説明

ラジカルにより重合可能なN、O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドを基礎にした歯科材料

【課題】ラジカル重合により極めて迅速に硬化され得る歯科材料を提供すること。
【解決手段】本発明は、少なくとも一般式(I)の重合可能なN,O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドを含むことに特徴がある歯科材料を提供する。本発明はまた、歯科材料として、または歯科材料、すなわち、歯科材料としての使用のための材料の調製のための、一般式(I)のアミドの使用である。本発明による一般式(I)の重合可能なN,O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドは、異なるタイプおよび反応性のモノマーを表し、これは、必要に応じてその他の重合可能な成分との混合物で、適切なラジカル開始剤の存在下、熱による共重合によるか、または可視、UVまたはIR範囲の光の照射に際し、機械的に安定なコーティングまたは形状化体を生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤、被覆またはコンポジットの調製のための歯科材料のための架橋剤および/または接着剤モノマーとしてのラジカルにより重合可能なN、O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル酸またはメタクリル酸のアミドは、補綴具(GB−A−1 039 750)、または歯科接着剤(DE−A−2 316 603、US−A−3 926 870、US−A−5 011 868)のためのポリマーの調製のためのコモノマーとして公知である。さらに、選択的に置換されたアクリルアミドまたはメタクリルアミドは、歯科接着剤中の有効な接着剤成分として適切であり、これは、例えば、US−A−3 660 343またはEP−A−0 394 792の主題であるか、またはKitohら(非特許文献1、非特許文献2を参照のこと)に記載されている。最終的に、従来のジメタクリレート架橋剤と比較されるそれらの改良された加水分解安定性のために、多官能性(メタ)アクリルアミドは、水−酸 エナメル質−象牙質接着剤のための架橋剤として(非特許文献3;US−A−6 953 832を参照のこと)、そしてまた自己接着性複合物のために(非特許文献4を参照のこと)特に適している。
【0003】
N−アルコキシ−N−アルキルアミドはまた、Weinrebアミドとも呼ばれ、現代有機化学合成において、例えば、立体的要求ケトンの合成のため、またはエナンチオ選択的Diels−Alder反応のための基質として確立された中間産物である(非特許文献5)。Weinrebアミドは、例えば、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンの対応する酸塩化物でのアシル化により容易にアクセスされ得る。このWeinrebアミドはまた、かなりの安定性によって特徴付けられ、そしてそれ故、慣習上の方法によって、例えば、結晶化、蒸留またはクロマトグラフィーにより精製され得る。とりわけ、N−メトキシ−N−メチルアクリルアミドは、重合可能なN,O−官能化カルボン酸ヒドロキシアミドとして知られる(非特許文献6を参照のこと)。その一方、歯科材料の調製のための重合可能なN,O−官能化カルボン酸ヒドロキシアミドの使用は記載されていない。
【非特許文献1】J.Appl.Polym.Sci.39(1990)103
【非特許文献2】J.Appl.Polym.Sci.51(1994)2021
【非特許文献3】N.Moszner、F.Zeuner、J.Angermann、U.K.Fischer、V.Rheinberger、Macromol.Mater.Eng.288(2003)621
【非特許文献4】N.Moszner、U.K.Fischer、J.Angermann、V.Rheinberger、Dent.Mater.22(2006)1157
【非特許文献5】M.Mentzel、H.M.R.Hoffmann、J.prakt.Chem.330(1997)517
【非特許文献6】U.K.Fischer、N.Moszner、F.Zeuner、V.Rheinberger、Tagungsband der GDCh−Fachgruppentagung Polymers&Coatings[conference booklet of the German Chemical Society]、24.−26.09.2006、Mainz、82頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ラジカル重合により極めて迅速に硬化され得る歯科材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、ラジカル重合により極めて迅速に硬化され得る歯科材料を提供することであり、ここで、適用の分野に依存して、架橋材料(コンポジットまたはコーティング)および/または硬い歯の表面に接着する材料(接着剤、コンポジットまたはコーティグ)が形成され、これは、それ故、歯科目的のために特に適している。
【0006】
本発明は、例えば、上記課題を解決するために以下の項目を提供する。
【0007】
(項目1)少なくとも一般式(I)の重合可能なN,O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドを含むことを特徴とする歯科材料であって、
【0008】
【化1】

ここで、
Aは、n+m価の線状または分岐脂肪族C〜C50の基(ラジカル)であって、ここで炭素鎖が、O、S、−CO−O−、CO−NH、O−CO−NHまたはNH−CO−NHによって中断され得るか、n+m価の芳香族C〜C18のラジカルもしくはn+m価の脂環式または複素環のC〜C18ラジカルであって、ここで、そのラジカルが、1つ以上の置換基を保持し得、
Yは、存在しないか、またはO、S、エステル、アミドまたはウレタン基であり、
は、水素、1つ以上の置換基を保持し得る脂肪族C〜C20アルキルまたはC〜Cシクロアルキルラジカルであり、
は、HまたはC〜C10アルキルラジカルであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜C16のアルキレンラジカルであり、
HGは、存在しないか、または−COOH、−P=O(OH);−P=O(OH)(OR);−O−P=O(OH)、−SOOHまたは−O−P=O(OH)(OR)であり、
は、C〜C15アルキルラジカル、フェニルまたはベンジルラジカルであり、そして
nは、1〜5の数であり、そして
mは、0〜3の数である、歯科材料。
【0009】
(項目2)上記ラジカルAにおける1つ以上の置換基が、C〜Cのアルキル基、Cl、BrおよびOHからなる群から選択されることを特徴とする、項目1に記載の歯科材料。
【0010】
(項目3)上記ラジカルRにおける1つ以上の置換基が、Cl、BrおよびOHからなる群から選択されることを特徴とする、項目1または項目2に記載の歯科材料。
【0011】
(項目4)Aは、n+m価の鎖状または分岐脂肪族のC〜C30のラジカルであって、ここで炭素鎖が、O、−CO−O−またはO−CO−NHで中断され得るか、n+m価の芳香族のC〜C10のラジカルもしくはn+m価の脂環式のC〜C18のラジカルであって、ここでそのラジカルが、1つ以上の置換基を保持し得、
Yは、存在しないか、またはO、エステルまたはウレタン基であり、
は、脂肪族のC〜Cアルキルまたはシクロアルキルラジカルであり、
は、HまたはCHであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜C12アルキレンラジカルであり、
HGは、存在しないか、−COOH、−P=O(OH)、−O−P=O(OH)、−SOOHまたは−O−P=O(OH)(OR)であり、
は、C〜Cアルキルラジカルであり、
nは、1〜3の数であり、そして
mは、0〜2の数であることを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載の歯科材料。
【0012】
(項目5)上記ラジカルAにおける1つ以上の置換基が、C〜Cアルキル基およびOHからなる群から選択されることを特徴とする、項目4に記載の歯科材料。
【0013】
(項目6)Aは、n+m価の鎖状または分岐脂肪族のC〜C12のラジカル、n+m価の脂環式のC〜C12のラジカル、またはn+m価の芳香族のC〜C10のラジカルであり、
Yは、存在しないか、またはエステル基であり、
は、C〜Cアルキルであり、
は、HまたはCHであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜Cアルキレンラジカルであり、
HGは、存在しないか、または−COOH、−P=O(OH)、−OP=O(OH)、−OP=O(OH)(OC)または−SOOHであり、
nは、1、2または3であり、そして
mは、0または1であることを特徴とする、項目1〜5のいずれか1項に記載の歯科材料。
【0014】
(項目7)Aは、n+m価の鎖状または分岐脂肪族のC〜Cのラジカル、n+m価の脂環式Cラジカル、またはn+m価の芳香族のCのラジカルであり、
Yは、存在しないか、または−COO−であり、
は、メチル、エチルまたはプロピルであり、
は、HまたはCHであり、
は、存在しないか、またはペンチレンであり
HGは、存在しないか、または−COOH、−P=O(OH)、−OP=O(OH)、−OP=O(OH)(OC)または−SOOHであり、
nは、1、2または3であり、そして
mは、0または1であることを特徴とする、項目6に記載の歯科材料。
【0015】
(項目8)少なくとも1つの重合開始剤を含むことを特徴とする、項目1〜7のいずれか1項に記載の歯科材料。
【0016】
(項目9)少なくとも1つのさらなる重合可能な希釈モノマーを含むことを特徴とする、項目1〜8のいずれか1項に記載の歯科材料。
【0017】
(項目10)少なくとも1つのさらなる架橋モノマーを含むことを特徴とする、項目1〜9のいずれか1項に記載の歯科材料。
【0018】
(項目11)少なくとも1つの充填剤を含むことを特徴とする、項目1〜10のいずれか1項に記載の歯科材料。
【0019】
(項目12)少なくとも1つの溶媒を含むことを特徴とする、項目1〜11のいずれか1項に記載の歯科材料。
【0020】
(項目13)材料の総質量に対して、
(a)1〜95重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜70重量%の希釈モノマー、
(c)0〜70重量%の架橋モノマー、
(d)0.1〜5.0重量%の重合開始剤、および
(e)0〜80重量%の充填剤、
(f)0〜70重量%の溶媒、
(g)0〜70重量%の接着モノマー、を含むことを特徴とする、項目1〜12のいずれか1項に記載の歯科材料。
【0021】
(項目14)(a)5〜70重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜40重量%の希釈モノマー、
(c)0〜40重量%の架橋モノマー、
(d)0.2〜2.0重量%の重合開始剤、および
(e)0〜50重量%の充填剤、
(f)0〜50重量%の溶媒、
(g)0〜50重量%の接着モノマー、を含むことを特徴とする、項目13に記載の歯科材料。
【0022】
(項目15)項目1〜7のいずれか1項で規定される一般式(I)のアミドの歯科材料としての使用。
【0023】
(項目16)項目1〜7のいずれか1項で規定される一般式(I)のアミドの歯科材料の調製のための使用。
【0024】
(項目17)上記歯科材料が、項目8〜14のいずれか1項に規定される組成を有することを特徴とする、項目15または16のいずれか1項に記載の使用。
【0025】
(項目18)上記歯科材料が、歯科接着剤、コーティング材料、充填材料または歯科セメントであることを特徴とする、項目15〜17のいずれか1項に記載の使用。
【0026】
(要旨)
少なくとも一般式(I)の重合可能なN,O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドを含むことを特徴とする歯科材料であって、
【0027】
【化18】

ここで、
Aは、n+m価の線状または分岐脂肪族C1〜C50の基(ラジカル)であって、ここで炭素鎖が、O、S、−CO−O−、CO−NH、O−CO−NHまたはNH−CO−NHによって中断され得るか、n+m価の芳香族C〜C18のラジカルもしくはn+m価の脂環式または複素環のC〜C18ラジカルであって、ここで、該ラジカルが、1つ以上の置換基を保持し得、
Yは、存在しないか、またはO、S、エステル、アミドまたはウレタン基であり、
は、水素、1つ以上の置換基を保持し得る脂肪族C〜C20アルキルまたはC〜Cシクロアルキルラジカルであり、
は、HまたはC〜C10アルキルラジカルであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜C16のアルキレンラジカルであり、
HGは、存在しないか、または−COOH、−P=O(OH);−P=O(OH)(OR);−O−P=O(OH)、−SOOHまたは−O−P=O(OH)(OR)であり、
は、C〜C15アルキルラジカル、フェニルまたはベンジルラジカルであり、そして
nは、1〜5の数であり、そして
mは、0〜3の数である、歯科材料。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
この目的は、本発明により、少なくとも一般式(I)の重合可能なN,O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドを含むことに特徴がある歯科材料によって達成され、
【0029】
【化2】

ここで、
Aは、n+m価の線状または分岐脂肪族C〜C50の基(ラジカル)であって、ここでこの炭素鎖は、O、S、−CO−O−、CO−NH、O−CO−NHまたはNH−CO−NHによって中断され得るか、n+m価の芳香族C〜C18のラジカルもしくはn+m価の脂環式または複素環のC〜C18ラジカルであって、ここで、これらラジカルは、1つ以上の置換基を保持し得、
Yは、存在しないか、またはO、S、エステル、アミドまたはウレタン基であり、
は、水素、1つ以上の置換基を保持し得る脂肪族C〜C20アルキルまたはC〜Cシクロアルキルラジカルであり、
は、HまたはC〜C10アルキルラジカルであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜C16のアルキレンラジカルであり、
HGは、存在しないか、−COOH、−P=O(OH);−P=O(OH)(OR);−O−P=O(OH)、−SOOHまたは−O−P=O(OH)(OR)であり、
は、C〜C15アルキルラジカル、フェニルまたはベンジルラジカルであり、そして
nは、1〜5の数であり、そして
mは、0〜3の数である。
【0030】
本発明の主題はまた、歯科材料として、または歯科材料、すなわち、歯科材料としての使用のための材料の調製のための、一般式(I)のアミドの使用である。
【0031】
歯科材料は、本発明に従って、歯充填材料、インレーまたはアンレーのための材料、歯セメント、クラウンおよびブリッジのための化粧張り材料、義歯のための材料または補綴具のためのその他の材料、保存的および予防的歯学のためのその他の材料が意味される。
【0032】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、添付の従属する請求項に記載されている。
【0033】
本発明による一般式(I)の重合可能なN,O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドは、異なるタイプおよび反応性のモノマーを表し、これは、必要に応じてその他の重合可能な成分との混合物で、適切なラジカル開始剤の存在下、熱による共重合によるか、または可視、UVまたはIR範囲の光の照射に際し、機械的に安定なコーティングまたは形状化体を生じる。重合可能または官能基の選択および数は、一般式(I)の本発明による重合可能なN,O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドの異なるタイプ間でなされる区別を可能にし:
−n=1、m=0:単官能性のN,O−官能化アクリルアミド、
−n=2〜5、m=0:架橋剤として用いられ得る多官能性のN,O−官能化アクリルアミド、
−n=1、m=1:酸接着基を保持する単官能性のN,O−官能化アクリルアミド
−n=2〜5、m=1:酸接着基を保持する架橋、多官能性のN,O−官能化アクリルアミド、および
−n=2〜5、m=2〜3:いくつかの酸接着基を所有する架橋、多官能性のN,O−官能化アクリルアミド、である。
【0034】
従って、本発明による一般式(I)の重合可能なN,O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドの選択に依存して、異なる性質および異なる歯科適用をもつ材料が調製され得る。
【0035】
従って、多官能性のN,O−官能化アクリル酸アミド(n=2〜5、m=0)は、特に、コンポジットまたはセメントのための架橋成分として適切であり、ここで、硬化された材料の、例えば、弾性率のような架橋密度、または、それ故、機械的性質は、増加する官能性とともに、すなわち、増加するnとともに増加または改善する。このような材料の架橋密度はまた、単官能性のN,O−官能化アクリル酸アミド(n=1、m=0)との共重合によって低減され得る。
【0036】
酸接着基を保持する単官能性のN,O−官能化アクリルアミド(n=1、m=1)は、接着剤の調製において接着モノマーとして用いられ得る。多官能性の架橋N,O−官能化アクリル酸アミドのこれら接着剤への選択的付加により、それらの硬化速度は増加され得、ここで、架橋の結果として、接着剤コートの膨潤度は減少し、そしてその強度は増加する。
【0037】
あるいは、酸接着基を保持する上記のすべての架橋多官能性のN,O−官能化アクリル酸アミド(n=2〜5、m=1)、またはいくつかの酸接着基を所有する架橋多官能性のN,O−官能化アクリル酸アミド(n=2〜5、m=2〜3)でさえ、このような迅速に硬化する接着剤のために用いられ得る。
【0038】
最後に、1つ以上の酸接着基を保持し、そして1つ以上のN,O−官能化アクリル酸アミドを保持するN,O−官能化アクリル酸アミドは、歯科コンポジット、セメントまたはコーティング材料の成分として用いられ得る。対応する材料は、次いで、自己接着性性質を示す。
【0039】
本発明による一般式(I)のN,O−官能化アクリルアミドは、アミド結合を形成するための有機化学から公知の方法(Methoden der Organischen Chemie、HOUBEN−WEYL、Vol.E5 1985、Georg Thieme Verlag p. 941 ff.を参照のこと)を用いて、N,O−官能化アクリル酸アミンのアクリル酸ハロゲン化物(CH=CRCOX、X=ClまたはBr)との反応により調製され得る。
【0040】
【化3】

対応する酸塩化物は、好ましくは、等モル量の補助塩基、例えば、トリエチルアミンまたはピリジンの存在下で用いられる(以下の特定の例では、R=CH、R=H、A=C12、n=2;Y、RおよびHGはなしで済ませられる):
【0041】
【化4】

ここで用いられる二級N−メトキシアミンは、二級アミンの合成(W.Kurosawa、T.Kan、T.Fukuyama、Org.Synth.79(2002)186を参照のこと)に類似の2−ニトロベンゼンスルホニル保護基を経由して調製され得る。例えば、上記の1,6−ジ(N−メトキシアミノ)ヘキサンは、1,6−ジブロモヘキサンのN−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルファミドとの反応、および形成されたスルファミドのチオフェノール(Ph−SH)での脱保護によって得られ得る。必要なメトキシ−2−ニトロベンゼンスルファミドは、O−メチルヒドロキシアミンヒドロクロライドの2−ニトロベンゼンスルホニルクロライドとの反応により容易に合成され得る。
【0042】
【化5】

同様に、一般構造R−O−NHのその他のヒドロキシルアミン誘導体もまた反応され得る。これらのヒドロキシルアミン誘導体は、対応するアルコールR−OHを、トリフェニルホスフィン((Ph)P)、N−ヒドロキシフタルイミドおよびジイソプロピル−アゾジカルボキシレート(DIAD)と反応すること、そして次に形成されたフタルイミド誘導体のヒドラジン分解により調製され得る(E.Grochowski、J.Jurczak、Synthesis 1976、682;S.Su、J.R.Giguere、S.E.Schaus、J.A.Porco、Tetrahedron 60(2004)8645を参照のこと):
【0043】
【化6】

本発明による一般式(I)のN,O−官能化アクリルアミドが調製され、これが1つ以上の酸基HGを保持する場合、従って同様に対応して通常の保護基技法が必要である。従って、最後の合成ステップまで保護基から酸官能を分離しないことが有利である。例えば、ホスホン酸官能をもつN,O−官能化アクリルアミド(例えば、R=CH、R=H、HG=−P=O(OH)、nおよびm=1、A=アルキレン、RおよびYは存在しない)は、最初に、α、ω−ハロゲンアルキレンホスホン酸ジ−tert−ブチルエステル(tert−ブチル基=保護基、X=ClまたはBrのようなハロゲン)がN−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルファミドと反応されるように調製され得る。形成されたスルファミドを脱保護すること、そして次にN−メトキシアミノ基をアクリル酸クロライドと反応することにより、このN,O−官能化アクリル酸アミドが形成し、そのホスホン酸基は、2つのtert−ブチル保護基をトリフルオロ酢酸(TFA)で分離した後に遊離される。
【0044】
【化7】

本発明の好ましい実施形態では、ラジカルAにおける1つ以上の置換基は、C〜Cのアルキル基、Cl、BrおよびOH、特にC〜Cアルキル基およびOHを含む群から選択される。ラジカルRにおける1つ以上の置換基は、Cl、BrおよびOHを含む群から選択される。
【0045】
一般式(I)のN,O−官能化アクリル酸アミドに基づく本発明による好ましい歯科材料は、ここで、以下のものであり、
Aは、n+m価の鎖状または分岐脂肪族のC〜C30のラジカル、例えば、C〜C15のラジカルまたはC〜C10のラジカルであり、ここで、この炭素鎖は、O、−CO−O−またはO−CO−NHで中断され得るか、n+m価の芳香族のC〜C10のラジカルもしくはn+m価の脂環式のC〜C18のラジカルであり、ここでこれらラジカルは、1つ以上の置換基を保持し得、
Yは、存在しないか、またはO、エステルまたはウレタン基であり、
は、脂肪族のC〜Cアルキルまたはシクロアルキルラジカル、例えば、C〜Cアルキルまたはシクロヘキシルラジカルであり、
は、HまたはCHであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜C12アルキレンラジカル、例えば、C〜C12アルキレンラジカルであり、
HGは、存在しないか、−COOH、−P=O(OH)、−O−P=O(OH)、−SOOHまたは−O−P=O(OH)(OR)であり、
は、C〜Cアルキルラジカル、例えば、メチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、
nは、1〜3の数であり、そして
mは、0〜2の数である。
【0046】
一般式(I)のN,O−官能化アクリル酸アミドに基づく本発明によるさらに好ましい歯科材料は、ここで、以下のものであり、
Aは、n+m価の鎖状または分岐脂肪族のC〜C12のラジカル、例えば、C〜C10のアルキルまたはC〜C12のアルキレン、n+m価の脂環式のC〜C12のラジカルもしくはn+m価の芳香族のC〜C10のラジカルであり、
Yは、存在しないか、またはエステル基であり、
は、C〜Cアルキルであり、
は、HまたはCHであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜Cアルキレンラジカルであり
HGは、存在しないか、または−COOH、−P=O(OH)、−OP=O(OH)、−OP=O(OH)(OC)または−SOOHであり、
nは、1、2または3であり、そして
mは、0または1である。
【0047】
特に、一般式(I)のN,O−官能化アクリル酸アミドに基づく本発明による歯科材料は、ここで、以下のものであり、
Aは、エチル、プロピル、ブチル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンまたはペンタントリルのようなn+m価の鎖状または分岐脂肪族のC〜Cのラジカル、シクロヘキシル、シクロヘキシレン、シクロヘキサントリルのようなn+m価の脂環式のCのラジカル、もしくはフェニルまたはベンゼントリルのようなn+m価の芳香族のCのラジカルであり、
Yは、存在しないか、または−COO−であり、
は、メチル、エチルまたはプロピルであり、
は、HまたはCHであり、
は、存在しないか、またはペンチレンであり
HGは、存在しないか、または−COOH、−P=O(OH)、−OP=O(OH)、−OP=O(OH)(OC)または−SOOHであり、
nは、1、2または3であり、そして
mは、0または1である。
【0048】
例えば、本発明による一般式(I)の好ましいN,O−官能化アクリル酸アミドにおいては、Aは、非置換Cアルキレン、Rはメチル、RはH、そしてnは2であり、ここで、m=0を意味し得る。あるいは、Aは、好ましくは、非置換C10アルキレンを意味し得、Rはメチル、RはH、nおよびmは各々1、そしてHGは−OP=O(OH)、ここで、ラジカルYおよびRは、存在しない。
【0049】
本発明による一般式(I)のN,O−官能化アクリル酸アミドの特定の例は、とりわけ:
【0050】
【化8−1】

【0051】
【化8−2】

【0052】
【化8−3】

である。
【0053】
本発明による歯科材料を調製するため、N,O−官能化アクリル酸アミド単独、互いとのそれらの混合物、またはその他の希釈モノマーもしくは架橋モノマーとのそれらの混合物がラジカル重合によって硬化される。重合の前、開始剤に加え、可能な適切な溶媒、または充填剤、安定化剤またはその他の添加モノマーのようなさらなる添加剤が添加され得る。
【0054】
適切なラジカル的に重合可能な希釈剤モノマーとして、モノ(メタ)アクリルアミドおよび/またはモノ(メタ)アクリレート、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、メチル、エチル、ブチル、ベンジル、フルフリルまたはフェニル(メタ)アクリレートが議論される。さらなる架橋モノマーとして、例えば、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、ビス−GMA(メタクリル酸とビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルの付加産物)、UDMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレートと2,2,4−ヘキサメチレンジイソシアネートの付加産物)、ジ−、トリ−またはテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチレンプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートまたは1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレートのような公知の多官能性アクリレートまたはメタクリレートが用いられ得る。
【0055】
N,O−官能化アクリルアミドに基づく組成物は、適切な開始剤が添加された後、熱、光化学または酸化還元誘導ラジカル重合によって硬化される。熱開始剤の好ましい例は、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、tert−ブチルペルオクトエートまたはtert−ブチルペルベンゾエートおよびさらにアゾビスイソブチロエチルエステル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、ベンゾピナコールまたは2,2−ジメチルベンゾピナコールのような公知の過酸化物である。
【0056】
適切な光開始剤の例は、ジベンゾイルジエチルゲルマニウムもしくはジベンゾイルジメチルゲルマニウム、ベンゾフェノン、ベンゾインおよびそれらの誘導体もしくはα−ジケトン、または9,10−フェナントラキノン、ジアセチルもしくは4,4−ジクロロベンゼンのようなそれらの誘導体である。好ましくは、カンフルキノンおよび2,2−ジメトキシ−2−フェニル−アセトフェノン、そして特に好ましくは、例えば、4−(N,N−ジメチルアミノ)−安息香酸エステル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチル−sym.−キシリジンまたはトリエタノールアミンのような還元剤のようなアミンと組み合わせたα−ジケトンが用いられる。さらに、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルもしくはビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシドのようなアクリルホスフィンがまた特に適切である。
【0057】
例えば、ベンゾイルまたはラウリルペルオキシドのN,N−ジメチル−sym.−キシリジンまたはN,N−ジメチル−p−トルイジンとの組み合わせのような酸化還元開始剤が、室温で実施される重合のための開始剤として用いられる。
【0058】
N,O−官能化アクリル酸アミド架橋剤が、公知の強力な酸接着剤モノマーの溶液の架橋成分として特に適切である。これらは、例えば、2−(メタクリロイルオキシ)エチル2水素ホスフェート、ジ−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]水素ホスフェートまたはジペンタエリトリトールペンタメタクリロイルオキシ−2水素ホスフェートのようなホスホン酸エステルメタクリレート(N.Nakabayashi、P.D.Pashley、Hybridization of dental hard tissues、Quintess.Publ.Tokyo etc.1998、9 ffを参照のこと)、および、独国特許第DE−A−197 46 708号に記載されるような、例えば、2−[3−(ジヒドロキシホスホリル)−oxa−プロピル]アクリル酸エチルエステルまたは1,2−ビス[1−ジヒドロキシホスホリル]−1−[2−メチレン−3−イルプロパン酸エチルエステル]オキシ]メチル]−ベンゼンのような加水分解に安定なアクリルホスホン酸が特に好適である。
【0059】
とりわけ、水、エタノール、アセトン、アセトニトリルまたはこれら溶媒の混合物のようなすべての極性溶媒が、N,O−官能化アクリル酸アミドのための溶媒として用いられ得る。
【0060】
必要に応じて、本発明に従って用いられる組成物は、例えば、着色剤(色素または染料)、安定化剤、芳香剤、静菌活性成分、可塑剤またはUV吸収剤のようなさらなる添加物を含み得る。
【0061】
さらに、本発明に従って用いられる組成物は、無機粒子またはファイバで充填され得、機械的性質を改善する。好ましい無機粒子充填剤は、ZrOおよびTiO、またはSiO、ZrO、および/またはTiOの混合酸化物のような酸化物に基づく非晶質球形材料、発熱性珪酸または沈殿珪酸のようなナノ粒子または超微細フィラー、および0.01〜5μmの粒子サイズをもつ石英、セラミックガラスまたはガラス粉末のようなマクロ−またはマイクロフィラー、およびイッテルビウムトリフルオライドのようなx線不透過性フィラーである。
【0062】
本発明に従って用いられる好ましい組成物は、各々の場合、材料の総質量に対して:
(a)1〜95重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜70重量%の希釈モノマー、
(c)0〜70重量%の架橋モノマー、
(d)0.1〜5.0重量%の重合開始剤、および
(e)0〜80重量%の充填剤、
(f)0〜70重量%の溶媒、
(g)0〜70重量%の接着モノマー、を含む。
【0063】
希釈モノマーおよび架橋モノマーにより、式(I)に入らないモノマーが意味される。接着モノマーは、1つ以上の酸接着基を有し、そして式(I)に入るか、または入らないモノマーが意味される。
【0064】
本発明に従って、特に好ましく用いられる組成物は、各々の場合、材料の総質量に対して:
(a)5〜70重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜40重量%の希釈モノマー、
(c)0〜40重量%の架橋モノマー、
(d)0.2〜2.0重量%の重合開始剤、および
(e)0〜50重量%の充填剤、
(f)0〜50重量%の溶媒、
(g)0〜50重量%の接着モノマー、を含む。
【0065】
本発明に従って、歯科接着剤として好ましく使用可能な組成物は、各々の場合、材料の総質量に対して:
(a)5〜40重量%、特に10〜40重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜40重量%、希釈モノマー、
(c)0〜70重量%、特に50〜70重量%の架橋モノマー、
(d)0.2〜2.0重量%の重合開始剤、および
(e)2〜50重量%、特に20〜50重量%の溶媒、
(f)5〜40重量%、特に10〜40重量%の接着モノマー、
(g)0〜20重量%のナノ充填剤(<50nmの主要粒子サイズをもつ充填剤)、を含む。
【0066】
本発明に従って、歯科セメントとして好ましく使用可能な組成物は、各々の場合、材料の総質量に対して:
(a)5〜20重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜20重量%の希釈モノマー、
(c)0〜20重量%の架橋モノマー、
(d)0.2〜2.0重量%の重合開始剤、
(e)5〜60重量%の充填剤、
(f)2〜20重量%の接着モノマー、を含む。
【0067】
本発明に従って、歯科充填材料として好ましく使用可能な組成物は、各々の場合、材料の総質量に対して:
(a)5〜20重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜30重量%の希釈モノマー、
(c)0〜30重量%の架橋モノマー、
(d)0.2〜2.0重量%の重合開始剤、
(e)10〜80重量%、特に50〜80重量%の溶媒、を含む。
【0068】
本発明に従って、歯科コーティング材料として好ましく使用可能な組成物は、各々の場合、材料の総質量に対して:
(a)5〜40重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜50重量%の希釈モノマー、
(c)0〜50重量%の架橋モノマー、
(d)0.2〜2.0重量%の重合開始剤、
(e)2〜50重量%の溶媒、
(f)0〜20重量%のナノ充填剤(<50nmの主要粒子サイズをもつ充填剤)、を含む。
【0069】
本発明は、実施例を参照して以下にさらに詳細に記載される。
【実施例】
【0070】
(実施例1:1,6−ビス(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)ヘキサンの合成)
第1ステージ:N−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(1):
【0071】
【化9】

2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(28.8g、130mmol)を、ピリジン(100ml)中のo−メチルヒドロキシルアミンヒドロクロライド(11.7g、141mmol)の溶液に、攪拌および水で冷却しながら30分以内に添加した。添加の後、この混合物を室温(RT)でさらに30分間攪拌し、氷(200〜300g)と混合し、そして濃HClでpH2〜3の酸性にした。このなお冷たい懸濁物を吸い、沈殿物を氷水で注意深く洗浄し、そして乾燥した。26.4g(87%)のスルファミド1を、133〜136℃の融点をもつ黄色の固体として得た。H‐NMR(DMSO−D,300MHz):δ=3.67(s,3H)、7.92−8.06(m,4H)、11.05(s,1H)ppm。
【0072】
第2ステージ:N,N’−ジメトキシ−2,2’−ジニトロヘキサメチレンジ(ベンゼンスルファミド)(2):
【0073】
【化10】

DMF(100ml)中のスルファミド1(24.1g、104mmol)、1,6−ジブロモヘキサン(12.2g、5.0mmol)およびKCO(17.0g、123mmol)の混合物を70〜80℃で3時間の間強く攪拌し、冷却し、そして約5倍容量の水をそれに添加した。水で希釈した後、粗製生成物を堆積物として沈殿させた。それを吸い、多量の水で洗浄し、そしてCHCl(約500ml)中に溶解した。この溶液を、無水MgSOで乾燥し、そして減圧下で約1/4の容量まで濃縮した。残渣にほぼ同じ容量のヘキサンを添加し、1時間冷蔵庫中に静置した後吸い、塩化メチレンとヘキサンの1:1混合物で洗浄し、そして乾燥した。26.1g(96%)のスルホンアミド2を、145〜146℃の融点をもつほぼ無色の固体として得た。H−NMR(DMSO−D,300MHz):δ=1.37(m,4H)、1.59(m,4H)、2.99(t,J=7Hz,4H)、3.77(s,6H)、7.86−7.92(m,2H)、7.97−8.02(m,6H)ppm。
【0074】
第3ステージ:1,6−ジ(N−メトキシアミノ)ヘキサン(3):
【0075】
【化11】

DMF(150ml)中のスルファミド2(28.1g、51.4mmol)、KCO(43g、312mmol)およびチオフェノール(22.6g、206mmol)の混合物を、40〜45℃(DCコントロール)で2〜6時間の間強く攪拌した。作業するために、この混合物をほぼ2倍容量の水およびエーテルで希釈した。冷却した溶液を、濃HClで非常に注意深く酸性にし(CO形成、チオフェノール)、酸性の水相を分離した。有機相を、5%HCl(2×100ml)で再び洗浄した。合わせた酸性の相をエーテルで洗浄し(2×100ml)、氷水で冷却し、そして非常に注意深く固形KOHで強アルカリにした(激しい発熱)。産物を黄−橙色のオイルとして沈殿させた。これをエーテルで抽出し(3×50ml)、溶液をKCOで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。8.48g(89%)のジアミン3を得た。最終精製のために、このジアミンを、ほとんど損失なしに減圧下沸点95〜97℃(0.5Torr)で蒸留した。H−NMR(CDCl,300MHz):δ=1.33(m,4H)、1.47(m,4H)、2.87(t,J=7Hz、4H)、3.50(s,6H)、5.49(br.s,2H)ppm。
【0076】
第4ステージ:1,6−ビス(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)ヘキサン(4):
【0077】
【化12】

アクリル酸クロライド(996mg、11mmol)を、無水ジエチルエーテル(100ml)中のビス−メトキシアミン3(881mg、5mmol)、NaCO(2.65g、25mmol)およびBHT(=2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(10mg)の攪拌された懸濁物に氷で冷却しながら5分以内に滴下した。この反応混合物を次いで放置して室温にまで上げ、そしてさらに16時間攪拌した。ビス−メトキシアミン3が完全に消費された後、水(20ml)を添加し、有機相を分離し、そして水相をジエチルエーテル(3×20ml)で抽出した。有機相を合わせ、溶媒を減圧下で除去し、そして粗製生成物を、カラムクロマトグラフィーを用いて精製した(シリカゲル、溶出液クロロホルム/酢酸エチル3:1)。1.1g(79%)の1,6−ビス(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)ヘキサン4を得た。H−NMR(300MHz、CDCl):δ=1.31−1.36(m,4H)、1.59−1.69(m,4H)、3.65(t,J=7.2Hz,4H)、3.68(s,6H)、5.74(dd,J=10.3,2.1Hz,2H)、6.41(dd,J=17.1,2.1Hz,2H)、6.71(dd,J=17.1,10.3Hz,2H)ppm。13C−NMR(75MHz,CDCl):δ=26.4(2CH)、26.9(2CH)、44.9(2CH)、62.1(2CH)、126.2(CH)、128.9(CH)、166.1(2C)ppm。
【0078】
(実施例2:[10−(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)デシル]リン酸(5)の合成)
第1ステージ:10−ヒドロキシデシル−ジ−tert−ブチルホスフェート(6):
【0079】
【化13】

無水THF(400ml)を、1,10−デカンジオール(34.9g、200mmol)および水素化ナトリウム(鉱物油中60%懸濁物の8.1g、200mmol)の混合物に窒素下で攪拌しながら添加した。この反応混合物を、18時間還流下で加熱した。文献(H.Goldwhite、B.C)Saunders、J.Chem.Soc.1957、2409−2412;T.Gajda、A.Zwierzak、Synthesis1976、243−244を参照のこと)に従ってPClおよびtert−ブタノールから2ステージで得られ得たジ−tert−ブチルクロロホスフェート(27g、118mmol)の添加後、還流下でさらに1.5時間加熱し、そして次に溶媒を減圧下で除去した。tert−ブチルメチルエーテル(MTBE、400ml)および水(100ml)の混合物を残渣に添加した。有機相の分離の後、これを、10%NaCl溶液で洗浄し、そして飽和NaCl溶液で洗浄した。次いで、それを無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を除去した。残渣を、適量の沸騰MTBE中に溶解した。5倍量のペンタンを添加することにより、非反応デカンジオールは結晶し得た。濾過の後、粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:クロロホルム/MTBE8:1〜3:1)を用いて精製した。19.3g(45%)の10−ヒドロキシデシルジ−tert−ブチルホスフェート6を、無色の高度に粘性の油として得た。
【0080】
第2ステージ 10−(メタンスルホニルオキシ)デシル−ジ−tert−ブチルホスフェート(7):
【0081】
【化14】

新鮮に蒸留されたメシルクロライド(4.5g、39.3mmol)を、無水塩化メチレン(35ml)中の10−ヒドロキシデシルジ−tert−ブチルホスフェート6(12.6g、34.4mmol)、トリエチルアミン(5.5ml、39.5mmol)およびDMAP(=4−(ジメチルアミノ)−ピリジン)(220mg、1.8mmol)の溶液に、この反応混合物の温度が−5℃と0℃との間であるように、1時間の期間に亘って攪拌しながら滴下して添加した。これを、次いで、室温まで加熱し、さらに1時間攪拌し、溶媒を減圧下で除去し、そしてMTBE(=tert−ブチルメチルエーテル)(100ml)および水(50ml)の混合物を残渣に添加した。この混合物を、10%HSOで約pH5に設定した。水相を、MTBEで抽出した(3×30ml)。合わせた有機相を水(30ml)および飽和NaCl溶液(2×50ml)で洗浄し、そして無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒の蒸留による除去は、15.2gの10−(メタンスルホニルオキシ)デシル−ジ−tert−ブチルホスフェート7をわずかに黄色の油として生じた。H−NMR(CDCl、250MHz):δ=1.25−1.45(m,12H)、1.47(s,18H)、1.58‐1.80(m,4H)、3.00(s,3H)、3.93(q,J=6.6Hz,2H)、4.22(t,J=6.6Hz,2H)ppm。
【0082】
第3ステージ:10−メトキシアミノデシル−ジ−tert−ブチルホスフェート(8):
【0083】
【化15】

アセトン(5ml)中のメシレート7(15.2g、34.2)を、乾燥アセトン(30ml)中の無水NaI(6.85g、45.7mmol)の懸濁物に攪拌しながら添加した。この混合物を室温で24時間攪拌した。溶媒を次いで除去し、そして残渣をMTBE(100ml)、水(50ml)および100mgNa中に分散した。有機相を分離し、そして水相をMTBE(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を水(30ml)および飽和NaCl溶液(2×50ml)で洗浄し、そして乾燥硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで溶媒を除去した。このようにして得られたわずかに黄色の液体ヨウ化物(16.3g、34mmol)(H‐NMR(CDCl、250MHz):δ=1.25‐1.46(m,12H)、1.48(s,18H)、1.64(tt,J=6.8,6.6Hz,2H)、1.81(tt,J=7.0,6.8Hz,2H)、3.18(t,J=7.0Hz,2H)、3.93(q,J=6.6Hz,2H)ppm)を無水THF(14ml)中に溶解し、そしてTHF(20ml)中のメトキシアミン(14.0g、297mmol)およびNaH(鉱物油中の60%懸濁物の1.36g、34mmol)に攪拌しながら、添加した。この反応混合物を還流下で16時間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、乾燥ヘキサンを残渣に加え、そしてこれを次に2時間攪拌した。Celite(登録商標)の薄いシートを通る濾過を次いで行い、そして溶媒を除去した。粗製生成物(12.4g)をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、450ml)、溶離剤クロロホルム/MTBE/酢酸エチル、4:1:0〜4:1:1によって精製し、ここで、8.58g(64%)の10−メトキシアミノデシル−ジ−tert−ブチルホスフェート8を得た。H−NMR(CDCl、300MHz):δ=1.22−1.40(m,12H)、1.47(s,18H)、1.45‐1.55(m,2H)、1.64(tt,J=6.8,6.6Hz,2H)、2.90(t,J=7.3Hz,2H)、3.53(s,3H)、3.93(q,J=6.6Hz,2H)、5.53(bs,1H)ppm。13C−NMR(CDCl,75,5MHz):δ=25.6(CH)、27.2(CH)、27.3(CH)、29.2(CH)、29.4(CH)、29.5(CH)、29.8(CH)、29.9(CH)、30.2(CH)、30.3(CH)、51.9(CH)、62.8(CH)、66.8(CH)、66.9(CH)、81.8(C)、81.9(C)ppm。
【0084】
第4ステージ:[10−(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)デシル]リン酸ジ−tert−ブチルエステル(9)
【0085】
【化16】

CHCl(4ml)中のアクリル酸クロライド(996mg、11mmol)の溶液を、CHCl(16ml)中のメトキアミン8(3.96g、10mmol)、トリエチルアミン(1.53ml、11mmol)、DMAP(122mg、1mmol)およびBHT(10mg)に、反応混合物の温度が−5〜0℃の間にあるように、1時間の期間に亘って攪拌しながら滴下して添加した。室温まで加温した後、攪拌を16時間行い、次いで、溶媒を減圧下で蒸留して除いた。混合物(50ml)および水(25ml)を得られた残渣に添加した。この混合物を、10%HSOでpH〜5にセットした。有機相を分離した後、水相をMTBE(3×20ml)で抽出した。合わせた有機相を水(20ml)および飽和NaCl溶液(2×25ml)で洗浄し、そして無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒の蒸留による除去の後、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル(100ml)溶離液クロロホルム/MTBE6:1〜3:1)により油を得、ここで3.19g(71%)、[10−(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)デシル]リン酸ジ−tert−ブチルエステル9を、薄い黄色の油として得た。H−NMR(CDCl,250MHz):δ=1.22‐1.39(m,12H)、1.47(s,18H)、1.58‐1.69(m,4H)、3.65(t,J=7.4Hz,2H)、3.69(s,3H)、3.93(q,J=6.6Hz,2H)、5.74(dd,J=10.3,2.0Hz,1H)、6.42(dd、J=17.1,2.0Hz,1H)、6.72(dd、J=17.1,10.3Hz,1H)ppm。13C−NMR(CDCl,75,5MHz):δ=25.6(CH)、26.7(CH)、27.0(CH)、29.1(CH)、29.2(CH)、29.3(CH)、29.4(CH)、29.8(CH)、29.9(CH)、30.2(CH)、30.3(CH)、62.1(CH)、66.8(CH)、66.9(CH)、81.8(C)、81.9(C)、126.2(CH)、128.9(CH)、166.0(C)ppm。
【0086】
第5ステージ:[10−(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)デシル]リン酸(10)
【0087】
【化17】

[10−(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)デシル]リン酸ジ−tert−ブチルエステル9(4.5g、10mmol)を、テトラクロロカーボン(20ml)中に溶解し、そしてこれにトリフルオロ酢酸(3.07g、26.9mmol)を添加した。この反応混合物を回転エバポレーター(600〜630mbar)上で1時間50℃に加熱し、そして圧力を、次いで1時間に亘って5mbarまで減少した。残渣を次いで、良好な減圧(約0.03mbar)で、重量が一定となるまで乾燥し、ここで、2.84g(84%)の[10−(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)デシル]リン酸10を黄色の油として得た。H−NMR(CDCl,300MHz):δ=1.28−1.37(m,12H)、1.64−1.67(m,4H)、3.67−3.71(m,5H)、4.01(q,2H)、5.83(dd,1H)、6.42(dd,1H)、6.46(m,1H)、11.56(s,2H)ppm。31P−NMR(DMSO‐d,162MHz,):δ=2.58ppm。
【0088】
(実施例3:ビス(メタ)アクリルアミド4のラジカル重合)
Schlenkフラスコ中で、クロロベンゼン中の、実施例1からの30%の1,6−ビス(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)ヘキサン4、または30%のグリセロールジメタクリレートの溶液、および1質量−%の2、2’−アゾビス−(イソブチロニトリル)(開始剤)を比較例として調製し、そしてアルゴンを通過することにより脱気した。重合バッチを、次いで、定温チャンバー中で56℃に加熱した。三次元の安定ゲルが形成されるのに要した時間をゲル化時間として測定した。
【0089】
架橋剤 ゲル化時間
1,6−ビス(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)ヘキサン4 80秒
グリセリンジメタクリレート(比較例) 7分
この実施例は、市販のジメタクリレートと比較してラジカル重合におけるグレープバイン(grapevine)架橋剤の高い反応性を示す。
【0090】
(実施例4:実施例3からの象牙質接着剤を含む[10−(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)デシル]リン酸10)
ウシ歯象牙質上の象牙質接着剤を調査するために、以下の接着剤を調製した(数字は重量%):
強力な酸接着剤モノマー10a): 11.1%
グリセリンジメタクリレート: 11.0%
2−ヒドロキシエチルメタクリレート: 20.0%
エタノール: 24.0%
Bis−GMA: 33.1%
光開始剤: 0.8%
a)[10−(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)デシル]リン酸
ウシの歯を、プラスチックシリンダー中に、象牙質およびプラスチックが1つのレベル上にあるように包埋した。37%リン酸での15秒のエッチングの後、水で完全に洗浄した。次いで、象牙質細管を酸エッチングによって開いた。上記組成物の接着剤の層をマイクロブラシで付与し、溶媒を、エアーブラシを短時間作動することにより除去し、そして40秒間ハロゲンランプ(Astralis 7、Ivoclar Vivadent AG)をあてた。次いで、Tetric(登録商標)Ceramのコンポジッシトリンダーを、各々1〜2mmの2つの層中の接着剤上に、各々の場合においてハロゲンランプAstralis 7を40秒あてることによって重合した。次いで、この試験片を、水中37℃で24時間貯蔵し、そして17.0MPaでせん断接着強度を測定し、これは、最適化されていない接着剤組成物について非常に高い係数の象牙質接着を示した。
【0091】
(実施例5:実施例3からの自己接着性コンポジットを含む)[10−(N−アクリロイル−N−メトキシアミノ)デシル]リン酸10
ウシ歯象牙質上の象牙質接着を調査するために、以下の組成物のコンポジットを調製した(数字は、重量%):
強力な酸接着剤モノマー10a): 3.0%
UDMA: 5.7%
2−アセトアセトキシエチルメタクリレート: 3.0%
Bis‐GMA: 8.0%
光開始剤b): 0.3%
充填剤c): 80.0%
a)[10‐(N−アクリロイル‐N‐メトキシアミノ)デシル]リン酸
b)0.1%のカンフルキノンおよび0.2%の4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルの混合物
c)39重量%シラン化Ba‐Al−珪酸ガラス充填剤、および41重量%イソ充填剤の混合物
包埋されたウシの歯を、実施例4と同様に用いた。象牙質表面は、最初微細−(P120)次いで非常に微細な砂(P600)で磨いた。上記に記載のコンポジットの薄い層をこの象牙質表面に直接付与し、そして4mmの直径をもつTetric(登録商標)Ceram(Ivoclar Vivadent AG)のコンポジットシリンダー(Ivoclar Vivadent)を、次いで、この上に押し付けた。次に、それを、すべての側面から、Astralis 7ハロゲンランプで4×20秒照射した。この試験片を、次いで、水中37℃で24時間貯蔵し、そしてせん断接着強度を7.2MPaで測定し、これは、コンポジットの自己接着について優れた値を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一般式(I)の重合可能なN,O−官能化アクリル酸ヒドロキシアミドを含むことを特徴とする歯科材料であって、
【化1】

ここで、
Aは、n+m価の線状または分岐脂肪族C〜C50の基(ラジカル)であって、ここで炭素鎖が、O、S、−CO−O−、CO−NH、O−CO−NHまたはNH−CO−NHによって中断され得るか、n+m価の芳香族C〜C18のラジカルもしくはn+m価の脂環式または複素環のC〜C18ラジカルであって、ここで、該ラジカルが、1つ以上の置換基を保持し得、
Yは、存在しないか、またはO、S、エステル、アミドまたはウレタン基であり、
は、水素、1つ以上の置換基を保持し得る脂肪族C〜C20アルキルまたはC〜Cシクロアルキルラジカルであり、
は、HまたはC〜C10アルキルラジカルであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜C16のアルキレンラジカルであり、
HGは、存在しないか、または−COOH、−P=O(OH);−P=O(OH)(OR);−O−P=O(OH)、−SOOHまたは−O−P=O(OH)(OR)であり、
は、C〜C15アルキルラジカル、フェニルまたはベンジルラジカルであり、そして
nは、1〜5の数であり、そして
mは、0〜3の数である、歯科材料。
【請求項2】
前記ラジカルAにおける1つ以上の置換基が、C〜Cのアルキル基、Cl、BrおよびOHからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の歯科材料。
【請求項3】
前記ラジカルRにおける1つ以上の置換基が、Cl、BrおよびOHからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の歯科材料。
【請求項4】
Aは、n+m価の鎖状または分岐脂肪族のC〜C30のラジカルであって、ここで炭素鎖が、O、−CO−O−またはO−CO−NHで中断され得るか、n+m価の芳香族のC〜C10のラジカルもしくはn+m価の脂環式のC〜C18のラジカルであって、ここで該ラジカルが、1つ以上の置換基を保持し得、
Yは、存在しないか、またはO、エステルまたはウレタン基であり、
は、脂肪族のC〜Cアルキルまたはシクロアルキルラジカルであり、
は、HまたはCHであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜C12アルキレンラジカルであり、
HGは、存在しないか、−COOH、−P=O(OH)、−O−P=O(OH)、−SOOHまたは−O−P=O(OH)(OR)であり、
は、C〜Cアルキルラジカルであり、
nは、1〜3の数であり、そして
mは、0〜2の数であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科材料。
【請求項5】
前記ラジカルAにおける1つ以上の置換基が、C〜Cアルキル基およびOHからなる群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の歯科材料。
【請求項6】
Aは、n+m価の鎖状または分岐脂肪族のC〜C12のラジカル、n+m価の脂環式のC〜C12のラジカル、またはn+m価の芳香族のC〜C10のラジカルであり、
Yは、存在しないか、またはエステル基であり、
は、C〜Cアルキルであり、
は、HまたはCHであり、
は、存在しないか、またはOによって中断され得るC〜Cアルキレンラジカルであり、
HGは、存在しないか、または−COOH、−P=O(OH)、−OP=O(OH)、−OP=O(OH)(OC)または−SOOHであり、
nは、1、2または3であり、そして
mは、0または1であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科材料。
【請求項7】
Aは、n+m価の鎖状または分岐脂肪族のC〜Cのラジカル、n+m価の脂環式Cラジカル、またはn+m価の芳香族のCのラジカルであり、
Yは、存在しないか、または−COO−であり、
は、メチル、エチルまたはプロピルであり、
は、HまたはCHであり、
は、存在しないか、またはペンチレンであり
HGは、存在しないか、または−COOH、−P=O(OH)、−OP=O(OH)、−OP=O(OH)(OC)または−SOOHであり、
nは、1、2または3であり、そして
mは、0または1であることを特徴とする、請求項6に記載の歯科材料。
【請求項8】
少なくとも1つの重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯科材料。
【請求項9】
少なくとも1つのさらなる重合可能な希釈モノマーを含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科材料。
【請求項10】
少なくとも1つのさらなる架橋モノマーを含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の歯科材料。
【請求項11】
少なくとも1つの充填剤を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の歯科材料。
【請求項12】
少なくとも1つの溶媒を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の歯科材料。
【請求項13】
材料の総質量に対して、
(a)1〜95重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜70重量%の希釈モノマー、
(c)0〜70重量%の架橋モノマー、
(d)0.1〜5.0重量%の重合開始剤、および
(e)0〜80重量%の充填剤、
(f)0〜70重量%の溶媒、
(g)0〜70重量%の接着モノマー、を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の歯科材料。
【請求項14】
(a)5〜70重量%の一般式(I)のアクリルアミド、
(b)0〜40重量%の希釈モノマー、
(c)0〜40重量%の架橋モノマー、
(d)0.2〜2.0重量%の重合開始剤、および
(e)0〜50重量%の充填剤、
(f)0〜50重量%の溶媒、
(g)0〜50重量%の接着モノマー、を含むことを特徴とする、請求項13に記載の歯科材料。
【請求項15】
請求項1〜7のいずれか1項で規定される一般式(I)のアミドの歯科材料としての使用。
【請求項16】
請求項1〜7のいずれか1項で規定される一般式(I)のアミドの歯科材料の調製のための使用。
【請求項17】
前記歯科材料が、請求項8〜14のいずれか1項に規定される組成を有することを特徴とする、請求項15または16のいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
前記歯科材料が、歯科接着剤、コーティング材料、充填材料または歯科セメントであることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の使用。

【公開番号】特開2008−222713(P2008−222713A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40639(P2008−40639)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(501151539)イフォクレール ヴィヴァデント アクチェンゲゼルシャフト (54)
【氏名又は名称原語表記】Ivoclar Vivadent AG
【住所又は居所原語表記】Bendererstr.2 FL−9494 Schaan Liechtenstein
【Fターム(参考)】