド部材(周方向)の内縁と外縁との間の中点で定義されるであろう。 別な代替のサラウンド懸架部材の実施例が図7A及び図7Bに示されている。 図6Aから図6Cに示された溝と比較すると、図7A及び図7Bに示されているサラウンド部材は、少ない数の溝125と、より大きなピッチ距離Pとを有している。 種々の実施例で、任意のピッチ距離Pを用いることができる。 いくつかの例においては、ピッチ距離Pはサラウンド部材の周囲方向で連続する溝の対の全てについて均一とされている。 他の例においては、ピッチ距離は変化する場合がある。
【0021】
各々の溝125は、図6A、図7A及び図8で理解されるように、角度αの方向を向いている。 αは、溝の線とサラウンド部材の内縁に対する法線との間の角度である。 実施例が異なれば、αは広い範囲に亘って変化し得る。 平面視での溝路が内周縁から外周縁に至る実質的な直線を横断している実施例については、溝の形状の角度αは、実用的な挙動は10°〜80°(若しくは−10°〜−80°)で得られるけれども、30°〜60°(若しくは−30°〜−60°)とすることが好ましい。 溝に関しての負の角度とは、図8に示されている方向に対して、径方向(若しくは法線方向)から反対の方向に言及しているものである。 溝125(溝経路)は、図6Aのように平面視でストレートとされるか、若しくは曲線とされ得る。 溝の長手方向に沿った曲線の曲率は、無限大(すなわち溝が直線状)であっても、有限の一定の値であっても、又は、滑らかに若しくは他の態様で変化しても良い。 一定の値、又は、滑らかに若しくは他の態様で変化された溝の曲率を有している実施例については、αは0°〜90°の間で変化することができ、ここでαは、溝部の方向の角度について以下に与えられる定義に類似の手法で定義されている。
【0022】
溝の形状は、複数の部分及び複数の移行領域を有する場合がある。 各々の部分の方向の角度、この方向の角度は、内周縁に最も近接する当該部分に沿った点での当該部分の、前記近接点と交差している内周縁に対する法線に対する角度として定義される、及び前記形状部分の曲率は、任意且つ独立に選択され得る。 前記形状部分の曲率半径は、当該部分に亘って変化し得る。 移行領域は滑らかに隣接する形状部分の端部に会合し得る。 一の部分での曲率半径と会合される部分の始点とが異符号(opposite sign)を有する場合については、前記移行領域は変曲点を有するであろう。 溝形状の変曲点の数は任意である。
【0023】
一の実施例は、図14に示されるように、2つの移行領域と3つの部分を備えており、各々の移行領域に(複数の)変曲点を有している。 この実施例においては、溝形状の中間部分の方向の角度、この場合において、前記中間部分は、サラウンド懸架部材の内周縁と外周縁との間のスパンWの中間部を横切っているのであるが、第1の部分及び第3の部分の角度よりも小さくされている。
【0024】
サラウンド部材の形状は、図8の断面に沿って得られるプロファイルを参照することによって一層理解することができるであろう。 図9Aは、図8のA−A線視断面による本発明の実施例のサラウンド部材の周囲プロファイル140を示している。 プロファイル140は、スパンWの中点に沿って得られる。 頂部145は、プロファイル140に沿って隣接している(複数の)溝125を分離している。 この頂部の曲率半径はRPで与えられ、溝の曲率半径はRGで与えられている。 図9Aの実施例のいくつかの例においては、P=0.178インチ、RP=0.141インチ、RG=0.050インチ、A=0.022インチ、及びT=0.010インチとされている(ここで"A"は図9Aにおける溝深さであり、"T"は懸架部材の材料の厚さであり、"P"は連続する頂部(若しくは溝)間のピッチ距離である)。 頂部及び溝の曲率半径(RP及びRG)は、図9Aに示されている部分の極小値及び極大値となるように得られ、便宜のために、これら曲率半径はサラウンド部材の材料の中心線を通って測定されていることに留意されたい(なお、曲率半径はいかようにも定義され得るのであって、例えば材料表面の上部若しくは底部に沿うものとしても差し支えないことに留意されたい)。 上記のように定義されたRGの値は、溝の最大深さに沿った点で得られ、また、上記のように定義されたRPの値は、頂部が最大高さを有する点で得られたものである。 溝と頂部との間のプロファイルは滑らかに連続されている。 いくつかの懸架部材の実施例の周囲プロファイルについての一の特徴は、当該プロファイルが、その全長に亘って連続する曲率を有している点にある。 そのような例においては、当該プロファイルには、従来技術のサラウンド部材である図4に示されているような平坦部分が全く存在していない。 図8における断面A−Aで生成されるプロファイル140によって図示されるように、スパンWの中点に沿って得られた周囲部分については、連続的な曲率を有していることが望ましい。 連続的な曲率が、内周縁から異なる径方向距離(若しくは法線方向距離)で得られた他の部分から生成されたプロファイルに存在していることは有益である。 連続的な曲率の特性は、全スパンWに亘って得られた周囲部分から生成されたプロファイルについて存在している必要は無いが、かかる特性は、少なくともスパンWの中点に近接した部分から得られたプロファイルには都合良く存在している。
【0025】
当業者であれば、十分に小さい長さの線形セグメントから成る折れ線近似を使用して、連続的な曲率の特性に倣うことができるであろうことは理解されるべきである。 折れ線近似の際の各線形セグメントの長さが減少するにつれて、挙動は連続的な曲線の挙動に近づいていく。 そのような近似もここでは企図されている。 断面のいくつかの部分は、連続的に曲線状とされ得る一方で、他の部分は折れ線状とすることもできる。
【0026】
いくつかの実施例においては、RPはRGよりも大きくされている。 他の実施例においては、プロファイル140は通常のサイクロイド曲線によって略近似でき、RPはRGに等しくはない。 更に別な実施例においては、プロファイル140は連続的な曲線を為し、連続する頂部間で一定のピッチPを有してはいない。
【0027】
図9Bは、図8におけるB−B線に沿ったプロファイル150を示しており、このプロファイル150は、サラウンド部材の内周縁105から外周縁110に至る径方向(若しくは内周縁の方向に対する法線方向)に沿って延在している。 図8及び図9BのH−H切断線、I−I切断線、J−J切断線、及びK−K切断線に対応している一の代表的な溝の周囲プロファイルが、図9Cに示されている。 H−H断面、I−I断面、J−J断面、及びK−K断面は全て、サラウンド部材の外表面に関して一部垂直方向に沿って得られている。 局部的な溝深さは、前記外表面から当該部分における溝の底部までの各部分に沿って測定された距離として定義されている。 いくつかの実施例においては、溝深さは、内周縁105に近接しているところでの最小値から、H−H断面に沿って径方向の距離が増えるにつれて漸増していき、I−I断面及びJ−J断面では、内周縁と外周縁との間の途中では最大となり、K−K断面では次いで径方向の距離が増えるにつれて漸減していき、外周縁に近接しているところで再び最小値をとっている。
【0028】
内周縁から外周縁に至る溝路に沿って、溝の底面は主たる囲繞表面の曲率に概ね倣っているが、典型的には、より大きな曲率半径を有している。 溝は外側の囲繞表面が内方に突出していると考えることができるので、実際的に言うと、溝の底部の直上には外側の囲繞表面が存在していないことになる。 溝の底部が倣う曲率は、主たる囲繞表面の包絡線の曲率に従う。 ドーム状を為し、溝を備えている懸架部材の場合には、溝の底部は一般的に前記ドーム状の包絡線の曲率に(より大きな曲率半径を伴って)倣うであろう。 ドーム状を為すサラウンド部材のための懸架部材を囲繞する包絡線に倣う溝底部については、曲率半径はスパンW、ロール高さH及び望ましい溝深さに依存するであろう。 溝底部形状の曲率半径は、典型的には懸架部材を囲繞する包絡線の曲率半径の3倍よりも小さく(例えば2倍よりも小さく)されるであろう。 いくつかの場合においては、溝底部形状の曲率半径は、懸架部材を囲繞する包絡線の曲率半径の5倍よりも小さく(例えば10倍よりも小さく)され得るであろう。
【0029】
他の実施例においては、溝深さは、別な方法で溝の形状に沿った距離の関数として変化させることができる。 例えば、いくつかの実施例においては、溝深さを、サラウンド部材のスパンWの大部分(すなわち、内周縁と外周縁との間の距離)に亘って一定のままとすることができる。 他の実施例においては、溝深さは溝形状に沿って複数の極大値と極小値をとることができ、これにより溝の底部でアンジュレーションを形成している。
【0030】
図10Aから図10Cを参照すると、いくつかの実施例においては、プロファイル140の半径RGに対する半径RPの比(RP/RG)は、約10よりも小さくされている。 図10Aは、RP/RGが8.8である場合のプロファイル140を示している。 他の実施例においては、RP/RGは、約5よりも小さくされている。 更に別な実施例においては、RP/RGは、約3よりも小さくされている。 図10Bは、RP/RGが2.8である場合のプロファイル140を示している。 図10Cは、RP/RGが約1.2である場合のプロファイル140を示している。 RP/RGが1よりも小さいような実施例も可能である。
【0031】
一般的に、半径RP及びRGは、サラウンド懸架部材の材料の厚さTの少なくとも約3倍以上とされており、ここでTは図9Aに示されている。 このことは、サラウンド懸架部材の周囲で得ることができるあらゆる周囲部分内に存在している溝及び頂部に適用される。 一の実施例で、サラウンド部材の材料厚さTが約31ミル(0.787mm)であるとすると、RP及びRGは約93ミル(2.36mm)よりも大きくされる。 また、RP及びRGは、前述した折れ線近似の例外はあるが、一般的に無限大よりも小さい(すなわち平坦ではない)。 一般的に実用的な設計を行うためには、RP及びRGは20倍を超えない範囲で互いに異なっている。
【0032】
他の例では、連続している頂部の間のピッチ距離Pは、少なくとも該頂部の高さAの少なくとも4倍以上とされている(図9A参照)。 いくつかの例では、高さAは、0.025インチ(0.064cm)と0.10インチ(0.25cm)との間とされていると共に、ピッチ距離Pは、0.15インチ(0.38cm)と0.6インチ(1.52cm)との間とされている。
【0033】
図11Aは、種々のサラウンド懸架部材について、サラウンド部材に加わる横力と該サラウンド部材の横方向の変位との間の関係をグラフ化したものである。横力とは、軸方向に直交する懸架部材に加えられるあらゆる力のことであり、ここで軸方向とは、コアアセンブリについての動きの一次的な方向のことをいう。 図11Aにおける曲線160は、図7A及び図7Bに示されている例示のサラウンド部材に対応している。 図11Aにおける曲線165は、図2の溝を有していない従来のサラウンド部材に対応している。 図7A及び図7Bに示されている新規なサラウンド部材は、従来のサラウンド部材に比べると実質的に直線状を為していることが理解できるであろう。 種々の曲線において、座屈の開始は、通常の直線関係からの逸脱により証明され、ここでは、座屈の開始によって、それら横力/変位曲線において急峻な不連続性を生じていることが理解され得る。 曲線165については、サラウンド部材において、約0.008mmの横方向の撓みが生じただけで(軸方向の偏位はゼロである)、座屈を示す直線関係からの大きな逸脱が生じていることが認められる。
【0034】
図11B及び図11Cは、本発明の実施例のサラウンド部材と従来技術のサラウンド部材とについての軸力対軸方向変位の関係をグラフ化したものである。 図11Bは、使用に供されていない(unexercised)複数のサラウンド部材の挙動を示している一方、図11Cは、高い偏位で10,000サイクルの使用に供された(exercised)後の同一のサラウンド部材の挙動を示している。 図11Bにおいては、曲線170及び曲線175は、図7A及び図7Bに例示されているサラウンド部材に対応しており、曲線180は、(図2に示されているような)溝を有していない従来のサラウンド部材に対応している。 図11Cにおいては、曲線190及び曲線195は、図7A及び図7Bに例示されているサラウンド部材に対応しており、曲線200は、(図2に示されているような)溝を有していない従来のサラウンド部材に対応している。
【0035】
図11B及び図11Cに示されているように、ボイスコイルによって加わる軸力と実施例のサラウンド部材の変位との間の図式的な関係は、従来のサラウンド部材と比較して、実質的に直線的となっている。 種々の曲線において、座屈の開始は、通常の直線関係からの逸脱により証明される。 特に、図の右手側に見られる鋭い上昇傾向の前の曲線180及び曲線200における下落形状は、実施例のサラウンド部材に比べて、従来のサラウンド部材の軸力に対する変位の曲線が著しい非線形となっていることを示している。
【0036】
ここに記述されている懸架部材の径方向の断面は、"ロールアップ(roll up)"の向きを用いて示されている。 すなわち、径方向の断面がロール状を為す懸架部材については、前記ロールは上方に延在すると共にコーン表面から離れていく。 ここに記述されている全ての実施例は、"ロールダウン(roll down)"の向きを用いた場合でも機能するであろう。 すなわち、コーン及び剛性のあるバスケットへの取り付けに適合するように取付フランジの変更を行うことによって、懸架部材(サラウンド部材若しくはスパイダ部材)は、180°反転され得る。 "ロールダウン"による半体ロールを有する従来のサラウンド懸架部材は、図15に示されている。
【0037】
作動の際には、ここに記述された形状を有するサラウンド部材によって、応力集中及び座屈を低減できる。
【0038】
他の実施例も添付の特許請求の範囲の技術的範囲に含まれるものである。
【0039】
例えば、サラウンド部材及びスパイダ部材は一般的には別部材であって、コーン若しくはダイアフラムからは分離されているけれども、一方若しくは双方を接着剤、熱カシメ、超音波溶接、又はその他の接合方法によってコーンに接合させてアセンブリを形成することもできる。 いくつかの実施形態においては、サラウンド部材はコーンの一部または全部と一体化して形成され得る。 後者の場合において、懸架構造は、はっきりとした縁を有していないとしても、仮想的な縁を有することになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】ラウドスピーカの断面図である。
【図2】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の概略平面図である。
【図3】代替のラウドスピーカサラウンド懸架部材の概略平面図である。
【図4】図2のA−A線視断面図である。
【図5】図3のB−B線視断面図である。
【図6A】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の平面図である。
【図6B】図6Aのサラウンド懸架部材の斜視図である。
【図6C】図6AのA−A線視斜視断面図である。
【図7A】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の平面図である。
【図7B】図7AのA−A線視斜視断面図である。
【図8】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の部分概略斜視図である。
【図9A】図8のA−A線視でのラウドスピーカサラウンド懸架部材の周囲プロファイルである。
【図9B】図8のB−B線視でのラウドスピーカサラウンド懸架部材の径方向プロファイルである。
【図9C】図8及び図9BのH−H線視、I−I線視、J−J線視、K−K線視による種々の周囲プロファイルである。
【図10A】図8のA−A線視での種々の代替のラウドスピーカサラウンドの実施例の周囲プロファイルである。
【図10B】図8のA−A線視での種々の代替のラウドスピーカサラウンドの実施例の周囲プロファイルである。
【図10C】図8のA−A線視での種々の代替のラウドスピーカサラウンドの実施例の周囲プロファイルである。
【図11A】種々のラウドスピーカサラウンド懸架部材についての、横力対変位の関係を示すグラフである。
【図11B】使用に供されていない種々のラウドスピーカサラウンド懸架部材についての、軸力対変位の関係を示すグラフである。
【図11C】使用に供された種々のラウドスピーカサラウンド懸架部材についての、横力対変位の関係を示すグラフである。
【図12】ラウドスピーカスパイダ懸架部材の斜視図である。
【図13】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の代替実施例の径方向断面図である。
【図14】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の代替実施例の斜視図である。
【図15】「ロールダウン」形状のハーフロールサラウンド部材(half roll surround)を使用したコーンサラウンド組立体の断面を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
14 ラウドスピーカ
15 コーン
20 ボイスコイル
21 上板
23 ダストキャップ
25 永久磁石
30 バックプレート/ポールピース構造
35 第2懸架部材
45 剛体バスケット
47 環状取付フランジ
50,100 懸架部材
55,105 外周縁
60,110 内周縁
115 内側取付フランジ
120 外側取付フランジ
125 溝
140 周囲プロファイル
150 プロファイル
145 頂部
160 曲線
200 スパイダ部材
220,230 コンボリューション
O 中心
W スパン
P ピッチ距離
α 角度
RP 頂部の曲率半径
RG 溝の曲率半径
A 溝深さ
T 懸架部材の材料の厚さ
H ロール高さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、サラウンド部材(surrounds)及びスパイダ部材(spiders)を備えたラウドスピーカの懸架装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、一般的なラウドスピーカ14は剛性の高いコーン15を備えており、このコーン15は、その頂点でボイスコイル20に接続されている。 このラウドスピーカは、前記コーンに取り付けられているダストキャップ23を備えることができる。 ボイスコイル20は、永久磁石25と、バックプレート/ポールピース構造30と、上板21とから構成されている磁気回路と相互に作用している。 ボイスコイルがオーディオ信号によって駆動されると、コーンは音を生成するために軸方向に振動する。
【0003】
コーンの外縁は、一般的にはサラウンド部材と称される懸架部材50によって、環状取付フランジ47に沿って剛体バスケット45に取り付けられている。 ボイスコイル20及び/若しくはコーン15の頂点は、一般的にはスパイダ部材と称される第2懸架部材35によって、剛体バスケット45の別の部位に取り付けられている。 サラウンド部材50は、しばしば繊維(fabric)のような柔軟な材料によって作製され、これにより、コーンの振動を許容するが、ボイスコイル20が駆動されていないときは、コーンが停止位置へ復帰するのを支援するための復帰力を提供している。 スパイダ部材35は一般的に、同心状の波形部(corrugations)を備えた織布部分とされている。 懸架部材は、可動部のための、(軸方向に沿った)復帰力を与えると共に調心力(centering force)を提供している。 単一の若しくは複数のサラウンド部材及び/若しくはスパイダ部材は、種々のトランスデューサの実施例において使用されている。
【0004】
次に図2及び図4を参照すると、従来技術のサラウンド部材50は、中心O周りで、内周縁60と外周縁55とを備えた中空の半トロイド状(semi-toroid)を為していることが理解できる。 図4に示されるように、サラウンド部材50は、図2のA−A線視で、半円形状若しくはドーム形状の断面を備えて描写されている。
【0005】
図3は、代替の従来技術のサラウンド部材形状の平面図を示している。 図5は、図3のB−B線視による周辺部の形状を示している。 図3における一例のサラウンド部材は、該サラウンド部材の内周縁から外周縁の全スパンの大部分に亘って、径方向外側にある角度で延在している溝65を備えている。 各々の溝は、底部のV字状の谷底Dと、上部の折り曲げコーナーE,Fとを備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、応力集中及び座屈を低減できるラウドスピーカ懸架装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的に、一の態様においては、本発明の装置は、
内周縁と外周縁とを有するラウドスピーカ懸架構造と、
複数の溝であって、該溝の各々が、前記内周縁に対する法線に関して角度をもって前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝と、
連続的な曲線を有している前記懸架構造の周囲部分のプロファイルと、
を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
実施形態は、一以上の次の特徴を備えている。
前記溝は、前記内周縁と前記外周縁との間の距離の一部にのみ亘っている。
前記連続する曲線が、周期的な形状(cyclical)を為している。
前記連続する曲線が、一連の頂部及び溝部を含んでおり、前記頂部の各々の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも大きくされている。
前記連続する曲線が、一連の頂部及び溝を含んでおり、前記頂部の各々の少なくとも一部の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも小さくされている(若しくは他の例では大きくされている)。
隣接している前記溝の曲率半径に対する前記頂部の各々の曲率半形の比が、3よりも小さくされている(または、5よりも小さくされている、若しくは、10よりも小さくされている)。
前記懸架構造が、トロイドの一構成部分を備えている。
前記懸架構造が、ロール形状に適合している。
前記ロール形状がロールアップである。
前記ロール形状がロールダウンである。
前記ロール形状が、前記内周縁と前記外周縁との間で2以上のロール部分を有している。
前記溝の各々の曲率半径が、前記懸架構造を形成している材料の厚さの少なくとも約3倍である。
前記溝の各々の曲率半径が、前記懸架構造を形成している材料の厚さの少なくとも約7倍である。
溝が前記懸架構造の周囲に沿って規則正しく間隔を置いて設けられており、前記溝の各々は所定の深さを有しており、前記間隔のピッチが前記深さの少なくとも約4倍である。
前記溝は、平面視でストレートである。
前記溝の前記角度は、10°〜80°の範囲とされている。
前記溝の各々は、平面視で曲線部を有している。
前記曲線溝の前記角度は、10°〜80°の範囲とされている。
前記曲線が、内周縁境界若しくは外周縁境界に対する法線に関して角度をもって開始されている。
前記曲線が複数の部分から成る。
前記部分が、ストレート部分若しくは曲線部分を有している。
前記部分が、内周縁境界に対する法線に関してそれぞれ異なる角度を有している。
前記部分が、前記ストレート部分若しくは前記曲線部分に滑らかに接続される移行領域を有している。
前記部分が、変曲点で会合している。
前記溝の各々が、前記内周縁から前記外周縁まで変化する深さを有している。
前記変化が、懸架構造の主要部(principal contour)の高さの変化に対応している。
前記溝が、前記主要部よりも大きな曲率半径を有している。
前記溝の各々は、前記溝路の形成部分(path)の大部分に沿って略一定の深さを有している。
前記溝が、2以上の極小部若しくは極大部を有している。
前記懸架構造の径方向の断面が、部分的なトロイド形状を有している。
前記懸架構造の径方向の断面が、部分的なトロイド形状以外の形状を有している。
前記懸架構造の径方向の断面が、2以上の極小部若しくは極大部を有している。
前記連続的な曲線が、折れ線状の輪郭を有している。
前記懸架構造が、サラウンド部材を備えている。
前記懸架構造が、スパイダ部材を備えている
【0009】
一般的に、別の態様においては、本発明の装置は、内周縁と外周縁とを有するラウドスピーカ懸架構造と、複数の溝であって、該溝の各々が、前記内周縁に対する法線に関して角度をもって前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝と、前記内周縁から前記外周縁まで変化している前記溝の底部であって、前記変化が、前記懸架構造の主要部の変化に対応している底部と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
一般的に、別の態様においては、本発明の装置は、内周縁、外周縁、及び材料厚さを有するラウドスピーカ懸架構造と、前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝であって、該溝が溝ピッチで分離されていると共に、所定の溝曲率半径を有している複数の溝と、隣接している溝の間で定義される頂部であって、該頂部が頂部曲率半径を有していると共に、該頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の約10倍よりも小さくされている(less than about ten times the groove radius)頂部と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
実施形態は、一以上の次の特徴を備えている。
前記頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の5倍よりも小さくされている。
前記頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の3倍よりも小さくされている。
前記溝が平面視で曲線状とされている。
前記溝が平面視で直線状とされている。
【0012】
一般的に、別の態様においては、本発明のラウドスピーカは、
コーンと、
該コーンを支持するためのバスケットと、
部分的にトロイド状の輪郭と、内周縁と、外周縁とを有するサラウンド部材であって、該サラウンド部材は、所定の厚さを有する材料で形成されていると共に、前記コーンの外周縁をフレキシブルに前記バスケットに接続するためのサラウンド部材と、
軸方向の高さを有し、前記内周縁から前記外周縁まで延在しており、頂部ピッチによって分離された頂部であって、頂部曲率半径を定義している頂部と、
隣接している前記頂部の間で延在している複数の溝であって、溝部曲率半径を定義しており、溝部曲率半径が、材料の厚さの少なくとも約3倍である溝と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
他の利点及び特徴は、以下の記述及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下の議論において、サラウンド懸架部材の挙動が記述されているが、当該記述は、スパイダ部材のような他の懸架部材をも含めるように一般化され得るものである。 スパイダ部材を描写している実施例は、図12に示されている。
【0015】
図6Aから図6Cを参照すると、半トロイド状を為すサラウンド懸架部材100は、中心O周りにセンタリングされており、径方向の幅すなわちスパンWによって区画されている内周縁105と外周縁110とを備えている。 このサラウンド部材100は、コーン及びバスケットに接続するための、内周縁105から径方向内向きに延在している内側取付フランジ115と、外周縁110から径方向外向きに延在している外側取付フランジ120とをそれぞれ備えている。 ここで用いられる際に、サラウンド部材100は、例として図12に示されているラウドスピーカのスパイダ部材も含んでいる。 図6Aから図6Cにおけるサラウンド部材100は、(前記幅Wに亘ってせり上がったハーフロール状を為す)単一のコンボリューションを備えているが、他のサラウンド部材の実施例では、複数のコンボリューションを有していても良い。 ここで用いられる用語としてのコンボリューションとは、場合により繰り返し構造を採る1サイクルを含んでおり、この場合において、前記構造は、一般的には弧の連結部分から成っている。 弧は一般的には円形であるが、任意の曲率とすることができる。 図12におけるスパイダ部材200は、複数の(この場合2つの)コンボリューション220,230を有している。 他のスパイダ部材の実施例においては、より多くの若しくはより少ないコンボリューション、又は、コンボリューションの一部が私用される場合もある。
【0016】
図6Aから図6Cにおけるサラウンド部材100は部分的なトロイド形状に描写されているけれども、(例えば楕円、長円若しくは他の非円形のような)非円形とすることも企図される。 周辺部の断面が示されているところでは、非円形の形状も取り込まれていることが理解されるであろう。 周辺部の断面A−Aは図9Aに示されている。 この断面は、サラウンド懸架部材の内縁に対して法線方向に一定の距離のところで得られたものである。 円形形状のサラウンド部材に対しては、当該断面は円形を描くであろう。 非円形の形状を為すサラウンド部材についての同様の断面も、内縁に対して法線方向に一定の距離のところで得られるが、そのような実施例に関するサラウンド部材の周囲で描かれる経路(path)は、もはや円形とはならないであろう。 記述を容易とするために、周辺部の断面という用語は、円形と非円形のサラウンド部材とを包含していることを意味しており、また、当該断面は、懸架部材の内縁に対して法線方向に一定の距離のところで得られることを意味している。
【0017】
径方向の断面が示されているところでも、非円形の形状が取り込まれていることが理解されるであろう。 径方向の断面B−Bは図9Bに示されている。 この断面は、サラウンド懸架部材の内縁に対して法線方向で得られたものである。 円形形状のサラウンド部材についても、当該断面は径方向で一致するであろう。 非円形の形状を為すサラウンド部材についての同様の断面も、内縁に対して法線方向で得られると理解されるが、この場合当該断面は、もはや径方向に対応しないであろう。 記述を容易とするために、径方向の断面という用語は、懸架部材の内縁に対して法線方向で得られ、円形と非円形のサラウンド部材とを包含していることを意味している。
【0018】
径方向の断面においては、半円(すなわち典型的なハーフロール)ではない類似形状も企図されている。 例えば、いくつかの実施例は、例として図13に示されているように、典型的なマルチロールのサラウンド部材若しくはスパイダ部材がそうであるように、円弧の連結部から成る半径方向の断面を備えているか、又は、略円弧状の部分(nominally circular arcs or arc sections)に沿ったアンジュレーションを備えている。 (図示しない)別の断面は典型的なハーフロールのように見えるかもしれないが、側壁は有効ロール高さを増大させるために深くされている(deepened)。 これら径方向のプロファイルは、図6Aから図6Cに示されたトロイド形状のサラウンド部材、又は、軸方向に対称性の少ない他の形状(例えば楕円形、卵型、長円形若しくはその他の非円形形状)に使用することができる。
【0019】
サラウンド部材100はほぼ内周縁105から外周縁110まで延びている一連の溝125を備えている。 これら溝は、径方向に所定の角度を為して、より一般的には、内周縁に最も近接した溝の点におけるサラウンド懸架部材の内縁の法線に対して所定の角度を為して延在している。 これら溝は、内周縁から外周縁の全スパンに亘って延在していることは要しない点に留意されたい。 これら溝は(当該溝の間の溝が形成されていたい部分と共に)、周囲方向に沿ってサラウンド部材上に波形(例えば連続的な波形)表面を形成することができる。 図6Aの平面図及び後続のいくつかの図に示されている溝は、幅を有していないストレートに描かれている点に留意されたい。 これは当該溝の方向及び位置を描く便宜のためである。 図示された線は、溝に沿った最低位(底部)の位置を示している。 当該溝に関してのプロファイルは、他の記載箇所でより完全に説明されている。
【0020】
隣接している溝はピッチ距離P(図6C参照)により分離されている。 この距離Pは、原点から特定の半径方向の距離で得られる周方向の距離として定義され得る。 便宜のために、この距離Pは、サラウンド部材(周方向)の内縁と外縁との間の中点で定義されるであろう。 別な代替のサラウンド懸架部材の実施例が図7A及び図7Bに示されている。 図6Aから図6Cに示された溝と比較すると、図7A及び図7Bに示されているサラウンド部材は、少ない数の溝125と、より大きなピッチ距離Pとを有している。 種々の実施例で、任意のピッチ距離Pを用いることができる。 いくつかの例においては、ピッチ距離Pはサラウンド部材の周囲方向で連続する溝の対の全てについて均一とされている。 他の例においては、ピッチ距離は変化する場合がある。
【0021】
各々の溝125は、図6A、図7A及び図8で理解されるように、角度αの方向を向いている。 αは、溝の線とサラウンド部材の内縁に対する法線との間の角度である。 実施例が異なれば、αは広い範囲に亘って変化し得る。 平面視での溝路が内周縁から外周縁に至る実質的な直線を横断している実施例については、溝の形状の角度αは、実用的な挙動は10°〜80°(若しくは−10°〜−80°)で得られるけれども、30°〜60°(若しくは−30°〜−60°)とすることが好ましい。 溝に関しての負の角度とは、図8に示されている方向に対して、径方向(若しくは法線方向)から反対の方向に言及しているものである。 溝125(溝経路)は、図6Aのように平面視でストレートとされるか、若しくは曲線とされ得る。 溝の長手方向に沿った曲線の曲率は、無限大(すなわち溝が直線状)であっても、有限の一定の値であっても、又は、滑らかに若しくは他の態様で変化しても良い。 一定の値、又は、滑らかに若しくは他の態様で変化された溝の曲率を有している実施例については、αは0°〜90°の間で変化することができ、ここでαは、溝部の方向の角度について以下に与えられる定義に類似の手法で定義されている。
【0022】
溝の形状は、複数の部分及び複数の移行領域を有する場合がある。 各々の部分の方向の角度、この方向の角度は、内周縁に最も近接する当該部分に沿った点での当該部分の、前記近接点と交差している内周縁に対する法線に対する角度として定義される、及び前記形状部分の曲率は、任意且つ独立に選択され得る。 前記形状部分の曲率半径は、当該部分に亘って変化し得る。 移行領域は滑らかに隣接する形状部分の端部に会合し得る。 一の部分での曲率半径と会合される部分の始点とが異符号(opposite sign)を有する場合については、前記移行領域は変曲点を有するであろう。 溝形状の変曲点の数は任意である。
【0023】
一の実施例は、図14に示されるように、2つの移行領域と3つの部分を備えており、各々の移行領域に(複数の)変曲点を有している。 この実施例においては、溝形状の中間部分の方向の角度、この場合において、前記中間部分は、サラウンド懸架部材の内周縁と外周縁との間のスパンWの中間部を横切っているのであるが、第1の部分及び第3の部分の角度よりも小さくされている。
【0024】
サラウンド部材の形状は、図8の断面に沿って得られるプロファイルを参照することによって一層理解することができるであろう。 図9Aは、図8のA−A線視断面による本発明の実施例のサラウンド部材の周囲プロファイル140を示している。 プロファイル140は、スパンWの中点に沿って得られる。 頂部145は、プロファイル140に沿って隣接している(複数の)溝125を分離している。 この頂部の曲率半径はRPで与えられ、溝の曲率半径はRGで与えられている。 図9Aの実施例のいくつかの例においては、P=0.178インチ、RP=0.141インチ、RG=0.050インチ、A=0.022インチ、及びT=0.010インチとされている(ここで"A"は図9Aにおける溝深さであり、"T"は懸架部材の材料の厚さであり、"P"は連続する頂部(若しくは溝)間のピッチ距離である)。 頂部及び溝の曲率半径(RP及びRG)は、図9Aに示されている部分の極小値及び極大値となるように得られ、便宜のために、これら曲率半径はサラウンド部材の材料の中心線を通って測定されていることに留意されたい(なお、曲率半径はいかようにも定義され得るのであって、例えば材料表面の上部若しくは底部に沿うものとしても差し支えないことに留意されたい)。 上記のように定義されたRGの値は、溝の最大深さに沿った点で得られ、また、上記のように定義されたRPの値は、頂部が最大高さを有する点で得られたものである。 溝と頂部との間のプロファイルは滑らかに連続されている。 いくつかの懸架部材の実施例の周囲プロファイルについての一の特徴は、当該プロファイルが、その全長に亘って連続する曲率を有している点にある。 そのような例においては、当該プロファイルには、従来技術のサラウンド部材である図4に示されているような平坦部分が全く存在していない。 図8における断面A−Aで生成されるプロファイル140によって図示されるように、スパンWの中点に沿って得られた周囲部分については、連続的な曲率を有していることが望ましい。 連続的な曲率が、内周縁から異なる径方向距離(若しくは法線方向距離)で得られた他の部分から生成されたプロファイルに存在していることは有益である。 連続的な曲率の特性は、全スパンWに亘って得られた周囲部分から生成されたプロファイルについて存在している必要は無いが、かかる特性は、少なくともスパンWの中点に近接した部分から得られたプロファイルには都合良く存在している。
【0025】
当業者であれば、十分に小さい長さの線形セグメントから成る折れ線近似を使用して、連続的な曲率の特性に倣うことができるであろうことは理解されるべきである。 折れ線近似の際の各線形セグメントの長さが減少するにつれて、挙動は連続的な曲線の挙動に近づいていく。 そのような近似もここでは企図されている。 断面のいくつかの部分は、連続的に曲線状とされ得る一方で、他の部分は折れ線状とすることもできる。
【0026】
いくつかの実施例においては、RPはRGよりも大きくされている。 他の実施例においては、プロファイル140は通常のサイクロイド曲線によって略近似でき、RPはRGに等しくはない。 更に別な実施例においては、プロファイル140は連続的な曲線を為し、連続する頂部間で一定のピッチPを有してはいない。
【0027】
図9Bは、図8におけるB−B線に沿ったプロファイル150を示しており、このプロファイル150は、サラウンド部材の内周縁105から外周縁110に至る径方向(若しくは内周縁の方向に対する法線方向)に沿って延在している。 図8及び図9BのH−H切断線、I−I切断線、J−J切断線、及びK−K切断線に対応している一の代表的な溝の周囲プロファイルが、図9Cに示されている。 H−H断面、I−I断面、J−J断面、及びK−K断面は全て、サラウンド部材の外表面に関して一部垂直方向に沿って得られている。 局部的な溝深さは、前記外表面から当該部分における溝の底部までの各部分に沿って測定された距離として定義されている。 いくつかの実施例においては、溝深さは、内周縁105に近接しているところでの最小値から、H−H断面に沿って径方向の距離が増えるにつれて漸増していき、I−I断面及びJ−J断面では、内周縁と外周縁との間の途中では最大となり、K−K断面では次いで径方向の距離が増えるにつれて漸減していき、外周縁に近接しているところで再び最小値をとっている。
【0028】
内周縁から外周縁に至る溝路に沿って、溝の底面は主たる囲繞表面の曲率に概ね倣っているが、典型的には、より大きな曲率半径を有している。 溝は外側の囲繞表面が内方に突出していると考えることができるので、実際的に言うと、溝の底部の直上には外側の囲繞表面が存在していないことになる。 溝の底部が倣う曲率は、主たる囲繞表面の包絡線の曲率に従う。 ドーム状を為し、溝を備えている懸架部材の場合には、溝の底部は一般的に前記ドーム状の包絡線の曲率に(より大きな曲率半径を伴って)倣うであろう。 ドーム状を為すサラウンド部材のための懸架部材を囲繞する包絡線に倣う溝底部については、曲率半径はスパンW、ロール高さH及び望ましい溝深さに依存するであろう。 溝底部形状の曲率半径は、典型的には懸架部材を囲繞する包絡線の曲率半径の3倍よりも小さく(例えば2倍よりも小さく)されるであろう。 いくつかの場合においては、溝底部形状の曲率半径は、懸架部材を囲繞する包絡線の曲率半径の5倍よりも小さく(例えば10倍よりも小さく)され得るであろう。
【0029】
他の実施例においては、溝深さは、別な方法で溝の形状に沿った距離の関数として変化させることができる。 例えば、いくつかの実施例においては、溝深さを、サラウンド部材のスパンWの大部分(すなわち、内周縁と外周縁との間の距離)に亘って一定のままとすることができる。 他の実施例においては、溝深さは溝形状に沿って複数の極大値と極小値をとることができ、これにより溝の底部でアンジュレーションを形成している。
【0030】
図10Aから図10Cを参照すると、いくつかの実施例においては、プロファイル140の半径RGに対する半径RPの比(RP/RG)は、約10よりも小さくされている。 図10Aは、RP/RGが8.8である場合のプロファイル140を示している。 他の実施例においては、RP/RGは、約5よりも小さくされている。 更に別な実施例においては、RP/RGは、約3よりも小さくされている。 図10Bは、RP/RGが2.8である場合のプロファイル140を示している。 図10Cは、RP/RGが約1.2である場合のプロファイル140を示している。 RP/RGが1よりも小さいような実施例も可能である。
【0031】
一般的に、半径RP及びRGは、サラウンド懸架部材の材料の厚さTの少なくとも約3倍以上とされており、ここでTは図9Aに示されている。 このことは、サラウンド懸架部材の周囲で得ることができるあらゆる周囲部分内に存在している溝及び頂部に適用される。 一の実施例で、サラウンド部材の材料厚さTが約31ミル(0.787mm)であるとすると、RP及びRGは約93ミル(2.36mm)よりも大きくされる。 また、RP及びRGは、前述した折れ線近似の例外はあるが、一般的に無限大よりも小さい(すなわち平坦ではない)。 一般的に実用的な設計を行うためには、RP及びRGは20倍を超えない範囲で互いに異なっている。
【0032】
他の例では、連続している頂部の間のピッチ距離Pは、少なくとも該頂部の高さAの少なくとも4倍以上とされている(図9A参照)。 いくつかの例では、高さAは、0.025インチ(0.064cm)と0.10インチ(0.25cm)との間とされていると共に、ピッチ距離Pは、0.15インチ(0.38cm)と0.6インチ(1.52cm)との間とされている。
【0033】
図11Aは、種々のサラウンド懸架部材について、サラウンド部材に加わる横力と該サラウンド部材の横方向の変位との間の関係をグラフ化したものである。横力とは、軸方向に直交する懸架部材に加えられるあらゆる力のことであり、ここで軸方向とは、コアアセンブリについての動きの一次的な方向のことをいう。 図11Aにおける曲線160は、図7A及び図7Bに示されている例示のサラウンド部材に対応している。 図11Aにおける曲線165は、図2の溝を有していない従来のサラウンド部材に対応している。 図7A及び図7Bに示されている新規なサラウンド部材は、従来のサラウンド部材に比べると実質的に直線状を為していることが理解できるであろう。 種々の曲線において、座屈の開始は、通常の直線関係からの逸脱により証明され、ここでは、座屈の開始によって、それら横力/変位曲線において急峻な不連続性を生じていることが理解され得る。 曲線165については、サラウンド部材において、約0.008mmの横方向の撓みが生じただけで(軸方向の偏位はゼロである)、座屈を示す直線関係からの大きな逸脱が生じていることが認められる。
【0034】
図11B及び図11Cは、本発明の実施例のサラウンド部材と従来技術のサラウンド部材とについての軸力対軸方向変位の関係をグラフ化したものである。 図11Bは、使用に供されていない(unexercised)複数のサラウンド部材の挙動を示している一方、図11Cは、高い偏位で10,000サイクルの使用に供された(exercised)後の同一のサラウンド部材の挙動を示している。 図11Bにおいては、曲線170及び曲線175は、図7A及び図7Bに例示されているサラウンド部材に対応しており、曲線180は、(図2に示されているような)溝を有していない従来のサラウンド部材に対応している。 図11Cにおいては、曲線190及び曲線195は、図7A及び図7Bに例示されているサラウンド部材に対応しており、曲線200は、(図2に示されているような)溝を有していない従来のサラウンド部材に対応している。
【0035】
図11B及び図11Cに示されているように、ボイスコイルによって加わる軸力と実施例のサラウンド部材の変位との間の図式的な関係は、従来のサラウンド部材と比較して、実質的に直線的となっている。 種々の曲線において、座屈の開始は、通常の直線関係からの逸脱により証明される。 特に、図の右手側に見られる鋭い上昇傾向の前の曲線180及び曲線200における下落形状は、実施例のサラウンド部材に比べて、従来のサラウンド部材の軸力に対する変位の曲線が著しい非線形となっていることを示している。
【0036】
ここに記述されている懸架部材の径方向の断面は、"ロールアップ(roll up)"の向きを用いて示されている。 すなわち、径方向の断面がロール状を為す懸架部材については、前記ロールは上方に延在すると共にコーン表面から離れていく。 ここに記述されている全ての実施例は、"ロールダウン(roll down)"の向きを用いた場合でも機能するであろう。 すなわち、コーン及び剛性のあるバスケットへの取り付けに適合するように取付フランジの変更を行うことによって、懸架部材(サラウンド部材若しくはスパイダ部材)は、180°反転され得る。 "ロールダウン"による半体ロールを有する従来のサラウンド懸架部材は、図15に示されている。
【0037】
作動の際には、ここに記述された形状を有するサラウンド部材によって、応力集中及び座屈を低減できる。
【0038】
他の実施例も添付の特許請求の範囲の技術的範囲に含まれるものである。
【0039】
例えば、サラウンド部材及びスパイダ部材は一般的には別部材であって、コーン若しくはダイアフラムからは分離されているけれども、一方若しくは双方を接着剤、熱カシメ、超音波溶接、又はその他の接合方法によってコーンに接合させてアセンブリを形成することもできる。 いくつかの実施形態においては、サラウンド部材はコーンの一部または全部と一体化して形成され得る。 後者の場合において、懸架構造は、はっきりとした縁を有していないとしても、仮想的な縁を有することになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】ラウドスピーカの断面図である。
【図2】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の概略平面図である。
【図3】代替のラウドスピーカサラウンド懸架部材の概略平面図である。
【図4】図2のA−A線視断面図である。
【図5】図3のB−B線視断面図である。
【図6A】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の平面図である。
【図6B】図6Aのサラウンド懸架部材の斜視図である。
【図6C】図6AのA−A線視斜視断面図である。
【図7A】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の平面図である。
【図7B】図7AのA−A線視斜視断面図である。
【図8】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の部分概略斜視図である。
【図9A】図8のA−A線視でのラウドスピーカサラウンド懸架部材の周囲プロファイルである。
【図9B】図8のB−B線視でのラウドスピーカサラウンド懸架部材の径方向プロファイルである。
【図9C】図8及び図9BのH−H線視、I−I線視、J−J線視、K−K線視による種々の周囲プロファイルである。
【図10A】図8のA−A線視での種々の代替のラウドスピーカサラウンドの実施例の周囲プロファイルである。
【図10B】図8のA−A線視での種々の代替のラウドスピーカサラウンドの実施例の周囲プロファイルである。
【図10C】図8のA−A線視での種々の代替のラウドスピーカサラウンドの実施例の周囲プロファイルである。
【図11A】種々のラウドスピーカサラウンド懸架部材についての、横力対変位の関係を示すグラフである。
【図11B】使用に供されていない種々のラウドスピーカサラウンド懸架部材についての、軸力対変位の関係を示すグラフである。
【図11C】使用に供された種々のラウドスピーカサラウンド懸架部材についての、横力対変位の関係を示すグラフである。
【図12】ラウドスピーカスパイダ懸架部材の斜視図である。
【図13】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の代替実施例の径方向断面図である。
【図14】ラウドスピーカサラウンド懸架部材の代替実施例の斜視図である。
【図15】「ロールダウン」形状のハーフロールサラウンド部材(half roll surround)を使用したコーンサラウンド組立体の断面を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
14 ラウドスピーカ
15 コーン
20 ボイスコイル
21 上板
23 ダストキャップ
25 永久磁石
30 バックプレート/ポールピース構造
35 第2懸架部材
45 剛体バスケット
47 環状取付フランジ
50,100 懸架部材
55,105 外周縁
60,110 内周縁
115 内側取付フランジ
120 外側取付フランジ
125 溝
140 周囲プロファイル
150 プロファイル
145 頂部
160 曲線
200 スパイダ部材
220,230 コンボリューション
O 中心
W スパン
P ピッチ距離
α 角度
RP 頂部の曲率半径
RG 溝の曲率半径
A 溝深さ
T 懸架部材の材料の厚さ
H ロール高さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周縁と外周縁とを有するラウドスピーカ懸架構造と、
複数の溝であって、該溝の各々が、前記内周縁に対する法線に関して角度をもって前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝と、
連続的な曲線を有している前記懸架構造の周囲部分のプロファイルと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記溝が、前記内周縁と前記外周縁との間の距離の一部にのみ亘っていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記連続する曲線が、周期的な形状を為していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記連続する曲線が、一連の頂部及び溝部を含んでおり、前記頂部の各々の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも大きくされていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記連続する曲線が、一連の頂部及び溝を含んでおり、前記頂部の各々の少なくとも一部の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも小さくされていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
隣接している前記溝の曲率半径に対する前記頂部の各々の曲率半形の比が、3よりも小さくされていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
隣接している前記溝の曲率半径に対する前記頂部の各々の曲率半形の比が、5よりも小さくされていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項8】
隣接している前記溝の曲率半径に対する前記頂部の各々の曲率半形の比が、10よりも小さくされていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記連続する曲線が、前記頂部の各々の少なくとも一部の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも大きくされていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記懸架構造が、トロイドの一構成部分を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記懸架構造が、ロール形状に適合していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ロール形状がロールアップであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ロール形状がロールダウンであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ロール形状が、前記内周縁と前記外周縁との間で2以上のロール部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記溝の各々の曲率半径が、前記懸架構造を形成している材料の厚さの少なくとも約3倍であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記溝の各々の曲率半径が、前記懸架構造を形成している材料の厚さの少なくとも約7倍であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
溝が前記懸架構造の周囲に沿って規則正しく間隔を置いて設けられており、前記溝の各々は所定の深さを有しており、前記間隔のピッチが前記深さの少なくとも約4倍であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記溝は、平面視でストレートであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記溝の前記角度は、10°〜80°の範囲とされていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記溝の各々は、平面視で曲線部を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記溝の前記角度は、10°〜80°の範囲とされていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記曲線が、内周縁境界若しくは外周縁境界に対する法線に関して角度をもって開始されていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記曲線が複数の部分から成ることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記部分が、ストレート部分を有していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記部分が、曲線部分を有していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記部分が、内周縁境界に対する法線に関してそれぞれ異なる角度を有していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項27】
前記部分が、前記ストレート部分若しくは前記曲線部分に滑らかに接続される移行領域を有していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記部分が、変曲点で会合していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記溝の各々が、前記内周縁から前記外周縁まで変化する深さを有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記変化が、懸架構造の主要部の高さの変化に対応していることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記溝が、前記主要部よりも大きな曲率半径を有していることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記溝の各々は、前記溝路の形成部分の大部分に沿って略一定の深さを有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記溝が、2以上の極小部若しくは極大部を有していることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項34】
前記懸架構造の径方向の断面が、部分的なトロイド形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記懸架構造の径方向の断面が、部分的なトロイド形状以外の形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項36】
前記懸架構造の径方向の断面が、2以上の極小部若しくは極大部を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記連続的な曲線が、折れ線状の輪郭を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項38】
前記懸架構造が、サラウンド部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項39】
前記懸架構造が、スパイダ部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項40】
内周縁と外周縁とを有するラウドスピーカ懸架構造と、
複数の溝であって、該溝の各々が、前記内周縁に対する法線に関して角度をもって前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝と、
前記内周縁から前記外周縁まで変化している前記溝の底部であって、前記変化が、前記懸架構造の主要部の変化に対応している底部と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項41】
内周縁、外周縁、及び材料厚さを有するラウドスピーカ懸架構造と、
前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝であって、該溝が溝ピッチで分離されていると共に、所定の溝曲率半径を有している複数の溝と、
隣接している溝の間で定義される頂部であって、該頂部が頂部曲率半径を有していると共に、該頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の約10倍よりも小さくされている頂部と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項42】
前記頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の5倍よりも小さくされていることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の3倍よりも小さくされていることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記溝が平面視で曲線状とされていることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記溝が平面視で直線状とされていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項1】
内周縁と外周縁とを有するラウドスピーカ懸架構造と、
複数の溝であって、該溝の各々が、前記内周縁に対する法線に関して角度をもって前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝と、
連続的な曲線を有している前記懸架構造の周囲部分のプロファイルと、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記溝が、前記内周縁と前記外周縁との間の距離の一部にのみ亘っていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記連続する曲線が、周期的な形状を為していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記連続する曲線が、一連の頂部及び溝部を含んでおり、前記頂部の各々の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも大きくされていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記連続する曲線が、一連の頂部及び溝を含んでおり、前記頂部の各々の少なくとも一部の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも小さくされていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
隣接している前記溝の曲率半径に対する前記頂部の各々の曲率半形の比が、3よりも小さくされていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
隣接している前記溝の曲率半径に対する前記頂部の各々の曲率半形の比が、5よりも小さくされていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項8】
隣接している前記溝の曲率半径に対する前記頂部の各々の曲率半形の比が、10よりも小さくされていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記連続する曲線が、前記頂部の各々の少なくとも一部の曲率半径は、隣接している前記溝の曲率半径よりも大きくされていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記懸架構造が、トロイドの一構成部分を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記懸架構造が、ロール形状に適合していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ロール形状がロールアップであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ロール形状がロールダウンであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ロール形状が、前記内周縁と前記外周縁との間で2以上のロール部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記溝の各々の曲率半径が、前記懸架構造を形成している材料の厚さの少なくとも約3倍であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記溝の各々の曲率半径が、前記懸架構造を形成している材料の厚さの少なくとも約7倍であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
溝が前記懸架構造の周囲に沿って規則正しく間隔を置いて設けられており、前記溝の各々は所定の深さを有しており、前記間隔のピッチが前記深さの少なくとも約4倍であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記溝は、平面視でストレートであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記溝の前記角度は、10°〜80°の範囲とされていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記溝の各々は、平面視で曲線部を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記溝の前記角度は、10°〜80°の範囲とされていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記曲線が、内周縁境界若しくは外周縁境界に対する法線に関して角度をもって開始されていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記曲線が複数の部分から成ることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記部分が、ストレート部分を有していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記部分が、曲線部分を有していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記部分が、内周縁境界に対する法線に関してそれぞれ異なる角度を有していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項27】
前記部分が、前記ストレート部分若しくは前記曲線部分に滑らかに接続される移行領域を有していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記部分が、変曲点で会合していることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記溝の各々が、前記内周縁から前記外周縁まで変化する深さを有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記変化が、懸架構造の主要部の高さの変化に対応していることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記溝が、前記主要部よりも大きな曲率半径を有していることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記溝の各々は、前記溝路の形成部分の大部分に沿って略一定の深さを有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記溝が、2以上の極小部若しくは極大部を有していることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項34】
前記懸架構造の径方向の断面が、部分的なトロイド形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記懸架構造の径方向の断面が、部分的なトロイド形状以外の形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項36】
前記懸架構造の径方向の断面が、2以上の極小部若しくは極大部を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記連続的な曲線が、折れ線状の輪郭を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項38】
前記懸架構造が、サラウンド部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項39】
前記懸架構造が、スパイダ部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項40】
内周縁と外周縁とを有するラウドスピーカ懸架構造と、
複数の溝であって、該溝の各々が、前記内周縁に対する法線に関して角度をもって前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝と、
前記内周縁から前記外周縁まで変化している前記溝の底部であって、前記変化が、前記懸架構造の主要部の変化に対応している底部と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項41】
内周縁、外周縁、及び材料厚さを有するラウドスピーカ懸架構造と、
前記内周縁から前記外周縁まで延在している複数の溝であって、該溝が溝ピッチで分離されていると共に、所定の溝曲率半径を有している複数の溝と、
隣接している溝の間で定義される頂部であって、該頂部が頂部曲率半径を有していると共に、該頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の約10倍よりも小さくされている頂部と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項42】
前記頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の5倍よりも小さくされていることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記頂部曲率半径が、前記溝曲率半径の3倍よりも小さくされていることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記溝が平面視で曲線状とされていることを特徴とする請求項41に記載の装置。
【請求項45】
前記溝が平面視で直線状とされていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−148923(P2006−148923A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334946(P2005−334946)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(591009509)ボーズ・コーポレーション (121)
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(591009509)ボーズ・コーポレーション (121)
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
【Fターム(参考)】
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