説明

ランプソケット及びそれを用いた照明器具

【課題】蛍光ランプ及び代替ランプの双方に給電可能なランプソケット及びそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】ランプソケットAは、蛍光ランプ、又は蛍光ランプと外形寸法が同寸法に形成された代替ランプの何れかが着脱自在に装着されるものであり、蛍光ランプのランプピンを介して蛍光ランプに高周波電力を供給する給電用端子3,3と、高周波電力と異なる所望の電力を供給する給電用端子4と、給電用端子3,4が収納されたケース1とを備える。代替ランプは、給電用端子4の給電端子片4bに接触することによって、給電用端子4から所望の電力が供給される受電用端子を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプソケット及びそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、天井面に取り付けられて室内を照明する照明器具が提供されている(例えば特許文献1参照)。この照明器具は、直管形の蛍光ランプと、点灯装置が組み込まれた器具本体と、蛍光ランプを機械的に保持するとともに、点灯装置からの点灯電力を蛍光ランプに供給する2個1組のランプソケットとを備えている。この照明器具では、点灯装置から蛍光ランプに所定の高周波電力を供給することによって、蛍光ランプが所定の輝度で点灯し、室内を照明するのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−9791号公報(段落[0040]、及び、第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電力消費の少ないLED(発光ダイオード)を光源とし、外形形状及び寸法が直管形の蛍光ランプと同じ代替用のLEDランプが提供されている。しかしながら、上述の特許文献1に示した照明器具では、点灯装置から供給される電力が高周波の交流電力であるため、蛍光ランプについては点灯させることができるものの、直流電力を駆動源とするLEDランプについては点灯装置を交換しなければ点灯させることができなかった。つまり、従来例の照明器具は、蛍光ランプ以外の代替ランプへの給電機能を備えたものではなかった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、蛍光ランプ及び代替ランプの双方に給電可能なランプソケット及びそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために第1の発明のランプソケットは、蛍光ランプ、又はこの蛍光ランプと外形寸法が同寸法に形成された代替ランプの何れかが着脱自在に装着されるランプソケットであって、蛍光ランプのランプピンを介してこの蛍光ランプに高周波電力を供給する第1の給電用端子と、高周波電力と異なる所定の電力を供給する第2の給電用端子と、第1及び第2の給電用端子が収納されたソケット本体とを備え、代替ランプは、第2の給電用端子に接触することによって、この第2の給電用端子から所定の電力が供給される受電用端子を具備することを特徴とするものである。ここに、上記の外形寸法とは、ランプの長さ寸法及び口金のランプソケットへの取付部分に係る寸法のことをいう。
【0007】
第2の発明のランプソケットは、第1の発明において、第2の給電用端子は弾性材料からなり、代替ランプが装着された状態では第2の給電用端子が受電用端子に弾性を有した状態で接触することを特徴とするものである。
【0008】
第3の発明のランプソケットは、第1又は第2の発明において、第2の給電用端子を覆うようにしてソケット本体に着脱自在に取着されるカバーを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
第4の発明のランプソケットは、第1〜第3の何れかの発明において、第2の給電用端子は、ソケット本体のランプ取付面から突出し、押操作に応じて第2の給電用端子をランプ取付面から進退自在に露出させる突起部を一体に有し、代替ランプの口金は、蛍光ランプの口金に対して少なくとも径方向の一部を突出させて形成した押圧部を一体に有し、代替ランプが装着されていない状態では、第2の給電用端子がランプ取付面よりも内側に配置されており、代替ランプが装着された状態では、押圧部が突起部を押すことによって、第2の給電用端子がランプ取付面から露出して受電用端子に接触することを特徴とするものである。
【0010】
第5の発明のランプソケットは、第1〜第4の何れかの発明において、ソケット本体は、蛍光ランプ又は代替ランプのランプピンを挿通させる挿通孔が設けられ、ランプ側に弾性力が加えられた状態で配置されるプランジャを有し、第1の給電用端子を挿通孔に臨ませた状態で内部に収納し、蛍光ランプ又は代替ランプの口金をプランジャに当接させた状態で、ランプと反対側に蛍光ランプ又は代替ランプを変位させることによって、蛍光ランプ又は代替ランプが装着されることを特徴とするものである。
【0011】
第6の発明のランプソケットは、第1〜第4の何れかの発明において、ソケット本体は、蛍光ランプ又は代替ランプのランプピンを挿通させる挿通溝が形成され、ソケット本体に対してランプ軸方向の回りに回転する回転体を有し、ランプピンを挿通溝に挿通させた状態で、蛍光ランプ又は代替ランプを回転体とともにランプ軸方向の回りに回転させることによって、蛍光ランプ又は代替ランプが装着されることを特徴とするものである。
【0012】
第7の発明の照明器具は、請求項1〜6の何れか1項に記載のランプソケットと、ランプソケットに点灯電力を供給する点灯回路とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
蛍光ランプ及び代替ランプの双方に給電可能なランプソケット及びそれを用いた照明器具を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1のランプソケットの分解斜視図である。
【図2】同上の外観斜視図である。
【図3】同上の他の例を示す分解斜視図である。
【図4】同上の他の例を示す外観斜視図である。
【図5】同上に用いられる代替ランプの外観斜視図である。
【図6】実施形態2のランプソケットの分解斜視図である。
【図7】同上の外観斜視図である。
【図8】同上の他の例を示す分解斜視図である。
【図9】同上の他の例を示す外観斜視図である。
【図10】実施形態1又は実施形態2のランプソケットを用いた照明器具の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るランプソケット及び照明器具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では特に断りがない限り、図1中の矢印a−b方向を前後方向、矢印c−d方向を左右方向、矢印e−f方向を上下方向として説明を行う。
【0016】
(実施形態1)
図1は実施形態1のランプソケットAの分解斜視図であり、本ランプソケットAは、ケース1と、プランジャ2と、一対の給電用端子(第1の給電用端子)3,3と、給電用端子(第2の給電用端子)4とを主な構成要素として備える。
【0017】
ケース1は、前面側が開口する箱状のボディ10と、ボディ10の前面開口を閉塞する形でボディ10に取り付けられるカバー11とで構成されており、ボディ10及びカバー11はともに合成樹脂成形品からなる。
【0018】
ボディ10の上壁部10aには、電線(図示せず)を挿通させるための複数(図1では3個)の電線挿入孔10dが設けられるとともに、ボディ10の内部空間を左右方向に3つの領域に分割する絶縁壁10c,10cが下方に垂下する形で設けられている。また、ボディ10の左右方向における両側壁部10b,10bには、図示しない器具本体にランプソケットAを取り付ける際に器具本体側に設けたリブが挿通される挿通溝10e,10eが、それぞれ前後方向に沿って設けられている。さらに、ボディ10の底面部10hには、ばね体5,5の後端部がそれぞれ係止されるばね係止部10f,10fが前方に突出する形で設けられている。ここに、上記の絶縁壁10c,10cは、ケース1内に収納される給電用端子3,3と給電用端子4との間の絶縁性を確保するために設けられたものである。
【0019】
カバー11は、ボディ10の前面開口と略同形状に形成された板状のカバー本体11aと、カバー本体11aのボディ10側に一体に設けられ、後述するプランジャ2の左右方向への移動を規制するとともに回転を規制するリブ11bとを具備する。カバー本体11aには、プランジャ2を挿通させるための円形の挿通孔11cが設けられるとともに、カバー11をボディ10に固定するための固定ねじ(図示せず)が挿通する一対のねじ挿通孔11d,11dが設けられている。また、カバー本体11aには、ボディ10の各挿通溝10eに対応する部位に、各挿通溝10eと連なる切欠溝11eがそれぞれ設けられている。
【0020】
プランジャ2は、ケース1と同様に合成樹脂成形品からなり、上記のカバー本体11aに設けた挿通孔11cよりもわずかに小さい外径寸法に形成された円板状のプランジャ本体21を有し、プランジャ本体21のボディ10側には外鍔22が一体に設けられている。プランジャ本体21の前面(機能面)には、蛍光ランプ(図示せず)又は後述の代替ランプ7(図5参照)のランプピンを挿通させる一対のピン挿通孔21a,21aが設けられ、さらに両ピン挿通孔21a,21aの間には、給電用端子4の一部(給電端子片4b)を前方に露出させるための矩形状の開口窓21bが設けられている。このプランジャ2は、カバー本体11の挿通孔11cの開口端縁に外鍔22が当接することで、前方への移動が規制されるようになっている。ここに、本実施形態では、ケース1及びプランジャ2によりソケット本体が構成されている。
【0021】
各給電用端子3は、それぞれ弾性を有する導電性材料(例えば銅など)からなり、電線挿入孔10dを通してボディ10内に挿通された電線(点灯電力を供給する点灯回路側からの電線)が電気的に接続される受電端子片3aと、蛍光ランプ(図示せず)のランプピンを介して蛍光ランプに高周波電力を供給する給電端子片3bとが一体に折曲形成されている。そして、これらの給電用端子3,3は、それぞれボディ10内において絶縁壁10cよりも左右両端寄りに配置される。また、このとき各給電端子片3bは、ばね体5により前方に弾性力が加えられた状態にある。
【0022】
給電用端子4は、給電用端子3と同様に弾性を有する導電性材料(例えば銅など)からなり、電線挿入孔10dを通してボディ10内に挿通された電線が電気的に接続される受電端子片4aと、代替ランプ(例えばLEDを光源とし、外形寸法が蛍光ランプと同寸法に形成されたLEDランプなど)7に上記の高周波電力とは異なる電力(例えば直流電力など)を供給する給電端子片4bとが一体に折曲形成されている。給電端子片4bは、前方に凸となる略く字型に形成されている。この給電用端子4は、ボディ10内において両絶縁壁10c,10c間に配置され、各給電用端子3との間で絶縁性が確保できるようになっている。なお、電線挿入孔10dを通してケース1内に挿通された電線は、例えば半田を用いて各受電端子片3a,4aにそれぞれ接続される。
【0023】
図2は本実施形態のランプソケットAを組み立てた状態の外観斜視図であり、このときプランジャ2は、両給電用端子3,3を介してばね体5,5から加えられる弾性力によって前方に押された状態にある。つまり、プランジャ2の外鍔22が、カバー本体11の挿通孔11cの開口端縁に当接した状態にある。またこのとき、各給電用端子3の給電端子片3bは、それぞれプランジャ本体21の挿通孔21aを臨んだ状態に配置され、給電用端子4の給電端子片4bは、プランジャ本体21の開口窓21bから前方に露出した状態に配置される。そして、この状態から、ばね体5,5のばね反力に抗してプランジャ2を後方に押すことで、プランジャ本体21を所定量だけケース1内に押し込むことが可能になる。
【0024】
図5は代替ランプ7の一例であり、各口金72のランプピン72a,72a間に設けられた受電用端子72bが上記の給電端子片4bに接触することで、高周波電力とは異なる所望の電力(例えば直流電力など)が代替ランプ7に供給されるようになっている。なお、代替ランプ7の詳細については後述する。また、蛍光ランプは従来周知であるから、図示及び説明は省略する。
【0025】
次に、代替ランプ7をランプソケットAに装着する手順について説明する。ランプピン72a,72aをそれぞれ対応する挿通孔21a,21aに挿入して口金72の端面をプランジャ本体21の前面に当接させる。この状態から、代替ランプ7を後方(ランプソケットA側)に押すと、プランジャ2がばね体5,5のばね反力に抗して後方に移動する。そして、この状態から、代替ランプ7の反対側の口金72を反対側に配置されたランプソケットAに装着させると、代替ランプ7の取り付けが完了する。
【0026】
このとき、給電用端子4の給電端子片4bは、代替ランプ7の受電用端子72bに弾性を有した状態で接触しているため、給電端子片4bと受電用端子72bの接触力を高めることができ、代替ランプ7に点灯電力を確実に供給することができる。なお、蛍光ランプについても、同様の手順を経てランプソケットAに取り付けられる。
【0027】
ところで、ランプを接続していない場合や蛍光ランプを接続した場合には、給電端子片4bをプランジャ2から露出させておく必要はない。そこで、本実施形態では、プランジャ本体21の開口窓21bを閉塞できるようにプランジャ本体21に着脱自在に取着可能なカバー6(図2参照)を設けている。その結果、給電用端子4を使用しない場合には、カバー6によって給電端子片4bを覆うことで安全性を向上できる。
【0028】
次に、図3及び図4は本実施形態のランプソケットAの他の例を示しており、図1及び図2に示したランプソケットAでは、給電用端子4の給電端子片4bがプランジャ本体21の開口窓21bから常時露出しているが、本例では接続されるランプが代替ランプ7である場合にのみ給電端子片4bが開口窓21bから露出するようになっている。なお、以下の説明において、図1及び図2で示したランプソケットAと同様の構成については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0029】
本例の給電用端子4は、受電端子片4aと給電端子片4bとが別体に設けられており、さらに給電端子片4bの上端部には前方に向かって延長する操作突起(突起部)4cが一体に設けられている。また、給電端子片4bと操作突起4cの間には軸受部4dが一体に設けられており、ボディ10の各絶縁壁10cにそれぞれ設けた軸突起10g(図3では一方のみ図示)を軸受部4dに支持させることで、給電端子片4b及び操作突起4cが軸突起10gを中心に回動自在となっている。ここに、給電端子片4bは、ばね体5によって後方に引っ張られており、操作突起4cが後方に押されていない状態では、受電端子片4aと給電端子片4bとが非接触状態にある。
【0030】
一方、カバー11のカバー本体11aにおいて上記の操作突起4cに対応する部位には、操作突起4cを前方に露出させるための挿通孔11fが設けられている。したがって、ランプソケットAを組み立てた状態では、図4に示すように操作突起4cが挿通孔11fから前方に露出した状態となっている。ここに、本実施形態では、カバー本体11によりランプ取付面が構成されている。
【0031】
ここで、図5は本例に用いられる代替ランプ7の外観斜視図である。この代替ランプ7は、左右方向に延長された直管形の発光管71と、発光管71の長手方向両端部にそれぞれ設けられた口金72,72とで構成され、従来周知の蛍光ランプと外形寸法(ランプの長さ寸法及び口金のランプソケットへの取付部分に係る寸法)が同寸法に形成されている。また、各口金72の外径寸法は蛍光ランプの口金の外径寸法よりも大きく、具体的には、代替ランプ7をランプソケットAに装着した際に口金72の端面の外周端縁で上記の操作突起4cが押せるような大きさに形成されている。ここに、本実施形態では、口金72の端面の外周端縁により押圧部が構成されている。
【0032】
次に、本例のランプソケットAの動作について説明する。まず、蛍光ランプを装着した場合には、蛍光ランプの口金では操作突起4cは押されないため、給電端子片4bがばね体5により後方に引っ張られた状態のままであり、したがって給電端子片4bはプランジャ本体21の開口窓21bから露出しない。
【0033】
一方、代替ランプ7を装着した場合には、口金72の端面の外周端縁で操作突起4cが後方に押されるため、給電端子片4bは軸突起10gを中心に回転して前方に突出し、プランジャ本体21の開口窓21bから露出した状態となる。このとき、操作突起4cが後方に押されることで操作突起4cが受電端子片4aに接触し、受電端子片4aと給電端子片4bとが電気的に接続される。そして、給電端子片4bが口金72の受電用端子72bに接触することで、代替ランプ7の両端間に直流電圧が印加され、さらに、この直流電圧が発光管71内に収納されたLEDに印加されると、LEDが点灯して発光管71から光が照射されるのである。
【0034】
すなわち、代替ランプ7をランプソケットAに装着した状態では、給電端子片4bがプランジャ本体21の開口窓21bから露出するので、受電用端子72bに給電端子片4bを接触させることができて代替ランプ7に点灯電力を供給することができる。また、ランプを装着していない状態や蛍光ランプを装着した状態では、給電端子片4bがプランジャ本体21の開口窓21bから露出していないので、安全性を向上できる。
【0035】
さらに、本実施形態によれば、蛍光ランプがランプソケットAに装着された場合には給電用端子(第1の給電用端子)3を介して点灯電力が蛍光ランプに供給され、代替ランプ7がランプソケットAに装着された場合には給電用端子(第2の給電用端子)4を介して点灯電力が代替ランプ7に供給されるので、蛍光ランプ及び代替ランプ7の双方に給電可能なランプソケットAを提供することができる。また、本実施形態のようにプランジャ方式のランプソケットAでは、蛍光ランプ又は代替ランプ7をランプソケットAに装着させる際にはランプ軸方向にランプを変位させるだけでいいので、蛍光ランプ又は代替ランプ7をランプソケットAに容易に装着させることができる。
【0036】
(実施形態2)
本発明に係るランプソケットAの実施形態2を図6〜図9に基づいて説明する。実施形態1ではプランジャ方式のランプソケットAについて説明したが、本実施形態では回転方式のランプソケットAについて説明する。なお、以下の説明において、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0037】
図6は、本実施形態のランプソケットAの分解斜視図であり、本ランプソケットAは、ケース8と、回転子9と、一対の給電用端子(第1の給電用端子)3,3と、給電用端子(第2の給電用端子)4とを主な構成要素として備える。
【0038】
ケース8は、前面側が開口する箱状のボディ80と、ボディ80の前面開口を閉塞する形でボディ80に取り付けられるカバー81とで構成されており、ボディ80及びカバー81はともに合成樹脂成形品からなる。
【0039】
ボディ80の上壁部80aから各側壁部80bへの連結部分には、カバー81側に設けた嵌合突起81e,81eがそれぞれ嵌合する嵌合部80d,80dが設けられている。また、各側壁部80bにおいて嵌合部80dの下側には、図示しない器具本体にランプソケットAを取り付ける際に器具本体側に設けたリブが挿通される挿通溝80e,80eが、それぞれ前後方向に沿って設けられている。さらに、ボディ80の底面部80fには、回転子9に嵌合するとともに当該回転子9を保持する嵌合筒部80cが、前方に突出する形で設けられている。
【0040】
カバー81は、ボディ80の前面開口を閉塞する板状のカバー本体81aと、端子台81bとを一体に備えるとともに、カバー本体81aの前面側には円筒状の端子保持部81cを一体に備えている。端子台81bには、電線(図示せず)を挿通させるための複数(図6では3個)の電線挿入孔81dが前面側に設けられるとともに、左右両端部にはボディ81側に突出する嵌合突起81e,81eが設けられている。また、端子保持部81cには、後述の回転子9の筒部90が挿通される円形の挿通孔81fが前面側に設けられるとともに、蛍光ランプ又は代替ランプ7(図5参照)のランプピンを挿通させるための挿通溝81gが、挿通孔81fに連なる形で下側に設けられている。ここに、ケース1は、ボディ80の各嵌合部80dに、カバー81の対応する嵌合突起81eをそれぞれ嵌合させることで組み立てられる。
【0041】
回転子9は、円板状の回転子本体91と、上記の嵌合筒部80cに嵌合して回転自在に保持される筒部90とで一体に構成された合成樹脂成形品からなる。回転子本体91は、上下方向に沿って形成された挿通溝91bを有し、この挿通孔91bの左右両側には端子確認用の覗き孔91a,91aが設けられている。また、筒部90の上側及び下側の側壁には、回転子本体91の挿通溝91bに連なる形で挿通溝90a(図6では上側のみ図示)が設けられている。ここに、ランプソケットAを組み立てた状態では、端子保持部81cの挿通溝81g、回転子本体91の挿通溝91b及び筒部90の下側の挿通溝90aが互いに連なる状態に配置され、蛍光ランプ又は代替ランプ7を装着する際には、下側からこれらの挿通溝81g、91b及び90aにランプピンを挿通させることになる。
【0042】
各給電用端子3は、実施形態1と同様に、電線挿入孔81dを通してケース1内に挿通された電線(図示せず)が電気的に接続される受電端子片3aと、蛍光ランプ(図示せず)のランプピンを介して蛍光ランプに高周波電力を供給する給電端子片3bとが一体に折曲形成されている。なお、本実施形態では、受電端子片3aが所謂速結端子構造を有しているため、電線を電線挿入孔81dに挿入するだけで受電端子片3aに接続することができる。これらの給電用端子3,3は、それぞれカバー81(カバー本体81a、端子台81b及び端子保持部81c)に設けられた収納凹部(図示せず)内に収納され、給電端子片3bが蛍光ランプのランプピンに接触することで、高周波電力が蛍光ランプに供給される。
【0043】
給電用端子4は、実施形態1と同様に、電線挿入孔81dを通してケース1内に挿通された電線(図示せず)が電気的に接続される受電端子片4aと、代替ランプ(例えばLEDを光源とし、外形寸法が蛍光ランプと同寸法に形成されたLEDランプなど)7に上記の高周波電力とは異なる電力(例えば直流電力など)を供給する給電端子片4bとが一体に折曲形成されている。ここに、本実施形態では、ランプソケットAにランプを装着する際、ランプピンを上下方向に移動させることから、ランプピンが給電端子片4bに接触しないように給電端子片4bの先端部分が二股に分かれている(図7参照)。なお、給電用端子4についても、カバー81に設けられた収納凹部(図示せず)内に収納され、給電端子片4bの先端部分を外部に露出させた状態に配置される。また、給電端子片4bの後端部にはばね体5が取着されており、給電端子片4bは前方に弾性力が加えられた状態にある。
【0044】
図7は本実施形態のランプソケットAを組み立てた状態の外観斜視図であり、このとき回転子本体91は、挿通溝91bが上下方向となるように配置される。またこのとき、端子保持部81cの挿通溝81g及び筒部90の挿通溝90aも挿通溝91bに連なる状態にある。そして、代替ランプ7に所望の電力を供給する給電用端子4の給電端子片4bが、二股に分かれた先端部分を外部に露出させた状態で配置される。
【0045】
次に、代替ランプ7をランプソケットAに装着する手順について説明する。口金72に設けたランプピン72a,72aが上下方向に並ぶように代替ランプ7を回転させる。この状態から、上側のランプピン72aが端子保持部81cに設けた挿通孔81fの開口端縁に当接するまで、両ランプピン72a,72aを挿通溝81g,90a,91bに挿通させる。なおこのとき、上側のランプピン72aは、二股に分かれた給電端子片4bの間を通って上側に移動する。上側のランプピン72aが挿通孔81fの開口端縁に当接すると、続けて回転子9とともに代替ランプ7をランプ軸方向の回りに回転させる。このとき、受電用端子72bは給電端子片4bに接触した状態にある。
【0046】
そして、代替ランプ7の回転角度が所定の取付角度に到達すると、各ランプピン72aが対応する給電端子片3bにそれぞれ接触する。なお、蛍光ランプの装着手順は同様であるから、説明は省略する。したがって、蛍光ランプを装着した場合には、各給電端子片3bからランプピンを介して高周波電力を蛍光ランプに供給することができ、代替ランプ7を装着した場合には、給電端子片4bから受電用端子72bを介して代替ランプ7に所望の電力(例えば直流電力)を供給することができる。なお、本例においても、ランプを装着しない場合には、図示しないカバーによって給電端子片4bを覆うようにしてもよい。
【0047】
次に、図8及び図9は本実施形態のランプソケットAの他の例を示しており、図6及び図7に示したランプソケットAでは、給電用端子4の給電端子片4bが回転子9の挿通溝91bを通して常時露出しているが、本例では接続されるランプが代替ランプ7である場合にのみ給電端子片4bが外部に露出するようになっている。なお、以下の説明において、図6及び図7で示したランプソケットAと同様の構成については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0048】
本例の給電用端子4は、受電端子片4aと給電端子片4bとが別体に設けられており、さらに給電端子片4bの上端部には前方に向かって延長する操作突起(突起部)4cが一体に設けられている。また、給電端子片4bと操作突起4cの間には軸受部4dが一体に設けられており、カバー81の各絶縁壁81jにそれぞれ設けた軸突起81k(図8では一方のみ図示)を軸受部4dに支持させることで、給電端子片4b及び操作突起4cが軸突起81kを中心に回動自在となっている。ここに、給電端子片4bは、図示しないばね体によって後方に引っ張られており、操作突起4cが後方に押されていない状態では、受電端子片4aと給電端子片4bとが非接触状態(図8に示す状態)にある。
【0049】
一方、カバー81のカバー本体81aの前面には、端子保持部81cに連続して突台部81jが設けられており、この突台部81jの前面には、操作突起4cを前方に露出させるための挿通孔81hが設けられている。したがって、ランプソケットAを組み立てた状態では、図9に示すように操作突起4cが挿通孔81hから前方に露出した状態となっている。ここに、本実施形態では、突台部81j、端子保持部81c及び回転子9によりランプ取付面が構成されている。なお、本例のランプソケットAの動作は実施形態1と同様であるから、説明は省略する。
【0050】
而して、本実施形態によれば、蛍光ランプがランプソケットAに装着された場合には給電用端子(第1の給電用端子)3を介して点灯電力が蛍光ランプに供給され、代替ランプ7がランプソケットAに装着された場合には給電用端子(第2の給電用端子)4を介して点灯電力が代替ランプ7に供給されるので、蛍光ランプ及び代替ランプ7の双方に給電可能なランプソケットAを提供することができる。また、本実施形態のように回転方式のランプソケットAでは、蛍光ランプ又は代替ランプ7をランプソケットAに装着させる際には回転子9とともにランプを回転させるだけでいいので、蛍光ランプ又は代替ランプ7をランプソケットAに容易に装着させることができる。
【0051】
なお、上述した実施形態1,2において、代替ランプ7のランプピン72a,72aは、蛍光ランプと同様に導電性材料で構成してもいいし、また高周波電力については給電の必要がないことから、絶縁性を有する合成樹脂などで構成してもよい。さらに、口金72の外径寸法は、ランプソケットAに装着させた際に操作突起4cが押せるようになっていればよく、少なくとも一部分のみが大きくなっていればよい。また、実施形態1,2では、代替ランプ7がLEDランプの場合について説明したが、代替ランプ7はLEDランプに限定されるものではなく、他のランプであってもよい。この場合、接続されるランプに対応する点灯電力が給電端子片4bから供給されるようにすればよい。
【0052】
(実施形態3)
実施形態1又は実施形態2で説明したランプソケットAを用いた照明器具の実施形態を図10に基づいて説明する。
【0053】
本実施形態の照明器具は、直管形の蛍光ランプ(図示せず)又は代替ランプ7の何れかが装着される一対のランプソケットA,Aと、これらのランプソケットA,Aに点灯電力を供給する点灯装置Bとを備え、点灯装置Bは、点灯回路100と、点灯回路100と商用電源ACとの間を接続する端子台TBとを具備している。また、点灯回路100は、蛍光ランプに供給される高周波電力を生成するインバータ回路や、LEDを光源とする代替ランプ7に供給される直流電力を生成する直流電源回路などを備えている。そして、点灯回路100から出力された高周波電力は、給電線L1,L2を介して各ランプソケットAに供給される。また、点灯回路100から出力される直流電力は、給電線L3を介してランプソケットA,A間に供給される。なお、上記の点灯装置Bは、図示しない器具本体内に収納される。
【0054】
而して、本実施形態によれば、実施形態1又は実施形態2で説明したランプソケットAを用いることによって、蛍光ランプ及び代替ランプ7の双方に給電可能な照明器具を提供することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 ケース
2 プランジャ
3 給電用端子(第1の給電用端子)
4 給電用端子(第2の給電用端子)
4b 給電端子片
7 代替ランプ
72b 受電用端子
A ランプソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光ランプ、又はこの蛍光ランプと外形寸法が同寸法に形成された代替ランプの何れかが着脱自在に装着されるランプソケットであって、
前記蛍光ランプのランプピンを介してこの蛍光ランプに高周波電力を供給する第1の給電用端子と、前記高周波電力と異なる所定の電力を供給する第2の給電用端子と、前記第1及び第2の給電用端子が収納されたソケット本体とを備え、
前記代替ランプは、前記第2の給電用端子に接触することによって、この第2の給電用端子から前記所定の電力が供給される受電用端子を具備することを特徴とするランプソケット。
【請求項2】
前記第2の給電用端子は弾性材料からなり、前記代替ランプが装着された状態では前記第2の給電用端子が前記受電用端子に弾性を有した状態で接触することを特徴とする請求項1記載のランプソケット。
【請求項3】
前記第2の給電用端子を覆うようにして前記ソケット本体に着脱自在に取着されるカバーを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のランプソケット。
【請求項4】
前記第2の給電用端子は、前記ソケット本体のランプ取付面から突出し、押操作に応じて前記第2の給電用端子を前記ランプ取付面から進退自在に露出させる突起部を一体に有し、
前記代替ランプの口金は、前記蛍光ランプの口金に対して少なくとも径方向の一部を突出させて形成した押圧部を一体に有し、
前記代替ランプが装着されていない状態では、前記第2の給電用端子が前記ランプ取付面よりも内側に配置されており、前記代替ランプが装着された状態では、前記押圧部が前記突起部を押すことによって、前記第2の給電用端子が前記ランプ取付面から露出して前記受電用端子に接触することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のランプソケット。
【請求項5】
前記ソケット本体は、前記蛍光ランプ又は前記代替ランプのランプピンを挿通させる挿通孔が設けられ、ランプ側に弾性力が加えられた状態で配置されるプランジャを有し、前記第1の給電用端子を前記挿通孔に臨ませた状態で内部に収納し、
前記蛍光ランプ又は前記代替ランプの口金を前記プランジャに当接させた状態で、ランプと反対側に前記蛍光ランプ又は前記代替ランプを変位させることによって、前記蛍光ランプ又は前記代替ランプが装着されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のランプソケット。
【請求項6】
前記ソケット本体は、前記蛍光ランプ又は前記代替ランプのランプピンを挿通させる挿通溝が形成され、前記ソケット本体に対してランプ軸方向の回りに回転する回転体を有し、
前記ランプピンを前記挿通溝に挿通させた状態で、前記蛍光ランプ又は前記代替ランプを前記回転体とともに前記ランプ軸方向の回りに回転させることによって、前記蛍光ランプ又は前記代替ランプが装着されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のランプソケット。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のランプソケットと、前記ランプソケットに点灯電力を供給する点灯回路とを備えたことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−171225(P2011−171225A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36028(P2010−36028)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】