説明

ラックマウント内の障害監視方法

【課題】
ラックマウント内の音、風量、温度をサンプリングし、設定範囲外の状態となった場合に、異常発生と判断し管理者へ通知することを可能とするラックマウント内の障害監視システムを提供することにある。
【解決手段】
ラックマウント内にセンサ30を取り付け、通常動作時の音、風量、温度をサンプリングし、記録装置300に記録する。記録装置300に記憶された記録値からその数値の上限と下限を設定し、その範囲外となった場合に異常発生と判断し管理者へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックマウント内の装置の異常を検知することを実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ラックマウント内の装置は、常に一定の環境状況ではない。例えば、音、風量、温度等常に変化している。そのため、ラックマウント内の装置に異常が発生した場合は、少なからず音、風量、温度が変化する。ラックマウント内の状態は、即時障害になるのではなく、何らかの異常が積み重なって発生する場合や、部品の消耗により通常の状態から遺脱した状態に徐々になっていく。従来の技術では、異常が発生したと同時に管理者へ通知する技術が知られている。本方式では、ラックマウント内の状態のサンプリングを取り、その数値の範囲を設定し、それを逸脱した場合に管理者に事前通知し、障害を未然に防ぐことが出来る。
【0003】
【特許文献1】特開2000−311030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1に記載された従来技術は、熱、煙、温度、湿度をセンサで監視し、異常を検知したときに外部の問い合わせセンタ等に連絡することが出来るが、連絡したときには、装置は異常動作し既に停止している場合がある。
【0005】
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、ラックマウント内の音、風量、温度等を事前にサンプリングし記憶することにより、常に監視し、設定範囲外の状態になったときに事前に管理者に通知し、装置の異常停止前に装置のメンテナンスを実施するラックマウント内の障害監視方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、ラックマウント内にセンサを取り付け、通常動作時の音、風量、温度をサンプリングし、記録装置に記録する。記録値からその数値の上限と下限を設定し、その範囲外となった場合に異常発生と判断し管理者へ通知する構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、常にラックマウント内の状態を監視し、かつ状態を事前にサンプリングした状態と比較することにより、未然に異常を検知することができる。また、本発明では、異常発生を未然に防ぐため、寿命部品との早期事前交換が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面の構成例について説明する。
【0009】
図1は本発明の一実施形態であるラックマウント内の障害監視システムの構成の一例である。ラックマウント前面10は、前扉11を要したラックマウントであり、ラックマウント内には装置12を搭載することができ、ラックマウント前面10内には、センサ30が取り付けてある。また、図2に示すラックマウント後面20は、後扉21を要したラックマウントであり、センサ30が取り付けてある。まず、図6でラックマウント内の装置12の状態をセンサ30からサンプリングする。管理回路280からセンサ30を使用し24時間の装置12の状態である音50、風量51、温度52をサンプリングする。サンプリングした情報は記録装置300に記録される。図7では図6で記録された情報から許容範囲である上限と下限を設定する。まず管理回路280から通常動作310により監視する。比較320にて許容範囲の上限と下限内であるか判定する。許容範囲内330であれば、通常動作320へ移行する。許容範囲外340であれば、管理回路280の記録装置300に情報を記録し、管理者290へ通知する。
【0010】
図3では、音50に関するサンプリングデータと許容範囲について説明する。横軸は、時間40を示し、縦軸は、音50を示す。横軸の時間41は、6時60、8時61、12時70、18時80、24時90を示す。図6のサンプリングを開始した結果は波形100となる。8時61に装置21の動作が活発になりサンプリングした音波形130になり、12時70から18時80間は一定した音50となり波形B140を示す、18時80以降は業務の減少により音50は低下し波形C150、24時90では夜間バッチ等の作業のため音50は増加する傾向の波形C150になる。サンプリングしたサンプリングした音波形100から、音の上限波形110と音の下限波形120を設定しその間であれば正常に動作していると判断する。
【0011】
図4では、風量51に関するサンプリングデータと許容範囲について説明する。横軸は、時間40を示し、縦軸は、風量51を示す。横軸の時間41は、6時60、8時61、12時70、18時80、24時90を示す。図6のサンプリングを開始した結果はサンプリングした風量波形160となる。8時61に装置21の動作が活発になり波形D190になり、12時70から18時80間は一定した風量51となり、18時80以降は業務の減少により風量51は低下し波形E200、24時90では夜間バッチ等の作業のため風量51は増加する傾向の波形F210になる。サンプリングしたサンプリングした風量波形160から、風量の上限波形170と風量の下限波形180を設定しその間であれば正常に動作していると判断する。
【0012】
図5では、温度52に関するサンプリングデータと許容範囲について説明する。横軸は、時間40を示し、縦軸は、温度52を示す。横軸の時間41は、6時60、8時61、12時70、18時80、24時90を示す。図6のサンプリングを開始した結果はサンプリングした温度波形220となる。8時61に装置21の動作が活発になり波形G250になり、12時70から18時80間は一定した温度52となり、18時80以降は業務の減少により温度52は低下し波形H260、24時90では夜間バッチ等の作業のため温度52は増加する傾向の波形I270になる。サンプリングしたサンプリングした温度波形220から、温度の上限波形230と温度の下限波形240を設定しその間であれば正常に動作していると判断する。
【0013】
各種センサによりラックマウント内の熱、煙、温度、湿度を監視し、装置の異常停止を外部の問い合わせセンタ等に連絡する。また、ラックマウント内の状態を監視し、異常停止前に外部の管理者に問い合わせし、装置停止前に異常を解消することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態であるラックマウント正面と各センサの図である。
【図2】本発明の一実施形態であるラックマウント後面と各センサの図である。
【図3】ラックマウント内の音のサンプリング結果と実環境数値と許容範囲内を示したグラフである。
【図4】ラックマウント内の風量のサンプリング結果と実環境数値と許容範囲内を示したグラフである。
【図5】ラックマウント内の温度のサンプリング結果と実環境数値と許容範囲内を示したグラフである。
【図6】図3、図4、図5のサンプリング結果を記録するための一例を示したフローチャート図である。
【図7】図3、図4、図5の図6で取得した情報を運用するための一例を示したフローチャート図である。
【符号の説明】
【0015】
10:ラックマウント前面、11:前扉、12:装置、20:ラックマウント後面、21:後扉、30:センサ、40:時間、50:音、51:風量、52:温度、100:サンプリングした音波形、110:音の上限波形、120:音の下限波形、160:サンプリングした風量波形、170:風量の上限波形、180:風量の下限波形、220:サンプリングした温度波形、230:温度の上限波形、240:温度の下限波形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックマウント内に設けられたセンサが検知し、該検知した数値をサンプリングし、サンプリングによって上限・下限値を設定し、前記ラックマウントの運用中に前記センサが検知した数値が該設定された設定範囲内を外れた場合に、その旨を通知することを特徴とするラックマウント内の障害監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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