説明

ラベル貼付装置

【課題】 コンベアによる物品の搬送を停止させることなく、ラベルの折込みと貼付を1回の工程で行うことができるようにし、ラベルの貼付処理効率を損なうことなく、装置の簡略化を図る。
【解決手段】 物品Wの上面WaにラベルLの中間部Laを貼付する第1ラベル貼付部SAと、物品Wから突出したラベルLの一側部Lb及び他側部Lcを夫々折り曲げて物品Wの一側面Wb及び他側面Wcに貼付する第2ラベル貼付部SBとを備え、第2ラベル貼付部SBを、物品Wの一側面Wbを転動する一方貼付ローラ10Aと、物品Wの他側面Wcを転動する他方貼付ローラ10Bと、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bの進退動の過程で、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10BをコンベアCの物品Wの搬送速度に合わせて物品Wの搬送方向Rに沿って移動させる移動機構50とを備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベアで所定の搬送方向に搬送される物品にラベルを貼付するラベル貼付装置に係り、特に、コンベアで所定の搬送方向に搬送される物品の上面及び上面に連続する一側面及び他側面に跨ってラベルを貼付するラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のラベル貼付装置としては、例えば、図8に示すように、物品Wとして例えば収容物を収容したカップ状の容器本体に蓋を被せたものを対象とし、物品Wの上面Wa及び上面Waに連続する一側面Wb及び他側面Wcに跨って帯状のラベルLを貼付するものがある。ラベルLは、例えば、合成樹脂フィルムの裏面に粘着層が積層されて形成されている。
このラベル貼付装置は、物品Wを順次搬送するコンベアCと、物品Wの上面Waに対応するラベルLの中間部Laを、物品の一側面Wb及び他側面Wcに夫々対応するラベルLの一側部Lb及び他側部Lcが物品Wから突出するように貼付する上面ラベル貼付部100と、上面ラベル貼付部100の下流側に設けられ物品Wから突出したラベルLの一側部Lb及び他側部Lcを夫々折り曲げて物品Wの一側面Wb及び他側面Wcを物品Wに近接させる折込み部101と、ラベルLの一側部Lb及び他側部Lcを押圧することによって物品Wの一側面Wb及び他側面WcにラベルLを貼付する側面ラベル貼着部102とを備えている。
【0003】
折込み部101は、物品Wの上面Waに貼付されたラベルLの中間部Laを押え部材(図示せず)によって押えながら、先端に押えローラ103が取り付けられた折込アーム104によって、ラベルLの一側部Lb及び他側部Lcを下方側に折り込むようにしている。また、側面ラベル貼付部102は、物品Wの左右において走行させられラベルLの一側部Lb及び他側部Lcをそれぞれ物品W側に押圧する一対のエンドレスの押圧ベルト105を備えて構成されている、押圧ベルト105は、物品Wの搬送方向Rの上流側から下流側に向かって、徐々に下がっていくように、傾斜した状態で配置されている。
【0004】
この従来のラベル貼付装置によって、ラベルLを貼付するときは、まず、上面ラベル貼付部100において、物品Wの上面Waに対応するラベルLの中間部LaがラベルLの一側部Lb及び他側部Lcを物品Wから突出させて貼付する。次に、折込み部101において、物品Wの上面Waに貼付されたラベルLの中間部Laが押え部材によって押えられながら、折込みアーム104が進出してその先端の押えローラ103によってラベルLの一側部Lb及び他側部Lcを下方側に折り込んで物品Wに近接させる。それから、側面ラベル貼付部102において、物品Wに近接させられたラベルLの一側部Lb及び他側部Lcを、押圧ベルト105間に挾持して押圧して貼付する(例えば、特開2003−252319号公報参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−252319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この従来のラベル貼付装置においては、折込み部101において、物品Wの上面Waに貼付されたラベルLの一側部Wb及び他側部Wcを下方側に折り込んで物品Wに近接させ、それから、側面ラベル貼付部102において、物品Wに近接させられたラベルLの一側部Wb及び他側部Wcを押圧ベルト105間に挾持して貼付するようにしているが、折込み部101によるラベルLの折込み工程と、側面ラベル貼付部102による貼付工程をそれぞれ別に設けなければならないことから、それだけ、装置が複雑になっているという問題があった。また、側面ラベル貼付部102をなくして、折込み部101において、押えローラ103によりラベルLの一側部Wb及び他側部Wcの貼付までも行わせることも考えられるが、この場合には、押えローラ103を物品Wに転動させなければならないことから、コンベアCを一時的に停止して物品Wを静止させて行わなければならず、そのため、貼付処理時間がかかり過ぎてしまい、ラベル貼付の処理効率が劣るという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、コンベアによる物品の搬送を停止させることなく、ラベルの折込みと貼付を1回の工程で行うことができるようにし、ラベルの貼付処理効率を損なうことなく、装置の簡略化を図ったラベル貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のラベル貼付装置は、コンベアで所定の搬送方向に搬送される物品の上面及び該上面に連続する一側面及び他側面に跨ってラベルを貼付するラベル貼付装置であって、物品の上面に対応するラベルの中間部を該物品の一側面及び他側面に夫々対応するラベルの一側部及び他側部が該物品から突出するように貼付する第1ラベル貼付部と、該第1ラベル貼付部の下流側に設けられ上記物品から突出したラベルの一側部及び他側部を夫々折り曲げて該物品の一側面及び他側面に貼付する第2ラベル貼付部とを備えたラベル貼付装置において、
上記第2ラベル貼付部を、上記コンベアの上側に設けられるとともに上記物品の搬送方向に直交する方向に進退動可能に設けられ進出時に上記ラベルの一側部に当接しながら該ラベルを折り曲げ且つ該物品の一側面を転動して該ラベルの一側部を該物品の一側面に貼付する一方貼付ローラと、上記コンベアの上側に設けられるとともに上記一方貼付ローラと同期して上記物品の搬送方向に直交する方向に進退動可能に設けられ進出時に上記ラベルの他側部に当接しながら該ラベルを折り曲げ且つ該物品の他側面を転動して該ラベルの他側部を該物品の他側面に貼付する他方貼付ローラと、上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラの進退動の過程で、上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラを上記コンベアの物品の搬送速度に合わせて上記物品の搬送方向に沿って移動させる移動機構とを備えて構成している。
【0009】
これにより、物品にラベルを貼付するときは、物品がコンベアで搬送されてくると、先ず、第1ラベル貼付部により、物品の上面に対応するラベルの中間部が貼付される。それから、物品がコンベアで下流へ搬送されると、第2ラベル貼付部においての貼付処理が行われる。このとき、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラが、移動機構により、コンベアの物品の搬送速度に合わせて物品の搬送方向に沿って移動させられるとともに、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラが進退動する。この場合、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラの進退動の過程で、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラがコンベアの物品の搬送速度に合わせて物品の搬送方向に沿って移動するので、一方貼付ローラの進出により一方貼付ローラがラベルの一側部に当接しながらラベルを折り曲げ且つ物品の一側面を転動してラベルの一側部を物品の一側面に貼付する。また、他方貼付ローラも一方貼付ローラと同期して進出し、その進出によりラベルの他側部に当接しながらラベルを折り曲げ且つ物品の他側面を転動してラベルの他側部を物品の他側面に貼付する。また、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラの後退時においても、一方貼付ローラがラベルの一側部に当接しながら物品の一側面を転動するので、ラベルの貼付が確実になる。同様に、他方貼付ローラも一方貼付ローラと同期してラベルの他側部に当接しながら物品の他側面を転動するので、ラベルの貼付が確実になる。
この結果、コンベアによる物品の搬送を停止させることなく、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラの進退動によりラベルの折込みと貼付を1回の工程で行うことができ、そのため、ラベルの貼付処理効率が極めて良いものになる。また、従来のように、ラベルの折込み工程と貼付工程とをそれぞれ別に設けなけなくてもよいことから、装置の簡略化が図られる。
【0010】
そして、必要に応じ、上記一方貼付ローラと他方貼付ローラとの間隔を可変にするローラ間隔調整機構を備えた構成としている。これにより、一方貼付ローラと他方貼付ローラの進出時に、一方貼付ローラと他方貼付ローラがラベルの一側部及び他側部を夫々折り曲げて物品の一側面及び他側面を転動して貼付できる間隔に調整することができ、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラが、物品の一側面及び他側面を確実に転動できるようになる。
【0011】
また、必要に応じ、上記一方貼付ローラと他方貼付ローラとの物品に対する進退動方向の角度を調整する進退動方向角度調整機構を設けた構成としている。これにより、物品の一側面及び他側面が、コンベア面に対して傾斜している場合に、この傾斜に合わせて一方貼付ローラ及び他方貼付ローラの進退動方向の角度を変えることができ、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラが、物品の一側面及び他側面を確実に転動できるようになる。
【0012】
更に、必要に応じ、上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラを夫々進退動させる一対のローラ用シリンダ装置と、該一対のローラ用シリンダ装置を支持する支持部材とを備え、上記移動機構を、上記支持部材を上記物品の搬送方向に沿って往復動させる支持部材用シリンダ装置で構成している。簡易な機構で一方貼付ローラ及び他方貼付ローラを夫々進退動させながら、コンベアの物品の搬送速度に合わせて物品の搬送方向に沿って移動させることができる。
【0013】
更にまた、必要に応じ、上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラによる上記物品へのラベルの一側部及び他側部の貼付の過程で、上記物品に貼付されたラベルの中間部を物品に押圧して押さえるラベル押さえ機構を設けた構成としている。これにより、第2ラベル貼付部において、物品は、ラベル押さえ機構により物品に貼付されたラベルの中間部が物品に押圧されて押さえられているので、物品がぐらつくことがなく、また、ラベルが物品からずれる事態も防止され、そのため、ラベルの一側部及び他側部の貼付が確実に行われる。
【0014】
そして、必要に応じ、上記ラベル押さえ機構を、上記コンベアに対面する往路側が該コンベアの搬送方向と同一方向に走行するとともに上記物品に貼付されたラベルの中間部に当接するエンドレスベルトと、該エンドレスベルトが掛け渡される一対のプーリと、該一対のプーリの少なくともいずれか一方を上記エンドレスベルトが上記コンベアの搬送速度に合わせて走行するように回転駆動する駆動モータとを備えて構成している。エンドレスベルトにより、ラベルの中間部を押さえるので、押さえが確実になる。
【0015】
この場合、上記エンドレスベルトの物品に対する押圧力を調整する押圧力調整機構を備えたことが有効である。エンドレスベルトが物品の上面の中央を適正な押圧力で押さえることができるようになり、物品のぐらつきが確実に防止され、また、ラベルが物品からずれる事態も確実に防止され、ラベルの一側部及び他側部の貼付がより一層確実に行われる。
【0016】
また、この場合、上記エンドレスベルトを、上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラに対する水平方向の相対位置を調整するベルト位置調整機構を備えたことが有効である。エンドレスベルトを、水平方向に移動させて、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラの中央位置にエンドレスベルトを位置させることができ、この点でも、物品のぐらつきが確実に防止され、また、ラベルが物品からずれる事態も確実に防止され、ラベルの一側部及び他側部の貼付がより一層確実に行われる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のラベル貼付装置によれば、コンベアによる物品の搬送を停止させることなく、一方貼付ローラ及び他方貼付ローラの進退動によりラベルの折込みと貼付を1回の工程で行うことができ、そのため、ラベルの貼付処理効率を向上させることができる。また、従来のように、ラベルの折込み工程と貼付工程とをそれぞれ別に設けなけなくてもよいことから、装置の簡略化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置について詳細に説明する。
図1乃至図5に示すように、本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置Sは、物品Wとして例えば収容物を収容したカップ状の容器本体に蓋を被せたものを対象とし、コンベアCで所定の搬送方向Rに搬送される物品Wの上面Wa(蓋の上面)及び上面Waに連続する一側面Wb及び他側面Wc(蓋の外側縁及び容器本体の側壁面)に跨って帯状のラベルLを貼付するものである。物品Wの上面Waに対応してラベルLの中間部Laが貼付され、物品Wの一側面Wb及び他側面Wcに夫々対応するラベルLの一側部Lb及び他側部Lcが貼付される。
【0019】
本ラベル貼付装置Sは、図1に示すように、物品Wの上面Waに対応するラベルLの中間部Laを、物品Wの一側面Wb及び他側面Wcに夫々対応するラベルLの一側部Lb及び他側部Lcが物品Wから突出するように貼付する第1ラベル貼付部SAを備えている。この第1ラベル貼付部SAは、ラベルLが仮着された帯状台紙を供給する供給リール1と、供給リール1から供給される帯状台紙を折り返して帯状台紙からラベルLを剥離して物品Wに貼付する剥離板2と、ラベルLが剥離された帯状台紙を巻き取る巻取リール(図示せず)とを備えている。剥離板2の直後には、ラベルLの中間部Laを物品Wの上面Waに対して押圧する押えローラ3が設けられている。
【0020】
また、本ラベル貼付装置Sは、第1ラベル貼付部SAの下流側に設けられ物品Wから突出したラベルLの一側部Lb及び他側部Lcを夫々折り曲げて、物品Wの一側面Wb及び他側面Wcに貼付する第2ラベル貼付部SBを備えている。第2ラベル貼付部SBは、図1乃至図5に示すように、コンベアCの上側であってコンベアCに対して不動の機台Kに設けられる一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bを備えている。
詳しくは、一方貼付ローラ10Aは、物品Wの搬送方向Rに直交する方向に進退動可能に設けられ、進出時にラベルLの一側部Lbに当接しながらラベルLを折り曲げ且つ物品Wの一側面Wbを転動してラベルLの一側部Lbを物品Wの一側面Wbに貼付するものである。
他方貼付ローラ10Bは、一方貼付ローラ10Aと同期して物品Wの搬送方向Rに直交する方向に進退動可能に設けられ、進出時にラベルLの他側部Lcに当接しながらラベルLを折り曲げ且つ物品Wの他側面Wcを転動してラベルLの他側部Lcを物品Wの他側面Wcに貼付するものである。
【0021】
一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bは、夫々、ピストン12及びシリンダ13からなるエア駆動型のローラ用シリンダ装置11A,11Bによって駆動させられる。実施の形態では、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bは、ピストン12の先端に回転可能に軸支されており、ピストン12の進退動により進退動させられる。この一対のローラ用シリンダ装置11A,11Bは、板状の支持部材14に支持されている。具体的には、図4及び図5に示すように、この一対のローラ用シリンダ装置11A,11Bのうち、一方のローラ用シリンダ装置11Aは、横断面L字状の取付金具15を介して矩形ブロック状の一方の保持部材16Aに取り付けられており、この一方の保持部材16Aが支持部材14に固定され支持されている。
また、一方の保持部材16Aと支持部材14の一端に設けたフランジ17との間には、複数のガイドシャフト18が架設されている。他方のローラ用シリンダ装置11Bは、横断面L字状の取付金具15を介して矩形ブロック状の他方の保持部材16Bに取り付けられており、この他方の保持部材16Bは、一方の保持部材16Aに対して近接離間できるように、ガイドシャフト18に摺動自在に支持されている。他方のローラ用シリンダ装置11Bは、この他方の保持部材16Bがガイドシャフト18を介して支持されることにより、支持部材14に支持されている。
【0022】
また、一方貼付ローラ10Aと他方貼付ローラ10Bとの間隔を可変にするローラ間隔調整機構20が備えられている。このローラ間隔調整機構20は、上記のフランジ17に回転可能に設けられるとともに、一端が回転可能に一方の保持部材16Aに連係した雄ネジロッド21を備えている。この雄ネジロッド21は他方の保持部材16Bに設けた雌ネジ22に螺合しており、雄ネジロッド21の回転により、一方の保持部材16Aに対して他方の保持部材16Bが近接離間し、これにより、一方貼付ローラ10Aと他方貼付ローラ10Bとの間隔が可変になっている。フランジ17の外側であって、雄ネジロッド21の他端には、雄ネジロッド21を手動で回転させるためのハンドル23が取り付けられている。
【0023】
更に、一方貼付ローラ10Aと他方貼付ローラ10Bとの物品Wに対する進退動方向の角度を調整する進退動方向角度調整機構30が備えられている。この進退動方向角度調整機構30は、図4に示すように、取付金具15に形成される上下二条の長孔31,32と、この各長孔31,32に挿通されて保持部材16A,16Bに螺合して締め付けられて取付金具15を固定する一対のボルト33,34とから構成されている。ボルト33,34を緩めた際、長孔31,32のボルト33,34に対する位置を変えて、取付金具15を傾動させ、それから、ボルト33,34を締め付けて取付金具15を固定することにより、角度調整できるようにしている。
即ち、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bを支持するピストン12の軸線は物品Wの搬送方向Rに直交する1つの面上にあり、この面上においてピストン12の軸線の角度が可変になっている。これにより、物品Wの一側面Wb及び他側面Wcが、コンベアCの面に対して傾斜している場合に、この傾斜に合わせて一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bの進退動方向の角度を変え、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bが、物品Wの一側面Wb及び他側面Wcを転動できるようにしている。
【0024】
また、支持部材14は、物品Wの搬送方向Rに沿って往復動可能に機台Kに支持されている。詳しくは、図3及び図5に示すように、機台Kの搬送方向Rの上流側には上流側立設壁40が立設され、機台Kの搬送方向R下流側には下流側立設壁41が立設され、上流側立設壁40及び下流側立設壁41との間に支持部材14に挿通され支持部材14を物品Wの搬送方向Rに沿って摺動可能かつ往復動可能に支持するガイドロッド42が架設されている。43は支持部材14に設けられガイドロッド42が挿通され、ガイドロッド42に対して摺動可能な軸受部材である。支持部材14は、ガイドロッド42を摺接移動することにより、物品Wの搬送方向Rに沿って往復動可能になる。
【0025】
そして、本ラベル貼付装置Sにおいては図1,図3及び図5に示すように、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bの進退動の過程で、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10BをコンベアCの物品Wの搬送速度に合わせて物品Wの搬送方向Rに沿って移動させる移動機構50を備えている。この移動機構50は、支持部材14を物品Wの搬送方向Rに沿って往復動させるピストン52及びシリンダ53からなるエア駆動型の支持部材用シリンダ装置51で構成されている。支持部材用シリンダ装置51のシリンダ53は下流側立設壁41に固定されており、そのピストン52は下流側立設壁41を貫通し、ピストン52の先端に支持部材14が取り付けられている。
【0026】
また、本ラベル貼付装置Sにおいては、図1乃至図5に示すように、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bによる物品WへのラベルLの一側部Lb及び他側部Lcの貼付の過程で、物品Wに貼付されたラベルLの中間部Laを物品Wに押圧して押さえるラベル押さえ機構60が設けられている。このラベル押さえ機構60は、コンベアCに対面する往路側が該コンベアCの搬送方向Rと同一方向に走行するとともに、物品Wに貼付されたラベルLの中間部Laに当接するエンドレスベルト61と、エンドレスベルト61が掛け渡される一対のプーリ62,63と、一対のプーリ62,63の少なくともいずれか一方(実施の形態では下流側のプーリ63)をエンドレスベルト61がコンベアCの搬送速度に合わせて走行するように回転駆動する駆動モータ64とを備えて構成されている。プーリ62,63及び駆動モータ64は、物品Wの搬送方向Rに長いベース部材65に支持されており、このベース部材65は、機台Kに取り付けられる取付部材66に後述の押圧力調整機構70の雄ネジシャフト73を介して取り付けられている。取付部材66は、図5に示すように、ベース部材65の上側に設けられるベース部材65に対応した取付板67と、取付板67の上流端及び下流端から機台K側に延びて機台Kに取付けられる一対の脚部材68とから構成されている。
【0027】
そして、ベース部材65は、取付板66に対して上下動可能に設けられている。詳しくは、ベース部材65の上流端部及び下流端部には、夫々、取付板67を貫通する案内ロッド69aが立設されており、一方、取付板67には案内ロッド69aを摺動可能にガイドするガイド筒69bが設けられ、案内ロッド69aがガイド筒69bを摺動することにより、ベース部材65は、取付板67に対して上下動可能になっている。
【0028】
また、図1,図3及び図5に示すように、エンドレスベルト61の物品Wに対する押圧力を調整する押圧力調整機構70が備えられている。この押圧力調整機構70は、取付板67を貫通するとともに、一端側が取付板67に設けたスタンド71の上端部に設けた雌ネジ部72に螺合して回転可能に設けられるとともに、他端が回転可能にベース板65に連係した雄ネジシャフト73を備えている。この雄ネジシャフト73の回転により、ベース板65が上下し、この上下動によりエンドレスベルト61の物品Wに対する押圧力が調整される。雄ネジシャフト73の一端には、雄ネジシャフト73を手動で回転させるためのハンドル74が取り付けられている。また、この雄ネジシャフト73により、ベース部材65は、取付板67に対して支持されることになる。
【0029】
更に、エンドレスベルト61を、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bに対する水平方向の相対位置を調整するベルト位置調整機構80が備えられている。このベルト位置調整機構80は、図5に示すように、機台Kに設けられ取付部材66の一対の脚部材68を物品Wの搬送方向Rに直交する方向に摺動可能に支承する一対の支承部81と、各脚部材68に形成され物品Wの搬送方向Rに直交する方向に並設した一対の長孔82,83と、各支承部81に設けられ一方の長孔82に挿通されるガイドピン84と、各支承部81において他方の長孔83に対応する部位に設けた雌ネジ(図示せず)に螺合するとともに雌ネジにねじ込まれて締め付けられて脚部材68を機台Kの支承部81に対して固定する手動のロックボルト85とから構成されている。一対のロックボルト85を緩めた際、長孔82,83のガイドピン84及びロックボルト85に対する位置を変えて、取付部材66の一対の脚部材68を水平方向に移動させ、それから、ロックボルト85を締め付けて脚部材68を固定することにより、図5の平面から見て、ローラ用シリンダ装置11Aの一方貼付ローラ10A及びローラ用シリンダ装置11Bの他方貼付ローラ10Bの中央位置にエンドレスベルト61が位置できるようにしている。
【0030】
また、実施の形態においては、第1ラベル貼付部SAに、物品Wを検知するセンサ(図示せず)が設けられており、このセンサの検知に基づいて、図示外の制御部により、ローラ用シリンダ装置11A,11B及び支持部材用シリンダ装置51を、所定のタイミングで作動させるようにしている。
【0031】
従って、このラベル貼付装置Sによれば、予め、物品Wの形状に合わせて、ローラ間隔調整機構20及び進退動方向角度調整機構30による調整を行う。進退動方向角度調整機構30においては、図4に示すように、ボルト33,34を緩め、長孔31,32のボルト33,34に対する位置を変えて、取付金具15を、物品Wの一側面Wb及び他側面WcのコンベアCの面に対する傾斜に合わせて傾動させ、それから、ボルト33,34を締め付けて取付金具15を固定する。
また、ローラ間隔調整機構20においては、ハンドル23を回転させ、一方貼付ローラ10Aと他方貼付ローラ10Bの進出時に、一方貼付ローラ10Aと他方貼付ローラ10BがラベルLの一側部Lb及び他側部Lcを夫々折り曲げて物品Wの一側面Wb及び他側面Wcを転動して貼付できる間隔に調整する。これにより、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bが、物品Wの一側面Wb及び他側面Wcを転動できるようになる。
【0032】
次にまた、ベルト位置調整機構80により、ラベル押さえ機構60のエンドレスベルト61の一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bに対する水平方向の相対位置を調整する。ベルト位置調整機構80においては、図5に示すように、一対のロックボルト85を緩め、取付部材66の一対の脚部材68の長孔82,83のガイドピン84及びロックボルト85に対する位置を変えて、取付部材66の一対の脚部材68を、図5の平面から見て、ローラ用シリンダ装置11Aの一方貼付ローラ10A及びローラ用シリンダ装置11Bの他方貼付ローラ10Bの中央位置にエンドレスベルト61が位置するように、水平方向に移動させ、それから、ロックボルト65を締め付けて脚部材68を固定する。
それから、押圧力調整機構70により、ラベル押さえ機構60のエンドレスベルト61の物品Wに対する押圧力を調整する。押圧力調整機構70においては、ハンドル74により雄ネジシャフト73を回転させて、ベース板65を上下させ、エンドレスベルト61の物品Wに対する押圧力を調整する。
これにより、エンドレスベルト61が物品Wの上面Waの中央を適正な押圧力で押さえることができるようになる。
【0033】
この状態で、このラベル貼付装置SによりラベルLを貼付する。物品WがコンベアCで搬送されてくると、先ず、図1に示すように、第1ラベル貼付部SAにより、物品Wの上面Waに対応するラベルLの中間部Laが貼付される。
それから、物品WがコンベアCで下流へ搬送されると、図3,図4,図6及び図7に示すように、第2ラベル貼付部SBでの貼付処理が行われる。このとき、第2ラベル貼付部SBの直前において、第1ラベル貼付部SAに設けた図示外のセンサが、物品Wを検知しており、このセンサの検知に基づいて、第2ラベル貼付部SBの一対のローラ用シリンダ装置11A,11B及び支持部材用シリンダ装置51が、所定のタイミングで作動させられる。
【0034】
図3及び図4に示すように、物品Wは、コンベアCとラベル押さえ機構60のエンドレスベルト61との間に入り、エンドレスベルト61は駆動モータ64によりコンベアCの搬送速度に合わせて走行させられるので、物品Wは所定の速度で下流側へ搬送されていく。この搬送過程で、一対のローラ用シリンダ装置11A,11B及び支持部材用シリンダ装置51が所定のタイミングで作動し、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bが進退動する。この場合、支持部材用シリンダ装置51が一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bの進退動の過程で、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10BをコンベアCの物品Wの搬送速度に合わせて物品Wの搬送方向Rに沿って移動させるので、図6及び図7に示すように、一方貼付ローラ10Aの進出により一方貼付ローラ10AがラベルLの一側部Lbに当接しながらラベルLを折り曲げ且つ物品Wの一側面Wbを転動してラベルLの一側部Lbを物品Wの一側面Wbに貼付する。また、他方貼付ローラ10Bも一方貼付ローラ10Aと同期して進出し、その進出によりラベルLの他側部Lcに当接しながらラベルLを折り曲げ且つ物品Wの他側面Wcを転動してラベルLの他側部Lcを物品Wの他側面Wcに貼付する。また、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bの後退時においても、一方貼付ローラ10AがラベルLの一側部Lbに当接しながら物品Wの一側面Wbを転動するので、ラベルLの貼付が確実になる。同様に、他方貼付ローラ10Bも一方貼付ローラ10Aと同期してラベルLの他側部Lcに当接しながら物品Wの他側面Wcを転動するので、ラベルLの貼付が確実になる。一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bが後退して物品Wから離間したならば、支持部材用シリンダ装置51により、支持部材14を上流側に移動させ元位置に復帰させる。
【0035】
この場合、コンベアCによる物品Wの搬送を停止させることなく、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bの進退動によりラベルLの折込みと貼付を1回の工程で行うことができ、そのため、ラベルLの貼付処理効率が極めて良いものになる。また、従来のように、ラベルLの折込み工程と貼付工程とをそれぞれ別に設けなけなくてもよいことから、装置の簡略化が図られる。
また、この一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bによる物品WへのラベルLの一側部Lb及び他側部Lcの貼付の過程で、ラベル押さえ機構60により物品Wに貼付されたラベルLの中間部Laが物品Wに押圧されて押さえられているので、物品Wがぐらつくことがなく、また、ラベルLが物品Wからずれる事態も防止され、そのため、ラベルLの一側部Lb及び他側部Lcの貼付が確実に行われる。
【0036】
特に、ローラ間隔調整機構20及び進退動方向角度調整機構30による調整により、一方貼付ローラ10A及び他方貼付ローラ10Bが、物品Wの一側面Wb及び他側面Wcを適正に転動できるので、この点でも、ラベルLの一側部Lb及び他側部Lcの貼付がより一層確実に行われる。
更にまた、ベルト位置調整機構80により、エンドレスベルト61が物品Wの中央を押さえ、しかも、押圧力調整機構70により、エンドレスベルト61による物品Wの押圧力が適正なものに調整されているので、この点でも、物品Wのぐらつきが確実に防止され、また、ラベルLが物品Wからずれる事態も確実に防止され、ラベルLの一側部Lb及び他側部Lcの貼付がより一層確実に行われる。
【0037】
尚、上記実施の形態においては、物品Wが蓋付きのカップ状のもので説明したが、必ずしも形状はこれに限定されるものではないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置を示す正面拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置を示す側面拡大図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置を示す平面拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置の第2ラベル貼付部での作用を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るラベル貼付装置の第2ラベル貼付部での作用を示す側面図である。
【図8】従来のラベル貼付装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
S ラベル貼付装置
SA 第1ラベル貼付部
SB 第2ラベル貼付部
C コンベア
R 搬送方向
W 物品
Wa 上面
Wb 一側面
Wc 他側面
L ラベル
La 中間部
Lb 一側部
Lc 他側部
1 供給リール
2 剥離板
3 押えローラ
K 機台
10A 一方貼付ローラ
10B 他方貼付ローラ
11A 一方のローラ用シリンダ装置
11B 他方のローラ用シリンダ装置
12 ピストン
13 シリンダ
14 支持部材
15 取付金具
16A 一方の保持部材
16B 他方の保持部材
17 フランジ
18 ガイドシャフト
20 ローラ間隔調整機構
21 雄ネジロッド
23 ハンドル
30 進退動方向角度調整機構
31,32 長孔
33,34 ボルト
40 上流側立設壁
41 下流側立設壁
42 ガイドロッド
50 移動機構
51 支持部材用シリンダ装置
52 ピストン
53 シリンダ
60 ラベル押さえ機構
61 エンドレスベルト
62,63 プーリ
64 駆動モータ
65 ベース部材
66 取付部材
67 取付板
68 脚部材
69a 案内ロッド
69b ガイド筒
70 押圧力調整機構
71 スタンド
72 雌ネジ部
73 雄ネジシャフト
74 ハンドル
80 ベルト位置調整機構
81 支承部
82,83 長孔
84 ガイドピン
85 ロックボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアで所定の搬送方向に搬送される物品の上面及び該上面に連続する一側面及び他側面に跨ってラベルを貼付するラベル貼付装置であって、物品の上面に対応するラベルの中間部を該物品の一側面及び他側面に夫々対応するラベルの一側部及び他側部が該物品から突出するように貼付する第1ラベル貼付部と、該第1ラベル貼付部の下流側に設けられ上記物品から突出したラベルの一側部及び他側部を夫々折り曲げて該物品の一側面及び他側面に貼付する第2ラベル貼付部とを備えたラベル貼付装置において、
上記第2ラベル貼付部を、上記コンベアの上側に設けられるとともに上記物品の搬送方向に直交する方向に進退動可能に設けられ進出時に上記ラベルの一側部に当接しながら該ラベルを折り曲げ且つ該物品の一側面を転動して該ラベルの一側部を該物品の一側面に貼付する一方貼付ローラと、上記コンベアの上側に設けられるとともに上記一方貼付ローラと同期して上記物品の搬送方向に直交する方向に進退動可能に設けられ進出時に上記ラベルの他側部に当接しながら該ラベルを折り曲げ且つ該物品の他側面を転動して該ラベルの他側部を該物品の他側面に貼付する他方貼付ローラと、上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラの進退動の過程で、上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラを上記コンベアの物品の搬送速度に合わせて上記物品の搬送方向に沿って移動させる移動機構とを備えて構成したことを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
上記一方貼付ローラと他方貼付ローラとの間隔を可変にするローラ間隔調整機構を備えたことを特徴とする請求項1記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
上記一方貼付ローラと他方貼付ローラとの物品に対する進退動方向の角度を調整する進退動方向角度調整機構を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラを夫々進退動させる一対のローラ用シリンダ装置と、該一対のローラ用シリンダ装置を支持する支持部材とを備え、上記移動機構を、上記支持部材を上記物品の搬送方向に沿って往復動させる支持部材用シリンダ装置で構成したことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のラベル貼付装置。
【請求項5】
上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラによる上記物品へのラベルの一側部及び他側部の貼付の過程で、上記物品に貼付されたラベルの中間部を物品に押圧して押さえるラベル押さえ機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のラベル貼付装置。
【請求項6】
上記ラベル押さえ機構を、上記コンベアに対面する往路側が該コンベアの搬送方向と同一方向に走行するとともに上記物品に貼付されたラベルの中間部に当接するエンドレスベルトと、該エンドレスベルトが掛け渡される一対のプーリと、該一対のプーリの少なくともいずれか一方を上記エンドレスベルトが上記コンベアの搬送速度に合わせて走行するように回転駆動する駆動モータとを備えて構成したことを特徴とする請求項5記載のラベル貼付装置。
【請求項7】
上記エンドレスベルトの物品に対する押圧力を調整する押圧力調整機構を備えたことを特徴とする請求項6記載のラベル貼付装置。
【請求項8】
上記エンドレスベルトを、上記一方貼付ローラ及び他方貼付ローラに対する水平方向の相対位置を調整するベルト位置調整機構を備えたことを特徴とする請求項6または7記載のラベル貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−36903(P2010−36903A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197908(P2008−197908)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】