説明

ラクトバチルス株の免疫調節特性の改良

【課題】ラクトバチルス株の免疫調節特性を改良する特異的な方法の提供。
【解決手段】特定の培養条件の使用により、非病原性の抗炎症性細菌株の抗炎症性効果を増加させる方法を包含する、特異的な主要炭素源の培養基を用いてラクトバチルス株の免疫調節特性を改良する特異的な方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は免疫調節効果、例えばラクトバチルス種(Lactobacillus spp.)の特定の菌株の抗炎症性効果を、特定の培養条件の使用により増加させる方法、製品処方、製品、及びそのような細菌をホストの免疫調節目的、例えば炎症誘引剤により引き起こされた炎症の治療及び予防の目的で、使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際連合の食物及び農業組織(The Food and Agricultural Organization of the United Nations)はプロバイオティクスを「適量で投与した時ホストに健康利益を与える生きている微生物」と定義している。今日では、多くの様々な細菌、例えばラクトバチルス(Lactobacillus)及びビフィドバクテリア(Bifidobacteria)の株のような乳酸産生菌がプロバイオティクスとして用いられている。
【0003】
プレバイオティクスは「ホストの成長及び/又は活動を選択的に刺激することによりホストに好影響を与える非消化性食品成分、又はホストの健康を改良し得る限られた種類の大腸内細菌と定義されている。プレバイオティクスの標的は通常はビフィドバクテリア及びラクトバチルス類である。しかし、プレバイオティクスの選択性はいつも十分に確立されているわけではないので、有益な細菌叢だけを刺激することは達成が難しいかもしれない。プロバイオティク及びプレバイオティクアプローチの制限を緩和するためには、シンバイオティック(synbiotic)の形態で両者を組み合わせることが一つの解決になり得る。
【0004】
シンバイオティックはおよそ10年前にGibson及びRoberfroid(1995)により、「胃腸管(GT)における生菌栄養補助食品の生存と移植を改良することによりホストに好影響を与える、プロバイオティクスとプレバイオティクスの混合物」として定義された。プレバイオティクはプロバイオティクのための特異的な基質であり、その増殖及び/又は活動を刺激しながら、同時に生来の有益菌を増加させることができるはずである。
【0005】
乳酸産生菌はヒトや動物の健康への有益な効果のために用いられるだけでなく、食品産業の発酵プロセスにも広く用いられている。プロバイオティクスの効率は株特異性であり、株の各々は様々なメカニズムを介してホストの健康に貢献しうる。プロバイオティクスは病原菌の増殖を防止又は阻害し、病原菌による毒性因子の産生を抑制し、又は前炎症性若しくは抗炎症性の様式で免疫応答を調節することができる。プロバイオティクな乳酸産生菌であるラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)の様々な株の使用は乳児疝痛の改善、湿疹の緩和、職業病の発現の減少、そしてHelicobacter pylori感染の抑制のための有望な療法である。L.reuteriはヒトの胃腸管に生来備わっている微生物と考えられ、胃体部、胃前庭部及び回腸の粘膜上に存在している。例えば、米国特許番号第5,439,678、5,458,875、5,534,253、5,837,238、及び5,849,289参照。L.reuteri細胞が嫌気性条件の下、グリセロールの存在下で培養しているとき、ロイテリン(β−ヒドロキシプロピオンアルデヒド)として知られる抗菌物質を産生する。
【0006】
単球は骨髄を出発し、抹消血管を介して胃腸管の粘膜/漿膜に到達するまで運ばれる。これらの推定上のマクロファージは免疫系を調節するのに必要なシグナルの相互作用と伝達にとって重要である。例えば胃腸管においては、腸管腔内の及び腸管粘膜に付着した細菌に対して粘膜上皮のマクロファージに一定レベルの免疫応答がある。正常状態でこの応答はサイトカインシグナルの発生を引き起こし、不必要な炎症反応を制限し、抑制する。しかし、病原菌又は毒素がこれらの細胞に提示された場合、それらは防御の第一線を形成し、前炎症性サイトカインの産生量を増加させることにより応答し、これらのサイトカインは脅威が取り除かれるまで炎症反応を伝播する。片利共生的な(脅威のない)細菌との相互作用に関連したサイトカイン並びに病原菌に対する全炎症反応に関与するサイトカインの発生は、(表面抗原を含む)乳酸菌自体による、又はこれらの乳酸菌により産生された物質による介入を受ける。そして、片利共生的な微生物叢が粘膜のマクロファージと強い相互作用を有して腸内細菌叢へのバランスの取れた応答を維持し、それにより最適な健康を維持することは明らかである。
【0007】
様々な病原菌が例えば胃腸管において炎症を引き起こし得ることが知られている。例えば胃や胃腸管におけるこのような炎症は、病原菌により産生されるような抗原性刺激に応答して上皮でマクロファージや樹状細胞によって産生されるサイトカインとして知られる細胞間シグナルタンパク質によって仲介される。上皮と、病原菌又はそれによって産生されたエンドトキシン、例えばリポ多糖(LPS))の抗原との接触により、上皮における抗原提示細胞(樹状細胞を含む)はシグナルを生来のマクロファージに伝播し、次いでこれがいわゆるTh−1型応答として応答し、TNFα、IL−1、IL−6、IL−12を含む前炎症性サイトカインがマクロファージにより産生される。これらのサイトカインが次にナチュラルキラー細胞、T細胞、その他の細胞を刺激し、インターフェロンγ(IFNγ)を産生し、それが炎症の重要な仲介役となっている。IFNγは炎症反応と上述の反応であって細胞毒性につながる反応の段階的増大へと導く。生来のマクロファージはまた、Th−2型応答で抗原に応答することもある。この応答はIFNγにより抑制される。これらのTh−2型細胞はIL−4、IL−5、IL−9及びIL−10のような抗炎症性サイトカインを産生する。
【0008】
IL−10はIFNγの産生を阻害し、従って免疫応答を下げることが知られている。Th−1型及びTh−2型細胞とそれらのそれぞれのサイトカイン産生とのバランスによって特定の抗原への炎症反応の程度が決まる。Th−2型細胞はまた免疫系を介してイムノグロブリンの産生を刺激する。TNFαレベルの低い胃腸管における抗炎症活性は上皮細胞(腸壁内側全体)の増殖と相関性があり、従って胃腸管の病原菌や毒素によって引き起こされる悪影響の減少と相関する。
【0009】
炎症は哺乳類の幾つかの疾患に、外的にも(例えば、皮膚や眼)、内的にも(例えば、口腔、胃腸管(GI)、膣等の様々な粘膜だけでなく、筋肉、骨間接、心血管器官及び組織(血管や脳−組織等を含む)の様々な粘膜)関与し得る。胃腸管には例えば、胃炎、潰瘍、炎症性腸疾患(IBD)などの炎症に関連する疾患が幾つか存在する。これらの疾患は消化管の菌叢の不均衡や通常の消化管菌叢の成分に対する過剰炎症反応に結びついており、この反応は一連の異なる薬剤を用いても現在のところうまく治療できていない。そのうちの一つは胃腸管粘膜のTNFαのレベルを下げるようデザインされた抗TNFα療法に基づいている。他にも炎症に関連したいくつかの疾患として、歯肉炎、膣炎、アテローム性動脈硬化症、及び身体の様々な局所の菌叢の組成に関連すると考えられる様々な癌の形態がある。
【0010】
上述の抗TNFα療法の欠点を心に留めて鑑みれば、本発明者らがここに、規定の培地中でL.reuteriの特定の抗炎症性株を培養するために唯一の炭素源としてショ糖をグルコースに代えるとLPS刺激マクロファージのTNFα産生を有意に阻害することを示したときは肯定的な驚きがあったのである。従って、グルコースのような規定の炭素源で特定の抗炎症性ラクトバチルス株を培養すると、更に高い抗炎症特性を持ったL.reuteriの抗炎症性株を提供する機会が得られる。
【0011】
本発明から理解できるように、細菌が増殖するための炭素源を修飾することにより、前炎症性細菌株もまたその免疫調節の特性を修飾することができる。
【0012】
上述のように、抗炎症活性はすでに様々な乳酸菌と関連している。例えば、US7,105,336B2は、TNFα活性についてマウスマクロファージアッセイを用いて、哺乳類のH.pylori感染に関連した胃腸管炎症を減少させる能力に関して選択したラクトバチルス株を記載している。L.reuteriの抗炎症活性に言及したもう一つの特許出願はUS2008/0254011A1であり、これはBSH活性を増加し、その結果血清LDLコレステロールを減少させ、同時に心血管疾患の治療のために前炎症性サイトカインTNFαレベルを減少させる能力に関して選択した乳酸菌の株を記載している。
【0013】
US2006/0233775A1は腸疾患のような炎症を低減する能力に関して選択した乳酸菌の株の選択を記載している。しかし、上述の発明のいずれもTNFα産生の減少のために炭素源の選択に着目したものではない。
【0014】
Lactobacillus spp.の他の様々な活性を様々な糖の選択によって制御することは既に当業界では知られている。例えば、Avilaら(2009)は活性がグルコースの添加により下方制御されたことからα−L−ラムノシダーゼの調整には培養条件が重要であることを示した。
【0015】
グルコースとショ糖での培養の様子はArskoldら(2008)によって研究されている。糖源を選択することにより明らかにL.reuteri ATCC55730の培養性能に影響を与えることが示された。ショ糖での培養は高い増殖速度と適度なバイオマス収率をもたらし、一方グルコースでの培養は最大の比増殖速度と低いATPレベルをもたらした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしこれまで、培養基中の特定の炭素源がTNFα産生を制御できることを示した者はなかった。それ故、本発明の一つの目的は、例えばホストにおけるTNFα産生の低下によって見られるように、L.reuteriの既に抗炎症性の株の抗炎症効果を増大させることである。本発明のさらなる目的は、該株を含む製品を提供することであり、これはヒトへの投与のための炎症誘発剤により誘発された炎症の治療又は予防のための薬剤、並びに該株が増殖する馴化培地及びそのタンパク質含有抽出物も包含する。
【0017】
本発明の他の目的は、シンバイオティック製品を得るために、特定の炭素源とともに該株を含む製品を提供することである。本発明の更なる目的は、乳酸菌の抗炎症性株で既にコロニー形成された個体による消費用の糖のような特定の炭素源を提供することである。
【0018】
他の目的及び効果は以下の開示及び添付の特許請求の範囲によりさらに十分に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明はここに特定の炭素源を加えた培養基を用いて乳酸菌株の免疫調節特性を改良するための具体的方法を提供するものであり、これには特定の培養条件を使用することにより非病原性の抗炎症性菌株の抗炎症性効果を増大させる方法も包含される。
【0020】
本発明の主要な目的は、特定の培養条件を使用することにより乳酸菌の特定の菌株の、哺乳類における免疫調節効果を増大させることである。
【0021】
培養基中の炭素源の選択によりL.reuteriの抗炎症性株の抗炎症性効果を増大させることももう一つの目的である。
【0022】
本発明の他の目的は、培養基中に主要炭素源としてグルコース、ラクトース、フルクトース、デンプン、1,2−プロパンジオール、又はフルクトオリゴ糖のようなプレバイオティックとともに、抗炎症性L.reuteri株の抗炎症性効果を、TNF−α産生の低下が見られる哺乳類において、増大させることである。
【0023】
本発明の更なる目的は、該株を含む製品を提供することである。
【0024】
本発明の更なる目的は、シンバイオティック製品を得るために、該株を特定の炭素源と共に含む製品を提供することである。
【0025】
本発明の他の目的は、L.reuteriの抗炎症性株で既にコロニー形成された個体による消費用のプレバイオティックのような、胃腸管で消化されないように特定の炭素源を提供することである。
【0026】
従って本発明は、乳酸菌を特定の炭素源で培養することにより乳酸菌の免疫調節効果を増大させる方法を提供する。一つの態様では、その方法は抗炎症性乳酸菌の抗炎症性効果を増大させることを含み、グルコース、ラクトース、フルクトース、デンプン、及び1,2−プロパンジオールからなる群から選ばれる特定の炭素源を含む培地で乳酸菌を培養することを含む。好ましい態様では、特定の炭素源を含む培地で培養された抗炎症性乳酸菌は、Lactobacillus reuteriの抗炎症性株からなる。より好ましくは、L.reuteri株はATCC PTA6475又はATCC PTA5289である。
【0027】
本発明はまた、上記方法により製造された製品を提供する。一つの態様では、その製品は疾病の治療に使用するためのものであり、例えば個体における炎症の低減に使用するためのものである。
【0028】
本発明は更に、患者のTNFα産生を阻害するための方法であって、(a)グルコース、ラクトース、フルクトース、デンプン、及び1,2−プロパンジオールからなる群から選ばれる炭素源を含む培地でラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)の抗炎症性株を培養し、(b)ステップ(a)で培養した株を患者に経口投与するための製品に添加し、及び(c)該製品を投与して患者の炎症を低減することを含む、上記方法を提供する。
【0029】
本発明は更に、個体のTNFα産生の阻害及び/又は炎症の低減のための製品であって、グルコース、ラクトース、フルクトース、デンプン、及び1,2−プロパンジオールからなる群から選ばれる特定の炭素源とともに抗炎症性乳酸菌株を含む、上記製品を提供することである。
【0030】
一つの態様では、該特定の炭素源はカプセル化されている。
【0031】
その製品において、抗炎症性乳酸菌株は好ましくは抗炎症性Lactobacillus reuteri株であり、より好ましくはLactobacillus reuteri株はATCC PTA6475又はATCC PTA5289である。
【0032】
本発明はまた、上記の製品を含み、任意にさらに薬学的に許容できる添加剤を含む、経口投与に適した薬剤組成物を提供する。
【0033】
本発明の他の目的及び効果は読者に明らかになるであろうし、これらの目的及び効果は本発明の範囲内に入ることを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】唯一の炭素源として様々な糖で培養したL.reuteri ATCC5289の馴化培地がTNF−α阻害にどのように影響を与えるかを示すグラフ。
【図2】グルコースをショ糖で置き換えた場合(LDMIII培地)にL.reuteri馴化培地がTNF−α産生をどのように増加させるかを示すグラフ。
【図3】様々な炭素源で培養したL.reuteri DSM17938及びATCC PTA6475の馴化培地がTNF−α阻害にどのように影響を与えるかを示すグラフ。
【図4】L.reuteriと共に様々な炭素源がTNFα産生を阻害することができるかどうかを示す表である。(+)はTNFα産生の阻害を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)はヒト及び動物の消化管に天然に宿るヘテロ発酵型の乳酸菌種である。特定のプロバイオティックなL.reuteri株はヒトTNFα産生を強く抑制するが、他のプロバイオティックなL.reuteri株はヒトTNFα産生を増大させる。
【0036】
様々な炭素源で培養したL.reuteriの抗炎症性株がTNFα産生に如何に影響を与えるかを示すために、L.reuteri(ATCC5289)を唯一の炭素源として様々な糖とともに特定の培地中で後期静止期にまで嫌気的に培養した。驚くべきことに、炭素源としてグルコースで培養するとショ糖で培養した場合に比べてTNFαの産生が有意に減少したのである。結果を図1に示す。
【0037】
L.reuteriの様々な株の培養基中のグルコースとショ糖がTNFα産生に如何に影響を与えるかを同定するために研究を行った。TNF阻害性(ATCC PTA6475及びATCC PTA5289)であるか、又はTNF刺激性(ATCC55730及びCF483A)であることが既に知られているL.reuteriの株を唯一の炭素源としてグルコース又はショ糖とともに特定の培地中で後期静止期(24〜28時間)にまで嫌気的に培養した。これらの結果は、例えばL.reuteri ATCC PTA−6475株及びL.reuteri ATCC PTA−5289株で主要炭素としてショ糖を用いて培養すると、グルコースでの培養に比べて、ヒト細胞においてLPS刺激TNFαの産生を有意に増加させた(図2)。
【0038】
図2に示す結果はまた、例えば培養基によりL.reuteriの前炎症性株に影響を与える、即ち該株をより炎症性にする可能性があるという概念を想起させる。炎症性の増大は特定の疾患状態、例えば癌やアレルギーの防止において有用でありうる。
【0039】
他の炭素源の効果も研究した。L.reuteri(ATCC PTA6475、DSM17938)をグルコース、1,2−プロパンジオール又はデンプンを唯一の炭素源とする規定の培地で嫌気性条件化で後期静止期まで培養した。これらの結果から、DSM17938は唯一の炭素源として1,2−プロパンジオール又はデンプンで培養するとTNF阻害性になり、ATCC PTA6475は3種類のすべての炭素源について同様の結果を示したことを示している(図3)。
【0040】
さらにこのTNF阻害効果の増大は、L.reuteriが唯一の炭素源としてラクトースやフルクトースで規定した培地で培養した時も観察された(データとしては示さず)。
【0041】
グルコース、ラクトース、フルクトース、デンプン又は1,2−プロパンジオールで規定された培地で培養し、TNFα産生を減少させることのできるL.reuteriの株は、ATCC PTA6475、ATCC PTA5289、ATCC 4659、JCM1112、及びDSM20016を包含しているが、これらに限定されるものではない。L.reuteriにTNFα産生を減少させるように影響を与える炭素源のリストは図4に示すことができる。
【0042】
TNFα産生を減少させることができる株又は馴化培地を含む製品は、シンバイオティック製品を得るために、凍結乾燥後に例えばグルコースのような特定の炭素源で栄養補充することができる。
【0043】
乳酸菌と一緒にTNFα産生を減少させることができる炭素源は好ましくは、グルコース、ラクトース、フルクトース、デンプン、1,2−プロパンジオール、又は異なる重合度を有するフルクトオリゴ糖(例えば、Synergy 1(登録商標)(フルクトオリゴ糖とイヌリン、Oraftiの混合物)のようなプレバイオティックであるが、これらに限定されない。
【0044】
製品は好ましくは錠剤又はカプセルに製剤化されるが、これらに限定されない。
【0045】
炭素源は胃腸管では消化されないように製品中に一体化される。例えば、グルコースは錠剤又はカプセルに一体化される前に、選択されたLactobacillus株とともに、当業界で知られるようにマイクロカプセルに別々にカプセル化することができる。
【0046】
カプセル化されたグルコースのような特定の炭素源は抗炎症性株、例えばL.reuteriで既にコロニー形成されていることが知られている個体によって消費される。
【0047】
当業者にとって多くの修飾や変更が容易になされるので、本発明を示され記載されたままの構成や操作に限定することを望むものではなく、従ってあらゆる適切な修飾や等価物は本発明の範囲に再分類され、また範囲内に入るものである。
【実施例】
【0048】
実施例1
様々な糖源で培養したL.reuteri ATCC5289を含む馴化培地はTNFα阻害に影響を与える
【0049】
THP−1細胞を馴化培地(CM)と一緒にL.reuteri ATCC5289の培養からインキュベートした。馴化培地は、唯一の炭素源として一つの特定の糖で栄養補給したLDMIII(S.Jones及びJ.Versalovic,BMC Microbiol.2009;9:35)で培養したL.reuteri ATCC5289の24時間培養物からの無細胞上清である。THP−1細胞は対照培地又はE.coli由来のLPS(通常の炎症反応においてTNFαの発生へと導く)又はPCKで3.5時間のインキュベーションの間、刺激し、その後で細胞を取り除き、上清を当業界で知られるELISA法を用いてTNFαレベルについてアッセイした。
【0050】
材料と方法
主要な試薬、菌株及び哺乳類細胞系
L.reuteri株をdeMan、Rogosa,Sharpe(MRS;Difco,Franklin Lakes,NJ)又はLDMIII(pH6.5)で、LDM培地組成については単一糖源(以下の使用糖源のリスト参照)で培養した。10%CO、10%H及び80%Nの混合物を供給した嫌気性のチェンバー(1025嫌気システム、Forma Scientific,Waltham,MA)をラクトバチルスの嫌気性培養に用いた。
【0051】
バイオガイア社(Biogaia AB,Raleigh,NC)はL.reuteri株ATCC PTA5289を提供した。THP−1細胞(ATCC TIB−202)を10%ウシ胎児血清(Invitrogen、Carlsbad,CA)を補給したRPMI1640で37℃、5%COで維持した。すべての化学試薬は特に断りのない限り、Sigma−Aldrich(St Louis,MO)から得たものである。バイオフィルム及び組織培養実験のためにポリスチレン96穴又は24穴のプレートをCorning社(Corning、NY)から得た。ポリビニリデンフルオリド膜のフィルター(0.22mm孔径)(Millipore,Bedford,MA)を滅菌に用いた。
【0052】
LDMIII培地に使用した糖源
・D−グルコース(G8270,>99.5%グルコース,Sigma)
・ショ糖(S9378,99.9%ショ糖,Sigma)
・D−ガラクトース(G0750,>99%ガラクトース,Sigma)
・ラフィノース(R0260,>98%ラフィノース,Sigma)
・フルクトオリゴ糖、ラフチローズ(Raftilose)、(Orafti(登録商標)P95、平均重合度=11、92%フルクトオリゴ糖、8%グルコース、フルクトース及びショ糖、Beneo Orafti)
・フルクトオリゴ糖とイヌリンの1:1混合物(Orafti(登録商標)Synergy1、92%フルクトオリゴ糖及びイヌリン、8%グルコース、フルクトース及びショ糖、Beneo Orafti)
【0053】
免疫修飾実験のためのL.reuteri培養物由来の無細胞上清の調製
免疫修飾実験のために、単一炭素源のLDMIIIの10mLをL.reuteri培養物とともにインキュベートし(MDSブロスで一晩16〜18時間培養)、OD600=0.1に調整した。次いで細菌を嫌気性条件下37℃で24時間インキュベートした。最終的なOD600を測定し、異なる糖源での増殖偏差の可能性を考慮して、LDMをすべての試料について同じODになるまで希釈した。細胞をペレット化し(4000xg、室温、10分)、捨てた。上清をフィルターで滅菌した(0.22μm孔径)。アリコートを真空乾燥し、RPMIを用いて元の体積にまで再懸濁した。
【0054】
TNF阻害実験
先に記載されているように(Linら、2008)、L.reuteriの浮遊細胞(5%v/v)及びE.coli O127:B8 LPS(100ng/mL)の無細胞上清をヒトTHP−1細胞(およそ5x10細胞)に加えた。プレートを37℃、5%COで3.5時間インキュベートし、THP−1細胞をペレット化し(1500xg、5分、4℃)、単球細胞上清中のTNF量を定量的ELISA(R&D Systems、Minneapolis,MN)により定量した。RPMIと培地(Media)はともに対照として用いた(典型的にはRPMI95%、Media=LDM5%)。
【0055】
結果
1)Synergy1(BENEO−Orafti Inc.2740 Route 10 West Morris Plains,NJ07950,USA);2)グルコース;3)ラフチローズ;4)ガラクトース;5)ラフィノース;及び6)ショ糖の存在下でTHP−1細胞にLPSを添加したところ、3.5時間のインキュベーション時間の間、それぞれ、1)TNFα 145.3pg/ml、2)TNFα 104.3pg/ml、3)TNFα 204.3pg/ml、4)TNFα 260pg/ml、5)TNFα 517.8pg/ml、及び6)TNFα 347.9pg/mlの生成を見た。CM添加について対照として作用する培養基(RPMI及びLDM)の添加により、それぞれ396pg/mlと352pg/mlのTNFαの生成を見た。この結果は、唯一の炭素源としてのグルコース及び/又はSynergy1は、RPMI及びLDM対照と比較してTNFα産生を50%超阻害したことを示している。これは株をショ糖又はラフィノースで培養した時には見られなかったことである。その結果を図1に示す。株のないLDM+各糖のみも試みて、糖がTNF応答の変化の直接の原因ではないことを確認した(結果は示さず)。
【0056】
実施例2
TNF阻害性(ATCC PTA6475及びATCC PTA5289)又はTNF刺激性(ATCC 55730及びCF483A)であることが既に知られ、異なる糖源でL.reuteriの株を培養した馴化培地はTNFα阻害に影響を与える
【0057】
THP−1細胞を、グルコースで培養した選択されたL.reuteri株、L.reuteri ATCC PTA−6475、L.reuteri ATCC PTA−5289、L.reuteri ATCC55730及びL.reuteri株CF48−3A、並びにショ糖で培養した同じ株(複数)の培養由来の馴化培地(CM)と一緒にインキュベートした。THP−1細胞を3.5時間インキュベーションの間、対照培地(LDMIII)又はE.coli由来LPSで刺激し、その後細胞を除去し、上清をELISA法を用いてTNFαレベルについてアッセイした。グルコースをショ糖で置き換えたLDMIIIを対照として使用した。
材料と方法は実施例1と同じにした。
【0058】
結果
結果(図2参照)は、2種の抗炎症性株L.reuteri ATCC PTA−6475及びL.reuteri ATCC PTA−5239のL.reuteri馴化培地が、LDMIIIにおいてグルコースをショ糖で置き換えると、TNFα産生を増加させることを示している。
【0059】
実施例3
唯一の炭素源としてグルコースで培養したL.reuteri ATCC PTA−5289の馴化培地の処方
【0060】
実施例1の方法を用いて、効率的にTNFαを減少させる一つの株由来の馴化培地を選択した。この実施例では、唯一の炭素源としてグルコースで培養したL.reuteri ATCC PTA−5289由来の培地を選択した。この培地は、de Man,Rogosa,Sharpe(MRS)(Difco,Spark,MD)で株を培養する ことにより、より大きなスケールで生産した。ラクトバチルスの終夜培養物を1.0のOD600にまで希釈し(約10細胞/ml)、さらに1:10に希釈し、更に24時間培養した。細菌細胞のない馴化培地を4℃で10分間8500rpmで遠心分離により収集した。馴化培地を細胞ペレットから分離し、次いで0.22μm孔フィルターユニット(Millipore,Bedford,Mass.)で濾過した。馴化培地を次いで凍結乾燥し、標準的な方法を用いて処方して錠剤を作った。
【0061】
実施例4
凍結乾燥L.reuteriATCC PTA−5289粉末の標準法による処方(凍結乾燥後グルコースで補充)
【0062】
発酵培地組成
デキストロース一水和物 60g/l
酵母抽出液 KAV 20g/l
ペプトン型PS(ブタ起源)20g/l
クエン酸水素二アンモニウム 5g/l
酢酸ナトリウム(x3HO) 4.7g/l
リン酸水素二カリウム 2g/l
Tween80 0.5g/l
シリビオン(Silibione)(制泡) 0.14g/l
硫酸マグネシウム 0.10g/l
硫酸マンガン 0.03g/l
硫酸亜鉛七水和物 0.01g/l
水 適量
【0063】
遠心分離媒体
Pepton O−24 Orthana(ブタ起源)
【0064】
抗凍結剤
ラクトース(ウシ起源) 33%
ゼラチン加水分解物(ウシ起源) 22%
グルタミン酸ナトリウム 22%
マルトデキストリン 11%
アスコルビン酸 11%
【0065】
凍結乾燥乳酸菌粉末の製造工程
1.20mlの培地をワーキングセルバンクのバイアルから凍結乾燥乳酸菌粉末の0.6mlとともにインキュベートする。発酵はボトルの中で37℃で18〜20時間、攪拌やpH調整をすることなく、即ち静止状態で行う。
2.1リットルのフラスコ2本の培地をリットルあたり9mlの細胞スラリーでインキュベートする。発酵は37℃で20〜22時間、攪拌やpH調整をすることなく、即ち静止状態で行う。
3.工程2で得られた1リットルの細胞スラリー2つを600リットルの容器に接種する。発酵は37℃で13時間、攪拌やpH調整とともに行う。発酵の開始時のpHは6.5である。pHが5.4を下回ると20%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH調整を開始する。pH調整はpH5.5に設定する。
4.4回目と最終の発酵工程を、工程3で得た接種物を用いて15000リットルの容器で行う。発酵は37℃で9〜12時間、攪拌やpH調整とともに行う。発酵の開始時のpHは6.5である。pHが5.4を下回ると20%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH調整を開始する。pH調整はpH5.5に設定する。発酵は培養物が静止相に到達すると終了し、これは水酸化ナトリウム溶液の添加が減少することによって知ることができる。およそ930リットルの水酸化ナトリウム溶液を、発酵の間に10200リットルの培地と600リットルの接種物に添加する。
【0066】
5.最終発酵で得られた細胞スラリーを10℃で二度Alfa Lavalから連続遠心で分離する。最初の遠心分離の後、細胞スラリーの体積をおよそ11730リットルから1200リットルに減じる。この体積を3000リットル容器中で1200リットルのペプトン(Pepton O−24、Orthana)溶液で洗浄し、抗凍結剤と混合する前に再び分離する。ペプトンでの洗浄工程は凍結乾燥プロセスでの凍結点降下を防止するために行う。
6.二度目の遠心分離の後、細胞スラリーの体積を495リットルに減じる。この体積を156kgの抗凍結剤溶液と混合し、およそ650リットルの細胞スラリーとする。
7.細胞スラリーを1000リットルの容器にポンプで汲み上げる。次いで容器を凍結乾燥プラントに移す。
8.凍結乾燥プラントで、正確に2リットルの細胞スラリーを凍結乾燥機内の各プレートに注ぐ。凍結乾燥機の最大キャパシティは600リットルであり、過剰な細胞スラリ体積はすべて廃棄する。
9.Lactobacillus reuteriの細胞スラリーは18%の乾燥物含量を有し、4〜5日間凍結乾燥する。
10.凍結乾燥プロセスの間、プロセス中の圧力は0.176mbarと0.42mbarの間である。真空ポンプは圧力が0.42mbarに到達したときに開始する。PRT(加圧試験)を用いてプロセスが終了した時を決定する。もしPRT又は圧力の増加が120秒後に0.02mbar未満であれば、プロセスは停止する。
【0067】
凍結乾燥Lactobacillus reuteriを次いでグルコースで補充し、標準的な方法を用いて、例えば実施例6に記載したように処方して錠剤又はカプセルを作った。
【0068】
実施例5
凍結乾燥L.reuteri ATCC PTA−5289の唯一の炭素源としてショ糖との処方
【0069】
これは、発酵の間デキストロースの代わりに唯一の炭素源としてショ糖を用いた以外は実施例4に記載されたようにして行った。
【0070】
凍結乾燥L.reuteriを次いで、標準的な方法を用いて、例えば実施例6に記載したように処方して錠剤又はカプセルを作った(ただしグルコースの添加は行わなかった、段落4)。
【0071】
実施例6
選択された株を含む製品の製造
【0072】
この実施例では、錠剤に株を添加するために、L.reuteri(ATCC PTA−5289)を一般的に優れた抗炎症特性とTNF−阻害特性に基づいて選択する。L.reuteri株を、実施例4から読めるように工業的にLactobacillusを培養するために標準的な方法を用いて、培養し、凍結乾燥する。
【0073】
カプセル化したグルコースを含めた後に、選択した株を含む錠剤を製造するプロセスの一例の工程を行う(ただし、当業界で知られているような添加剤、充填剤、香味料、カプセル剤、潤滑剤、アンチケーキング剤、甘味料、及び錠剤製品の他の成分を製品の効果に影響を与えることなしに用いてもよい。)。
【0074】
1 融解。容器内でSOFTISAN(登録商標)154(SASOL GMBM,Bad Homburg,Germany)を融解し、70℃に加熱し、結晶構造を完全に破壊する。次いで52〜55℃に冷却する(凝固点のすぐ上)。
2 顆粒。Lactobacillus reuteri凍結乾燥粉末をDiosna高剪断力混合機/造粒機、又はその等価物に移す。およそ1分の間に、融解したSOFTISAN(登録商標)154をLactobacillus reuteri粉末にゆっくりと添加する。添加の間はチョッパーを用いる。
3 湿潤篩い分け。造粒後ただちに、顆粒をTornadoミルを用いて1mm篩網に通す。篩い分けされた顆粒をPVCコートアルミホイルからなるアルポウチに包み、乾燥ポウチとともにヒートシーラーで密封してポウチを形成し、混合するまで冷蔵保存する。顆粒のバッチを2つの錠剤バッチに分ける。
【0075】
4 当業界で知られている標準的なマイクロカプセル化方法を用いてカプセル化されたカプセル化D−グルコース(G2870、>99.5%グルコース、Sigma)を添加する。糖の量はL.reuteriの添加粉末の全CFUに依存し、標準的なレベルは細菌の1x10の全CFU当たり1グラムの糖であってもよいが、下は0.1グラム又は0.01グラム、上は10グラム、更には100グラムの糖まで変化してもよい。
5 混合。全内容物を混合機で均一ブレンドになるまで混合する。
6 圧縮。最終的なブレンドを回転錠剤プレスのホッパーに移し、Kilianコンプレッサーで765mgの全重量で錠剤を圧縮する。
7 バルクパッケージング。錠剤をモレキュラーシーブの乾燥ポウチと一緒にアルバッグ(alu−bags)にパックする。アルパックをプラスチックバケツに入れ、最終パッケージの前に少なくとも一週間冷所に保存する。
【0076】
SOFTISAN(登録商標)、加水分解ヤシ油の使用によりLactobacillus細胞を脂肪の中にカプセル化し、環境的に保護することが可能になる。
【0077】
上述のように、本発明の製品は錠剤以外の形態であってもよく、当業界で知られているような基本的な製品を調製する標準的な方法を、選択したL.reuteri培養物を含む本発明の製品を調製するために有益に用いることができる。
【0078】
実施例7
大腸炎に罹患した女性患者を実施例4で製造した製品で治療する。患者は朝と夜、一日に二度処置を受ける。
【0079】
2週間後、大腸の炎症は有意に減少する。L.reuteri治療を中止すると、状態は元に戻るが、L.reuteriの定期的な投与により抑制される。
【0080】
本発明を具体的な実施例により記載したが、多くの変更、修飾及び態様が可能であり、従ってすべてのそのような変更、修飾及び態様は本発明の精神と範囲の内にあるとみなされるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特異的な炭素源上で乳酸菌を培養することにより乳酸菌の免疫調節効果を増大させる方法。
【請求項2】
抗炎症性乳酸菌の抗炎症性効果を増大させることを含み、グルコース、ラクトース、フルクトース、デンプン、及び1,2−プロパンジオールからなる群から選ばれる特異的な炭素源を含む培地で該乳酸菌を培養することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記抗炎症性乳酸菌がラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)の抗炎症性株からなる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)株がATCC PTA6475である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)株がATCC PTA5289である、請求項3記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により製造された製品。
【請求項7】
疾患の治療に使用するための、請求項6に記載の製品。
【請求項8】
個体における炎症の低減に使用するための、請求項6に記載の製品。
【請求項9】
患者のTNFα産生を阻害するための方法であって、(a)グルコース、ラクトース、フルクトース、デンプン、及び1,2−プロパンジオールからなる群から選ばれる炭素源を含む培地でラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)の抗炎症性株を培養し、(b)ステップ(a)で培養した株を患者に経口投与される製品に添加し、及び(c)該製品を投与して患者の炎症を減少させることを含む、上記方法。
【請求項10】
個体のTNFα産生の阻害及び/又は炎症の減少のための製品であって、グルコース、ラクトース、フルクトース、デンプン、及び1,2−プロパンジオールからなる群から選ばれる特定の炭素源とともに抗炎症性乳酸菌株を含む、上記製品。
【請求項11】
前記特異的な炭素源がカプセル化されている、請求項10記載の製品。
【請求項12】
前記抗炎症性乳酸菌株が抗炎症性ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)株である、請求項10又は11記載の製品。
【請求項13】
前記ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)株がATCC PTA6475である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)株がATCC PTA5289である、請求項12記載の方法。
【請求項15】
請求項6及び10〜14のいずれか一項に記載の製品を含み、任意にさらに薬学的に許容できる添加剤を含む、経口投与に適した薬剤組成物。


【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−518573(P2013−518573A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551612(P2012−551612)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051498
【国際公開番号】WO2011/095526
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(504186725)バイオガイア・エイ・ビー (4)
【Fターム(参考)】