ランプユニット及びこれを備える投写型映像表示装置
【課題】ランプが発する熱及び紫外線に起因するケーブルの劣化を抑制することができ、かつ、ケーブルがランプに接触しないようにすることができるランプユニット及びこれを備える投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】ランプユニット2は、発光管31を含むランプ3と、ランプ3に電力を供給するためにランプ3に接続されたケーブル36と、ケーブル36に取り付けられているコネクタ37と、ランプ3及びコネクタ37が設けられるランプホルダであるランプハウジング4とを備えている。そして、ランプハウジング4と発光管31との間の空間を区切る壁体部材8が設けられ、ケーブル36が、壁体部材8とランプハウジング4との間の空間に設けられている。
【解決手段】ランプユニット2は、発光管31を含むランプ3と、ランプ3に電力を供給するためにランプ3に接続されたケーブル36と、ケーブル36に取り付けられているコネクタ37と、ランプ3及びコネクタ37が設けられるランプホルダであるランプハウジング4とを備えている。そして、ランプハウジング4と発光管31との間の空間を区切る壁体部材8が設けられ、ケーブル36が、壁体部材8とランプハウジング4との間の空間に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、発光管を含むランプと、ランプに電力を供給するためにランプに接続されたケーブルと、ケーブルに取り付けられているコネクタと、ランプ及びコネクタが設けられるランプホルダとを備えるランプユニット、及びこれを備える投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、投写型映像表示装置であるプロジェクタは、発光管を含むランプ、ランプを保持するランプホルダ、及びランプに接続されたケーブルに取り付けられるとともにランプホルダに設けられているコネクタ等により構成されたランプユニットを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載される投写型映像表示装置であるプロジェクタにおいては、コネクタケーブルを備えるコネクタと、光源ランプと、リフレクタと、ランプハウジングとを備えた光源装置が開示されている。そして、特許文献1に記載のプロジェクタにおいては、ランプハウジングが備えるコネクタ固定部にコネクタが収納されて、同ランプハウジングが備える端子固定部にコネクタケーブルがネジ止め固定されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−287812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ランプとコネクタとを接続するケーブルは、コネクタの配置の自由度を向上させるために、また、ランプまたはコネクタをランプホルダに設ける作業を容易なものとするためには、柔軟で長いケーブルであることが好ましい。
【0006】
しかしながら、柔軟で長いケーブルは、発光管に接触してしまうおそれがある。また、ケーブルが発光管に接触しないように、結束バンドを用いてケーブルを束ねて固定することも知られているが、発光管が発する熱及び紫外線によりケーブル及び結束バンドが劣化してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光管が発する熱及び紫外線に起因するケーブルの劣化を抑制することができ、かつ、ケーブルが発光管に接触しないようにすることができるランプユニット及びこれを備える投写型映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、発光管を含むランプと、前記ランプに電力を供給するために前記ランプに接続されたケーブルと、前記ケーブルに取り付けられているコネクタと、前記ランプ及び前記コネクタが設けられるランプホルダとを備えるランプユニットであって、前記ランプホルダと前記発光管との間の空間を区切る壁体部材が設けられ、前記ケーブルが、前記壁体部材と前記ランプホルダとの間の空間に設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、ランプホルダと発光管との間の空間を区切る壁体部材が設けられ、ケーブルが、壁体部材とランプホルダとの間の空間に設けられている。従って、壁体部材により、発光管が発する熱及び紫外線に起因するケーブルの劣化を抑制することができ、かつ、ケーブルが発光管に接触しないようにすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のランプユニットにおいて、前記ランプホルダに対して着脱可能な前記壁体部材が、前記ランプホルダに対して固定されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、ランプホルダに対して着脱可能な壁体部材が、ランプホルダに対して固定されている。このため、壁体部材がランプホルダから取り外されないようにすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のランプユニットにおいて、前記ランプホルダは、前記ランプが内部に収容されるランプハウジングであって、前記ランプハウジングには、このランプハウジングを貫通する開口が設けられ、前記壁体部材により、前記開口の少なくとも一部が覆われていることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、壁体部材により、ランプハウジングに設けられた開口の少なくとも一部が覆われている。このため、発光管が発した光が、開口を通してランプハウジングの内部から外部に漏れることを抑制することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のランプユニットを備え、前記ランプを映像表示用の光源として用いることを特徴とする。
上記構成によれば、投写型映像表示装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のランプユニットを備え、ランプを映像表示用の光源として用いる。このため、ランプの寿命が尽きて点灯ができなくなったときには、ランプユニットを交換することにより、点灯可能なランプに交換することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の投写型映像表示装置において、気流を生じさせるファンを備え、前記壁体部材が、前記ファンにより生じる前記気流の流路を形成することを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、投写型映像表示装置は、気流を生じさせるファンを備え、壁体部材が、ファンにより生じる気流の流路を形成する。このため、壁体部材が設けられていない場合に比べて、ケーブルを効果的に冷却することができる。特に、請求項3に記載される発明のようにランプホルダであるランプハウジングに開口が設けられている場合には、ランプハウジングの内部は高温であるため、開口を通してランプハウジングの外部から内部に気体を流入させることにより、ケーブルをより効果的に冷却することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の投写型映像表示装置において、前記壁体部材が前記ランプの冷却効率を向上させるものであることを特徴とする。
上記構成によれば、壁体部材がランプの冷却効率を向上させるものであるため、壁体部材がランプホルダに設けられていない場合に比べて、ランプを効果的に冷却することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、壁体部材により、発光管が発する熱及び紫外線に起因するケーブルの劣化を抑制することができ、かつ、ケーブルが発光管に接触しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る投写型映像表示装置であるプロジェクタを示す斜視図。
【図2】(a)及び(b)は、同実施形態に係るプロジェクタが備えるランプユニットを示す斜視図。
【図3】(a)及び(b)は、同実施形態に係るランプユニットに含まれるランプを示す斜視図。
【図4】(a)及び(b)は。同実施形態に係るランプホルダであるランプハウジングを示す斜視図。
【図5】同実施形態に係るランプハウジングを示す図であって、(a)は平面図、(b)及び(c)は側面図、(d)は下面図。
【図6】同実施形態に係るランプハウジングにランプ保持用金具が設けられた状態を示す斜視図。
【図7】同実施形態に係るランプ保持用金具によりランプの固定が保持された状態を示す斜視図。
【図8】同実施形態に係るランプハウジングに対する外枠部材の取り付けを説明するための斜視図。
【図9】同実施形態に係るランプハウジングに設けられる壁体部材を示す斜視図。
【図10】同実施形態に係るランプハウジングに対する壁体部材の取り付けを説明するための斜視図。
【図11】同実施形態に係るランプユニットを示す下面図。
【図12】同実施形態に係るランプユニットの一部を断面で示す断面図であって、図11におけるA−A線で示す部分の断面図。
【図13】同実施形態に係るプロジェクタにおいて、ケーブルを冷却する気流を説明するための模式断面図。
【図14】本発明の変形例に係る壁体部材を示す斜視図。
【図15】同変形例に係る壁体部材がランプハウジングに取り付けられた状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上方及び下方を含む上下方向は、図中において矢印Zが示す方向であって、上下方向は鉛直方向に限定されない。また、上下方向に直交する前方及び後方を含む前後方向を、図中において矢印Xで示すとともに、上下方向及び前後方向に直交する右方及び左方を含む左右方向を、図中において矢印Yで示す。
【0021】
図1(a)及び(b)に示すように、プロジェクタ1は、電子部品や光学部品等を内蔵する筐体10を備えた投写型映像表示装置であって、スクリーンや壁等に映像を投写して表示する。筐体10には、筐体10の内部を開放及び閉鎖するランプカバー11が設けられている。
【0022】
開閉するランプカバー11は、図1(a)に示す閉状態と、図1(b)に示す開状態とに遷移する。図1(b)に示すように、筐体10の内部にはランプユニット2が設けられる。ランプカバー11が開状態となることにより、筐体10の内部に設けられたランプユニット2を取り外すこと、及び、筐体10の内部にランプユニット2を取り付けることができる。即ち、ランプユニット2が交換できるように構成されている。
【0023】
図2(a)及び(b)に示すように、ランプユニット2に含まれるランプ3は、箱形のランプハウジング4に収容される。図3に、図2に示したランプハウジング4の図示を省略して、ランプ3の斜視図を示す。また、図4及び図5に、ランプハウジング4のみを図示する。
【0024】
図3(a)及び(b)に示すように、映像表示用の光源であるランプ3は、放電により発光する発光管31と、発光管31が発した光を前方に反射するリフレクタ32と、発光管31を支持する発光管支持部材33と、リフレクタ32の前側端部に設けられたカバーガラス34とを備える放電ランプである。
【0025】
発光管31には、例えば水銀、及びハロゲンガスまたはハロゲン化物の混合物である発光体が封入されている。ランプ3に供給される電力により、発光管31に封入された発光体に高電圧が付加されて、発光管31の内部で絶縁破壊が生じることによって放電が発生する。このようにして発光管31の内部で放電が発生することにより、ランプ3の発光管31が光を発する。発光管31は前後方向に延びた形状を有している。発光管31の一部はリフレクタ32に挿入されて、発光管31の中央部及び前側端部がリフレクタ32の内部に設けられ、発光管31の後側端部はリフレクタ32の外部に設けられている。
【0026】
リフレクタ32は、発光管31が発した光を反射する反射鏡であって、発光管31を覆うように設けられている。リフレクタ32の内部において発光管31が発した光は、リフレクタ32が有する内側表面32aによって前方に反射される。内側表面32aは、例えば回転放物面や回転楕円面等により形成された面である。一方、リフレクタ32の外部において発光管31が発した光、即ち、発光管31の後側端部が発した光は、前方に反射されずにランプ3の後方に出射される。
【0027】
発光管支持部材33は、リフレクタ32の外部であって、リフレクタ32の後側端部に設けられている。発光管支持部材33が発光管31の後側端部を支持することにより、リフレクタ32に対する発光管31の固定が保持されている。
【0028】
リフレクタ32の前側端面に設けられたカバーガラス34は、リフレクタ32とともに発光管31を覆うように設けられている。発光管31の前方に設けられたカバーガラス34により、発光管31が破裂した場合であって、発光管31の破片が飛散することが抑制されている。また、図3(a)に示すように、リフレクタ32の前端の一部は、後方に窪ませて設けられ、カバーガラス34と後方に窪んだリフレクタ32の前端とにより通気口35が形成されている。本実施形態においては、ランプ3の上下左右に通気口35が設けられている。
【0029】
ランプ3には、図1に示す筐体10の内部に設けられた電源回路(図示略)からランプ3に電力を供給するための複数本のケーブル36が接続されている。ケーブル36は、例えば、図3(a)に示すようにランプ3のリフレクタ32にねじ止めにより接続されるとともに、図3(b)に示すようにランプ3の発光管支持部材33にねじ止めにより接続されている。ケーブル36は、電線と、この電線を被覆する絶縁材とにより構成された柔軟なコードである。ケーブル36の一端はランプ3に接続されるとともに、ケーブル36の他端にはコネクタ37が取り付けられている。コネクタ37が、図2に示すランプハウジング4の所定の位置に対して固定されるように、ケーブル36は十分な長さを有している。
【0030】
コネクタ37は、筐体10の内部にランプユニット2が取り付けられることにより、図1に示す筐体10の内部に設けられたコネクタ(図示略)と接続される。このようにして、筐体10の内部に設けられた電源回路とケーブル36とが電気的に接続されて、電源回路からケーブル36を介してランプ3に発光管31が放電するための電力が供給可能となる。なお、図中において、放電を生じさせるために発光管31の内部に設けられた電極、及びこの電極とケーブル36を構成する電線とを接続する電極線の図示は省略されている。
【0031】
図4(a)及び(b)に示すように、図3に示すランプ3が収容されるランプハウジング4は、ランプ3の左右方向及び上方及び後方を覆うように形成されている。即ち、ランプハウジング4は、左右方向において間隔を空けて設けられた右側壁部41及び左側壁部42と、右側壁部41及び左側壁部42の各々の上側端部を接続する上側壁部43と、図4(b)に示す、右側壁部41及び左側壁部42及び上側壁部43の各々の後側端部を接続する後側壁部44とを有している。また、ランプハウジング4は、右側壁部41及び左側壁部42及び上側壁部43の各々の前側端部を接続するとともに、開口45aが形成された前側壁部45を有している。開口45aは、ランプハウジング4の内部に収容されたランプ3が発する光を、ランプハウジング4の内部から外部に通すための開口である。
【0032】
図5を参照しながら、ランプハウジング4が有する壁部41〜45の各々を説明する。
図5(c)に示すように、右側壁部41の前側端部には、ランプハウジング4を貫通する通気用開口41a及び金具掛止用開口41bが形成されている。また、右側壁部41の後側端部には開口41cが形成されている。そして、右側壁部41には、右側壁部41の下端の一部を窪ませて形成された溝41dが形成されている。また、図5(b)に示すように、左側壁部42には、右側壁部41と同様に、ランプハウジング4を貫通する通気用開口42a及び金具掛止用開口42bが形成されている。
【0033】
図5(a)に示すように、上側壁部43には、ランプユニット2の交換作業を行う作業者がランプハウジング4を掴みやすいように把持部43aが形成されている。図5(b)に示すように、把持部43aは、ランプハウジング4の一部を上方に突出させて設けられている。また、上側壁部43の前側端部には、外枠掛止用突起43bが形成されている。そして、上側壁部43の後側端部には、ランプハウジング4を貫通する開口43cが形成されている。また、図5(d)に示すように、ランプハウジング4の内部において、上側壁部43の後側端部には、ねじ穴43dが形成されている。
【0034】
図5(d)に示すように、後側壁部44及び前側壁部45は、前後方向において間隔を空けて設けられている。前側壁部45にはランプ3の前端が押しつけられる。後側壁部44は、ランプハウジング4にランプ3が収容されたときであっても、ランプ3の後側端部と間隔が空くように設けられている。具体的には、ランプユニット2の組み立て作業を行う作業者が、その手やドライバをランプ3と後側壁部44との間に入れることができるように構成されている。
【0035】
また、図5(a)に示すように、ランプハウジング4の右側端部かつ後側端部には、コネクタ固定部46が設けられるとともに、ランプハウジング4の左側端部かつ後側端部には、基板載置部47が設けられている。コネクタ固定部46の内部は、開口41cを介してランプハウジング4の内部と連続している。また、コネクタ固定部46及び基板載置部47の内部は、上下方向において開口している。
【0036】
以上のように構成されたランプハウジング4は、その内部においてランプ3が固定された状態を保持するランプホルダである。図2(a)に示すように、ランプ3を保持するランプハウジング4の前側端部には、ランプ3の脱落を防止する外枠部材5が設けられる。また、ランプハウジング4の後側端部には、コネクタ固定部46の上側に設けられた開口を覆う開口カバー61がねじ止めにより固定されるとともに、ランプユニット2に係る情報が記憶された回路基板であって基板載置部47に載置されたICチップ62がねじ止めにより固定される。
【0037】
また、図2(b)に示すように、ランプハウジング4の内部において、ランプハウジング4の前側端部とランプ3の前側端部との間には、ランプ3を保持するためのランプ保持用金具7が設けられる。さらに、ランプハウジング4の内部において、ランプハウジング4の後側端部には、壁体部材8が設けられる。
【0038】
以下、図6〜図10を参照しながら、ランプユニット2の組み立て工程の一例を説明する。
図6に示すように、ランプハウジング4には、ランプ3が収容される前に、ランプ保持用金具7が設けられる。このとき、ランプ保持用金具7の一部が、図5(c)及び(b)に示した金具掛止用開口41b,42bに引っ掛けられることにより、ランプハウジング4に対してランプ保持用金具7が固定される。
【0039】
次に、図7に示すように、ランプ保持用金具7が固定されたランプハウジング4に、ランプ3を下方から入れる。ランプハウジング4に入れられたランプ3のリフレクタ32は、板ばねとして構成されたランプ保持用金具7により左右方向に押さえつけられる。また、ランプ3がランプ保持用金具7により適切に押さえつけられた後に、コネクタ37をコネクタ固定部46に設ける。このとき、コネクタ37に接続されたケーブルは、図6に示す開口41cに通される。
【0040】
以上のようにして、ランプハウジング4にランプ3が収容されると、通気用開口42aが、左方から見て、図3に示すランプ3の左側端部に設けられた通気口35に重なる。同様に、図6に示す通気用開口41aが、右方から見て、図3(a)に示すランプ3の右側端部に設けられた通気口35に重なる。
【0041】
図8に示すように、ランプハウジング4にランプ3が収容された後に、外枠部材5を取り付ける。なお、本実施形態においては、外枠部材5をランプハウジング4に取り付けるときには、ランプ3の右側端部及び左側端部に設けられた通気口35に風向板63aを差し込んで風向調整部材63をランプハウジング4に設けた後に、ランプハウジング4に対して外枠部材5を設ける。
【0042】
金属板により形成された風向調整部材63は、通気口35に差し込まれて、ランプ3の内部に向けて延びる風向板63aを含んでいる。本実施形態においては、ランプ3の右側端部に設けられた通気口35と、ランプ3の左側端部に設けられた通気口35とに、それぞれ風向調整部材63が設けられる。従って、右側端部に設けられた通気口35を通してランプ3内に冷却風が流入する場合であっても、左側端部に設けられた通気口35を通してランプ3内に冷却風が流入する場合であっても、発光管31に適切に冷却風を案内することができる。
【0043】
風向調整部材63と同様に金属板により形成された外枠部材5は、左右方向に延びる平板状の基部51と、基部51に対して屈曲させて形成されるとともに基部51の右側端部に接続された右側枠部52と、基部51に対して屈曲させて形成されるとともに基部51の左側端部に接続された左側枠部53とを有している。
【0044】
基部51の前側端部には、基部51に対して上方に屈曲させて形成された四角枠部54が設けられている。四角枠部54の上端が、後方に折り曲げられて形成されることにより、四角枠部54は、ランプハウジング4の上側壁部43の前側端部に設けられた外枠掛止用突起43bに引っ掛かって止められる掛止部54aを有している。
【0045】
図2(b)に示すように、基部51には開口51aが形成されている。この開口51aは、下方から見てランプ3の下側端部に設けられた通気口35と重なる位置に設けられている。また、基部51と同様に、左側枠部53には開口53aが形成されるともに、図2(a)に示すように、右側枠部52にも開口52aが形成されている。開口52aは、右方から見てランプ3の右側端部に設けられた通気口35と重なる位置に設けられている。また、開口53aは、左方から見てランプ3の左側端部に設けられた通気口35と重なる位置に設けられている。
【0046】
開口51a,52a,53aには、それぞれ、格子状に形成された格子部材55が設けられている。格子部材55は、例えば、金属製の網であるメッシュにより形成されて、スポット溶接により外枠部材5に固定されている。このようにして、発光管31が破裂した場合であって、発光管31の破片がランプユニット2の外部に飛散することが抑制されている。
【0047】
図2に示すように、右側枠部52及び左側枠部53は、ねじ56を用いてランプハウジング4に対して固定される。ねじ56により、右側枠部52及び左側枠部53とともに、風向調整部材63がランプハウジング4に対して固定される。ランプハウジング4に外枠部材5を取り付けた後に、図2(a)に示すように、ランプハウジング4に開口カバー61とICチップ62とが設けられる。また、図2(b)に示すように、コネクタ37がねじ37aを用いてランプハウジング4に固定される。
【0048】
そして、図2(b)に示すように、コネクタ37がコネクタ固定部46に設けられた後に、ランプハウジング4に壁体部材8が設けられる。壁体部材8は、例えば、熱遮断性及び紫外線遮断性に優れた樹脂成形体(例えば、液晶ポリマー(LCP))により形成されている。
【0049】
図9に示すように、壁体部材8は、ランプハウジング4の内部を仕切る壁部81と、図5(c)に示した溝41dに引っ掛けられる掛止部82と、図5(d)に示したランプハウジング4の上側壁部43に当たって接する当接部83と、壁体部材8を貫通する貫通孔84と、図5(d)に示した開口43cに差し込まれる突起85とを有している。貫通孔84及び突起85は当接部83に設けられている。また、壁体部材8は、図7に示すケーブル36を引っ掛けることが可能な掛止突起86を有している。
【0050】
図10に示すように、壁体部材8は、当接部83を壁体部材8の上側端部とし、掛止突起86を壁体部材8の前側端部として、ランプ3が設けられるランプハウジング4に取り付けられる。ランプハウジング4への壁体部材8の取り付けは、貫通孔84にねじ8aを差し込むとともにねじ穴43dにねじ8aを嵌め合せることにより行われる。即ち、ランプハウジング4と別体により構成された壁体部材8は、ねじ8aを用いてランプハウジング4に対して固定される。
【0051】
壁体部材8がランプハウジング4に取り付けられたときのランプユニット2の下面図を図11に示す。また、図11におけるランプハウジング4及び壁体部材8のA−A線矢視断面図を図12に示す。
【0052】
図11に示すように、ランプ3の後側端部において露出している発光管31からの光がケーブル36に照射されないように、壁体部材8を覆っている。前後方向に延びる壁部81の前端81aは、ケーブル36に光が照射されないように、ランプハウジング4の内部において露出する発光管31よりも前方に位置している。
【0053】
また、図12に示すように、壁体部材8の下側端部に設けられた鉤状の掛止部82は、ランプハウジング4の下側端部に設けられている溝41dに引っ掛けられる。また、壁体部材8の上側端部に設けられた突起85は、ランプハウジング4に設けられている開口43cに差し込まれている。このようにしてランプハウジング4に取り付けられている壁体部材8が、下方から開口43cを覆うとともに、左方から開口41cを覆っている。
【0054】
上下方向に延びる壁部81は、ランプハウジング4の内部の空間を、左右方向において区切っている。そして、左右方向に平行な断面において、壁体部材8の壁部81よりも右側の空間にケーブル36が設けられて、壁体部材8の壁部81よりも左側の空間に発光管31が設けられている。このように、ランプハウジング4と発光管31との間の空間が、壁体部材8によって区切られて、ケーブル36が、壁体部材8とランプハウジング4の内壁との間の空間に設けられている。
【0055】
以上のように構成されたランプユニット2を備えるプロジェクタ1は、ランプ3を用いて映像を表示する。具体的には、例えば、液晶パネルを備えたプロジェクタ1は、ランプ3が発した光を液晶パネルに透過させることにより映像を生成するとともに、この映像をスクリーン等に投写して表示する。ランプ3の寿命が尽きて点灯できなくなったときには、ランプユニット2を交換することにより、点灯可能なランプ3に交換される。
【0056】
また、本実施形態においては、図13に示すように、図1に示す筐体10の内部において、ランプユニット2の下方にファン9が設けられている。このファン9が駆動することによって、筐体10の内部において気流が生じる。図13において一点鎖線の矢印は、ファン9により生じる気流を示している。
【0057】
ファン9が駆動することにより、ランプハウジング4の内部が負圧となって、開口43cを通してランプハウジング4の外部から内部に気体が流入する。そして、この気体が、壁体部材8に沿って流れることにより、ケーブル36を積極的に冷却する気流が生じる。
【0058】
また、ファン9は、ケーブル36を冷却するためだけに駆動されるものではない。即ち、ファン9は、ランプ3内に流入した冷却風を、ランプ3の下側端部に設けられた通気口35を通してランプ3外に積極的に流出させる。さらに、開口43cを通してランプハウジング4の外部から内部に流入した気体は、その一部がランプ3の後側端部を冷却するようにも流れる。このとき、壁体部材8はランプハウジング4の内部においてランプ3が設けられる空間を形成するものであるため、壁体部材8は、ランプ3の冷却効率の向上に寄与する。
【0059】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ランプユニット2は、発光管31を含むランプ3と、ランプ3に電力を供給するためにランプ3に接続されたケーブル36と、ケーブル36に取り付けられているコネクタ37と、ランプ3及びコネクタ37が設けられるランプホルダであるランプハウジング4とを備えている。そして、ランプハウジング4と発光管31との間の空間を区切る壁体部材8が設けられ、ケーブル36が、壁体部材8とランプハウジング4との間の空間に設けられている。従って、壁体部材8により、発光管31が発する熱及び紫外線に起因するケーブル36の劣化を抑制することができ、かつ、ケーブル36が発光管31に接触しないようにすることができる。
【0060】
(2)ランプハウジング4に対して着脱可能な壁体部材8が、ランプハウジング4に対して固定されている。このため、壁体部材8がランプハウジング4から取り外されないようにすることができる。
【0061】
(3)ランプハウジング4に対して着脱可能な壁体部材8が、ランプハウジング4に対してねじ8aを用いて固定されている。このため、ランプハウジング4に壁体部材8を強固に固定することができる。また、ねじ8aを外すことにより、ランプハウジング4から壁体部材8を取り外すことができる。
【0062】
(4)ランプ3が内部に収容されるランプハウジング4には、ランプハウジング4を貫通する開口41c,43cが設けられ、壁体部材8により、開口41c,43cが覆われている。このため、発光管31が発した光が、開口41c,43cを通してランプハウジング4の内部から外部に漏れることを抑制することができる。
【0063】
(5)投写型映像表示装置であるプロジェクタ1は、ランプユニット2を備え、ランプ3を映像表示用の光源として用いる。このため、ランプ3の寿命が尽きて点灯ができなくなったときには、ランプユニット2を交換することにより、点灯可能なランプ3に交換することができる。
【0064】
(6)プロジェクタ1は、気流を生じさせるファン9を備え、壁体部材8が、ファン9により生じる気流の流路を形成する。このため、壁体部材8が設けられていない場合に比べて、ケーブル36を効果的に冷却することができる。特に、本実施形態においては、ランプハウジング4に開口43cが設けられている。そして、ランプハウジング4の内部は高温であるため、開口43cを通してランプハウジング4の外部から内部に気体を流入させることにより、ケーブル36をより効果的に冷却することができる。
【0065】
(7)壁体部材8はランプハウジング4の内部においてランプ3が設けられる空間を形成するものであって、壁体部材8がランプ3の冷却効率を向上させるものであるため、壁体部材8がランプハウジング4に設けられていない場合に比べて、ランプ3を効果的に冷却することができる。
【0066】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせて実施してもよい。
【0067】
・例えば図14に示すように、壁体部材8の形状を適宜変更してもよい。図14に示す壁体部材8は、鉤状の掛止部82に代えて突起87を有するとともに、突起85に代えて鉤状の掛止部88を有している。このような壁体部材8であっても、上記実施形態と同様にして、ランプハウジング4に壁体部材8を設けることができる。
【0068】
さらに、図15に示すように、ランプハウジング4の形状を適宜変更してもよい。図15に示す右側壁部41には、図12に示す溝41dに代えて、ランプハウジング4を貫通する貫通孔41eが設けられている。また、図15においては、貫通孔41eに上記変形例に係る突起87が差し込まれるとともに、開口43cに上記変形例に係る掛止部88が引っ掛けられている。
【0069】
即ち、ランプハウジング4に対する壁体部材8を取り付けるための構造は適宜変更してもよい。また、ランプハウジング4に対して壁体部材8を固定することができるのであれば、ねじ8aを用いなくてもよい。
【0070】
・上記実施形態においては、発光管31が発した光がランプハウジング4外部に漏れることを防止するために、壁体部材8が開口41c,43cを覆っていたが、発光管31が発した光がランプハウジング4の外部に漏れることを抑制できるのであれば、壁体部材8は、ランプハウジング4に形成された開口の一部を覆うものであってもよい。
【0071】
・発光管31が発する熱及び紫外線に起因するケーブル36の劣化を抑制することができ、かつ、ケーブル36が発光管31に接触しないようにすることができるのであれば、壁体部材8の形状を適宜変更してもよい。即ち、壁体部材8の形状を、例えば、ランプハウジング4の内部における発光管31の位置、ランプハウジング4の形状、コネクタ37が設けられる位置、ランプハウジング4に設けられる開口の位置に応じて変更してもよい。
【0072】
・上記実施形態においては、ランプ3及びコネクタ37が設けられるランプホルダは、ランプ3を内部に収容する箱形のランプハウジング4であったが、ランプホルダは箱形に限定されない。即ち、ランプホルダは、ランプ3を収容するものでなくてもよい。
【0073】
・投写型映像表示装置は、液晶パネルに光を透過させることにより映像を生成するプロジェクタ1に限定されない。例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を用いて光を選択的に反射させることにより映像を生成するプロジェクタに本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0074】
1…プロジェクタ(投写型映像表示装置)、2…ランプユニット、3…ランプ、4…ランプハウジング(ランプホルダ)、5…外枠部材、7…ランプ保持用金具、8…壁体部材、8a…ねじ、9…ファン、10…筐体、31…発光管、32…リフレクタ、33…発光管支持部材、34…カバーガラス、35…通気口、36…ケーブル、37…コネクタ、37a…ねじ、41…右側壁部、41c…開口、41d…溝、41e…貫通孔、42…右側壁部、43…上側壁部、43c…開口、43d…ねじ穴、44…後側壁部、45…前側壁部、46…コネクタ固定部、47…基板載置部、81…壁部、81a…前端、82…掛止部、83…当接部、84…貫通孔、85…突起、86…掛止突起、87…突起、88…掛止部。
【技術分野】
【0001】
本願発明は、発光管を含むランプと、ランプに電力を供給するためにランプに接続されたケーブルと、ケーブルに取り付けられているコネクタと、ランプ及びコネクタが設けられるランプホルダとを備えるランプユニット、及びこれを備える投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、投写型映像表示装置であるプロジェクタは、発光管を含むランプ、ランプを保持するランプホルダ、及びランプに接続されたケーブルに取り付けられるとともにランプホルダに設けられているコネクタ等により構成されたランプユニットを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載される投写型映像表示装置であるプロジェクタにおいては、コネクタケーブルを備えるコネクタと、光源ランプと、リフレクタと、ランプハウジングとを備えた光源装置が開示されている。そして、特許文献1に記載のプロジェクタにおいては、ランプハウジングが備えるコネクタ固定部にコネクタが収納されて、同ランプハウジングが備える端子固定部にコネクタケーブルがネジ止め固定されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−287812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ランプとコネクタとを接続するケーブルは、コネクタの配置の自由度を向上させるために、また、ランプまたはコネクタをランプホルダに設ける作業を容易なものとするためには、柔軟で長いケーブルであることが好ましい。
【0006】
しかしながら、柔軟で長いケーブルは、発光管に接触してしまうおそれがある。また、ケーブルが発光管に接触しないように、結束バンドを用いてケーブルを束ねて固定することも知られているが、発光管が発する熱及び紫外線によりケーブル及び結束バンドが劣化してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光管が発する熱及び紫外線に起因するケーブルの劣化を抑制することができ、かつ、ケーブルが発光管に接触しないようにすることができるランプユニット及びこれを備える投写型映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、発光管を含むランプと、前記ランプに電力を供給するために前記ランプに接続されたケーブルと、前記ケーブルに取り付けられているコネクタと、前記ランプ及び前記コネクタが設けられるランプホルダとを備えるランプユニットであって、前記ランプホルダと前記発光管との間の空間を区切る壁体部材が設けられ、前記ケーブルが、前記壁体部材と前記ランプホルダとの間の空間に設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、ランプホルダと発光管との間の空間を区切る壁体部材が設けられ、ケーブルが、壁体部材とランプホルダとの間の空間に設けられている。従って、壁体部材により、発光管が発する熱及び紫外線に起因するケーブルの劣化を抑制することができ、かつ、ケーブルが発光管に接触しないようにすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のランプユニットにおいて、前記ランプホルダに対して着脱可能な前記壁体部材が、前記ランプホルダに対して固定されていることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、ランプホルダに対して着脱可能な壁体部材が、ランプホルダに対して固定されている。このため、壁体部材がランプホルダから取り外されないようにすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のランプユニットにおいて、前記ランプホルダは、前記ランプが内部に収容されるランプハウジングであって、前記ランプハウジングには、このランプハウジングを貫通する開口が設けられ、前記壁体部材により、前記開口の少なくとも一部が覆われていることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、壁体部材により、ランプハウジングに設けられた開口の少なくとも一部が覆われている。このため、発光管が発した光が、開口を通してランプハウジングの内部から外部に漏れることを抑制することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のランプユニットを備え、前記ランプを映像表示用の光源として用いることを特徴とする。
上記構成によれば、投写型映像表示装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のランプユニットを備え、ランプを映像表示用の光源として用いる。このため、ランプの寿命が尽きて点灯ができなくなったときには、ランプユニットを交換することにより、点灯可能なランプに交換することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の投写型映像表示装置において、気流を生じさせるファンを備え、前記壁体部材が、前記ファンにより生じる前記気流の流路を形成することを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、投写型映像表示装置は、気流を生じさせるファンを備え、壁体部材が、ファンにより生じる気流の流路を形成する。このため、壁体部材が設けられていない場合に比べて、ケーブルを効果的に冷却することができる。特に、請求項3に記載される発明のようにランプホルダであるランプハウジングに開口が設けられている場合には、ランプハウジングの内部は高温であるため、開口を通してランプハウジングの外部から内部に気体を流入させることにより、ケーブルをより効果的に冷却することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の投写型映像表示装置において、前記壁体部材が前記ランプの冷却効率を向上させるものであることを特徴とする。
上記構成によれば、壁体部材がランプの冷却効率を向上させるものであるため、壁体部材がランプホルダに設けられていない場合に比べて、ランプを効果的に冷却することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、壁体部材により、発光管が発する熱及び紫外線に起因するケーブルの劣化を抑制することができ、かつ、ケーブルが発光管に接触しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る投写型映像表示装置であるプロジェクタを示す斜視図。
【図2】(a)及び(b)は、同実施形態に係るプロジェクタが備えるランプユニットを示す斜視図。
【図3】(a)及び(b)は、同実施形態に係るランプユニットに含まれるランプを示す斜視図。
【図4】(a)及び(b)は。同実施形態に係るランプホルダであるランプハウジングを示す斜視図。
【図5】同実施形態に係るランプハウジングを示す図であって、(a)は平面図、(b)及び(c)は側面図、(d)は下面図。
【図6】同実施形態に係るランプハウジングにランプ保持用金具が設けられた状態を示す斜視図。
【図7】同実施形態に係るランプ保持用金具によりランプの固定が保持された状態を示す斜視図。
【図8】同実施形態に係るランプハウジングに対する外枠部材の取り付けを説明するための斜視図。
【図9】同実施形態に係るランプハウジングに設けられる壁体部材を示す斜視図。
【図10】同実施形態に係るランプハウジングに対する壁体部材の取り付けを説明するための斜視図。
【図11】同実施形態に係るランプユニットを示す下面図。
【図12】同実施形態に係るランプユニットの一部を断面で示す断面図であって、図11におけるA−A線で示す部分の断面図。
【図13】同実施形態に係るプロジェクタにおいて、ケーブルを冷却する気流を説明するための模式断面図。
【図14】本発明の変形例に係る壁体部材を示す斜視図。
【図15】同変形例に係る壁体部材がランプハウジングに取り付けられた状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上方及び下方を含む上下方向は、図中において矢印Zが示す方向であって、上下方向は鉛直方向に限定されない。また、上下方向に直交する前方及び後方を含む前後方向を、図中において矢印Xで示すとともに、上下方向及び前後方向に直交する右方及び左方を含む左右方向を、図中において矢印Yで示す。
【0021】
図1(a)及び(b)に示すように、プロジェクタ1は、電子部品や光学部品等を内蔵する筐体10を備えた投写型映像表示装置であって、スクリーンや壁等に映像を投写して表示する。筐体10には、筐体10の内部を開放及び閉鎖するランプカバー11が設けられている。
【0022】
開閉するランプカバー11は、図1(a)に示す閉状態と、図1(b)に示す開状態とに遷移する。図1(b)に示すように、筐体10の内部にはランプユニット2が設けられる。ランプカバー11が開状態となることにより、筐体10の内部に設けられたランプユニット2を取り外すこと、及び、筐体10の内部にランプユニット2を取り付けることができる。即ち、ランプユニット2が交換できるように構成されている。
【0023】
図2(a)及び(b)に示すように、ランプユニット2に含まれるランプ3は、箱形のランプハウジング4に収容される。図3に、図2に示したランプハウジング4の図示を省略して、ランプ3の斜視図を示す。また、図4及び図5に、ランプハウジング4のみを図示する。
【0024】
図3(a)及び(b)に示すように、映像表示用の光源であるランプ3は、放電により発光する発光管31と、発光管31が発した光を前方に反射するリフレクタ32と、発光管31を支持する発光管支持部材33と、リフレクタ32の前側端部に設けられたカバーガラス34とを備える放電ランプである。
【0025】
発光管31には、例えば水銀、及びハロゲンガスまたはハロゲン化物の混合物である発光体が封入されている。ランプ3に供給される電力により、発光管31に封入された発光体に高電圧が付加されて、発光管31の内部で絶縁破壊が生じることによって放電が発生する。このようにして発光管31の内部で放電が発生することにより、ランプ3の発光管31が光を発する。発光管31は前後方向に延びた形状を有している。発光管31の一部はリフレクタ32に挿入されて、発光管31の中央部及び前側端部がリフレクタ32の内部に設けられ、発光管31の後側端部はリフレクタ32の外部に設けられている。
【0026】
リフレクタ32は、発光管31が発した光を反射する反射鏡であって、発光管31を覆うように設けられている。リフレクタ32の内部において発光管31が発した光は、リフレクタ32が有する内側表面32aによって前方に反射される。内側表面32aは、例えば回転放物面や回転楕円面等により形成された面である。一方、リフレクタ32の外部において発光管31が発した光、即ち、発光管31の後側端部が発した光は、前方に反射されずにランプ3の後方に出射される。
【0027】
発光管支持部材33は、リフレクタ32の外部であって、リフレクタ32の後側端部に設けられている。発光管支持部材33が発光管31の後側端部を支持することにより、リフレクタ32に対する発光管31の固定が保持されている。
【0028】
リフレクタ32の前側端面に設けられたカバーガラス34は、リフレクタ32とともに発光管31を覆うように設けられている。発光管31の前方に設けられたカバーガラス34により、発光管31が破裂した場合であって、発光管31の破片が飛散することが抑制されている。また、図3(a)に示すように、リフレクタ32の前端の一部は、後方に窪ませて設けられ、カバーガラス34と後方に窪んだリフレクタ32の前端とにより通気口35が形成されている。本実施形態においては、ランプ3の上下左右に通気口35が設けられている。
【0029】
ランプ3には、図1に示す筐体10の内部に設けられた電源回路(図示略)からランプ3に電力を供給するための複数本のケーブル36が接続されている。ケーブル36は、例えば、図3(a)に示すようにランプ3のリフレクタ32にねじ止めにより接続されるとともに、図3(b)に示すようにランプ3の発光管支持部材33にねじ止めにより接続されている。ケーブル36は、電線と、この電線を被覆する絶縁材とにより構成された柔軟なコードである。ケーブル36の一端はランプ3に接続されるとともに、ケーブル36の他端にはコネクタ37が取り付けられている。コネクタ37が、図2に示すランプハウジング4の所定の位置に対して固定されるように、ケーブル36は十分な長さを有している。
【0030】
コネクタ37は、筐体10の内部にランプユニット2が取り付けられることにより、図1に示す筐体10の内部に設けられたコネクタ(図示略)と接続される。このようにして、筐体10の内部に設けられた電源回路とケーブル36とが電気的に接続されて、電源回路からケーブル36を介してランプ3に発光管31が放電するための電力が供給可能となる。なお、図中において、放電を生じさせるために発光管31の内部に設けられた電極、及びこの電極とケーブル36を構成する電線とを接続する電極線の図示は省略されている。
【0031】
図4(a)及び(b)に示すように、図3に示すランプ3が収容されるランプハウジング4は、ランプ3の左右方向及び上方及び後方を覆うように形成されている。即ち、ランプハウジング4は、左右方向において間隔を空けて設けられた右側壁部41及び左側壁部42と、右側壁部41及び左側壁部42の各々の上側端部を接続する上側壁部43と、図4(b)に示す、右側壁部41及び左側壁部42及び上側壁部43の各々の後側端部を接続する後側壁部44とを有している。また、ランプハウジング4は、右側壁部41及び左側壁部42及び上側壁部43の各々の前側端部を接続するとともに、開口45aが形成された前側壁部45を有している。開口45aは、ランプハウジング4の内部に収容されたランプ3が発する光を、ランプハウジング4の内部から外部に通すための開口である。
【0032】
図5を参照しながら、ランプハウジング4が有する壁部41〜45の各々を説明する。
図5(c)に示すように、右側壁部41の前側端部には、ランプハウジング4を貫通する通気用開口41a及び金具掛止用開口41bが形成されている。また、右側壁部41の後側端部には開口41cが形成されている。そして、右側壁部41には、右側壁部41の下端の一部を窪ませて形成された溝41dが形成されている。また、図5(b)に示すように、左側壁部42には、右側壁部41と同様に、ランプハウジング4を貫通する通気用開口42a及び金具掛止用開口42bが形成されている。
【0033】
図5(a)に示すように、上側壁部43には、ランプユニット2の交換作業を行う作業者がランプハウジング4を掴みやすいように把持部43aが形成されている。図5(b)に示すように、把持部43aは、ランプハウジング4の一部を上方に突出させて設けられている。また、上側壁部43の前側端部には、外枠掛止用突起43bが形成されている。そして、上側壁部43の後側端部には、ランプハウジング4を貫通する開口43cが形成されている。また、図5(d)に示すように、ランプハウジング4の内部において、上側壁部43の後側端部には、ねじ穴43dが形成されている。
【0034】
図5(d)に示すように、後側壁部44及び前側壁部45は、前後方向において間隔を空けて設けられている。前側壁部45にはランプ3の前端が押しつけられる。後側壁部44は、ランプハウジング4にランプ3が収容されたときであっても、ランプ3の後側端部と間隔が空くように設けられている。具体的には、ランプユニット2の組み立て作業を行う作業者が、その手やドライバをランプ3と後側壁部44との間に入れることができるように構成されている。
【0035】
また、図5(a)に示すように、ランプハウジング4の右側端部かつ後側端部には、コネクタ固定部46が設けられるとともに、ランプハウジング4の左側端部かつ後側端部には、基板載置部47が設けられている。コネクタ固定部46の内部は、開口41cを介してランプハウジング4の内部と連続している。また、コネクタ固定部46及び基板載置部47の内部は、上下方向において開口している。
【0036】
以上のように構成されたランプハウジング4は、その内部においてランプ3が固定された状態を保持するランプホルダである。図2(a)に示すように、ランプ3を保持するランプハウジング4の前側端部には、ランプ3の脱落を防止する外枠部材5が設けられる。また、ランプハウジング4の後側端部には、コネクタ固定部46の上側に設けられた開口を覆う開口カバー61がねじ止めにより固定されるとともに、ランプユニット2に係る情報が記憶された回路基板であって基板載置部47に載置されたICチップ62がねじ止めにより固定される。
【0037】
また、図2(b)に示すように、ランプハウジング4の内部において、ランプハウジング4の前側端部とランプ3の前側端部との間には、ランプ3を保持するためのランプ保持用金具7が設けられる。さらに、ランプハウジング4の内部において、ランプハウジング4の後側端部には、壁体部材8が設けられる。
【0038】
以下、図6〜図10を参照しながら、ランプユニット2の組み立て工程の一例を説明する。
図6に示すように、ランプハウジング4には、ランプ3が収容される前に、ランプ保持用金具7が設けられる。このとき、ランプ保持用金具7の一部が、図5(c)及び(b)に示した金具掛止用開口41b,42bに引っ掛けられることにより、ランプハウジング4に対してランプ保持用金具7が固定される。
【0039】
次に、図7に示すように、ランプ保持用金具7が固定されたランプハウジング4に、ランプ3を下方から入れる。ランプハウジング4に入れられたランプ3のリフレクタ32は、板ばねとして構成されたランプ保持用金具7により左右方向に押さえつけられる。また、ランプ3がランプ保持用金具7により適切に押さえつけられた後に、コネクタ37をコネクタ固定部46に設ける。このとき、コネクタ37に接続されたケーブルは、図6に示す開口41cに通される。
【0040】
以上のようにして、ランプハウジング4にランプ3が収容されると、通気用開口42aが、左方から見て、図3に示すランプ3の左側端部に設けられた通気口35に重なる。同様に、図6に示す通気用開口41aが、右方から見て、図3(a)に示すランプ3の右側端部に設けられた通気口35に重なる。
【0041】
図8に示すように、ランプハウジング4にランプ3が収容された後に、外枠部材5を取り付ける。なお、本実施形態においては、外枠部材5をランプハウジング4に取り付けるときには、ランプ3の右側端部及び左側端部に設けられた通気口35に風向板63aを差し込んで風向調整部材63をランプハウジング4に設けた後に、ランプハウジング4に対して外枠部材5を設ける。
【0042】
金属板により形成された風向調整部材63は、通気口35に差し込まれて、ランプ3の内部に向けて延びる風向板63aを含んでいる。本実施形態においては、ランプ3の右側端部に設けられた通気口35と、ランプ3の左側端部に設けられた通気口35とに、それぞれ風向調整部材63が設けられる。従って、右側端部に設けられた通気口35を通してランプ3内に冷却風が流入する場合であっても、左側端部に設けられた通気口35を通してランプ3内に冷却風が流入する場合であっても、発光管31に適切に冷却風を案内することができる。
【0043】
風向調整部材63と同様に金属板により形成された外枠部材5は、左右方向に延びる平板状の基部51と、基部51に対して屈曲させて形成されるとともに基部51の右側端部に接続された右側枠部52と、基部51に対して屈曲させて形成されるとともに基部51の左側端部に接続された左側枠部53とを有している。
【0044】
基部51の前側端部には、基部51に対して上方に屈曲させて形成された四角枠部54が設けられている。四角枠部54の上端が、後方に折り曲げられて形成されることにより、四角枠部54は、ランプハウジング4の上側壁部43の前側端部に設けられた外枠掛止用突起43bに引っ掛かって止められる掛止部54aを有している。
【0045】
図2(b)に示すように、基部51には開口51aが形成されている。この開口51aは、下方から見てランプ3の下側端部に設けられた通気口35と重なる位置に設けられている。また、基部51と同様に、左側枠部53には開口53aが形成されるともに、図2(a)に示すように、右側枠部52にも開口52aが形成されている。開口52aは、右方から見てランプ3の右側端部に設けられた通気口35と重なる位置に設けられている。また、開口53aは、左方から見てランプ3の左側端部に設けられた通気口35と重なる位置に設けられている。
【0046】
開口51a,52a,53aには、それぞれ、格子状に形成された格子部材55が設けられている。格子部材55は、例えば、金属製の網であるメッシュにより形成されて、スポット溶接により外枠部材5に固定されている。このようにして、発光管31が破裂した場合であって、発光管31の破片がランプユニット2の外部に飛散することが抑制されている。
【0047】
図2に示すように、右側枠部52及び左側枠部53は、ねじ56を用いてランプハウジング4に対して固定される。ねじ56により、右側枠部52及び左側枠部53とともに、風向調整部材63がランプハウジング4に対して固定される。ランプハウジング4に外枠部材5を取り付けた後に、図2(a)に示すように、ランプハウジング4に開口カバー61とICチップ62とが設けられる。また、図2(b)に示すように、コネクタ37がねじ37aを用いてランプハウジング4に固定される。
【0048】
そして、図2(b)に示すように、コネクタ37がコネクタ固定部46に設けられた後に、ランプハウジング4に壁体部材8が設けられる。壁体部材8は、例えば、熱遮断性及び紫外線遮断性に優れた樹脂成形体(例えば、液晶ポリマー(LCP))により形成されている。
【0049】
図9に示すように、壁体部材8は、ランプハウジング4の内部を仕切る壁部81と、図5(c)に示した溝41dに引っ掛けられる掛止部82と、図5(d)に示したランプハウジング4の上側壁部43に当たって接する当接部83と、壁体部材8を貫通する貫通孔84と、図5(d)に示した開口43cに差し込まれる突起85とを有している。貫通孔84及び突起85は当接部83に設けられている。また、壁体部材8は、図7に示すケーブル36を引っ掛けることが可能な掛止突起86を有している。
【0050】
図10に示すように、壁体部材8は、当接部83を壁体部材8の上側端部とし、掛止突起86を壁体部材8の前側端部として、ランプ3が設けられるランプハウジング4に取り付けられる。ランプハウジング4への壁体部材8の取り付けは、貫通孔84にねじ8aを差し込むとともにねじ穴43dにねじ8aを嵌め合せることにより行われる。即ち、ランプハウジング4と別体により構成された壁体部材8は、ねじ8aを用いてランプハウジング4に対して固定される。
【0051】
壁体部材8がランプハウジング4に取り付けられたときのランプユニット2の下面図を図11に示す。また、図11におけるランプハウジング4及び壁体部材8のA−A線矢視断面図を図12に示す。
【0052】
図11に示すように、ランプ3の後側端部において露出している発光管31からの光がケーブル36に照射されないように、壁体部材8を覆っている。前後方向に延びる壁部81の前端81aは、ケーブル36に光が照射されないように、ランプハウジング4の内部において露出する発光管31よりも前方に位置している。
【0053】
また、図12に示すように、壁体部材8の下側端部に設けられた鉤状の掛止部82は、ランプハウジング4の下側端部に設けられている溝41dに引っ掛けられる。また、壁体部材8の上側端部に設けられた突起85は、ランプハウジング4に設けられている開口43cに差し込まれている。このようにしてランプハウジング4に取り付けられている壁体部材8が、下方から開口43cを覆うとともに、左方から開口41cを覆っている。
【0054】
上下方向に延びる壁部81は、ランプハウジング4の内部の空間を、左右方向において区切っている。そして、左右方向に平行な断面において、壁体部材8の壁部81よりも右側の空間にケーブル36が設けられて、壁体部材8の壁部81よりも左側の空間に発光管31が設けられている。このように、ランプハウジング4と発光管31との間の空間が、壁体部材8によって区切られて、ケーブル36が、壁体部材8とランプハウジング4の内壁との間の空間に設けられている。
【0055】
以上のように構成されたランプユニット2を備えるプロジェクタ1は、ランプ3を用いて映像を表示する。具体的には、例えば、液晶パネルを備えたプロジェクタ1は、ランプ3が発した光を液晶パネルに透過させることにより映像を生成するとともに、この映像をスクリーン等に投写して表示する。ランプ3の寿命が尽きて点灯できなくなったときには、ランプユニット2を交換することにより、点灯可能なランプ3に交換される。
【0056】
また、本実施形態においては、図13に示すように、図1に示す筐体10の内部において、ランプユニット2の下方にファン9が設けられている。このファン9が駆動することによって、筐体10の内部において気流が生じる。図13において一点鎖線の矢印は、ファン9により生じる気流を示している。
【0057】
ファン9が駆動することにより、ランプハウジング4の内部が負圧となって、開口43cを通してランプハウジング4の外部から内部に気体が流入する。そして、この気体が、壁体部材8に沿って流れることにより、ケーブル36を積極的に冷却する気流が生じる。
【0058】
また、ファン9は、ケーブル36を冷却するためだけに駆動されるものではない。即ち、ファン9は、ランプ3内に流入した冷却風を、ランプ3の下側端部に設けられた通気口35を通してランプ3外に積極的に流出させる。さらに、開口43cを通してランプハウジング4の外部から内部に流入した気体は、その一部がランプ3の後側端部を冷却するようにも流れる。このとき、壁体部材8はランプハウジング4の内部においてランプ3が設けられる空間を形成するものであるため、壁体部材8は、ランプ3の冷却効率の向上に寄与する。
【0059】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ランプユニット2は、発光管31を含むランプ3と、ランプ3に電力を供給するためにランプ3に接続されたケーブル36と、ケーブル36に取り付けられているコネクタ37と、ランプ3及びコネクタ37が設けられるランプホルダであるランプハウジング4とを備えている。そして、ランプハウジング4と発光管31との間の空間を区切る壁体部材8が設けられ、ケーブル36が、壁体部材8とランプハウジング4との間の空間に設けられている。従って、壁体部材8により、発光管31が発する熱及び紫外線に起因するケーブル36の劣化を抑制することができ、かつ、ケーブル36が発光管31に接触しないようにすることができる。
【0060】
(2)ランプハウジング4に対して着脱可能な壁体部材8が、ランプハウジング4に対して固定されている。このため、壁体部材8がランプハウジング4から取り外されないようにすることができる。
【0061】
(3)ランプハウジング4に対して着脱可能な壁体部材8が、ランプハウジング4に対してねじ8aを用いて固定されている。このため、ランプハウジング4に壁体部材8を強固に固定することができる。また、ねじ8aを外すことにより、ランプハウジング4から壁体部材8を取り外すことができる。
【0062】
(4)ランプ3が内部に収容されるランプハウジング4には、ランプハウジング4を貫通する開口41c,43cが設けられ、壁体部材8により、開口41c,43cが覆われている。このため、発光管31が発した光が、開口41c,43cを通してランプハウジング4の内部から外部に漏れることを抑制することができる。
【0063】
(5)投写型映像表示装置であるプロジェクタ1は、ランプユニット2を備え、ランプ3を映像表示用の光源として用いる。このため、ランプ3の寿命が尽きて点灯ができなくなったときには、ランプユニット2を交換することにより、点灯可能なランプ3に交換することができる。
【0064】
(6)プロジェクタ1は、気流を生じさせるファン9を備え、壁体部材8が、ファン9により生じる気流の流路を形成する。このため、壁体部材8が設けられていない場合に比べて、ケーブル36を効果的に冷却することができる。特に、本実施形態においては、ランプハウジング4に開口43cが設けられている。そして、ランプハウジング4の内部は高温であるため、開口43cを通してランプハウジング4の外部から内部に気体を流入させることにより、ケーブル36をより効果的に冷却することができる。
【0065】
(7)壁体部材8はランプハウジング4の内部においてランプ3が設けられる空間を形成するものであって、壁体部材8がランプ3の冷却効率を向上させるものであるため、壁体部材8がランプハウジング4に設けられていない場合に比べて、ランプ3を効果的に冷却することができる。
【0066】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせて実施してもよい。
【0067】
・例えば図14に示すように、壁体部材8の形状を適宜変更してもよい。図14に示す壁体部材8は、鉤状の掛止部82に代えて突起87を有するとともに、突起85に代えて鉤状の掛止部88を有している。このような壁体部材8であっても、上記実施形態と同様にして、ランプハウジング4に壁体部材8を設けることができる。
【0068】
さらに、図15に示すように、ランプハウジング4の形状を適宜変更してもよい。図15に示す右側壁部41には、図12に示す溝41dに代えて、ランプハウジング4を貫通する貫通孔41eが設けられている。また、図15においては、貫通孔41eに上記変形例に係る突起87が差し込まれるとともに、開口43cに上記変形例に係る掛止部88が引っ掛けられている。
【0069】
即ち、ランプハウジング4に対する壁体部材8を取り付けるための構造は適宜変更してもよい。また、ランプハウジング4に対して壁体部材8を固定することができるのであれば、ねじ8aを用いなくてもよい。
【0070】
・上記実施形態においては、発光管31が発した光がランプハウジング4外部に漏れることを防止するために、壁体部材8が開口41c,43cを覆っていたが、発光管31が発した光がランプハウジング4の外部に漏れることを抑制できるのであれば、壁体部材8は、ランプハウジング4に形成された開口の一部を覆うものであってもよい。
【0071】
・発光管31が発する熱及び紫外線に起因するケーブル36の劣化を抑制することができ、かつ、ケーブル36が発光管31に接触しないようにすることができるのであれば、壁体部材8の形状を適宜変更してもよい。即ち、壁体部材8の形状を、例えば、ランプハウジング4の内部における発光管31の位置、ランプハウジング4の形状、コネクタ37が設けられる位置、ランプハウジング4に設けられる開口の位置に応じて変更してもよい。
【0072】
・上記実施形態においては、ランプ3及びコネクタ37が設けられるランプホルダは、ランプ3を内部に収容する箱形のランプハウジング4であったが、ランプホルダは箱形に限定されない。即ち、ランプホルダは、ランプ3を収容するものでなくてもよい。
【0073】
・投写型映像表示装置は、液晶パネルに光を透過させることにより映像を生成するプロジェクタ1に限定されない。例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を用いて光を選択的に反射させることにより映像を生成するプロジェクタに本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0074】
1…プロジェクタ(投写型映像表示装置)、2…ランプユニット、3…ランプ、4…ランプハウジング(ランプホルダ)、5…外枠部材、7…ランプ保持用金具、8…壁体部材、8a…ねじ、9…ファン、10…筐体、31…発光管、32…リフレクタ、33…発光管支持部材、34…カバーガラス、35…通気口、36…ケーブル、37…コネクタ、37a…ねじ、41…右側壁部、41c…開口、41d…溝、41e…貫通孔、42…右側壁部、43…上側壁部、43c…開口、43d…ねじ穴、44…後側壁部、45…前側壁部、46…コネクタ固定部、47…基板載置部、81…壁部、81a…前端、82…掛止部、83…当接部、84…貫通孔、85…突起、86…掛止突起、87…突起、88…掛止部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管を含むランプと、
前記ランプに電力を供給するために前記ランプに接続されたケーブルと、
前記ケーブルに取り付けられているコネクタと、
前記ランプ及び前記コネクタが設けられるランプホルダとを備えるランプユニットであって、
前記ランプホルダと前記発光管との間の空間を区切る壁体部材が設けられ、前記ケーブルが、前記壁体部材と前記ランプホルダとの間の空間に設けられている
ことを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
前記ランプホルダに対して着脱可能な前記壁体部材が、前記ランプホルダに対して固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載のランプユニット。
【請求項3】
前記ランプホルダは、前記ランプが内部に収容されるランプハウジングであって、
前記ランプハウジングには、このランプハウジングを貫通する開口が設けられ、
前記壁体部材により、前記開口の少なくとも一部が覆われている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のランプユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のランプユニットを備え、前記ランプを映像表示用の光源として用いることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項5】
気流を生じさせるファンを備え、
前記壁体部材が、前記ファンにより生じる前記気流の流路を形成する
ことを特徴とする請求項4に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
前記壁体部材が前記ランプの冷却効率を向上させるものであることを特徴とする請求項4または5に記載の投写型映像表示装置。
【請求項1】
発光管を含むランプと、
前記ランプに電力を供給するために前記ランプに接続されたケーブルと、
前記ケーブルに取り付けられているコネクタと、
前記ランプ及び前記コネクタが設けられるランプホルダとを備えるランプユニットであって、
前記ランプホルダと前記発光管との間の空間を区切る壁体部材が設けられ、前記ケーブルが、前記壁体部材と前記ランプホルダとの間の空間に設けられている
ことを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
前記ランプホルダに対して着脱可能な前記壁体部材が、前記ランプホルダに対して固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載のランプユニット。
【請求項3】
前記ランプホルダは、前記ランプが内部に収容されるランプハウジングであって、
前記ランプハウジングには、このランプハウジングを貫通する開口が設けられ、
前記壁体部材により、前記開口の少なくとも一部が覆われている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のランプユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のランプユニットを備え、前記ランプを映像表示用の光源として用いることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項5】
気流を生じさせるファンを備え、
前記壁体部材が、前記ファンにより生じる前記気流の流路を形成する
ことを特徴とする請求項4に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
前記壁体部材が前記ランプの冷却効率を向上させるものであることを特徴とする請求項4または5に記載の投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−83622(P2012−83622A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230903(P2010−230903)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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