説明

リアクトル及びリアクトル用ボビン

【課題】組立作業性及び放熱性に優れるリアクトルと、このリアクトルの構築に好適なリアクトル用ボビンとを提供する。
【解決手段】ボビン1は、一対のコイル巻回部を有する環状のコアと、各コイル巻回部に配置される一対のコイルとの間に配置される絶縁部材であり、コイルの両端に当接される一対の枠状部11,12と、各コイル巻回部の外周に配置される外郭部13,14とを具える。外郭部13は、外周面から内周面に貫通する貫通孔13hを有する一対の]状の外郭片13A,13Bを組み合わせた筒状体であり、枠状部11,12に一体成形された成形体である。枠状部11,12のコイル側面は、コイルの端面形状に沿ったテーパ形状である。貫通孔13hにより、コイル巻回部の一部が露出される。枠状部と外郭部とが一体成形体であるため、同時にコアに配置でき、組立作業性がよい。コイル巻回部の一部が露出されることで、放熱性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車などの車載DC-DCコンバータの構成部品などに利用されるリアクトル、及びこのリアクトルに用いられるボビンに関するものである。特に、組立作業性に優れるリアクトルに関する。
【背景技術】
【0002】
モータを駆動源や回生時の発電源に利用するハイブリッド自動車や電気自動車といった車両の車載部品として、電圧の昇降圧動作を行うコンバータがある。
【0003】
コンバータの構成部品として、図4に示すようなリアクトル100がある(特許文献1,2)。リアクトル100は、並列された一対のコイル110a,110bと、各コイル110a,110b内に配置されるコイル巻回部120cを有する環状の磁性コア120と、コイル110a,110bと磁性コア120との間に配置されるボビン130とを具える。磁性コア120は、一対のコイル巻回部120cと、並列されたコイル巻回部120cを挟むように配置される一対の端部コア120eとにより環状に構成される。ボビン130は、コイル巻回部120cの外周を覆う筒状部130tと、コイル110a,110bの端面に当接される一対の枠状部130fとを具える。筒状部130tは、一対の]状片を組み合わせて筒状に形成される。なお、図4(B)では、コイル110a,110bと筒状部130tの一部とを切り欠いた状態を模式的に示す。
【0004】
リアクトル100は、以下の手順で組み立てられる。(1)コイル巻回部120cの外周に]状片を配置して筒状部130tを形成する。(2)この筒状部130tの外周にコイル110a,110bを配置する。(3)コイル110a,110bの端面を枠状部130f及び端部コア120eにより挟むように枠状部130f,端部コア120eを配置する。(4)端部コア120eとコイル巻回部120cとを接合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-028290号公報
【特許文献2】特開2007-116066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のボビンは、筒状部と枠状部とが別部材であるため(特許文献1の図4,特許文献2の図8)、それぞれを磁性コア120に配置する必要があり、組立に時間がかかる上に、部品点数も多い。また、筒状部が]状片の組合体である場合、組立途中にバラバラになり易く、組み立て難い。複数の板片をコイル巻回部に直接貼り付けてボビンを構成する場合(特許文献2)、各板片をコイル巻回部に貼り付けなければならず、時間がかかる上に部品点数が更に多い。
【0007】
また、ボビンは、絶縁性に優れるものの放熱性が低い樹脂で構成されることがある。すると、従来のボビンの筒状部のようにコイル巻回部の外周を完全に覆ってしまう構成では、コアの熱を外部に放出し難く、放熱性に劣る。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、組立作業性及び放熱性に優れるリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記リアクトルの構築に好適なリアクトル用ボビンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ボビンのうち、特に、コイル巻回部の外周に配置される部分の形状を工夫することで上記の目的を達成する。
【0010】
本発明のリアクトル用ボビンは、一対のコイル巻回部を有する環状のコアと、巻線を螺旋状に巻回してなり、各コイル巻回部に配置される一対のコイルとの間に配置されるものであり、上記コイルの両端に当接される一対の枠状部と、上記コイル巻回部の外周に配置される外郭部とを具える。上記外郭部と、少なくとも一方の枠状部とは、一体成形された成形体である。かつ、上記外郭部は、上記コイル巻回部の一部を覆わずに露出させる露出形成箇所を有する。また、上記各枠状部において上記コイルの端面がそれぞれ当接されるコイル側面は、上記コイルの端面形状に沿った形状となるように部分的に厚さを異ならせたテーパ形状とする。なお、本発明のリアクトル用ボビンは、上記コイルが、平角線を具える巻線を螺旋状にエッジワイズ巻きしてなるものに用いられるものとする。
【0011】
また、本発明のリアクトルは、一対のコイル巻回部を有する環状のコアと、各コイル巻回部に配置される一対のコイルと、上記コアと上記コイルとの間に配置されるボビンとを具える。上記各コイルは、平角線を具える巻線を螺旋状にエッジワイズ巻きしてなる。そして、本発明リアクトルは、上記ボビンとして、上記本発明のリアクトル用ボビンを具える。具体的には、上記各ボビンは、上記コイルの両端に当接される一対の枠状部と、上記コイル巻回部の外周に配置される外郭部とを具える。上記外郭部と少なくとも一方の枠状部とは、一体成形された成形体である。上記各枠状部において上記コイルの端面がそれぞれ当接されるコイル側面が、上記コイルの端面形状に沿った形状となるように部分的に厚さを異ならせたテーパ形状である。上記外郭部は、上記コイル巻回部の一部を覆わずに露出させる露出形成箇所を有する。
【0012】
本発明の構成によれば、外郭部と枠状部とが一体成形された成形体であるため、両者を一度にコアに配置することができる。従って、筒状部と枠状部とが別部材である従来のボビンと比較して、本発明の構成は、リアクトルの組立時間を短縮できるため、組立作業性に優れる。また、外郭部と枠状部とが一体成形体であるため、組立途中に外郭部がバラバラになることが無く、この点からも本発明の構成は組立作業性に優れる上に、部品点数も少ない。かつ、本発明の構成によれば、外郭部が露出形成箇所を有することでコイル巻回部の一部が露出されるため、外郭部が放熱性に劣る絶縁材料で構成されていても、コイル巻回部の全周を覆う従来の筒状部と比較して、コアの熱を外部に放出し易く、放熱性に優れる。また、外郭部が露出形成箇所を有することで、外郭部の構成材料を低減でき、材料コストの低減をも図ることができる。更に、本発明の構成によれば、外郭部の露出形成箇所によりコイル巻回部の一部を露出させ、残部を外郭部で覆う構成とすることで、コアとコイルとを絶縁することができる。加えて、枠状部のコイル側面がコイルの端面形状に沿ったテーパ状であることで、コイルと枠状部とが面接触でき、コイルを圧縮した際、枠状部に加わる応力を広い領域で分散して受けられるため、枠状部の厚さを薄くできる。以下、本発明の構成をより詳細に説明する。
【0013】
各枠状部は、板状材に、各コイル巻回部の端面が露出するように、板状材の表面から裏面に貫通する二つのコア孔が設けられた枠状体である。露出したコイル巻回部の端面には、通常、端部コアが接合される。
【0014】
外郭部は、単一の部材でもよいし、複数の外郭片を組み合わせてなる組合部材でもよい。いずれの形態も、外郭部は、枠状部に一体に成形される。
【0015】
前者単一の部材の場合、外郭部は、例えば、外郭部の外周面から内周面に貫通する貫通孔を有する筒状体や切欠を有するC字筒状体が挙げられる。上記貫通孔や切欠により、露出形成箇所が形成される。
【0016】
後者組合部材の場合、全ての外郭片がいずれか一方の枠状部に一体成形された構成、又は一部の外郭片が一方の枠状部に一体成形され、残部の外郭片が他方の枠状部に一体成形された構成とする。即ち、本発明の一形態として、外郭部が、一方の枠状部に一体成形された第一外郭片と、他方の枠状部に一体成形された第二外郭片とを具えた構成とすることができる。
【0017】
上記形態によれば、リアクトルの組み立てにおいてコイル巻回部の外周にコイルを配置する際、一方の枠状部に一体成形された外郭片をコイル巻回部に配置すると、同時に一方の枠状部がコイル巻回部の一端側に配置されるため、この一方の枠状部をコイルのあたり止めに利用でき、コイルをコイル巻回部上に留め易い。次いで、他方の枠状部をコイル巻回部の他端側に配置する際、上記一方の枠状部に一体の外郭片がコイル巻回部とコイルとの間に既に存在することで、コイル巻回部の他端側の少なくとも一部とコイルとの間に隙間が設けられた状態にある。この隙間に他方の枠状部に一体の外郭片を差し入れることで、コイル巻回部に対して他方の枠状部を適切な位置に配置し易い。このため、リアクトルの組立作業性に優れる。
【0018】
上記各外郭片は、例えば、間隔をあけて配置させることで、外郭片間に設けられる隙間により、露出形成箇所を形成することができる。或いは、外郭片のうち、少なくとも一つの外郭片は、その外周面から内周面に貫通する貫通孔を有する構成とすることができる。この場合、貫通孔により露出形成箇所が形成される。貫通孔を有する外郭片は、外郭片の構成材料が比較的多くなることで、外郭部の機械的強度を高められる。
【0019】
本発明の一形態として、外郭部は、複数の棒状の外郭片により構成され、各外郭片は、隙間をあけて配置された構成とすることができる。このとき、上記隙間により露出形成箇所が形成される。
【0020】
この構成によれば、貫通孔を有する場合に比較して、外郭部の構成材料を低減して露出形成箇所を大きくし易いため、放熱性を高め易い上に、材料コストを低減し易い。特に、コイル巻回部が直方体状である場合、棒状の各外郭片は、例えば、コイル巻回部の外周を構成する四面の中央部に配置される構成としてもよいが、この場合、コイル巻回部の角部にコイルが接触する恐れがある。そこで、棒状の各外郭片は、コイル巻回部の四隅にそれぞれ配置されるように構成することが好ましい。この構成によれば、コイル巻回部の角部にコイルが接触しない上に、コイルとコアとの間を確実に離間できるため、コイルとコアとの間の絶縁を確実にとることができる。また、この構成によれば、外郭部に対するコイル巻回部の位置が確実に決められるため、外郭部の外周に配置されるコイルに対するコイル巻回部の位置も確実に位置決めできる。
【0021】
本発明の一形態として、コアとコイルとボビンとの組合体を覆う樹脂部を具える構成とすることができる。このとき、コイル巻回部において、外郭部の露出形成箇所から露出した部分は、上記樹脂部に接触している。
【0022】
上記構成によれば、樹脂部を具えることで、上記組合体の機械的保護や、腐食・粉塵などの外部環境からの保護を図ることができる。かつ、コイル巻回部と樹脂部とが直接接触することができるため、両者の密着性に優れる。特に、樹脂部を構成する樹脂として放熱性に優れるものとすると、コアやコイルからの熱を効果的に放出し易い上に、露出形成箇所の存在により、コアの熱を樹脂部に直接伝えられるため、コアの熱を効果的に放出できる。
【0023】
本発明の一形態として、上記一対のコイルは、1本の連続する巻線で形成されて、当該巻線の一部により形成された巻返し部により連結され、上記一対の枠状部のうち、一方の枠状部は、上記巻返し部が配置されるフランジ部を有する構成とすることができる。
【0024】
上記形態は、フランジ部を具えることで、巻返し部とコアとの間も確実に絶縁することができる。
【0025】
本発明の一形態として、上記各枠状部は、上記コイル側面に突出して、上記両コイルの間に配置される凸条を具える構成とすることができる。
【0026】
上記形態は、凸条を両コイル間に配置させることで、両コイルの間隔を保持することができ、コイル同士が接触することも防止できる。
【0027】
本発明リアクトルは、コンバータに好適に利用することができ、本発明のコンバータとして、上記本発明リアクトルを具えるものが挙げられる。
【発明の効果】
【0028】
本発明のリアクトル用ボビンを利用した本発明のリアクトルは、組立作業性に優れる上に、放熱性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に示すリアクトル用ボビンの概略斜視図であり、(A)は、ボビンを組み合わせた状態、(B)は、組み合わせる前の状態を示す。
【図2】実施形態2に示すリアクトル用ボビンであって、(A)は、ボビンを組み合わせる前の状態の概略斜視図、(B)は、ボビンの外郭部の配置状態を説明する模式説明図である。
【図3】実施形態3〜5に示すリアクトル用ボビンであって、外郭部の配置状態を説明する模式説明図であり、(A)は、実施形態3、(B)は、実施形態4、(C)は、実施形態5を示す。
【図4】従来のリアクトルを示し、(A)は、概略斜視図、(B)は、ボビンの配置状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図に基づいて、本発明のリアクトル用ボビン、及びリアクトルの実施の形態を説明する。なお、本発明のリアクトルは、本発明のボビンの形態に主たる特徴を有するものであり、リアクトルを構成するコイル及びコアの基本的な構成は従来と同様であるため、以下、ボビンを中心に説明する。
【0031】
<実施形態1>
図1は、本発明のリアクトル用ボビンの概略斜視図であり、(A)は、組み合わせた状態、(B)は、組み合わせる前の状態を示す。ボビン1は、一対のコイル巻回部120cを有する環状のコア120と、各コイル巻回部120cに配置される一対のコイル110a,110bとの間に配置される絶縁部材である(図4参照)。まず、コア及びコイルの概要を説明し、その後、ボビンを詳細に説明する。以下、図において同一符号は同一物を意味する。
【0032】
[コア]
コアは、コイルが配置される一対の直方体状のコイル巻回部と、コイルが配置されない一対の端部コアとを有し、離間して配置されるコイル巻回部を挟むように端部コアが配置されて閉ループ状(環状)に形成される。このコアは、代表的には、鉄や鋼などの鉄を含有する軟磁性材料からなる磁性体部と、アルミナなどの非磁性材料からなり、インダクタンスを調整するためのギャップ材とから構成される。コイル巻回部は、代表的には、磁性体部を構成するコア片とギャップ材とを交互に積層して構成される。磁性体部は、軟磁性粉末の圧粉成形体や、複数の電磁鋼板を積層した積層体が利用できる。各端部コアにおいて上記一対のコイル巻回部を挟む面は、一つの平面で構成された形態が挙げられる(図4参照)。
【0033】
[コイル]
コイルは、銅製の平角線の表面にエナメル被覆を具える被覆線をエッジワイズ巻きにしたもの(図4)の他、断面が円形状、多角形状などの種々の形状の巻線を螺旋状に巻回して形成したものが利用できる。一対のコイルは、1本の連続する巻線で形成されたものでもよいし、各コイルをそれぞれ別の巻線で形成したものでもよい。前者の場合、巻線の一部(巻返し部110r(図4(A)(図4(B)では省略))により両コイルが連結される。後者の場合、両コイルを構成する巻線の一端同士を溶接などで接合することで両コイルが連結される。各コイルを構成する巻線の他方の端部110e(図4(A)(図4(B)では省略))にはそれぞれ、導電材料からなる端子部材が接合され、この端子部材を介して、コイルに電力供給を行う電源などの外部装置が接続される。
【0034】
[ボビン]
ボビン1は、コイルの両端(コイルのターンが環状に見える側)に当接される一対の枠状部11,12と、各コイル巻回部の外周に配置される外郭部13,14とを具え、枠状部と外郭部とが一体成形された成形体である点が特徴の一つである。
【0035】
《枠状部》
枠状部11は、コイルの端面と端部コアとの間に介在され、板状材の表面から裏面に貫通する一対の矩形孔(コア孔)11hが並列に設けられた枠状の部材である。各矩形孔11hから各コイル巻回部の端面がそれぞれ露出される。枠状部11の一面は、コイルの両端が当接されるコイル側面、対向する他面は、端部コアが当接されるコア側面である。コア側面は、図1などに示すように平面で構成される形態が挙げられる。枠状部12も一対の矩形孔12hを有しており、枠状部11と基本的構成が同様であるため、説明を省略する。これら両枠状部11,12のコイル側面が対向するように配置される。
【0036】
なお、この例に示す一方の枠状部11は、コア側面に突出するフランジ部11fを具える。フランジ部11fには、巻返し部110r(図4)が配置される。また、枠状部11,12はそれぞれ、コイル側面に突出する凸条11p,12pを具える。凸条11p,12pは、両コイル間に配置される。更に、枠状部11,12のコイル側面はそれぞれ、巻線を螺旋状に巻回してなるコイルの端面形状に沿った形状となるように、部分的に厚さを異ならせたテーパ形状である。これらフランジ部や凸条、テーパ形状は、省略してもよい。
【0037】
《外郭部》
外郭部13は、一対の]状の外郭片13A,13Bを組み合わせて筒状に構成され、一方の外郭片13A(第一外郭片)が一方の枠状部11に一体成形され、他方の外郭片13B(第二外郭片)が他方の枠状部12に一体成形されている。より具体的には、枠状部11(12)の矩形孔11h(12h)の周縁から、コイル側面に突出するように外郭片13A(13B)が設けられている。外郭部14も一方の外郭片14A(第一外郭片)が一方の枠状部11に一体成形され、他方の外郭片14B(第二外郭片)が他方の枠状部12に一体成形されており、外郭部13と基本的構成が同様であるため、説明を省略する。外郭部13,14の厚さは、コアとコイルとの間に所定の間隔(絶縁に望まれる間隔)が確保できるように適宜設定することができる。
【0038】
外郭片13Aは、矩形孔11hの縁からコイル側面に突出する板状片13aAと、板状片13aAの両縁の中央部から、板状片13aAに直交するように突出する一対の帯状片13bAとを具える。板状片13aAには、外周面から内周面に抜ける貫通孔13hを具え、この貫通孔13hからコイル巻回部の一部が露出される。帯状片13bAの幅(板状片13aAの突出方向(コイル巻回部の長手方向(コイルの軸方向)の長さ))は、板状片13aAの幅よりも短い。他の外郭片13B,14A,14Bも、貫通孔13h,14hを有する板状片13aB,14aA,14aBと、帯状片13bB,14bA,14bBとを具え、外郭片13Aと基本的構成が同様であるため、説明を省略する。帯状片13bA,13bB,14bA,14bBの幅が短いことから、帯状片13bA,13bBの両側に、及び帯状片14bA,14bBの両側に、外周面から内周面に抜ける孔が設けられる。これらの孔からもコイル巻回部が露出される。これらの孔及び上記貫通孔13h,14hが、コイル巻回部の一部を覆わずに露出させる露出形成箇所を形成する点もボビン1の特徴の一つである。
【0039】
本例に示す板状片13aA,13aB,14aA,14aBの幅は、コイル巻回部の長手方向の長さと実質的に等しくしており、対向配置される板状片の対(13aA,13aB),(14aA,14aB)により、コイル巻回部の対向する二面が覆われる。また、コイル巻回部の四隅を覆うことができるように、外郭片13A,13B,14A,14Bはいずれも]状に形成されている。更に、対向配置される帯状片の対(13bA,13bB),(14bA,14bB)は、板状片と接続される側と反対側の周縁に、互いに係合する係合部を具える。
【0040】
《ボビンの構成材料》
ボビン1の構成材料は、絶縁材料が利用される。具体的には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などのインシュレータに利用されているものが挙げられる。
【0041】
[リアクトルの組立]
上記構成を具えるリアクトル用ボビン1を具えるリアクトルは、以下のようにして形成することができる。
【0042】
まず、コア片やギャップ材を接着剤などで固定してコイル巻回部を形成し、一方の枠状部11の矩形孔11hに挿入する。このとき、コイル巻回部の外周の一部は、枠状部11に一体成形された外郭片13A,14Aにより覆われる。かつ、コイル巻回部において板状片13aA,14aAの貫通孔13h,14hが配置される箇所、及び帯状片13bA,14bAの両側が露出された状態である。
【0043】
コイル巻回部及び外郭片13A,14Aの外周に、それぞれコイルを挿入する。このとき、コイルは、コイルの巻返し部110r(図4)がフランジ部11fに載置されるようにし、コイル巻回部の一方の端面が枠状部11の矩形孔11hから露出するようにする。また、このとき、コイルの端面を枠状部11のコイル側面に当接させて、枠状部11をあたり止めとすることができる。
【0044】
他方の枠状部12に一体成形された外郭片13B,14Bを、コイル巻回部とコイルとの間に差し入れるようにして外郭片13B,14Bをコイル巻回部の外周に配置すると共に、コイル巻回部の他方の端面を枠状部12の矩形孔12hから露出するように枠状部12を配置する。更に、一方の枠状部11のコア側面に一方の端部コア、他方の枠状部12のコア側面に他方の端部コアを配置して、両端部コアで枠状部11,12及びコイル巻回部並びにコイルを挟み、枠状部11,12の矩形孔11h,12hから露出したコイル巻回部の端面と端部コアとを接合する。上記構成により、コアと、コイルと、ボビン1とが組み合わされたリアクトル(コアと、コイルと、ボビン1との組合体)が形成される。
【0045】
[樹脂部]
上記リアクトルは、上記組合体のままでもよいが、組合体の外周を覆うように樹脂部を設けることができる。この樹脂部は、例えば、エポキシ樹脂やウレタン樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂などが利用できる。
【0046】
或いは、組合体をケースに収納した構成とすることができる。この場合、ケース内に充填した樹脂により、樹脂部を形成することができる。この樹脂部は、ポッティング樹脂として利用されている樹脂、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、その他、シリコーン樹脂などが利用できる。なお、端子部材が接続される巻線の端部は、樹脂から露出させる。
【0047】
[効果]
上記構成を具えるリアクトル用ボビン1は、枠状部11,12と外郭部13,14とが一体成形された成形体であるため、枠状部11,12と外郭部13,14とを同時にコイル巻回部に配置することができ、リアクトルの組立作業性を向上することができる上に、部品点数を削減することができる。かつ、ボビン1は、露出形成箇所により、コイル巻回部の一部を露出する構成であるため、コイル巻回部が実質的に露出されない従来のボビンと比較して、リアクトルの放熱性を高められる。例えば、ボビン1を熱伝導率が比較的低い樹脂(PPS:0.26W/m・K)で構成し、コア・コイル・ボビンの組合体を熱伝導率が比較的高い樹脂(エポキシ樹脂:2W/m・K)で覆う場合、コイル巻回部において、熱伝導率が低いボビン1(外郭部11,12)で覆われる箇所が少ないため、コアの熱を熱伝導率が高い被覆樹脂に伝え易い。このとき、コイル巻回部において外郭部13,14から露出した箇所は、被覆樹脂と直接接触することができるため、コアの熱を被覆樹脂により伝え易い。また、露出形成箇所を有することで、ボビン1の構成材料を削減でき、材料コストの低減を図ることができる。
【0048】
特に、ボビン1は、コイル巻回部の外周の全域に亘って外郭部13,14が存在するため、コアとコイルとが実質的に接触せず、コアとコイルとの間を確実に絶縁することができる。また、ボビン1は、貫通孔13h,14hを有すると共に、細幅の帯状片13bA,13bB,14bA,14bBを具えることで、露出形成箇所を大きくとることができ、放熱性の向上を効果的に図ることができる。更に、ボビン1は、外郭片13A,13B,14A,14Bが]状であることで、枠状部11,12との接続面積が大きく、機械的強度も高い。加えて、ボビン1は、帯状片13bA,13bB,14bA,14bBの周縁に係合部を具えることで、リアクトルを組み立てる際、帯状片の対(13bA,13bB),(14bA,14bB)を精度よく組み合わせられる。また、ボビン1は、コイル巻回部の四隅を覆うように外郭部13,14を配置させられるため、外郭部13,14に対してコイル巻回部が適切に位置決めされ、引いては、外郭部13,14の外周に配置されるコイルに対して、コアが適切に位置決めされる。
【0049】
その他、ボビン1は、フランジ部11fを具えることで、巻返し部とコアとの間も確実に絶縁することができる。また、ボビン1は、凸条11p,12pを両コイル間に配置させることで、両コイルの間隔を保持することができ、コイル同士が接触することも防止できる。更に、ボビン1は、枠状部11,12のコイル側面をテーパ形状としていることで、コイルと枠状部11,12とが面接触することができ、コイルを圧縮した際、枠状部11,12に加わる応力を広い領域で分散して受けられるため、枠状部の厚さを薄くすることができる。
【0050】
<実施形態2>
図2は、別の本発明のリアクトル用ボビンを示し、(A)は、組み合わせる前の状態を示す概略斜視図、(B)は、外郭部の配置状態を説明する模式説明図である。ボビン2は、基本的構成は実施形態1に示すボビン1と同様であり、矩形孔21h,22hを有する一対の枠状部21,22と、コア120のコイル巻回部120cの外周に配置される外郭部23,24とを具え、枠状部と外郭部とが一体成形された成形体であり、主な相違点は、外郭部23,24の形態にある。以下、この相違点を中心に説明し、その他の点は説明を省略する。なお、図2(B)及び後述する図3では、枠状部を省略している。
【0051】
実施形態2に示す外郭部23は、直方体状のコイル巻回部120cの四隅にそれぞれ配置される棒状の外郭片(棒状片)23A,23B,23C,23Dにより構成される。棒状片23A,23B,23C,23Dはいずれもコイル巻回部120cの角部に沿ったL字状であり、一方の枠状部21に具える矩形孔21hの周縁の角部から、コイル側面に突出するように、枠状部21に一体成形されている。棒状片23A,23B,23C,23Dは、矩形孔21hの角部にのみ設けられ、各棒状片23A,23B,23C,23D間には、隙間が設けられている。この隙間からコイル巻回部120cの一部が露出され、この隙間が露出形成箇所を形成する。外郭部24も外郭部23と同じ枠状部21に棒状片24A,24B,24C,24Dが一体成形されており、外郭部23と基本的構成が同様であるため、説明を省略する。これら外郭部23,24の端部は、リアクトルを組み立てた際、他方の枠状部22のコイル側面に当接される。つまり、外郭部23,24の幅(コイル巻回部の長手方向の長さ)は、コイル巻回部の長手方向の長さと実質的に等しい。
【0052】
上記構成を具えるリアクトル用ボビン2は、上述した実施形態1と同様に枠状部と外郭部とが一体成形されているため、リアクトルの組立作業性に優れると共に、部品点数が少ない。かつ、ボビン2は、露出形成箇所により、リアクトルの放熱性に優れると共に、材料コストを低減できる。
【0053】
特に、ボビン2は、外郭部を棒状片で構成することで、露出形成箇所を大きくすることができ、放熱性をより向上できる上に、外郭部の構成材料をより低減できる。また、ボビン2は、直方体状のコイル巻回部120cの四隅に棒状片を配置させているため、リアクトルの組立途中において、外郭部の外周に配置したコイルがコアと接触せず、コイルを十分に支持することができる。従って、組立後においても、コアとコイルとの間を確実に絶縁することができる。更に、ボビン2は、コイル巻回部120cの四隅に外郭部23,24を配置させるため、外郭部23,24に対してコイル巻回部120cを適切に位置決めできることから、外郭部23,24の外周に配置されるコイル110a,110bに対して、コア120を適切に位置決めできる。
【0054】
<実施形態3〜5>
図3は、別の本発明のリアクトル用ボビンにおいて、外郭部の配置状態を説明する模式説明図であり、(A)は、実施形態3、(B)は、実施形態4、(C)は、実施形態5を示す。ボビン3,4,5はいずれも、基本的構成は実施形態2に示すボビン2と同様であり、主な相違点は、外郭部の形態にある。以下、この相違点を中心に説明し、その他の点は説明を省略する。
【0055】
図3(A)に示す実施形態3の外郭部33は、直方体状のコイル巻回部120cの外形に沿った角筒状であり、コイル巻回部120cの外周の各面の一部が露出するように、外郭部33の外周面から内周面に貫通する貫通孔33hを具える。外郭部34も外郭部33と同様の構成であり、貫通孔34hを有する角筒状である。貫通孔33h,34hは、露出形成箇所を形成する。
【0056】
図3(B)に示す実施形態4の外郭部43は、直方体状のコイル巻回部120cの外周面をつくる四面のうち三面を覆い、一面の一部が露出されるC字筒状である。つまり、外郭部43は、角筒状体を、コイル巻回部の長手方向(コイルの軸方向)に沿って、一方の開口部から他方の開口部に亘って一部を切り欠いた形状であり、隙間43gを有する。また、コイル巻回部120cの残り三面の一部が露出するように、外郭部43の外周面から内周面に貫通する貫通孔43hを具える。外郭部44も外郭部43と同様の構成であり、隙間44g及び貫通孔44hを有するC字筒状である。上記切欠部分にできる隙間43g,44g及び貫通孔43h,44hは、露出形成箇所を形成する。
【0057】
図3(C)に示す実施形態5の外郭部53は、一対の[状の外郭片53A,54Bを組み合わせて、直方体状のコイル巻回部120cの外周面を覆う。但し、両外郭片53A,53Bは、組み合わせた際、対向する両端間に隙間53gが設けられる。つまり、実施形態1で説明した[状の外郭片13A,13Bは、両端を互いに係合させて完全な筒状を形成するのに対し、実施形態5の外郭部53は、隙間53gにより完全な筒状を形成しない。この隙間53gは、両外郭片53A,54Bが一方の枠状部に一体成形されることで維持される。また、各外郭片53A,53Bの板状片に相当する部分に、コイル巻回部120cの一部が露出するように、外郭部53の外周面から内周面に貫通する貫通孔53hを具える。外郭部54も外郭部53と同様の構成であり、貫通孔54hを有する]状の外郭片54A,54Bを具え、両外郭片54A,54B間に一対の隙間54gが設けられる。隙間53g,54g及び貫通孔53h,54hは、露出形成箇所を形成する。
【0058】
実施形態3,4,5のリアクトル用ボビン3,4,5は、上述した実施形態1と同様にコイル巻回部120cの四隅を覆う形状であるため、コアとコイルとの間を確実に絶縁できる。また、筒状である実施形態3,4の外郭部33,34,43,44、及び筒状に近い実施形態5の外郭部53,54は、棒状片で構成される実施形態2の外郭部23,24よりも機械的強度が高く、リアクトルの組立途中においてコイル110a,110bを支持し易い。
【0059】
特に、実施形態3に示すボビン3は、コイル巻回部120cの外周の全周に亘って筒状の外郭部が存在するため、絶縁性に優れる。特に、実施形態4に示すボビン4は、貫通孔に加えて、隙間を有することで、コイル巻回部の露出箇所を多くすることができ、放熱性を高められる。特に、実施形態5に示すボビン5は、隙間がより多いことで、放熱性に更に優れる。
【0060】
(変形例1)
実施形態2では、一方の枠状部21に外郭部23,24を構成する全ての棒状片23A〜23D,24A〜24Dが一体成形された構成を説明したが、実施形態1に示すように、各外郭部23,24における少なくとも一つの棒状片を他方の枠状部22に一体成形させた構成とすることができる。このとき、対角に位置する棒状片の対が同じ枠状部に一体成形されていると、ボビン2により、コイル110a,110bに対するコイル巻回部120の位置決めを行い易い。例えば、一方の枠状部21に棒状片の対(23A,23C),(24A,24C)を一体成形し、他方の枠状部22に棒状片の対(23B,23D),(24B,24D)を一体成形する。実施形態5も、一方の枠状部に一方の外郭片53A,54Aを一体成形し、他方の枠状部に他方の外郭片53B,54Bを一体成形した構成とすることができる。
【0061】
(変形例2)
実施形態2〜5では、一方の枠状部に外郭部を構成する全ての外郭片が一体成形された構成を説明したが、外郭片の幅(コイル巻回部の長手方向における長さ)を短くして、例えば、二分割して、一方の分割片を一方の枠状部に一体成形し、他方の分割片を他方の枠状部に一体成形した構成とすることができる。このとき、分割片の合計幅は、コイル巻回部の長手方向の長さと実質的に同じでも、短くてもよい。前者の場合、分割片の端部に互いに係合する係合部を設けていてもよい。後者の場合、コイル巻回部に配置された分割片間に隙間が設けられ、この隙間も露出形成箇所を形成する。
【0062】
(変形例3)
その他、外郭部は、実施形態2に示す棒状の外郭片と、実施形態1,5に示す]状の外郭片とを組み合わせた形状としてもよい。
【0063】
なお、上述した実施形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、本発明は上述した構成に限定されるものではない。例えば、外郭部に設ける貫通孔の数や形状、隙間の大きさ、板状片の幅、帯状片の幅などを適宜変更することができる。また、コイル巻回部の形状を円柱状など種々の形状に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両に搭載されるコンバータといった電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明のリアクトル用ボビンは、上記リアクトルの構成部品に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1,2,3,4,5 ボビン
11,12,21,22 枠状部 11h,12h,21h,22h 矩形孔 11p,12p 凸条
11f フランジ部 13,14,23,24,33,34,43,44,53,54 外郭部
13A,13B,14A,14B,53A,53B,54A,54B 外郭片 13aA,13aB,14aA,14aB 板状片
13bA,13bB,14bA,14bB 帯状片 13h,14h,33h,34h,43h,44h,53h,54h 貫通孔
23A,23B,23C,23D,24A,24B,24C,24D 棒状片 43g,44g,53g,54g 隙間
100 リアクトル 110a,110b コイル 110r 巻返し部 110e 巻線の端部
120 磁性コア 120c コイル巻回部 120e 端部コア 130 ボビン
130t 筒状部 130f 枠状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のコイル巻回部を有する環状のコアと、各コイル巻回部に配置される一対のコイルと、前記コアと前記コイルとの間に配置されるボビンとを具えるリアクトルであって、
前記各コイルは、平角線を具える巻線を螺旋状にエッジワイズ巻きしてなり、
前記ボビンは、前記コイルの両端に当接される一対の枠状部と、前記コイル巻回部の外周に配置される外郭部とを具え、
前記外郭部と少なくとも一方の枠状部とは、一体成形された成形体であり、
前記各枠状部において前記コイルの端面がそれぞれ当接されるコイル側面が、前記コイルの端面形状に沿った形状となるように部分的に厚さを異ならせたテーパ形状であり、
前記外郭部は、前記コイル巻回部の一部を覆わずに露出させる露出形成箇所を有することを特徴とするリアクトル。
【請求項2】
前記外郭部は、一方の枠状部に一体成形された第一外郭片と、他方の枠状部に一体成形された第二外郭片とを具えることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
【請求項3】
前記外郭部は、複数の棒状の外郭片により構成され、
前記各外郭片は、隙間をあけて配置されており、
前記隙間により前記露出形成箇所が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のリアクトル。
【請求項4】
前記外郭部は、外郭部の外周面から内周面に貫通する貫通孔を有する外郭片により構成され、
前記貫通孔により前記露出形成箇所が形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアクトル。
【請求項5】
前記コイル巻回部は、直方体状であり、
前記棒状の各外郭片は、前記コイル巻回部の四隅にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項3に記載のリアクトル。
【請求項6】
更に、前記コアと、前記コイルと、前記ボビンとの組合体を覆う樹脂部を具え、
前記コイル巻回部において前記露出形成箇所から露出した部分は、前記樹脂部に接触していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリアクトル。
【請求項7】
前記一対のコイルは、1本の連続する巻線で形成されて、当該巻線の一部により形成された巻返し部により連結され、
前記一対の枠状部のうち、一方の枠状部は、前記巻返し部が配置されるフランジ部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリアクトル。
【請求項8】
前記各枠状部は、前記コイル側面に突出して、前記両コイルの間に配置される凸条を具えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリアクトル。
【請求項9】
前記コアは、離間して配置される前記一対のコイル巻回部を挟むように配置されて環状のコアを形成する一対の端部コアを有し、
各端部コアにおいて前記一対のコイル巻回部を挟む面は、一つの平面で構成されており、
各枠状部は、前記コイルの端面と前記端部コアとの間に介在され、前記枠状部において前記端部コアが当接されるコア側面が平面であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のリアクトル。
【請求項10】
一対のコイル巻回部を有する環状のコアと、巻線を螺旋状に巻回してなり、各コイル巻回部に配置される一対のコイルとの間に配置されるリアクトル用ボビンであって、
前記コイルの両端に当接される一対の枠状部と、前記コイル巻回部の外周に配置される外郭部とを具え、
前記外郭部と少なくとも一方の枠状部とは、一体成形された成形体であり、
前記各枠状部において前記コイルの端面がそれぞれ当接されるコイル側面が、前記コイルの端面形状に沿った形状となるように部分的に厚さを異ならせたテーパ形状であり、
前記外郭部は、前記コイル巻回部の一部を覆わずに露出させる露出形成箇所を有することを特徴とするリアクトル用ボビン。
但し、前記コイルは、平角線を具える巻線を螺旋状にエッジワイズ巻きしてなるものとする。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のリアクトルを具えることを特徴とするコンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−70001(P2012−70001A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−278835(P2011−278835)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【分割の表示】特願2008−214069(P2008−214069)の分割
【原出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】