説明

リストアシステム及びリストア方法

【課題】リストアをする者がソフトウェアのバージョンを意識しなくても、バックアップをした時点でのソフトウェアをそのソフトウェアが扱っていたデータと共にリストアすることを可能とするリストアシステム及びリストア方法を提供する。
【解決手段】データと共にそのデータを運用していたソフトウェアのパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストをバックアップデータとして保存しておき、データをリストアする必要が生じた場合に、前記データをリストアするのみならず、前記パッケージ構成リストに記述されている内容に従って、前記ソフトウェアをリストアする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムをリストアするためのリストアシステム及びその方法に関し、特に、プログラムをアップデートした後に、安定して動作していたプログラムをリストアするのに有効なリストアシステム及びリストア方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のソフトウェアシステムにおけるアップデート方式としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3等が存在する。それぞれ、プログラムやソフトウェアの更新を行い、更新に失敗した場合は元に戻す機構を備えており、更新が確実に行えるよう工夫されている。しかし、設定情報とプログラムやソフトウェアの構成をセットで管理する機構は存在しない。また、設定情報に応じて適切なプログラムやソフトウェアに更新する機構も存在しない。
【特許文献1】特開2001−22561号公報
【特許文献2】特開2001−331327号公報
【特許文献3】特開2003−122574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のソフトウェアにおけるシステム設定情報のバックアップ&リストア方式では、以前のバージョンで採取したシステム設定情報を新しいバージョンのソフトウェア上に適用するため、新しいバージョンのソフトウェア上で設定項目を新規に入力するか、新しいバージョンのソフトウェアが以前のバージョンのソフトウェアの設定形式を読み込む為の互換性を持つ必要があった。そのため、パッチ等のアップデートにより、設定項目の内容や形式がバージョンにより拡張された場合、新しいソフトウェアでは、それ以前の全ての、あるいは多くのバージョンの形式の設定項目が理解するための互換性を維持する必要があった。
【0004】
一方、リストア時に存在する問題としては、例えば、ハードウェア障害等で再インストールにより以前のバージョンに戻った場合、予めソフトウェアシステムをバックアップデータ採取時よりも新しいバージョンにアップデートする必要があった。つまり、バックアップデータがリストア時のソフトウェアシステム構成よりも新しいバージョンで採取した場合、リストア実行前にソフトウェアシステムをバックアップデータ採取時よりも新しいバージョンに変更する必要があった。これは、以前のバージョンのソフトウェアシステムでは、新しいバージョンにおける設定形式に対応していないことがあるためである。
【0005】
特に、ハードウェアのみならずソフトウェアを含むシステム全体を企業等に提供している場合、システムの提供先の各企業において、システム障害が起きたときに、バージョンを意識してシステムをリストアすることは、煩わしいばかりではなく、間違いを生ずる原因ともなっていた。
【0006】
そこで、本発明は、リストアをする者がソフトウェアのバージョンを意識しなくても、バックアップをした時点でのソフトウェアをそのソフトウェアが扱っていたデータと共にリストアすることを可能とするリストアシステム及びリストア方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、データと共にそのデータを運用していたソフトウェアのパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストをバックアップデータとして保存しておき、データをリストアする必要が生じた場合に、前記データをリストアするのみならず、前記パッケージ構成リストに記述されている内容に従って、前記ソフトウェアをリストアすることを特徴とするリストアシステムが提供される。
【0008】
上記のリストアシステムにおいて、現在のパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストとリストアされているパッケージ構成リストとを比較し、両者が異なっている場合に、リストアされているパッケージ構成リストに記述されている内容に従って、前記ソフトウェアをリストアするようにしてもよい。
【0009】
上記のリストアシステムにおいて、現在のパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストを重複して保存しておき、現在のパッケージ構成を記述した何れかのパッケージ構成リストとリストアされているパッケージ構成リストとを比較するようにしてもよい。
【0010】
上記のリストアシステムにおいて、リストアするべきソフトウェアをネットワークを介してダウンロードするようにしてもよい。
【0011】
上記のリストアシステムにおいて、リストアするべきソフトウェアをネットワークの手前に保管しておき、リストアする時にネットワークを介さずに入力するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
システム設定情報の一部、あるいはシステム設定情報バックアップデータの一部として、現在の、あるいはバックアップを採取した時点のソフトウェアシステムのバージョン番号をはじめとする構成情報を記録しておき、バックアップされたシステム設定情報を復元する際に、ソフトウェアのバージョン間で設定情報の非互換があっても、必要なソフトウェアの構成も同時に復元し、バックアップされた設定情報に対応したシステムで運用を再開することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1を参照すると、システムの設定情報のバックアップを採取する際、バックアップ・リストア処理部14は、ファイアウォール1システムにインストールされているパッケージの構成情報(パッケージの一覧、及び各バージョン)を含むパッケージ構成リスト12を生成し、システムの設定情報と共にバックアップデータ3として保存する。
【0015】
パッケージ構成リスト12は、ソフトウェアの構成を変える度に更新される。また、システムのリストアをする場合には、データと共に、その時のパッケージ構成リスト12が、バックアップデータ3に含まれるパッケージ構成リスト12’としてデータと共に保存される。
【0016】
システムの設定情報のリストアを行う際、更新制御部111はバックアップ・リストア処理部14を利用してバックアップデータ3を読み出し、記録されているパッケージ構成リスト12’を取り出す。
【0017】
次に、パッケージ情報管理部112は、現在システムにインストールされているパッケージの情報をパッケージ構成リスト12から採取し、現在の構成情報を生成する。
【0018】
更新パッケージ管理部113は、データアクセス部115を利用して、バックアップデータ3から読み出したパッケージ構成リスト12’と、パッケージ情報管理部112によって生成された現在の構成情報を比較し、差分を更新制御部111に通知する。
【0019】
更新制御部111は、差分に基づいて現在のシステム上に存在しないパッケージ又はパッケージ構成リスト12にあるパッケージと異なるパッケージについて、更新パッケージ管理部113からデータアクセス部115を通じてhttpクライアント部13を経由し、アップデートサーバ2に情報を問い合わせ、必要であればパッケージを要求する。
【0020】
アップデートサーバ2は、更新情報リスト22を利用して、問い合わせ情報に対応するパッケージリストを生成し、更新パッケージ提供DB23に存在するパッケージの一覧を、httpサーバ部21を経由して更新制御部111に返却する。また、要求に応じてパッケージを更新パッケージ提供DB23から取り出し、返却する。
【0021】
更新制御部111は取得したパッケージをパッケージ更新部114を利用して更新した後、バックアップ・リストア処理部14から、パッケージ構成リスト12’を取り出した残りの設定情報を取り出してシステムに適用する。
【0022】
図1を参照すると、本発明の第1の実施例は、ファイアウォール1と、アップデートサーバ2とバックアップデータ3によって構成される。
【0023】
ファイアウォール1は、システムにインストールされたプログラムの構成を管理するプログラム構成部11と、アップデートサーバにアクセスし情報をやり取りするhttpクライアント部13と、システムの構成情報を保持するパッケージ構成リスト12と、システムの設定情報とパッケージ構成リスト12をバックアップデータ3に保存する、もしくはバックアップデータ3から取り出すバックアップ・リストア処理部14によって構成される。バックアップデータ3に含まれることとなった構成リスト12は、構成リスト12’である。構成リスト12がアップデートされても、バックアップが行われなければ、構成リスト12’は変化しない。
【0024】
アップデートサーバ2は、ファイアウォール1のシステムで利用するパッケージに関する更新情報を保持する更新情報リスト22と、更新情報リスト22に記録されている更新パッケージを含み過去に提供したすべてのパッケージを保持する更新パッケージ提供DB23と、それらをhttp経由でアクセスするためのhttpサーバ部21によって構成される。
【0025】
バックアップデータ3は、バックアップ・リストア処理部14によってバックアップが実行された時点のファイアウォール1システム上で設定されている設定項目及びファイアウォール1システムを構成するパッケージの構成リスト12’を含む。
【0026】
プログラム構成管理部11は、更新制御部111、パッケージ情報管理部112、更新パッケージ管理部113、データアクセス部115及びパッケージ更新部114を備える。
【0027】
更新制御部111は、システムのパッケージの更新を制御する。
【0028】
パッケージ情報管理部112は、システムにインストールされたパッケージの構成情報を管理する。
【0029】
更新パッケージ管理部113は、パッケージ情報管理部112によって管理されているパッケージ構成情報と、バックアップデータ3から復元されたパッケージ構成リスト12’に記録されたパッケージ構成情報を比較し、差分を抽出する。
【0030】
データアクセス部115は、アップデートサーバ2にhttpクライアント部13を利用してアクセスし、更新情報リスト22や更新パッケージ提供DB23から更新情報やパッケージを取得し、バックアップ・リストア処理部14からバックアップデータ3から復元したパッケージ構成リスト12’を読み込み、パッケージ情報管理部112や、更新パッケージ管理部113に渡す。
【0031】
パッケージ更新部114は、それらの情報を元に更新制御部111の要求によってシステムのパッケージを更新する。
【0032】
次に、図1及び図2〜6のフローチャートを参照して本発明の第1の実施例の動作について詳細に説明する。
【0033】
始めに、ファイアウォール1システムの設定のバックアップを以下の手順で採取する。
【0034】
1.更新制御部111は、パッケージ情報管理部112を呼び出し、システムを構成するパッケージ情報を取得し、データアクセス部115を利用してパッケージ構成リスト12を生成する。
【0035】
2.更新制御部111は、バックアップ・リストア処理部14を呼び出し、1.で作成したパッケージ構成リスト12と、ファイアウォール1システムの設定情報を、バックアップデータ3として出力する。バックアップデータ3に含まれることとなったパッケージ構成リストは、パッケージ構成リスト12’であり、ファイアウォール内にあるパッケージ構成リスト12と区別される。
【0036】
次に、ファイアウォール1システムが、バックアップデータ3をリストアする処理の概略を、図2以降を用いて解説する。
【0037】
処理S201は、ファイアウォール1システムの設定情報をリストアする処理全体の開始を示す。
【0038】
処理S202では、バックアップ・リストア処理部14がバックアップデータ3に含まれるパッケージ構成リスト12’を取り出し、更新制御部111に渡し、処理S203に進む。
【0039】
処理S203では、更新制御部111はバックアップデータ3に含まれるパッケージ構成リスト12’をパッケージ情報管理部112に渡し、パッケージ情報管理部112から更新対象情報を取得し、処理S204に進む。処理S203の詳細は、図3を参照して説明する。
【0040】
処理S204では、更新対象情報を基に、更新が必要であるか否かを判断する。必要である場合には、処理S205に進む。更新が不要である場合には処理S207に進む。
【0041】
処理S205では、処理S203で取得した更新対象情報を元に、更新パッケージをアップデートサーバ2から取得し、処理S206に進む。処理S205の詳細については、図4を参照して後述する。
【0042】
処理S206では、処理S205で取得した更新パッケージを利用してファイアウォール1システム上のパッケージを更新し、処理S207に進む。処理S206の詳細については、図5を参照して後述する。
【0043】
処理S207では、バックアップデータ3の設定情報を適用し、処理を完了する。処理S207には、データのバックアップが含まれる。
【0044】
例えば、バックアップ構成リスト12’に記述されている内容が最新のものであり、バックアップ構成リスト12’とバックアップ構成リスト12とが同一であれば、手順S204から直接手順S207に進み、ソフトウェアがバージョンダウンすることはない。これは、例えば、最新のバージョンでシステムが安定して動作しており、その最中にバックアップデータ3が取られた場合などが該当する。他方、バックアップ構成リスト12’に記述されている内容が古いものであり、バックアップ構成リスト12’とバックアップ構成リスト12とが異なれば、手順S204から手順S205、S206に進み、ソフトウェアがバージョンダウンされる。これは、例えば、バージョンアップした後のシステムの状態が不安定であり、過去に安定していたときに取ったバックアップデータ3を基にバージョンダウンする場合が該当する。
【0045】
続いて、ファイアウォール1システムが行うパッチ等のアップデート処理の概略を図7を用いて解説する。
【0046】
処理S701は、ファイアウォール1システムのアップデート処理全体の開始を示す。
【0047】
処理S702では、現在のファイアウォール1システムの構成パッケージの情報とアップデートサーバ2が持つ更新情報とを基に更新対象情報を取得し、処理703に進む。処理S702の詳細については、図8を参照して後述する。
【0048】
処理S703では、更新対象情報が存在するか否かを判断する。存在する場合には処理S704に進み、存在しない場合には処理を完了する。
【0049】
処理S704では、処理S702で取得した更新対象情報を元に更新パッケージをアップデートサーバ2から取得し、処理S705に進む。ステップS704の詳細については、図4を参照して後述する。
【0050】
処理S705では、処理S704で取得した更新パッケージを利用してファイアウォール1システム上のパッケージを更新し、処理を完了する。ステップS705の詳細については、図5を参照して後述する。
【0051】
以下に、リストアおよびアップデートで行われる詳細処理について説明する。
【0052】
処理S203の詳細を図3のフローチャートを用いて解説する。
【0053】
処理S203では、更新対象取得処理を行う。
【0054】
まず、呼び出し元からバックアップデータ3に含まれるパッケージ構成リスト12’を受け取り、処理S302に進む。
【0055】
処理S302では、データアクセス部115に対し、現在のパッケージ構成リスト12の取得を要求し、処理S303に進む。
【0056】
処理S303では、データアクセス部115が、現在のファイアウォール1システムのパッケージ構成リスト12を取得して呼び出し元に返す。ステップS303の詳細については、図6を参照して後述する。
【0057】
処理S304では、バックアップデータ3に含まれるパッケージ構成リスト12’と、現在のファイアウォール1システムのパッケージ構成リスト12を比較し、処理S305に進む。
【0058】
処理S305では、パッケージ構成リストの比較結果から更新対象情報を作成し、呼び出し元に返し処理を完了する。
【0059】
処理S205、処理S704の詳細を図4のフローチャートを用いて解説する。
【0060】
処理S205、処理S704では、更新パッケージ取得処理を行う。
【0061】
まず、呼び出し元から更新パッケージに関する情報を受け取り、処理S402に進む。
【0062】
処理S402では、更新パッケージ管理部113がデータアクセス部115に対し、更新パッケージの取得を依頼し、処理S403に進む。
【0063】
処理S403では、データアクセス部115は、更新パッケージを取得する。処理S403の詳細については、図6を参照して後述する。
【0064】
処理S404では、更新パッケージ管理部113が取得した更新パッケージを呼び出し元に返し、処理を完了する。
【0065】
処理S206、処理S705の詳細を図5のフローチャートを用いて解説する。
【0066】
処理S206、処理S705では、パッケージ更新処理を行う。
【0067】
まず、呼び出し元から更新パッケージを受け取り、処理S502に進む。
【0068】
処理S502では、パッケージ更新部114がパッケージ情報管理部112に現在のファイアウォール1システムの構成パッケージの情報取得を依頼し、処理S503に進む。
【0069】
処理S503では、パッケージ情報管理部112がデータアクセス部115に現在のパッケージ構成リストの取得を依頼し、処理S504に進む。
【0070】
処理S504では、データアクセス部115が現在のファイアウォール1システムのパッケージ構成リスト12を取得して呼び出し元に返す。処理504の詳細については、図6を参照して後述する。
【0071】
処理S505では、パッケージ情報管理部112がパッケージ更新部114に現在のファイアウォール1システムの構成パッケージの情報を返す。
【0072】
処理S506では、呼び出し元から渡された更新パッケージと同じバージョンのものが既に存在しているか確認する。存在している場合処理を完了する。存在していない場合は処理S507に進む。
【0073】
処理S507では、呼び出し元から渡された更新パッケージをインストールし、処理S508に進む。
【0074】
処理S508では、パッケージ更新部114がパッケージ情報管理部112に更新したパッケージの情報更新を依頼し、処理S509に進む。
【0075】
処理S509では、パッケージ情報管理部112がデータアクセス部115にパッケージ構成リストの更新を依頼し、処理S510に進む。
【0076】
処理S510では、データアクセス部115が現在のファイアウォール1システムのパッケージ構成リスト12を更新し、処理を完了する。処理510の詳細については、図6を参照して後述する。
【0077】
処理S303、処理S403、処理S504、処理S510、処理S803(後述)、処理S805(後述)で実行する共通処理の詳細を図6のフローチャートを用いて解説する。
【0078】
まず、呼び出し元から取得あるいは更新のデータアクセス要求を受け取り、処理S602を実行する。
【0079】
処理S602では、呼び出し元の要求内容が更新であるか又は、取得であるのかを確認し、更新の場合は処理S603に進む。取得の場合は処理S606に進む。
【0080】
処理S603では、アクセス対象(更新対象)がローカルシステムのファイルである場合は処理S604を実行し、そうでない場合は処理を完了する。
【0081】
処理S604では、アクセス対象(更新対象)を取得し、更新処理を実行し、処理を完了する。
【0082】
処理S606は、アクセス対象(取得対象)がローカルシステムのファイルである場合は処理S607を実行し、そうでない場合は処理S609を実行する。
【0083】
処理S607では、アクセス対象(取得対象)を取得し、処理S608に進む。
【0084】
処理S608では、取得したデータを呼び出し元に返し、処理を完了する。
【0085】
処理S609では、httpクライアント部13を経由し、httpサーバ部21からデータを取得し、処理S608に進む。
【0086】
処理S702の詳細を図8のフローチャートを用いて解説する。
【0087】
まず、処理S802では、データアクセス部115に現在のパッケージ構成リストの取得を要求し、処理S803に進む。
【0088】
処理S803では、データアクセス部115が現在のファイアウォール1システムのパッケージ構成リスト12を取得して呼び出し元に返す。
【0089】
処理S804では、データアクセス部115にアップデートサーバ2にある更新情報の取得を要求し、処理S805に進む。
【0090】
処理S805では、データアクセス部115がアップデートサーバ2から更新情報リスト22を取得して呼び出し元に返す。
【0091】
処理S806は、現在のファイアウォール1システムのパッケージ構成リスト12とアップデートサーバ2から取得した更新情報リスト22を比較し、処理S807に進む。
【0092】
処理S807では、処理S806の比較結果から更新対象情報を作成し、呼び出し元に返し処理を完了する。
【0093】
次に、本発明の第1の実施例の効果について説明する。
【0094】
まず、パッケージ構成リスト12によりファイアウォール1システムの構成を管理することで、任意の状態のソフトウェアシステム構成を表現できるため、バックアップ時に設定情報とソフトウェアシステム構成をセットで管理することができる。
【0095】
また、アップデートサーバ2で過去に提供したすべての更新パッケージを提供し続けるように構成され、パッケージ構成リスト12’で必要となる任意のバージョンのパッケージが取得できるため、設定情報と連動したパッケージ構成でシステムを運用することができる。
【0096】
更に、任意のシステム設定情報をソフトウェアの構成を意識することなくリストアできることにある。
【0097】
その理由は、バックアップを行うシステム設定情報にパッケージ構成リストを持つことと、アップデートサーバで過去に提供したすべての更新パッケージを提供すること、プログラム構成管理部により必要な更新パッケージを取得して任意のパッケージ構成に更新する機能を持つことで、自動的にシステム設定情報をバックアップしたときと同じソフトウェアシステム構成に合わせてリストアを実施することが出来るためである。
【0098】
次に、本発明の第2の実施例の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0099】
図9を参照すると、本発明の第2の実施例の構成は、ファイアウォール1システム内に過去ファイアウォール1システムで適用されたすべての更新パッケージを保管する更新パッケージ保管部15を追加した構成からなっている。
【0100】
本発明の第2の実施例の動作は、第1の実施例で以下の処理の内容が変わったものとなる。
【0101】
処理S205で、更新パッケージをアップデートサーバ2の更新パッケージ提供DB23の代わりに、更新パッケージ保管部15から取得する。
【0102】
処理S705で、ファイアウォール1システム上のパッケージを更新後、更新パッケージを更新パッケージ保管部15に保存する。
【0103】
次に、本発明の第2の実施例の効果について説明する。
【0104】
本発明の第2の実施例では、リストア時の更新パッケージを更新パッケージ保管部15から取得するように構成されているため、アップデートサーバ2に接続できない場合でも設定情報に連動したシステムの復旧が可能となる。
【0105】
例えば、アップデートサーバ2に接続するための設定がリストアする設定情報に含まれている場合、第1の実施例ではいったんアップデートサーバ2に接続できるように設定してからしかリストアが実行できない。第2の実施例では、このような場合への対応が可能となる。
【0106】
次に、本発明の第3の実施例の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0107】
図10を参照すると、本発明の第3の実施例の構成は、第2の実施例に対してファイアウォール1システム内にリムーバブルメディアにアクセスするメディア参照部16、更新情報リストや更新パッケージを格納するCD−ROMやUSBメモリなどのリムーバブルメディア4を追加した構成からなっている。
【0108】
本発明の第3の実施例の動作は、第2の実施例で以下の処理の内容が変わったものとなる。
【0109】
処理S609で、httpクライアント部13を経由する代わりに、メディア参照部16を経由することで、リムーバブルメディア4から更新情報リストや更新パッケージを取得する。
【0110】
次に、本発明の第3の実施例の効果について説明する。
【0111】
本発明の第3の実施例では、アップデートサーバ2の代わりに、リムーバブルメディア4から更新情報リストや更新パッケージを取得できるため、アップデートサーバ2に接続できない場合でもパッチ等のアップデートや、更新パッケージ保管部15に存在しない更新パッケージを利用する設定情報に連動したシステムの復旧が可能となる。
【0112】
例えば、クローズなシステムでアップデートサーバ2に接続できない環境で運用している場合や、ハードディスクが故障するなど、更新パッケージ保管部15の内容が失われた状態かつアップデートサーバ2に接続できない環境である場合、第1や第2の実施例の構成ではアップデートが実行できない。第3の実施例では、このような場合への対応が可能となる。
【0113】
次に、本発明の第4の実施例の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0114】
図11を参照すると、本発明の第4の実施例の構成は、第3の実施例に対してファイアウォール1システム内に、既存のすべての装置を保持する記憶装置17と、記憶装置178と異なる記憶装置18からなり、さらに記憶装置18ではパッケージ構成リスト12と同じ情報を保持するパッケージ構成リスト181と、更新パッケージ保管部15と同じ情報を保持する更新パッケージ保管部182を含む構成からなっている。
【0115】
本発明の第4の実施例の動作は、第3の実施例で以下の処理の内容が変わったものとなる。
【0116】
処理S604、処理S607で、パッケージ構成リスト12が取得できない場合、パッケージ構成リスト181を取得する。
【0117】
処理S604で、パッケージ更新リスト12を更新する場合、同じ内容をパッケージ構成リスト181にも更新する。
【0118】
処理S609で、httpクライアント部13を経由する代わりに、メディア参照部16を経由することで、リムーバブルメディア4から更新情報リストや更新パッケージを取得する。
【0119】
処理S205で、更新パッケージ保管部15から取得できない場合に、更新パッケージ保管部182から取得する。
【0120】
処理S705で、ファイアウォール1システム上のパッケージを更新後、更新パッケージを更新パッケージ保管部15に保存する際、更新パッケージ保管部182にも保存する。
【0121】
次に、本発明の第4の実施例の効果について説明する。
【0122】
本発明の第4の実施例では、既存システムが存在する記憶装置17の他に新たに記憶装置18が存在するため、記憶装置17が故障した際に、記憶装置18にあるパッケージ構成リストおよび更新パッケージ保管部182を利用して、記憶装置17が故障する前の状態へのシステムの復旧が可能となる。
【0123】
次に、本発明の第5の実施例の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0124】
図12を参照すると、本発明の第1の実施例の構成で、ファイアウォール1システムが一般的なソフトウェアシステムであるシステム1となった構成になっている。
【0125】
次に、本発明の第5の実施例の効果について説明する。
【0126】
本発明の第5の実施例では、対象となるシステムがファイアウォールシステム以外にも適用でき、一般的なソフトウェアシステムすべてで第1の実施例と同じ高価を得ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明によれば、パッケージ(プログラム)が更新され続けるシステムにおいて、任意のバックアップデータからシステムの復旧を行いたいといった用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の実施形態1によるバックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1によるバックアップ方法を示すフローチャートである。
【図3】図2に示す手順S203の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図2に示す手順205及び図7に示す手順704の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図2に示す手順206及び図7に示す手順705の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図3に示す手順S303、図4に示す手順S403、図5に示す手順S504、S510、図8に示す手順S803、S805の詳細を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態によるアップデート方法を示すフローチャートである。
【図8】図7に示す手順S702の詳細を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態2によるバックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態3によるバックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施形態4によるバックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施形態5によるバックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0129】
1 ファイアウォール
2 アップデートサーバ
3 バックアップデータ
12 パッケージ構成リスト
12’ バックアップデータ中のパッケージ構成リスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データと共にそのデータを運用していたソフトウェアのパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストをバックアップデータとして保存しておき、データをリストアする必要が生じた場合に、前記データをリストアするのみならず、前記パッケージ構成リストに記述されている内容に従って、前記ソフトウェアをリストアすることを特徴とするリストアシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のリストアシステムにおいて、現在のパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストとリストアされているパッケージ構成リストとを比較し、両者が異なっている場合に、リストアされているパッケージ構成リストに記述されている内容に従って、前記ソフトウェアをリストアすることを特徴とするリストアシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のリストアシステムにおいて、
現在のパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストを重複して保存しておき、現在のパッケージ構成を記述した何れかのパッケージ構成リストとリストアされているパッケージ構成リストとを比較することを特徴とするリストアシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のリストアシステムにおいて、リストアするべきソフトウェアをネットワークを介してダウンロードすることを特徴とするリストアシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のリストアシステムにおいて、リストアするべきソフトウェアをネットワークの手前に保管しておき、リストアする時にネットワークを介さずに入力することを特徴とするリストアシステム。
【請求項6】
データと共にそのデータを運用していたソフトウェアのパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストをバックアップデータとして保存しておき、データをリストアする必要が生じた場合に、前記データをリストアするのみならず、前記パッケージ構成リストに記述されている内容に従って、前記ソフトウェアをリストアすることを特徴とするリストア方法。
【請求項7】
請求項6に記載のリストア方法において、現在のパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストとリストアされているパッケージ構成リストとを比較し、両者が異なっている場合に、リストアされているパッケージ構成リストに記述されている内容に従って、前記ソフトウェアをリストアすることを特徴とするリストア方法。
【請求項8】
請求項7に記載のリストア方法において、
現在のパッケージ構成を記述したパッケージ構成リストを重複して保存しておき、現在のパッケージ構成を記述した何れかのパッケージ構成リストとリストアされているパッケージ構成リストとを比較することを特徴とするリストア方法。
【請求項9】
請求項6に記載のリストア方法において、リストアするべきソフトウェアをネットワークを介してダウンロードすることを特徴とするリストア方法。
【請求項10】
請求項6に記載のリストア方法において、リストアするべきソフトウェアをネットワークの手前に保管しておき、リストアする時にネットワークを介さずに入力することを特徴とするリストア方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−257156(P2007−257156A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−78860(P2006−78860)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】