説明

ラベルファイル

【課題】ラベルの印刷データを保存するラベルファイルであって、PCのOSの中のファイルシステムが備えるファイル検索機能や、無料で簡単に取得することができるフリーソフトである各種のファイル管理ソフトが有するファイル検索機能によって確実に検索することが可能なラベルファイルを提供する。
【解決手段】ラベルファイル150は、ヘッダ情報エリア151、キーワードエリア152、印刷データエリア153の3つの領域により構成されている。ヘッダ情報エリアは、キーワードエリア152の開始アドレスが4byte、印刷データエリアの開始アドレスが4byteの計8byteによって構成されている。キーワードエリアには、ラベルファイル150を検索するための各種のキーワードがテキストデータにより格納されている。印刷データエリアには、ラベル作成アプリケーション100に固有の形式で作成される印刷データが格納されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル作成装置によって作成されるラベルの元となる印刷データを作成する端末において、その印刷データが保存されるラベルファイルに関し、特にファイル検索によって検索が可能なラベルファイルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベル作成装置によって作成されるラベルの元となる印刷データは、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)等の端末装置においてラベル作成ソフトウェアが実行されることにより提供されるラベル作成編集機能を用いて作成され、それは再利用可能なようにファイルの形でラベルファイルとして端末装置に記憶されている。
【0003】
印刷データには、ラベルの印刷内容であるテキストの他に、ラベルにバーコードが配されている場合にバーコードの種類を表すバーコード規格及びバーコードに記録されている情報であるバーコードデータ、印刷に適するプリンタとして指定されたプリンタ名、ラベルが作成されるテープの情報、印刷データを作成するに当たって印刷内容の配置等を真似するために使用したテンプレート種類等各種のデータがある。それらのデータは、通常ラベル作成ソフトウェアに独自の形式であるため、それらからなる印刷データを保存してなるラベルファイルは単純なテキストファイルではない。
【0004】
また、ドキュメントのイメージを、検索のためのキーワードと共に記憶装置に記憶し、それとは別に検索の便宜を図るため記憶装置に記憶するタイミングでキーワードのみを記憶する第1キーファイルと、キーワードが途中で変更になった時に対応するためキーワードが変更になったタイミングで新しいキーワードのみを記憶する第2キーファイルとを備えたドキュメントイメージデータの管理方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−233703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したドキュメントイメージデータの管理方法は、印鑑イメージを含むドキュメントイメージデータの管理方法、若しくは、一般的なドキュメントのイメージデータの管理方法に関するものであるが、管理が厳格でありすぎ、業務として膨大な数のドキュメントイメージデータ等を管理する際には有効であるが、個人が扱うドキュメントイメージデータの数は数十か、多くとも数百と知れており、キーワードが途中で変更になった時にまで対応する機能は過剰な機能と言える。そしてそのために管理システムの導入コストも増大するという問題がある。
【0006】
本発明は、ラベルの印刷データを保存するラベルファイルであり、また、PCのオペレーティングシステム(以下、OSと称する)の中のファイルシステムが備えるファイル検索機能や、無料で簡単に取得することができるフリーソフトである各種のファイル管理ソフトが有するファイル検索機能によって、特に個人ユーザが手軽、かつ、確実に検索することが可能であり、管理にコストが掛からないラベルファイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係るラベルの印刷データを作成する端末装置と前記印刷データに基づいてラベルを作成するラベル作成装置とを備えるラベル作成システムであって、前記端末装置は、ファイルシステムを有するOSを備えると共に前記OS上でラベル作成プログラムを実行することによりバイナリデータを有する前記印刷データを作成する印刷データ作成手段と、前記印刷データを前記ファイルシステムのファイルとしてラベルファイルに格納するラベルファイル格納手段と、前記ラベルファイル格納手段により格納されたラベルファイルを読み出すラベルファイル読み出し手段と、前記ラベルファイル読み出し手段により読み出した前記印刷データを更新する更新手段と、前記印刷データ作成手段により作成された印刷データ、前記印刷データ格納手段により格納作成された印刷データ、及び、前記更新手段により更新された印刷データの何れかを前記ラベル作成装置に送信する送信手段とを実現し、前記ラベル作成装置は、前記送信手段から送信された印刷データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段とを備えたラベル作成システムの端末装置のラベルファイルにおいて、前記ラベルファイルには、前記ラベル作成装置の種類、ラベルを印刷する印刷媒体の種類、及び、ラベルに印刷される内容に関する印刷情報の何れかを表すテキストデータの語句が付加され、テキストデータを検索対象とするファイル検索機能により前記語句を検索語句として検索した時に前記語句が付加された前記ラベルファイルが検索されることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係るラベルファイルは、請求項1に記載のラベルファイルにおいて、前記印刷媒体の種類は、印刷媒体の色、及び、印刷媒体のサイズの何れかを含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係るラベルファイルは、請求項1に記載のラベルファイルにおいて、前記印刷情報は、前記ラベルの雛形となるテンプレートの種類であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係るラベルファイルは、請求項1に記載のラベルファイルにおいて、前記印刷情報は、バーコード規格であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係るラベルファイルでは、印刷データにキーワードとしてテキストデータの語句が付加されている。
【0012】
これにより、ラベルファイルをテキストデータの語句により検索することが可能となる。テキストデータの語句によるファイル検索機能は、OSの中のファイルシステムや、無料で簡単に取得することができるフリーソフトである各種のファイル管理ソフトが通常備えている機能であるためユーザはラベルファイルの検索を行う手段を容易に持ちうる。また、ラベルファイルの管理にもコストが掛からない。
【0013】
また、請求項2に係るラベルファイルでは、前記印刷媒体の種類は、印刷媒体の色、及び、印刷媒体のサイズの何れかを含む。
【0014】
これにより、印刷媒体の色、及び、印刷媒体のサイズの何れかによるラベルファイルの検索が可能になる。
【0015】
また、請求項3に係るラベルファイルでは、前記印刷情報は、前記ラベルの雛形となるテンプレートの種類である。
【0016】
これにより、テンプレートの種類によるラベルファイルの検索が可能になる。
【0017】
また、請求項4に係るラベルファイルでは、前記印刷情報は、バーコード規格である。
【0018】
これにより、バーコード規格によるラベルファイルの検索が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るラベルファイルについて詳細に説明する。本発明に係るラベルファイルの説明に当たっては、本ラベルファイルが使用されるラベル作成システムを具体化した一実施例に基づき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
本発明に係る「端末装置」としてテープ印刷装置1に接続したPC2を例に挙げて説明する。このPC2には本発明に係る「ファイルシステムを有するOS」が搭載されている。また、このPC2には本発明に係る「ラベル作成プログラム」が搭載されている。まず、図1はラベル作成システムの概略を示す外略斜視図であり、図2はPC2の電気的構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、PC2とテープ印刷装置1とは、例えばUSB等の規格に基づくUSBケーブル10により接続されており、USBケーブル10を介してデータの授受を行っている。PC2は周知のPCであり、図1に示すように、CPU11(図2参照)を備えた本体12と、モニタ13と、キーボード14、マウス15とを備えており、モニタ13、キーボード14、マウス15はそれぞれ本体12に接続ケーブルによって接続されている。
【0022】
また、図1に示すように、テープ印刷装置1は略直方体形状の筐体16でケーシングされており、その前面(図1における右手前方向の面)にはラベル17を排出するための排出口18が設けられている。また、筐体16の左側面の内側にはテープカセット収納部19が設けられており、筐体16の左側面に設けられたカバー20を開放してテープカセットを着脱自在に装着することができる。このテープカセット収納部19には、複数の発熱素子を有するサーマルヘッドとそのサーマルヘッドに当接されるプラテンローラとの間にテープを走行させてそのテープに印字する印字機構が設けられており、装着されたテープカセットのテープは、印刷機構で印刷され、印刷機構のテープカッタにより切断されて、ラベル17となり、排出口18から排出される。
【0023】
次に、図2を参照してPC2の電気的構成について説明する。図2に示すように、PC2には、PC2の制御を司るCPU11が設けられている。このCPU11には、CPU11が実行するBIOS等のプログラムを記憶したROM51と、データを一時的に記憶するRAM52と、データの記憶媒体であるCD−ROM53を挿入し、データの読み込みを行うCD−ROMドライブ54と、データの記憶装置であるHDD55とがバス56を介して接続されている。
【0024】
HDD55には、PC2において実行されファイルシステムを有するOSを記憶するOS記憶エリア57、PC2において実行される前述のOS上で動作することにより、ラベルの印刷データを作成するラベル作成機能を提供するラベル作成プログラムを記憶するラベル作成プログラム記憶エリア58、プログラムの実行に必要な設定や初期値、データ等の情報を記憶したプログラム関係情報記憶エリア59等が設けられている。プログラム関係情報記憶エリア59には、後述するテープの種類、テンプレートの種類、バーコードの規格に関する各情報が含まれる。
【0025】
さらに、CPU11には、バス56を介して、テープ印刷装置1を含めた外部機器との通信を行うためのUSBインタフェース60と、ユーザに操作画面を表示するモニタ13への画面表示を行う表示制御部61と、利用者が操作の入力を行うキーボード14やマウス15に接続され、それらの入力の検知を行う入力検知部62とが、接続されている。尚、PC2には、図示外のフレキシブルディスクドライブ、音声等の入出力部、各種のインタフェース等が設けられていてもよい。
【0026】
尚、CD−ROM53には、ラベル作成プログラムや、このプログラムの実行時に使用される設定やデータ等が記憶されており、導入時には、CD−ROM53からHDD55に設けられたラベル作成プログラム記憶エリア58やプログラム関係情報記憶エリア59に記憶されるようになっている。尚、PC2のラベル作成プログラム及びその使用データ等の取得方法はCD−ROM53によるものに限らず、フレキシブルディスクやMOといった他の記憶媒体であってもよく、また、PC2をネットワークに接続させ、ネットワーク上の他の端末等から取得してもよい。
【0027】
次に、図3を参照して、PC2においてラベル作成プログラムを実行することによって起動されるラベル作成アプリケーションについて説明する。図3は、ラベル作成アプリケーションの編集画面のイメージ図である。
【0028】
ラベル作成アプリケーション100は、PC2のモニタ13に表示され、キーボード14やマウス15の操作により入力や指示が行われる。
【0029】
図3に示すように、ラベル作成アプリケーション100の編集画面110の上部には、操作指示を行うためのメニューバー115が設けられている。また、編集画面110のメニューバー115の下部には、テープ印刷装置1において印刷される文字等を編集するための作業領域120が設けられており、印刷対象であるオブジェクトとしてテキストボックス122、124が配置されたラベルイメージ130が示されている。ラベルイメージ130には、ラベル17の縁を示すラベル枠140が表示されており、その中にテキストボックス122、124が配置されている。尚、テキストボックス122には、「佐藤英雄」が入力されており、テキストボックス124には、「新潟県」が入力されている。
【0030】
メニューバー115に配されている各種のメニューには、さらに下位のメニューが配されており、ラベルイメージ130を新規に作成する新規作成メニュー、ラベルイメージ130に対応した印刷データをラベルファイル(詳細後述)に保存する保存メニュー、ユーザに既存のラベルファイル(詳細後述)からラベルファイルを選択させ編集対象としてラベルイメージ130を表示するファイルオープンメニュー、ラベルイメージ130に対応する印刷データをテープ印刷装置1に送信してラベル印刷を行わせる印刷メニュー、ラベルイメージ130を構成するテープをユーザに選択させるテープ選択メニュー、ラベルイメージ130にテープ印刷装置1の機種名を対応付けるためにユーザに機種名を入力させる機種名入力メニュー、ラベルイメージ130を作成するに当たり、雛形となるテンプレートをユーザに選択させるテンプレートメニュー、ラベルイメージ130にオブジェクトとしてバーコードを配置するために、バーコードの規格を選択させたり、バーコードの意味するバーコードデータを入力させるバーコードメニュー、カーソルで指定した位置に文字を入力する文字入力モードに切り替える文字入力メニュー、カーソルによりオブジェクトを選択するオブジェクト指定メニュー、テキストボックス内のテキストの修飾を行う各種のメニュー、ラベル作成アプリケーション100の終了メニュー等がある。
【0031】
ラベルイメージ130にテキストボックスを追加するに際し、通常の編集方法にあっては、文字入力メニューにより文字入力モードに切り替え、作業領域120上にマウスカーソルを移動し、クリックすると文字入力用の縦カーソルが表示される。それに引き続いて文字を入力すると入力された文字が縦カーソルの位置に追加されていき、その文字を含むようにテキストボックスも自動的に作成される。既存のテキストボックスの上にマウスカーソルを移動し、クリックすると入力済みのテキスト中に文字入力用の縦カーソルが表示される。それに引き続いて文字の入力や削除をすると、入力済みのテキストがそれに合わせて更新される。
【0032】
次に、図4を参照して、テンプレートを使用したラベルイメージの編集方法について説明する。図4は、ラベル作成アプリケーションの編集画面のイメージ図であるが、テンプレートが選択された直後の編集画面のイメージ図である。
【0033】
前述のテンプレート選択メニューによって選択されるテンプレートには、作成されるラベル17の外形サイズと、ラベル17内に配置される各種のオブジェクトの種類、配置位置、大きさが規定されている。
【0034】
図4に示すラベルイメージ130には、ラベル17の縁を示すラベル枠140が表示されており、その中にテキストボックス126、128が配置されている。そして、テキストボックス126には、「テキスト1」、テキストボックス128には、「テキスト2」の文字が表示されている。但し、テキストボックス126、128の文字は、実際に入力されている文字ではなく、この位置にテキストが配置されることを示すためのダミーの文字であり、テキストボックス126、128に文字を入力した時は消えるようになっている。
【0035】
テンプレートの選択は、編集画面110のメニューバー115からレイアウトメニューの下位のメニューとしてテンプレートメニューを選択することによって行われる。テンプレートメニューが選択されると、不図示のテンプレート選択画面が表示される。テンプレート選択画面には、テープ幅別に、ラベル17と各種のオブジェクトの配されたラベルイメージの縮小イメージが一覧できるように表示される。テンプレート選択画面は、ユーザがその中からラベルイメージの縮小イメージを選択することにより、所望のテンプレートを選択するように構成されている。尚、各テンプレートは、その種類を表す名称(以下、テンプレート種類と称する)と共に表示されている。例えば、その用途により、郵便物に貼付する「宛先ラベル1」、ビデオテープを整理するための見出しとして「ビデオラベル3」、等がある。
【0036】
次に、図5を参照して、本ラベル作成アプリケーションによって作成されるラベルファイルについて説明する。図5は、ラベルファイルのデータ構成を示す模式図である。
【0037】
編集中のラベルイメージ130に対応する印刷データは、ラベル作成アプリケーション100の備える保存メニューによって、ラベルファイル150の中に保存される。ラベルファイル150は、OSの備えるファイルシステムにおけるファイルであるので、一般的なファイルがHDD55に保存される場合と何ら変わらず、ラベルファイル150が作成される度にその都度HDD55の未使用のエリアにラベルファイル150を保存するエリアが確保され、ラベルファイル150はそこに記憶される。
【0038】
ラベルファイル150は、ヘッダ情報エリア151、キーワードエリア152、印刷データエリア153の3つの領域により構成されている。ヘッダ情報エリアは、キーワードエリア152の開始アドレスが4byte、印刷データエリアの開始アドレスが4byteの計8byteによって構成されている。キーワードエリアには、ラベルファイル150を検索するための各種のキーワードがテキストデータにより格納されている。印刷データエリアには、ラベル作成アプリケーション100に固有の形式で作成される印刷データが格納されている。従来、本出願人にあっては、この印刷データはバイナリデータにより構成されていた。
【0039】
図5に示すラベルファイル150の模式図には、各データの一例として、ヘッダ情報エリア151には、「00000008H」と、「00000100H」とがバイナリデータとして格納されている。先頭の「00000008H」は、キーワードエリアの開始アドレスを示している。また、それに続く「00000100H」は、印刷データエリアの開始アドレスを示している。これにより、印刷データエリアのサイズは247byte(=0F8H=100H−8H)ということが分かる。しかしながら、格納する必要があるキーワードの増減に合わせて、印刷データエリアの開始アドレスを変えることにより、キーワードエリア152のサイズを変えることは可能である。
【0040】
キーワードエリア152には、「BARCODE=CODE39」、「Printer=PT−9500PC」、「Template=Return Address」、・・・がテキストデータとして格納されている。「BARCODE=CODE39」は、印刷データに対応するラベルイメージ130がバーコードのイメージを含んでおり、code39という規格のバーコードであることを示している。印刷データに対応するラベルイメージ130がバーコードのイメージを含んでいない場合は、この項目はキーワードエリア152には存在しない。
【0041】
「Printer=PT−9500PC」は、印刷データがPT−9500PCという機種名のテープ印刷装置によって印刷されることを想定して作成されていることを示している。尚、この値は、前述の機種名入力メニューによって不図示の機種名入力ダイアローグが表示され、それに対してユーザが入力した機種名に対応している。ユーザが機種名入力メニューによって機種名の入力を行わなかった場合は、この項目はキーワードエリア152には存在しない。
【0042】
「Template=Return Address」は、印刷データに対応するラベルイメージ130が前述のテンプレートメニューによって選択されたテンプレートを元に作成され、テンプレート種類が「Return Address」であることを示している。尚、「Return Address」とは郵便物に記載する差出人の住所を示す言葉である。印刷データに対応するラベルイメージ130がテンプレートを元に作成されていない場合は、この項目はキーワードエリア152には存在しない。
【0043】
図5には、以下省略されているが、他のキーワードがキーワードエリア152に存在することが示されている。
【0044】
次にPC2において実行されるラベル作成処理について、図6を参照して説明する。図6は、ラベル作成処理のフローチャートである。このラベル作成処理は、PC2のCPU11によって実行される。
【0045】
先ず、ラベル作成プログラム記憶エリア58に記憶されているラベル作成プログラムが、OS上で実行されると、即ち、OS記憶エリア57に記憶されているOSがCPU11によって実行されている環境において、本ラベル作成プログラムが同じくCPU11によって実行されると、S1において、RAM52の各種変数が初期化され、モニタ13に表示制御部61を介して編集画面110が表示される等各種の初期化処理が行われる。それにより、ラベル作成アプリケーション100が起動する。その後、S2に移行する。S2では、キーボード14やマウス15による文字や指示等の入力が待たれる。入力があるとS3に移行する。S3では、入力が新規作成の指示であるか否かが判断される。入力が新規作成の指示であると判断された場合(S3:YES)は、S4に移行し、新規作成の指示でないと判断された場合(S3:NO)は、S5に移行する。
【0046】
S4では、モニタ13に表示制御部61を介して不図示のテープ選択ダイアローグが表示される。テープ選択ダイアローグには、テープの種類を示す名称が一覧表示されており、ユーザにその中からテープの種類を選択させる。ユーザがテープの種類を選択するとRAM52上に印刷データが新規に作成されて記憶され、選択されたテープが印刷データに追加して記憶される。そして、RAM52上に記憶された印刷データを元に、モニタ13に表示制御部61を介して選択された種類のテープのイメージが表示される。その後、S2に移行し、再び入力が待たれる。
【0047】
S5では、S2における入力が保存の指示であるか否かが判断される。入力が保存の指示であると判断された場合(S5:YES)は、S6に移行し、保存の指示でないと判断された場合(S5:NO)は、S7に移行する。
【0048】
S6では、モニタ13に表示制御部61を介して不図示の保存ダイアローグが表示される。保存ダイアローグには、ラベルファイル150の格納場所とラベルファイル150のファイル名とを入力させる項目があり、ユーザにそれぞれ入力させる。ユーザがラベルファイル150の格納場所とファイル名とを入力すると、ヘッダ情報エリア151、キーワードエリア152、に格納されるヘッダ情報とキーワード情報がそれぞれ作成され、印刷データにヘッダ情報とキーワード情報を追加したラベルファイル150が作成されてHDD55に記憶される。その後、S2に移行し、再び入力が待たれる。
【0049】
S7では、S2における入力がファイルオープンの指示であるか否かが判断される。入力がファイルオープンの指示であると判断された場合(S7:YES)は、S8に移行し、ファイルオープンの指示でないと判断された場合(S7:NO)は、S9に移行する。
【0050】
S6では、モニタ13に表示制御部61を介して不図示のファイルオープンダイアローグが表示される。ファイルオープンダイアローグには、ラベルファイル150の格納場所とラベルファイル150のファイル名とを入力させる項目があり、ユーザにそれぞれ入力させる。ユーザがラベルファイル150の格納場所とファイル名とを入力すると、指定されたラベルファイル150から印刷データが読み出され、RAM52にその印刷データが記憶される。そして、モニタ13に表示制御部61を介してその印刷データに対応するラベルイメージ130を有する編集画面110が表示される。その後、S2に移行し、再び入力が待たれる。
【0051】
S9では、入力が印刷の指示であるか否かが判断される。入力が印刷の指示であると判断された場合(S9:YES)は、S10に移行し、印刷の指示でないと判断された場合(S9:NO)は、S11に移行する。
【0052】
S10では、RAM52に記憶されている現在編集中のラベルイメージ130に対応する印刷データがUSBインタフェース60を介してテープ印刷装置1に送信される。その後、S2に移行し、再び入力が待たれる。
【0053】
S11では、S2における入力がテープ選択の指示であるか否かが判断される。入力がテープ選択の指示であると判断された場合(S11:YES)は、S12に移行し、テープ選択の指示でないと判断された場合(S11:NO)は、S13に移行する。
【0054】
S12では、モニタ13に表示制御部61を介して前述の不図示のテープ選択ダイアローグが表示される。テープ選択ダイアローグには、テープの種類を示す名称が一覧表示されており、ユーザにその中からテープの種類を選択させる。テープには、テープの色やテープ幅等のサイズの異なるテープがある。ユーザがテープの種類を選択するとRAM52上に記憶されている印刷データが、選択されたテープを使用するように更新される。そして、RAM52上に記憶された印刷データを元に、モニタ13に表示制御部61を介してラベルイメージ130が表示される。尚、既に印刷対象のオブジェクトが入力されている場合、それはテープ選択処理により消えてしまうことはない。その後、S2に移行し、再び入力が待たれる。
【0055】
S13では、S2における入力が機種名入力の指示であるか否かが判断される。入力が機種名入力の指示であると判断された場合(S13:YES)は、S14に移行し、機種名入力の指示でないと判断された場合(S13:NO)は、S15に移行する。
【0056】
S14では、モニタ13に表示制御部61を介して不図示の機種名入力ダイアローグが表示される。機種名入力ダイアローグには、テープ印刷装置1の機種を示す名称が一覧表示されており、ユーザにその中からテープ印刷装置1の機種を選択させる。ユーザがテープ印刷装置1の機種を選択するとそれはRAM52上に記憶される。尚、この値は、ラベルファイル150に記憶される時にキーワード情報として使用される。その後、S2に移行し、再び入力が待たれる。
【0057】
S15では、S2における入力がテンプレート選択の指示であるか否かが判断される。入力がテンプレート選択の指示であると判断された場合(S15:YES)は、S16に移行し、テンプレート選択の指示でないと判断された場合(S15:NO)は、S17に移行する。
【0058】
S16では、モニタ13に表示制御部61を介して不図示のテンプレート選択ダイアローグが表示される。テンプレート選択ダイアローグには、前述のようにテンプレートの種類を示す名称とテンプレートを使用したラベルの縮小イメージの組が一覧表示されており、ユーザにその中からテンプレートを選択させる。ユーザがテンプレートを選択するとRAM52上に記憶されている印刷データが選択されたテンプレートを使用するように更新される。そして、RAM52上に記憶された印刷データを元に、モニタ13に表示制御部61を介してラベルイメージ130が表示される。また、未入力のオブジェクトにはダミーの表示がなされる。尚、既に印刷対象のオブジェクトが入力されている場合、それはテンプレート選択処理により消えてしまう。その後、S2に移行し、再び入力が待たれる。
【0059】
S17では、S2における入力がバーコード入力の指示であるか否かが判断される。入力がバーコード入力の指示であると判断された場合(S17:YES)は、S18に移行し、バーコード入力の指示でないと判断された場合(S17:NO)は、S19に移行する。
【0060】
S18では、モニタ13に表示制御部61を介して不図示のバーコード入力ダイアローグが表示される。バーコード入力ダイアローグには、バーコードの規格を選択させる項目とバーコードのデータを入力させる項目とがあり、ユーザにそれぞれ入力させる。ユーザがバーコードの規格の選択とバーコードのデータの入力をすると、RAM52に記憶されている印刷データが更新される。そして、モニタ13に表示制御部61を介してその印刷データに対応するラベルイメージ130を有する編集画面110が表示される。尚、新しく追加になったバーコードのイメージは、編集画面110の作業領域120の左上に所定のサイズで表示されるため、ユーザはバーコードのイメージを移動させたり、拡大・縮小させたりして所望のサイズで所望の位置に配置する。その後、S2に移行し、再び入力が待たれる。
【0061】
S19では、文字入力や、印刷データの保存を既存のラベルファイル150150に対して行う上書き保存指示、その他の指示に対する処理が行われる。尚、既存のラベルファイル150150をファイルオープンした後文字入力することにより、既存のラベルファイル150150が有していた印刷データは一時的に更新される。
【0062】
その後、S2に移行し、再び入力が待たれる。
【0063】
次に、ラベルファイル150の一般的なファイル検索の方法について、PC2のOSの有するファイルシステムを例にし、図7を参照して説明する。図7は、OSの有するファイルシステムから起動されるファイル検索画面のイメージ図である。
【0064】
先ず、ファイルシステムが有する不図示のファイル管理画面がある。これは、PC2のモニタ13に表示され、キーボード14やマウス15の操作により入力や指示が行われる。不図示のファイル管理画面は、ツリー構造をしたディレクトリ構成が視覚的に認識できるように表示されている。例えば、OSがMS−Windows(登録商標)であれば、エクスプローラという名称のソフトウェアがこれに相当する。
【0065】
次に、図6に示すファイル検索画面210がある。これもPC2のモニタ13に表示され、キーボード14やマウス15の操作により入力や指示が行われる。このファイル検索画面210は、前述の不図示のファイル管理画面から、所定の検索メニューを選択することにより表示される。このファイル検索画面210もまたOSのファイルシステムの有する機能の1つである。
【0066】
図6に示すように、ファイル検索画面210の上部には、操作指示を行うためのメニューバー213が設けられている。また、ファイル検索画面210のメニューバー213の下部には、ファイルの検索条件等を設定してファイル検索を行うための作業領域215が設けられている。作業領域215には、検索条件の種類の違いにより、「名前と場所」タブ、「日付」タブ、「その他」タブの3つに分けられた検索条件入力領域217がある。図6は、「名前と場所」タブが選択状態にある時の画面イメージである。
【0067】
PC2のOSのファイルシステムでは、ファイルに個別にファイル名が付けられる。また、PC2のOSのファイルシステムでは、複数のファイルを一纏まりとして管理可能なようにフォルダというファイルの入れ物が定義されている。フォルダにも個別にフォルダ名が付けられる。フォルダは入れ子構造も可能であり、含まれるフォルダはそれを含むフォルダのサブフォルダと呼ばれる。ファイル名、フォルダ名ともテキストデータにより構成される。
【0068】
検索条件入力領域217の上部には、「名前」入力欄220がある。ここに入力されたテキストデータを元にそのテキストデータをファイル名に含むファイル、及び、フォルダ名に含むフォルダが検索される。
【0069】
「名前」入力欄220の下には、「含まれる文字列」入力欄230がある。ここに入力されたテキストデータを元にそのテキストデータをデータに含むファイルが検索される。
【0070】
「含まれる文字列」入力欄230の下には、「探す場所」入力欄240がある。ここに入力されたテキストデータをフォルダ名とするフォルダが検索の対象になる。
【0071】
「探す場所」入力欄240の下には、「サブフォルダも探す」チェックボックス270がある。ここにチェックすることにより、「探す場所」入力欄240に入力したフォルダ及びそのサブフォルダまでが検索の対象になる。
【0072】
「サブフォルダも探す」チェックボックス270の右には、参照ボタン250がある。参照ボタン250を押下するとフォルダ名がツリー構造のイメージで表示される画面が現れ、そこで検索対象とするフォルダ名を選択すると、前述の「探す場所」入力欄240にフォルダ名が設定される。
【0073】
検索条件入力領域217の右には、検索開始ボタン260がある。検索開始ボタン260にマウスカーソルを移動してクリックすることによって検索条件入力領域217に設定した検索条件によるファイル検索が開始される。
【0074】
本ラベル作成アプリケーション100によって作成されるラベルファイル150もファイル検索画面210によって検索することが可能である。本発明以前においても、ユーザがラベルファイル150のファイル名を所定のキーワードを含むように名付けることにより、「名前」入力欄220にそのキーワードを入力して検索することはできた。本発明により、さらに「含まれる文字列」入力欄230にキーワードを入力して検索することができるようになった。
【0075】
尚、無料で簡単に取得することができるフリーソフトである各種のファイル管理ソフトが有するファイル検索画面もこのファイル検索画面210とほぼ同等の機能を有する。
【0076】
以上のように、ラベルファイル150では、印刷データにキーワードとしてテキストデータの語句が付加されている。
【0077】
これにより、ラベルファイル150をテキストデータの語句により検索することが可能となる。テキストデータの語句によるファイル検索機能は、PC2のOSのファイルシステムや、無料で簡単に取得することができるフリーソフトである各種のファイル管理ソフトが普通に持っている機能であるためユーザはラベルファイル150の検索を行う手段を容易に持つことができ、コストも掛からない。
【0078】
また、ラベルファイル150では、キーワードとしてテープの種類を備え、テープの種類には、テープの色、及び、テープのサイズの何れかが含まれる。
【0079】
これにより、テープの色、及び、テープのサイズの何れかによるラベルファイル150の検索が可能になる。
【0080】
また、ラベルファイル150では、キーワードとして印刷情報を備え、印刷情報には、ラベルの雛形となるテンプレートの種類が含まれる。
【0081】
これにより、テンプレートの種類によるラベルファイル150の検索が可能になる。
【0082】
また、ラベルファイル150では、キーワードとして印刷情報を備え、印刷情報には、バーコード規格が含まれる。
【0083】
これにより、バーコード規格によるラベルファイル150の検索が可能になる。
【0084】
尚、本発明は本実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0085】
ラベルファイル150のキーワードエリア152に格納される印刷装置の機種名は、機種名入力メニューによりユーザが入力した機種名となっているが、ユーザが入力しなくとも印刷データを最後に印刷したテープ印刷装置の機種名が設定されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本実施例に係るラベル作成システムの概略を示す概略斜視図である。
【図2】PC2の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】ラベル作成アプリケーション100の編集画面110のイメージ図である。
【図4】テンプレートを選択された直後の編集画面110のイメージ図である。
【図5】ラベルファイル150のデータ構成を示す模式図である。
【図6】ラベル作成処理のフローチャートである。
【図7】OSの有するファイルシステムから起動されるファイル検索画面210のイメージ図である。
【符号の説明】
【0087】
1 テープ印刷装置
2 PC
150 ラベルファイル
151 ヘッダ情報エリア
152 キーワードエリア
153 印刷データエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルの印刷データを作成する端末装置と前記印刷データに基づいてラベルを作成するラベル作成装置とを備えるラベル作成システムであって、
前記端末装置は、
ファイルシステムを有するOSを備えると共に前記OS上でラベル作成プログラムを実行することによりバイナリデータを有する前記印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
前記印刷データを前記ファイルシステムのファイルとしてラベルファイルに格納するラベルファイル格納手段と、
前記ラベルファイル格納手段により格納されたラベルファイルを読み出すラベルファイル読み出し手段と、
前記ラベルファイル読み出し手段により読み出した前記印刷データを更新する更新手段と、
前記印刷データ作成手段により作成された印刷データ、前記印刷データ格納手段により格納作成された印刷データ、及び、前記更新手段により更新された印刷データの何れかを前記ラベル作成装置に送信する送信手段とを実現し、
前記ラベル作成装置は、
前記送信手段から送信された印刷データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記印刷データに基づいて印刷を行う印刷手段とを備えたラベル作成システムの端末装置のラベルファイルにおいて、
前記ラベルファイルには、前記ラベル作成装置の種類、ラベルを印刷する印刷媒体の種類、及び、ラベルに印刷される内容に関する印刷情報の何れかを表すテキストデータの語句が付加され、
テキストデータを検索対象とするファイル検索機能により前記語句を検索語句として検索した時に前記語句が付加された前記ラベルファイルが検索されることを特徴とするラベルファイル。
【請求項2】
前記印刷媒体の種類は、印刷媒体の色、及び、印刷媒体のサイズの何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載のラベルファイル。
【請求項3】
前記印刷情報は、前記ラベルの雛形となるテンプレートの種類であることを特徴とする請求項1に記載のラベルファイル。
【請求項4】
前記印刷情報は、バーコード規格であることを特徴とする請求項1に記載のラベルファイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−249787(P2007−249787A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−74650(P2006−74650)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】