ランプユニット
【課題】良好な操作性を確保しつつ小型化を実現すると共に、光量の調節を行うこと。
【解決手段】光源として用いられるLED素子6が実装されると共に抵抗パターン4及び配線パターン5が形成されたプリント配線基板2と、このプリント配線基板2上の抵抗パターン4と配線パターン5とを接続する端子7を下面に備えるランプカバー3とを備える。ランプカバー3に対する回転操作に応じて回路中の抵抗値を変化させることで、LED素子6に印加される電圧を変化させ、LED素子6における光量を変化させる。
【解決手段】光源として用いられるLED素子6が実装されると共に抵抗パターン4及び配線パターン5が形成されたプリント配線基板2と、このプリント配線基板2上の抵抗パターン4と配線パターン5とを接続する端子7を下面に備えるランプカバー3とを備える。ランプカバー3に対する回転操作に応じて回路中の抵抗値を変化させることで、LED素子6に印加される電圧を変化させ、LED素子6における光量を変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプユニットに関し、特に、光源としてLED素子を利用するランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両室内には、各種の室内灯が配設されている。このような車両用室内灯は、限られた室内空間を有効に活用するために小型化が要請されると共に、車両運転者が操作する必要があることから操作性も要請され、また、安全に継続して使用可能であることも当然に要請される。このような要請に対応するため、接点から電球が外れないようにして安全な使用を確保すると共に、断熱板を設けて電球の発熱による影響を受けないようにして本体ケースの小型化を確保するランプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような車両用室内灯におけるランプは、一般に、筐体、バルブ電球、ランプカバー(レンズ)、プリント回路基板(PCB)及びコネクタなどで構成され、その点灯制御は一般にバルブ電球の近傍に設けられたスイッチのオン/オフを切り替えることで行われる。また、ランプカバー自体を押し込み、筐体内に設けられたスイッチのオン/オフを切り替えることで点灯制御を行うものも知られている。
【特許文献1】特開2001−105972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両用室内灯においては、光源として用いられるバルブ電球の寿命が短いため、当該車両を長期間使用する場合には交換が必要となる。また、点灯時における発熱量が大きいことから、ランプカバーが過度に加熱されることを回避するため、バルブ電球とランプカバーとの間隔を十分に確保する必要がある。
【0005】
一方、車両室内で必要とする光量は、室内で行う行為や室内に居る人の状態などに応じて変化する。例えば、車両室内で睡眠を取っている人がいる状況下において探し物などを行う場合、室内灯による光量は最低限のものがあれば良い。しかしながら、従来の車両用室内灯においては一種類の光量でしか室内を照明することができないのが実情である。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、良好な操作性を確保しつつ小型化を実現すると共に、光量の調節を行うことができるランプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のランプユニットは、光源として用いられるLED素子と、回転可能に設けられたランプカバーと、前記ランプカバーの回転に応じて前記LED素子に印加される電圧を変化させる電圧可変手段と、を具備する構成とした。
【0008】
このように構成されたランプユニットによれば、LED素子を光源として用いると共に、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を変化させることから、従来、光源としてバルブ電球が用いられていた際に必要となった交換作業の機会を低減できる。また、光源からの発熱量が低減されるので、ランプカバーとの距離を短縮すると共に、ランプカバーを直接触って操作することが可能となる。このため、ランプユニット自体の小型化を図ると共に、別途設けられたスイッチを操作するよりも感覚的な操作を行うことが可能となる。さらに、ランプカバーの回転に応じてLED素子の光量を変化させることができるので、使用者の必要に応じた光量で照明することが可能となる。
【0009】
また、本発明のランプユニットにおいて、電圧可変手段は、LED素子に直接又は間接的に接続される抵抗及びこの抵抗に接触する接点を備え、ランプカバーの回転に応じて抵抗に対する接点の接触位置を変更することでLED素子に印加される電圧を変化させる。これにより、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を変化させるので、ランプカバーを回転操作して容易にLED素子における光量を変化させることが可能となる。
【0010】
また、本発明のランプユニットは、ランプカバーに対向配置され、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを保持する保持部材を具備する構成を採る。この構成によれば、ランプカバーに対向配置される保持部材で、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せをするので、保持部材が保持する要素以外の要素をランプカバーで保持することで、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を簡単に変化させることが可能となる。
【0011】
また、本発明のランプユニットにおいて、ランプカバーは、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを保持部材に向けて保持する構成を採る。この構成によれば、ランプカバーでLED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを保持部材に向けて保持するので、ランプカバーが保持する要素以外の要素を保持部材で保持することで、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を簡単に変化させることが可能となる。
【0012】
なお、本発明のランプユニットにおいて、保持部材を、プリント基板で構成することで、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを簡単に実装又は形成することが可能となる。また、保持部材を、抵抗が抵抗パターンとして印刷されたフィルムが転写された筐体で構成することで、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを簡単に実装又は形成することが可能となる。特に、抵抗の形成が容易となる。
【0013】
特に、本発明のランプユニットは、車両用室内灯に好適に用いられる。すなわち、本発明のランプユニットは、LED素子を光源として用いると共に、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を変化させることから、車両用室内灯に要求される、交換作業の機会の低減、ユニット自体の小型化、良好な操作性を実現すると共に、光量の調節を行うことが可能であるため、車両用室内灯に好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るランプユニットによれば、良好な操作性を確保しつつ小型化を実現すると共に、光量の調節を行うことができるランプユニットを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。例えば、本発明に係るランプユニットは、車両用室内灯に好適に用いられる。
【0016】
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係るランプユニット1の構造の一例を示す図であり、図1は、ランプユニット1のランプカバーを取り付ける前の状態について示し、図2は、ランプユニット1のランプカバーを取り付けた後の状態について示している。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態に係るランプユニット1は、所定位置にLED素子、抵抗及び配線が配置されたプリント配線基板(以下、「基板」という)2と、この基板2に向けて取り付けられた端子を備えるランプカバー3と、基板2及びランプカバー3を支持する筐体(図示せず)を組み合わせて構成されている。なお、後述するように、ランプカバー3を基板2に対して回転可能に取り付けることができれば良く、筐体は必ずしも必要な構成要素ではない。
【0018】
基板2には、予め定められた抵抗パターン4及び配線パターン5を印刷することで形成されている。そして、この抵抗パターン4及び配線パターン5が形成された基板2に光源として用いられるLED素子6が実装されている。これら抵抗パターン4、配線パターン5及びLED素子6は、配線パターン5の一部を除き、ランプカバー3が取り付けられる位置の下方側に配置されている(図2参照)。
【0019】
LED素子6は、ランプカバー3の中央付近に対応する基板2上の位置に実装されている。抵抗パターン4は、上方から見た場合にC字形状を有し、その内側部分にLED素子6が配置されている。配線パターン5は、抵抗パターン4の一端とLED素子6とを接続する部分5aと、LED素子6と外部に配設された不図示の電源(外部電源)とを接続する部分5bと、抵抗パターン4の外側に抵抗パターン4よりも大きいC字形状を有すると共に、その一端と外部電源とを接続する部分5cとを有している。ランプカバー3に取り付けられた端子が抵抗パターン4と配線パターン5の部分5cとを接続することでLED素子6に電圧が印加されるように構成されている。
【0020】
ランプカバー3は、基板2から僅かに離間した位置で筐体に回転可能に取り付けられる。ランプカバー3は、基板2に対向する下面を有し、下面の所定位置に端子7が取り付けられている。ランプカバー3が筐体に取り付けられた状態で、基板2上に形成された抵抗パターン4と配線パターン5とが端子7により接続されている。端子7は、それぞれ抵抗パターン4及び配線パターン5に接触する接点7a,7bを備える(図2参照)。
【0021】
図3は、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7周辺の拡大図である。図3に示すように、端子7は、基板2に向けて僅かに突出した接点7a,7bを備えている。ランプカバー3の停止位置に応じて接点7aが抵抗パターン4と接触する一方、接点7bが配線パターン5に接触する。なお、ランプカバー3の下面は、接点7aなどの抵抗パターン4などとの接触に関わらず、基板2から僅かに離間した位置に配置されている。
【0022】
ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7を介して抵抗パターン4と配線パターン5とを接続することで回路が形成される。図4は、このようにして形成される本ランプユニット1の回路構成を示す図である。図4に示すように、本ランプユニット1は、LED素子6と抵抗パターン4とが直列接続され、ランプカバー3(端子7)の位置に応じて導通状態/非導通状態が切り替えられると共に、回路中の抵抗値が変化するように構成されている。そして、回路中の抵抗値が変化することで、LED素子6に印加される電圧が変化し、LED素子6における光量が変化することとなる。言い換えると、ランプカバー3に対する回転操作により回路上の可変抵抗の抵抗値を変化させることによってLED素子6に印加される電圧を変化させ、LED素子6における光量を変化させている。
【0023】
上述のように、ランプカバー3は、筐体に回転可能に取り付けられる。回転可能に取り付けることができれば、筐体へ取り付けられる態様はいかなる態様であっても良い。また、筐体へ取り付けるに際して、ランプカバー3の形状に変更を加えるようにしても良い。
【0024】
図5は、ランプカバー3を回転可能に支持する筐体の一例を示す模式図である。図5においては、図1に示すランプカバー3の下面近傍に周方向に延出形成された側縁部3aを設けた場合について示している。
【0025】
図5に示すように、筐体8には、その底面部に基板2を収容する収容部8aと、この収容部8aから一定間隔を空けてランプカバー3の側縁部3aを回転可能に支持する溝部8bとを備えている。溝部8bは、収容部8aに収容された基板2の上面よりも僅かに上方に形成されている。具体的には、溝部8bに側縁部3aが支持された状態で接点7a,7bが基板2上の抵抗パターン4及び配線パターン5(図5に図示せず)と接触するような間隔を空けて溝部8bが形成されている。例えば、このような筐体8に取り付けられることで、ランプカバー3は回転可能に構成される。
【0026】
次に、ランプカバー3を回転させた場合のLED素子6における光量の変化について説明する。図6は、ランプカバー3を回転させた場合のLED素子6における光量の変化について説明するための図である。
【0027】
図6(a)に示す状態では、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7は、LED素子6から最も近い抵抗パターン4の端部(抵抗パターン4と配線パターン5aとの接続部分)と配線パターン5cの一部とを接続している。端子7がこの状態に配置された場合、回路中の抵抗値が最も小さくなる。このため、LED素子6における光量が最も大きくなり、ランプユニット1は最も明るい状態となる。
【0028】
図6(a)に示す状態からランプカバー3を反時計回り方向に回転させ、図6(b)に示す状態に移行したとする。この場合、ランプカバー3を回転させる過程で回路中の抵抗値は次第に大きくなる。このため、LED素子6の光量は、次第に小さくなっていく。なお、図6(b)に示す状態では、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7は、LED素子6から略中間地点に位置される抵抗パターン4の一部と配線パターン5cの一部とを接続している。
【0029】
図6(b)に示す状態からランプカバー3を更に反時計回り方向に回転させ、図6(c)に示す状態に移行したとする。この場合、ランプカバー3を回転させる過程で回路中の抵抗値は更に次第に大きくなる。このため、LED素子6の光量は、次第に小さくなっていく。図6(c)に示す状態では、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7は、LED素子6から最も離れた抵抗パターン4の端部と配線パターン5cの一部とを接続している。端子7がこの状態に配置された場合、回路中の抵抗値が最も大きくなる。このため、LED素子6の光量が最も小さくなり、ランプユニット1は最も暗い状態となる。
【0030】
図6(c)に示す状態からランプカバー3を更に反時計回り方向に回転させ、図6(d)に示す状態に移行したとする。図6(d)に示す状態では、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7は、抵抗パターン4及び配線パターン5のいずれの部分にも接触しておらず、回路は非導通状態となる。このため、LED素子6には電圧が印加されず、ランプユニット1が消灯した状態となる。
【0031】
本実施の形態に係るランプユニット1では、ランプカバー3を回転操作することでLED素子6における光量を変化させる。ここでは、ランプカバー3を反時計回り方向に回転させ、LED素子6における光量を次第に小さくする場合について示している。しかし、これとは逆にランプカバー3を時計回り方向に回転させ、LED素子6における光量を次第に大きくすることが可能であることは言うまでもない。なお、上述のように反時計回り方向に回転させ、LED素子6における光量を次第に小さくする場合には、消灯状態から直ぐに最も明るい状態に移行させることが可能となる。
【0032】
このように、本実施の形態のランプユニット1においては、基板2上に実装したLED素子6を光源として用いると共に、基板2上に形成された抵抗パターン4と配線パターン5とを接続する端子7を備えるランプカバー3を回転させてLED素子6の光量を変化させる。従って、従来、光源として用いられたバルブ電球と比べて寿命の長いLED素子6を用いるため、光源の交換作業などに要する時間及びコストを低減することが可能となる。また、バルブ電球を使用する場合と比べて光源による発熱量を大幅に低減することができるので、ランプカバー3との距離を短縮すると共に、ランプカバー3を直接触って操作することが可能となる。このため、ランプユニット1自体の小型化を図ると共に、別途設けられたスイッチを操作するよりも感覚的な操作を行うことが可能となる。さらに、ランプカバー3を回転させてLED素子6の光量を変化させるので、使用者の必要に応じた光量で照明することが可能となる。このような優れた効果を得ることができるため、特に、車両用室内灯に好適に用いられる。
【0033】
また、本実施の形態のランプユニット1においては、LED素子6に直接又は間接的に接続される抵抗パターン4及びこの抵抗パターン4に接触する接点7aを含み、ランプカバー3の回転に応じて抵抗パターン4に対する接点7aの接触位置を変更することでLED素子6に印加される電圧を変化させる。これにより、ランプカバー3の回転に応じてLED素子6に印加される電圧を変化させるので、ランプカバー3を回転操作して容易にLED素子6における光量を変化させることが可能となる。
【0034】
なお、本実施の形態のランプユニット1においては、基板2上に抵抗パターン4及び配線パターン5を形成すると共に、LED素子6を実装させる場合について示している。しかし、これに限定されず、例えば、予めフィルム上に印刷された抵抗パターン4及び配線パターン5をインモールド成形によって成形品(例えば、筐体など)に転写して抵抗パターン4及び配線パターン5を形成するようにしても良い。このように変更した場合においても、上述した効果を得ることができる。
【0035】
以上、本発明に係るランプユニット1の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、種々変形することが可能である。上記した実施形態においては、基板2上に抵抗パターン4及び配線パターン5を形成すると共に当該基板2上にLED素子6を実装する一方、ランプカバー3の下面に端子7を取り付けた場合について示しているが、抵抗パターン4、配線パターン5、LED素子6及び端子7の配置及びその組み合わせについては、適宜変形することが可能である。
【0036】
以下、図7〜図11を参照して本実施の形態に係るランプユニット1の他の構造について説明する。図7〜図11は、本実施の形態に係るランプユニット1の他の構造の一例を示す図である。なお、各図においては、ランプユニット1のランプカバーを取り付ける前の状態について示している。また、以下の説明においては、上述の実施の形態に係るランプユニット1(図1に示すランプユニット1)と同様の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0037】
図7に示すランプユニット1は、LED素子6がランプカバー3の下面に取り付けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。基板2上には抵抗パターン4及び配線パターン5のみが形成され、LED素子6には抵抗パターン4に接触する接点7a及び配線パターン5に接触する接点7bが接続されている。ランプカバー3の回転操作に応じた接点7a及び接点7bの配置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化するのは図1に示すランプユニット1と同様である。
【0038】
図8に示すランプユニット1は、抵抗パターン4及び配線パターン5がランプカバー3の下面に形成されると共に、LED素子6がランプカバー3の下面に取り付けられ、また、接点7a及び接点7bが基板2上に設けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。図8に示すランプユニット1においては、ランプカバー3の回転操作に応じて基板2上に設けられた接点7a,7bが接触する抵抗パターン4及び配線パターン5の位置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化する。
【0039】
図9に示すランプユニット1は、抵抗パターン4及び配線パターン5がランプカバー3の下面に形成される一方、接点7a及び接点7bが基板2上に設けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。図9に示すランプユニット1においては、ランプカバー3の回転操作に応じて基板2上に設けられた接点7a,7bが接触する抵抗パターン4及び配線パターン5の位置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化する。
【0040】
図10に示すランプユニット1は、LED素子6がランプカバー3の下面に取り付けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。基板2上には抵抗パターン4及び配線パターン5のみが形成され、LED素子6には抵抗パターン4に接触する接点7a及び配線パターン5に接触する接点7bが接続されている。ランプカバー3の回転操作に応じた接点7a及び接点7bの配置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化するのは図1に示すランプユニット1と同様である。
【0041】
図11に示すランプユニット1は、ランプカバー3の下面に、LED素子6が取り付けられると共に、抵抗パターン4が形成され、また、配線パターン5に接触する接点7bのみが取り付けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。基板2上には配線パターン5が形成されると共に、抵抗パターン4に接触する接点7aが設けられている。図11に示すランプユニット1においては、ランプカバー3の回転操作に応じた接点7bの配置と、基板2上に設けられた接点7aが接触する抵抗パターン4の位置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化する。
【0042】
以上説明したいずれの構造を有するランプユニット1においても、LED素子6を光源として用いると共に、ランプカバー3の回転操作に応じてLED素子6の光量を変化させるので、上述のように、光源の交換作業などに要する時間及びコストを低減すること、ランプユニット1自体の小型化を図ると共に感覚的な操作を行うこと、並びに、使用者の必要に応じた光量で照明することが可能となるという優れた効果を得ることが可能となる。
【0043】
また、基板2又はランプカバー3の下面に配置されるLED素子6、抵抗パターン4、配線パターン5及び端子7を任意に組み合わせて本ランプユニット1を構成することができるので、当該ランプユニット1が搭載される対象物やその位置に応じて柔軟に回路設計を行うことが可能となる。
【0044】
特に、基板2とランプカバー3の下面とに配置される要素を選別することで、当該ランプユニット1が搭載される対象物などに最適な回路設計を選択することが可能となり、その対象物なども構成に合わせてランプカバー3の回転に応じてLED素子6に印加される電圧を簡単に変化させることが可能となる。
【0045】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のランプユニットは、LED素子を光源として用いると共に、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を変化させるものであり、良好な操作性を確保しつつ小型化を要求すると共に光量の調節を行うことが必要な車両用室内灯などに好適に用いられ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係るランプユニットの構造の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るランプユニットの構造の一例を示す図である。
【図3】上記実施の形態に係るランプカバーの下面に取り付けられた端子周辺の拡大図である。
【図4】上記実施の形態に係るランプユニットの回路構成を示す図である。
【図5】上記実施の形態に係るランプカバーを回転可能に支持する筐体の一例を示す模式図である。
【図6】上記実施の形態に係るランプカバーを回転させた場合のLED素子における光量の変化について説明するための図である。
【図7】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【図8】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【図9】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【図10】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【図11】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ランプユニット
2 プリント配線基板(基板)
3 ランプカバー
4 抵抗パターン
5 配線パターン
6 LED素子
7 端子
7a,7b 接点
8 筐体
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプユニットに関し、特に、光源としてLED素子を利用するランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両室内には、各種の室内灯が配設されている。このような車両用室内灯は、限られた室内空間を有効に活用するために小型化が要請されると共に、車両運転者が操作する必要があることから操作性も要請され、また、安全に継続して使用可能であることも当然に要請される。このような要請に対応するため、接点から電球が外れないようにして安全な使用を確保すると共に、断熱板を設けて電球の発熱による影響を受けないようにして本体ケースの小型化を確保するランプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような車両用室内灯におけるランプは、一般に、筐体、バルブ電球、ランプカバー(レンズ)、プリント回路基板(PCB)及びコネクタなどで構成され、その点灯制御は一般にバルブ電球の近傍に設けられたスイッチのオン/オフを切り替えることで行われる。また、ランプカバー自体を押し込み、筐体内に設けられたスイッチのオン/オフを切り替えることで点灯制御を行うものも知られている。
【特許文献1】特開2001−105972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両用室内灯においては、光源として用いられるバルブ電球の寿命が短いため、当該車両を長期間使用する場合には交換が必要となる。また、点灯時における発熱量が大きいことから、ランプカバーが過度に加熱されることを回避するため、バルブ電球とランプカバーとの間隔を十分に確保する必要がある。
【0005】
一方、車両室内で必要とする光量は、室内で行う行為や室内に居る人の状態などに応じて変化する。例えば、車両室内で睡眠を取っている人がいる状況下において探し物などを行う場合、室内灯による光量は最低限のものがあれば良い。しかしながら、従来の車両用室内灯においては一種類の光量でしか室内を照明することができないのが実情である。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、良好な操作性を確保しつつ小型化を実現すると共に、光量の調節を行うことができるランプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のランプユニットは、光源として用いられるLED素子と、回転可能に設けられたランプカバーと、前記ランプカバーの回転に応じて前記LED素子に印加される電圧を変化させる電圧可変手段と、を具備する構成とした。
【0008】
このように構成されたランプユニットによれば、LED素子を光源として用いると共に、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を変化させることから、従来、光源としてバルブ電球が用いられていた際に必要となった交換作業の機会を低減できる。また、光源からの発熱量が低減されるので、ランプカバーとの距離を短縮すると共に、ランプカバーを直接触って操作することが可能となる。このため、ランプユニット自体の小型化を図ると共に、別途設けられたスイッチを操作するよりも感覚的な操作を行うことが可能となる。さらに、ランプカバーの回転に応じてLED素子の光量を変化させることができるので、使用者の必要に応じた光量で照明することが可能となる。
【0009】
また、本発明のランプユニットにおいて、電圧可変手段は、LED素子に直接又は間接的に接続される抵抗及びこの抵抗に接触する接点を備え、ランプカバーの回転に応じて抵抗に対する接点の接触位置を変更することでLED素子に印加される電圧を変化させる。これにより、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を変化させるので、ランプカバーを回転操作して容易にLED素子における光量を変化させることが可能となる。
【0010】
また、本発明のランプユニットは、ランプカバーに対向配置され、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを保持する保持部材を具備する構成を採る。この構成によれば、ランプカバーに対向配置される保持部材で、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せをするので、保持部材が保持する要素以外の要素をランプカバーで保持することで、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を簡単に変化させることが可能となる。
【0011】
また、本発明のランプユニットにおいて、ランプカバーは、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを保持部材に向けて保持する構成を採る。この構成によれば、ランプカバーでLED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを保持部材に向けて保持するので、ランプカバーが保持する要素以外の要素を保持部材で保持することで、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を簡単に変化させることが可能となる。
【0012】
なお、本発明のランプユニットにおいて、保持部材を、プリント基板で構成することで、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを簡単に実装又は形成することが可能となる。また、保持部材を、抵抗が抵抗パターンとして印刷されたフィルムが転写された筐体で構成することで、LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを簡単に実装又は形成することが可能となる。特に、抵抗の形成が容易となる。
【0013】
特に、本発明のランプユニットは、車両用室内灯に好適に用いられる。すなわち、本発明のランプユニットは、LED素子を光源として用いると共に、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を変化させることから、車両用室内灯に要求される、交換作業の機会の低減、ユニット自体の小型化、良好な操作性を実現すると共に、光量の調節を行うことが可能であるため、車両用室内灯に好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るランプユニットによれば、良好な操作性を確保しつつ小型化を実現すると共に、光量の調節を行うことができるランプユニットを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。例えば、本発明に係るランプユニットは、車両用室内灯に好適に用いられる。
【0016】
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係るランプユニット1の構造の一例を示す図であり、図1は、ランプユニット1のランプカバーを取り付ける前の状態について示し、図2は、ランプユニット1のランプカバーを取り付けた後の状態について示している。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態に係るランプユニット1は、所定位置にLED素子、抵抗及び配線が配置されたプリント配線基板(以下、「基板」という)2と、この基板2に向けて取り付けられた端子を備えるランプカバー3と、基板2及びランプカバー3を支持する筐体(図示せず)を組み合わせて構成されている。なお、後述するように、ランプカバー3を基板2に対して回転可能に取り付けることができれば良く、筐体は必ずしも必要な構成要素ではない。
【0018】
基板2には、予め定められた抵抗パターン4及び配線パターン5を印刷することで形成されている。そして、この抵抗パターン4及び配線パターン5が形成された基板2に光源として用いられるLED素子6が実装されている。これら抵抗パターン4、配線パターン5及びLED素子6は、配線パターン5の一部を除き、ランプカバー3が取り付けられる位置の下方側に配置されている(図2参照)。
【0019】
LED素子6は、ランプカバー3の中央付近に対応する基板2上の位置に実装されている。抵抗パターン4は、上方から見た場合にC字形状を有し、その内側部分にLED素子6が配置されている。配線パターン5は、抵抗パターン4の一端とLED素子6とを接続する部分5aと、LED素子6と外部に配設された不図示の電源(外部電源)とを接続する部分5bと、抵抗パターン4の外側に抵抗パターン4よりも大きいC字形状を有すると共に、その一端と外部電源とを接続する部分5cとを有している。ランプカバー3に取り付けられた端子が抵抗パターン4と配線パターン5の部分5cとを接続することでLED素子6に電圧が印加されるように構成されている。
【0020】
ランプカバー3は、基板2から僅かに離間した位置で筐体に回転可能に取り付けられる。ランプカバー3は、基板2に対向する下面を有し、下面の所定位置に端子7が取り付けられている。ランプカバー3が筐体に取り付けられた状態で、基板2上に形成された抵抗パターン4と配線パターン5とが端子7により接続されている。端子7は、それぞれ抵抗パターン4及び配線パターン5に接触する接点7a,7bを備える(図2参照)。
【0021】
図3は、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7周辺の拡大図である。図3に示すように、端子7は、基板2に向けて僅かに突出した接点7a,7bを備えている。ランプカバー3の停止位置に応じて接点7aが抵抗パターン4と接触する一方、接点7bが配線パターン5に接触する。なお、ランプカバー3の下面は、接点7aなどの抵抗パターン4などとの接触に関わらず、基板2から僅かに離間した位置に配置されている。
【0022】
ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7を介して抵抗パターン4と配線パターン5とを接続することで回路が形成される。図4は、このようにして形成される本ランプユニット1の回路構成を示す図である。図4に示すように、本ランプユニット1は、LED素子6と抵抗パターン4とが直列接続され、ランプカバー3(端子7)の位置に応じて導通状態/非導通状態が切り替えられると共に、回路中の抵抗値が変化するように構成されている。そして、回路中の抵抗値が変化することで、LED素子6に印加される電圧が変化し、LED素子6における光量が変化することとなる。言い換えると、ランプカバー3に対する回転操作により回路上の可変抵抗の抵抗値を変化させることによってLED素子6に印加される電圧を変化させ、LED素子6における光量を変化させている。
【0023】
上述のように、ランプカバー3は、筐体に回転可能に取り付けられる。回転可能に取り付けることができれば、筐体へ取り付けられる態様はいかなる態様であっても良い。また、筐体へ取り付けるに際して、ランプカバー3の形状に変更を加えるようにしても良い。
【0024】
図5は、ランプカバー3を回転可能に支持する筐体の一例を示す模式図である。図5においては、図1に示すランプカバー3の下面近傍に周方向に延出形成された側縁部3aを設けた場合について示している。
【0025】
図5に示すように、筐体8には、その底面部に基板2を収容する収容部8aと、この収容部8aから一定間隔を空けてランプカバー3の側縁部3aを回転可能に支持する溝部8bとを備えている。溝部8bは、収容部8aに収容された基板2の上面よりも僅かに上方に形成されている。具体的には、溝部8bに側縁部3aが支持された状態で接点7a,7bが基板2上の抵抗パターン4及び配線パターン5(図5に図示せず)と接触するような間隔を空けて溝部8bが形成されている。例えば、このような筐体8に取り付けられることで、ランプカバー3は回転可能に構成される。
【0026】
次に、ランプカバー3を回転させた場合のLED素子6における光量の変化について説明する。図6は、ランプカバー3を回転させた場合のLED素子6における光量の変化について説明するための図である。
【0027】
図6(a)に示す状態では、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7は、LED素子6から最も近い抵抗パターン4の端部(抵抗パターン4と配線パターン5aとの接続部分)と配線パターン5cの一部とを接続している。端子7がこの状態に配置された場合、回路中の抵抗値が最も小さくなる。このため、LED素子6における光量が最も大きくなり、ランプユニット1は最も明るい状態となる。
【0028】
図6(a)に示す状態からランプカバー3を反時計回り方向に回転させ、図6(b)に示す状態に移行したとする。この場合、ランプカバー3を回転させる過程で回路中の抵抗値は次第に大きくなる。このため、LED素子6の光量は、次第に小さくなっていく。なお、図6(b)に示す状態では、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7は、LED素子6から略中間地点に位置される抵抗パターン4の一部と配線パターン5cの一部とを接続している。
【0029】
図6(b)に示す状態からランプカバー3を更に反時計回り方向に回転させ、図6(c)に示す状態に移行したとする。この場合、ランプカバー3を回転させる過程で回路中の抵抗値は更に次第に大きくなる。このため、LED素子6の光量は、次第に小さくなっていく。図6(c)に示す状態では、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7は、LED素子6から最も離れた抵抗パターン4の端部と配線パターン5cの一部とを接続している。端子7がこの状態に配置された場合、回路中の抵抗値が最も大きくなる。このため、LED素子6の光量が最も小さくなり、ランプユニット1は最も暗い状態となる。
【0030】
図6(c)に示す状態からランプカバー3を更に反時計回り方向に回転させ、図6(d)に示す状態に移行したとする。図6(d)に示す状態では、ランプカバー3の下面に取り付けられた端子7は、抵抗パターン4及び配線パターン5のいずれの部分にも接触しておらず、回路は非導通状態となる。このため、LED素子6には電圧が印加されず、ランプユニット1が消灯した状態となる。
【0031】
本実施の形態に係るランプユニット1では、ランプカバー3を回転操作することでLED素子6における光量を変化させる。ここでは、ランプカバー3を反時計回り方向に回転させ、LED素子6における光量を次第に小さくする場合について示している。しかし、これとは逆にランプカバー3を時計回り方向に回転させ、LED素子6における光量を次第に大きくすることが可能であることは言うまでもない。なお、上述のように反時計回り方向に回転させ、LED素子6における光量を次第に小さくする場合には、消灯状態から直ぐに最も明るい状態に移行させることが可能となる。
【0032】
このように、本実施の形態のランプユニット1においては、基板2上に実装したLED素子6を光源として用いると共に、基板2上に形成された抵抗パターン4と配線パターン5とを接続する端子7を備えるランプカバー3を回転させてLED素子6の光量を変化させる。従って、従来、光源として用いられたバルブ電球と比べて寿命の長いLED素子6を用いるため、光源の交換作業などに要する時間及びコストを低減することが可能となる。また、バルブ電球を使用する場合と比べて光源による発熱量を大幅に低減することができるので、ランプカバー3との距離を短縮すると共に、ランプカバー3を直接触って操作することが可能となる。このため、ランプユニット1自体の小型化を図ると共に、別途設けられたスイッチを操作するよりも感覚的な操作を行うことが可能となる。さらに、ランプカバー3を回転させてLED素子6の光量を変化させるので、使用者の必要に応じた光量で照明することが可能となる。このような優れた効果を得ることができるため、特に、車両用室内灯に好適に用いられる。
【0033】
また、本実施の形態のランプユニット1においては、LED素子6に直接又は間接的に接続される抵抗パターン4及びこの抵抗パターン4に接触する接点7aを含み、ランプカバー3の回転に応じて抵抗パターン4に対する接点7aの接触位置を変更することでLED素子6に印加される電圧を変化させる。これにより、ランプカバー3の回転に応じてLED素子6に印加される電圧を変化させるので、ランプカバー3を回転操作して容易にLED素子6における光量を変化させることが可能となる。
【0034】
なお、本実施の形態のランプユニット1においては、基板2上に抵抗パターン4及び配線パターン5を形成すると共に、LED素子6を実装させる場合について示している。しかし、これに限定されず、例えば、予めフィルム上に印刷された抵抗パターン4及び配線パターン5をインモールド成形によって成形品(例えば、筐体など)に転写して抵抗パターン4及び配線パターン5を形成するようにしても良い。このように変更した場合においても、上述した効果を得ることができる。
【0035】
以上、本発明に係るランプユニット1の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、種々変形することが可能である。上記した実施形態においては、基板2上に抵抗パターン4及び配線パターン5を形成すると共に当該基板2上にLED素子6を実装する一方、ランプカバー3の下面に端子7を取り付けた場合について示しているが、抵抗パターン4、配線パターン5、LED素子6及び端子7の配置及びその組み合わせについては、適宜変形することが可能である。
【0036】
以下、図7〜図11を参照して本実施の形態に係るランプユニット1の他の構造について説明する。図7〜図11は、本実施の形態に係るランプユニット1の他の構造の一例を示す図である。なお、各図においては、ランプユニット1のランプカバーを取り付ける前の状態について示している。また、以下の説明においては、上述の実施の形態に係るランプユニット1(図1に示すランプユニット1)と同様の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0037】
図7に示すランプユニット1は、LED素子6がランプカバー3の下面に取り付けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。基板2上には抵抗パターン4及び配線パターン5のみが形成され、LED素子6には抵抗パターン4に接触する接点7a及び配線パターン5に接触する接点7bが接続されている。ランプカバー3の回転操作に応じた接点7a及び接点7bの配置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化するのは図1に示すランプユニット1と同様である。
【0038】
図8に示すランプユニット1は、抵抗パターン4及び配線パターン5がランプカバー3の下面に形成されると共に、LED素子6がランプカバー3の下面に取り付けられ、また、接点7a及び接点7bが基板2上に設けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。図8に示すランプユニット1においては、ランプカバー3の回転操作に応じて基板2上に設けられた接点7a,7bが接触する抵抗パターン4及び配線パターン5の位置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化する。
【0039】
図9に示すランプユニット1は、抵抗パターン4及び配線パターン5がランプカバー3の下面に形成される一方、接点7a及び接点7bが基板2上に設けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。図9に示すランプユニット1においては、ランプカバー3の回転操作に応じて基板2上に設けられた接点7a,7bが接触する抵抗パターン4及び配線パターン5の位置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化する。
【0040】
図10に示すランプユニット1は、LED素子6がランプカバー3の下面に取り付けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。基板2上には抵抗パターン4及び配線パターン5のみが形成され、LED素子6には抵抗パターン4に接触する接点7a及び配線パターン5に接触する接点7bが接続されている。ランプカバー3の回転操作に応じた接点7a及び接点7bの配置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化するのは図1に示すランプユニット1と同様である。
【0041】
図11に示すランプユニット1は、ランプカバー3の下面に、LED素子6が取り付けられると共に、抵抗パターン4が形成され、また、配線パターン5に接触する接点7bのみが取り付けられている点で図1に示すランプユニット1と相違する。基板2上には配線パターン5が形成されると共に、抵抗パターン4に接触する接点7aが設けられている。図11に示すランプユニット1においては、ランプカバー3の回転操作に応じた接点7bの配置と、基板2上に設けられた接点7aが接触する抵抗パターン4の位置に応じて回路中の抵抗値が変化し、LED素子6の光量が変化する。
【0042】
以上説明したいずれの構造を有するランプユニット1においても、LED素子6を光源として用いると共に、ランプカバー3の回転操作に応じてLED素子6の光量を変化させるので、上述のように、光源の交換作業などに要する時間及びコストを低減すること、ランプユニット1自体の小型化を図ると共に感覚的な操作を行うこと、並びに、使用者の必要に応じた光量で照明することが可能となるという優れた効果を得ることが可能となる。
【0043】
また、基板2又はランプカバー3の下面に配置されるLED素子6、抵抗パターン4、配線パターン5及び端子7を任意に組み合わせて本ランプユニット1を構成することができるので、当該ランプユニット1が搭載される対象物やその位置に応じて柔軟に回路設計を行うことが可能となる。
【0044】
特に、基板2とランプカバー3の下面とに配置される要素を選別することで、当該ランプユニット1が搭載される対象物などに最適な回路設計を選択することが可能となり、その対象物なども構成に合わせてランプカバー3の回転に応じてLED素子6に印加される電圧を簡単に変化させることが可能となる。
【0045】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のランプユニットは、LED素子を光源として用いると共に、ランプカバーの回転に応じてLED素子に印加される電圧を変化させるものであり、良好な操作性を確保しつつ小型化を要求すると共に光量の調節を行うことが必要な車両用室内灯などに好適に用いられ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係るランプユニットの構造の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るランプユニットの構造の一例を示す図である。
【図3】上記実施の形態に係るランプカバーの下面に取り付けられた端子周辺の拡大図である。
【図4】上記実施の形態に係るランプユニットの回路構成を示す図である。
【図5】上記実施の形態に係るランプカバーを回転可能に支持する筐体の一例を示す模式図である。
【図6】上記実施の形態に係るランプカバーを回転させた場合のLED素子における光量の変化について説明するための図である。
【図7】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【図8】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【図9】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【図10】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【図11】上記実施の形態に係るランプユニットの他の構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ランプユニット
2 プリント配線基板(基板)
3 ランプカバー
4 抵抗パターン
5 配線パターン
6 LED素子
7 端子
7a,7b 接点
8 筐体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源として用いられるLED素子と、回転可能に設けられたランプカバーと、前記ランプカバーの回転に応じて前記LED素子に印加される電圧を変化させる電圧可変手段と、を具備することを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
前記電圧可変手段は、前記LED素子に直接又は間接的に接続される抵抗と、前記抵抗に接触する接点とを備え、前記ランプカバーの回転に応じて前記抵抗に対する前記接点の接触位置を変更することで前記LED素子に印加される電圧を変化させることを特徴とする請求項1記載のランプユニット。
【請求項3】
前記ランプカバーに対向配置され、前記LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを保持する保持部材を具備することを特徴とする請求項2記載のランプユニット。
【請求項4】
前記ランプカバーは、前記LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを前記保持部材に向けて保持することを特徴とする請求項3記載のランプユニット。
【請求項5】
前記保持部材は、プリント基板で構成されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のランプユニット。
【請求項6】
前記保持部材は、前記抵抗が抵抗パターンとして印刷されたフィルムが転写された筐体で構成されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のランプユニット。
【請求項1】
光源として用いられるLED素子と、回転可能に設けられたランプカバーと、前記ランプカバーの回転に応じて前記LED素子に印加される電圧を変化させる電圧可変手段と、を具備することを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
前記電圧可変手段は、前記LED素子に直接又は間接的に接続される抵抗と、前記抵抗に接触する接点とを備え、前記ランプカバーの回転に応じて前記抵抗に対する前記接点の接触位置を変更することで前記LED素子に印加される電圧を変化させることを特徴とする請求項1記載のランプユニット。
【請求項3】
前記ランプカバーに対向配置され、前記LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを保持する保持部材を具備することを特徴とする請求項2記載のランプユニット。
【請求項4】
前記ランプカバーは、前記LED素子、抵抗及び接点のいずれか又はいずれか2つの組合せを前記保持部材に向けて保持することを特徴とする請求項3記載のランプユニット。
【請求項5】
前記保持部材は、プリント基板で構成されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のランプユニット。
【請求項6】
前記保持部材は、前記抵抗が抵抗パターンとして印刷されたフィルムが転写された筐体で構成されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のランプユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−302512(P2006−302512A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117829(P2005−117829)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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