説明

ラベル供給装置

【課題】筒状ラベルにおける端部の擬似接着状態を確実に解除することができ、しかも、ラベル供給位置への筒状ラベルの供給タイミングにずれが発生しにくいラベル供給装置を提供する。
【解決手段】基材繰出装置によって基材ロールから繰り出された長尺のラベル形成基材Mを連続的に送り出すラベル基材送出ユニット10と、このラベル基材送出ユニット10によって送出されるラベル形成基材Mを所定のカットピッチで順次切断するラベル基材切断ユニット20と、このラベル基材切断ユニット20によって切断されることにより形成されたラベルLをラベル受渡位置αに順次搬送する上流側ベルト搬送ユニット30及び下流側ベルト搬送ユニット40と、上流側ベルト搬送ユニット30によるラベルLの搬送途中で、ラベルLの上端部(ラベルLの搬送方向上流側の端部)の重なり合った端縁同士を相互に離反させるラベル端離反ユニット50とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、瓶、ボトル等の被被嵌体にストレッチラベルやシュリンクラベル等の筒状ラベルを被嵌するためのラベル被嵌システム等に搭載されるラベル供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、瓶やボトル等の胴部外周面にストレッチラベルやシュリンクラベル等の筒状ラベルを被嵌するラベル被嵌システムには、シート状に折り畳まれた筒状ラベルが連続的に繋がった長尺帯状のラベル形成基材を順次切断することによって所定長の筒状ラベルを形成しながら順次供給するラベル供給装置が搭載されており、このラベル供給装置によって供給される所定長の筒状ラベルが、ラベル被嵌装置に引き渡されるようになっている。
【0003】
前記ラベル供給装置は、図18(a)、(b)に示すように、シート状に折り畳まれた長尺帯状のラベル形成基材Mを送出する送出ローラ101と、この送出ローラ101によって送出されたラベル形成基材Mを所定長に切断することで個別の筒状ラベルLを形成する切断ユニット102と、所定長に切断された筒状ラベルLをラベル供給位置αまで搬送するベルト搬送ユニット103とを備えており、ベルト搬送ユニット103は、所定長に切断されたラベルLを、所定間隔を開けて平行に配設された一対のフィードベルト103a、103aに吸引保持した状態で、ラベル供給位置αまで搬送するようになっている。
【0004】
また、長尺帯状のラベル形成基材Mを切断することによって形成された筒状ラベルLは、その一方の切断端が擬似接着状態となり、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルLを開口する際に開口不良が発生し、筒状ラベルを瓶やボトル等に円滑かつ確実に被嵌することができないといった問題があるので、こういったラベル供給装置100には、ベルト搬送ユニット103による筒状ラベルLの搬送途中で、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルLにおける一方の端部の擬似接着状態を解除すべく、その端部の重なり合った端縁同士を相互に離反させるラベル端離反ユニット104が設けられている。
【0005】
このラベル端離反ユニット104は、同図に示すように、筒状ラベルLの搬送ラインを挟んで、フィードベルト103a、103aに対向するように設けられており、3個のガイドローラ104a及び駆動プーリ104bと、これらに掛け渡されるベルト104c、104cとから構成されており、駆動プーリ104bは、上述したフィードベルト103a、103aを循環移動させているサーボモータとは異なる独立したサーボモータによって駆動されるようになっている。
【0006】
前記ベルト104c、104cはフィードベルト103a、103aの移動速度より速い速度で循環移動するように、駆動プーリ104bの回転速度が設定されており、ベルト104c、104cとフィードベルト103a、103aとの間に挟み込まれた筒状ラベルLは、ベルト104c、104cの移動速度とフィードベルト103a、103aの移動速度との間に生じた速度差によって、その端部の重なり合った端縁同士が相互に離反するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−26300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したようなラベル供給装置100では、ラベル端離反ユニット104のベルト104c、104cが、ベルト搬送ユニット103のフィードベルト103a、103aによって搬送される筒状ベルトLを、その全長にわたって、フィードベルト103a、103aとの間に挟み込むようになっており、しかも、フィードベルト103a、103aとベルト104c、104cとの間には速度差があるので、ベルト搬送ユニット103のフィードベルト103a、103aによって搬送される筒状ベルトLがベルト104c、104cに接触することによって、フィードベルト103a、103a上を位置ずれし、その結果、ラベル供給位置αへの筒状ラベルLの供給タイミングにずれが発生するおそれがある。
【0009】
また、ベルト104c、104cが筒状ラベルLを挟み込んでいない部分については、フィードベルト103a、103aに対してベルト104c、104cが摺動することになり、フィードベルト103a、103aやベルト104c、104cが摩耗しやすいといった問題もある。
【0010】
そこで、この発明の課題は、筒状ラベルにおける端部の擬似接着状態を確実に解除することができ、しかも、ラベル供給位置への筒状ラベルの供給タイミングにずれが発生しにくく、ベルト搬送ユニットのフィードベルト等が摩耗しにくいラベル供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、長尺帯状のラベル形成基材を連続的に送り出すラベル基材送出ユニットと、前記ラベル基材送出ユニットによって送出されたラベル形成基材を所定のカットピッチで順次切断することで、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルを形成するラベル基材切断ユニットと、形成された筒状ラベルをラベル供給位置に順次搬送するベルト搬送ユニットと、前記ベルト搬送ユニットによる筒状ラベルの搬送途中で、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルにおける一方の端部の重なり合った端縁同士を相互に離反させるラベル端離反ユニットとを備え、前記ベルト搬送ユニットは、筒状ラベルを吸引保持した状態で搬送する、所定間隔をあけて平行に配設された一対のフィードベルトを有し、前記ラベル端離反ユニットは、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの間で、筒状ラベルの前記フィードベルト側に配設された第1フリーローラと、筒状ラベルに線接触するように、前記第1フリーローラとの間に筒状ラベルを挟み込む、独立したサーボモータによって、筒状ラベルの搬送方向に回転駆動される変速ローラまたは変速ベルト機構と、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトとの間に筒状ラベルをそれぞれ挟み込む一対の第2フリーローラと、前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構の動作を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、筒状ラベルにおける一方の端部以外の部分が前記第1フリーローラと前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構とによる挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じないように、前記サーボモータを制御し、筒状ラベルにおける一方の端部が前記第1フリーローラと前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構とによる挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じるように、前記サーボモータを制御することを特徴とするラベル供給装置を提供するものである。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、長尺帯状のラベル形成基材を連続的に送り出すラベル基材送出ユニットと、前記ラベル基材送出ユニットによって送出されたラベル形成基材を所定のカットピッチで順次切断することで、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルを形成するラベル基材切断ユニットと、形成された筒状ラベルをラベル供給位置に順次搬送するベルト搬送ユニットと、前記ベルト搬送ユニットによる筒状ラベルの搬送途中で、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルにおける一方の端部の重なり合った端縁同士を相互に離反させるラベル端離反ユニットとを備え、前記ベルト搬送ユニットは、筒状ラベルを吸引保持した状態で搬送する、所定間隔をあけて平行に配設された一対のフィードベルトを有し、前記ラベル端離反ユニットは、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの間で、筒状ラベルの前記フィードベルト側に配設された、周速が前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度と同速の駆動ローラと、筒状ラベルに線接触するように、前記駆動ローラとの間に筒状ラベルを挟み込む、独立したサーボモータによって、筒状ラベルの搬送方向に回転駆動される変速ローラまたは変速ベルト機構と、前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構の動作を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、筒状ラベルにおける一方の端部以外の部分が前記駆動ローラと前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構とによる挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じないように、前記サーボモータを制御し、筒状ラベルにおける一方の端部が前記駆動ローラと前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構とによる挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じるように、前記サーボモータを制御することを特徴とするラベル供給装置を提供するものである。
【0013】
また、請求項3に係る発明は、長尺帯状のラベル形成基材を連続的に送り出すラベル基材送出ユニットと、前記ラベル基材送出ユニットによって送出されたラベル形成基材を所定のカットピッチで順次切断することで、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルを形成するラベル基材切断ユニットと、形成された筒状ラベルをラベル供給位置に順次搬送するベルト搬送ユニットと、前記ベルト搬送ユニットによる筒状ラベルの搬送途中で、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルにおける一方の端部の重なり合った端縁同士を相互に離反させるラベル端離反ユニットとを備え、前記ベルト搬送ユニットは、筒状ラベルの幅方向の中央部分を吸引保持した状態で搬送するフィードベルトを有し、前記ラベル端離反ユニットは、筒状ラベルに線接触するように、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトとの間に筒状ラベルを挟み込む、独立したサーボモータによって、筒状ラベルの搬送方向に回転駆動される変速ローラまたは変速ベルト機構と、前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構の動作を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、筒状ラベルにおける一方の端部以外の部分が、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトに対する前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構による挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じないように、前記サーボモータを制御し、筒状ラベルにおける一方の端部が、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトに対する前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構による挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構におけるベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じるように、前記サーボモータを制御することを特徴とするラベル供給装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、請求項1に係る発明のラベル供給装置に搭載されたラベル端離反ユニットは、ベルト搬送ユニットにおける一対のフィードベルトによって搬送されてくる筒状ラベルを、一対の第2フリーローラによって一対のフィードベルトとの間にそれぞれ挟み込んだ状態で、一対のフィードベルトの間で、第1フリーローラと変速ローラまたは変速ベルト機構とによって筒状ラベルを挟み込み、筒状ラベルにおける一方の端部が第1フリーローラと変速ローラまたは変速ベルト機構とによる挟み込み部分を通過する際に、変速ローラの周速または変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、ベルト搬送ユニットにおける一対のフィードベルトの移動速度との間に速度差を生じさせるようになっているので、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルにおける一方の端部の重なり合った端縁同士を確実に離反させることができる。
【0015】
また、第1フリーローラとの間に筒状ラベルを挟み込んでいる変速ローラまたは変速ベルト機構は筒状ラベルと線接触しており、しかも、第1フリーローラと変速ローラまたは変速ベルト機構とが筒状ラベルにおける一方の端部を挟み込んだときだけ、変速ローラの周速または変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、ベルト搬送ユニットにおける一対のフィードベルトの移動速度との間に速度差を生じさせ、それ以外のときは、両者間に速度差が生じないようになっているので、ベルト搬送ユニットによる筒状ラベルの搬送動作に対して、ラベル端離反ユニットによるラベル端の離反動作が筒状ラベルの搬送抵抗となりにくく、しかも、変速ローラまたは変速ベルト機構の変速ベルトが、フィードベルトに対してほとんど摺動することがない。従って、ベルト搬送ユニットによる筒状ラベルの搬送途中で筒状ラベルが位置ずれしにくく、ラベル供給位置への筒状ラベルの供給タイミングにずれが発生しにくいと共に、ベルト搬送ユニットのフィードベルト等が摩耗しにくいという効果が得られる。
【0016】
また、請求項2に係る発明のラベル供給装置に搭載されたラベル端離反ユニットは、請求項1に係る発明の第1フリーローラに代えて、周速がベルト搬送ユニットにおける一対のフィードベルトの移動速度と同速の駆動ローラを採用しているので、請求項1に係る発明のように、一対のフィードベルトとの間に筒状ラベルをそれぞれ挟み込む第2フリーローラを設けなくても、筒状ラベルにおける端部の擬似接着状態を確実に解除することができ、しかも、ラベル供給位置への筒状ラベルの供給タイミングにずれが発生しにくく、ベルト搬送ユニットのフィードベルト等が摩耗しにくいという請求項1に係る発明と同様の効果を得ることができる。
【0017】
また、ベルト搬送ユニットが、筒状ラベルの幅方向の中央部分を吸引保持した状態で搬送するフィードベルトを有している場合は、請求項3に係る発明のラベル供給装置に搭載されたラベル端離反ユニットのように、筒状ラベルに線接触するように、ベルト搬送ユニットにおけるフィードベルトとの間に筒状ラベルを挟み込む変速ローラまたは変速ベルト機構を設けておくと、筒状ラベルにおける端部の擬似接着状態を確実に解除することができ、しかも、ラベル供給位置への筒状ラベルの供給タイミングにずれが発生しにくく、ベルト搬送ユニットのフィードベルト等が摩耗しにくいという請求項1、2に係る発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明に係るラベル供給装置の一実施形態が搭載されたラベル被嵌システムを示す概略斜視図である。
【図2】同上のラベル被嵌システムを示す平面図である。
【図3】同上のラベル被嵌システムを示す正面図である。
【図4】同上のラベル被嵌システムを構成しているラベル供給装置を示す正面図である。
【図5】同上のラベル供給装置を示す側面図である。
【図6】図5のX−X線に沿った断面図である。
【図7】同上のラベル供給装置に搭載されたラベル端離反ユニットに設けられているラベル検出センサの設置位置を説明するための説明図である。
【図8】同上のラベル端離反ユニットに搭載されているコントローラを示す機能ブロック図である。
【図9】(a)は同上のラベル検出センサがラベルの上端を検出した時点の状態を示す図、(b)は同上のラベル端離反ユニットに設けられている変速ローラが増速できる変速可能距離ΔDを説明するための図である。
【図10】同上のコントローラに記憶されたパラメータに基づいて算出される各種情報を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】同上のラベル端離反ユニットに設けられた変速ローラの周速の変化を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】同上のラベル被嵌システムを構成しているラベル被嵌装置に搭載されたラベル被嵌ヘッドを示す側面図である
【図13】同上のラベル被嵌ヘッドを示す正面図である。
【図14】(a)、(c)は同上のラベル被嵌ヘッドによるラベルの被嵌動作を示す正面図、(b)、(d)は同上のラベル被嵌ヘッドによるラベルの被嵌動作を示す平面図である。
【図15】(a)、(c)は同上のラベル被嵌ヘッドによるラベルの被嵌動作を示す正面図、(b)、(d)は同上のラベル被嵌ヘッドによるラベルの被嵌動作を示す平面図である。
【図16】同上のラベル端離反ユニットの他の実施形態を示す断面図である。
【図17】同上のラベル端離反ユニットのさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図18】従来のラベル供給装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1〜図3は、PETボトル(以下、ボトルという。)Bにポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等からなる、厚さ20μm〜60μmの熱収縮性フィルムによって形成された筒状のシュリンクラベル(以下、ラベルという。)Lを被嵌するためのラベル被嵌システム1を示している。このラベル被嵌システム1は、ベルトコンベア6、スクリュー2a、2b及びスターホイール2cからなるボトル供給装置2と、基材繰出部(図示せず)によって基材ロールから繰り出された長尺のラベル形成基材Mを順次切断しながらラベルLを形成し、そのラベルLをラベル供給位置αに順次供給するラベル供給装置3と、ボトル供給位置βにおいて前記ボトル供給ユニット2から供給されたボトルBを受け取ってボトル送出位置γまで搬送すると共に、ラベル供給位置αにおいてラベル供給装置3からラベルLを受け取り、ボトルBをボトル供給位置βからボトル送出位置γまで搬送する間に、ラベルLをボトルBに被嵌するロータリ型のラベル被嵌装置4と、このラベル被嵌装置4によってラベルLが被嵌されたボトルBを搬出するボトル搬出装置5とから構成されており、ボトル搬出装置5は、ベルトコンベア6からなるボトル送出ユニットと、ラベルLが被嵌されたボトルBをラベル被嵌装置4とボトル送出ユニットとの間で受け渡すボトル受渡ユニット5aとから構成されている。
【0020】
前記ラベル供給装置3は、図4及び図5に示すように、基材繰出装置3によって基材ロールから繰り出された長尺のラベル形成基材Mを連続的に送り出すラベル基材送出ユニット10と、このラベル基材送出ユニット10によって送出されるラベル形成基材Mを所定のカットピッチで順次切断するラベル基材切断ユニット20と、このラベル基材切断ユニット20によって切断されることにより形成されたラベルLをラベル受渡位置αに順次搬送する上流側ベルト搬送ユニット30及び下流側ベルト搬送ユニット40と、上流側ベルト搬送ユニット30によるラベルLの搬送途中で、ラベルLの上端部(ラベルLの搬送方向上流側の端部)の重なり合った端縁同士を相互に離反させるラベル端離反ユニット50とを備えている。
【0021】
前記ラベル基材送出ユニット10は、図4に示すように、独立した基材送り用サーボモータ(図示せず)によって駆動される駆動ローラ11と、この駆動ローラ11との間にシート状に折り畳まれたラベル形成基材Mを挟み込む従動ローラ12とから構成されており、両ローラ11、12に挟み込まれたラベル形成基材Mは駆動ローラ11の回転によって、ラベル基材切断ユニット20が設けられた下方側の基材切断位置に送出される。
【0022】
前記ラベル基材切断ユニット20は、図4に示すように、基材切断位置に固定設置された固定刃21と、独立した基材切断用サーボモータ(図示せず)によって回転駆動される回転刃22とによって構成されており、この回転刃22が1回転する毎に、ラベル基材送出ユニット10により連続的に送り出されるラベル形成基材Mを順次切断することで、所定長のラベルLが順次形成されるようになっている。
【0023】
前記上流側ベルト搬送ユニット30は、図4及び図5に示すように、基材切断位置近傍とラベル受渡位置αの近傍位置とに配設された従動タイミングプーリ31及び駆動タイミングプーリ32に掛け渡され、基材切断位置近傍とラベル受渡位置αの近傍位置との間を、ラベル形成基材Mの供給速度より速い速度で循環移動する2本のタイミングフィードベルト33、33と、この2本のタイミングフィードベルト33、33にラベルLを吸引保持させる吸引機構34と、ラベルLをその下端から上端にわたってタイミングフィードベルト33、33に順次密着させることで吸引機構34によるタイミングフィードベルト33へのラベルLの吸引保持動作を補助する吸引補助手段36とから構成されており、駆動タイミングプーリ32は、独立した上流側ベルト駆動用サーボモータ(図示せず)によって回転駆動されるようになっている。
【0024】
前記タイミングフィードベルト33、33は、図5に示すように、搬送しようとするラベルLの幅よりも狭い間隔で平行に配置されており、各タイミングフィードベルト33、33にはその幅方向の中央部に長手方向に沿って多数の吸引孔33aが一定間隔で形成されている。
【0025】
前記吸引機構34は、図4に示すように、従動タイミングプーリ31間に各タイミングフィードベルト33、33に沿って、それぞれ配置された吸引チャンバ35、35と、この吸引チャンバ35、35に図示しないチューブ等を介して接続される真空ポンプ等の図示しない吸引装置とから構成されており、吸引チャンバ35、35のタイミングフィードベルト33、33との接触面には吸引口が開放されている。
【0026】
前記吸引補助手段36は、図4に示すように、ラベルLの搬送ラインを挟んで、各タイミングフィードベルト33、33に対向するように設けられており、3個の従動タイミングプーリ37及び駆動タイミングプーリ38と、これらに掛け渡されるタイミングベルト39とから構成されている。駆動タイミングプーリ38は、上述した各タイミングフィードベルト33を循環移動させているサーボモータによって駆動されるようになっており、タイミングベルト39がタイミングフィードベルト33の移動速度と同一速度で循環移動するように、駆動タイミングプーリ38の回転速度が設定されている。
【0027】
前記下流側ベルト搬送ユニット40は、図4及び図5に示すように、ラベル供給位置αを挟んで上下に配設された2個の従動タイミングプーリ41及び駆動タイミングプーリ42に掛け渡され、ラベル供給位置αの上下間を循環移動する、1本のタイミングフィードベルト43と、このタイミングフィードベルト43にラベルLを吸引保持させる吸引機構44とから構成されており、駆動タイミングプーリ42は、独立したサーボモータによって回転駆動されるようになっている。
【0028】
前記タイミングフィードベルト43は、図5に示すように、搬送しようとするラベルLよりも幅狭で、その幅方向の中央部に長手方向に沿って多数の吸引孔43aが一定間隔で形成されており、ラベルLの幅方向の中央部を吸引保持するようになっている。
【0029】
前記吸引機構44は、図4に示すように、ガイドローラ41間にタイミングフィードベルト43に沿ってそれぞれ配置された吸引チャンバ45と、この吸引チャンバ45に図示しないチューブ等を介して接続される真空ポンプ等の図示しない吸引装置とから構成されており、吸引チャンバ45のタイミングフィードベルト43との接触面には吸引口が開放されている。
【0030】
前記ラベル端離反ユニット50は、図4〜図7に示すように、上流側ベルト搬送ユニット30における吸引補助手段36の下流側において、上流側ベルト搬送ユニット30の一対の吸引チャンバ35、35の間に配設された、周速がタイミングフィードベルト33の移動速度と同速の駆動ローラ51と、この駆動ローラ51との間にラベルLを挟み込む、独立したサーボモータ57によって、ラベルLの搬送方向に回転駆動される変速ローラ54と、この変速ローラ54の駆動軸54aにベアリング55、55を介して回転可能に支持された、一対のタイミングフィードベルト33、33との間にラベルLを挟み込む一対のフリーローラ56、56と、駆動ローラ51と変速ローラ54とによるラベルLの挟込位置から所定距離D(例えば、30mm)だけ離れた上部位置において、上流側ベルト搬送ユニット30によって搬送されてくるラベルLを検出する透過型のラベル検出センサ58aと、ラベル被嵌装置4の回転主軸に取り付けられたエンコーダ58b(図8参照)と、ラベル検出センサ58aから出力されるラベル検出信号及びエンコーダ58b(図8参照)から出力されるパルス信号に基づいて、変速ローラ54の周速を制御するコントローラ59とを備えており、ラベルLの上端部が駆動ローラ51と変速ローラ54とによる挟み込み部分を通過する際に、変速ローラ54の周速と駆動ローラ51の周速との間に速度差を持たせることによって、ラベルLの上端部の重なり合った端縁同士を相互に離反させるようになっている。なお、駆動ローラ51、変速ローラ54及びフリーローラ56、56は、その周面が摩擦抵抗の大きいゴム素材によって形成されている。
【0031】
前記駆動ローラ51は、図6に示すように、その駆動軸51aが、一対のベアリング52、52を介して、一対の吸引チャンバ35、35に回転可能に支持されており、一方の吸引チャンバ35内に張り出した駆動軸51aの一端に取り付けられたタイミングプーリ53が一方のタイミングフィードベルト33に歯合することで、上流側ベルト搬送ユニット30のタイミングフィードベルト33と同期がとられた状態で、駆動されるようになっている。
【0032】
前記コントローラ59は、図9及び図10に示すように、変速ローラ54の周速をタイミングフィードベルト33の移動速度と同一速度である基準周速Vbから変化させることができるラベルLの移動距離(以下、変速可能距離ΔDという。)、この変速可能距離ΔDに対する、変速ローラ54の周速を加速又は減速させることができるラベルLの移動距離(加減速可能距離δd)の比率[δd/ΔD](以下、加減速可能比率εという。)及び基準周速Vbに対する最大周速Vhの比率[Vh/Vb](以下、増速率ζという。)
といった各種パラメータを記憶しているパラメータ記憶部59aと、エンコーダ58bの出力パルスに基づいて、上流側ベルト搬送ユニット30のタイミングフィードベルト33の移動速度を算出し、これを変速ローラ54の基準周速Vbに設定すると共に、数1に示すように、この基準周速Vbと、パラメータ記憶部59aに記憶されている各パラメータとに基づいて、変速ローラ54を基準周速Vbから変化させることができる時間(以下、変速可能時間ΔTという。)、この変速可能時間ΔTのうち、変速ローラ54の周速を加速または減速させることができる時間(以下、加減速可能時間δtという。)及び変速ローラ54の最大周速Vhを算出する演算部59bと、この演算部59bが算出した変速可能時間ΔT、加減速可能時間δt及び最大周速Vhと、ラベル検出センサ58aから出力されるラベル検出信号とに基づいて、変速ローラ54の周速を制御する変速ローラ速度制御部59cとを備えており、変速可能距離ΔD=30mm〜5mm、加減速可能比率ε=0%〜50%、増速率ζ=150%〜200%の範囲で設定される。
【0033】
【数1】

【0034】
前記変速ローラ速度制御部59cは、図11のタイミングチャートに示すように、ラベル検出センサ58aがラベルLの上端を検出するまでは、変速ローラ54を、駆動ローラ51と同様に、基準周速Vbで回転駆動しているが、ラベル検出センサ58aがラベルLの上端を検出した時点(ラベルLの検出状態から非検出に移行した時点)t1、即ち、駆動ローラ51と変速ローラ54とがラベルLの上端から所定距離D(例えば、30mm)だけ下側を挟み込んでいる時点(図9(a)参照)から、ラベルLが変速可能距離ΔD(例えば、25mm)だけ移動するまでの間(同図(b)参照)、変速ローラ54の周速を、基準周速Vbから最大周速Vh(基準周速Vbの1.5〜2倍程度)まで一時的に増速するようになっている。具体的には、ラベル検出時点t1から加減速可能時間δtが経過した時点t2までの間で最大周速Vhまで増速させた後、所定時間(変速可能時間ΔT−2×加減速可能時間δt)経過後の時点t3までは最大周速Vhを維持し、その後、加減速可能時間δtが経過した時点t4までの間で再び基準周速Vbに戻し、次のラベルLの上端を検出するまでの間は、基準周速Vbで回転駆動するように、サーボモータ57を制御するようになっている。
【0035】
また、このラベル供給装置3には、下流側ベルト搬送ユニット40の上部位置において、上流側ベルト搬送ユニット30から引き渡されたラベルLの上端を検出するラベル検出センサ46から出力されるラベル検出信号と、ロータリ型のラベル被嵌装置4の回転主軸に取り付けられたエンコーダから出力されるパルス信号とに基づいて、ラベル被嵌装置4の動作と同期を取るように、ラベル基材送出ユニット10、ラベル切断ユニット20、上流側ベルト搬送ユニット30及び下流側ベルト搬送ユニット40の動作を制御する図示しない制御ユニットが搭載されており、この制御ユニットは、ラベル検出センサ46によるラベルLの検出タイミングにずれが発生している場合は、そのずれ量に基づいて、下流側ベルト搬送ユニット40のタイミングフィードベルト43の移動速度を調整することで、ラベルLのずれに伴うラベルLの供給タイミングのずれを修正しながらラベルLを搬送し、最終的にラベルLを常に適正な供給タイミングでラベル供給位置αに停止させるようになっている。
【0036】
前記ラベル被嵌装置4は、図1〜図3、図12及び図13に示すように、回転軸(図示せず)に取り付けられた支持円盤4a上に、回転軸を中心とした同心円上に一定間隔で立設された多数のラベル被嵌ヘッド60を備えており、各ラベル被嵌ヘッド60によって、ラベル供給位置αにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLが開口され、この開口されたラベルLが、ボトル供給位置βにおいて受け取ったボトルBがボトル送出位置γまで搬送される途中で、ボトルBの胴部に被嵌されるようになっている。
【0037】
前記ラベル被嵌ヘッド60は、図12及び図13に示すように、支持円盤4a上に固定された、ボトル供給位置βにおいて受け取ったボトルBを載置するボトル載置台71及びこのボトル載置台71に載置したボトルBの底部を吸引することで、ボトルBをボトル載置台71上に保持する図示しない吸引手段を有するボトル保持ユニット70と、ラベル供給位置αに供給されるラベルLを、ラベル受渡ユニット80を介して受け取って、筒状に開口した後、この開口したラベルLをボトルBの胴部に被嵌するラベルオープナー90とを備えており、ラベル受渡ユニット80及びラベルオープナー90は、支持円盤4a上に立設された板状の支持フレーム61に固定されたスライドレール62に沿って昇降するようになっている。
【0038】
前記ラベル受渡ユニット80は、図5、図12及び図13に示すように、ラベル供給位置αにおいて、下流側ベルト搬送ユニット40のタイミングフィードベルト43の外側を通過する一対の吸引杆82、82を有するテイクアップ部材81を備えており、ラベル供給位置αにおいて、一対の吸引杆82、82が、下流側ベルト搬送ユニット40のタイミングフィードベルト43の外側を通過する際、ラベル供給位置αに供給されたラベルLにおけるタイミングフィードベルト43の外側に張り出した部分を引っかけて、タイミングフィードベルト43の吸引面側で吸引保持することにより、テイクアップ部材81がラベルLを受け取るようになっている。
【0039】
前記ラベルオープナー90は、図12及び図13に示すように、ラベルLの両側部を吸引把持する開閉可能な2組の吸引杆91、91及び吸引杆92、92を備えており、この2組の吸引杆91、91及び吸引杆92、92が、以下のようにして、ラベル受渡ユニット80からラベルLを受け取り、これを開口した後、ボトルBの胴部に被嵌するようになっている。
【0040】
まず、図14(a)、(b)に示すように、2組の吸引杆91、91及び吸引杆92、92がテイクアップ部材81に吸引保持されているラベルLの高さ位置まで上昇した後、ラベルLに対してテイクアップ部材81の反対側の吸引杆91、92だけが閉じて、テイクアップ部材81との間にラベルLを挟み込んでラベルLを吸引保持した後、テイクアップ部材81によるラベルLの吸引保持が解除されることで、ラベルLがテイクアップ部材81から吸引杆91、92に引き渡される。このとき、ボトル載置台71上には、前工程でラベルLが被嵌されたボトルBが載置されている。
【0041】
このようにして、ラベルオープナー90がラベルLを受け取ると、同図(c)、(d)に示すように、ラベルLを吸引保持している吸引杆91、92が開いて、ラベルLをテイクアップ部材81から離反させた後、図15(a)、(b)に示すように、ラベル受渡ユニット80が上昇することで、テイクアップ部材81が吸引杆91、92によるラベルLの吸引保持位置から退避し、2組の吸引杆91、91及び吸引杆92、92が一旦閉じることでラベルLを吸引把持した後、相互に開くことによって、ラベルLを開口する。
【0042】
その後、同図(c)、(d)に示すように、ラベル受渡ユニット80及びラベルオープナー90が降下することで、2組の吸引杆91、91及び吸引杆92、92によって開口されているラベルLが、ボトル載置台71上に吸引保持されているボトルBの胴部に被嵌される。
【0043】
以上のように、上述したラベル供給装置3に搭載されたラベル端離反ユニット50では、ラベルLの幅方向の中央部を駆動ローラ51と変速ローラ54とによって挟み込むようになっており、しかも、ラベルLの上端部付近が駆動ローラ51と変速ローラ54とによる挟み込み部分を通過する際に、駆動ローラ51の周速に対して変速ローラ54の周速を一時的に増速させるようになっているので、ラベルLにおける上端部の重なり合った端縁同士を確実に離反させることができる。
【0044】
特に、このラベル端離反ユニット50は、変速ローラ54の両側で、一対のタイミングフィードベルト33、33との間にラベルLを挟み込むフリーローラ56、56を備えているので、変速ローラ54が増速することによってラベルLの上端縁を離反させる際、ラベルLの上端部付近が全体的にタイミングフィードベルト33、33から引き離されてしまうことがなく、ラベルLにおける上端縁の離反動作を円滑かつ確実に行うことができる。
【0045】
また、ラベルLを挟み込んでいる駆動ローラ51及び変速ローラ54は、ラベルLと線接触しており、しかも、駆動ローラ51と変速ローラ54とがラベルLにおける上端部付近を挟み込んだときだけ、駆動ローラ51の周速と変速ローラ54の周速との間に速度差を生じさせ、それ以外のときは、両者間に速度差が生じないようになっているので、上流側ベルト搬送ユニット30によるラベルLの搬送動作に対して、ラベル端離反ユニット50によるラベル端の離反動作がラベルLの搬送抵抗となりにくく、変速ローラ54の周面と駆動ローラ51の周面とが相互に摺動することもない。
【0046】
従って、上流側ベルト搬送ユニット30によるラベルLの搬送途中でラベルLが位置ずれしにくく、ラベル供給位置αへのラベルLの供給タイミングにずれが発生しにくいと共に、上流側ベルト搬送ユニット30のフィードベルト33が摩耗しにくいという効果が得られる。
【0047】
特に、このラベル供給装置3では、上述したように、下流側ベルト搬送ユニット40のタイミングフィードベルト43の移動速度を調整することで、ラベルLのずれに伴うラベルLの供給タイミングのずれを修正しながらラベルLを搬送し、最終的にラベルLを常に適正な供給タイミングでラベル供給位置αに停止させるようになっているので、万が一、ラベル端離反ユニット50によるラベル端の離反動作によって、ラベルLに位置ずれが発生した場合でも、ラベル供給位置αにおけるラベルLの供給タイミングがずれることがない。
【0048】
なお、上述した実施形態では、ラベル基材切断ユニット20によって切り離されたラベルL側の切断端が擬似接着状態となるので、ラベル端離反ユニット50によってラベルLの上端縁を離反させるようにしているが、これに限定されるものではなく、ラベル基材切断ユニットによってラベル形成基材からラベルを切り離したときに、ラベル形成基材側の切断端が擬似接着状態となる場合は、ラベル端離反ユニット50によってラベルLの下端縁を離反させればよく、その場合は、ラベルLの下端部付近が駆動ローラ51と変速ローラ54とによる挟み込み部分を通過する際に、駆動ローラ51の周速に対して変速ローラ54の周速を75%〜50%程度減速させればよい。
【0049】
また、上述した実施形態では、ラベルLの上端縁を離反させる場合は変速ローラ54を増速させ、ラベルLの下端縁を離反させる場合は変速ローラ54を減速させるようにしているが、これに限定されるものではなく、駆動ローラ51と変速ローラ54との間で周速に速度差を持たせればよい。ただし、ラベルLの上端縁を離反させる場合は変速ローラ54を増速させ、ラベルLの下端縁を離反させる場合は変速ローラ54を減速させるようにしておくと、ラベルLの位置ずれ抑制効果を最大限に発揮させることができる。
【0050】
また、上述した実施形態では、変速ローラ54の両側で、一対のタイミングフィードベルト33、33との間にラベルLを挟み込むフリーローラ56、56を設けているが、本発明は、こういったフリーローラを設けているものに限定されるものではなく、特に、支障がないのであれば、フリーローラは省略することも可能である。
【0051】
また、上述した実施形態では、変速ローラ54との間にラベルLを挟み込む、周速がタイミングフィードベルト33の移動速度と同速の駆動ローラ51を設けているが、これに限定されるものではなく、例えば、図16に示すラベル端離反ユニット50aのように、駆動ローラ51に代えて、回転軸51Aaの両端部が一対のベアリング52、52を介して、一対の吸引チャンバ35、35に回転可能に支持されただけのフリーローラ51Aを採用することも可能である。ただし、この場合は、一対のタイミングフィードベルト33、33との間にラベルLを挟み込むフリーローラ56、56を設けておく必要がある。
【0052】
また、上述した実施形態では、上流側ベルト搬送ユニット30が所定間隔をあけて配設された一対のタイミングフィードベルト33、33を備えている場合について説明したが、例えば、上流側ベルト搬送ユニットがラベルLの幅方向の中央部を吸引保持する1本のタイミングフィードベルト33だけを備えている場合は、図17に示すラベル端離反ユニット50bのように、タイミングフィードベルト33との間にラベルLを挟み込む変速ローラ54を設けるだけでよい。
【0053】
また、上述した実施形態では、ラベルLの上端縁を離反させるのに変速ローラ54を採用しているが、これに限定されるものではなく、独立したサーボモータによって回転駆動される駆動プーリと従動プーリとに変速ベルトを掛け渡した変速ベルト機構を採用し、変速ベルトがラベルLに対して線接触するように、駆動ローラ51、フリーローラ51Aまたはタイミングフィードベルト33との間にラベルLを挟み込むようにしてもよい。
【0054】
また、上述した実施形態では、ラベルLをラベル供給位置αに搬送するベルト搬送ユニットを、上流側ベルト搬送ユニット30と下流側ベルト搬送ユニット40とに分割しているが、これに限定されるものではなく、一つのベルト搬送ユニットでラベルLをラベル供給位置αに搬送するものであってもよい。
【0055】
また、上述した実施形態では、ラベル供給位置αにおいて受け取ったラベルLをラベルオープナー90に引き渡すラベル受渡ユニット80が、ラベル被嵌ヘッド60に設けられたラベル被嵌装置4を搭載したラベル被嵌システムに、本発明のラベル供給装置を搭載する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ラベル供給位置に供給されるラベルが、ラベル受渡装置を介して、ラベル被嵌装置に引き渡されるようになっているラベル被嵌システムにも本発明のラベル供給装置を搭載することができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、瓶、ボトル等にストレッチラベルやシュリンクラベル等の筒状ラベルを被嵌するためのラベル被嵌システムにおいて、筒状ラベルを所定のラベル供給位置に供給する場合に適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 ラベル被嵌システム
2 ボトル供給装置
3 ラベル供給装置
4 ラベル被嵌装置
5 ボトル搬出装置
6 ベルトコンベア
10 ラベル基材送出ユニット
11 駆動ローラ
12 従動ローラ
20 ラベル基材切断ユニット
21 固定刃
22 回転刃
30 上流側ベルト搬送ユニット
31 従動タイミングプーリ
32 駆動タイミングプーリ
33 タイミングフィードベルト
33a 吸引孔
34 吸引機構
35 吸引チャンバ
36 吸引補助手段
37 従動タイミングプーリ
38 駆動タイミングプーリ
39 タイミングベルト
40 下流側ベルト搬送ユニット
41 従動タイミングプーリ
42 駆動タイミングプーリ
43 タイミングフィードベルト
43a 吸引孔
44 吸引機構
45 吸引チャンバ
50、50a、50b ラベル端離反ユニット
51 駆動ローラ
51A フリーローラ
52 ベアリング
53 タイミングプーリ
54 変速ローラ
55 ベアリング
56 フリーローラ
57 サーボモータ
58a ラベル検出センサ
58b エンコーダ
59 コントローラ
59a パラメータ記憶部
59b 演算部
59c 変速ローラ速度制御部
60 ラベル被嵌ヘッド
70 ボトル保持ユニット
71 ボトル載置台
80 ラベル受渡ユニット
81 テイクアップ部材
82 吸引杆
90 ラベルオープナー
91、92 吸引杆
B PETボトル
L シュリンクラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺帯状のラベル形成基材を連続的に送り出すラベル基材送出ユニットと、
前記ラベル基材送出ユニットによって送出されたラベル形成基材を所定のカットピッチで順次切断することで、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルを形成するラベル基材切断ユニットと、
形成された筒状ラベルをラベル供給位置に順次搬送するベルト搬送ユニットと、
前記ベルト搬送ユニットによる筒状ラベルの搬送途中で、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルにおける一方の端部の重なり合った端縁同士を相互に離反させるラベル端離反ユニットとを備え、
前記ベルト搬送ユニットは、筒状ラベルを吸引保持した状態で搬送する、所定間隔をあけて平行に配設された一対のフィードベルトを有し、
前記ラベル端離反ユニットは、
前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの間で、筒状ラベルの前記フィードベルト側に配設された第1フリーローラと、
筒状ラベルに線接触するように、前記第1フリーローラとの間に筒状ラベルを挟み込む、独立したサーボモータによって、筒状ラベルの搬送方向に回転駆動される変速ローラまたは変速ベルト機構と、
前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトとの間に筒状ラベルをそれぞれ挟み込む一対の第2フリーローラと、
前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構の動作を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、筒状ラベルにおける一方の端部以外の部分が前記第1フリーローラと前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構とによる挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じないように、前記サーボモータを制御し、筒状ラベルにおける一方の端部が前記第1フリーローラと前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構とによる挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じるように、前記サーボモータを制御することを特徴とするラベル供給装置。
【請求項2】
長尺帯状のラベル形成基材を連続的に送り出すラベル基材送出ユニットと、
前記ラベル基材送出ユニットによって送出されたラベル形成基材を所定のカットピッチで順次切断することで、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルを形成するラベル基材切断ユニットと、
形成された筒状ラベルをラベル供給位置に順次搬送するベルト搬送ユニットと、
前記ベルト搬送ユニットによる筒状ラベルの搬送途中で、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルにおける一方の端部の重なり合った端縁同士を相互に離反させるラベル端離反ユニットとを備え、
前記ベルト搬送ユニットは、筒状ラベルを吸引保持した状態で搬送する、所定間隔をあけて平行に配設された一対のフィードベルトを有し、
前記ラベル端離反ユニットは、
前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの間で、筒状ラベルの前記フィードベルト側に配設された、周速が前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度と同速の駆動ローラと、
筒状ラベルに線接触するように、前記駆動ローラとの間に筒状ラベルを挟み込む、独立したサーボモータによって、筒状ラベルの搬送方向に回転駆動される変速ローラまたは変速ベルト機構と、
前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構の動作を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、筒状ラベルにおける一方の端部以外の部分が前記駆動ローラと前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構とによる挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じないように、前記サーボモータを制御し、筒状ラベルにおける一方の端部が前記駆動ローラと前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構とによる挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける一対の前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じるように、前記サーボモータを制御することを特徴とするラベル供給装置。
【請求項3】
長尺帯状のラベル形成基材を連続的に送り出すラベル基材送出ユニットと、
前記ラベル基材送出ユニットによって送出されたラベル形成基材を所定のカットピッチで順次切断することで、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルを形成するラベル基材切断ユニットと、
形成された筒状ラベルをラベル供給位置に順次搬送するベルト搬送ユニットと、
前記ベルト搬送ユニットによる筒状ラベルの搬送途中で、シート状に折り畳まれた状態の筒状ラベルにおける一方の端部の重なり合った端縁同士を相互に離反させるラベル端離反ユニットとを備え、
前記ベルト搬送ユニットは、筒状ラベルの幅方向の中央部分を吸引保持した状態で搬送するフィードベルトを有し、
前記ラベル端離反ユニットは、
筒状ラベルに線接触するように、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトとの間に筒状ラベルを挟み込む、独立したサーボモータによって、筒状ラベルの搬送方向に回転駆動される変速ローラまたは変速ベルト機構と、
前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構の動作を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、筒状ラベルにおける一方の端部以外の部分が、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトに対する前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構による挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構における変速ベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じないように、前記サーボモータを制御し、筒状ラベルにおける一方の端部が、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトに対する前記変速ローラまたは前記変速ベルト機構による挟み込み部分を通過する際は、前記変速ローラの周速または前記変速ベルト機構におけるベルトの移動速度と、前記ベルト搬送ユニットにおける前記フィードベルトの移動速度との間に速度差が生じるように、前記サーボモータを制御することを特徴とするラベル供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2010−280413(P2010−280413A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134720(P2009−134720)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】