説明

ラベル貼付装置

【課題】 ラベル発行部から垂直方向に発行したラベルを、簡単な構造で発行時の略直線状態に維持し、商品の端部にラベルを正しく貼付することができるラベル貼付装置を提供する。
【解決手段】 ラベル発行部A1からラベルLが垂直下方向に排出され、その排出後待機しているラベルが、前記ラベル発行部の下方に設置された商品搬送部A2を搬送される商品の搬送方向前側と接触し、前記商品の搬送方向前側の側端にラベルが貼付されるラベル貼付装置であって、排出されたラベルLを、ラベルの幅方向に対して湾曲して形成すると共に、その形状のまま垂直下方にラベルを送り出すラベル湾曲繰り出し手段5を前記ラベル発行部A1より下側位置に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラベル貼付装置に係り、詳しくは商品の側端に、ラベルを貼付するラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
お菓子等を収容するプラスチック製の容器として、容体の一側に蓋体の一側が屈曲可能に連結されたものが存在する。この蓋付容器の場合は、容体に品物を収容した後、連結部と反対側の開放側を、ラベルやセロファンテープで止めて蓋体が開かないようにしている。
セロファンテープの場合は、該テープを容体と蓋体とに跨って手で張っているのが一般的であるが、ラベルの場合は単に蓋体が開かないように止めるだけでは無く、同時に商品の表示を兼ね、しかも大量に生産するため上記した手貼りでは生産性に難点があり、機械化が進められている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのラベル貼付装置は、搬送される商品の側端(容体と蓋体の開放側)にラベルを貼付する装置で、商品を搬送するコンベヤの上方にラベル発行部を備え、該ラベル発行部からラベルを垂直方向に繰り出し、その繰り出したラベルと前記コンベヤにより搬送される商品の端部(搬送方向の前側端部)が接触し、該端部にラベルが貼付されるように構成されている。
そして、上記ラベル貼付装置では、ラベルを垂直方向に繰り出し発行する際、発行したラベルが長さ方向に反ってしまう(湾曲する)ことがあるので、例えば、繰り出し発行したラベル上に空気を吹き付けることで、繰り出したラベルが略垂直の状態を維持し、通過する商品の前側端部にラベルが正しく貼付されるようにした方法が採用されている。
【0004】
しかしながら、発行したラベル方向に空気を噴射する装置を必要とするため、装置全体が複雑化し、コストアップにつながるという問題を有する。
【0005】
【特許文献1】特開2001−253421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、ラベル発行部から垂直方向に発行したラベルを、簡単な構造で発行時の略直線状態に維持し、商品の端部にラベルを正しく貼付することができるラベル貼付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に本発明が講じた技術的手段は、ラベル発行部からラベルが垂直下方向に排出され、その排出後待機しているラベルが、前記ラベル発行部の下方に設置された商品搬送部を搬送される商品の搬送方向前側と接触し、前記商品の搬送方向前側の側端にラベルが貼付されるラベル貼付装置であって、排出されたラベルを、ラベルの幅方向に対して湾曲して形成すると共に、その形状のまま垂直下方にラベルを送り出すラベル湾曲繰り出し手段を前記ラベル発行部より下側位置に設けたことを特徴とする(請求項1)。
上記ラベル発行部は、印字機能を備え、ラベル用紙に所定事項を印字し、印字後、ラベルを台紙から剥離して繰り出すタイプ、或いは予め所定事項が印字されたラベルが台紙に貼付されてロールに巻かれ、そのラベルロールをセットし、台紙から剥離して繰り出すタイプの何れでもよい。
上記湾曲繰り出し手段でラベルに付与される形状としては、例えば山形、V形、U形、弓形等が挙げられる。
【0008】
上記手段によれば、ラベル発行部から垂直下方に繰り出されるラベルは、ラベル湾曲繰り出し手段でその横断面形状をラベルの幅方向が湾曲して形成されることで、その湾曲はリブの働きをなし、簡単な構造で該ラベルが長さ方向に沿って反る(曲がる)ことはない。それにより、ラベルはそのままの形状で垂直下方に向けて真っ直ぐ繰り出され、商品に対して正常に貼付される。
【0009】
そして、前記湾曲は、搬送される商品の搬送方向前側と対向する方向に突形に形成すると好適である(請求項2)。
上記手段によれば、搬送されてくる商品の前側と対向する方向に向けて突形に形成されていることで、商品の端部に該ラベルの突形の頂部(幅方向の略中央部)が最初に接触し、商品の移動によりラベルとの接触箇所は中央部から幅方向両側に向けて広がる。それにより、ラベルは商品に対して皺のないように貼付される。
【0010】
前記ラベル湾曲繰り出し手段は、商品を搬送する搬送部の搬送方向に沿って平行に配置した二組のローラ群からなり、搬送方向に対して上流側に位置する第一ローラ群は搬送部の幅方向に沿い所定の間隔をおいて並列に配置した複数個のローラで構成し、下流側に位置する第二ローラ群は前記並列配置した複数個のローラの間に位置すると共に、該ローラの外周端は前記第一ローラ群の外周端より半径方向内側に嵌入配置されている(請求項3)。
上記第一ローラ群を構成する複数個のローラの個数は、少なくとも2個以上であればよい。そして、例えば、2個のローラで第一ローラ群を構成した場合、そのローラ相互の間隔と、該ローラ間に配置する第二ローラ群の嵌入量(重なり量)によって、前記突形の形状を鈍角、鋭角に変更することができる。
【0011】
上記手段によれば、ラベル発行部から垂直下方に繰り出される直線平面状のラベルを、第一ローラ群と第二ローラ群とで構成した湾曲繰り出し手段に通すことで横断面略山形形状に形成され、ラベルが長さ方向に反る(曲がる)のを防止できる。そして、ローラ相互の間隔と、該ローラ間に配置する第二ローラ群の嵌入量(重なり量)によって、前記突形の形状を鈍角、鋭角に変更することができる。
【0012】
前記ラベル湾曲繰り出し手段は、前記ラベル発行部の下方(下流側)に配置されるが、より好ましくは、ラベル発行部の直後に配置されているのが有効である(請求項4)。
上記手段によれば、ラベル発行部から繰り出されたラベルを直ぐに突形に形状付与する為、反り発生を確実に解消することができる。
【0013】
更に、前記ラベル湾曲繰り出し手段の下方に配置される商品搬送部の搬送面より下方位置で、且つ該ラベル湾曲繰り出し手段の略直下位置には、発行されたラベルが通過し得る間隙をおいて対向する一対の補助ローラを配置する。その場合、補助ローラの外周面にはラベルが付着するのを防止する粘着防止処理を施す(請求項5)。
【0014】
上記手段によれば、ラベル湾曲繰り出し手段を通過して所定の山形に湾曲形成されたラベルが長く、商品の上面、側面、下面に跨って略コの字形に貼付されるようなラベルの場合、繰り出されたラベルの先端は搬送面より下に位置するが、その先端部は、表面が粘着防止処理された補助ローラで支えられる為、ラベルの先端側が商品以外の他物に接着するのを防止でき、それによりラベルを商品の外形に沿って正しく貼付することができる。
【0015】
又、前記ラベル湾曲繰り出し部と商品搬送部との間には、該商品搬送部により搬送される商品の搬送を補助する補助搬送手段を配置し、その補助搬送手段は前記ラベル発行部から発行されたラベルが、前記補助ローラの間隙へ進入可能とする開口部を有し、前記商品搬送部の上流から搬送される商品は、前記補助搬送手段と商品搬送部との間を通って搬送されるようにしてもよい(請求項6)。
上記補助搬送手段としては、例えば商品搬送部の搬送方向に向かって無端回動するベルト駆動機構を該搬送部の幅方向に所定の間隔をおいて平行に配置した構成、或いはローラ駆動機構などが挙げられる。
【0016】
上記手段によれば、商品搬送部とその上方に配置された補助搬送手段とで商品を挟み、しかも上下両方の駆動で搬送する為、商品がラベルと接触しても商品の移動が停止されることは無く、従って商品の側端にラベルを正しく貼付することができる。又、補助搬送手段にはラベルが貫通し得る開口部が形成されている為、商品搬送部の搬送面に向けてラベルを確実に繰り出すことができる。
【0017】
更に、前記補助搬送手段における開口部の上流側には、搬送される商品がラベルと接触し、該ラベルが貼付される際に、商品の搬送方向前側端部から上方に突出するラベルの上側を支持する回転自在な案内ローラを配置してもよい(請求項7)。
【0018】
上記手段によれば、ラベルが商品の端部に貼付される際、商品の前側端部から上方に突出するラベルの上側は、商品の移動に伴い該商品の搬送方向と反対の方向に倒れるが、その倒れるラベルは案内ローラの外周面で支えられ、商品の移動に伴いラベルは案内ローラから離れて商品上面に貼付される。即ち、商品の前側端部に接着されたラベルの上側部分が後側に折れるなどして商品以外の装置に接着するのを防止できる。
【0019】
また、前記ラベル湾曲繰り出し手段より商品搬送部の搬送方向下流側に、該商品搬送部の搬送面より上方に突出し、搬送される商品の底部に対して弾性的に接触する弾性片を配置してもよい(請求項8)。
上記弾性片の形態としては、板バネ材を屈曲して弾性が付与されるようにしたもの、或いはコイルスプリング等の弾発力を利用して押圧片(弾性片)に弾発力を付勢するようにしたもの等、何れでもよい。
【0020】
上記手段によれば、商品の底部に貼付されるラベルは、商品の底部に対して弾性的に接触する弾性片で押えられるため、ラベルは商品に対してしっかりと貼付される。従って、商品の底部に凹部が存在し、その凹部箇所にラベルが貼付される場合、前記弾性片によりラベルは凹部内に押し込まれて確実に貼付される。
【0021】
更に、前記ラベル発行部を商品搬送部に対して上下方向に移動可能に支持し、更に商品搬送部の上方に配置した補助搬送手段を上下方向に移動自在としてもよい(請求項9)。
上記手段によれば、搬送される商品の高さに合せてラベル発行部及び補助搬送手段を上下方向に移動調整できるため、商品に対してラベルを安定よく繰り出し、貼付できる。
【0022】
また、前記ラベル発行部は、商品搬送部の幅方向に移動自在とし、ラベル発行部を幅方向に移動することで前記補助搬送手段の上方が開放状態となるようにしてもよい(請求項10)。
上記手段によれば、商品搬送部の直上に位置するラベル発行部を該商品搬送部の幅方向に移動することで、商品搬送部に真上に配置された補助搬送手段の上方は開放状態となる。従って、補助搬送手段を上方からメンテナンスする作業、或いは補助搬送手段の高さを変更する場合、その作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のラベル貼付装置は請求項1記載の構成により、ラベル発行部から直線平面状に繰り出されるラベルはラベル湾曲繰り出し手段を通ることで、排出されたラベルが、ラベルの幅方向に湾曲してそのままの形状のまま垂直下方に送り出されるので、ラベルが長さ方向に反ることは無く、簡単な構造で繰り出したラベルを略垂直の状態に維持させることができる。それにより、ラベルの反りによるラベル貼付不良の発生を防止できる。
そして、湾曲の方向を請求項2記載のようにした場合は、商品の端部に該ラベルの突形の頂部(幅方向の略中央部)が最初に接触し、商品の移動によりラベルとの接触箇所は中央部から幅方向両側に向けて広がる。それにより、ラベルを商品に対して皺のないように貼付することができる。
そして、請求項3記載の構成によれば、ラベル発行部から繰り出されるラベルが長さ方向に反らないように、幅方向に湾曲させるラベル湾曲繰り出し手段を二組のローラ群の組み合わせによって簡単に構成することができる。
【0024】
又、請求項4記載の構成により、ラベル発行部から繰り出されたラベルは直ぐにラベル湾曲繰り出し手段の第一ローラ群と第二ローラ群との間に供給される為、ラベル発行部から繰り出されたラベルは、長さ方向に反る機会が無くなり、安定したラベル貼付が可能となる。
更に、請求項5記載の構成により、商品の上面、側面、及び下面に亘って略コの字形にラベルが貼付されるような長いラベルが発行される場合でも、ラベルは商品搬送部の搬送面より下方に位置する補助ローラ間に進入し、搬送面より下方に突出するラベルの下側は前記補助ローラの周面に当接支持されるため、該ラベルが装置に接着することは無く、商品に対して正しく貼付される。
【0025】
また、請求項6記載の構成により、商品搬送部とその上方に配置された補助搬送手段とで商品を挟み、しかも上下両方の駆動で搬送する為、商品がラベルと接触しても商品の移動が停止されることは無く、従って商品の側端にラベルを正しく貼付することができる。
更に、請求項7記載の構成により、商品の前側端部に接着されたラベルの上側部分が後側に折れるなどして商品以外の装置に接着するのを防止できる。
また、請求項8記載の構成により、商品の底部に凹部が存在し、その凹部箇所にラベルが貼付される場合でも、ラベルを凹部内に押し込んで確実に貼付することができる。
【0026】
そして、請求項9記載の構成により、搬送される商品の高さに合せてラベル発行部及び補助搬送手段を上下方向に移動調整できるため、商品に対してラベルを安定よく繰り出し、貼付できる。
又、請求項10記載の構成により、商品搬送部に真上に配置された補助搬送手段の上方を開放状態とすることができる。それにより、補助搬送手段を上方からメンテナンスする作業、或いは補助搬送手段の高さを変更する場合、その作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係るラベル貼付装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施の形態で示す商品は、容体の一側に蓋体が開閉可能に連結された蓋付容器を示し、開放側が容体及び蓋体に形成された凹凸の係合手段で閉止状態が確立されるように構成されている。
本発明に係るラベル貼付装置は、ラベル発行部から繰り出されるラベルを、該ラベル発行部の下方に配置した商品搬送部に向けて垂直下方に繰り出し、商品搬送部の搬送面を上下に横切るラベルに対して該搬送部の作動で搬送される商品を接触させると共に、更に搬送することで、前記ラベルを商品Wの上面から前側側面を経て商品の下面に、略コの字形に貼付する装置である。つまり、商品の容器と蓋体の合せ面を跨いで両者に亘ってラベルが貼付される装置である。
図1は、ラベル貼付装置Aの概要を示し、商品Wに貼付するラベルLを発行するラベル発行部A1と、そのラベル発行部A1の下方に配置する商品搬送部A2とで構成され、前記ラベル発行部A1は商品搬送部A2のフレーム部6から鉛直方向に起立する支柱6’を介して商品搬送部A2の上方位置に上下調節可能に垂下支持されており、更にその支柱6’の横杆6”に対して前後スライド自在に取り付けられている。それにより、ラベル発行部A1は、商品搬送部A2で搬送する商品Wの高さに応じて上下方向に移動調整し、更にラベル発行部A1の下方に配置する補助搬送手段30のメンテナンス時は該ラベル発行部A1を商品搬送部A2の搬送路から外れる前後方向に水平移動させることで該補助搬送手段30の上方が開放され、メンテナンス等の作業をスムーズに行うことが可能となる。
【0028】
ラベル発行部A1は、ロール状に巻かれたラベルロール1をセットするセット部2、そのセット部2から引き出したラベル用紙に所定の印字内容を印字する印字部3、印字済みのラベルをディスペンサで台紙から剥離し、ラベルは発行口4へ、台紙は台紙巻取り部へ巻き取る、印字機能を備えた今日周知のラベルプリンタで構成されている。そして、印字済みのラベルを発行する発行口4は、商品搬送部A2の搬送面と対向するように下側に向けて開口されており、その発行口4の直ぐ下に発行された直線平面状のラベルを、幅方向が商品Wと対向する方向に向けて突出する山形(湾曲面)に形成するラベル湾曲繰り出し手段5が配置されている。
【0029】
上記ラベル湾曲繰り出し手段5は、商品搬送部A2の搬送方向に沿って平行に配置した遊転自在な二組のローラ群5a,5bで構成されている。
搬送方向に対して上流側に位置する第一ローラ群5aは、搬送部の幅方向に沿い所定の間隔をおいて並列に配置した2個のローラで構成し、下流側に位置する第二ローラ群5bは前記第一ローラ群5aの間に配置した1個のローラで構成されている。そして、その第二ローラ群5bは、そのローラの外周端が前記第一ローラ群5aのローラの外周端より半径方向内側に位置するように配置されている。これにより、第一ローラ群5aと第二ローラ群5bとの間にラベルを通すことで、第一ローラ群5aと第二ローラ群5bの重なりによってラベルの幅方向が直線平面状から山形湾曲状に形成され、この山形湾曲部分がリブの作用をなして該ラベルの長さ方向が反るのが抑える。
尚、第一ローラ群5aを構成する2個のローラの間隔と、その第一ローラ群5aの間に配置する第二ローラ群5bの重なり量の調整により、山形湾曲の湾曲度合いを調整することができる。
【0030】
上記ラベル湾曲繰り出し手段5を通過して繰り出される垂直状態のラベルLに対して商品Wを搬送し突き当てる商品搬送部A2は、一つのフレーム部6に、長短二台のコンベア部7,7’を、搬送方向に所定の間隔をおいて一直線状に載架して構成されている。そして、コンベア部7とコンベア部7’の間に補助ローラ8が配設されている。
【0031】
コンベア部7は、コンベア長(無端状ベルトを巻回支持する左右のローラ間の距離)を長短調節可能に構成した枠体9と、その枠体9の長手方向両側に横架支持したローラ10,10’と、その左右一対のローラ10,10’に亘って巻回した無端状ベルト11と、前記枠体9に架設した一方のローラ10(図面では左側のローラ)に回転力を付与する回転伝達ベルト(タイミングベルト)12を備えて構成されている。
【0032】
前記枠体9は、使用時のコンベア長より短い長さの固定枠9aと、その固定枠9aの長手方向の一側に該長手方向に沿って左右スライド可能に連設した可動部9bとで構成され、前記固定枠9aの可動部9bを連設した側とは反対側の端部にローラ10が回転可能に架設され、可動部9bの側端にローラ10’が回転可能に架設されている。
そして、前記固定枠9aのローラ10と可動部9bのローラ10’に亘って巻回した無端状ベルト11はローラ10の駆動回転により回転されるが、そのローラ10にフレーム部6側に装備した駆動手段の回転力を伝達する回転伝達ベルト(タイミングベルト)12が、該ローラ10と固定枠9aの側板部との間に配置されている。
又、上記可動部9bに支持したローラ10’の軸端には歯付プーリ28が一体的に固着されており、この歯付プーリ28は長コンベア部7をフレーム部6に載架定着した時該フレーム部6に装備した動力伝達手段20と連繋し、無端状ベルト11の回転による歯付プーリ28の回転を動力伝達手段20に伝達し得るように構成されている。
【0033】
上記回転伝達ベルト12は両面歯付きのタイミングベルトで、ローラ10の軸上に固着した歯付プーリ13とその歯付プーリ13の位置よりコンベア長の中央方向へ所定間隔をおいて軸支した歯付プーリ14,14’とに亘って巻回装着されている。そして、コンベア部7をフレーム部6に載架定着した時、歯付プーリ13と歯付プーリ14’間の回転伝達ベルト12の外周面がフレーム部6側の駆動手段15の歯付伝達プーリ15bの外周面に押圧当接され、該歯付伝達プーリ15bの回転力で回転伝達ベルト12が回転される。
【0034】
上記駆動手段15は、モータ15a、歯付伝達プーリ15b、及びモータ15aの出力を歯付伝達プーリ15bに伝達するチェーンやベルト等の伝達帯15cとで構成され、歯付伝達プーリ15bの外径は前記回転伝達ベルト12との接触範囲が広くなるように大径に形成されている。
【0035】
フレーム部6に載架する短コンベア部7’は、前記した長コンベア部7に比べてコンベア長を短くしたもので、固定枠16aの一側に可動部16bを弾発水平移動可能に連結した枠体16と、固定枠16aの側部に支持したローラ17と可動部16bの側部に支持したローラ17’とに亘って無端状ベルト18が巻回されて構成されている。
上記の如く構成した短コンベア部7’の固定枠16aに支持したローラ17の軸端には歯付プーリ19が一体的に固着されており、この歯付プーリ19は該短コンベア部7’をフレーム部6に載架定着した時、該フレーム部6に装備した動力伝達手段20と連繋し、回転力が歯付プーリ19に伝達されるように構成されている。
【0036】
上記動力伝達手段20は、上流側に配置される長コンベア部7の無端状ベルト11の回転を下流側に配置される短コンベア部7’の無端状ベルト18に伝達するもので、フレーム部6における載せ枠の内側(長コンベア部7の歯付プーリ28、短コンベア部7’の歯付プーリ19と対向する側)に、複数(図面では6個)の歯付プーリ21〜26を回転可能に軸支し、それら歯付プーリ21〜26に亘って両面歯付きのタイミングベルト27を巻回して構成してある。そして、その巻回したタイミングベルト27は正面略扁平逆三角形をなし、上側に歯付プーリ28及び歯付プーリ19が当接噛合するように構成されている。
それにより、長コンベア部7の無端状ベルト11の回転はローラ10’(歯付プーリ28)→タイミングベルト27→(歯付プーリ19)ローラ17と伝達され、短コンベア部7’の無端状ベルト18が回転される(図3(b)参照)。
【0037】
補助ローラ8は、長コンベア部7の終端側(ローラ10’)と短コンベア部7’の始端側(ローラ17)との間で、且つ前記ラベル湾曲繰り出し手段5の略直下位置に、発行されるラベルLが通過し得る間隔をおいて平行に配置した2本の回転自在なローラ8a,9bで構成されている。そして、その補助ローラ8のローラ8a,8bにおける前記タイミングベルト27と対応する位置に歯付プーリ29がそれぞれ一体的に固着されている。その歯付プーリ29はタイミングベルト27との噛み合い状態が維持されるようタイミングベルト27に対して押し付けた状態で横架されている。それにより、補助ローラ8はタイミングベルト27の回動で回転される。
【0038】
又、前記補助ローラ8を構成する2本のローラ8a,8bの外周面には、該ローラ8a,8bの間に通されるラベルLの粘着面が付着するのを防止する粘着防止処理が施されている。粘着防止処理としては、一般的なフッ素樹脂のコーティング等が挙げられる。
【0039】
上記ラベル湾曲繰り出し手段5と前記商品搬送部A2との間には、商品搬送部A2により搬送される商品Wの搬送を補助する補助搬送手段30が、前記商品搬送部A2の上方に配置されている。
前記補助搬送手段30は、所定の間隔をおいて対向するフレーム31,31’の内側で、且つその長さ方向両側に歯付プーリ32a,32b、32a’,32b’が回転自在に軸支され、その歯付プーリ32a,32b、32a’,32b’に亘ってそれぞれ歯付ベルトからなる搬送ベルト33,33’が巻回されて構成されている。そして、前記一方の歯付プーリ32b,32b’を固着した軸34はフレーム31の外方へ延長突出して動力伝達手段35に連繋されている。
上記2本の搬送ベルト33,33’の間隔は、前記ラベル発行部A1から発行されるラベルLが進入可能な間隔で、ラベルLが通過する開口部43として機能する。
【0040】
その動力伝達手段35は、フレーム部6に起立固定した取付板36に複数のプーリ37〜39を回転可能に支持し、そのプーリ37〜39に亘って外側に歯部を有する歯付ベルト40を巻回し、その歯付ベルト40の外周面が、前記補助ローラ8の一方のローラ8aの端部に一体に固着した歯付プーリ41に押圧接触されている。更に、前記プーリ37の軸と前記軸34にそれぞれ歯付プーリを固着し、その両歯付プーリに亘って歯付ベルト42が巻回されている。
それにより、補助ローラ8の回転は歯付ベルト40→歯付ベルト42を介して軸34に伝達され、搬送ベルト33,33’が駆動回転される。
【0041】
前記開口部43には、前記ラベル湾曲繰り出し手段5における第一ローラ群5aの略真下に位置して案内ローラ44が補助搬送手段30のフレーム31,31’に亘って回転自在に支持されている。その案内ローラ44は、前記ラベル湾曲繰り出し手段5の第一ローラ群5aと同様に構成されている。
この案内ローラ44は、搬送される商品WがラベルLと接触し、該ラベルが商品Wの前側端部に貼付される際に、該商品の搬送方向前側端部から上方に突出するラベルLの上側を支持し、ラベルLが弛んで商品に貼付されるのを防止する。即ち、商品Wの移動に伴いラベルLも案内ローラ44の外周面との接触が徐々に開放されるようにし、それによりラベルLが商品の上面に対して皺を発生することなく貼付される。
【0042】
上記案内ローラ44より下流側には、前記案内ローラ44の作用で弛み無く貼付されたラベルLを商品W側に押し付けて密着させる押付ローラ45がフレーム31,31’に亘って回転自在に横架されている。この押付ローラ45は、表面にウレタン等のスポンジが巻回されており、ラベルLに対して弾性的に押付力が作用するように構成されている。
【0043】
上記案内ローラ44と押付ローラ45を備えた補助搬送手段30は、フレーム部6に起立固定した取付板36と連結杆46,47で連結され、搬送する商品Wの高さに応じて補助搬送手段30を上下方向に移動調整できるように構成されている。
そして、上記補助搬送手段30は上記構成により円弧を描いて上下するため、該補助搬送手段30に装備した前記案内ローラ44と押付ローラ45は一体となって該補助搬送手段30のフレーム31,31’の長さ方向に移動調整し得るように構成されている。
その移動調整機構としては、フレーム31,31’に長孔48を開設し、その長孔48に、案内ローラ44と押付ローラ45を支持するフレーム49側に固着したガイドピン50,50’を嵌合して構成されている。尚、ガイドピン50には調整した状態を固定するための調整摘み51が取り付けられている。
【0044】
又、前記商品搬送部A2とその上方に配置した補助搬送手段30には、ラベル湾曲繰り出し手段5の直下位置より下流側位置に、商品Wの端部から底部に亘って弾性的に接触する下側弾性片52と、商品Wの端部から上面に亘って弾性的に接触する上側弾性片53が配置されている。
上記下側弾性片52は、商品搬送部A2における短コンベア部7’の枠体16に横架した取付杆54に挟持片55を介して短コンベア部7’の搬送面より上方に突出させて取り付けられている。
上記上側弾性片53は、補助搬送手段30のフレーム31,31’に亘って横架した取付杆56に挟持片57を介して該補助搬送手段30の搬送ベルト33,33’の搬送面(下側面)より下方に突出させて取り付けられている。
【0045】
次に、ラベルLの貼付動作を図5乃至図8に基づいて説明する。
先ず、商品搬送部A2によって商品Wが搬送され、その商品Wが該商品搬送部A2の搬送路側部に設置された商品検出センサ58で検知されると(図1,2参照)、ラベル発行部A1の発行口4から所定のラベルLが発行され、発行口4の直ぐ下に配置したラベル湾曲繰り出し手段5に押し込まれる(図5参照)。尚、ラベル発行部A1から発行されるラベルLは、台紙から剥離され粘着面を商品と対向する方向に向けて垂直下方に発行される。
ラベル湾曲繰り出し手段5に押し込まれたラベルLは、図4(a)、(b)に示すように第一ローラ群5aと第二ローラ群5bとによって該ラベルLの幅方向の略中央部が商品Wと対向する方向に山形に突出する湾曲形状に形成される。これによりラベルLは長さ方向に反りが発生するのが防止され、ラベルLは商品搬送部に向けて真っ直ぐに繰り出される。
【0046】
ラベル湾曲繰り出し手段5を通過して幅方向が山形に湾曲形成されたラベルLは、該ラベル湾曲繰り出し手段5の下方に配置された補助搬送手段30の開口部43を通って商品搬送部A2上に繰り出され、ラベルLの長さ方向の略中程位置が該搬送部A2上を搬送されてくる商品Wの搬送方向前側端部と接触する。このように、商品の端部に該ラベルの突形の頂部が最初に接触し、商品の移動によりラベルとの接触箇所は中央部から幅方向両側に向けて広がるので、ラベルを商品に対して皺のないように貼付することが可能である。
そして、該ラベルLの商品Wとの接触箇所より上側部分は補助搬送手段30に装備された案内ローラ44の外周面に当接して支えられ、ラベルLの上側部分が装置に接着しないようになっている(図6(a),(b)参照)。
そして、前記ラベルLにおける商品Wの前側端部と接着した箇所より下側の部分は商品搬送部A2の長コンベア部7と短コンベア部7’の間に配置した補助ローラ8の間に貫通される。尚、補助ローラ8を構成する一対のローラ8a,8bの外周面には粘着防止処理が施されている為、ラベルLが補助ローラ8に接着してラベル貼着が不良になるということはない。
【0047】
ラベルLの長さ方向中程を前側端部に接着した商品は、商品搬送部A2とその上方に配置した補助搬送手段30とで挟まれて前方に搬送され、その搬送に伴いラベルLの上下部分は補助ローラ8(ローラ8b)及び押付ローラ45によって商品Wの表面に沿って押し付けられ接着される(図7参照)。
【0048】
更に、商品Wの搬送が行われると、補助ローラ8及び押付ローラ45位置より搬送方向
下流側に配置された下側弾性片52と上側弾性片53が、商品搬送部A2と補助搬送手段30で搬送される商品Wの表面に弾性的に当接する。これにより、商品の容器に溝や凹部、段差部が形成されており、それらの上面にラベルLが接着された場合は、前記下側弾性片52、或いは上側弾性片53でラベルLが溝や凹部などに押し込まれ、しっかり接着される(図8参照)。
【0049】
本発明のラベル貼付装置は図示した実施の形態に限定されるものでは無く、本発明の要旨を変更しない範囲で変更可能である。
(1)ラベル湾曲繰り出し手段5を構成する第一ローラ群5aの間に配置する第二ローラ群5bは、図示の1個に限らず、2個以上でもよい。
(2)商品の搬送は、図示の商品搬送部A2とその上方に配置したる補助搬送手段で挟んで搬送する形態に限らず、商品の幅方向を両側に無端回動する回転帯を配置し、その回転帯で挟んで搬送する形態でもよい。
(3)商品搬送部の上流側に幅寄せ機構を装備し、不規則に送られてくる商品をラベル発行部の真下を通るように幅寄せするようにしてもよい。
(4)ラベル発行部は、印字機能を備えたものに限らず、予め所定事項が印字されたラベルがロール状に巻かれたラベルロールを使用するものでもよい。
(5)ラベルの貼付は、図示する底面、側面、上面に亘って略コの字形に貼付する形態に限定されず、側面から上面に亘って貼付する形態でもよいものである。
(6)容器とその蓋体の合せ面を跨いで両者に亘ってラベルが貼付される例を示したが、それに限らず、例えば、多くの事項が印字された長いラベルが段ボール箱等の上面、側面、下面に亘って貼付されるような場合でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るラベル貼付装置の実施の一例を示す正面図。
【図2】同平面図。
【図3】(a)は図2の(a)−(a)線に沿える一部切欠正面図、(b)は図2の(b)−(b)線に沿える縦断面図。
【図4】(a)はラベル湾曲繰り出し手段を通過したラベルに商品が当接してラベル貼付が行われる概略を示す斜視図、(b)はラベル湾曲繰り出し手段でラベルが湾曲形成される状態を示す説明図。
【図5】ラベル発行部から発行されたラベルが、ラベル湾曲繰り出し手段及び補助搬送手段に挿入された状態を示す説明図。
【図6】(a)は垂直下方に繰り出されたラベルに商品が当接する状態を示す正面図、(b)は同平面図。
【図7】商品の下面、側面、上面に亘ってラベルが貼付された状態を示す正面図。
【図8】同ラベルが弾性片で商品の溝や凹部に押し込まれる状態を示す正面図。
【符号の説明】
【0051】
A…ラベル貼付装置 A1…ラベル発行部
A2…商品搬送部 W…商品
L…ラベル 5…ラベル湾曲繰り出し手段
5a…第一ローラ群 5b…第二ローラ群
7…長コンベア部 7’…短コンベア部
8…補助ローラ 43…補助搬送手段の開口部
44…案内ローラ 52…下側弾性片
53…上側弾性片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル発行部からラベルが垂直下方向に排出され、その排出後待機しているラベルが、前記ラベル発行部の下方に設置された商品搬送部を搬送される商品の搬送方向前側と接触し、前記商品の搬送方向前側の側端にラベルが貼付されるラベル貼付装置であって、
排出されたラベルを、該ラベルの幅方向に対して湾曲して形成すると共に、その形状のまま垂直下方にラベルを送り出すラベル湾曲繰り出し手段を前記ラベル発行部より下側位置に設けたことを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
前記湾曲は、搬送される商品の搬送方向前側と対向する方向に突形に形成することを特徴とする請求項1記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記ラベル湾曲繰り出し手段は、商品を搬送する搬送部の搬送方向に沿って平行に配置した二組のローラ群からなり、搬送方向に対して上流側に位置する第一ローラ群は搬送部の幅方向に沿い所定の間隔をおいて並列に配置した複数個のローラで構成し、下流側に位置する第二ローラ群は前記並列配置した複数個のローラの間に位置すると共に、該ローラの外周端は前記第一ローラ群の外周端より半径方向内側に位置することを特徴とする請求項1又は2記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記ラベル湾曲繰り出し手段は、前記ラベル発行部の直後に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のラベル貼付装置。
【請求項5】
前記ラベル湾曲繰り出し手段の下方に配置される商品搬送部の搬送面より下方位置で、且つ該ラベル湾曲繰り出し手段の略直下位置に、発行されたラベルが通過し得る間隙をおいて対向する一対の補助ローラを配置し、その補助ローラの外周面にはラベルが付着するのを防止する粘着防止処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のラベル貼付装置。
【請求項6】
前記ラベル湾曲繰り出し部と商品搬送部との間に、該商品搬送部により搬送される商品の搬送を補助する補助搬送手段が配置され、その補助搬送手段は前記ラベル発行部から発行されたラベルが、前記補助ローラの間隙へ進入可能とする開口部を有し、前記商品搬送部の上流から搬送される商品は、前記補助搬送手段と商品搬送部との間を通って搬送されることを特徴とする請求項5記載のラベル貼付装置。
【請求項7】
前記補助搬送手段における開口部の上流側に、搬送される商品がラベルと接触し、該ラベルが貼付される際に、商品の搬送方向前側端部から上方に突出するラベルの上側を支持する回転自在な案内ローラが配置されていることを特徴とする請求項6記載のラベル貼付装置。
【請求項8】
前記ラベル湾曲繰り出し手段より商品搬送部の搬送方向下流側に、該商品搬送部の搬送面より上方に突出し、搬送される商品に対して弾性的に接触する弾性片が配置されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載のラベル貼付装置。
【請求項9】
前記ラベル発行部が商品搬送部に対して上下方向に移動可能に支持され、更に商品搬送部の上方に配置した補助搬送部も上下方向に移動自在としたことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項記載のラベル貼付装置。
【請求項10】
前記ラベル発行部は、商品搬送部の幅方向に移動自在とし、ラベル発行部を幅方向に移動することで前記補助搬送部の上方が開放状態となることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項記載のラベル貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−137480(P2007−137480A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334469(P2005−334469)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】