説明

リサイクル表示情報をラベルに印字する方法及びその印字方法を用いたラベルプリンタ並びに包装値付け装置

【課題】トレイや容器等の包装するための部材の材質を自動検出し、人手による操作を必要とせず、包装するための部材のリサイクル表示情報をラベルに印字する印字方法及びそれを行うラベルプリンタ並びに包装値付け装置を提供する。
【解決手段】包装するための部材のリサイクル表示情報をラベルに印字する印字方法は、被包装物を載承保持する包装するための部材の材質特性と、その包装するための部材の材質毎のリサイクル表示情報を関連付けて記憶部が記憶するステップと、前記被包装物を載承保持した包装するための部材の材質特性を検出部が検出するステップと、前記検出部が検出した検出結果に基づき、検出した包装するための部材の材質特性と略合致する前記記憶部が記憶するリサイクル表示情報を読み出すステップと、前記読み出したリサイクル表示情報を印字部でラベルに印字するステップと、からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被包装物(商品)を包装するのに使用される包装するための部材(トレイ、容器、下地材等)の材質に関するリサイクル表示情報(マーク)を、当該包装物に貼付するラベルに印字する方法、及びその印字方法を用いたラベルプリンタ並びに包装値付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被包装物(商品)をトレイや容器、或いは平板状の下地材等の包装するための部材に盛り付けて包装し、その包装物に当該被包装物の品名や値段等の商品情報が印字されたラベルが貼付されるが、該ラベルに前記包装するための部材の材質に関するリサイクル表示情報(マーク)も印字されている。
それにより、消費者は内容物を取り出した後、前記包装するための部材を包装フィルムなどに貼付されたラベルの表示に基づいて、可燃物、資源ごみ等に分別している。
そして、ラベルに対する前記リサイクル表示情報(マーク)の印字は、予めラベルフォーマットにリサイクル表示情報(マーク)のイメージデータの番号等を紐付けして印字していた(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
しかしながら、被包装物(商品)を盛り付ける容器を異なる材質の容器に変更する場合、オペレータが前記容器の材質や設定情報を目視確認しながら容器のリサイクル表示情報(マーク)をラベルに印字するための設定或いは変更を行なう必要がある。その為、オペレータの選択操作ミスにより間違ったリサイクル表示情報(マーク)がラベルに印字される可能性があった。
【0004】
また、オペレータは、ラベル発行モードからラベルフォーマットを変更するモードに切替えて、該当するラベルフォーマットを呼び出した後、そのラベルフォーマットに紐付けされているリサイクル表示情報(マーク)を変更して保存した後、再度ラベル発行モードに切替えてラベルを発行するといった手間と時間が面倒であり、操作間違い等を起こす可能性もあった。
【0005】
また、被包装物(商品)を盛り付ける容器(包装するための部材)の風袋重量等の設定情報に、リサイクル表示情報(マーク)を紐付けて予め記憶させておき、これにより、容器に貼付するラベルにリサイクル表示情報(マーク)を印字する方法もあるが、オペレータが被包装物を盛り付けた容器の材質について設定された風袋重量等の設定情報の指示間違いをした場合、前記オペレータの選択操作ミスによりラベルに間違ったリサイクル表示情報(マーク)が印字された商品が販売されてしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−72726号公報
【特許文献2】特開2003−200615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、トレイや容器等の包装するための部材の材質をオペレータが目視によって特定したり、予め設定されている情報より択一する等の作業や操作を必要とせず、包装するための部材のリサイクル表示情報をラベルに正しく印字する印字方法及びそれを行うラベルプリンタ並びに包装値付け装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために本発明が講じた印字方法は、被包装物を包装するための部材の材質特性と、その包装するための部材の材質毎のリサイクル表示情報を関連付けて記憶部が記憶するステップと、前記被包装物を載承保持した包装するための部材の材質特性を検出部が検出するステップと、前記検出部が検出した検出結果に基づき、検出した包装するための部材の材質特性と略合致する前記記憶部が記憶するリサイクル表示情報を読み出すステップと、前記読み出したリサイクル表示情報を印字部でラベルに印字するステップと、からなることを特徴とする。
前記材質毎のリサイクル表示情報としては、例えば「紙材」に対する紙リサイクルマーク(以降、紙マークと呼ぶ)、「プラスチック材」に対するプラスチックリサイクルマーク(以降、プラマークと呼ぶ)が挙げられる。
前記包装するための部材の材質を判断する為の特性としては、例えば、包装するための部材を構成する素材(材質)の厚さ、素材の光の透過率或いは光の反射率等が挙げられる。
また、前記記憶部に材質毎のリサイクル表示情報を記憶させる方法としては、材質特性毎にリサイクル表示情報(マーク)を対応させて一つのファイルに記憶設定する方法、或いは、材質特性とリサイクル表示情報(マーク)とを別々のファイルに分けて記憶設定する方法等、何れの方式でもよい。
又、検出した包装するための部材の材質特性と略合致する記憶部が記憶するリサイクル表示情報とは、検出した材質特性の値と「合致(一致)」するもの、及び検出した材質特性の値と「近似」するものの両方を含むものとする。
【0009】
上記手段によれば、例えば、包装装置へ被包装物を搬入し、その被包装物が包装されるまでの間に検出部によって被包装物を収容する包装するための部材の材質特性を自動的に検出し、その検出した材質のデータに基づき、予め設定記憶した材質毎のリサイクル表示情報(マーク)のファイルを検索し、検出した材質特性に合致又は近似するリサイクル表示情報が選択決定される。そして、その決定されたリサイクル表示情報(マーク)が、品名や値段を印字するラベルに一緒に印字される。従って、包装するための部材の材質を変更した場合でも、変更された包装するための部材の材質は上記方法によって自動的に検出、判定されるため、実際に材質と異なるリサイクル表示情報がラベルに印字されるのを防止できる。
【0010】
また、前記の印字方法を実行するラベルプリンタは、被包装物が包装するための部材に載承保持され、包装された包装物に貼付する当該被包装物の商品情報を印字したラベルを発行するラベルプリンタにおいて、前記被包装物を載承保持した包装するための部材を載置する載置部と、前記ラベルへ印字するリサイクル表示情報と、前記包装するための部材の材質特性とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記載置部に載置された包装するための部材の材質特性を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した前記包装するための部材の検出結果に基づいて、前記記憶手段が記憶する材質特性から前記検出結果と略合致するリサイクル表示情報を読み出す読出し手段と、前記読出し手段で読み出したリサイクル表示情報をラベルへ印字する印字手段と、を備えた構成とする。
前記材質毎のリサイクル表示情報としては、例えば「紙材」に対する紙マーク、「プラスチック材」に対するプラマークが挙げられる。
前記包装するための部材の材質を判断する為の特性としては、例えば、包装するための部材を構成する素材(材質)の厚さ、素材の光の透過率或いは光の反射率等が挙げられる。
また、前記記憶手段に材質毎のリサイクル表示情報と、材質特性を関連付けて記憶させる方法としては、材質特性毎にリサイクル表示情報(マーク)を対応させて一つのファイルに記憶設定する方法、或いは、材質特性とリサイクル表示情報(マーク)とを別々のファイルに分けて記憶設定する方法等、何れの方式でもよい。
又、検出した包装するための部材の材質特性と略合致する記憶手段が記憶するリサイクル表示情報とは、検出した材質特性の値と「合致(一致)」するもの、及び検出した材質特性の値と「近似」するものの両方を含むものとする。
【0011】
上記手段によれば、包装装置に被包装物を搬入することで、該被包装物が収容された包装するための部材の材質特性(厚さ、光の透過率、光の反射率等)が自動的に検出され、その検出結果に基づいて記憶手段が記憶する材質毎の材質特性とリサイクル表示情報が検索されて前記包装するための部材の材質が判定され、その判定された材質のリサイクル表示情報を、当該包装物の商品情報と一緒にラベルに印字することができる。尚、前記ラベルプリンタが包装機構と連動しない単体の計量値付ラベルプリンタである場合は、前記検出部の設置位置は、該ラベルプリンタに接続され、被包装物(商品)を載承し計量を行う別体の計量部に設置することが望ましい。
【0012】
又、本実施例の前記ラベルプリンタは包装装置と電気的に接続された分離独立したものであるが、包装装置にラベルプリンタ(ラベル発行部)を一体的に組み込んだ値付け包装装置としてもよい。具体的には、例えば、フィルムロールから引き出したフィルムにて被包装物を包装した後、該包装した包装物に貼付するラベルを発行するラベル発行部を備えた包装値付け装置において、被包装物を載承保持した包装するための部材を、前記装置内の包装ステーションへ搬入する為に前記包装するための部材を載置する搬入部と、前記包装ステーションにおいて包装するための部材に載った被包装物にフィルムを被せ、被包装物より外側に延出するフィルムを前記包装するための部材に包装する包装部と、前記包装部により包装された包装物を排出する前記搬入部とは異なる位置に設けた排出部と、前記搬入部に被包装物を載せた包装するための部材が載置されると前記包装するための部材の材質を検出する検出部と、前記ラベルへ印字するリサイクル表示情報と、前記包装するための部材の材質特性とを関連付けて記憶する記憶部と、前記排出部から包装物が排出されると、前記検出部が検出した前記包装するための部材の検出結果に基づいて前記記憶部が記憶する材質特性を参照し、前記検出部が検出した検出結果と合致するリサイクル表示情報を読み出してラベルに印字するラベル発行部と、を備えた構成とする。
【0013】
前記検出部の設置位置は、被包装物を載せた包装するための部材を包装ステーションに移動する搬入部に設ける、或いは包装するための部材及び被包装物を載せる包装部材載承手段を上昇させてヒートシールする移動手段(例えば、エレベータ)に設置するなど、何れでもよい。要は、ラベルが印字開始されるまでの間に、該包装するための部材の材質検出が完了できればよく、設置位置は特に限定されない。
前記ラベル発行部は、台紙にラベルが剥離可能に仮着された一般的な台紙付きラベルロールを用いるラベル発行部に限らず、台紙レスラベルロールを用いるラベル発行部でもよい。
【0014】
上記手段によれば、従来の包装作業と同様の作業で、被包装物の包装、及び被包装物を収容する包装するための部材の材質に応じたリサイクル表示情報をラベルへ印字する作業を、連続自動的に行なうことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のリサイクル表示情報をラベルに印字する方法は、被包装物を収容する包装するための部材の材質特性を自動的に検出し、その検出した材質のデータに基づき、予め設定記憶した材質毎のリサイクル表示情報(マーク)のファイルを検索し、検出した材質特性に合致又は近似するリサイクル表示情報を決定し、今発行しようとしているラベルの印字データに含めてラベルに印字するので、人為的ミス(オペレータの選択操作ミス)による誤ったリサイクル表示マークがラベルに表記されるのを防止できる。また、包装するための部材の材質を変更した場合でも、変更された包装するための部材の材質は上記方法によって自動的に検出、判定されるため、実際に材質と異なるリサイクル表示情報がラベルに印字されるのを防止できる。
また、オペレータは、商品が盛り付けられた包装するための部材の材質を目視確認し特定する作業や、リサイクル表示情報をラベルへ印字するための択一操作や変更操作を無くすことができるので、オペレータの作業負担を軽減することができ、オペレータは安心して正しいリサイクル表示情報が表記されたラベルを発行することができる。
【0016】
また、前記方法を実施するラベルプリンタは、包装装置の搬入部に被包装物を載置(搬入)する、或いは、包装機能が無い計量部を備えた単体のラベルプリンタである場合には、該ラベルプリンタに接続され、被包装物を載承し計量を行う別体の計量部に被包装物が収容された包装するための部材が載置されることで、該被包装物が収容された包装するための部材の材質が自動的に判定され、その判定された材質のリサイクル表示情報を、当該包装物の商品情報と一緒にラベルに印字することができる。
また、値付け包装装置は、従来の包装作業と同様の作業で、被包装物の包装、及び被包装物を収容する包装するための部材の材質に応じたリサイクル表示情報をラベルへ印字する作業を、連続自動的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】記憶部(記憶手段)に記憶する材質特性とリサイクル表示情報を関連付けたテーブルの一例を示す概略図。
【図2】記憶部(記憶手段)に記憶する材質特性とリサイクル表示情報の他の記憶例を示し、(a)は材質特性ファイルの概略図、(b)はリサイクルマークファイルの概略図。
【図3】包装するための部材の材質特性を検出する方法を示す説明図。
【図4】検出結果に基づきリサイクル表示情報テーブルから包装するための部材の材質を判定する例を示す説明図。
【図5】リサイクル表示情報が印字されたらラベルの一例を示す概略図。
【図6】ラベル発行部(ラベルプリンタ)を備えた包装装置の一例を示し、(a)は概略正面図、(b)はラベル発行部の構成を示す概略側面図。
【図7】図6に示す包装機の概略を示す斜視図。
【図8】同側面図。
【図9】包装機の吸引手段及びヒータ部の構成を示す斜視図。
【図10】吸引手段でフィルムを吸引保持した状態の縦断面図。
【図11】包装部材載承手段に対する材質特性の検出部(検出手段)の設置例を示し、(a)は平面図、(b)は同縦断面図。
【図12】ラベル発行部(ラベルプリンタ)の電気的構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
本発明のリサイクル表示情報をラベルに印字する方法は、被包装物を載承保持するトレイ、容器、シート等の包装するための部材の材質特性を検出部で検出し、その検出結果に基づいて前記包装するための部材の材質を特定し、その特定した材質のリサイクル表示情報(マーク)を、当該被包装物の商品情報と一緒に印字部でラベルに印字するようにしたものである。
具体的には、被包装物を載承保持する包装するための部材の材質特性と、その包装するための部材の材質毎のリサイクル表示情報を関連付けて記憶部に記憶設定するステップと、前記被包装物を載承保持した包装するための部材の材質特性を検出部が検出するステップと、前記検出部が検出した検出結果に基づき、検出した包装するための部材の材質特性と略合致するリサイクル表示情報を、前記記憶部に設定されたリサイクル表示情報(テーブル、又はファイル)から読み出すステップと、前記読み出したリサイクル表示情報を印字部でラベルに印字するステップとからなる。
【0019】
前記包装するための部材の材質を判断する為の材質特性(要素)としては、今日、ストレッチフィルム等を用いた包装装置で、被包装物Wを載承保持するトレイ、容器、シート等の包装するための部材1に使用される材質(材料)として、例えば、紙材、発泡スチロール、プラスチックシート等が挙げられる。そして、前記材料でトレイ形状、容器形状、シート形状等の各種形態の包装するための部材1に形成した場合の特性、例えば材料シートの厚さ、光の透過率、光の反射率等の値を、実際に使用される包装するための部材又はこれらと略同じように形成した特性測定用サンプルなどを用いて測定し、材質特性を決定する。
そして、包装するための部材1に使用される前記各材質のリサイクル表示情報(マーク)を、前記包装するための部材の材質に関連付けてテーブル、ファイルとして記憶部(RAM66)に記憶設定する。
【0020】
前記包装するための部材の材質特性と、その包装するための部材毎のリサイクル表示情報を関連付けて記憶する方法としては、例えば、図1に示すように、材質特性とリサイクル表示情報を一つのテーブルにまとめて記憶する方法、或いは図2に示すように、材質特性とリサイクル表示情報を別々のファイルに分けて記憶し、両方のデータをコード(符号、例えば、紙、プラ等)で紐付ける方法等が挙げられる。以下、図1及び図2について簡単に説明する。
【0021】
図1は、包装するための部材を形成する材質毎の材質特性と、材質毎のリサイクル表示情報を一つのテーブルにまとめたもので、コード(符号)、マーク名称、材質特性、マークの各項目で構成されている。現在、日本国において容器包装リサイクル法で制定されているリサイクルマークとしては、紙マーク(紙製容器包装)、プラマーク(プラスチック製容器包装)が挙げられる。尚、前記プラスチック製容器包装については、その材質に応じてマークの下に材質の記号(PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、PET:ポリエチレンテレフタレート、PS:ポリスチレン等)が表示される。
【0022】
図2は、材質特性とリサイクル表示情報を別々のファイルに分けた例で、(a)は材質特性ファイルで、コード(符号)、マーク名称、材質特性で構成されている。(b)は、リサイクルマークファイルで、コード(符号)とマークで構成されている。そして、両方のファイルはコード(符号)で紐付けられている。
【0023】
又、被包装物を載承保持又は収容保持する包装するための部材1の材質を判断するために材質特性を検出する方法としては、図3に示すように、包装するための部材1の厚さ(肉厚)、包装するための部材に光を照射した場合の透過光の透過率、又、包装するための部材に光を照射した場合の反射光の反射率等によって、包装するための部材1の材質特性(厚さ、光の透過率、光の反射率等)を検出する。尚、包装するための部材の材質特性を検出する検出部の構成等については後述する包装装置のところで説明する。
【0024】
前記方法で包装するための部材の材質特性を検出した後、その検出した材質特性に基づき、該材質特性に該当するリサイクル表示情報(マーク)を、記憶部に記憶したリサイクル表示情報テーブル(図1参照)、又は材質特性ファイルとリサイクル表示情報ファイル(図2参照)を用いて検索する。
例えば、検出した材質特性(厚さ)が0.39である場合、前記リサイクル表示情報テーブル(図1参照)を用いての材質特性欄に設定された数値から前記検出値と近似する数値を検索する。検索の結果、図4に示すように材質特性の数値0.4がヒットし、検出対象の包装するための部材の材質は紙材と判断される。そして、当該被包装物の包装物に貼付するラベルには、図5に示すように、前記紙マークのマークが表示される。
【0025】
次に、前記方法を実施する値付け包装装置の実施の一例を図面に基づき説明する。
図6は包装機A1にラベル発行部(ラベルプリンタ)A2が一体に組み付けられた包装装置Aの概略を示し、包装機A1は、平板状の包装するための部材1上に被包装物Wを載せ、その被包装物Wにストレッチフィルムを被せ、被包装物Wより外側のフィルム縁を前記包装するための部材表面に熱溶着してシール包装する包装機で、被包装物Wに被せるフィルムの引き出し、シール加工の上下動作をモータ駆動によって行う電動駆動タイプのヒートシール包装機である。そして、前記包装機A1の一側部(図示例では右側)に電気的に接続されたラベル発行部A2が横並びで配置されている。
【0026】
前記包装機A1は、図7及び図8に示すように、基台2上に、被包装物Wが載った包装するための部材1を載承保持し、前記包装するための部材1の周縁と対応する周囲位置に、ヒータと対応するヒータ受け部を有する包装部材載承手段3と、被包装物Wが載った前記受け部材1を、前記包装部材載承手段3に供給する案内手段4と、前記案内手段4上の包装するための部材1を前記包装部材載承手段3に載せ換える移載手段5と、前記包装するための部材1上の被包装物Wに被せるフィルムを繰り出すフィルムロール配置部6と、前記フィルムロール配置部6に配置したフィルムロール7からフィルム7aを所定長さ引き出すフィルムフィード手段8と、前記フィルムフィード手段8によって引き出したフィルム7aを前記包装部材載承手段3の上方に展張保持する保持手段9と、前記保持手段9が吸引保持するフィルム7aで包装するための部材1上の被包装物Wを覆うように、前記保持手段9或いは前記包装部材載承手段3を相対的に移動させる移動手段10と、被包装物Wを覆ったフィルム7aの縁を、被包装物Wを載せた包装するための部材1表面に熱溶着するヒータ部11(ここまでの構成が包装部)と、フィルム7aの縁が包装するための部材1の周縁に熱溶着された包装物W’を、装置外に排出する排出部12と、前記包装するための部材1の材質特性を検出する検出部13が前記包装部材載承手段3に配置されて構成されている。そして、包装部材載承手段3に載置された包装するための部材1とフィルム7aとが上方に位置するヒータ部11により熱溶着されるので、包装部材載承手段3上、更に、包装部材載承手段3の上方の空間が、包装に利用されるヒートステーション(包装ステーション)となる。
【0027】
前記包装部材載承手段3は、包装するための部材1および被包装物Wを載せて上昇し、上方に位置するヒータ部11に押し付けても変形しない強度を有するよう、金属材を用いて平面視矩形状の載せ台3aに構成されている。そして、前記矩形状の載せ台3aはサイズの異なる大・小二種類の包装するための部材(横寸法は同じ、縦寸法が異なる)に対応するよう、大きいサイズの包装するための部材に合わせて形成され、上面全面が平板で覆われている。その載せ台3aの表面にはヒータ部11と対応する箇所にシリコンゴム等の耐熱性部材からなるヒータ受け部が取り付けられ、包装するための部材1に対するフィルム7aの溶着が安定して行われるようになっている。尚、包装部材載承手段3の上面は全面を板部材で覆うことなく、大・小二種類の包装するための部材1の外周縁と対応する枠形状に構成してもよい。
そして、この包装部材載承手段3は上方に配置されるヒータ部11と前記基台2上の排出手段12との間を移動手段10で上下するように支持されている。
【0028】
前記移動手段10は、前記受け部材載承手段3の載せ台3aを、初期位置(下限位置)での下向き傾斜状態から初期位置より上方位置の包装するための部材1を載せてもらう水平受取位置(中間位置)、更に包装するための部材1を載承した水平状態で上方のヒータ部11に押し当てて前記包装するための部材1にフィルム7aを熱溶着する溶着位置(上限位置)との間を上昇・下降させるもので、前記載せ台3aの奥行き寸法の略中間位置に支軸14が幅方向を貫通して横架支持され、その支軸14の両側端は、基台2上に前記包装部材載承手段3を挟むように起立固定した案内支柱15に沿って上下する摺動体16に取り付けられている。
そして、前記摺動体16には、基台2上に起立固定した機枠17に一端を軸支した左右一対のアーム18の先端部に取り付けた第1リンク杆19の端部が連結され、前記アーム18の上下動により前記包装部材載承手段3が案内支柱15に沿って上下される。
【0029】
前記左右一対のアーム18を上下させる駆動機構は、前記アーム18の軸支部と前記第1リンク杆19の軸支位置との略中間位置に第2リンク杆20の一端部が連結され、該第2リンク杆20の他端部に揺動杆21の一端部が連結され、左右の揺動杆21の他端部は機枠17に横架軸支した軸22に連結されている。そして、前記軸22は動力伝達機構を介してモータ(図示省略)に連結されている。それにより、モータの作動により揺動杆21、及び第2リンク杆20を介して前記アーム18が上下揺動され、第1リンク杆19を介して摺動体16は案内支柱15に沿って上下され、包装部材載承手段3は初期位置、水平受取位置、溶着位置で停止しながら上下される。
前記包装部材載承手段3の載せ台3aの位置検出(初期位置、水平受取位置、溶着位置)は、前記摺動体16に取り付けたフラグ23が、機枠17に取り付けた下位置センサ24a、中位置センサ24b、上位置センサ24cを遮ることで検出されるように構成されている。
【0030】
また、前記包装部材載承手段3の載せ台3aは、ヒートシール包装を完了した包装物W’を載承して水平状態で降下するが、その降下の途中に基台2上に配置した機枠17の一部17’に、前記載せ台3aの軸14より後側部分が当接することで、強制的に下向き傾斜状態に姿勢が変更されて降下される。逆に、包装部材載承手段3が初期位置より上方に上昇する時は、載せ台3aが機枠17の一部17’との当接が解除されることで姿勢は水平状態に切り替わり、被包装物Wが載せられた包装するための部材1を受け取ることが可能な状態となる。
【0031】
被包装物Wが載った包装するための部材1を前記包装部材載承手段3の載せ台3aに供給する案内手段4は、片持ち状の水平載せ部を有した引き出し形態のもので、被包装物Wを載せる搬入部を兼用し、該被包装物が載せられた初期位置(手前側位置)から包装部材載承手段3の載せ台3a上位置(奥側)までの間を移動自在になっている。
その片持ち状の水平載せ部は平面視櫛歯形状の平板4aで構成され、該平板4aを平面視コの字状に囲み平板4aを水平に保持する枠体が設けられている。そして、その平板4aは幅方向の両側が機枠17に固着した案内枠4bに摺動可能に支持されて構成されている。
前記平板4aは、大・小二種類の包装するための部材1を載置し得るよう大きいサイズの包装するための部材に合わせて長さ寸法が決定され、その櫛歯状の平板4aにおける長さ方向の手前側上面に、包装するための部材1を載置する場合の位置決め突片25が鉛直上方に向けて固着されている。これにより、包装するための部材1の後端縁を前記位置決め突片25の前面に当接させて置くことで、該包装するための部材1を前記包装部材載承手段3の載せ台3a上に後端基準で移載することができる。
前記平板4aを摺動可能に支持する前記案内枠4bは、基台2上に起立した前記機枠17によって基台2上方の所定高さ位置に水平に架設されている。前記案内枠4bが架設される高さ位置は、前記包装部材載承手段3の載せ台3aが初期位置から上昇して最初に略水平となる高さ位置より僅か上方とする。即ち、水平状態の包装部材載承手段3の上に、案内枠4bに沿って摺動される平板4aが位置するようにする。また、前記平板4aの手前位置(後端部)上面には該平板4aを摺動するための把手26が取り付けられている。尚、前記平板3aの摺動は手動操作によることなく、モータ或いは直線移動機構等を用いた電動方式としてもよい。
【0032】
また、前記平板4aを保持する枠体を摺動可能に支持する左右の案内枠4bには該平板4aの位置を検知する位置検知センサ(図示省略)がそれぞれ対向するように配置されている。それにより、平板4aが位置する機枠17上の初期位置又は包装部材載承手段3の載せ台3a直上である包装位置の何れの位置に位置するかが検知される。
また、前記平板4aの摺動(挿入、引き出し)を前記位置検知センサが検知するのに連動して平板4aの挿入や引き出しが可能かを示す表示ランプ(図示省略)が案内手段4より上方の装置前面に配置されている。
【0033】
前記案内手段4の平板4a上に載置された包装するための部材1を前記包装部材載承手段3の載せ台3a上に載せ換える移載手段5は、前記案内手段4の櫛歯状の平板4aが包装部材載承手段3の載せ台3aの直上位置に前進摺動された後、初期位置に後退する時、被包装物Wが載った包装するための部材1を前記平板4a上から分離するもので、前記平板4aの櫛歯形態と噛み合う櫛歯状(入れ子状)のシャッタ27と、そのシャッタ27を前記平板4aより下方の退避位置から平板4aより上方に突出する移載位置に上下移動させる移動機構とで構成されている。
【0034】
前記シャッタ27を上下する移動機構は、前記包装部材載承手段3における載せ台3aを昇降させる移動手段10と連係して動作するように構成されている。
具体的には、前記シャッタ27の幅方向両側が基台2上に起立した左右一対の機枠17に開設した案内溝28を貫通して外方に突出され、その突出端部は前記機枠17の外側に上下動可能に取り付けた昇降部材29に連結されている。そして、前記昇降部材29には前記移動手段10の摺動体16に固着した押圧片16’と当接する受け部30が突出形成され、更に前記昇降部材29はスプリング31で上方に付勢されている。
【0035】
前記包装部材載承手段3の載せ台3aに移載された包装するための部材1に被せるフィルムを繰り出すフィルムロール配置部6は、図7、8に示すように、前記基台2上に起立固定した機枠17上に架設した受台32上に配置され、そのフィルムロール配置部6の下方に、前記フィルムロール配置部6にセットしたフィルムロール7からフィルム7aを引き出すフィルムフィード手段8、および前記フィルムフィード手段8が引き出したフィルム7aを水平に展張保持する保持手段9、更に前記包装部材載承手段3の上昇で前記包装するための部材1に当接された前記フィルム7aを前記包装するための部材1に熱溶着するヒータ部11が設置されている。
【0036】
前記フィルムロール配置部6は、受台32上に起立固定した一対の側板33間に所定の間隔をおいて2本の回転ローラ34がそれぞれ回転可能に装着され、その2本の回転ローラ34上にフィルムロール7を転動可能に載承するように構成されている。尚、フィルムロール配置部6におけるフィルムロール7の支持構造は、図示の回転ローラ34による支持構造に限らず、フィルムロール7の中心孔に軸を通して支持する一般的な支持構造でもよい。
【0037】
又、前記側板33間には、前記フィルムロール配置部6より下方に位置して軸35が架設され、該軸35にはフィルムロール7に繋がるフィルム7aを引き出し方向に案内する案内ローラ36が電磁ブレーキ(図示省略)を介して取り付けられている。
又、図8に示すように、前記軸35の軸端と前記受台32の反対側の端部に回転可能に横架した軸37の軸端にはそれぞれ歯付プーリ38,39が固着され、その歯付プーリ38,39に亘って歯付ベルト40が巻回され、且つ前記軸37はフィルムフィード手段8のフィルムフィード用モータ(例えば、ステッピングモータ)42の回転を利用して回転するようになっている。
又、前記歯付ベルト40にはフィルムフィード手段8のフィルム先端クランプ部41が連結され、歯付ベルト40の正逆回動でフィルム先端クランプ部41が往復動するようになっている。
【0038】
前記フィルムフィード手段8の作動で引き出された所定長さのフィルム7aは保持手段9で略水平状に展張保持される。
前記保持手段9は、図9、10に示すように、外箱44と内箱45とで形成される二重箱枠43と、その二重箱枠43で形成される空間に吸引力を発生させる電動ファン46とで構成されている。
前記二重箱枠43を構成する外箱44は、平面視矩形状の箱体で、上面と4つの側壁の内の3面が閉鎖され、下面と側壁の1面が開放されており、その側壁の開放部分に仕切り壁44’が気密状態を維持した状態で移動可能に配置されている。
【0039】
前記内箱45は、図9に示すように、上面と4つの側壁の内の3面が閉鎖され、下面と側壁の1面が開放された箱枠45a,45bを、開放された側面同士を向かい合わせ嵌合し、伸縮スライド可能に構成されている。
前記外箱44の側壁及び仕切り壁44’と内箱45(箱枠45a,45b)の側壁とで区画される間隔(隙間)が、前記フィルム7aを展張保持する保持手段9の吸引部9aである。
【0040】
前記保持手段9の吸引部9aの外側には該吸引部9aを囲むようにヒータ部11が形成されている。
そのヒータ部11は、ニクロム線などの抵抗線を用い、前記保持手段9の外箱44の下端、及び仕切り壁44’の下端に配置されている。尚、ヒータ部11の上面側(フィルムと接触する面とは反対側)は、断熱材で被覆され、誤って手指が接触しても火傷等しないように安全対策が施されている。
【0041】
又、前記案内ローラ36と、吸引部9a及びヒータ部11を備えた保持手段9の外箱44との間には、フィルムフィード手段8の作動で引き出したフィルム7aを切断するカッター61が配置されている。
【0042】
前記ヒータ部11によってヒートシール包装が完了した包装物W’は包装部材載承手段3の載せ台3aから排出部12に排出される。
前記排出部12は、被包装物Wを載せた包装するための部材1を包装部材載承手段3の載せ台3aに供給する案内手段4の略真下位置に配置され、ヒートシール包装を完了した包装物W’を包装部材載承手段3の載せ台3aから受け取って装置外に排出する。具体的には、平面視略矩形状の金属平板12aをスロープ状に湾曲形成し、該金属平板12aが包装部材載承手段3の載せ台3aの下限位置より前方(装置手前側)に、前記スロープが載せ台3aの傾斜に略連続するように配置されている。それにより、包装物W’は包装部材載承手段3の載せ台3aの傾斜によって重力により排出部12に排出され、該排出部12のスロープにより重力で滑り落ち、装置外に自動的に排出される。
【0043】
又、前記金属平板12aには該金属平板12a上を滑動排出される包装物W’を検出する商品排出センサ47が配置されている。
商品排出センサ47は、金属平板12aのスロープの上部に窓孔47aを開設し、その窓孔47aと対向する金属平板12aの裏側に検出センサ47bが配置されて構成されている。
前記検出センサ47bは反射型のセンサで、光が金属平板12aの窓孔47aに投光され、その光が包装物W’で反射されて検出センサ47bで受光されれば、包装物W’が包装部材載承手段3の載せ台3aから排出部12に排出されたことが検出される。そして、包装物W’が包装部材載承手段3の載せ台3aから排出部12に排出され検出センサ47bで検出されるとその検出結果はラベル発行部(ラベルプリンタ)A2のインターフェース67を介しCPU61が受信すると、CPU61は包装物W’が排出されたと判定し該排出された包装物W’に貼付するラベルを印字発行する。
【0044】
ヒートシール包装に使用する包装するための部材1は、平板状の紙製受け部材、樹脂製受け部材(例えば、フィルム受け部材、発泡樹脂受け部材等)、薄い木製受け部材、或いは異種素材を貼り合わせた積層した受け部材など何れでも良く、フィルムを熱溶着しにくい素材に対しては、熱溶着を可能とする表面処理(樹脂のラミネート、コーティング処理等)が施される。また、包装するための部材1の表面は無地(白色)でもよいが、載せる商品に応じて着色、模様を印刷したものを用い、商品を目立つようにしてもよい。
尚、包装するための部材1は上面に多少凸凹があってもよい。例えば、ヒータ部11と対応する受け部材の上面の位置に凸部を設け、該凸部とヒータ部11とがフィルム7aを挟んで接することで、フィルム7aのシール性(熱溶着)を高めるようにしてもよい。尚、前記包装するための部材1の材質特性をRAM66に記憶させる方法の一例として、ラベル発行部(ラベルプリンタ)A2で包装するための部材1の材質特性を設定登録する画面において、被包装物が収容されていない包装するための部材1をサンプルとして検出部13に載置する。そして検出部13に包装するための部材1が載置されると検出部13で検出された材質特性が検出結果として表示操作部62に表示され、この表示された材質特性を紙、プラ等のコードと合致する包装するための部材の材質毎のリサイクル表示情報を関連付けたリサイクル表示情報テーブル(図1参照)の材質特性へ設定登録する。又は、材質特性ファイル(図2(a)参照)の紙、プラ等のコードと合致させて材質特性を設定登録する。これにより、現物である包装するための部材1を使いその検出結果をコードと合致させて材質特性として登録するので設定ミスをすることが無い。
【0045】
前記包装するための部材1は、被包装物Wの大きさなどに応じてサイズ(フィルムの引き出し方向に沿った長さ寸法)の異なる複数の種類が選択使用されるが、使用する包装するための部材1が何れのサイズのものであるかは検知手段48で検知される。以下に示す実施の形態は、「大」、「小」二種類のサイズの検知について説明する。
包装するための部材1のサイズ(フィルムの引き出し方向に沿った長さ寸法)の「大」、「小」を検知する検知手段48は、図11(a)、(b)に示すように、前記包装部材載承手段3の載せ台3aの支持面に上下貫通して形成した「大」サイズ用の検出通孔49a,「小」サイズ用の検出通孔49bと、前記「大」サイズ用の検出通孔49aを挟んで機枠17に上下斜めに対向配置した検出センサ50a,50b,「小」サイズ用の検出通孔49bを挟んで機枠17に上下斜めに対向配置した検出センサ50’a,50’bとで構成されている。
前記検出センサ50a,50b、50’a,50’bは、投光器と受光器からなるセンサで、何れの投光器の光とも受光器に受光されていない場合は検出通孔49a,49bとも包装するための部材で塞がれており、「大」サイズの包装するための部材1が載置されていると判断され、検出センサ50aの光が検出センサ50bで検出され、検出センサ50’aの光が検出センサ50’bで検出されない場合は検出通孔49bのみが包装するための部材で塞がれており、「小」サイズの包装するための部材1が載置されていると判断される。尚、検出センサは機枠17の鉛直面に取り付けたことで、該センサの投光面、受光面も略鉛直面に近い状態となり、その結果、投光面、受光面に埃などは付着し難く、誤検出等を防止できる。
【0046】
そして、この包装するための部材1のサイズを検出する検知手段48を備えた包装部材載承手段3の載せ台3aには、前記包装するための部材1の材質特性を検出する検出部(検出手段)13が配置されている。
その検出部(検出手段)13としては、例えば、図11に示すように、前記検知手段48の前記検出通孔49a,49bを利用し、載せ台3aの下方に光を照射する投光器51aと反射光を受光する受光器51bからなる検出センサ51を設置し、受け部材1のサイズ検出と一緒に材質特性(反射率)を検出する。但し、この場合、前記検出通孔49a,49bの位置は、包装するための部材1に載せられる被包装物Wの存在が、反射率の検出に影響しない位置とする。即ち、検出通孔49a,49bに被包装物Wが被らないようにする。
【0047】
また、包装するための部材1の透過率によって材質を判定する場合は、前記載せ台3aにおける「小」サイズの検出エリア内、及び「大」サイズの検出エリア内で、包装するための部材1に載せられる被包装物Wと被らない位置に検出通孔52を開設し、その検出通孔52を通る鉛直線上に、光を照射する投光器53aと透過光を受光する受光器53bからなる検出センサ53を設置し、包装するための部材1のサイズ検出と一緒に材質特性(透過率)を検出する。
【0048】
また、包装するための部材1の厚さによって材質を判定する場合は、前記載せ台3aの包装部材載置エリア内で、包装するための部材1に載せられる被包装物Wと被らない位置に検出通孔54を開設し、その検出通孔54を通る鉛直線上の前記載せ台3aを挟む上下位置に、レーザを投光するレーザ変位計55a,55bを設置し、包装するための部材1のサイズ検出と一緒に材質特性(厚さ)を検出する。この材質特性(厚さ)の検出は、レーザを投光するレーザ変位計55a,55bが何も載置されていないときの距離(所定の距離)から包装するための部材1が載置された時にレーザ変位計55a,55bが検出した包装するための部材1までの各々の距離を減算することにより、包装するための部材1の材質特性(厚さ)を求めるようにする。前記の通り、レーザ変位計55a,55bの2つを用いて包装するための部材1を上下で挟むようにして材質特性(厚さ)を検出することにより、前記包装するための部材1がデザイン性を重視させた形状(例えば、波板状などのように凹凸がある等)の場合でも、上下両方より包装するための部材1までの各々の距離を検出し材質特性(厚さ)を求めるので、前記包装するための部材1の底面が凹凸等の変形した形状であっても正しく材質特性(厚さ)が得られるという効果を奏する。
そして、上記検出部(検出手段)13は、包装するための部材1の反射率、包装するための部材の透過率、包装するための部材の厚さの検出部を全て装備する、或いはこれらのうちの何れかの材質特性を検出する検出部を装備するなど、何れでもよい。また、前記検出部(検出手段)13は前記包装するための部材のサイズを検出する検知手段48と併用して装備してもよい。
【0049】
ラベル発行部(ラベルプリンタ)A2は、帯状の台紙にラベル用紙が一定間隔で剥離可能に仮着され、ロール状に巻かれたラベルロール56の装着部57と、該装着部57にセットしたラベルロール56から台紙を引き出し、ラベル用紙に商品情報及び当該商品を載承する包装するための部材1のリサイクル表示情報(マーク)を印字するサーマルヘッド58と、印字されたラベルLが剥離された後の台紙を巻き取る台紙巻取り部59と、ラベル発行口60を備えた今日周知の形態のもので、前記包装機A1の一側部(図示例は右側)に横並びで一体的に設置されている。そして、印字されたラベルLは、台紙から完全に剥離されず、ラベル後端部を台紙に仮着されたまま先端側をラベル発行口60より突出させて待機し、オペレータがラベルLを手で取って前記排出部12に排出された包装物W’に貼付される。
前記ラベル発行部BからラベルLが印字発行されるタイミングは、前記排出部12の商品排出センサ47を包装物W’が遮るとラベルLが印字発行されるようになっている。
【0050】
図12は前記ラベル発行部(ラベルプリンタ)A2の電気的構成を示すブロック図で、CPU61にバス61aを介して表示操作部62、テンキー部63、印字部64、ROM65、RAM66(記憶部)、インターフェース67を介して包装装置の検出部(検出手段)13が接続されて構成されている。
前記CPU61は、ROM(フラッシュメモリ)65に記憶されたプログラムを実行してラベル発行部(ラベルプリンタ)A2の動作を統括する中央処理装置である。
表示操作部62は、各種のメニュー画面やデータを表示するタッチ式パネル(液晶ディスプレイ)で、ラベル発行部の操作を行うための入力装置であり、テンキー部63と一体に構成されている。
印字部64は、ラベル用紙にサーマルヘッド58で商品情報及びリサイクル表示情報を印字する。
ROM65は、ラベル発行部(ラベルプリンタ)A2の制御プログラムや、制御用データ等を記憶する読み出し専用メモリである。
RAM66(記憶部)は、一時的にデータを呼び出して処理する為のワークエリアがあり、その中には、印字データをドットデータに展開するドット展開エリア、商品ファイルから商品データを呼び出して記憶する呼出商品エリア、リサイクル表示情報テーブルからリサイクル表示データを呼び出して記憶する呼出リサイクルエリア等がある。
また、このRAM66(記憶部)には、ラベルに印字する商品情報が設定された商品ファイルの他に、包装するための部材1の材質特性と、その包装するための部材の材質毎のリサイクル表示情報を関連付けたリサイクル表示情報テーブル(図1参照)、又は材質特性ファイルとリサイクル表示情報ファイル(図2参照)を記憶し、前記包装機A1に設置した検出部13の検出結果に基づき前記記憶部のリサイクル表示情報テーブル(図1参照)、又は材質特性ファイルとリサイクル表示情報ファイル(図2参照)が検索され、当該包装するための部材の材質特性と合致又は略合致するリサイクル表示情報(マーク)が選択決定されるように構成されている。そして、電源オフ時も前記各種ファイルを保持するようにバッテリでバックアップされている。
インターフェース67は、ラベル発行部(ラベルプリンタ)A2が包装機A1と交信し、制御を行う接続部分であり、検出部13で検出した検出結果や検出センサ47bで検出した包装物W’が包装部材載承手段3の載せ台3aから排出部12に排出された検出結果を受け取る等を行なう。
【0051】
上記構成の包装装置Aにより、被包装物Wを載承した包装するための部材1を載せ台3aに供給することで、該包装するための部材のサイズ検知と一緒に、該包装するための部材の材質特性が検出部13によって自動的に検出される。そして、その検出部13の検出結果に基づいて、予め記憶部に記憶したリサイクル表示情報テーブル(図1参照)、又は材質特性ファイルとリサイクル表示情報ファイル(図2参照)が検索され、当該包装するための部材の材質特性と合致又は略合致するリサイクル表示情報(マーク)が選択決定される。その決定されたリサイクル表示情報(マーク)は、ラベル発行部(ラベルプリンタ)A2で当該被包装物の商品情報と一緒にラベルに印字され発行される(図5参照)。前記ラベルが印字発行されるタイミングは、包装物W’が包装部材載承手段3の載せ台3aから排出部12に排出され検出センサ47bで検出された検出結果がインターフェース67を介し受信したタイミングとなる。
従って、オペレータが被包装物の載った包装するための部材を見て、その都度リサイクル表示情報を設定するといった作業は不要で、被包装物が載った包装するための部材を包装装置の搬入部に供給するだけで正しい情報を自動的に検出特定し、今発行しようとしている印字データに前記検出特定した結果であるリサイクル表示情報(マーク)を含めてラベルに正しく印字することができる。これにより、リサイクル表示情報(マーク)を他の情報と紐付けて予め記憶させておく手間やそれを記憶させる際の設定ミス及び操作ミス等の人為的ミスを無くすことができる。
【0052】
本発明は図示した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更可能である。
(1)図示した包装装置の実施の形態では、ラベル発行部(ラベルプリンタ)を包装機の右側に配置した例を示したがこれに限らず、包装機の左側に配置してもよい。
(2)実施の形態では、ラベル発行部として台紙付きのラベルロールを用いた例を示したがこれに限らず、台紙レスラベルロールを用いたラベル発行部でもよい。
(3)実施の形態では、包装するための部材の材質特性を検出する検出部(検出手段)を搬入部の載せ台に備えた例を示したがこれに限らず、例えば、被包装物が載った包装するための部材を、包装部材載承手段の載せ台に供給する案内手段に組み付けてもよい。
(4)実施の形態では、包装するための部材の形態として平板を例に挙げて説明したがこれに限らず、例えば、一般的なトレイ形態、容器形態等でもよいものである。
(5)実施の形態では包装装置とラベル発行部(ラベルプリンタ)とからなる包装機の例を示したがこれに限らず、包装装置を含まない計量部付きラベルプリンタ装置であってもよい。この場合、ラベルプリンタ装置本体に接続されている計量部に包装するための部材の材質特性を検出する検出部(検出手段)を設け、前記計量部に包装物W’が載置されると計量を行うと共に包装するための部材の材質特性を検出する。また、計量を必要としない包装物W’である場合には、前記計量部に包装物W’が載置されると計量を行うことなく包装するための部材の材質特性のみを検出するようにしてもよい。
(6)実施の形態の包装装置は平板状の包装するための部材1上に被包装物Wを載せ、その被包装物Wにストレッチフィルムを被せ、被包装物Wより外側のフィルム縁を前記包装するための部材表面に熱溶着してシール包装する包装機であるがこれに限らず、例えば、商品を搬入部から包装部下に搬送し、包装部にフィルム繰出し部によって水平状に張架されたフィルムに商品を下側から突き上げる突上げ機構部(エレベータ)により該商品の表面をフィルムで覆い、更に左右折り込み板及び後折り込み板(又は前折り込み板)からなる折込み部でフィルムの左右及び後端部(又は前端部)を商品の底部に折り込んだ後、排出機構(プッシャー)によって商品を包装部から搬出する際に前記フィルムの前端部(又は後端部)を商品の底部に折り込む(ここまでの構成が包装部及び包装ステーション)と共に、前記包装部の上部に配置したラベル貼付部が排出部で搬出中の商品にラベルを貼付する包装機であってもよい。この場合、前記検出部の設置位置は、被包装物を載せた包装するための部材を載置すると包装部下に搬送する搬入部、或いは水平状に張架されたフィルムに商品を下側から突き上げる突上げ機構部(エレベータ)に設置するなど、何れでもよい。要は、ラベルが印字開始されるまでの間に、該包装するための部材の材質検出が完了できればよく、設置位置は特に限定されない。
(7)実施の形態では、包装するための部材(被包装物を載承保持するトレイあるいはシート材)の材質特性を検出し、リサイクル表示情報をラベルに印字する例を示したがこれに限らず、例えば、被包装物が載った包装するための部材を包装するフィルムの材質特性を検出し、検出したフィルムの材質特性と略合致するリサイクル表示情報を、前記記憶部に設定されたリサイクル表示情報(テーブル、又はファイル)から読み出し、被包装物を載承保持するトレイあるいはシート材の材質と前記フィルムの材質とをリサイクル表示情報としてラベルに印字するようにしてもよい。この場合、フィルムの材質特性の検出は、フィルムを繰り出す途中に検出器を設けて検出するようにしてもよい。
(8)実施の形態では、検出部で検出した材質特性と略合致するリサイクル表示情報を、前記記憶部に設定されたリサイクル表示情報から読み出して印字部がラベル用紙に商品情報と共にリサイクル表示情報を印字する例を示したがこれに限らず、例えば、検出部で材質特性が検出することができなかった場合は、ラベルの印字発行を行なわず、材質特性が検出出来なかった旨をラベルプリンタの表示部へ表示し、リサイクル表示情報を手入力する(例えば、画面上にリサイクル表示情報の一覧を表示させて選択入力する)とラベルが印字発行されるようにしてもよい。このように、ラベルを印字発行する条件として検出手段の検出結果の有無を含めるようにしてもよい。これにより、検出手段の不具合等によりリサイクル表示情報を印字することができないということがなくなる。
(9)実施の形態では、包装するための部材1の材質特性(厚さ)を検出するために、検出通孔54を通る鉛直線上の前記載せ台3aを挟む上下位置に、レーザを投光するレーザ変位計55a,55bを設置しているがこれに限らず、例えば、レーザを投光するレーザ変位計55aの片側のみを設置するようにしてもよい。この場合、レーザを投光するレーザ変位計55aが投光したレーザをレーザ変位計55aが受光する方式とし、基準面からの距離の変化(差)をもって包装するための部材1の材質特性(厚さ)を求めるようにしてもよい。尚、一方向側のレーザ変位計のみで基準面との変位(距離差)により材質特性(厚さ)を検出する場合には、前記包装するための部材1の底面が略平坦であることが好ましい。
(10)実施の形態では、包装するための部材1の材質特性を検出する検出部(検出手段)13として複数の検出器を配置させているがこれに限らず、材質特性を検出する検出手段を1つ(例えば、53、或いは55)に限定し、包装するための部材1の端部側で検出するようにしてもよい。この場合、包装するための部材1の端部側を使い材質特性を検出するようにするので、被包装物の影響(シート材等に盛り付けた商品の影響により、厚みや透過率、或いは反射率が大きく変化する等)が少なく、包装するための部材1の材質特性を安定して検出することができ、検出手段を少なくできるので経済的である。
【符号の説明】
【0053】
A…ヒートシール包装装置 A1…包装機
A2…ラベル発行部(ラベルプリンタ) W…被包装物
W’…ヒートシール包装物 L…ラベル
1…包装するための部材 3…包装部材載承手段
3a…載せ台(ヒータ受け部) 4…案内手段(搬入部)
7…フィルムロール 7a…フィルム
11…ヒータ部 12…排出部
13…検出部 48…検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を包装するための部材の材質特性と、その包装するための部材の材質毎のリサイクル表示情報を関連付けて記憶部が記憶するステップと、
前記被包装物を包装するための部材の材質特性を検出部が検出するステップと、
前記検出部が検出した検出結果に基づき、検出した包装するための部材の材質特性と略合致する前記記憶部が記憶するリサイクル表示情報を読み出すステップと、
前記読み出したリサイクル表示情報を印字部でラベルに印字するステップと、
からなることを特徴とするリサイクル表示情報をラベルに印字する方法。
【請求項2】
前記材質特性は、前記包装するための部材の材質の厚さ又は光の透過率或いは反射率の値であることを特徴とする請求項1記載のリサイクル表示情報をラベルに印字する方法。
【請求項3】
被包装物が包装するための部材に載承保持され、包装された包装物に貼付する当該被包装物の商品情報を印字したラベルを発行するラベルプリンタにおいて、
前記被包装物を載承保持した包装するための部材を載置する載置部と、
前記ラベルへ印字するリサイクル表示情報と、前記包装するための部材の材質特性とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記載置部に載置された包装するための部材の材質特性を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記包装するための部材の検出結果に基づいて、前記記憶手段が記憶する材質特性から前記検出結果と略合致するリサイクル表示情報を読み出す読出し手段と、
前記読出し手段で読み出したリサイクル表示情報をラベルへ印字する印字手段と、
を備えたことを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項4】
前記検出手段は、前記包装するための部材を載置する載置部に組み付け、前記包装するための部材の材質を検出することを特徴とする請求項3記載のラベルプリンタ。
【請求項5】
前記材質特性は、前記包装するための部材の材質の厚さ又は光の透過率或いは反射率の値であることを特徴とする請求項3又は4記載のラベルプリンタ。
【請求項6】
フィルムロールから引き出したフィルムにて被包装物を包装した後、該包装した包装物に貼付するラベルを発行するラベル発行部を備えた包装値付け装置において、
被包装物を載承保持した包装するための部材を、前記装置内の包装ステーションへ搬入する為に前記包装するための部材を載置する搬入部と、
前記包装ステーションにおいて包装するための部材に載った被包装物にフィルムを被せ、被包装物より外側に延出するフィルムを前記包装するための部材に包装する包装部と、
前記包装部により包装された包装物を排出する前記搬入部とは異なる位置に設けた排出部と、
前記搬入部に被包装物を載せた包装するための部材が載置されると前記包装するための部材の材質を検出する検出部と、
前記ラベルへ印字するリサイクル表示情報と、前記包装するための部材の材質特性とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記排出部から包装物が排出されると、前記検出部が検出した前記包装するための部材の検出結果に基づいて前記記憶部が記憶する材質特性を参照し、前記検出部が検出した検出結果と合致するリサイクル表示情報を読み出してラベルに印字するラベル発行部と、
を備えたことを特徴とする包装値付け装置。
【請求項7】
前記検出部は、前記包装するための部材を載置する搬入部に組み付け、前記包装するための部材の材質を検出すると共に、該包装するための部材のサイズを検出することを特徴とする請求項6記載の包装値付け装置。
【請求項8】
前記材質特性は、前記包装するための部材の材質の厚さ又は光の透過率或いは反射率の値であることを特徴とする請求項6又は7記載の包装値付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−180105(P2012−180105A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43326(P2011−43326)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】