説明

リサイクル式硬貨釣銭機

【課題】
本発明の第1の目的は両側から同時に硬貨の投入が可能である小型のリサイクル式硬貨釣銭機を提供すること、第2の目的は、第1の目的に加え、身体障害者や高齢者の使い勝手が良いリサイクル式硬貨釣銭機を提供すること、第3の目的は第1及び第2の目的に加え、安価なリサイクル式硬貨釣銭機を提供することである。
【解決手段】
左右の硬貨投入口に投入された硬貨は、それぞれ左右の硬貨選別装置に投入され、真偽及び金種判別がなされ、偽貨は直接に対応する左又は右側の硬貨出金口に返却される。真正硬貨は、金種毎に設けられた硬貨通路を自然転動して金種別の左右共通の硬貨保留装置に保留される。
つり銭は、金種別の硬貨保留装置から払い出されたつり銭は共通ダクトによって1つの落下口に集められた後、傾斜する振分板上に落下し、出金ベルトの進行によって左又は右の所定の硬貨出金口に送り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向する外面に硬貨投入口及び硬貨出金口が配置されたリサイクル式硬貨釣銭機において、対向する外面に配置された硬貨投入口に同時に硬貨を投入することができるリサイクル式硬貨釣銭機に関する。
詳しくは、対向する外面に硬貨投入口及び硬貨出金口が配置されたリサイクル式硬貨釣銭機において、対向する外面に配置された硬貨投入口に同時に硬貨を投入することができる小型のリサイクル式硬貨釣銭機に関する。
更に詳しくは、前記同時に硬貨を投入できる安価な小型のリサイクル式硬貨釣銭機に関する。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術として、各接客手段に硬貨入金部と硬貨出金部と、前記各硬貨入金部から夫々延びる専用硬貨搬送部と、各専用硬貨搬送部により搬送されてきた硬貨の真贋、金種、数量を識別する共通の硬貨識別計数部と、硬貨識別計数部により真正と容認された硬貨を金種別に振り分けて共通の硬貨金庫に送り込むと共に、否認された硬貨をリジェクトする共通の硬貨振分け部と、硬貨振分け部によりリジェクトされた硬貨、及び、硬貨金庫から払い出された硬貨を受け取って各硬貨出金部に排出する払出し硬貨共通搬送部と、これらを制御する共通の制御部と、を備え、前記硬貨共通搬送部は、少なくとも2つのローラによりエンドレスに張設されると共に駆動部によって正逆双方向に切替え走行可能に構成され且つ両端部を前記各硬貨出金部に近接させた排出ベルトと、排出ベルトをシーソー式に上下揺動可能に支持すると共に排出ベルトの搬送面が何れか一方の硬貨出金部に向けて下向きに傾斜するように交互に各端部を降下させる傾動部と、を備えている硬貨取扱装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来技術として、硬貨処理装置の本体の投入口に投入された硬貨を発券処理等の所定の処理動作が開始されるまで、その硬貨処理装置の本体内の金庫に回収することなく一時保留部に保留し、その処理動作が開始される前にその処理動作が中止されたとき、その一時保留部に保留されている硬貨をその硬貨処理装置の本体の返却口へ連絡されているベルトコンベア上に放出して返却するようにし、又は釣銭が生じたときのそのベルトコンベア上に放出して返却するようにし、さらにそのベルトコンベア上に放出された硬貨をその返却口と反対側に設けられている係員用の受皿に回収するようにした硬貨処理装置において、前記ベルトコンベアの上面方向は、そのベルトコンベア上の硬貨を前記返却口側に搬送させる方向に向けて水平線に対して下向きとなる傾斜角を有し、その傾斜角は、そのベルトコンベアの搬送方向が前記受皿に向けて移動したときにそのベルトコンベア上の硬貨を搬送できるように形成されていることを特徴とする硬貨処理装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4323850号(図7〜図9、段落番号0024〜0028)
【特許文献2】実開平06-059960(図1及び2、段落番号0002〜0008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術においては、硬貨の識別計数部が対面する外面に対してそれぞれ設けられた硬貨入金部に対して共通であるため、一方の硬貨入金部に投入された硬貨を識別計数している間、他方の硬貨入金部に硬貨が投入されないよう、硬貨シャッタによって閉止する。
換言すれば、一方の硬貨入金部が使用中である場合、他方の硬貨入金部は使用することが出来ない。
すなわち、他方の硬貨入金部を使用しようとする顧客は、一方の硬貨入金部の使用が終了するまで待たねばならない問題がある。
【0006】
第1の従来技術の問題を解決するため、第2の従来技術に開示される、硬貨投入口、検銭機、振分け部、一時保留部、ホッパ、シュート及びベルトコンベアを対向する外面に対してそれぞれ設けることができる。
この第2の従来技術を対向する両面に対しそれぞれ配置した場合、投入硬貨の識別は各検銭機において出来るので、第1の従来技術のように他方の利用者が待たされることはない。
しかし、第2の従来技術においては、硬貨投入口に投入された硬貨が、検銭機によって真偽及び金種が判別され、偽貨で有る場合、返却用のベルトコンベヤ上に案内され、正貨である場合、シリーズに並べられた金種別の一時保留部に振り分けられて保留される。
偽貨はベルトコンベヤの搬送によって返却口へ戻され、釣銭は一時保留部から共通のホッパへ払い出された後、シュートによって纏められてベルトコンベヤ上に落下した後、当該ベルトコンベヤの搬送によって返却口へ戻される。
【0007】
この第2の従来技術を第1の従来技術に組み合わせ、対面する外面にそれぞれ硬貨の投入口を設け、各投入口に対応する検銭器及び振分部を設け、一時保留部、ホッパ及びシュート並びにベルトコンベヤを共通とし、当該ベルトコンベヤを返却すべき返却口側へ選択的に駆動することが考えられる。
しかし、この組み合わせ構成においても、偽貨はベルトコンベヤによって返却口へ搬送されるため、一方の投入口側の処理が終了しなければ、他方の投入側の処理ができない。なぜなら、他方の偽貨が一方の返却口へ払出されるためである。
この問題を解決するため、偽貨を返却口へ直接戻すことも容易に考えられるかも知れない。
しかしこの場合であっても、第2の従来技術においては、一時保留部をシリーズに並列しているので装置が大型化する問題がある。
第2の従来技術のように4金種の場合はまだしも、日本円6金種になると大型化し、問題となる。
なぜなら、硬貨釣銭機のみが一緒に使用される他の装置よりも大型化してしまうためである。
また、第1及び第2の従来装置においては、硬貨投入口と硬貨出金口とが離れており、特に硬貨投入口が比較的高い位置に配置されているので、身体障害者や高齢者が使いにくい問題があった。
【0008】
本発明の第1の目的は、両側から同時に硬貨の投入が可能であると共に、小型のリサイクル式硬貨釣銭機を提供することである。
本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、身体障害者や高齢者の使い勝手が良いリサイクル式硬貨釣銭機を提供することである。
本発明の第3の目的は、第1及び第2の目的に加え、安価なリサイクル式硬貨釣銭機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、本発明は以下のように構成されている。
対向する外面に対しそれぞれ硬貨投入口及び硬貨出金口を配置し、前記各硬貨投入口に投入された硬貨の真偽及び金種を硬貨選別装置によって選別して金種別の硬貨保留装置に保留した後、釣銭指令に基づいて当該硬貨保留装置から所定の金種を所定数、出金装置に払い出し、当該出金装置によって払い出された硬貨を対応する硬貨出金口に出金すると共に返却硬貨を当該硬貨出金口に戻すようにしたリサイクル式硬貨釣銭機において、前記硬貨投入口に対応して個別に設けられ、投入硬貨の真偽及び金種を判別し、かつ偽硬貨を対応する硬貨出金口へ戻し、正貨を金種毎の出口へ振り分ける一対の硬貨選別装置、前記返却口から対応する前記硬貨出金口へ返却硬貨を直接に自然落下により案内する一対の返却通路、前記一対の硬貨選別装置の各金種別出口から共通の金種別硬貨保留装置へ自然落下により案内する一対の金種別硬貨通路、前記共通の金種別硬貨保留装置から払い出された金種別硬貨を出金ベルト上へ自然落下により案内する共通ダクト、 前記共通ダクトの直下であって、前記一対の硬貨出金口間に張設され、選択的に前記硬貨出金口の1つへ向かって移動される前記出金ベルト、を有することを特徴とするリサイクル式硬貨釣銭機である。
請求項2の発明は、請求項1のリサイクル式硬貨釣銭機において、
前記共通ダクトの出口の下方であって、かつ前記出金ベルトとの間に前記出金ベルトと平行に回動軸を配置し、前記回動軸を挟んで反対方向に伸びると共に一体的に振分板を設け、前記振分板の先端は前記出金ベルトの上面に最薄硬貨の厚み以下の近接した位置へ移動されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この構成によれば、対面する外面にそれぞれ配置された硬貨投入口に投入された硬貨は、それぞれに対応して上位に設けられた硬貨選別装置によって真偽及び金種を判別される。
偽貨と判別された投入硬貨は、硬貨選別機から返却通路を通って自然落下によって対応する硬貨出金口へ戻される。
正貨は、金種別に振り分けられ、自然落下によって金種毎に各別の通路に振り分けられ、一対の硬貨選別機の間にそれらを結ぶ直線に対して直交方向に二列に配置された金種別の硬貨保留装置に保留される。
出金指令によって金種毎の硬貨保留装置から、払出指令に応じた数の硬貨が自然落下によって共通のダクトに払い出される。
払い出された硬貨は、自重によって落下し、共通のダクトによって案内され、共通の出金ベルト上に落下させられる。
この出金ベルト上に落下した硬貨は、選択的に所定方向に移動される出金ベルトによって、所定の硬貨出金口へ出金される。
硬貨保留装置はホッパが二列に配置され、かつ硬貨の投入方向に対し直交方向に配置されているため、小型化することができる。
【0011】
請求項2の発明において、共通ダクトの出口の下方に振分板が配置され、払い出すべき硬貨出金口側へ選択的に傾斜される。
したがって、共通ダクトから落下する硬貨は出金すべき硬貨出金口側に向かって滑り落ちる。
落下した硬貨は、出金ベルトが払い出すべき硬貨出金口側に移動されるので、払い出すべき硬貨出金口に払い出される。
仮に、出金ベルトが払い出すべき方向と逆方向に移動された場合であっても、振分板の先端と出金ベルトとは最薄硬貨の厚み以下の間隔であるので、硬貨はそれらの間を通過できない。
よって、間違った硬貨出金口側に釣り銭が払い出されることがない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施例のリサイクル式硬貨釣銭機が設置されるセルフ式ガソリンスタンドの一部平面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例のリサイクル式硬貨釣銭機が内蔵される精算機の正面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例のリサイクル式硬貨釣銭機の概要構成図である。
【図4】図4は、本発明の実施例のリサイクル式硬貨釣銭機に用いられるリフト装置であって、(A)は正面図、(B)はB-B線断面図、(C)はC-C線断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例のリサイクル式硬貨釣銭機に用いられる硬貨選別装置であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は底面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例のリサイクル式硬貨釣銭機に用いられる硬貨保留払出装置の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施例のリサイクル式硬貨釣銭機の硬貨保留装置及び出金ベルトの平面図である。
【図8】図8は、本発明の実施例のリサイクル式硬貨釣銭機に用いられる振分装置の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、対向する外面に対しそれぞれ硬貨投入口及び硬貨出金口を配置し、前記各硬貨投入口に投入された硬貨の真偽及び金種を硬貨選別装置によって選別して金種別の硬貨保留装置に保留した後、釣銭指令に基づいて当該金種別の硬貨保留装置から所定の金種を所定数、出金ベルト上に払い出し、当該出金ベルトによって払い出された硬貨を対応する硬貨出金口に出金すると共に返却硬貨を当該硬貨出金口に戻すようにしたリサイクル式硬貨釣銭機において、前記硬貨投入口に対応して個別に設けられ、投入硬貨の真偽及び金種を判別し、かつ偽硬貨を返却口へ戻し、正貨を金種毎の出口へ振り分ける一対の硬貨選別装置、前記返却口から対応する前記硬貨出金口へ返却硬貨を自然落下により案内する一対の返却通路、前記一対の硬貨選別装置の各金種別出口から共通の金種別硬貨保留装置へ自然落下により案内する一対の金種別通路、前記共通の金種別硬貨保留装置から払い出された金種別硬貨を出金ベルト上へ自然落下により案内する共通ダクト、前記共通ダクトの直下であって、前記一対の硬貨出金口間に張設され、選択的に前記硬貨出金口の1つへ向かって移動される出金ベルト、を有することを特徴とするリサイクル式硬貨釣銭機である。
【実施例】
【0014】
本実施例は、本発明に係るリサイクル式硬貨釣銭機100を、セルフ式ガソリンスタンド102において使用される自動精算機104に用いた例である。
セルフ式ガソリンスタンド102の楕円形の島106には給油機108及び自動精算機104が隣接状態に設置される。
本自動精算機104は、日本円仕様であるため、リサイクル式硬貨釣銭機100の処理対象硬貨は、1円、5円、10円、50円、100円及び500円である。
しかし、処理対象硬貨は取捨選択できる。例えば、1円及び5円硬貨を除外することができる。
また、処理対象硬貨は、ユーロ、米ドル、中国元等世界中の硬貨を対象にすることができる。
【0015】
これら給油機108及び自動精算機104は島106の両側において操作できるように構成されている。すなわち、図2に示すように自動精算機104は箱形の筐体112の対向する第1壁面112A、第2壁面112Bにはそれぞれ硬貨投入口等が配置されている。
第1壁面112A及び第2壁面112Bとも同一構成であるので、左側の第1壁面112Aを例に図2を参照して説明する。
左紙幣投入口114L、左紙幣返却口116L、の組が上下関係に配置され、左硬貨投入口118L、左硬貨出金口122L、クレジットカード・電子マネー等のリーダーライタ124Lが配置されている。
紙幣投入口114L及び紙幣返却口116Lは、自動精算機104に内蔵されたリサイクル式紙幣処理機126から突出し、自動精算機104の第1壁面(外面)112A、第2壁面(外面)112Bの外方に突出している。
硬貨投入口118L及び硬貨出金口122Lは、自動精算機104に内蔵されたリサイクル式硬貨釣銭機100から突出し、自動精算機104の第1壁面112A、第2壁面112Bの外方に突出している。
【0016】
次にリサイクル式硬貨釣銭機100が図3及び図8を参照して説明される。
リサイクル式硬貨釣銭機100は、箱形の筐体112内に配置され、その下端100Uは地上から1メートル以上になるように設置される。
説明の便宜上、第1壁面112A側を左側硬貨釣銭機128L、第2壁面112B側を右側硬貨釣銭機128Rとして説明する。
右側硬貨釣銭機128Rと左側硬貨釣銭機128Lとは、個別に設けられている個別部分132及び共通に用いられる共通部分134とにより構成されている。
【0017】
まず、個別部分132を説明する。
個別部分132は、右個別部分132R、及び左個別部分132Lにより構成される。
右個別部分132R、及び左個別部分132Lの構成は、左右対称に配置されること以外大凡同一であるので、左個別部分132Lを代表して説明し、右個別部分132Rは同一数字にLをRに変更して表示し、説明を省略する。
【0018】
左個別部分132Lは、大まかには左硬貨投入口118L、左リフト装置138L、左硬貨選別装置142L、左返却通路144L、左硬貨通路装置146L、及び左硬貨出金口122Lを有する。
【0019】
まず左硬貨投入口118Lを説明する。
左硬貨投入口118Lは、大凡大人の男性の腰部の高さ位置に配置され、縦長スリット形である。
硬貨投入口136Lは、その高さ及び幅が最大直径である500円硬貨の直径及び厚みよりも僅かに大きく形成されている。
【0020】
次に左リフト装置138Lが図4を参照して説明される。
左リフト装置138Lは、左硬貨投入口118Lに投入された硬貨Cを上方の左硬貨選別装置142Lの左受入口152Lへ投入するよう一枚ずつ区分けして持ち上げる機能を有している。
したがって、左硬貨投入口118Lが左受入口152Lよりも上方に配置される場合、左リフト装置138Lを設ける必要はない。
本実施例において左リフト装置138Lは、左螺旋装置154L、一枚分離装置156L及び左投入シュート158Lを含んでいる。
【0021】
左螺旋装置154Lは、左硬貨センサ160L、円筒状の左ガイド体162L、円柱状の左螺旋体164L及び左螺旋体164Lを回転させるための左リフト駆動モータ166Lを含んでいる。
左硬貨センサ160Lは、左硬貨投入口118Lに投入された硬貨Cを検知する機能を有する。
左硬貨センサ160Lは、例えば磁気センサによって構成され、硬貨Cを検出した場合、左硬貨信号CSLを後述の制御装置174に出力する。
【0022】
左ガイド体162Lは、透明の樹脂にて成型することが好ましい。内部を上昇される硬貨Cの姿勢を観察できるからである。
左螺旋体164Lは、円柱状の左芯体168Lの外周面に螺旋状の左螺旋突条172Lが一体的に形成されて構成されている。
左螺旋体164Lは、左ガイド体162L内に挿入され、左螺旋突条172Lの外周が左ガイド体162Lの内面に密に接した状態で左ガイド体162L内において同一軸線回りに回転できるように配置される。
図4(B)に示すように、左ガイド体162Lと一体に硬貨Cが回転されず、かつ上方へ移動可能なように保持される左案内溝170Lが形成されている。
【0023】
左リフト駆動モータ166Lは、制御装置174によって選択的に駆動又は停止され、左芯体168L、したがって、左螺旋体164Lを所定方向に回転し、左螺旋突条172Lによって硬貨Cを上方へ移動させる。
すなわち、左硬貨投入口118Lに投入され、一枚分離装置156Lを通過した硬貨Cは、左螺旋突状172L上に載る。
左螺旋突状172L上に載った硬貨Cは、左案内溝170Lに規制されるため、左螺旋体164Lに対し横方向に移動できず、上下方向のみ移動可能である。
このため、左螺旋突状172Lが回転した場合、その傾斜角によって硬貨Cは左螺旋突状172Lによって押し上げられる。
制御装置174は左硬貨信号CSLを受信した場合、逆転ローラ駆動モータ184L及び左リフト駆動モータ166Lを回転駆動する。
逆転ローラ駆動モータ184L及び左リフト駆動モータ166Lは、左螺旋装置154L内の硬貨Cが全て無くなった場合、制御装置174によって停止される。
【0024】
左螺旋突状172Lの間隔は、最大直径の500円硬貨が一枚収まる間隔より僅かに大きく設定され、硬貨Cは一枚ずつ左投入シュート158L側へリフトされる。
なお、左芯体168Lを所定長さに設定し、軸線方向に所定数接続して一体回転可能にすることにより、左螺旋体164Lの長さを段階的に設定することができる。
換言すれば、左芯体168Lの連続数を任意に設定することにより、任意のリフト量を得ることができる。
【0025】
次に一枚分離装置156Lが図4(C)を参照して説明される。
一枚分離装置156Lは、左硬貨投入口118Lに連続的に投入された硬貨Cが団子状に左螺旋装置154Lの入口に到達することによる、コインジャムを防止する機能を有する。
詳述すれば、後述の左転動通路180Lにおいて、コインCが周面を接するように近接せずに転動させる機能を有する。左螺旋突条172Lによって1つずつコインCをリフトするためである。
【0026】
一枚分離装置156Lは、例えば、図4(C)に示すように左第1固定壁176L及び左第2固定壁178Lにより構成した左転動通路180L、逆転ローラ182L及び逆転ローラ駆動モータ184Lにより構成される。
左転動通路180Lは、左投入口118Lから左螺旋装置154Lに向かって前下がりに傾斜する断面縦長スリット状の通路であり、左投入口118Lに投入された硬貨Cが左転動通路180Lの下面を構成する左ガイドレール186L上を立った状態で転動可能である。
【0027】
左逆転ローラ182Lは、大直径部188Lと小直径部192Lとを有し、大直径部188Lは左第2固定壁178Lに形成した開口部181Lから左転動通路180Lに進入可能であり、進入した際、左第1固定壁176Lと大直径部188Lとの間隔は最薄のコインCの厚みよりも小さい。換言すれば、大直径部188Lが左転動通路180Lに位置する場合、コインCは左螺旋装置154L側へ通過することができない。
左逆転ローラ182Lは逆転ローラ駆動モータ184Lによって大直径部188LがコインCの転動方向の下流側から上流側へ向かって回転する。
換言すれば、大直径部188Lが左螺旋装置154L側から左硬貨投入口118L側へ移動する。
よって、左硬貨通路180Lにおいて、大直径部188Lよりも左硬貨投入口118L側に位置するコインCは、左硬貨投入口118L側へ押し戻され、左螺旋体164L側へ転動することができない。
【0028】
また、左逆転ローラ182Lは左螺旋突条172Lの移動と連動して回転され、前位の硬貨Cが所定位置まで左螺旋突条172Lによって押し上げられた後、後位の硬貨Cが左螺旋突条172Lに達するよう連動して回転される。
換言すれば、左転動通路180Lを転動して来た最大直径硬貨Cが、左螺旋突状172Lの周面に当接しない位相において、左螺旋装置154Lに到達するよう、左螺旋体164Lと左逆転ローラ182Lの大直径部188Lとの回転位相並びに逆転ローラ182Lと左螺旋装置164Lとの距離が設定される。
硬貨Cが左螺旋突状172Lと左ガイド体162Lとの間に噛み込まれることによるリフト不良、及び、複数の硬貨Cが左案内溝170Lに位置することによるコインジャムを防止するためである。
さらに換言すれば、大直径部188Lが左転動通路180Lに進入した場合、コインCは左螺旋突条172L側へ向かって転動できず、いわば待機状態になる。
小径部192Lが左転動通路180Lに相対した場合、硬貨Cは左転動通路180Lを転動し、左螺旋突条172Lへ向かって再び転動を開始する。
逆転ローラ駆動モータ184Lは、制御装置174によって選択的に回転又は停止される。
【0029】
次に左投入シュート158Lを説明する。
左投入シュート158Lは、左螺旋装置154Lによってリフトされた硬貨Cを左受入口152Lへ案内する機能を有する。
左投入シュート158Lは、縦長スリット状の通路であり、左案内溝170Lの上端部に連通し、左螺旋装置154Lによってリフトされた硬貨Cが立った状態で左受入口152Lへ向かって転動するよう下壁が前下がりの転動レール194Lによって構成される。
換言すれば、左螺旋突状172Lによってリフトされた硬貨Cは、左螺旋突状172Lの傾斜によって自重により左投入シュート158L側へ転動し、左転動レール194L上を左受入口152Lへ向かって転動する。
【0030】
次に左硬貨選別装置142Lを図5を参照して説明する。
本実施例は日本円仕様であるため、1円から500円までの6金種を選別する。ユーロ硬貨仕様の場合、左硬貨選別装置142Lは8金種を選別する。しかし、必要に応じて選択された金種のみを受入れ、その他の金種は左硬貨出金口122Lにリジェクトするようにしてもよい。
左硬貨選別装置142Lは、左受入口152Lに投入された硬貨Cが所定の左転動通路190Lを転動する過程において、硬貨Cの物理的性質を左センサ196Lにより検知して当該硬貨Cの真偽及び金種を判別し、さらに転動する過程において判別結果に応じて所定の出口へ振り分けする機能を有している。
所定の出口としては、左返却口198L、左1円口202L、左5円口204L、左10円口206L、左50円口208L、左100円口212L、左500円口214L及び左オーバーフロー口216Lである。
左返却口198Lは、硬貨選別装置142Lの下面に配置され、返却硬貨RCは自然落下により左返却通路144Lを通って、左硬貨出金口122Lに返却される。
硬貨選別装置142Lの下面には、その他、例えば、左1円口202L及び左5円口204Lが硬貨選別装置142Lの下面に配置される。
残りの左10円口206L、左50円口208L、左100円口212L、左500円口214L及び左オーバーフロー口216Lは対面する側面側の側面222Lに配置される。
しかし、各硬貨Cの出口はこれに限られず、任意に設定できる。
【0031】
次に左返却通路144Lを説明する。
左返却通路144Lは、硬貨Cが自重によって自然落下(転動を含む)できるよう縦向きに形成された、断面スリット状の通路である。
即ち、スリットの寸法は、最大硬貨である500円が自由落下できる寸法に形成されている。
【0032】
次に左硬貨通路装置146Lを図3を参照して説明する。
硬貨通路装置146Lは、硬貨選別装置142Lの各金種別口202L〜214Lに振り分けられた硬貨Cを金種別の硬貨保留装置234へ重力により案内する機能を有する。
換言すれば、硬貨Cは左硬貨通路装置146Lを自然落下(転動を含む)して硬貨保留装置234に達する。
硬貨通路装置146Lは、例えば断面U形の樋状であり、硬貨Cが立った状態で自重により転動可能である。
換言すれば、左1円口202L、左5円口204L、左10円口206L、左50円口208L、左100円口212L、左500円口214L及び左オーバーフロー口216Lから落下した硬貨Cは、各金種毎に設けられた硬貨通路装置146Lを転動して金種別の硬貨保留装置234及びオーバーフロー保留装置236に達する。
【0033】
次に左硬貨出金口122Lを説明する。
左硬貨出金口122Lは、返却通路144L又は出金ベルト228によって送り出された硬貨Cを受入れて、保留する機能を有する。
左硬貨出金口122Lは、例えば、上面が解放された椀形をし、基部は左側硬貨釣銭機128Lの筐体に固定されるが、大部分は精算機104の第1壁面112Aから突出し、顧客が左硬貨出金口122Lから取り出し易いように配置されている。
【0034】
次に共通部分134を説明する。
共通部分134は、硬貨保留装置234、共通ダクト230、振分装置232及び出金ベルト228を含んでいる。
まず硬貨保留装置234を説明する。
硬貨保留装置234は、硬貨Cを保留すると共に硬貨一枚ずつ区分けして払出す機能を有する。
硬貨保留装置234は、例えば図6に示すように、筒形の保留ボウル236、保留ボウル236の底孔に配置した通孔238を有する回転ディスク240、弾き出し装置242、弾き出された硬貨Cを検知するカウントセンサ244を含むコインホッパ246である。
【0035】
詳述すれば、図7に示すように1円用のコインホッパ246-1、5円用のコインホッパ246-5、10円用のコインホッパ246-10、50円用のコインホッパ246-50、100円用のコインホッパ246-100及び500円用のコインホッパ246-500が設けられている。
そして、上記ホッパは対向する第1壁面112A及び第2壁面112Bを結ぶ第1直線L1の中間に対し直交する第2直線L2を挟んで所定の間隔で並列配置されている。
すなわち、1円用のコインホッパ246-1、5円用のコインホッパ246-5、10円用のコインホッパ246-10が左硬貨選別装置142L側に左ホッパ列248Lとして一列に、50円用のコインホッパ246-50、100円用のコインホッパ246-100及び500円用のコインホッパ246-500が右硬貨選別装置142R側に右ホッパ列248Rとして一列に配置されている。
1円用コインホッパ246-1〜500円用コインホッパ246-500は、一体に又は別体にリサイクル式硬貨釣銭機100の筐体内から引き出し可能に配置される。コインホッパのメンテナンスや交換のためである。
【0036】
左ホッパ列248Lと右ホッパ列248Rは対向するホッパ列に向かって硬貨Cを払い出すよう弾き出し装置242が所定の間隔で向かい合って設定される。
これら左ホッパ列248Lと右ホッパ列248Rとの間には、オーバフロー保留装置236たる箱形のオーバーフロー金庫252が着脱自在又はそれらの間から引き出し可能に配置される。オーバーフロー金庫252内の硬貨Cを回収し易くするためである。
左オーバーフロー口216Lから落下する硬貨Cは、オーバーフロー通路250Lを転動してオーバーフロー金庫252に自然落下により達する。
オーバーフロー通路250Lは1円〜500円硬貨Cが転動するので、何れの硬貨Cが転動しても転動がストップしたり、コインジャムを生じないように設定される。
【0037】
次に共通ダクト230を説明する。
共通ダクト230は、左ホッパ列248Lと右ホッパ列248Rから払い出された硬貨Cを案内して共通の出金ベルト228上に落下させる機能を有する。
共通ダクト230は漏斗形である。
各コインホッパ246-1〜246-500から払い出された硬貨Cは、共通ダクト230の下向き斜面を滑り落ち、又はダイレクトにほぼ中央に位置する落下口251に落下した後、出金ベルト228上に落下する。
【0038】
次に振分装置232を図3及び図8を参照して説明する。
振分装置232は、共通ダクト230の落下口251から落下する硬貨Cを滑り台式に払い出すべき左硬貨出金口122L又は右硬貨出金口122R側へ案内する機能を有する。
振分装置232は、振分板254、スプリング256、アクチュエータ258及び第1ストッパ262、第2ストッパ264を含んでいる。
【0039】
振分板254は、矩形板状であり、中間から第2直線L2に沿って回動軸266が突出している。
回動軸266は、出金ベルト228の上方において、水平、かつ、回転自在に軸受(図示せず)に支持されている。
回転軸266から横方向に延在するレバー268が固定され、当該レバー268には一端を固定部に係止されたスプリング256が係止され、振分板254が所定方向に回転するよう付勢している。
本実施例においては、図8において反時計方向、換言すれば、左硬貨出金口122L側に下向き傾斜するよう付勢されている。
振分板254は第1ストッパ262によってその左側先端254Lが出金ベルト228の上面との距離が最薄硬貨Cの厚みよりも小さい隙間を有するよう係止される。
【0040】
アクチュエータ258は、右硬貨出金口122RにコインCを搬送する場合に作動され、振分板254をスプリング256の付勢力に反して回動軸266回りに回動させる。
この回動は、第2ストッパ264によって、振分板254の右先端254Rが出金ベルト228の上面との距離が最薄硬貨Cの厚みよりも小さい間隔を有するよう係止される。
しがたって、アクチュエータ258の作動が中止された場合、スプリング256の付勢力によって振分板254が回動され、第1ストッパ262によって係止された待機状態になる。
アクチュエータ258は、制御装置174によって選択的に作動される。
【0041】
次に出金ベルト228が説明される。
出金ベルト228は、共通ダクト230から落下した硬貨Cを左硬貨出金口122L又は右硬貨出金口122Rへ選択的に搬送する機能を有する。
出金ベルト228は左硬貨出金口122L及び右硬貨出金口122Rの近傍に配置された左ローラ272Lと右ローラ272Rとの間に張設された平ベルトである。
出金ベルト228の上側ベルト228Uの下側中間にガイドローラ272Gを配置し、上側ベルト228Uが中央において最も高くなるようにしている。
換言すれば、上側ベルト228Uは、その頂部が回動軸266の真下に位置するよう山形に設けられる。
【0042】
上側ベルト228Uの直下には板金製板状の左ベルトガイド274R、右ベルトガイド274Lがそれぞれ配置され、上側ベルト228Uの撓みを防止している。上側ベルト228Uの撓みによって、硬貨Cがバウンドして出金が迅速に行われないことを防止するためである。
右ローラ272Rに正逆転モータ274が駆動連結され、制御装置174によって選択的に正転、逆転又は停止される。
正逆転モータ274が正転された場合、例えば上側ベルト228Uは左硬貨出金口122Lへ向かって進行し、逆転された場合右硬貨出金口122Rへ向かって進行するよう設定される。
さらに、アクチュエータ258が作動されない場合、正逆転モータ274は正転される。
換言すれば、共通ダクト230から落下した硬貨Cが振分板254上を左硬貨出金口122Lに向かって滑り落ちた場合、出金ベルト228の上側ベルト228Uは左硬貨出金口122L側へ進行する。
アクチュエータ258が作動された場合、振分板254は右硬貨出金口122R側へ傾斜し、共通ダクト254から落下した硬貨Cは、右硬貨出金口122R側へ滑り落ち、さらに上側ベルト228Uは右硬貨出金口122R側へ進行する。
【0043】
次に本実施例の作用を説明する。
便宜的に、第1壁面112A側の左側硬貨釣銭機128Lを使用するケースを説明する。
セルフ式ガソリンスタンド102に来場した顧客は、所定位置に車を停止させた後、精算機104の左側硬貨釣銭機128L側の左紙幣投入口114L又は左硬貨投入口118Lに紙幣又は硬貨Cを投入する。
その後、顧客は給油量を決定し、例えば「満タン」を指定し、給油を開始する。
満タンになると、給油量に応じた対価が計算され、投入額との差額が、釣銭として左紙幣返却口116L又は左硬貨出金口122Lに払い出される。
【0044】
まず、左硬貨投入口118Lに硬貨Cが投入された場合を説明する。
左硬貨投入口118Lに硬貨Cが投入された場合、左硬貨センサ160Lが硬貨Cを検知し、検知信号CSLを制御装置174へ出力する。
制御装置174は、逆転ローラ駆動モータ184L及び左リフト電動モータ166Lに対し駆動信号を出力する。
これにより、左逆転ローラ駆動モータ184L及び左リフト電動モータ166Lは所定方向に所定の速度で回転を開始する。
【0045】
硬貨Cが連続して転動してきた場合であっても、左逆転ローラ182Lの回転によって一枚の硬貨Cが通過した後、二枚目の硬貨Cは大径部188Lによって左硬貨投入口184L側へ押し戻され、次に小径部192Lが左転動通路180Lに相対したときに左螺旋装置154L側へ向けて通過する。
したがって、硬貨Cが連続して転動してきた場合であっても、時間的に所定の間隔を空けられる。
よって、硬貨Cは左螺旋突条172Lの間に一枚ずつ保持されて順次リフトされる。
【0046】
左螺旋突条172Lによってリフトされた硬貨Cが左投入シュート158Lの入口に相対した場合、左螺旋突条172Lの傾斜によって左投入シュート158Lへ転動し、その先端から左受入口152Lへ落下する。
【0047】
左受入口152Lへ落下した硬貨Cは、左転動通路190Lを転動する過程において、左センサ196Lによって物理的性質が検知され、その検知結果に基づいて左硬貨選別装置142Lは投入された硬貨Cの真偽及び金種を判別する。
【0048】
投入硬貨Cが偽貨と判別された場合、左返却口198Lへ案内され、左返却通路144Lを自然落下して左硬貨出金口122Lへ戻される。
正貨として判別された投入硬貨Cは、判別された金種に応じて左1円口202L、左5円口204L、左10円口206L、左50円口208L、左100円口212L又は左500円口214Lに案内され、金種別の左硬貨通路146Lを自重により転動して対応する金種別のコインホッパ246-1、246-5、246-10、246-50、246-100又は246-500にバラ積み状態で保留される。
金種別のコインホッパが満杯の場合、左オーバーフロー口216Lに案内され、左オーバフロー通路250Lを自重により転動してオーバーフロー金庫255に保留される。
【0049】
左硬貨投入口118Lと同時に右硬貨投入口118Rに硬貨Cが投入された場合、前述と同様に右リフト装置138Rによってリフトされ、右硬貨選別装置142Rによって真偽及び金種が判別され、硬貨保留装置234に保留され、又は右返却通路144Rを介して右硬貨出金口122Rへ戻される。
換言すれば、左右の硬貨投入口118L、118Rに同時に硬貨Cを投入することができる。
【0050】
次に釣銭の払い出しについて説明する。
まず、払出方向の指令が制御装置174から出力される。
すなわち、出金方向が左硬貨出金口122Lである場合、アクチュエータ258は作動されず、振分板254は左硬貨出金口122L側に前下がり状態を維持する。
正逆転モータ274が正転され、上ベルト228Uは左硬貨出金口122Lへ向かって進行する。
【0051】
次いで、制御装置174から該当する金種のコインホッパ246-1〜246-500へ払出数が指令される。
釣銭が666円である場合、各コインホッパ246-1〜246-500へ一枚ずつの払出が指令される。
これにより、各コインホッパ246-1〜246-500から回転ディスク240の回転によって一枚ずつ払い出す。
払い出された硬貨Cは、各コインホッパのカウントセンサ244によって検知され、各コインホッパ246-1〜246-500はこの検知信号に基づいて停止される。
各コインホッパ246-1〜246-500から払い出された硬貨Cは共通ダクト230によって案内されて落下口251から振分板254上に落下し、その傾斜によって左硬貨出金口122Lへ向かって滑落し、出金ベルト228上に落下する。
【0052】
出金ベルト228上に落下した硬貨Cは上側ベルト228Uが左硬貨出金口122Lへ向かって進行しているため、同方向へ運ばれ、左硬貨出金口122L内に落下して払出が終了する。
【0053】
右硬貨出金口122Rへ出金する場合、コインホッパ246-1〜246-500からの払出に先立って、アクチュエータ258が作動され、振分板254が図8において時計方向に回動され、右硬貨出金口122Rへ傾斜した鎖線示位置に静止される。
また、正逆転モータ274が逆転され、上側ベルト228Uが右硬貨出金口122Rへ向かって進行する。
【0054】
この後、前述同様に各コインホッパ246-1〜246-500から回転ディスク240の回転によって一枚ずつコインCを払い出す。
払い出された硬貨Cは、各コインホッパのカウントセンサ244によって検知され、各コインホッパ246-1〜246-500はこの検知信号に基づいて停止される。
各コインホッパ246-1〜246-500から払い出された硬貨Cは共通ダクト230によって案内されて落下口251から振分板254上に落下し、その傾斜によって右硬貨出金口122Rへ向かって滑落し、出金ベルト228上に落下する。
【0055】
出金ベルト228上に落下した硬貨Cは上側ベルト228Uが右硬貨出金口122Rへ向かって進行しているため、同方向へ運ばれ、右硬貨出金口122R内に落下して払出が終了する。
【0056】
次に左側硬貨釣銭機128L及び右側硬貨釣銭機128Rが同時に釣銭払出処理を行う場合を説明する。
釣銭の払い出しは、制御装置174から釣銭払出指令が出力された順に行う。例えば、左側硬貨釣銭機128Lに先に釣銭払い出しが指令出力された場合、前述のようにアクチュエータ258は作動されずに正逆転モータ274が正転されて左硬貨出金口122L側へ出金処理される。
左硬貨出金口122L側へ出金処理後直ぐに右側硬貨釣銭機128Rにつり銭払出指令が出力され、前述のようにアクチュエータ258が作動され、かつ、正逆転モータ274が逆転されて右硬貨出金口122R側へ出金処理される。
【0057】
左側硬貨釣銭機128Lと右側硬貨釣銭機128Rとに同時につり銭払出指令が同時に出力されるタイミングの場合、制御装置174は、予め優先順位を設定された左側硬貨釣銭機128L又は右側硬貨釣銭機128Rに対し先につり銭払出指令を出力し、つり銭を払い出す。
【0058】
本自動精算機104は、ガソリンスタンドの他、駐車場の精算機、運賃の精算機等に使用することができる。
【符号の説明】
【0059】
C 硬貨
RC 返却硬貨
112L、112R 外面
118L、118R 硬貨投入口
122L、122R 硬貨出金口
142L、142R 硬貨選別装置
144L、144R 返却通路
144L、144R 硬貨通路
234 硬貨保留装置
228 出金ベルト
230 共通ダクト
251 落下口
254 振分板
254L、254R振分板の先端
266 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する外面(112L、112R)に対しそれぞれ硬貨投入口(118L、118R)及び硬貨出金口(122L、122R)を配置し、前記各硬貨投入口に投入された硬貨(C)の真偽及び金種を硬貨選別装置(142L、142R)によって選別して金種別の硬貨保留装置(246-1〜246-500)に保留した後、釣銭指令に基づいて当該硬貨保留装置から所定の金種を所定数、出金装置(228)に払い出し、当該出金装置によって払い出された硬貨を対応する硬貨出金口に出金すると共に返却硬貨を当該硬貨出金口に戻すようにしたリサイクル式硬貨釣銭機において、
前記硬貨投入口に対応して個別に設けられ、投入硬貨の真偽及び金種を判別し、かつ偽硬貨を対応する硬貨出金口へ戻し、正貨を金種毎の出口へ振り分ける一対の硬貨選別装置(142L、142R)、
前記返却口から対応する前記硬貨出金口へ返却硬貨を直接に自然落下により案内する一対の返却通路(144L、144R)、
前記一対の硬貨選別装置の各金種別出口から共通の金種別硬貨保留装置へ自然落下により案内する一対の金種別硬貨通路(250L、250R)、
前記共通の金種別硬貨保留装置から払い出された金種別硬貨を出金ベルト(228)上へ自然落下により案内する共通ダクト(230)、
前記共通ダクトの直下であって、前記一対の硬貨出金口間に張設され、選択的に前記硬貨出金口の1つへ向かって移動される出金ベルト(228)、
を有することを特徴とするリサイクル式硬貨釣銭機。
【請求項2】
請求項1のリサイクル式硬貨釣銭機において、
前記共通ダクトの落下口(251)の下方であって、かつ前記出金ベルトとの間に前記出金ベルトと平行に回動軸(266)を配置し、前記回動軸を挟んで反対方向に伸びると共に一体的に振分板(254)を設け、前記振分板の先端(254L、254R)は前記出金ベルトの上面に最薄硬貨の厚み以下の近接した位置へ移動されることを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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