説明

ラベル自動貼付機のラベルガイド装置

【課題】ラベル片とガイドプレート21との間の摩擦を低減してラベル片の移送時間を一定にし、ラベル片の引っ掛かりも無くすようにし、貼付け部までタイミングよく移送可能としたラベル自動貼付機のラベルガイド装置を提供すること。
【解決手段】ガイドプレート21にスリット32を形成してラベル片との接触面積を低減する事に着目し、帯状の台紙に仮着したラベル片を剥離する剥離部と、それぞれの間に所定のベルト間隔Kを開けて回転可能に配置した複数本のエンドレス丸ベルト20と、エンドレス丸ベルト20との間でラベル片を挟み付ける単一のガイドプレート21とを有し、エンドレス丸ベルト20の回転駆動によりラベル片を剥離部から貼付け部まで移送して、ラベル片を所定の物品に貼り付けるようにしたラベル自動貼付機のラベルガイド装置であって、ガイドプレート21にラベル片の移送方向に沿って複数本のスリット32を形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラベル自動貼付機のラベルガイド装置にかかるもので、とくに剥離部で剥離したラベル片を貼付け部まで移送するためのラベル自動貼付機のラベルガイド装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のラベル自動貼付け機には、その剥離部において台紙からラベル片を剥離し、この剥離部から貼付け部までラベル片を移送するとともに、必要であればこの貼付け部においてラベル片を待機させるようにして、所定の物品にこのラベル片を貼り付けるようにするラベルガイド部を有するものがある。
このラベルガイド部としては、それぞれの間に所定のベルト間隔を開けて回転可能に配置するとともにラベル片の糊面に対向する複数本のエンドレス丸ベルトと、このエンドレス丸ベルトとの間でラベル片を挟み付ける単一の平板状のガイドプレートと、を有し、エンドレス丸ベルトの回転駆動によりラベル片を剥離部から貼付け部まで移送するものであり、この貼付け部においてラベル片を所定の物品に貼り付けるようにしている。
【0003】
しかしながら、ラベル片が大型化するにともなってそのラベル面積が増加して、ラベルガイド部とラベル片との間の摩擦力が増加する結果、上記エンドレス丸ベルトとガイドプレートとの間でラベル片の移送に時間がかかったり、あるいは引っ掛かりが生じて、ラベル片を貼付け部まで正常に、かつタイミングよく移送することが困難になるという問題がある。
さらに、ラベル片ないしはガイドプレートと接触回転するエンドレス丸ベルトに摩耗が生じやすいという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開平7−76438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、剥離部から貼付け部までラベル片を正常に、かつタイミングよく移送可能としたラベル自動貼付機のラベルガイド装置を提供することを課題とする。
【0006】
また本発明は、ラベル片とガイドプレートとの間の摩擦を低減して、ラベル片の移送時間を一定にするとともに、ラベル片の引っ掛かりもなくすようにしたラベル自動貼付機のラベルガイド装置を提供することを課題とする。
【0007】
また本発明は、エンドレス丸ベルトの摩耗の程度を低減可能としたラベル自動貼付機のラベルガイド装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明は、ガイドプレートにスリットを形成してラベル片との接触面積を低減することに着目したもので、帯状の台紙に仮着したラベル片を剥離する剥離部と、それぞれの間に所定のベルト間隔を開けて回転可能に配置した複数本のエンドレス丸ベルトと、このエンドレス丸ベルトとの間で上記ラベル片を挟み付ける単一のガイドプレートと、を有し、上記エンドレス丸ベルトの回転駆動により上記ラベル片を上記剥離部から貼付け部まで移送して、上記ラベル片を所定の物品に貼り付けるようにしたラベル自動貼付機のラベルガイド装置であって、上記ガイドプレートに、上記ラベル片の移送方向に沿って複数本のスリットを形成したことを特徴とするラベル自動貼付機のラベルガイド装置である。
【0009】
上記スリットは、上記各エンドレス丸ベルトの間における上記ベルト間隔に相当する幅に、これを形成することができる。
【0010】
上記スリットは、上記スリットを形成することにより上記ガイドプレートに形成される複数本の細幅状プレートが上記エンドレス丸ベルトにそれぞれ接触可能となるような幅に、これを形成することができる。
【0011】
上記スリットは、上記スリットを形成することにより上記ガイドプレートに形成される複数本の細幅状プレートが上記エンドレス丸ベルトにそれぞれ接触可能となるような部位に、これを形成することができる。
【0012】
上記エンドレス丸ベルトは、剥離性の高い材料による第1のエンドレス丸ベルトと、剥離性の低い材料による第2のエンドレス丸ベルトと、を交互に配置したことができる。
【0013】
上記エンドレス丸ベルトは、上記スリットに対向する部位にこれを配置することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるラベル自動貼付機のラベルガイド装置においては、ガイドプレートにラベル片の移送方向に沿って複数本のスリットを形成して、ガイドプレートとラベル片との接触面積を低減するようにしたので、ラベル片が大きな場合であっても、確実に安定してこのラベル片を貼付け部まで移送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、ガイドプレートに複数本のスリットを形成してラベル片との接触面積を低減するようにしたので、ラベル片の移送を安定化することができるラベル自動貼付機のラベルガイド装置を実現した。
【実施例】
【0016】
つぎに本発明の実施例によるラベル自動貼付機のラベルガイド装置を図1ないし図7にもとづき説明する。
図1は、上記ラベルガイド装置を備えたラベル自動貼付機1の概略側面図であって、ラベル自動貼付機1は、ラベルプリンター2と、ラベルガイド装置3と、貼付け部4と、を有する。
ラベルプリンター2は、ラベル連続体5のラベル供給部6と、ラベル位置センサー7と、印字部8と、剥離部9と、制御部10と、を有する。
【0017】
ラベル連続体5は、図1にその一部を断面して示すように、帯状の台紙11と、台紙11の上に仮着した複数枚のラベル片12と、を有する。
ラベル供給部6は、帯状のラベル連続体5をロール状に巻いて保持し、ラベル位置センサー7や印字部8方向にラベル連続体5を帯状に繰り出し可能とする。
ラベル位置センサー7は、ラベル連続体5の位置を検出し、その検出信号により印字部8におけるラベル連続体5(ラベル片12)への印字のタイミングを制御部10が制御可能とする。
印字部8は、サーマルヘッド13と、プラテンローラー14と、感熱転写インキリボン15のリボン供給部16およびリボン巻取り部17と、を有し、ラベル片12上に所定内容の情報を印字する。
剥離部9は、剥離板18と、台紙巻取り軸19と、を有し、剥離板18において台紙11のみを転向させて台紙巻取り軸19に巻き取り可能とし、台紙11からラベル片12を剥離して、ラベル片12をラベルガイド装置3に乗り移らせる。
【0018】
ラベルガイド装置3は、複数本のエンドレス丸ベルト20と、単一の平板状のガイドプレート21と、を有する。
図2は、ラベルガイド装置3の拡大側面図、図3は、ラベルガイド装置3の斜視図、図4は、ラベルガイド装置3の分解斜視図である。
とくに図2に示すように、エンドレス丸ベルト20は、上流側ローラー22および下流側ローラー23の間にベルトモーター24により回転駆動可能に、それぞれの間に所定のベルト間隔K(図3、図4)を開けて回転可能に配置している。
なお、エンドレス丸ベルト20は、そのゴム基材に添加するシリコーン剥離剤などの含有量を調製することにより、剥離性の高い材料による第1のエンドレス丸ベルト20Aと、剥離性の低い材料による第2のエンドレス丸ベルト20Bと、を交互に配置することが望ましい。かくすることにより、エンドレス丸ベルト20(第1のエンドレス丸ベルト20A、第2のエンドレス丸ベルト20B)によるラベル片12の移送機能および貼付け部4への分離機能を確実かつ安定化させることができる。
【0019】
ガイドプレート21は、複数本のエンドレス丸ベルト20との間でラベル片12を挟み付けるもので、エンドレス丸ベルト20の回転駆動によりラベル片12を剥離部9から貼付け部4まで移送して、ベルトコンベア25上を搬送されてくる所定の物品M(その底面)にラベル片12を貼り付ける。
なお、ベルトコンベア25には物品Mが搬送されてくることを検出する搬送センサー26(図1)を設けている。
【0020】
ガイドプレート21の上流側端部と剥離部9との間には導入用ローラー27を設けるとともに、ガイドプレート21の下流側端部とベルトコンベア25との間には貼付け用ローラー28を設けている。
また、貼付け用ローラー28の上流側にラベルセンサー29を設けている。
なお、図3および図4に示すように、ラベルガイド装置3全体をガイドフレーム30に組み付けている。
【0021】
図5は、ガイドプレート21の側面図、図6は、ガイドプレート21の平面図、図7は、図5のVII方向矢視図である。
とくに図5に示すように、ガイドプレート21は、ガイドフレーム30への取付けブラケット31を一体に有する。
図6および図7に示すように、ガイドプレート21には、ラベル片12の移送方向に沿って複数本のスリット32を形成している。これらスリット32を形成することにより、ガイドプレート21には、それぞれのスリット32の間に複数本の細幅状プレート21Aが形成されている。
なお、とくに図6に示すように、図中左端のスリット32の上部に、ほぼ円形状のラベル検出用貫通窓33を形成し、ラベル検出用貫通窓33を通してのラベルセンサー29によるラベル片12の検出を可能とする。
また、取付けブラケット31には、調整用長窓34を形成し、取付けブラケット31(ガイドプレート21)をガイドフレーム30に取り付ける位置を調整可能とし、エンドレス丸ベルト20とガイドプレート21とによるラベル片12の挟付け力を調節可能としている。
【0022】
スリット32の幅としては、たとえば各エンドレス丸ベルト20の間におけるベルト間隔Kに相当する間隔とすることができる。
また、スリット32は、ガイドプレート21における複数本の細幅状プレート21Aがエンドレス丸ベルト20にそれぞれ接触可能となるような幅に、これを形成することができる。
スリット32は、ガイドプレート21における複数本の細幅状プレート21Aがエンドレス丸ベルト20にそれぞれ接触可能となるような部位に、これを形成することができる。
【0023】
こうした構成のラベル自動貼付機1およびラベルガイド装置3において、ラベルプリンター2により所定内容を印字されたラベル片12は、剥離部9において台紙11から剥離され、剥離板18の部分から、導入用ローラー27とエンドレス丸ベルト20との間に乗り移り、ラベルガイド装置3のエンドレス丸ベルト20およびガイドプレート21による移送作用により貼付け用ローラー28の手前で待機する。
【0024】
ベルトコンベア25上を物品Mが搬送されてきたことを搬送センサー26が検出したタイミングで、ラベルガイド装置3のベルトモーター24を再駆動してエンドレス丸ベルト20を回転開始し、ラベル片12を貼付け用ローラー28の部分まで移送する。
物品Mがこの貼付け用ローラー28に至ると、物品Mの底面側にラベル片12の糊面が対向しているので、ベルトコンベア25上の物品Mの搬送にともなってラベル片12が物品Mの底面に貼り付けられることになる。
【0025】
上述のラベルガイド装置3におけるラベル片12の移送操作において、エンドレス丸ベルト20とガイドプレート21との間に挟持されて移送されるラベル片12がガイドプレート21との間で接触する面積が、細幅状プレート21Aとの間の接触面積に限定され、その摩擦作用を低下させることが可能となる。
したがって、ラベル片12が大型化してその面積が増加しても、ラベルガイド装置3によるラベル片12の移送作用を確実かつ円滑なものとし、ベルトコンベア25上に搬送される物品Mへの貼付けタイミングを安定化させることができる。
【0026】
なお、エンドレス丸ベルト20は、スリット32に対向する部位にこれを配置することにより、ガイドプレート21(細幅状プレート21A)との接触を回避させることもできる。
この構成の場合には、スリット32内にエンドレス丸ベルト20が通ることが可能となり、エンドレス丸ベルト20がガイドプレート21に接触することがなくなり、エンドレス丸ベルト20の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例によるラベルガイド装置3を備えたラベル自動貼付機1の概略側面図である。
【図2】同、ラベルガイド装置3の拡大側面図である。
【図3】同、ラベルガイド装置3の斜視図である。
【図4】同、ラベルガイド装置3の分解斜視図である。
【図5】同、ガイドプレート21の側面図である。
【図6】同、ガイドプレート21の平面図である。
【図7】同、図5のVII方向矢視図である。
【符号の説明】
【0028】
1 ラベル自動貼付機(図1)
2 ラベルプリンター
3 ラベル自動貼付機1のラベルガイド装置(実施例、図3、図4)
4 貼付け部
5 ラベル連続体
6 ラベル供給部
7 ラベル位置センサー
8 印字部
9 剥離部
10 制御部
11 台紙
12 ラベル片
13 サーマルヘッド
14 プラテンローラー
15 感熱転写インキリボン
16 リボン供給部
17 リボン巻取り部
18 剥離板
19 台紙巻取り軸
20 エンドレス丸ベルト
20A 剥離性の高い材料による第1のエンドレス丸ベルト
20B 剥離性の低い材料による第2のエンドレス丸ベルト
21 ガイドプレート
21A ガイドプレート21に形成される複数本の細幅状プレート
22 上流側ローラー
23 下流側ローラー
24 ベルトモーター
25 ベルトコンベア
26 搬送センサー
27 導入用ローラー
28 貼付け用ローラー
29 ラベルセンサー
30 ガイドフレーム
31 取付けブラケット
32 ガイドプレート21に形成するスリット
33 ラベル検出用貫通窓
34 調整用長窓
K ベルト間隔
M 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の台紙に仮着したラベル片を剥離する剥離部と、
それぞれの間に所定のベルト間隔を開けて回転可能に配置した複数本のエンドレス丸ベルトと、
このエンドレス丸ベルトとの間で前記ラベル片を挟み付ける単一のガイドプレートと、を有し、
前記エンドレス丸ベルトの回転駆動により前記ラベル片を前記剥離部から貼付け部まで移送して、前記ラベル片を所定の物品に貼り付けるようにしたラベル自動貼付機のラベルガイド装置であって、
前記ガイドプレートに、前記ラベル片の移送方向に沿って複数本のスリットを形成したことを特徴とするラベル自動貼付機のラベルガイド装置。
【請求項2】
前記スリットは、
前記各エンドレス丸ベルトの間における前記ベルト間隔に相当する幅に、これを形成することを特徴とする請求項1記載のラベル自動貼付機のラベルガイド装置。
【請求項3】
前記スリットは、
前記スリットを形成することにより前記ガイドプレートに形成される複数本の細幅状プレートが前記エンドレス丸ベルトにそれぞれ接触可能となるような幅に、これを形成することを特徴とする請求項1記載のラベル自動貼付機のラベルガイド装置。
【請求項4】
前記スリットは、
前記スリットを形成することにより前記ガイドプレートに形成される複数本の細幅状プレートが前記エンドレス丸ベルトにそれぞれ接触可能となるような部位に、これを形成することを特徴とする請求項1記載のラベル自動貼付機のラベルガイド装置。
【請求項5】
前記エンドレス丸ベルトは、
剥離性の高い材料による第1のエンドレス丸ベルトと、
剥離性の低い材料による第2のエンドレス丸ベルトと、を交互に配置したことを特徴とする請求項1記載のラベル自動貼付機のラベルガイド装置。
【請求項6】
前記エンドレス丸ベルトは、
前記スリットに対向する部位にこれを配置することを特徴とする請求項1記載のラベル自動貼付機のラベルガイド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−234595(P2009−234595A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80143(P2008−80143)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】