説明

ラベルおよびカード用の自己発電ディスプレイ

電極を慎重に選択し、内部ならびに外部の電流の流れを生成するように適切な電極を接続することによって、バッテリシステムをエレクトロクロミックシステムと組み合わせるデバイスが開示される。このシステムは、バッテリ構成要素をなくすることを可能にし、部品の数および相互接続の数を削減することによってコストを削減し製造歩留まりを改善する。しかし、この設計は、バッテリシステムの、検知システムとの組合せにさらに拡張することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、スマートラベル、クレジットカード、スマートカード、センサ、無線周波数識別(RFID)対応ディスプレイ、タッチディスプレイ、専用コンピュータ、使い捨てシステムなどのデバイス内で使用するための自己発電ディスプレイに関し、また、そのようなディスプレイを有する家電デバイスおよびワイヤレス通信デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な可搬型デバイスが、1つまたは複数のバッテリなど可搬型エネルギー源を使用している。他のデバイスは、無線周波(RF)によって維持される近接場通信を使用している。また、他のデバイスは、エネルギーを受け取り、一時のアドホックな事柄における動作を支援するために、誘導結合を使用する。バッテリ技術、およびそのようなデバイスの電力消費に対する改善にもかかわらず、デバイス有用寿命、および先進応用例のための十分なエネルギーヘッドルーム(energy headroom)をもたらすために、バッテリがしばしば必要とされる。バッテリは扱いにくいものであり、新しい、また既存のフォームファクタを生み出す能力を制限する可能性がある。
【0003】
いくつかのデバイスについては、太陽電池が、実行可能な補足的または代替のエネルギー源を代表する。可搬型計算機など、いくつかのデバイスは、これらのデバイスのいくつかを1つまたは複数の太陽電池によって完全に給電することができる十分に大きな使用可能表面積と十分に低い電力必要性とを共に有する。残念ながら、ラベルなど多数のデバイスは、環境光の量が、散発的または連続的な動作に必要とされるエネルギーを提供するのに十分でない屋内環境で使用される。その結果、太陽電池は、そのようなデバイスのための十分な電力源として見られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7206044号明細書
【特許文献2】米国特許第6518944号明細書
【特許文献3】米国特許第5153760号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0080925号明細書
【特許文献5】米国特許第6130773号明細書
【特許文献6】米国特許第3940205号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自己発電式ディスプレイシステムを生み出す試みは、太陽電池がLCDディスプレイまたはCh−LCDディスプレイと機械的に一体化される米国特許(特許文献1、特許文献2、または特許文献3参照)に述べられているものなど、太陽エネルギーを利用することに焦点を絞っている。米国特許出願(特許文献4参照)は、エレクトロクロミックディスプレイを太陽電池と一体化する。これらの補足的または代替のエネルギー源は、光がないとき機能しない。他の「自己発電」ディスプレイは、反射型双安定ディスプレイ用の圧電電力について記載している米国特許(特許文献5参照)に述べられているものなど、動力を電力源と考えている。米国特許(特許文献6参照)は、インジウム電極を使用し、外部電力を必要とすることなしにエレクトロクロミック材料の層内を呈色させるが、退色を制御することができない。
【0006】
したがって、ワイヤレス通信デバイスを含めて、デバイス内のバッテリ電力を、市場で受け入れられる、かつコスト効果的な形で補う、または置き換えるための方法が、引き続き求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本発明は、自己発電または電力を補うことが可能なデバイスを提供する。このデバイスは、第1のレドックス電位を有する第1の材料を有する少なくとも1つの第1の電極を含む第1の層と、第2のレドックス電位を有する第2の材料、金属酸化膜、および金属酸化膜に吸着されたレドックス発色団を有する少なくとも1つの第2の電極を含む第2の層と、第3のレドックス電位を有する第3の材料を有する少なくとも1つの第3の電極を含む第3の層とを含む。また、このデバイスは電解質を含み、第1の層、第2の層、および第3の層が電解質と接触し、第1のスイッチが第1の層および第2の層と電気的に接続し、第2のスイッチが第2の層および第3の層と電気的に接続する。第1のレドックス電位は第2のレドックス電位より高い負電位であり、第3のレドックス電位は第2のレドックス電位より高い正電位である。
【0008】
他の態様では、本発明は、自己発電デバイスを動作させる方法を提供する。この方法は、デバイスを用意するステップを含み、デバイスは、第1のレドックス電位を有する第1の材料を有する少なくとも1つの第1の電極を含む第1の層と、第2のレドックス電位を有する第2の材料、金属酸化膜、および金属酸化膜に吸着されたレドックス発色団を有する少なくとも1つの第2の電極を含む第2の層と、第3のレドックス電位を有する第3の材料を有する少なくとも1つの第3の電極を含む第3の層とを含む。このデバイスは、電解質をさらに含み、第1の層、第2の層、および第3の層が電解質と接触し、第1のスイッチが第1の層および第2の層と電気的に接続し、第2のスイッチが第2の層および第3の層と電気的に接続する。第1のレドックス電位は第2のレドックス電位より高い負電位であり、第3のレドックス電位は第2のレドックス電位より高い正電位である。この方法は、第1のスイッチおよび第2のスイッチを開くことによってディスプレイデバイスを充電するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の、本発明の好ましい実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せ読めば、よりよく理解されよう。本発明を例示するために、図面には、現在好ましい実施形態が示されている。しかし、本発明は、図のまさにその構成および手段に限定されないことを理解されたい。
【0010】
【図1】自己発電ディスプレイセンサデバイスの動作原理を示す図である。
【図2】自己発電モードから基準モードへの切替えを示す図である。
【図3】諸層、および基板上にプリントされた別個の基準電極を示す図である。
【図4】カソード層、電気光学層、アノード層を示す図である。
【図5】3つの異なる平面上の電極層の構成を示す図である。
【図6】単一の平面上の電極層の別の構成を示す図である。
【図7A】単一の平面上の電極層の別の構成を示す図であり、スイッチおよびディスプレイ/センサコントローラに接続された層を示す図である。
【図7B】単一の平面上の電極層の別の構成を示す図であり、ディスプレイ/センサコントローラに接続された層を示す図である。
【図8A】単一の平面上の異なる層がインターディジテートされている2つの平面上の層を示す図であり、それらの2つの平面の層平面図である。
【図8B】単一の平面上の異なる層がインターディジテートされている2つの平面上の層を示す図であり、それらの2つの平面の側面図である。
【図9】電極の層を有するスマートカードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ある種の用語が、単に便宜上、以下の説明で使用されており、限定するものではない。「右」「左」「上部(top)」「下部(bottom)」という語は、参照される図面内での方向を示す。
【0012】
本明細書では、「電気光学層」は、電流または電圧に対して光学応答をもたらす、反射型ディスプレイ、たとえば電極およびエレクトロクロミックレドックス発色団を含むエレクトロクロミックディスプレイの層を意味する。他の例では、電気泳動ディスプレイ内の電気光学層は、電界の影響を受けて移動する荷電粒子を含むことができる。
【0013】
本明細書では、「エレクトロコミック(electrochomic)レドックス発色団」「レドックス発色団」または「発色団」は、電気化学反応に関わる、また酸化または還元したとき変色を受けるある物質または物質の混合物を意味する。また、本明細書では、「変色する」または「変色」は、その物質または物質の混合物が、新しい色を得る、または透明から色付きに変化する、または色付きから透明に変化することを意味する。変色は、観察者の目に見えるもの、または計器によって検出可能なものとすることができる。
【0014】
本明細書では、「電気光学的に活性なエレクトロクロミック電極」または「電気活性」電極は、レドックス発色団を含み、レドックス発色団がレドックス化学反応に関わり変色するように電気化学的性質に関与する電極である。
【0015】
本明細書では、「電気光学効果」は、デバイスの電荷に基づく、デバイスの光学特性の変動である。いくつかの実施形態では、電気光学効果は、電気光学的に活性なエレクトロクロミック電極上のレドックス発色団の色の変化の結果を含む。この結果は、関係デバイスの領域の光の散乱または光の吸収の変化を含むことができる。また、この結果は、関係デバイスの領域内における可視色または色彩差(shade of color difference)を含む。
【0016】
図1を参照すると、一実施形態の自己発電ディスプレイ100の動作原理が示されている。3つの電極が、電解質105に接触して配置される。電極は、電気化学反応に関わることができる物質を含む。電解質105は、通常の電解質とすることができ、あるいは下記で述べるように、電解質は、液体または固体とすることができる様々な物質を含むこともできる。第1の状態では、デバイスが充電されている。スイッチ190をポスト110上で閉じることにより、電極A120から電極C130への電子移行が可能になり、第2の状態になる。電子が移行したとき、電極Cに関連付けられた電気光学材料が変化し、電気光学効果を生じる。好ましくは、この材料は、電極Cに吸着されたエレクトロコミック(electrochomic)レドックス発色団を含み、この電気光学効果は、この発色団の第1の変色を含む。この変色は、第1の状態で存在していた第1の色から第2の状態で存在する第2の色への変化と呼ぶことができる。発色団が還元された後で、スイッチ190をポスト140上で閉じることにより、電極Bへの電子移行、および発色団の酸化が可能になり、デバイスは、第3の状態になる。酸化したとき、発色団を第1の状態の色に戻す第2の変色が発生する。ポスト110に対するスイッチ190の動作を第1のスイッチと呼ぶことができ、ポスト140に対するスイッチ190の動作を第2のスイッチと呼ぶことができる。レドックスメディエータが電解質内に存在しない、または電極間の機械的な短絡が存在するならば、システムは開回路(開スイッチ190/110および開スイッチ190/140)で双安定である。述べたように、これらのスイッチを開閉することにより、電気光学層の色を、第1の色と第2の色の間で繰り返し切り替えることができる。図1に示されている構造は、ディスプレイ、コンデンサ、バッテリの機能をもたらす。機能は、下記で述べるように、位置/入力センサをも含むように容易に拡張することができる。
【0017】
好ましい実施形態では、電極A120がZn電極であり、電極BがMgO2電極であり、電極C130がメソポーラスなTiO2/ビオロゲン電極であり、ビオロゲンは発色団であり、レドックス反応に関与した結果として変化する。代替的実施形態は、他の物質またはそれらの組合せを、レドックス発色団として、またはレドックス発色団に加えて含む。電子移行に続いて、いくらかのZn2+が生成される(電極結合または電解質結合)。ビオロゲンが着色された後、すなわちその還元形態で、スイッチ140を閉じることにより、ビオロゲンの退色、および同時にMnO2カソード150の還元が誘発される。水性酸性電解質内で亜鉛電極120(起電力(EMF)(A)=−0.8V)、二酸化マンガン電極150(EMF(B)=+0.6V)、およびTiO2/ビオロゲン電極130(EMF(C)=−0.4V)を有するセルは、自己発電し、コントローラなど外部デバイスが使用するための約1.4Vを生成することになる。したがって、着色状態と脱色状態の間のビオロゲンの切替えは、スイッチ110またはスイッチ140をそれぞれ閉じて電極A120と電極C130、または電極B150と電極C130を単に接続することによって行うことができる。これは、Zn電極120とビオロゲン電極130の間の正味のEMFがMnO2電極150とビオロゲン電極130の間の正味のEMFに比べて正の方向のものであるために可能である。
【0018】
上述の実施形態は、Zn電極、TiO2/ビオロゲン電極、およびMnO2電極を含むが、概説されている原理、すなわち第1の電極から第2の電極への電子移行が第2の電極に関連付けられたレドックス発色団の色を変化させ、第2の電極から第3の電極への電子移行もまたレドックス発色団の色を変化させることを使用し、同様の相対的なEMFを含む電極を選択することができる。そのような自己発電システムのためのドライバは、それだけには限らないが、複雑さが非常に小さいレベルのドライバとすることができる。これは、動作するのにスイッチの制御しか必要とされないために可能である。さらに、他の実施形態では、電極A120および電極B150の安定な電極電位を基準電極として使用し、エレクトロクロミック電極C130の電位を制御することもできる。
【0019】
また、外部コントローラに給電し、外部コントローラが充電(または放電)を制御することも可能である。この実施物は、3電極システムとしてシステムを動作させることを可能にする。他の実施形態では、自己発電ユニットを、ラベル、スマートカード、またはそれ自体のオン電力源を有する他のデバイスと一体化することができる。この実施形態では、様々な電力源を、コンピュータバッテリの管理のような、デバイス内の様々な機能に適合させることができる。他の実施形態では、エレクトロクロミックディスプレイがその容量性能力に関して最適化され、コンデンサとして、充電されたとき変色する。
【0020】
本実施形態のアノード用の材料は、Li、K、Ca、Na、Mg、Hg、Al、Zn、Cr、またはそれらの組合せ、化合物、アマルガム、もしくは合金を含むことができる。本実施形態のカソード用の材料は、Cu2O、CuO、AgO、MnO2、またはそれらの組合せ、化合物、アマルガム、もしくは合金を含むことができる。
【0021】
好ましい実施形態では、電気光学電極が、メソポーラス、すなわちナノポーラス−ナノ結晶半導体金属酸化膜を含む。他の好ましい実施形態では、金属酸化物は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、モリブデン、インジウム、ニオブ、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、銀、亜鉛、ストロンチウム、鉄(Fe2+またはFe3+)、ニッケル、およびペロブスカイトを含む半導体酸化物の群の1つまたは複数とすることができる。より好ましくは、金属酸化物は、
(a)F、Cl、Sb、P、As、またはBでドープされたSnO2
(b)Al、In、Ga、B、F、Si、Ge、Ti、ZrまたはHfでドープされたZnO、
(c)SnでドープされたIn23
(d)CdO、
(e)3成分酸化物ZnSnO3、Zn2In25、In4Sn312、GaInO3、またはMgIn24
(f)TiO2/WO3またはTiO2/MoO3系、
(g)SbでドープされたFe23、および
(h)Fe23/SbまたはSnO2/Sb系
を含む金属導電性金属酸化物の群から選択される。
【0022】
好ましい実施形態では、レドックス発色団は、ナノポーラス−ナノ結晶半導体金属酸化膜に吸収または結合(attached)される。レドックス発色団は、それだけには限らないが、以下の化合物の1つまたは複数とすることができる。すなわち、
【0023】
【化1】

【0024】
上式で、R1は、
【0025】
【化2】

【0026】
からなる群から選択される。上記の構造では、R2は、C1-10アルキル、N酸化物、ジメチルアミノ、アセトニトリル、ベンジル、フェニル、モノニトロ置換フェニル、およびジニトロ置換フェニルから選択され、R3は、C1-10アルキルであり、R4〜R7は、水素、C1-10アルキル、C1-10アルキレン、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、ニトロ、およびアルコール基からそれぞれ独立に選択される。Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、BF4.-、PF6-、およびClO4-からなる群から選択される電荷平衡イオンであり、n=1−10である。
【0027】
図2を参照すると、基準電極と共に動作することが可能なデバイス200が示されている。負電位を有する電極A220、電極A220の負電位ほど高くない負電位を有する電極C230、および正電位を有する電極B250。また、図2は、コントローラ260およびスイッチ290、295、296と、ポスト210、240と、接続270、280とを示す。図1に示されている実施形態と同様に、ポスト210に対するスイッチ290の動作を第1のスイッチと呼ぶことができ、ポスト240に対するスイッチ290の動作を第2のスイッチと呼ぶことができる。好ましい実施形態では、電極A220がZn電極であり、電極B250がMnO2電極250であり、電極C230がTiO2電極230である。
【0028】
図2に示されている実施形態では、アノード電極はまた、基準電極として、すなわち、安定な、よく知られている電極電位を有する電極として使用することができる。自己発電モードから基準モードへの切替えを、基準電極230を用いて、自己発電ディスプレイ200に取り付けられたディスプレイコントローラ260を介して制御することができる。スイッチ290を極210に接続することにより、電極230が着色される。スイッチ290を極240に接続することにより、電極230が強制的に退色される。電気化学層(たとえば、TiO2電極230)上に電荷が存在するとき、カソード層のシフトが発生する可能性がある。基準電極なしでは、駆動方式が電流駆動に制限される可能性があり、電流源が有限の時間量の間適用される。基準電極が使用されているとき、駆動方式は、より低コストの電圧ドライバとなることができる。イオン導電性であるが電気的に分離している電解質を使用することにより、電極電位のより高い安定性を達成することができる。
【0029】
図2に示されている実施形態を使用し、セグメント間のコントラスト比を管理することができる。セグメントは、スマートカード内の数字セグメントディスプレイの7セグメント、または英数字セキュリティカードの13セグメントとすることができよう。
【0030】
図3を参照すると、負のレドックス電位を有する電極A320、正のレドックス電位を有する電極B、および電極A320と電極B350の電位の間のレドックス電位を有する電極C330を有する実施形態が示されている。好ましくは、電極A320はZn電極であり、電極B350はMnO2電極であり、電極C330はTiO2レドックス発色団電極である。図3に示されているように、ディスプレイはまた、別個の基準電極365を含むことができる。スイッチ390、ポスト310、340、およびコネクタ370、380は、図2における290、210、240、270、および280のラベルが付けられた図の特徴と同様である。図2に示されているディスプレイコントローラもまた、図3に示されている実施形態に適合させることができる。そのような構成では、ポスト395がスイッチ295と同様のスイッチを形成することができる。好ましい基準電極365は、銀/塩化銀(Ag/AgCl)、銀/硝酸銀(Ag/AgNO3)、またはZnを含む。
【0031】
一実施形態では、(外部再充電なしに)達成可能なスイッチの数は、電極Aまたは電極B(たとえば、Zn電極およびMnO2電極)の充電容量、コントラスト比(CR)目標、漏れ電流によって決まる。MnO2の公称膜、すなわちモル質量=87g/mol、密度=5.0g/cm3、したがってモル体積=17.4cm3/molについて考えてみる。このシステムに関して使用可能な電荷量は、以下のように計算される。4μm多孔質層(たとえば、MnO225%、炭素25%、空孔率50%)については、バルクのMnO2は1μm(すなわち、10-4cm)である。そのような層では、電極の1cm2あたりの体積=10-4cm・1cm2=10-4cm3、および電極の1cm2あたりのmol=10-4cm3/(17.4cm3/mol)=5.75×10-6molである。電極の1cm2あたりの電荷=5.75×10-6mol・9.65×104C/mol=550mCであり、これは約0.15mAhである。比較のために、ペーパーバッテリは約2mAh/cm2を有する。
【0032】
本発明の一実施形態によるデバイスが、電気光学電極(たとえば、TiO2電極350)上に堆積された公称25mm2(5mm×5mm)のアイコンを有し、電荷密度1.5mC/cm2を必要とし、このディスプレイに関連付けられた3ボルトのICデバイスコントローラチップ(このチップは、従来のICまたはプリント型とすることができる)によって駆動されると仮定する。次いで、このアイコンの1回の操作は、1.5mC*0.25cm2を使用してピクセルを充電し、コントローラ用に0.4*3*1を使用し、合計1.6mCとなる。このシステムは、550mC/1.6mC/cm2=スイッチ350回をサポートすることになる。そのような実施形態に適した応用例の例示的な、しかし非限定的な例は、輸送ストアードバリューカード、またはコンテナに取り付けられるスマートラベルを含む。上述のように、ディスプレイデバイスを、情報を選択的に表示し、各ピクセルまたはセグメント内で発電するように構成することができる。
【0033】
上述のように、本発明の一実施形態における自己発電デバイスの特徴は、電極間のイオン導電性をもたらすために電極A、B、Cがイオン導電体(すなわち、電解質)と接触することである。一般に、電極と接触する1つまたは複数のイオン導電体が電解質と呼ばれる。しかし、本明細書における実施形態は、必ずしも1つの一般的な電解質に限定されない。様々なタイプの電解質が様々な電極と接触することができる。異なる電解質が使用される場合、2つの相異なる電解質の界面を横切るイオン移動が可能であるべきである。特定の基準電極が追加される場合、その基準電極と共に使用される電解質は、その基準電極の平衡電位が確実に安定するように、十分な濃度のものとすることができる。好ましい実施形態では、Ag/AgCl電極またはAg/AgNO3電極などの電極が、KCl電極と共に使用される。他の実施形態では、基準電極/電解質の少なくとも一部分の周りに、多孔質保護膜が配置される。
【0034】
一実施形態では、電極間のイオンの運動を支援する固体電解質層が使用される。固体電解質は、リチウムなどイオン化合物を含むポリマーとすることができる。好ましい実施形態では、固体電解質は、溶媒(水性または有機)および塩を有するゲルなど、3次元構造である。他の好ましい実施形態では、固体電解質は、メタ酸化物(meta oxide)クラスタなど、イオン導電体またはプロトン導電体である。
【0035】
他の実施形態では、様々な金属または金属酸化物を電極内で一体化し、より複雑な構造を形成することができる。これは、より柔軟な、かつ特定のフォームファクタの必要性に適合された構造(丸めることができる、または共形にすることができる構造、またはアンテナ性能を損なわないように無線周波数識別(RFID)対応システム内に配置することなど)を生み出すことを可能にする。また、電極材料の様々な厚さをも使用することができる。
【0036】
図4を参照すると、電極が異なる平面内に設けられる本発明の一実施形態が示されている。第1の平面410は、図では、第2の平面420の下にある。電極は、たとえばプリントによって基板上に堆積された材料の層とすることができる。図4に示されているように、電極の層が平面420上に設けられている。電解質または電解質の組合せが平面410、420内の層同士を接続する。平面410は、アノード電極またはカソード電極の層を含むことができ、平面420は、その相手方となる電極の層を含むように適合される。たとえば、平面410が(1つまたは複数の)Zn電極の層を含む場合、平面420は、(1つまたは複数の)TiO2/ビオロゲン電極および(1つまたは複数の)MnO2電極を含むことができる。これらの層は、互いに重なり合う個々の基板に付着させることができる。あるいは、単一の基板上で並べて、または互いに重ねて、層を付着させることができる。どちらの場合でも、層同士を接触する電解質を設けることによって、層同士を動作可能に接続することができる。また、動作可能な接続は、電解質が浸透し、異なる基板上の層に、または単一の基板の異なる部分に接触することができる基板内の穴を含むことができる。
【0037】
図4に示されているように、層420は、様々な構造の1つまたは複数の電極を含むようにプリントする、または他の方法で構築することができる。平面420上の電極は、異なる物質、たとえば電極421、422、423もしくは424内の金属A、電極425内の合金B、または電極426、427もしくは428内の化合物Cを含むことができる。たとえば、1組の電極が金属酸化膜を含むことができ、一方、個々の電極が、その膜に追加された異なるドーピング材料を有する。電極材料の選択は、たとえば個々の電極の空孔率、導電率、または反応性を最適化することによってデバイスの電気的または電気化学的な性能を高めるように設計することができる。さらに、コネクタ429、431など金属接続を使用し、電極をブリッジ432にリンクさせることができる。ブリッジ432は層の一部であり、電極421〜428をリンクさせる導電性材料または電極材料を含む。他の実施形態では、絶縁コネクタ433が、電極427をブリッジ432にリンクする動作可能な接続を含む。この絶縁体は、電解質から金属接続を保護するように適合させることができる。層状構成要素を有するデバイス、およびそのようなデバイスの製造については、(2008年3月21日に出願された「Display systems manufactured by co-manufacturing printing processes」という名称の)米国特許出願第12/077789号明細書記載されており、この出願を本明細書に、完全に述べられているのと同様に組み込む。
【0038】
レドックス発色団の変化がエンドユーザによって監視される実施形態では、層(カソード層、電気化学層、アノード層)は、電気化学層がエンドユーザに見えるように、または他の方法で検出可能となるように配置することができる。層の配置および数は限定されないが、好ましい実施形態は、3層構成を含む。特定の層構成が図5、6、7、8に示されている。
【0039】
図5を参照すると、3平面デバイス500が示されている。アノード層510は、カソード層520の下の平面を占有し、カソード層520は、電気活性層530の下の平面を占有する。電気活性層530は、他の層の上方の層を占有し、ユーザに対して提示することができる。各層は、特定の応用例に適するようにその奥行き、幅、および高さを変えることができる。たとえば、電気光学層530は、下にあるカソード層520の面積より小さいその平面上の面積を有することができる。各層の奥行きを変えることができる。たとえば、カソード層またはアノード層は、残りの層より大きい奥行き(すなわち、紙面(the plane)に対して直交する方向でより大きな寸法)を有することができる。
【0040】
ディスプレイ/センサ540、550、560が層530上で示されている。一実施形態では、電気活性層内の電気活性要素を使用して情報を表示し、ディスプレイ/センサ540、550、または560がディスプレイとして実装される。他の実施形態では、電気活性要素を使用し、環境に対するそれらの応答に基づいて情報を提供することができ、その場合には、ディスプレイ/センサ540、550、または560は、センサとして実装される。ディスプレイ/センサ540、550、560によって離散的な点が示されているが、これらの点は、電気光学層内に組み込むことができる機能を表す。一実施形態では、視覚的表現を電気光学層全体にわたって提供することができる。他の実施形態では、電気光学層の第1の部分が1つの視覚的表現を含むことができ、第2の部分が第2の視覚的表現を含むことができる。他の実施形態では、電気光学層のすべてまたは一部分が、センサとして働くように適合されてもよい。
【0041】
図6を参照すると、3つの層が1つの平面上にプリントされている単一の平面トポロジ600が示されている。アノード層610は、平面の左側部分および上部部分に枠付けする。カソード層620は、平面の右側部分および下部部分に枠付けし、電気活性層630は、平面の中央部分を占有する。ディスプレイ/センサ640、650、660は、電気活性層630内に示されている。ディスプレイの制御は、単純なフリップフロップ風の構造から、より複雑なロジックまで様々なものとすることができる。プリント電子回路の改善により、本実施形態の制御回路の一部またはすべてを、ディスプレイ/センサ/バッテリ/キャパシタンス構造として、同じ基板上でプリントすることができる。そのようなデバイスは、「ディスプレイ制御型(display controlled)」と呼ぶことができる。図6に示されているように、ディスプレイの単一の平面トポロジをデバイス制御型に適合させることができるが、ディスプレイ制御型デバイスはこのトポロジに限定されない。
【0042】
図7を参照すると、単一の平面トポロジの2つの異なる実施形態が図7Aおよび図7Bに示されている。図7Aおよび図7Bでは、アノード層710は、平面の左側部分および上部部分に枠付けする。カソード層720は、平面の右側部分および下部部分に枠付けし、電気活性層730は、平面の中央部分を占有する。ディスプレイ/センサ740、750、760は、電気活性層730内に示されている。基板770は、図では層の下にある。また、図7Aは、層とディスプレイ/センサコントローラ790を接続するスイッチ781、782、783を示す。図7Bは、層に接続されたディスプレイ/センサコントローラ790を示す。
【0043】
一実施形態では、電気光学層は、電磁スペクトル内の波長を有する特定の放射を吸収するように設計することができる。吸収される波長は、可視スペクトル内の光に対応することができる。層が光を吸収したとき、電極電位の、または光誘起電流の対応する変化を外部回路によって検出することができる。外部回路780が図7Aおよび図7Bに示されている。そのような回路は、電荷増幅器、一般的なオペアンプ、または比較器からなることができる。好ましい実施形態では、この回路は、ディスプレイ/センサコンプトローラ(comptroller)790と一体化される。電極電圧または電極電流の変化または変化率を比較することにより、周囲条件の変化に対応する電気光学層上の光レベルの変化を検出することができる。そのような変化は、UV光にセンサ/ディスプレイがさらされることとすることができ、これは、たとえば、痛みやすい製品が輸送中に、最適に及ばない条件で貯蔵されていることを警告するために使用することができよう。
【0044】
他の実施形態では、エレクトロクロミック層をセンサとして使用し、ユーザによる入力を検出することができる。好ましくは、層が特定の波長の光を吸収したとき、電極電位の、または光誘起電流の対応する変化を外部回路によって検出することができる。そのような回路は、電荷増幅器、一般的なオペアンプ、または比較器からなることができる。電極電圧または電極電流の変化または変化率を比較することにより、ユーザ入力に対応するセンサ/ディスプレイ上の光レベルの変化を検出することができる。たとえば、ユーザの指がセンサを覆ったとき、検知の手段として、電極上の入射光が減少し、それを検出することができるであろう。ユーザが触れたことの兆候を、監視する、またはユーザ入力に変換することができる。また、複数の検出領域を含めることができ、1つの領域内の入射光の、システム内の他のセンサ領域に対する変化を使用し、入力に関する位置情報を提供することができる。そのような実施形態は、ユーザ入力に対する複数の機能を可能にすることができよう。
【0045】
他の実施形態では、センサが圧力を検出することができる。圧力は、圧力センサ、圧電センサなどをセンサ内に含めることによって検出することができる。また、デバイス内のスイッチの動作を追跡することによって、圧力検知に影響を及ぼすことができる。圧力情報が記録されるように、圧力センサをコントローラにリンクさせることができる。この情報は、物理的に、またはワイヤレス技術を介して遠隔から、デバイスに取り付けられたメモリ内に記録することができる。さらに、圧力検出は、デバイスが圧力に応答して光学的に変化するように、デバイスのディスプレイ部分の動作に変換され得る。
【0046】
異なる層面積のサイズは、同じである必要はない。特定の層のサイズは、ユーザ可視領域と発電能力の釣り合いをとるように適合させることができる。図8を参照すると、2平面トポロジ800の実施形態が示されている。アノード層810は、ブリッジ819に接続されたアーム811、812、813、814、815、816、817、および818を含む。ブリッジ819は、電極材料を含み、アーム811〜818をリンクする。カソード層820は、ブリッジ829に接続されたアーム821、822、823、824、825、および826を含む。アーム821、822、823、824、825、および826は、アーム811、812、813、814、815、816、および817とインターディジテートされている。各アームは、別個の電極とすることができ、または層810もしくは層820全体が単一の電極として働くこともできる。
【0047】
図9を参照すると、ディスプレイがスマートカード900の一部である実施形態が示されている。スマートカードはしばしば薄いバッタ(batter)を必要とするが、本実施形態の下では、カード900は、必ずしも薄いバッテリを必要としない。この実施形態では、厚いカソード層およびアノード層901の第1の領域910がカード900の一部分内にあり、薄いカソード層およびアノード層を有する第2の領域902がカード900の別の部分である。さらに、電気活性層が第2の領域902に追加される。これらの領域のサイズおよび配置は、単に非限定的な例としてある。これらの領域内の層の厚さは、カードの全体的な厚さおよびトポロジを制御するように調整することができる。一実施形態では、均一なカード厚さがもたらされる。あるいは、電極、電解質、またはフィラを含めて、追加の層を構造の上部に追加し、カードの別々の点で所望の厚さをもたらすことができる。層の厚さを変えることにより、積層によってカードを処理することが容易になる。
【0048】
結果として短いバッテリ寿命を伴う急速な自己放電を回避するために、少なくとも電子供与体電極(たとえば、電極A120)または電子受容体電極(たとえば、電極B150)を他の電極から十分に分離することができる。図1では、スイッチ110、140がドライバ160に関連付けられ、電極を分離するように動作させることができる。図7に示されている実施形態は、バッテリを含むように適合させることができよう。この実施形態では、外部回路780が、電極を分離するために使用することができるスイッチ781、782、783を含む。電力源およびスイッチ210、240、270、280、290、295、296を示す図2をも参照されたい。バッテリを延長するために、電気活性種を電解質内において除去する、またはなくすることができ、電極間の直接の電気的短絡を最小限に抑えるべきである。また、電極システムの機能を制御するために、電極間の回路の次数および性質を制御することが好ましい。
【0049】
好ましい実施形態では、様々な層を基板上に堆積するために、プリント技法、たとえばフレキソ印刷、リソグラフィ、スクリーン印刷、インクジェット印刷、またはグラビア印刷が使用される。より好ましくは、複数の層および/またはすべての層が同じ基板上でプリントされる。
【0050】
最適な電気化学的連絡は、電気光学電極の寸法に依存する。好ましい実施形態では、層間の電気化学的連絡、およびコンパクトかつ場所を取らないアーキテクチャは、すべての層を互いに積み重ねてプリントすることによって達成される。さらに、直接の電気的短絡を回避するために、または特定の層間の短絡抵抗を制御するために、中間分離層を追加することができる。好ましい実施形態では、分離層が含まれ、プリント技法によって付着される。そのような構造では、分離層は、分離層の少なくとも一部にわたって多孔質とすることができる。多孔質構造は、これらの異なる電極層間のイオン導電性を促進することができる。他の実施形態では、1つの電解質を電極層Aと電極層Bの間で、また異なる電解質を電極層Bと電極層Cの間で使用することができる。3つの電極層のそれぞれが異なる電解質と接触することも可能である。そのような実施形態では、イオン導電性、したがって電気化学的連絡が3つの異なる層間で可能になるように、様々な互換の電解質を選択することができる。
【0051】
一実施形態では、アノード電極層およびカソード電極層内の電極同士を、NH4ClまたはKOHを含む電解質を介して接続することができ、カソード電極と電気活性電極の間の電解質は、Li塩またはイオン液体とすることができよう。外部電力源にも接続され、したがって第3の電極が(疑似)基準電極である一実施形態では、別個の電解質を使用することができる。一実施形態では、アノードとカソードの間の電解質は、エレクトロクロミックシステムに関して前述した電解質のいずれかとすることができ、一方、基準電極(たとえば、Ag/AgCl)を囲むイオン媒体は、高濃度のKClとすることができよう。他の実施形態では、基準電極はまた、アノードZn電極との相互作用を回避するために、保護膜内で包むことができよう。
【0052】
前述のように、本発明の実施形態は、デバイスコントローラを含むデバイスを含む。1つまたは複数のコントローラを設けることができる。コントローラは、単一の集積回路とすることができる。好ましい実施形態では、コントローラは、接触することなしに動作させることができ、たとえば、コントローラは、ワイヤレス技術を介して動作させることができる。マイクロスイッチを、ディスプレイコントローラに、また1つまたは複数の層に接続することができる。これらのスイッチは、層間で、選択的に開いて高い外部インピーダンスをもたらし、または閉じて低い外部インピーダンスをもたらすことができる。スイッチまたはコントローラを介して、充電器をデバイスに接続することもできる。好ましい実施形態では、コントローラは、アノード層を電荷源である状態から基準電極である状態に切り替えることができるように、層間でのスイッチまたは接続の変化を可能にする。他の好ましい実施形態では、コントローラは、電気光学層の電気光学特性を変化させることができる。他の好ましい実施形態では、コントローラは、レドックス発色団のすべて、または実質的にすべてが1つのレドックス状態になるように、電気光学層内のあらゆる電極の電気光学特性を変化させることができる。他の実施形態では、コントローラは、充電されているレドックスクロムフォア(chromphore)の一部分が変化するように、アノード層と電気光学層の間で接続を変化させることができる。一例では、レドックスクロムフォア(chromphore)上の電荷の5%が変化する。他の実施形態では、コントローラは、デバイスから外部構成要素にエネルギーを送ることができる。
【0053】
コントローラは、様々な構成で設けることができる。一実施形態では、コントローラは、ディスプレイと同じ基板上で部分的にプリントされる。他の実施形態では、コントローラは、ディスプレイと同じ基板上で全体的にプリントされる。
【0054】
前述のように、本明細書における実施形態のデバイスは、センサを含むことができる。一実施形態では、1つまたは複数のセンサが、環境情報を検出し、それをデバイスコントローラに送る。これらのセンサは、電気光学層の一部とすることができ、または外部センサとして設けることができる。センサを介して検知されるデータは、圧力、温度、時間、湿度、オン時間、オン状態、オフ時間、オフ状態、グラデーションレベル(gradation level)、電圧、電流、電荷、電磁界、界面動電効果(electrokinetic effects)、光、スペクトル形状、および特定の化学化合物の存在のうちの1つまたは複数とすることができる。
【0055】
一実施形態では、本明細書における実施形態のデバイスはまた、電気エネルギーを貯蔵するための1つまたは複数の追加のバッテリ、1つまたは複数のディスプレイライト、電気エネルギーを貯蔵もしくはリサイクルするための1つまたは複数の追加のコンデンサ、または通信モデムを含むことができる。好ましい実施形態では、このデバイスは通信モデムを含むことができ、モデムはワイヤレスモデムである。
【0056】
一実施形態では、レドックス発色団上に貯蔵された電荷の変化を、デバイス用のスキントーンとして使用することができる。
【0057】
電極および層は、パッシブマトリクス、アクティブマトリクス、またはパッシブ構成要素とアクティブ構成要素の混合物で動作可能に接続することができる。
【0058】
一実施形態では、ユーザがディスプレイ情報を入力することができるコントローラをデバイスが含み、コントローラは、コマンド信号を規定する。コマンド信号は、ピクセルが変色するように電気光学層内の1つまたは複数のピクセルに送ることができ、1つまたは複数のピクセルをディスプレイモードに設定することができる。さらに、コマンド信号により、電力を収集することができ、1つまたは複数のピクセルを充電モードに設定することができる。
(実施形態)
【0059】
以下のリストは、本発明の特定の実施形態を含む。しかし、当業者には理解されるように、このリストは、限定するものではなく、代替的実施形態を除外しない。
1. 第1のレドックス電位を有する第1の材料を有する少なくとも1つの第1の電極を含む第1の層と、
第2のレドックス電位を有する第2の材料、金属酸化膜、および前記金属酸化膜に吸着されたレドックス発色団を有する少なくとも1つの第2の電極を含む第2の層と、
第3のレドックス電位を有する第3の材料を有する少なくとも1つの第3の電極を含む第3の層とを具え、
該デバイスは電解質をさらに含み、前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層が前記電解質と接触し、第1のスイッチが前記第1の層および前記第2の層と電気的に接続し、第2のスイッチが前記第2の層および前記第3の層と電気的に接続し、
前記第1のレドックス電位は前記第2のレドックス電位より高い負電位であり、前記第3のレドックス電位は前記第2のレドックス電位より高い正電位であることを特徴とするデバイス。
2. 前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチが開いており、デバイスが充電され、前記レドックス発色団が酸化され第1の色を有する第1の状態を有することを特徴とする実施形態1記載のデバイス。
3. 前記第1のスイッチが閉じられており、前記第1の電極からの電子が前記第2の電極に移行され、第2の状態において、前記レドックス発色団が還元され、第1の変色を受け、第2の色を有する第2の状態を有することを特徴とする実施形態1記載のデバイス。
4. 前記第2のスイッチが閉じられており、電子が前記第2の層から前記第3の層に移行され、第3の状態において、前記レドックス発色団が第2の変色を受け、第1の色に戻る第3の状態を有することを特徴とする実施形態1記載のデバイス。
5. 複数の独立のピクセルまたはセグメントをさらに備え、各独立のピクセルまたはセグメントは、前記少なくとも1つの第2の電極の1つまたは複数を含むことを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
6. 前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層が同じ物理平面上に位置することを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
7. 前記第1の層および前記第3の層は第1の平面内でインターディゲート(interdigated)され、前記第2の層は第2の平面内にあることを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
8. 前記第1の層は第1の平面を占有し、記第2の層は第2の平面を占有し、記第3の層は第3の平面を占有し、前記第1の平面は前記第2の平面と前記第3の平面の間にあることを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
9. 前記第1の層は第1の平面を占有し、記第2の層は第2の平面を占有し、記第3の層は第3の平面を占有し、前記第3の平面は前記第1の平面と前記第2の平面の間にあることを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
10. 前記第1の材料は、Li、K、Ca、Na、Mg、Hg、Al、Zn、およびCrからなる群から選択された物質を含むことを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
11. 前記第1の材料はZnを含むことを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
12. 前記第2の材料はナノポーラス−ナノ結晶半導体金属酸化膜を含み、前記レドックス発色団は、前記ナノ結晶半導体金属酸化膜に吸着されることを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
13. 前記ナノポーラス−ナノ結晶半導体金属酸化膜はメソポーラスTiO2膜であることを特徴とする実施形態12記載のデバイス。
14. 前記第3の材料は、Cu2O、CuO、AgO、およびMnO2からなる群から選択された物質を含むことを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
15. デバイスに動作可能に接続され、Zn、Ag/AgCl、およびAg/AgNO3からなる群から選択された物質を有する基準電極をさらに具えたことを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
16. 前記レドックス発色団はビオロゲンであることを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
17. 前記電解質は、前記第1の層と前記第2の層の間のイオンの運動を支援する固体電解質層を含むことを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
18. 前記個体電解質は、リチウムなどイオン化合物を有するポリマーであることを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
19. 電気エネルギーを貯蔵するための1つまたは複数のバッテリをさらに備えることを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
20. ディスプレイライトをさらに具えたことを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
21. 1つまたは複数のコンデンサをさらに具えたことを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
22. 前記第1の層、前記第2の層、または前記第3の層の1つまたは複数に動作可能に接続された1つまたは複数のコントローラをさらに備えることを特徴とする前記実施形態のいずれか1つに記載のデバイス。
23. 前記デバイスコントローラの少なくとも1つは単一の集積回路であることを特徴とする実施形態22記載のデバイス。
24. 前記デバイスコントローラは、前記少なくとも1つの第1の電極が基準電極になるように電極間の接続を変化させることを特徴とする実施形態22〜23のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
25. 前記コントローラに情報を送達するための1つまたは複数のセンサをさらに備えることを特徴とする実施形態22〜24のいずれか1つに記載のデバイス。
26. 前記センサを介して検知される情報は、圧力、温度、時間、湿度、オン時間、オン状態、オフ時間、オフ状態、グラデーションレベル、電圧、電流、電荷、電磁界、界面動電効果、光、スペクトル形状、化学化合物からなる群から選択された1つまたは複数のパラメータを含むことを特徴とする実施形態25記載のデバイス。
27. 前記コントローラに動作可能に接続された通信モデムをさらに備えることを特徴とする実施形態22〜26のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
28. 実施形態22〜27のいずれか1つに記載のデバイスを動作させる方法であって、
(a)ディスプレイ情報を前記コントローラに入力するステップと、
(b)前記ディスプレイ情報に基づいてコマンド信号を規定するステップと、
(c)前記コマンド信号を前記デバイスコントローラから前記第2の層上の1つまたは複数のピクセルに送るステップと、
(d)前記コマンド信号に基づいて前記1つまたは複数のディスプレイピクセル上で前記ディスプレイ情報を表示するステップと、
(e)前記コマンド信号に基づいて前記第2の層および前記第3の層から電力を収集するステップと
を含むことを特徴とする方法。
29. 自己発電デバイスを動作させる方法において、
前記デバイスを用意するステップであって、前記デバイスは、
第1のレドックス電位を有する第1の材料を有する少なくとも1つの第1の電極を含む第1の層と、
第2のレドックス電位を有する第2の材料、金属酸化膜、および前記金属酸化膜に吸着されたレドックス発色団を有する少なくとも1つの第2の電極を含む第2の層と、
第3のレドックス電位を有する第3の材料を有する少なくとも1つの第3の電極を含む第3の層とを含み、
該デバイスは電解質をさらに含み、前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層が前記電解質と接触し、第1のスイッチが前記第1の層および前記第2の層と電気的に接続し、第2のスイッチが前記第2の層および前記第3の層と電気的に接続し、
前記第1のレドックス電位は前記第2のレドックス電位より高い負電位であり、前記第3のレドックス電位は前記第2のレドックス電位より高い正電位である、ステップと、
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチを開くことによって前記ディスプレイデバイスを充電するステップと
を具えたことを特徴とする方法。
30. 第1のスイッチを閉じ、電子を前記第1の電極から前記第2の電極に移行し、前記レドックス発色団を還元するステップをさらに含むことを特徴とする実施形態29記載の方法。
31. 第2のスイッチを閉じ、電子を前記第2の電極から前記第3の電極に移行し、前記レドックス発色団を酸化するステップをさらに含むことを特徴とする実施形態30記載の方法。
32. 第1の電気光学層と、
前記電気光学層に電荷を追加し、前記電気光学層の電気的に制御される特性を変化させるように構成された電極の第2の層と、
前記電気光学層から電荷を除去し、前記電気光学層の電気的に制御される特性を変化させ、前記第2の層との電気化学的動作を介して電気エネルギーを生成または貯蔵するように構成された電極の第3の層と
を具えたことを特徴とするデバイス。
33. 前記電気光学層は、少なくとも1つの電気光学的に活性なエレクトロクロミック電極からなることを特徴とする実施形態32記載のデバイス。
34. 電気光学効果は、前記電気光学層の対応するセクションの、少なくとも1つの光吸収特性または光散乱特性の変形形態であることを特徴とする実施形態32〜33のいずれか1つに記載のデバイス。
35. 複数の独立のピクセルまたはセグメントの1つが電気光学効果を有することを特徴とする実施形態32〜34のいずれか1つに記載のデバイス。
36. 前記第2の層は、前記第1の層上の前記エレクトロクロミック電極が酸化形態にあるときそれを還元するのに適した、前記電気光学層電極に比べてより高い負の還元電位を有する1つまたは複数のアノードであることを特徴とする実施形態32〜35のいずれか1つに記載のデバイス。
37. 前記第3の層は、前記エレクトロクロミック電極が還元形態にあるときそれを酸化するのに適した、前記電気光学層電極に比べてより高い正の還元電位を有する1つまたは複数のカソードであることを特徴とする実施形態32〜36のいずれか1つに記載のデバイス。
38. 前記アノード用の材料は、Li、K、Ca、Na、Mg、Hg、Al、Zn、Cr、またはそれらの組合せ/化合物/アマルガム/合金のいずれかであることを特徴とする実施形態32〜37のいずれか1つに記載のデバイス。
39. 前記カソード用の材料は、Cu2O、CuO、AgO、MnO2、またはそれらの組合せ/化合物/アマルガム/合金のいずれかであることを特徴とする実施形態32〜38のいずれか1つに記載のデバイス。
40. レドックス発色団がナノポーラス−ナノ結晶半導体金属酸化膜に吸収または結合されることを特徴とする実施形態32〜39のいずれか1つに記載のデバイス。
41. 前記金属酸化物は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、モリブデン、インジウム、ニオブ、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、銀、亜鉛、ストロンチウム、鉄(Fe2+またはFe3+)、ニッケル、およびペロブスカイトからなる半導体酸化物の群から選択されることを特徴とする実施形態32〜40のいずれか1つに記載のデバイス。
42. 前記金属酸化物は、
(a)F、Cl、Sb、P、As、またはBでドープされたSnO2
(b)Al、In、Ga、B、F、Si、Ge、Ti、ZrまたはHfでドープされたZnO、
(c)SnでドープされたIn23
(d)CdO、
(e)3成分酸化物ZnSnO3、Zn2In25、In4Sn312、GaInO3、またはMgIn24
(f)TiO2/WO3またはTiO2/MoO3系、
(g)SbでドープされたFe23、および
(h)Fe23/SbまたはSnO2/Sb系
からなる金属導電性金属酸化物の群から選択されることを特徴とする実施形態32〜41のいずれか1つに記載のデバイス。
43. 前記レドックス発色団は、
【0060】
【化3】

【0061】
からなる群から選択された1つまたは複数の物質を含み、上式で、R1は、
【0062】
【化4】

【0063】
からなる群から選択され、
2は、C1-10アルキル、N酸化物、ジメチルアミノ、アセトニトリル、ベンジル、および任意選択でニトロによってモノ置換またはジ置換されたフェニルから選択され、R3は、C1-10アルキルであり、R4〜R7は、水素、C1-10アルキル、C1-10アルキレン、アリールまたは置換アリール、ハロゲン、ニトロ、およびアルコール基からそれぞれ独立に選択され、Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、BF4.-、PF6-、およびClO4-からなる群から選択される電荷平衡イオンであり、n=1−10であることを特徴とする実施形態32〜42のいずれか1つに記載のデバイス。
44. 前記第1の層と前記第2の層の間のイオンの運動を支援する固体電解質層をさらに具えたことを特徴とする実施形態32〜43のいずれか1つに記載のデバイス。
45. 前記第1の層と前記第3の層の間のイオンの運動を支援する固体電解質層をさらに備えることを特徴とする実施形態32〜44のいずれか1つに記載のデバイス。
46. 前記個体電解質は、リチウムなどイオン化合物を有するポリマーであることを特徴とする実施形態44または45記載のデバイス。
47. 前記固体電解質は、溶媒(水性または有機)および塩を有するゲルなど、3次元構造であることを特徴とする実施形態44または45記載のデバイス。
48. 前記固体電解質は、イオンの移動を可能にするポリマーであることを特徴とする実施形態44または45記載のデバイス。
49. 前記固体電解質は、メタ酸化物クラスタなど、イオン導電体またはプロトン導電体であることを特徴とする実施形態44または45記載のデバイス。
50. 前記電気光学層は、外部検出回路によって入射放射の変化を監視することによって、周囲条件の変化を検出するために使用されることを特徴とする実施形態32〜49のいずれか1つに記載のデバイス。
51. 前記電気光学層は、外部検出回路によって1つまたは複数のセンサ領域の一部またはすべての上での入射放射の変化を監視することによって、ユーザ入力を検出するために使用されることを特徴とする実施形態32〜49のいずれか1つに記載のデバイス。
52. 前記3つの層が同じ物理平面上で並置されることを特徴とする実施形態32〜51のいずれか1つに記載のデバイス。
53. 前記アノード層および前記カソード層は単一の平面内でインターディゲート(interdigated)され、前記電気光学は別個の平面内にあることを特徴とする実施形態32〜52のいずれか1つに記載のデバイス。
54. 前記アノード層は、1つの平面内で電極内または電極間に穴を備える層であり、電気光学層平面と前記カソード層平面の間に挟まれることを特徴とする実施形態32〜51のいずれか1つに記載のデバイス。
55. 前記カソード層は、1つの平面内で電極内または電極間に穴を備える層であり、電気光学層平面と前記アノード層平面の間に挟まれることを特徴とする実施形態32〜51のいずれか1つに記載のデバイス。
56. 相異なる層の諸要素の厚さが、デバイスの本質的に一定の厚さをもたらすように設定されることを特徴とする実施形態54〜55のいずれか1つに記載のデバイス。
57. 1つまたは複数のデバイスコントローラをさらに備えることを特徴とする実施形態32〜56のいずれか1つに記載のデバイス。
58. ディスプレイ充電器コントローラに、また前記1つまたは複数の層に接続されたマイクロスイッチをさらに具えたことを特徴とする実施形態32〜57のいずれか1つに記載のデバイス。
59. 前記ディスプレイピクセルは、選択的に情報を表示し発電するように構成されていることを特徴とする実施形態32〜58のいずれか1つに記載のデバイス。
60. 前記1つまたは複数のデバイスコントローラの少なくとも1つは前記電気光学的な第1の層の電気光学効果を制御することを特徴とする実施形態57〜59のいずれか1つに記載のデバイス。
61. 前記少なくとも1つのデバイスコントローラの遷移は、電気光学領域内の前記レドックス発色団部分の実質的にすべてを第1のレドックス状態から第2のレドックス状態に変換するように前記第1の層および前記第2の層に影響を及ぼすことができることを特徴とする実施形態57〜60のいずれか1つに記載のデバイス。
62. 前記少なくとも1つのデバイスコントローラの遷移は、電気光学領域内の前記レドックス発色団部分の実質的にすべてを前記第2のレドックス状態から前記第1のレドックス状態に変換するように前記第1の層および前記第3の層に影響を及ぼすことができることを特徴とする実施形態57〜61のいずれか1つに記載のデバイス。
63. 前記少なくとも1つのデバイスコントローラの遷移は、電気光学領域内の前記レドックス発色団部分上に貯蔵された電荷を5%未満だけ変更するように前記第1の層および前記第2の層に影響を及ぼすことができることを特徴とする実施形態57〜60のいずれか1つに記載のデバイス。
64. 前記レドックス発色団部分上に貯蔵された電荷の変化がスキントーンとして使用されることを特徴とする実施形態63記載のデバイス。
65. 前記デバイスコントローラの動作は、無接触通信標準の動作に関連付けられた論理を介してトリガされることを特徴とする実施形態57〜64のいずれか1つに記載のデバイス。
66. 前記デバイスコントローラの遷移は、1つまたは複数の外部構成要素にエネルギーを送るように前記第2の層および前記第3の層に影響を及ぼすことができることを特徴とする実施形態64記載のデバイス。
67. 前記1つまたは複数の構成要素はパッシブであることを特徴とする実施形態66記載のデバイス。
68. 前記構成要素は、アクティブ構成要素とパッシブ構成要素の混合物ことを特徴とする実施形態66記載のデバイス。
69. ディスプレイ充電器コントローラに、また1つまたは複数の電極層に接続されたマイクロスイッチをさらに具えたことを特徴とする実施形態66〜68のいずれか1つに記載のデバイス。
70. 前記マイクロスイッチは、層間で、選択的に開いて高い外部インピーダンスをもたらし、または閉じて低い外部インピーダンスをもたらすことができることを特徴とする実施形態69記載のデバイス。
【0064】
本明細書において引用されている引例はすべて、参照により完全に述べられているのと同様に組み込まれる。
【0065】
したがって、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲、上記の説明によって規定される、および/または添付の図面に示されている本発明の精神および範囲内にある修正すべてを包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレドックス電位を有する第1の材料を有する少なくとも1つの第1の電極を含む第1の層と、
第2のレドックス電位を有する第2の材料、金属酸化膜、および前記金属酸化膜に吸着されたレドックス発色団を有する少なくとも1つの第2の電極を含む第2の層と、
第3のレドックス電位を有する第3の材料を有する少なくとも1つの第3の電極を含む第3の層とを具え、
該デバイスは電解質をさらに含み、前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層が前記電解質と接触し、第1のスイッチが前記第1の層および前記第2の層と電気的に接続し、第2のスイッチが前記第2の層および前記第3の層と電気的に接続し、
前記第1のレドックス電位は前記第2のレドックス電位より高い負電位であり、前記第3のレドックス電位は前記第2のレドックス電位より高い正電位であることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチが開いており、デバイスが充電され、前記レドックス発色団が酸化され第1の色を有する第1の状態を有することを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のスイッチが閉じられており、前記第1の電極からの電子が前記第2の電極に移行され、第2の状態において、前記レドックス発色団が還元され、第1の変色を受け、第2の色を有する第2の状態を有することを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
前記第2のスイッチが閉じられており、電子が前記第2の層から前記第3の層に移行され、第3の状態において、前記レドックス発色団が第2の変色を受け、第1の色に戻る第3の状態を有することを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項5】
複数の独立のピクセルまたはセグメントをさらに備え、各独立のピクセルまたはセグメントは、前記少なくとも1つの第2の電極の1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層が同じ物理平面上に位置することを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の層および前記第3の層は第1の平面内でインターディゲート(interdigated)され、前記第2の層は第2の平面内にあることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1の層は第1の平面を占有し、記第2の層は第2の平面を占有し、記第3の層は第3の平面を占有し、前記第1の平面は前記第2の平面と前記第3の平面の間にあることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1の層は第1の平面を占有し、記第2の層は第2の平面を占有し、記第3の層は第3の平面を占有し、前記第3の平面は前記第1の平面と前記第2の平面の間にあることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の材料は、Li、K、Ca、Na、Mg、Hg、Al、Zn、およびCrからなる群から選択された物質を含むことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の材料はZnを含むことを特徴とする請求項10記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2の材料はナノポーラス−ナノ結晶半導体金属酸化膜を含み、前記レドックス発色団は、前記ナノ結晶半導体金属酸化膜に吸着されることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項13】
前記ナノポーラス−ナノ結晶半導体金属酸化膜はメソポーラスTiO2膜であることを特徴とする請求項12記載のデバイス。
【請求項14】
前記第3の材料は、Cu2O、CuO、AgO、およびMnO2からなる群から選択された物質を含むことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項15】
デバイスに動作可能に接続され、Zn、Ag/AgCl、およびAg/AgNO3からなる群から選択された物質を有する基準電極をさらに具えたことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項16】
前記レドックス発色団はビオロゲンであることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項17】
前記電解質は、前記第1の層と前記第2の層の間のイオンの運動を支援する固体電解質層を含むことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項18】
前記個体電解質は、リチウムなどイオン化合物を有するポリマーであることを特徴とする請求項17記載のデバイス。
【請求項19】
電気エネルギーを貯蔵するための1つまたは複数のバッテリをさらに具えたことを特徴とする請求項1記載のディスプレイデバイス。
【請求項20】
ディスプレイライトをさらに具えたことを特徴とする請求項1記載のディスプレイデバイス。
【請求項21】
1つまたは複数のコンデンサをさらに具えたことを特徴とする請求項1記載のディスプレイデバイス。
【請求項22】
前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層に動作可能に接続された1つまたは複数のコントローラをさらに具えたことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項23】
前記デバイスコントローラの少なくとも1つは単一の集積回路であることを特徴とする請求項22記載のデバイス。
【請求項24】
前記デバイスコントローラは、前記少なくとも1つの第1の電極が基準電極になるように電極間の接続を変化させることを特徴とする請求項22記載のディスプレイデバイス。
【請求項25】
前記コントローラに情報を送達するための1つまたは複数のセンサをさらに備えることを特徴とする請求項22記載のデバイス。
【請求項26】
前記センサを介して検知される情報は、圧力、温度、時間、湿度、オン時間、オン状態、オフ時間、オフ状態、グラデーションレベル、電圧、電流、電荷、電磁界、界面動電効果、光、スペクトル形状、化学化合物からなる群から選択された1つまたは複数のパラメータを含むことを特徴とする請求項25記載のデバイス。
【請求項27】
前記コントローラに動作可能に接続された通信モデムをさらに備えることを特徴とする請求項22記載のディスプレイデバイス。
【請求項28】
請求項22記載のデバイスを動作させる方法であって、
(a)ディスプレイ情報を前記コントローラに入力するステップと、
(b)前記ディスプレイ情報に基づいてコマンド信号を規定するステップと、
(c)前記コマンド信号を前記デバイスコントローラから前記第2の層上の1つまたは複数のピクセルに送るステップと、
(d)前記コマンド信号に基づいて前記1つまたは複数のディスプレイピクセル上で前記ディスプレイ情報を表示するステップと、
(e)前記コマンド信号に基づいて前記第2の層および前記第3の層から電力を収集するステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項29】
自己発電デバイスを動作させる方法において、
前記デバイスを用意するステップであって、前記デバイスは、
第1のレドックス電位を有する第1の材料を有する少なくとも1つの第1の電極を含む第1の層と、
第2のレドックス電位を有する第2の材料、金属酸化膜、および前記金属酸化膜に吸着されたレドックス発色団を有する少なくとも1つの第2の電極を含む第2の層と、
第3のレドックス電位を有する第3の材料を有する少なくとも1つの第3の電極を含む第3の層とを含み、
該デバイスは電解質をさらに含み、前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層が前記電解質と接触し、第1のスイッチが前記第1の層および前記第2の層と電気的に接続し、第2のスイッチが前記第2の層および前記第3の層と電気的に接続し、
前記第1のレドックス電位は前記第2のレドックス電位より高い負電位であり、前記第3のレドックス電位は前記第2のレドックス電位より高い正電位である、ステップと、
前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチを開くことによって前記ディスプレイデバイスを充電するステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項30】
第1のスイッチを閉じ、電子を前記第1の電極から前記第2の電極に移行し、前記レドックス発色団を還元するステップをさらに含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
第2のスイッチを閉じ、電子を前記第2の電極から前記第3の電極に移行し、前記レドックス発色団を酸化するステップをさらに含むことを特徴とする請求項30記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−501221(P2011−501221A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530077(P2010−530077)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/079958
【国際公開番号】WO2009/052155
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(509228798)エヌテラ インコーポレイテッド (2)
【出願人】(504000096)エヌテラ リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】NTERA LIMITED
【Fターム(参考)】