説明

ランプホルダ、ランプ装置および照明装置

【課題】 一端側がランプの端部に装着されるとともに他端側にランプの外部リード線と接続した給電線を延出させた筒状のランプホルダにおいて、上記給電線が振動して外部リード線との接続部に繰返し応力が加わらずその接続強度が高められるランプホルダ、このランプホルダを装着した放電ランプ装置およびこの放電ランプ装置を用いたバックライト等の照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本体60の一端側61にランプ1のバルブ装着孔62が、他端側65にこのバルブ装着孔62と連通した給電線挿通孔66が設けられた電気絶縁性材料からなるランプホルダ6Aにおいて、上記給電線挿通孔66の近傍には、この挿通孔66の内径を弾性的に制御する手段が形成されているランプホルダ6A、このランプホルダ6Aを装着したランプ装置L1およびこのランプ装置L1を用いたバックライト等の照明装置9である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト等に用いられる蛍光ランプ等の放電ランプあるいは加熱用の赤外線ランプ等において、このランプへの給電および保持をなすためガラス管バルブの端部に装着される筒状のランプホルダ、このホルダが装着されたランプ装置およびこのランプ装置を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶を用いたテレビやパソコン等のバックライト、広告、案内等の文字や図形等のディスプレー表示を行う表示装置、殺菌等を行う紫外線装置あるいは塗装の焼付け等を行う加熱装置等では、発光源や発熱源が封装されたガラス管バルブの両端部に給電および保持をなすランプホルダを装着したランプ装置が組込まれてている。
【0003】
例えば上記液晶表示装置等で導光板方式と呼ばれるバックライトは、少なくとも一表面に光放出用の発光面を形成した導光板の側面に樋形の反射鏡およびバルブが直管形やコ字形をした冷陰極形蛍光ランプや希ガス発光ランプ等のランプ装置を配設し、ランプからの放射光を直接および導光板の反対面側の無効となる光を反射鏡により導光板方向に反射指向して導光板に入射させ、導光板の発光面から外方に光放射させる構造である。
【0004】
すなわち、従来の蛍光ランプを用いたランプ装置は、内面に蛍光体膜を形成した直管形ガラス管バルブ両端の封着部の近傍に、内部リード線に保持された放電用の電極が設けられているとともに封着部から導出した外部リード線を備え、このバルブ端部の各封着部に電気絶縁性のゴム等で筒状に成形したランプホルダが装着されている。
【0005】
従来のランプ装置は、図6にその一端部近傍を斜視図で示すように電気絶縁性のゴム等からなるL字形に屈曲したランプホルダ6を有し、このランプホルダ6の一端側のバルブ装着孔62内には蛍光ランプ1のバルブ11の端部が、他端側の上記装着孔62と連通する給電線挿通孔66内には給電線5が挿通されているとともに、バルブ装着孔62内または給電線挿通孔66内において、外部リード線と絶縁被覆層52が施された給電線5の芯線とが接続されている。
【0006】
そして、上記ランプホルダ6部分において機器等への取り付けおよび給電部の電気的な保護がなされている。
【0007】
上記構成のランプ装置の組み立ては、ガラス管バルブ11端部にランプホルダ6のバルブ装着孔62を装着し、給電線5の挿通孔66からバルブ11端部の外部リード線がホルダ6外に延出した状態で、この外部リード線を給電線5の芯線に接続強度が高まるようループ状あるいは絡ませて半田付け等の手段で接続固定している。
【0008】
そして、この半田付けが終了したら、バルブ11端部をバルブ装着孔62から引き抜くよう装着孔62開口側に移動させるとともに給電線5側を挿通孔66側から押し込むよう半田付けした接続部35および絶縁被覆層52部を挿通孔66内に挿入することにより行っている。
【0009】
そして、外部リード線と給電線5の芯線との半田付けによる接続部は、半田の盛上がり、リード線や芯線の変形等で給電線5径より大きくなることが往々にあり、挿通孔66内での通過がし易いようこの対応として給電線挿通孔66の孔径を給電線5径より大きい真円状や長円状ここでは真円状としていた。
【0010】
しかし、このような構成のランプ装置は、テレビやパソコン等の液晶表示装置のバックライトとして用いられているが、車両等のテレビやナビゲータ等において、上記ランプホルダ6内の外部リード線と給電線5の芯線との接続部において断線が発生することがあった。
【0011】
そして、この断線発生の要因について種々検討した結果、ホルダ6の上記給電線挿通孔66の孔径を大きくしている等のことに起因していることが分かった。すなわち、給電線挿通孔66の内径と給電線5外径との間の差が大きく余裕の隙間があると振動や衝撃が生じ易い車載用等のテレビやナビゲータ等においては、給電線5自体が連続的に微少振動して半田付けした接続部に応力が加わり、また、経時とともにこの半田接続部も劣化してきてこの接続部から剥離断線を生じることがあることが分かった。
【0012】
この対策として、給電線挿通孔66と給電線5との隙間にシリコン接着剤を注入して固定する手段も採用されているが、接着剤の硬化時間や不要部分に付着した接着剤の除去等作業性に問題がある。また、給電線挿通孔径66を小径化することも考えられるが、上記接続部や給電線5の挿通作業性が低下し好ましくなかった。
【0013】
なお、この種ランプホルダとして、上記構成のホルダやホルダのランプ挿入保持穴(バルブ装着孔)と平行および垂直方向にランプリード線(給電線)の保持貫通穴(給電線挿通孔)を設けることが例えば特許文献1に記載されている。
【0014】
そして、この特許文献1によれば、ホルダのランプリード線の保持貫通穴(給電線挿通孔)には貫通穴に沿って切欠部が形成されているが、この切欠部はランプリード線(給電線)をホルダ内においての引き回しをよくするためのもので、ランプリード線の保持貫通穴(給電線挿通孔)とランプリード線(給電線)との隙間関係については何等配慮されていない。
【0015】
この特許文献1はランプリード線(給電線)が互いに絡み合うことがなく、ランプの組込み作業性を改善したものである。また、液晶表示装置等への組込み後もランプリード線(給電線)の格別な保持を必要としないとともにランプリード線(給電線)の取出し方向を自由に選択できるランプホルダである。
【特許文献1】特開平9−17531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上述した問題に鑑みなされたもので、一端側がランプの端部に装着されるとともに他端側にランプの外部リード線と接続した給電線を延出させた筒状のランプホルダにおいて、上記給電線が振動して外部リード線との接続部に繰返し応力が加わらずその接続強度が高められるランプホルダ、このランプホルダを装着した放電ランプ装置およびこの放電ランプ装置を用いたバックライト等の照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の請求項1に記載のランプホルダは、本体の一端側に放電ランプのバルブ装着孔が、他端側にこのバルブ装着孔と連通した給電線挿通孔が設けられた電気絶縁性材料からなるランプホルダにおいて、上記給電線挿通孔の近傍には、この挿通孔の内径を弾性的に制御する手段が形成されていることを特徴とする。
【0018】
このランプホルダは電気絶縁性および弾性を有する材料から形成され、給電線挿通孔の近傍に割目状ないしは孔状等の切欠部が設けられ、給電線挿通時に切欠部が収縮や拡開等して断面が変形することによって給電線等の通過が容易であり、通過後はホルダ材料の収縮で、給電線挿通孔内に給電線を隙間なく保持させることができる。
【0019】
なお、この給電線挿通孔内に給電線を隙間なく保持できるとは、挿通孔内の給電線が容易に移動できない状態を指し、給電線の周囲が完全に密着囲繞されてなく切欠部や凸状部等による空間部が存在するのは構わない。
【0020】
また、給電線挿通孔は内径と給電線の外径とがほぼ同径ないしは挿通孔側が小径に形成されているのが好ましく、挿通孔内に配設された給電線は挿通孔の近傍に形成した切欠部や凸状部が収縮拡開等変形して弾性的な作用を奏することにより挿通孔内への挿通が可能であるとともに挿通後は緊着して強固な保持が行われる。
【0021】
なお、上記給電線挿通孔近傍の切欠部とは、ホルダ本体軸の給電線挿通孔と並行して設けられ、この挿通孔と重複した空間部を有する連通あるいは挿通孔と薄い隔壁を隔て設けられた、挿通孔と切欠部との間隔が近いものを指す。また、凸状部とは、ホルダ本体軸の給電線挿通孔内壁に挿通孔と並行して設けられた突起を指す。
【0022】
このランプホルダの形成材料としては電気絶縁性、一般の合成ゴムに比べ耐熱・耐寒性および適度の弾性(硬度)を有するシリコーンゴム(シリコンゴムとも呼ばれている。)等のゴムや低硬度の合成樹脂材料を用いることができる。
【0023】
また、このホルダに用いる材料の硬度は、日本工業標準規格 JIS K 6253に準拠するデュロメータ硬さによる測定法により測定したもので、ホルダの硬度が30〜65度程度のものが適度の弾性を有し好ましかった。
【0024】
この硬度が30度未満であると成形したホルダが軟らか過ぎて保護すべき接続部のリード線、給電線や半田、かしめ部材等に突起状部があったりして、この突起状部がホルダを突き刺して絶縁保護の機能をなくす等の不具合があった。また、65度を超えるとホルダが硬くなり過ぎて、装着孔へのランプの装着や給電線の挿通孔への配設作業がやり難くなったり、装着の過不足によるランプ全長のばらつきが大きくなったり、ホルダがランプの装着捩じれを吸収できなくなる等に起因するランプ装置の寸法ばらつきおよび強度的に弱いランプ端部の封着部にクラックを生じ易くなる等の不具合があって、これら等を考慮するとランプの端部を機械的ならびに電気的に保護するホルダの硬度は30〜65度程度、好ましくは40〜60度程度であった。
【0025】
本発明の請求項2に記載のランプホルダは、上記給電線挿通孔の内径を弾性的に制御する手段が、挿通孔の周囲近傍にこの挿通孔と連通または隔壁を隔て挿通孔と並行して形成された割目状ないしは孔状の切欠部であることを特徴とする。
【0026】
上記切欠部の形態は、一文字状、Y字状、十字状やX字状等の比較的幅狭の隙間からなる割目状ないしは真円状や長円状等の孔状等の空間部を有し、給電線挿通孔に生じる応力を弾性により吸収して給電線等の挿通作業を容易にするとともに給電線挿通孔と挿通された給電線との隙間を小さくする作用を奏する。
【0027】
本発明の請求項3に記載のランプホルダは、上記給電線挿通孔の内径を弾性的に制御する手段が、挿通孔の内周面に挿通孔と並行して形成された凸状部であることを特徴とする。
【0028】
ランプホルダは、給電線外径より大径の給電線挿通孔内に挿通孔に沿って1ないし複数条の凸状部を形成し、これら凸状部の頂部または挿通孔内面を含み形成する仮想径を給電線外径より小径としたものである。
【0029】
このランプホルダは、給電線挿通孔内に凸状部等に内接して形成された仮想径を給電線外径より小径としておくことにより、挿通される大径の給電線により凸状部が押圧され弾性変形することによって給電線の挿通を容易にすることができる。
【0030】
本発明の請求項4に記載のランプホルダは、本体が直形または屈曲形をしていることを特徴とする。
【0031】
ランプホルダの外観形状を給電線の延出方向に応じて選択できる。例えば四角形状をした導光板に直管形状やL字形状あるいはコ字形状をした放電ランプを配設する場合に、L字形状をしたランプホルダを用いることにより給電線を導光板の側面に沿って配線することができ、電磁的や外観的にも整理された問題のない配線が行える。
【0032】
本発明の請求項5に記載のランプ装置は、ランプと、このランプのガラス管バルブ端部に一端側のバルブ装着孔を装着するとともにバルブ端部から導出したリード線に接続された給電線挿通孔と同径ないしは大径の給電線を他端側の給電線挿通孔に挿通した上記請求項1ないし4のいずれか一に記載のランプホルダとを具備していることを特徴とする。
【0033】
請求項1ないし4のいずれか一に記載のランプホルダをランプのバルブ端部に装着するので、上記請求項1ないし4に記載の作用を奏するランプ装置を提供できる。
【0034】
なお、本発明に関わるランプは蛍光ランプ、希ガス放電ランプや紫外線放射ランプ等の放電ランプあるいは管形電球等に適用が可能で、用途はパソコン等のOA機器や車載用のテレビやカーナビゲータのバックライト、冷蔵庫、食器乾燥機、理容器具等の紫外線による殺菌装置あるいは板金塗装の焼付け乾燥用の赤外線加熱装置等に組込み使用できる。
【0035】
また、ランプを構成するガラス管バルブは無鉛の軟質ガラスや硬質ガラスから形成された横断面が真円状、長円状や偏平状等の円形形状あるいは正四角状、長四角状や偏平状等の多角形状で、軸方向には直管形やL字形、コ字形等に延在した形状をなし、バルブ端部には内部にリード線を気密に介在しピンチャーにより圧潰した偏平な封着部やガラスビーズや各種ステムを介在した焼絞りや焼落し封着等の略半球状等の形態の封着部を形成できる。
【0036】
また、リード線は、封着部に気密封着されるジュメット線等の封着線が内外のリード線と同一線であっても構わないが、内部電極やフィラメントを支持する内部リード線部分、バルブ外へ延出する外部リード線部分がそれぞれあるいは複数か所部分が所定の作用をなす別材質や異なる線径のものが接続され構成したものであってもよい。また、放電電極の場合は、冷陰極形のほか熱陰極形あるいはバルブの外面に電極を設けたものであってもよい。
【0037】
また、放電ランプは蛍光体膜の形成や水銀封入の有無は問わず、希ガス発光によるランプであってもよい。また、ガラス管バルブの表面に厚膜の蛍光体膜を所定の開口角度範囲を残し塗布したり、酸化チタン微粉末を所定の開口角度範囲に形成した光反射膜を有するアパーチャ形のランプであってもよい。
【0038】
本発明の請求項6に記載の照明装置は、少なくとも一面に発光面を有する導光板と、この導光板の発光面以外の面に光放射部が対向して配設された上記請求項5に記載のランプ装置とを備えていることを特徴とする。
【0039】
ランプのアパーチャ等の光放射部を導光板の側面と対面して配設した場合は、この導光板の側面に入射した光は導光板の上面および下面や側面の反射面で反射を繰り返しながら導光板の延在方向へ進み、その一部は発光面をなす上面側から放射され徐々に減衰される。そして、導光板の発光面周辺における輝度の低下を招かず、ほぼ均一な輝度をなす発光面が得られる。
【0040】
発光面は導光板の上下両面に形成されていてもよく、ほぼ全面が均一発光する導光板の発光面を光源として、導光板の二方の面から文字や図形等の表示が行える。なお、本発明でいう導光板の上下面とは、実際の具体的な上下面ではなく相対的な関係を表す。
【0041】
なお、導光板の発光面側に表示体を配設しておき、ほぼ全面が均一発光する導光板の発光面を光源として、文字や図形等の表示を行えば、発光面からの放射光が表示体をよく照らし視認性の高い表示が得られる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の請求項1の記載によれば、ランプホルダが給電線挿通孔に隣接して切欠部が設けられたことにより、挿通孔内における給電線の配設作業が容易であるとともに給電線が挿通孔内においてほぼ隙間なく囲繞される結果、給電線に振動や衝撃が加わっても挿通孔内では振れが生じず、外部リード線と給電線の芯線との接続部や給電線の局部に繰返し応力が加えられることを抑制して、接続部等に断線発生のないランプホルダを提供することができる。
【0043】
本発明の請求項2および3の記載によれば、切欠部または凸状部が給電線挿通孔に生じる応力を弾性により吸収して給電線等の挿通作業が容易になるとともに給電線挿通孔と挿通された給電線との隙間を小さく給電線を緊着することがてきる。
【0044】
本発明の請求項4の記載によれば、ランプホルダの外観形状を給電線の延出方向等の仕様に応じて選択できる。
【0045】
本発明の請求項5の記載によれば、請求項1ないし4に記載のランプホルダを放電ランプのバルブ端部に装着するので、上記請求項1ないし4に記載と同様に給電線挿通孔内において給電線を強固に保持して、外部リード線と給電線の芯線との接続部に振動等によって加わる応力の低減がはかれ、接続部の断線等を抑制できる効果を奏する放電ランプや電球等を用いたランプ装置を提供できる。
【0046】
本発明の請求項6の記載によれば、上記請求項5に記載の効果を奏するランプ装置を用いているのでバックライト等として振動や衝撃に対し強い、長寿命化がはかれる照明装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明のランプホルダおよびこのランプホルダをバルブの端部に装着したランプ装置の実施の形態を図1ないし図3を参照して説明する。図1はランプホルダの斜視図、図2は図1のランプホルダを装着した放電ランプを用いたランプ装置と導光板とからなるバックライト等の照明装置の概略を示す平面図、図3は図1においてa−a線に沿う断面(ランプと給電線を含む)を示す縦断面図である。
【0048】
図において、1はソーダライムガラスやホウケイ酸ガラス等からなる直管形の長尺なガラス管バルブ、2,2はこのガラス管バルブ11の両端部に形成した封着部、3,3はリード線である。
【0049】
このリード線3(同構成であるので一方側のみ表示)は封着部2,2内に気密に封着されたジュメット線等からなる封着線部と、この封着線部の一端側に接続された内部リード線部と、他端側に接続されバルブ11外に導出した外部リード線部31とからなり、内部リード線部に円柱状の冷陰極からなる放電電極4が接続してある。また、このバルブ11の各端部から導出した外部リード線部31には、絶縁被覆層52が施された給電線5の芯線51が半田付けや溶接、かしめ止め等の手段で接続してある。また、図中55は給電線5,5を集束したソケットである。
【0050】
また、バルブ11の内面には例えば3波長発光形の希土類蛍光体やハロリン酸カルシウム蛍光体等で蛍光体膜12が形成してあるとともに、バルブ11の内部には、放電媒体としてアルゴンAr、クリプトンKr、キセノンXeやネオンNe等の少なくとも一種の希ガスおよび必要に応じ液状や合金化した水銀Hgが所定量封入して蛍光ランプ1を形成している。
【0051】
6Aはランプホルダで、電気絶縁性および硬度50度程度の弾性を有する例えばシリコーンゴム(材料:(株)東レ、品番SH502U、硬度50度)からなる横断面が四角形状でL字形に屈曲成形され、このホルダ本体60の一端側61にはこのホルダ軸に沿って横断面が円形状や多角形状のバルブ装着孔62が、他端側65にはホルダ軸に沿って上記装着孔62と連通する給電線5の外径と差し渡し径がほぼ同径ないしは少々小径の挿通孔66部分およびこの挿通孔66を縦断して一文字状の切欠部7が形成してある。なお、この切欠部7の形成は給電線挿通孔66の全長に亘るものではなく、挿通孔66の開口部寄りにのみであってもよい。
【0052】
そして、上記ガラス管バルブ11の両端部に装着孔62部分が、また、給電線挿通孔66部分に給電線5が装着されることにより両ランプホルダ6A,6Aが一体的に取着され、ランプ装置L1が構成されている。
【0053】
上記構成のランプ装置L1の組み立ては、まずバルブ11端部にランプホルダ6Aのバルブ装着孔62を差込むとともに封着部2から導出した外部リード線31を上記給電線挿通孔66部分または切欠部7を利用して通しホルダ6Aの給電線挿通孔66の外部へと延出させておく。
【0054】
次に、このホルダ6Aの給電線挿通孔66から外部リード線31を延出させた状態で、外部リード線31を給電線5の芯線51に接続強度が高まるようループ状あるいは絡ませ半田付け、溶接やかしめ等の手段、ここでは半田付けして両者を接続固定する。
【0055】
この半田付けが終了したら、バルブ11の端部をバルブ装着孔62から引き抜くよう装着孔62側に移動させるとともに給電線5側を挿通孔66から押し込むよう半田付けした接続部35および絶縁被覆層52部を挿通孔66内に挿入収容する。
【0056】
そして、本発明ではこのランプホルダ6Aの装着の際、外部リード線31と給電線5の芯線51との半田付けによる接続部35は、半田の盛上がり、リード線31や芯線521変形等で給電線5径より大きくなることが往々にあるが、挿通孔66に連通して一文字状の切欠部7が形成してあり、硬度50度程度の弾性を有するとともに割目状の切欠部7が収縮や拡開することによって大径部35の通過が容易で、また、通過後はホルダ6A材料の弾性により元の状態に戻ることができる復元力を有している。
【0057】
すなわち、給電線5の外径と差し渡し径がほぼ同径ないしは少々小径に形成した給電線挿通孔66内に配設された給電線5は、挿通孔66の近傍に形成した一文字状の切欠部7が収縮、拡開や復元等、弾性的な作用を奏する。
【0058】
したがって、ホルダ6Aが弾性を有する材料で成形されるとともに切欠部7の形成により挿通孔66内における給電線5の配設作業が容易であり、また、給電線5が挿通孔66内においてほぼ隙間なく囲繞される結果、給電線5に振動や衝撃が加わっても挿通孔66内では振れが生じず、外部リード線31と給電線5の芯線51との半田接続部35や給電線5の局部に繰返し起る応力による断線を抑制することができる。
【0059】
なお、接続部35等の給電線5より大形化する部分が給電線挿通孔66内で生じ本体60外観の一部が変形しても、ホルダ本体60の中間部であるため給電線5に振れ等を生じることがない。また、上記実施の形態では外部リード線31と給電線5の芯線51との接続を半田付けにより行ったが、この接続は半田付けに限らず溶接やかしめ止め等の手段で行った場合にも適用できる。
【0060】
このような構成のランプ装置L1は、図2中に示されるように透光性のアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂や石英ガラス製の四角形や長四角形をした所定の肉厚でもって延在してなる平板状の導光板8の側面81の近傍に沿って配設された樋状の反射体(図示しない。)に組込まれ照明装置9が構成される。
【0061】
例えば上記導光板8の上面は平坦な発光面が、また、下面および上面と下面とを結ぶ側面81(ランプ装置L1が配設された側面)を除く三方の側面には白色金属ペーストを塗布したりアルミニウム箔を貼付等した反射面が形成してある。また、これら反射面は平滑なものでなく、凹凸面等を有している光拡散作用を奏するものであってもよい。
【0062】
この照明装置9を図示しない点灯回路装置を介して通電すると、上述したようにランプは放電電極4,4間の放電により蛍光体膜12を励起し、可視光に変換された可視光がバルブ11外へと放射される。このとき、導光板8の側面81と正対したバルブ11面からは直射光が、反対側のバルブ11面からの放射光は図示しない樋状の反射体で反射され反射光となって、導光板8の側面81に入射する。
【0063】
そして、ランプ側から導光板8の側面81に入射した光は導光板8の上面および下面や他の側面の反射面で反射を繰り返しながら導光板8の延在方向へ進み、その一部は発光面をなす上面側から放射され徐々に減衰して反対面側の側面に達し、この側面で反対方向に反射され、さらに反射を繰り返しながら上面から放射される。
【0064】
なお、この照明装置9は、例えば液晶表示装置のバックライトとして導光板8の発光面に対面して光拡散板および液晶パネルを重合して配設することにより、光拡散板を介して液晶パネルへ光を入射させることができる結果、高輝度で、かつ、明暗差が少なく輝度むらがない均斉度の高い視認性の向上した液晶による表示を行うことができるとともに上述したようにリード線と給電線との接続部や給電線等に剥離や断線の抑制がはかれる、車両等の特に振動や衝撃が激しいテレビやナビゲータ等において好適するものである。
【0065】
図4(a)〜(d)は本発明のランプホルダの他の実施の形態を示す斜視図、図(e)は図(d)の端面を拡大して示す説明図である。
【0066】
図中、図1〜図3と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。なお、図4(a)〜(d)中のランプホルダ4B〜4Eにおいて、一端側の放電ランプ1のバルブ11端部に装着されるバルブ装着孔62は上記図1〜図3に示すと同様な構造をなしている。
【0067】
図4(a)に示すランプホルダ6Bは、ホルダ6Bの他端側の給電線5の挿通孔66を中心として、この挿通孔66に並行して挿通孔66を含むX字形あるいは十字形の切欠部7,7が形成してある。
【0068】
また、図4(b)に示すランプホルダ6Cは、ホルダ6Cの他端側の給電線5の円状の挿通孔66と並行連通して円形の切欠部7が形成してある。(なお、挿通孔66と切欠部7とが隔壁を隔て並行していてもよい。)
また、図4(c)に示すランプホルダ6Dは、ホルダ6Dの他端側の給電線5の円状の挿通孔66と隔壁を隔て隣接並行して楕円形をした切欠部7が形成してある。(なお、挿通孔52と切欠部7とが連通していてもよい。)
また、ランプホルダの外観形状は上記実施の形態で示すようなL字形状に限らず他の屈曲形状であっても、また、屈曲形状に限らず図4(d)に示すような直線形状のランプホルダ6Eであってもよい。
【0069】
また、ランプホルダの給電線挿通孔内に給電線を弾性的に挿通させる手段としては、上記実施の形態の割目状ないしは孔状等の切欠部7に限るものではなく、図4(d)および(e)に示すように給電線5外径より大径の給電線挿通孔66内に挿通孔66に沿って1ないし複数条ここでは4条の凸状部72,…を形成し、これら凸状部72,…の各頂部に内接して形成される仮想径rを給電線5外径より小径としたものである。
【0070】
このランプホルダ6Eは、給電線挿通孔66内に挿通される大径の給電線5により凸状部72,…が押圧され弾性変形することによって給電線5の挿通が容易に行えるとともに緊着がはかれ、給電線挿通孔66内において給電線5が振動するのを防止することができる。
【0071】
また、ランプホルダの横断面は四角形状に限らず多角形状や真円状、長円状等の円形状であってもよく、バックライト等機器への取付け構造に応じ適宜選ぶことができる。
【0072】
さらに、本発明はランプホルダ他端側の給電線5の挿通孔66に隣接並行して、上述した種々の切欠部7や凸状部72から選び併せ形成してもよい。さらにまた、給電線挿通孔66は、円形に限らず挿通される給電線5の外形に合わす形のものが隙間の発生が小さく給電線5の振動を抑制できるので好ましい。
【0073】
要するに、給電線5の挿通孔52に隣接並行して形成する切欠部7や凸状部72は、挿通孔52内にランプのリード線31と給電線5との接続部35や給電線5を挿通する際に孔径が小さくなる等弾性的に変形して挿通孔52内の給電線5の挿通を助け、また、挿通後は元の形状に戻る復元性のある構造であればよい。
【0074】
また、上記実施の形態で示すランプ装置L1は、直管形のガラス管バルブ11を用いたが、ランプ1のバルブ形状は図5(a)や同(b)に正面図で示すものであってもよい。
【0075】
図5(a)はランプ1のバルブ11形状がL字形状をなし、例えば導光板8側面の2面に対面してランプ装置L2が配設でき、また、図5(b)はランプ1のバルブ11形状がコ字形状をなし、導光板8側面の3面に対面してランプ装置L3が配設できる等、1本のランプで導光板8への入射光量を高め導光板8の発光面における光放射量を向上できる。
【0076】
また、上記ランプホルダ6A〜6Eおける実施の形態では、他端側65に設けられた給電線挿通孔66の構造、形態を種々変えたものについて説明したが、ホルダの一端側61に設けられるバルブ装着孔62側の形態を変えてもよい。
【0077】
すなわち、図1中の一端側61の端面に示すように、装着されるバルブ11の外径とほぼ同径で形成されたバルブ装着孔62を縦断して一文字状の切欠部71が設けてある。なお、この切欠部71の形成はバルブ装着孔62の全長に亘るものではなく、最小開口部寄りの装着孔62内に挿入されるバルブ11の長さ分あればよい。
【0078】
図6(a)〜同(e)は、ランプホルダ6F〜6Kのバルブ装着孔62が設けられる一端側61の実施の形態を種々示す端面図で、図中、図1〜図5と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0079】
図6(a)に示すランプホルダ6Fは、横断面が真円形状をなすバルブ11外径とほぼ同径で形成されたバルブ装着孔62に沿い並行して装着孔62を含むX字形状あるいは十字形状の切欠部71,71が設けてある。
【0080】
また、図6(b)に示すランプホルダ6Gは、横断面が真円形状をなすバルブ11外径より大径で形成されたバルブ装着孔62内の対称位置に、差渡し径がバルブ11外径より小径で突出した凸状部72,…(ここでは4個)が装着孔62に沿い並行して設けてある。
【0081】
また、図6(c)に示すランプホルダ6Hは、横断面が真円形状をなすバルブ11外径より大径で形成されたバルブ装着孔62内のX字状あるいは十字状の対称位置に、差渡し径がバルブ11外径より小径で突出した凸状部72,…(ここでは4個)が装着孔62に沿い並行して設けてある。
【0082】
また、図6(d)に示すランプホルダ6Jは、横断面が偏平形状をなすバルブ11を用いたランプが装着されるもので、ホルダ6Jの水平方向にこの偏平形状とほぼ同形で形成されたバルブ装着孔62内の長径側の相対する対称位置に、差渡し長さがバルブ11短径側より小さい長さの間隔を隔て突出した凸状部72,…(ここでは6個)が装着孔62に沿い並行して設けてある。
【0083】
また、図6(e)に示すランプホルダ6Kは、横断面が偏平形状をなすバルブ11を用いたランプが装着されるもので、ホルダ6Kの垂直方向にこの偏平形状とほぼ同形で形成されたバルブ装着孔62内の長径側および短径側の相対する対称位置に、差渡し長さがバルブ11短径側および長径側より小さい長さの間隔を隔て突出した凸状部72,…(ここでは6個)が装着孔62に沿い設けてある。
【0084】
そして、上記図1、図6(a)に示すランプホルダ6A、6Fは、バルブ装着孔62内にバルブ11が差込まれる際に、弾性材料からなる本体60は切欠部71,…が拡開してバルブ11の受け入れが容易に行われるとともに、所定位置まで装着されたバルブ11を外周囲から抱持させることができる。
【0085】
また、上記図6(b)〜同(e)に示すランプホルダ6G〜6Kは、バルブ装着孔62内にバルブ11が差込まれる際に、装着孔62内の周囲に設けてある凸状部72,…が弾性変形してバルブ11の外周を押圧することにより抱持させることができる。
【0086】
例えば上記図6(b)に示すランプホルダ6Gは、バルブ11が差込まれた後の端面は、図7(a)にその概略を示すように、また、上記図6(d)に示すランプホルダ6Jは、バルブ11が差込まれた後の端面は、図7(b)にその概略を示すように、装着孔62内の周囲に設けてある凸状部72,…がバルブ11の外周に当接するとともに凸状部72,…間には空間部73,…が形成されることによって、弾性的な抱持を行わせることができる。
【0087】
また、図6(d),(e)に示す偏平状のガラス管バルブ11が用いられたランプの場合には、往々にバルブ11端部に装着されたホルダとバルブ11との間において位置ずれが生じ、直下照明方式のバックライト等においてバルブの傾きによって画面上に明暗のラインが出現し輝度むらが発生する等のことがあった。しかし、上記のようなランプホルダ6J、6Kを用いることにより上記不具合は解消されランプ装置を水平に保持することが可能となった。
【0088】
上述した図1、図6(a)〜同(e)に示すように、ランプホルダ6A,6F〜6Kのバルブ装着孔62に切欠部7または凸状部72を設けることにより、バルブ11端部へのランプホルダ6A,6F〜6Kの装着が容易になるとともに、ランプ装置の取付などに際し水平度等の精度向上および切欠部7や凸状部72形成による通気によってホルダ内の温度低下がはかれランプ装置の発光特性を高めることができる。
【0089】
なお、本発明は上記実施の形態では蛍光ランプを用いた液晶バックライト用について述べたがこれに限るものではない。例えばランプの種類は蛍光ランプ、希ガス発光によるランプや紫外線放射ランプ等の放電ランプあるいは管形電球を用いることができる。また、用途もこれらランプに合せ、液晶を用いたパソコン等のOA機器や車載用のテレビやカーナビゲータのバックライト装置、冷蔵庫、食器乾燥機、理容器具等の紫外線による殺菌装置あるいは板金塗装の焼付け乾燥用の赤外線加熱装置等に組込み使用できる。
【0090】
さらに、バックライト装置も導光板照明方式に限らず、直下照明方式によるものであっても差し支えない。
【0091】
また、ランプホルダの一端側に設けるバルブ装着孔62への切欠部71または凸状部72と、他端側に設ける給電線挿通孔66への切欠部7または凸状部72との形態は同一のものでなくてもよく、適宜選択して採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明のランプホルダの実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のランプホルダを装着した放電ランプ装置と導光板とからなる本発明の実施の形態に関わるバックライト等の照明装置の概略を示す平面図である。
【図3】図1においてa−a線に沿う断面(ランプと給電線を含む)を示す縦断面図である。
【図4】図(a)〜(e)は本発明のランプホルダの他の実施の形態を示す斜視図または説明図である。
【図5】図(a)〜(b)は本発明のランプ装置の他の実施の形態を示す概略正面図である。
【図6】図(a)〜(e)は、ランプホルダのバルブ装着孔が設けられる一端側の実施の形態を種々示す端面図である。
【図7】図(a)および(b)は、図6(b)および図6(J)に示すランプホルダにバルブが差込まれた後の概略を示す端面図である。
【図8】従来の放電ランプに用いられていたランプホルダを示す要部の斜視図である。
【符号の説明】
【0093】
L1〜L3:ランプ装置
1:ガラス管バルブ
4:電極
5:給電線
6A〜6K:ランプホルダ
60:本体
62:バルブ装着孔
66:給電線挿通孔
7:切欠部
8:導光板
9:照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の一端側にランプのバルブ装着孔が、他端側にこのバルブ装着孔と連通した給電線挿通孔が設けられた電気絶縁性材料からなるランプホルダにおいて、上記給電線挿通孔の近傍には、この挿通孔の内径を弾性的に制御する手段が形成されていることを特徴とするランプホルダ。
【請求項2】
上記給電線挿通孔の内径を弾性的に制御する手段が、挿通孔の周囲近傍にこの挿通孔と連通または隔壁を隔て挿通孔と並行して形成された割目状ないしは孔状の切欠部であることを特徴とする請求項1に記載のランプホルダ。
【請求項3】
上記給電線挿通孔の内径を弾性的に制御する手段が、挿通孔の内周面に挿通孔と並行して形成された凸状部であることを特徴とする請求項1に記載のランプホルダ。
【請求項4】
本体が直形または屈曲形をしていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載のランプホルダ。
【請求項5】
ランプと;
このランプのガラス管バルブ端部に一端側のバルブ装着孔を装着するとともにバルブ端部から導出したリード線に接続された給電線挿通孔と同径ないしは大径の給電線を他端側の給電線挿通孔に挿通した上記請求項1ないし4のいずれか一に記載のランプホルダと;
を具備していることを特徴とするランプ装置。
【請求項6】
少なくとも一面に発光面を有する導光板と;
この導光板の発光面以外の面に光放射部が対向して配設された上記請求項5に記載のランプ装置と;
を備えていることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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