説明

ラック

【課題】ラックに使用されている棚用フレームの取り扱い及び強度面の問題点を解消する。
【解決手段】棚用フレームのビーム材2aは、上下の外側水平板部7a,7b間に配置された中間水平板部9aと、この中間水平板部9aの内側辺から直角下向きに連なる垂直板部11とを有し、棚用フレームのサブビーム材3の長さ方向端部には、ビーム材2aの上側の外側水平板部7aと中間水平板部9aとの間に挿入可能な突出部16aが設けられ、この突出部16aには、垂直側板部14aと水平張出板部15aとから成り且つ水平張出板部15aの内側辺に凹入部18aが形成されたL形先端部17aが設けられ、ビーム材2aには、中間水平板部9aと垂直板部11とにわたって、サブビーム材3の突出部16aのL形先端部17aが下向きに嵌合可能な切欠き部20aが設けられ、この切欠き部20aに、凹入部18aに嵌合する突出板部21が形成された構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前後一対のビーム材間に、当該ビーム材の長さ方向適当間隔おきにサブビーム材を架設して成る棚用フレームを備えたラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラックの棚用フレームとして、特許文献1に記載されるように、前後一対のビーム材間に、当該ビーム材の長さ方向適当間隔おきにサブビーム材を架設して成るものが知られている。而して、この特許文献1に示される従来のラックの棚用フレームは、サブビーム材の長さ方向の両端に形成された突出部を、ビーム材の上側の外側水平板部と中間水平板部との間に挿入した状態で、当該サブビーム材を下げることにより、このサブビーム材の突出部の先端から下向きに折曲連設した係止片を、ビーム材の前記中間水平板部に設けた係止孔に嵌合させることにより、ビーム材に対してサブビーム材を位置決めする構成であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−290140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成のラックの棚用フレームでは、サブビーム材の下側面から下向きに係止片が突出しているので、ビーム材間に組み付けられる前のサブビーム材の取り扱いに際して、前記係止片が他物と接触して変形したり、前記係止片が作業者や他物と摺接して作業者の肌や他物の表面に傷を付けてしまう恐れがあった。又、サブビーム材の両端突出部がビーム材の中間水平板部上に載置された状態で、前記係止片とビーム材側の係止孔との嵌合によりサブビーム材が位置決めされているだけであって、両端突出部がビーム材に支持されたサブビーム材の中間部分に下向きの荷重が作用したとき、当該サブビーム材の両端突出部の断面形状の広がりを抑制する機能をビーム材側に期待することが出来ないので、サブビーム材の耐荷重性能を高めるには、当該サブビーム材の板厚を厚くする、或いは板厚の厚い別部材で構成した突出部形成部材をサブビーム材の両端に溶接する、などの対策が必要になり、棚用フレーム全体、延いてはラック全体のコストアップにつながることになっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできるラックを提案するものであって、請求項1に記載の本発明に係るラックの棚用フレームは、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、前後一対のビーム材(2a,2b)間に、当該ビーム材(2a,2b)の長さ方向適当間隔おきにサブビーム材(3)を架設して成る棚用フレーム(1)を備えたラックにおいて、前記ビーム材(2a,2b)は、上下一対の外側水平板部(7a,7b)間に配置された中間水平板部(溝形板部(8)の上側水平板部(9a))と、この中間水平板部(9a)の内側辺から直角下向きに連なる垂直板部(11)とを有し、前記サブビーム材(3)の長さ方向両端には、前記ビーム材(2a,2b)の上側の外側水平板部(7a)と中間水平板部(9a)との間に挿入可能な突出部(16a)が設けられ、この突出部(16a)には、垂直側板部(14a)と当該垂直側板部(14a)の下側辺から折曲連設された水平張出板部(15a)とから成り且つ当該水平張出板部(15a)の内側辺に凹入部(18a)が形成されたL形先端部(17a)が設けられ、前記ビーム材(2a,2b)には、前記中間水平板部(9a)と垂直板部(11)とにわたって、前記サブビーム材(3)の突出部(16a)のL形先端部(17a)が下向きに嵌合可能な切欠き部(20a)が設けられ、この切欠き部(20a)には、前記凹入部(18a)に嵌合してサブビーム材(3)の長さ方向の遊動を制限する突出板部(21)が形成された構成になっている。
【0006】
上記本発明を実施する場合、具体的には請求項2に記載のように、前記サブビーム材(3)の突出部(16a,16b)は左右一対設け、両突出部(16a,16b)のL形先端部(17a,17b)は、その水平張出板部(15a,15b)を互いに接近する内向きに設けて左右対称形に構成し、前記ビーム材(2a,2b)の切欠き部(20a,20b)は、前記左右一対のL形先端部(17a,17b)が同時に嵌合出来るように左右一対、左右対称形に設けることが出来る。この場合、請求項3に記載のように、前記サブビーム材(3)は、水平天板部(13)とこの水平天板部(13)の左右両側辺から下向きに折曲連設された左右両垂直側板部(14a,14b)、及びこの左右両垂直側板部(14a,14b)の下側辺から内向きに折曲連設された水平張出板部(15a,15b)から構成し、前記左右一対の突出部(16a,16b)は、前記左右両垂直側板部(14a,14b)と水平張出板部(15a,15b)をこのサブビーム材(3)の長さ方向に延出させて構成することが出来る。
【0007】
又、請求項4に記載のように、前記ビーム材(2a,2b)は、上下一対の外側水平板部(7a,7b)と、この上下一対の外側水平板部(7a,7b)間に配置され且つ凹溝部が外向きに開放された溝形板部(8)と、前記上下一対の外側水平板部(7a,7b)の外側辺と前記溝形板部(8)の上下両水平板部(9a,9b)の外側辺とをつなぐ上下一対の傾斜板部(10a,10b)とから構成し、前記中間水平板部は、前記溝形板部(8)の上側の水平板部(9a)とし、前記垂直板部は、前記溝形板部(8)の上下両水平板部(9a,9b)の内側辺をつなぐ垂直板部(11)とすることが出来る。
【0008】
更に、請求項5に記載のように、前記ビーム材(2a,2b)には、その上下一対の外側水平板部(7a,7b)の内、少なくとも上側の外側水平板部(7a)の内側辺から内向きに折曲連設された垂直張出板部(12a)を形成し、このビーム材(2a,2b)の前記切欠き部(20a)に支持されているサブビーム材(3)が上方に移動して当該切欠き部(20a)から前記突出部(16a)のL形先端部(17a)が上方に離脱したとき、当該突出部(16a)の付け根部が前記垂直張出板部(12a)に当接するように構成することが出来る。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の本発明の構成によれば、サブビーム材を前後一対のビーム材間に架設する場合、従来周知のようにサブビーム材を水平に回転させることにより、サブビーム材の両端の突出部を、ビーム材の上側の外側水平板部と中間水平板部との間に挿入し、当該突出部のL形先端部を、ビーム材側の前記中間水平板部と垂直板部とにわたって形成されている切欠き部の真上に位置させた状態で、サブビーム材を下げることにより、このサブビーム材の両端突出部のL形先端部をビーム材側の前記切欠き部に嵌合させる。この結果、ビーム材側の前記切欠き部の突出板部が、サブビーム材の前記突出部におけるL形先端部の水平張出板部の凹入部内に嵌合した状態で、当該サブビーム材が、その突出部におけるL形先端部の水平張出板部を介して、ビーム材側の切欠き部の下側辺で支持されることになる。
【0010】
上記のようにサブビーム材を水平に回転させた後に下げるだけの簡単な操作により、当該サブビーム材の両端突出部を前後一対のビーム材間に架設することが出来るのであるが、このサブビーム材の架設状態において、ビーム材側の切欠き部が有する突出板部がサブビーム材側の突出部のL形先端部における水平張出板部の凹入部内に嵌合しているので、当該サブビーム材の長さ方向の遊動は、前記凹入部内での前記突出板部の遊動範囲に制限される。しかも、サブビーム材の長さ方向の遊動を制限するためのサブビーム材側の部分は、当該サブビーム材の両端突出部におけるL形先端部の水平張出板部に形成された凹入部であって、従来のように当該サブビーム材から下向きに突出する突出片ではないので、ビーム材の両端突出部の底面全体をフラットに形成することが出来、ビーム材間に組み付けられる前のサブビーム材の取り扱いに際して、サブビーム材の長さ方向の遊動を制限する部分(水平張出板部に形成された凹入部)が他物と接触して変形したり、当該部分が作業者や他物と摺接して作業者の肌や他物の表面に傷を付けてしまう恐れがない。
【0011】
更に、サブビーム材の両端突出部は、そのL形先端部においてビーム材側の切欠き部内に嵌合した状態で、当該ビーム材側の切欠き部で支持されるので、請求項2及び3に記載のように構成することにより、サブビーム材の両端突出部が左右に広がるように変形するのをビーム材側の左右一対の切欠き部で抑制することが出来る。従って、両端が前後一対のビーム材で支持されたサブビーム材の長さ方向の中間部に下向きの大きな荷重が作用したとき、サブビーム材の両端突出部が左右に広がるように変形することがなくなり、サブビーム材の耐荷重性能が高められる。換言すれば、サブビーム材の耐荷重性能を高めるために、サブビーム材の板厚を厚くする、或いは板厚の厚い別部材で構成した突出部形成部材をサブビーム材の両端に溶接する、などの対策が不要になり、棚用フレーム全体のコストダウンを図ることが出来る。
【0012】
尚、請求項2に記載の構成によれば、サブビーム材を安定的に支持することが出来、更に請求項3に記載の構成によれば、前記L形先端部をそれぞれ備えた左右一対の両端突出部を含めてサブビーム材全体をシンプルに構成することが出来、しかもサブビーム材自体の曲げ強度も高めることが出来る。
【0013】
又、請求項4に記載の構成によれば、ビーム材を上下対称形状に構成出来るので、このビーム材自体の製造後の取り扱いに便利であり、しかもビーム材自体の曲げ強度も高めることが出来る。更に、請求項5に記載の構成によれば、ビーム材自体の曲げ強度をより一層高めることが出来ると共に、サブビーム材の両端突出部とビーム材側の係合部分をビーム材で完全に覆って保護することが出来、しかもサブビーム材に上向きの不当な外力が作用したときに、サブビーム材の両端突出部がビーム材から上方に離れてサブビーム材が不測に脱落してしまうのを未然に防止出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、棚用フレームの使用状態を示す概略斜視図である。
【図2】図2は、中間を省略した棚用フレームの縦断側面図である。
【図3】図3は、ビーム材の要部を示す斜視図である。
【図4】図4は、ビーム材の要部を示す一部横断平面図である。
【図5】図5は、サブビーム材の一端の突出部を示す一部切欠き斜視図である。
【図6】図6は、ビーム材杆へのサブビーム材の架設手順の第一段階を説明する要部の横断平面図である。
【図7】図7は、同上架設手順の第二段階を説明する要部の縦断側面図である。
【図8】図8は、図7の一部横断平面図である。
【図9】図9Aは、サブビーム材の架設が完了した状態での要部の縦断側面図、図9Bは、図9AのX−X線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1において、1は棚用フレームであって、間口方向と平行な前後一対のビーム材2a,2bと、このビーム材2a,2b間で当該ビーム材2a,2bの長さ方向適当間隔おきに奥行き方向と平行に架設された複数本のサブビーム材3とで構成されている。この棚用フレーム1は、前後一対の支柱部材4a,4bと両支柱部材4a,4b間に配設された連結部材5によって構成された左右一対の棚支持フレーム6a,6b間に、その前後一対のビーム材2a,2bの両端が各支柱部材4a,4bに係止される状態で水平に支持される。図では、左右一対の棚支持フレーム6a,6b間に上下複数段に架設される棚用フレーム1の1つを例示している。
【0016】
以下、上記のように使用される棚用フレーム1に適用した本発明の構成を具体的に説明すると、図2〜図6に示すように、ビーム材2a,2bは、上下一対の外側水平板部7a,7bと、この上下一対の外側水平板部7a,7b間に配置され且つ凹溝部が外向きに開放された溝形板部8と、前記上下一対の外側水平板部7a,7bの外側辺と前記溝形板部8の上下両水平板部9a,9bの外側辺とをつなぐ上下一対の傾斜板部10a,10bとから成る上下対称形の型材で構成されている。尚、溝形板部8の上下両水平板部9a,9bの内側辺どうしを連結する垂直板部11は、上下一対の外側水平板部7a,7bで囲まれた縦長矩形の空間の巾方向のほぼ中央に配置され、上下一対の外側水平板部7a,7bの内側辺には、直角内向きに垂直張出板部12a,12bが折曲連設されている。
【0017】
サブビーム材3は、水平天板部13とこの水平天板部13の左右両側辺から下向きに折曲連設された左右両垂直側板部14a,14b、及びこの左右両垂直側板部14a,14bの下側辺から内向きに折曲連設された水平張出板部15a,15bを有する左右対称形の型材から構成され、長さ方向の両端には、左右一対の突出部16a,16bを備えている。これら左右一対の突出部16a,16bは、前記左右両垂直側板部14a,14bの下半部と水平張出板部15a,15bをこのサブビーム材3の長さ方向に延出させて構成したもので、それぞれの上側辺は、先端側ほど下がるように傾斜させている。そして両突出部16a,16bの、左右両垂直側板部14a,14bと水平張出板部15a,15bとで形成されたL形先端部17a,17bには、その水平張出板部15a,15bの内側辺に矩形状の凹入部18a,18bが形成されている。
【0018】
上記構成のサブビーム材3の突出部16a,16bを除く本体部分の長さ、即ち、水平天板部13の長さは、図2に示すように前後一対のビーム材2a,2b間の間隔(垂直張出板部12a/12b間の間隔)より少し短い長さであり、その両端の突出部16a,16bは、ビーム材2a,2bの上側の垂直張出板部12aの下側から溝形板部8の上側の水平板部9aの上側にL形先端部17a,17bを挿入できる長さと高さを有するものである。一方、ビーム材2a,2bには、サブビーム材支持部19が当該ビーム材長さ方向等間隔Dおきに設けられている。このサブビーム材支持部19は、溝形板部8の上側の水平板部9aから垂直板部11にわたってL形に形成された左右一対の切欠き部20a,20bによって構成されている。この左右一対の切欠き部20a,20bは、サブビーム材3の左右一対の突出部16a,16bにおけるL形先端部17a,17bが下向きに嵌合出来る間隔で形成されたものであり、溝形板部8の垂直板部11には、前記切欠き部20a,20bの垂直部の互いに隣り合う内側辺から切欠き部20a,20b内に突出する突出板部21が形成されている。
【0019】
上記構成において、前後一対のビーム材2a,2b間にサブビーム材3を架設する手順について説明すると、図6に示すようにサブビーム材3をビーム材2a,2bに対して斜めの姿勢でビーム材2a,2b間に下した後、サブビーム材3を、ビーム材2a,2bに対して直角向きの姿勢まで水平に回転させ、図7及び図8に示すように、その両端の突出部16a,16bをビーム材2a,2bの上側の垂直張出板部12aと溝形板部8の上側の水平板部9aとの間に挿入させる。このとき、図示のように、当該サブビーム材3の両端の突出部16a,16bにおけるL形先端部17a,17bがビーム材2a,2b側の選択された1つのサブビーム材支持部19における左右一対の切欠き部20a,20bの水平部の真上に位置することになる。係る状態では、サブビーム材3の突出部16a,16bを除く本体部分の両端部3a,3b(水平天板部13の両端と左右両垂直側板部14a,14bの突出部16a,16bに連なる両端垂直縁部)がビーム材2a,2bの垂直張出板部12aに当接するまでの範囲内で、サブビーム材3はその長さ方向に移動できるが、この移動範囲の中央位置にサブビーム材3が位置しているとき、平面視において、ビーム材2a,2bの溝形板部8の垂直板部11(突出板部21)が両突出部16a,16bにおけるL形先端部17a,17bの凹入部18a,18bの巾(ビーム材2a,2bの長さ方向の巾)の中央位置に位置するように構成されている。
【0020】
上記のようにサブビーム材3を位置させたならば、そのままサブビーム材3を下げて、両端の突出部16a,16bにおけるL形先端部17a,17bをビーム材2a,2bの左右一対の切欠き部20a,20b内に落とし込む。この結果、図9に示すように、サブビーム材3は、両端の左右一対の突出部16a,16bにおけるL形先端部17a,17bの水平張出板部15a,15bにおいて、ビーム材2a,2bの左右一対の切欠き部20a,20bの垂直部の下側辺で支持されると共に、L形先端部17a,17bが備える凹入部18a,18b内に切欠き部20a,20bの垂直部の突出板部21が嵌合している。従って、前後一対のビーム材2a,2b間で水平に支持されたサブビーム材3をその長さ方向前後に移動させたとき、サブビーム材3側の前記凹入部18a,18bの一側辺とビーム材2a,2b側の前記突出板部21とが当接するか又は、当該凹入部18a,18bの巾が広いときは、前記凹入部18a,18bの一側辺とビーム材2a,2b側の前記突出板部21とが当接する前に、サブビーム材3の前記本体部分の両端部3a,3bの一方がビーム材2a又は2bの垂直張出板部12aに当接することになる。しかし、図示のように、サブビーム材3の前記本体部分の両端部3a,3bの一方がビーム材2a又は2bの垂直張出板部12aに当接する以前に、前記凹入部18a,18bの一側辺とビーム材2a,2b側の前記突出板部21とが当接してサブビーム材3の長さ方向の移動が制限されるように、前記凹入部18a,18bの巾を設定しておくのが望ましい。
【0021】
以上にようにして前後一対のビーム材2a,2b間に水平に架設されたサブビーム材3は、その突出部16a,16bの付け根部がビーム材2a,2bの垂直張出板部12aに当接する高さまで平行に持上げた後に水平に回転させて、その両端の突出部16a,16bをビーム材2a,2bから内側へ離脱させない限り、ビーム材2a,2bから取り外すことが出来ない。換言すれば、前後一対のビーム材2a,2b間に水平に架設されたサブビーム材3は、ビーム材2a,2b側の切欠き部20a,20bとサブビーム材3側の突出部16a,16bにおけるL形先端部17a,17bとの嵌合により、ビーム材2a,2bに対して直角向きで定位置に保持されている。又、サブビーム材3側の前記凹入部18a,18bの巾を上記のように設定して構成するときは、サブビーム材3にその長さ方向の外力が作用しても、当該サブビーム材3の前記本体部分の両端部3a,3bの一方がビーム材2a又は2bの垂直張出板部12aに当接することを避けられ、この当接に起因する塗装やメッキの剥げ落ちが防止出来る。
【0022】
尚、上記のように前後一対のビーム材2a,2b間に水平に架設されたサブビーム材3の上に直接荷を載置するときは、当該サブビーム材3の上面、即ち、水平天板部13の上面は、ビーム材2a,2bの上面、即ち、上側の外側水平板部7aの上面とほぼ面一か又は若干低くなるように、サブビーム材3の高さを設定して構成することになるが、前後一対のビーム材2a,2b間でサブビーム材3上に荷を支持する棚板材を載置するときは、サブビーム材3の上面がビーム材2a,2bの上面より棚板材の厚さ分だけ低くなるように構成することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明のラックの棚用フレームは、型材を利用して構成される組み立て式の各種ラックに活用出来るものである。
【符号の説明】
【0024】
1 棚用フレーム
2a,2b ビーム材
3 サブビーム材
3a,3b サブビーム材本体部分の両端部
7a,7b ビーム材の外側水平板部
8 ビーム材の溝形板部
9a,9b 溝形板部の上下両水平板部
10a,10b ビーム材の傾斜板部
11 溝形板部の垂直板部
12a,12b ビーム材の垂直張出板部12a,12b
13 サブビーム材の水平天板部
14a,14b サブビーム材の左右両垂直側板部
15a,15b サブビーム材の水平張出板部
16a,16b サブビーム材両端の突出部
17a,17b 突出部のL形先端部
18a,18b L形先端部の凹入部
19 サブビーム材支持部
20a,20b 切欠き部
21 突出板部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後一対のビーム材間に、当該ビーム材の長さ方向適当間隔おきにサブビーム材を架設して成る棚用フレームを備えたラックにおいて、前記ビーム材は、上下一対の外側水平板部間に配置された中間水平板部と、この中間水平板部の内側辺から直角下向きに連なる垂直板部とを有し、前記サブビーム材の長さ方向両端には、前記ビーム材の上側の外側水平板部と中間水平板部との間に挿入可能な突出部が設けられ、この突出部には、垂直側板部と当該垂直側板部の下側辺から折曲連設された水平張出板部とから成り且つ当該水平張出板部の内側辺に凹入部が形成されたL形先端部が設けられ、前記ビーム材には、前記中間水平板部と垂直板部とにわたって、前記サブビーム材の突出部のL形先端部が下向きに嵌合可能な切欠き部が設けられ、この切欠き部には、前記凹入部に嵌合してサブビーム材の長さ方向の遊動を制限する突出板部が形成されている、ラック。
【請求項2】
前記サブビーム材の突出部は左右一対設けられ、両突出部のL形先端部は、その水平張出板部が互いに接近する内向きに設けられて左右対称形に構成され、前記ビーム材の切欠き部は、前記左右一対のL形先端部が同時に嵌合出来るように左右一対、左右対称形に設けられている、請求項1に記載のラック。
【請求項3】
前記サブビーム材は、水平天板部とこの水平天板部の左右両側辺から下向きに折曲連設された左右両垂直側板部、及びこの左右両垂直側板部の下側辺から内向きに折曲連設された水平張出板部から構成され、前記左右一対の突出部は、前記左右両垂直側板部と水平張出板部をこのサブビーム材の長さ方向に延出させて構成されている、請求項2に記載のラック。
【請求項4】
前記ビーム材は、上下一対の外側水平板部と、この上下一対の外側水平板部間に配置され且つ凹溝部が外向きに開放された溝形板部と、前記上下一対の外側水平板部の外側辺と前記溝形板部の上下両水平板部の外側辺とをつなぐ上下一対の傾斜板部とから構成され、前記中間水平板部は、前記溝形板部の上側の水平板部であり、前記垂直板部は、前記溝形板部の上下両水平板部の内側辺をつなぐ垂直板部である、請求項1〜3の何れか1項に記載のラック。
【請求項5】
前記ビーム材には、その上下一対の外側水平板部の内、少なくとも上側の外側水平板部の内側辺から内向きに折曲連設された垂直張出板部が形成され、このビーム材の前記切欠き部に支持されているサブビーム材が上向きに移動して当該切欠き部から前記突出部のL形先端部が上方に離脱したとき、当該突出部の付け根部が前記垂直張出板部に当接するように構成されている、請求項1〜4の何れか1項に記載のラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−31548(P2013−31548A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169119(P2011−169119)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】