リニア圧縮機の制御装置
【課題】本発明は、リニア圧縮機に関し、特に冷力可変及び突入電流の防止を遂行するリニア圧縮機の制御装置に関する。
【解決手段】本発明のリニア圧縮機の制御装置は、リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、上記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、上記第1キャパシターと並列構造を有し、キャパシタースイッチを備えたキャパシタンス可変部と、上記キャパシタースイッチを制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより、上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【解決手段】本発明のリニア圧縮機の制御装置は、リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、上記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、上記第1キャパシターと並列構造を有し、キャパシタースイッチを備えたキャパシタンス可変部と、上記キャパシタースイッチを制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより、上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニア圧縮機に関し、特に冷力可変及び突入電流防止を行うリニア圧縮機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、圧縮機(Compressor)は、電気モーターやタービンなどの動力発生装置から動力の伝達を受けて空気や冷媒又はその他の多様な作動ガスを圧縮させて圧力を高める機械装置であって、冷蔵庫やエアコンなどの家電機器又は産業全般に亙り広く使われている。
【0003】
このような圧縮機を大別すると、ピストンとシリンダーの間に作動ガスが吸・吐出される圧縮空間が形成されるようにして、ピストンがシリンダー内部で直線往復運動しながら冷媒を圧縮させる往復動式圧縮機(Reciprocating compressor)と、偏心回転するローラ(Roller)とシリンダー間に作動ガスが吸・吐出される圧縮空間が形成されるようにして、ローラがシリンダーの内壁に沿って偏心回転しながら冷媒を圧縮させる回転式圧縮機(Rotary compressor)と、旋回スクロール(Orbiting scroll)と固定スクロール(Fixed scroll)間に作動ガスが吸・吐出される圧縮空間が形成されるようにして旋回スクロールが固定スクロールに沿って回転しながら冷媒を圧縮させるスクロール式圧縮機(Scroll compressor)と、に分けられる。
【0004】
一般に、リニア圧縮機は、モーターの直線駆動力を利用して冷媒を吸入、圧縮、吐出させるが、冷媒ガスを圧縮させるシリンダー及びピストンなどが含まれた圧縮部と、上記圧縮部に駆動力を供給するリニアモーターが含まれた駆動部と、大きく分けられる。
【0005】
具体的に、上記リニア圧縮機は密閉容器の内部にシリンダーが固定されるように設けられ、上記シリンダーの内部にピストンが往復直線運動可能に設けられ、上記ピストンが上記シリンダーの内部で往復直線運動することにより上記シリンダー内部の圧縮空間に冷媒が流入するようにして圧縮させた後、吐出させるように構成され、上記圧縮空間には、吸入弁アセンブリー及び吐出弁アセンブリーが設けられ、上記圧縮空間内部の圧力によって冷媒の流入及び吐出を調節する。
【0006】
また、上記ピストンに直線運動力を発生させるリニアモーターがお互いに連結されるように設けられるが、上記リニアモーターは、上記シリンダーの周辺に複数個のラミネーションが円周方向に積層されるように構成されたインナーステーター及びアウターステーターが所定の間隙をおいて設けられるが、上記インナーステーター又はアウターステーターの内側にはコイル(又はコイル捲線体)が巻き取られるように設けられて、上記インナーステーターとアウターステーター間の間隙には永久磁石が上記ピストンと連結されるように設けられる。
【0007】
ここで、上記永久磁石は、上記ピストンの運動方向に移動可能に設けられて、上記コイルに電流が流れることにより発生する電磁気力により上記ピストンの運動方向に往復直線運動するが、通常上記リニアモーターは一定の運転周波数fcで作動され、上記ピストンが所定のストロークSで往復直線運動するようにする。
【0008】
図1は、従来技術によるリニア圧縮機の制御装置の構成図である。同図に示すように、制御装置はリニア圧縮機の円周方向に捲線され、電源の印加を受けるコイル捲線体Lと、コイル捲線体Lの一部又は全体に電源が印加されるようにする分枝手段100と、負荷に応じて冷力を調節するために分枝手段100を制御する制御部200と、からなる。
【0009】
より詳しくは、コイル捲線体Lの一端は電源に接続され、コイル捲線体Lの他端には分枝手段100の連結端子100aが形成され、連結端子100bはコイル捲線体Lの中間点M(又は中間点Mの分枝線)に接続され、制御部200の制御により電源を連結端子100a又は100bに印加するスイチング素子100cが分枝手段100に含まれる。
【0010】
制御部200は冷凍サイクル内で過負荷時に高冷力を出力するためにコイル捲線体Lの一部に電源が印加されるようにする共振運動(power mode)が行われるようにし、冷凍サイクル内で低負荷時に、又は中間負荷時に、低冷力又は中間冷力を出力するためにコイル捲線体L全体に電源が印加されるようにする正常運動(Saving mode)が行われるようにする。このために、制御部200は共振運動のために分枝手段100のスイチング素子100cが連結端子100bに接続されるようにし、又は制御部200は正常運動のために分枝手段100のスイチング素子100cが連結端子100aに接続されるようにする。
【0011】
上記のように構成されたリニア圧縮機は、上記リニアモーターが設計上考慮した負荷下でコイルスプリングの機械スプリング常数Km及びガススプリングのガススプリング常数Kgにより算出されるピストンの固有周波数fnに一致する運転周波数fcで運転されるように構成されるので、単に設計上考慮した負荷下に限って上記リニアモーターが共振状態で運転されることにより、効率を上げることができる。
【0012】
ところが、上記のようなリニア圧縮機は、実際負荷が可変することにより上記ガススプリングのガススプリング常数Kg及びこれを考慮して算出されたピストンの固有周波数fnが変更される。
【0013】
具体的に、上記リニアモーターは設計時中間負荷領域で上記ピストンの固有周波数fnと一致するように運転周波数fcが決定され、負荷が可変してもこのように決定された一定の運転周波数fcで運転されるが、上記ピストンの固有周波数fnは負荷が大きくなるに連れて、大きくなる。
【0014】
【数1】
【0015】
ここで、上記fnはピストンの固有周波数であり、Km 及びKgは機械スプリング常数及びガススプリング常数であり、Mはピストンの質量である。
【0016】
通常、設計時に全体スプリング常数KTにおいてガススプリング常数Kgが占める比率が小さいため、ガススプリング常数Kgを考慮しなかいか、ガススプリング常数Kgを一定の値に設定して適用し、上記ピストンの質量M及び機械スプリング常数Kmも一定の値を有するので、上記ピストンの固有周波数fnも上記数式1に依存して一定の値で算出される。
【0017】
しかし、実際に負荷が増加するにつれて制限された空間内で冷媒の圧力及び温度が高まり、これによって上記ガススプリング自体の弾性力が大きくなり、ガススプリング常数Kgが大きくなり、このようなガススプリング常数Kgに比例するように算出されるピストンの固有周波数fnも大きくなる。
【0018】
このような従来技術において、制御部200がスイチング素子100cを制御する場合、コイル捲線体Lに蓄積された電気エネルギーが作用して突入電流が発生するという問題点がある。
【0019】
また、このような従来技術において、印加された電源が可変する場合、このような可変は制御部200の制御とは関係なく、リニア圧縮機の出力に変動を引き起こすという問題点がある。また、このような制御部200は、過度な電源が印加された場合、圧縮機に過負荷がかかり、異常状態の運転を行うことになり、リニア圧縮機が正常に作動しなくなるという問題点がある。
【0020】
また、上述した図1の従来技術によるリニア圧縮機の制御装置は、このようなガススプリング常数Kgによって可変するピストン又は可動部材の固有周波数fnを考慮することなく、運転周波数fcだけを調節することにより、負荷の冷力によって出力を可変することはできるが、リニア圧縮機の共振周波数から離れてしまい、リニア圧縮機の効率が落ちてしまう。また、従来技術によるリニア圧縮機の場合、外部から印加される供給電源の変動によって効率及び冷力の変化が大分大きくなって、リニア圧縮機の運転上の致命的な問題点となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
このような従来技術に対して、本発明は、制御装置の全体キャパシタンスを可変して出力を制御しながら、これによる突入電流を防止するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明は、キャパシタンスの可変時にリニア圧縮機の電源スイッチに対する制御も遂行し、突入電流を防止するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0023】
本発明は、印加される電源が変動してもこの変動によって出力が減少したり、増加したりしないように制御するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0024】
また、本発明は、過度な電源が印加されて圧縮機に過負荷がかかるか、又は異常状態の運転を行わないようにするリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、リニア圧縮機の運転(低冷力運転、高冷力運転)を可変しながらも、これによる突入電流の発生を防止するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0026】
本発明は、印加される外部電源の変動に影響を受けずに負荷によって出力が変動するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明は、所定の要求される出力によってコイルに印加される定電源の大きさを変化させることにより複数個の出力を具現するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0028】
また、本発明は、定電源の大きさ、及びこの定電源が印加されるコイルの長さを変化させることにより、複数個の出力を具現するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
このような目的を達成するために、本発明のリニア圧縮機の制御装置はリニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、上記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、上記第1キャパシターと並列構造を有し、キャパシタースイッチを備えたキャパシタンス可変部と、上記キャパシタースイッチを制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより、上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【0030】
また、本発明のリニア圧縮機の制御装置はリニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、上記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、上記第1キャパシターと並列構造を有するキャパシタンス可変部と、上記第1キャパシター及び上記キャパシタンス可変部のうち少なくとも一つ以上の両端間の電圧Vcを測定する電圧感知部と、上記電圧感知部からの測定電圧Vcによって上記キャパシタンス可変部を制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより負荷による上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【0031】
また、本発明のリニア圧縮機の制御装置はリニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、一端が上記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、上記第1キャパシターと並列構造を有するキャパシタンス可変部と、印加電源の電圧Vi及び周波数Fiを測定する電圧及び周波数感知部と、上記電圧及び周波数感知部からの上記印加電源の電圧Viと周波数Fiに関する関数によるモード電圧Vmを算定し、上記モード電圧Vmによって上記キャパシタンス可変部を制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより、上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【0032】
また、本発明のリニア圧縮機の制御装置は、リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、上記コイル捲線体に直列に接続されたキャパシターと、外部電源の印加を受けて特定の大きさの定電源に変換するようにして上記コイル捲線体に印加する定電源供給部と、上記定電源供給部が上記特定大きさの定電源を上記コイル捲線体に供給するように制御して負荷による上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来技術によるリニア圧縮機の制御装置の構成図である。
【図2】本発明によるリニア圧縮機が図示された断面図である。
【図3】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第1実施例の構成図である。
【図4】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第2実施例の構成図である。
【図5】図3及び4の制御装置に対する制御方法の第1実施例の順序図である。
【図6】図3及び4の制御装置に対する制御方法の第2実施例の順序図である。
【図7】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第3実施例の構成図である。
【図8】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第4実施例の構成図である。
【図9】図7及び8の制御装置に対する制御方法の順序図である。
【図10】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第5実施例の構成図である。
【図11】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第6実施例の構成図である。
【図12】図10及び11の制御装置に対する制御方法の順序図である。
【図13】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第7実施例の構成図である。
【図14】図13の制御装置による冷却容量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、添付された図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0035】
本発明によるリニア圧縮機は、図2に示すように密閉容器2の一方側に冷媒が流出入する流入管2a及び流出管2bが設けられ、密閉容器2の内側にシリンダー4が固定されるように設けられ、シリンダー4内部の圧縮空間Pに吸入された冷媒を圧縮させ得るように、シリンダー4の内部にピストン6が往復直線運動可能に設けられると同時に、ピストン6の運動方向に弾性支持されるように各種スプリングが設けられ、ピストン6は直線往復駆動力を発生させるリニアモーター10と連結されるように設けられる。
【0036】
さらに、圧縮空間Pと接しているピストン6の一端に吸入弁22が設けられ、圧縮空間Pと接しているシリンダー4の一端に吐出弁アセンブリー24が設けられ、吸入弁22及び吐出弁アセンブリー24は各々圧縮空間Pの内部の圧力によって開閉されるように自動的に調節される。
【0037】
ここで、密閉容器2は内部が密閉されるように上、下部シェルがお互いに結合されるように設けられ、一方側に冷媒が流入される流入管2a及び冷媒が流出する流出管2bが設けられ、シリンダー4の内側にピストン6が往復直線運動可能に運動方向に弾性支持されるように設けられるとともに、シリンダー4の外側にリニアモーター10がフレーム18により組み立てられて組立体を構成し、このような組立体が密閉容器2の内側底面に支持スプリング29により弾性支持されるように設けられる。
【0038】
さらに、密閉容器2の内部底面には所定のオイルが収容され、組立体の下段にはオイルをポンピングするオイル供給装置30が設けられるとともに、組立体の下側フレーム18の内部にはオイルをピストン6とシリンダー4の間に供給し得るようにオイル供給管18aが形成されるが、これによりオイル供給装置30はピストン6の往復直線運動によって発生する振動により作動してオイルをポンピングし、このようなオイルはオイル供給管18aを通ってピストン6とシリンダー4間の間隙に供給されて冷却及び潤滑作用をする。
【0039】
シリンダー4は、ピストン6が往復直線運動するように中孔形状で形成されるとともに、一方側に圧縮空間Pが形成され、流入管2aの内側に一端が近接するように位置された状態で流入管2aと同一直線上に設けられることが望ましい。
【0040】
シリンダー4は流入管2aと近接した一端の内部に上記ピストン6が往復直線運動可能に設けられ、流入管2aと反対方向側の一端に吐出弁アセンブリー24が設けられる。
【0041】
ここで、吐出弁アセンブリー24はシリンダー4の一端側に所定の吐出空間を形成するように設けられる吐出カバー24aと、シリンダーの圧縮空間P側の一端を開閉するように設けられる吐出弁24bと、吐出カバー24aと吐出弁24bとの間に軸方向に弾性力を付与する一種のコイルスプリングである弁スプリング24cと、からなり、シリンダー4の一端の内周にOリングRが嵌合されるように設けられて吐出弁24bがシリンダー4の一端に密着されるようにする。
【0042】
さらに、吐出カバー24aの一方側と流出管2bとの間には屈曲するように形成されたループパイプ28が連設されるが、ループパイプ28は圧縮された冷媒が外部に吐出されるように案内するだけでなく、シリンダー4、ピストン6、リニアモーター10の相互作用による振動が密閉容器2全体に伝えられることを緩衝する。
【0043】
したがって、ピストン6がシリンダー4の内部で往復直線運動することにより圧縮空間Pの圧力が所定の吐出圧力以上になると、弁スプリング24cが圧縮されて吐出弁24bを開放させ、冷媒が圧縮空間Pから吐出された後、ループパイプ28及び流出管2bを介して完全に外部に吐出される。
【0044】
ピストン6は流入管2aから流入した冷媒が流動するように冷媒流路6aが中央に形成されて、流入管2aと近接した一端が連結部材17によりリニアモーター10が直接連結されるように設けられるとともに、流入管2aと反対方向側の一端に吸入弁22が設けられ、ピストン6の運動方向に各種スプリングにより弾性支持されるように設けられる。
【0045】
ここで、吸入弁22は薄板形状で、中央部分がピストン6の冷媒流路6aを開閉させるように中央部分が一部切開されるように形成され、一方側がピストン6の一端にスクリューにより固定されるように設けられる。
【0046】
したがって、ピストン6がシリンダー4の内部で往復直線運動することにより圧縮空間Pの圧力が吐出圧力より低い所定の吸入圧力以下になると、吸入弁22が開放されて冷媒が圧縮空間Pに吸入され、圧縮空間Pの圧力が所定の吸入圧力以上になると、吸入弁22が閉められた状態で圧縮空間Pの冷媒が圧縮される。
【0047】
特に、ピストン6は運動方向に弾性支持されるように設けられるが、具体的には、流入管2aと近接したピストン6の一端に半径方向に突出されたピストンフランジ6bがコイルスプリングなどのような機械スプリング8a,8bによりピストン6の運動方向に弾性支持され、流入管2aと反対方向側の圧縮空間Pに含まれた冷媒が自らの弾性力によりガススプリングとして作用し、ピストン6を弾性支持する。
【0048】
ここで、機械スプリング8a,8bは負荷と関係なく、一定の機械スプリング常数Kmを有するが、機械スプリング8a,8bはピストンフランジ6bを基準にリニアモーター10に固定される所定の支持フレーム26とシリンダー4に各々軸方向に並行して設けられることが望ましく、支持フレーム26により支持される機械スプリング8aとシリンダー4に設けられる機械スプリング8bが同一の機械スプリング常数Kmを有するように構成されることが望ましい。
【0049】
図3は本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第1実施例の構成図である。
【0050】
図2と関連して、リニアモーター10は複数個のラミネーション12aが円周方向に積層されるように構成され、フレーム18によりシリンダー4の外側に固定されるように設けられるインナーステーター12と、コイルが巻き取られるように構成されたコイル捲線体14a周辺に複数個のラミネーション14bが円周方向に積層されるように構成され、フレーム18によりシリンダー4の外側にインナーステーター12と所定の間隙をおいて設けられるアウターステーター14と、インナーステーター12とアウターステーター14間の間隙に位置してピストン6と連結部材17により連結されるように設けられる永久磁石16と、からなるが、コイル捲線体14aはインナーステーター12の外側に固定されるように設けられ得る。
【0051】
特に、図3に示すように、リニア圧縮機の制御装置は、電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、キャパシター(C1)に対して並列に接続されたキャパシタンス可変部50と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50を制御する制御部60と、からなる。
【0052】
より詳しくは、オン・オフスイッチ(SW1)40は制御部60の制御によりリニアモーター10に電源を印加するメーンスイッチに該当する。ここで、電源は外部の商用電源であるか、このリニア圧縮機が装着される装置(例えば、冷蔵庫等)の電源供給部から印加された電源を意味する。
【0053】
キャパシター(C1)及びキャパシタンス可変部50は、リニアモーター10の全体キャパシタンスを決定し、図3に示すように並列に接続する。
【0054】
また、キャパシタンス可変部50は、キャパシター(C2)と、キャパシタースイッチ(SW2)及び突入電流防止素子52の直列接続で構成される。このキャパシタンス可変部50がキャパシター(C1)に対して複数個が並列に接続され得る。
【0055】
ここで、キャパシター(C2)にはキャパシター(C1)より小さい容量のキャパシタンスを有するキャパシターが接続される。また、キャパシタースイッチ(SW2)は電源からの電流又は電圧がキャパシター(C2)を通してコイル捲線体Lに印加されるようにその接続を調節するものであり、制御部60がキャパシタンス可変部50を制御するということはキャパシタースイッチ(SW2)のオン・オフを制御することを意味する。
【0056】
また、突入電流防止素子52はオン・オフスイッチ(SW1)40の閉状態でキャパシタースイッチ(SW2)をオンにする場合、キャパシター(C1)に充電された電荷がキャパシター(C2)に瞬間的に流れる突入電流が発生し、キャパシタースイッチ(SW2)の接点が溶着することがあり、このような突入電流によるキャパシタースイッチ(SW2)の破損を防止するために備えられる。ここで突入電流防止素子52は、この突入電流を他の形態のエネルギーに変換したりキャパシタースイッチ(SW2)に過度に印加されないようにするために、抵抗又はNTC(Negative Temperature Coefficient:負温度特性)素子又はインダクター中の少なくとも一つを含む。
【0057】
また、制御部60は上述したキャパシタンス可変部50を制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変し、リニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更できるようになる。特に、リニア圧縮機の出力は負荷によってその大きさが変動されなければならないが、この負荷の大きさと関係なく、その出力を増減させることもできる。このような出力変更及び突入電流の防止に対する制御部60の制御に対しては下記の図5及び6に基づいて後述する。
【0058】
図4は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第2実施例の構成図である。
【0059】
図4に示すように、リニア圧縮機の制御装置は、電源の印加を受けてモーター10に供給されるようにするオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、一端がキャパシター(C1)の一端に接続し、他端がコイル捲線体Lの捲線タップ(T)に接続して、キャパシター(C1)に対して並列で接続したキャパシタンス可変部50aと、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50aを制御する制御部60と、からなる。
【0060】
ここで、図4のオン・オフスイッチ(SW1)40と、コイル捲線体L及びキャパシター(C1)は図3の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0061】
図4のキャパシタンス可変部50aは、キャパシター(C3)と、キャパシタースイッチ(SW2)の直列接続により構成される。特に、図4のキャパシタンス可変部50aは、図3のキャパシタンス可変部50とは異なり、突入電流防止素子52を含まず、他端がコイル捲線体Lの捲線タップ(T)に直接接続し、キャパシター(C1)と捲線タップ(T)間のコイルがインダクターの機能を遂行するので、上述したような突入電流が発生した場合でも、この突入電流がキャパシタースイッチ(SW2)を破損しないようにする。このようなキャパシタンス可変部50aとコイル捲線体Lの連結によって、図3で言及した別途の突入電流防止素子は備えられる必要がなくなり、全体的なリニアモーター10が占める面積を減少させるだけでなく、生産コストが低減され得る。特に、抵抗の場合、突入電流を、発熱により消耗するが、運転時に電流による発熱が連続的に発生されるために、リニアモーター10の温度を上昇させるという問題が引き起こされ得るし、NTC素子の場合、周囲の温度が高い場合、その抵抗値が落ちて突入電流を防ぐ効果が落ちることがあり得るとともに、インダクターの場合相対的にその大きさが大きいためにリニア圧縮機で占める面積が相当大きくなることがあり、このような問題点をキャパシタンス可変部50aとコイル捲線体Lとを接続させて解決することができる。
【0062】
このキャパシタンス可変部50aはキャパシター(C1)に対して複数個が並列で接続され得るが、ここで、このキャパシタンス可変部50aのための捲線タップ(T)は一つであるか、それ以上であり得る。
【0063】
ここで、キャパシター(C3)は、図3のキャパシター(C2)とその素子的な面(キャパシタンスの大きさ含む)や機能的な面で同一である。また、制御部60がキャパシタンス可変部50aを制御するとは、キャパシタースイッチ(SW2)のオン・オフを制御することを意味する。
【0064】
また、制御部60は上述したキャパシタンス可変部50aを制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、このような可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変してリニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更することができる。特に、リニア圧縮機の出力は負荷によってその大きさが変動しなければならないが、この負荷の大きさと関係なく、その出力を増減させることもできる。このような出力変更及び突入電流防止に対する制御部60の制御に対しては下記の図5及び6に基づいて説明する。
【0065】
図5は、図3及び4の制御装置に対する制御方法の第1実施例の順序図である。この順序図の開始(START)段階において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)40が閉じられるようにして電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)に印加されるようにすることによりリニア圧縮機が所定の出力を生成する。
【0066】
段階(S51)において、制御部60はリニア圧縮機がさらに冷力を生成する必要があるか否かを判断する。このような判断は、上述したとおり、負荷によって又はこの負荷と関係なく、冷力が要求されることもあり、それぞれの場合に適合するように行われる。例えば、冷力が要求されると(すなわち、高冷力制御の場合)、段階(S52)に進行し、そうでない場合は(高冷力制御が要求されない場合であって、低冷力制御を維持する場合であるか、現在の高冷力制御を終了して低冷力制御に変更する場合をすべて含む)、段階(S55)に進行する。
【0067】
段階(S52)では、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる(すなわち、開放する)。ここで、制御部60は所定の時間(例えば、数秒)の間、このオフ状態を維持して、キャパシター(C1)に充電された電荷がある程度消耗されるようにする。
【0068】
段階(S53)において、制御部60はキャパシタンス可変部50、50aを制御し、すなわちキャパシタースイッチ(SW2)がオンになるように、すなわち閉じられるようにする。ここで、制御部60は、このようなオン状態(SW1はオフで、SW2はオン)を維持して、キャパシター(C1)に充電された電荷がすべて消耗されるようにする。このような消耗は突入電流防止素子52又はコイル捲線体Lの一部コイルによりなされる。
【0069】
段階(S54)において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより(すなわち、閉じられることにより)、電源がキャパシター(C1)とキャパシタンス可変部50、50a(すなわち、キャパシター(C2、C3))に印加されるようにすることにより、すなわち全体キャパシタンスが以前より増加されて高冷力運転が行われるようにする。
【0070】
段階(S55)において、制御部60は、現在キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか、すなわち閉じられているかを判断する。例えば、キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態(現在高冷力運転状態)であれば、段階(S56)に進行し、そうでなければ現在の低冷力運転をそのまま維持する場合であるから、そのまま終了する。
【0071】
段階(S56)において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる。このオフ状態が所定の時間の間、段階(S52)と同様に維持される。制御部60が段階(S57)を遂行せずに段階(S58)を遂行すると、キャパシター(C2、C3)に充電された電荷による突入電流がオン・オフスイッチ(SW1)に流れることになり、破損を起こすことがあるので、段階(S57)が要求される。
【0072】
段階(S57)において、制御部60はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより開状態になる。開状態が所定の時間の間、維持されるようにして、制御部60はキャパシター(C1)及び/又は(C2、C3)に充電された電荷、特にキャパシター(C2、C3)に充電された電荷が消耗されるようにする。
【0073】
段階(S58)において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより、電源がキャパシター(C1)とコイル捲線体Lを通して印加されるようにし、すなわち全体キャパシタンスが以前より減少して低冷力運転が行われるようにする。
【0074】
上述した第1実施例による制御方法において、制御部60はキャパシタンス可変部50、50aの制御を通して全体キャパシタンスを可変する前に、オン・オフスイッチ(SW1)40が先にオフされるようにし、図3及び4の構成による突入電流の防止以外にも追加的な突入電流を防止する。
【0075】
図6は、図3及び4の制御装置に対する制御方法の第2実施例の順序図である。
【0076】
段階(S61)において、制御部60は現在の高冷力運転又は低冷力運転を遂行するリニア圧縮機の稼動を中断するか否かを判断する。このような中断するか否かはこのリニア圧縮機が装着された装置からの命令に従うか、充分な冷力が維持され、これ以上の冷力が要求されないと判断する場合などに行われる。例えば、リニア圧縮機の稼動を中止しようとする場合には段階(S62)に進行し、そうではなく現在の稼動を維持する場合にはそのまま終了する。
【0077】
段階(S62)において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)40をオフさせることにより電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)に印加されないようにし、キャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)の電荷が消耗されるようにする。このオン・オフスイッチ(SW1)40のオフ状態を所定の時間の間維持することができる。
【0078】
段階(S63)において、制御部60はキャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか否かを判断して、例えば、オン状態であれば(現在高冷力運転)、段階(S64)に進行し、そうでなければ(現在低冷力運転)、そのまま終了する。
【0079】
段階(S64)において、制御部60はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより、キャパシター(C2、C3)及び/又はキャパシター(C1)の電荷が消耗されるようにする。
【0080】
上述したとおりリニア圧縮機の稼動を中断させる場合にも、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)40のオフを優先的に遂行し、その後、キャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより、突入電流によるスイッチ(SW2又はSW1)の破損が防止され得る。
【0081】
図7は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第3実施例の構成図である。図7に示すように、リニア圧縮機の制御装置は電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、キャパシター(C1)に対して並列に接続されたキャパシタンス可変部50と、キャパシター(C1)とキャパシター(C2)(又はキャパシタンス可変部50)それぞれの両端電圧(Vc1、Vc2)を測定する電圧感知部61、62と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50を制御する制御部70と、からなる。
【0082】
ここで、図7のオン・オフスイッチ(SW1)40と、コイル捲線体L、キャパシター(C1)、キャパシタンス可変部50は図3の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0083】
また、電圧感知部61はオン・オフスイッチ(SW1)40がオン状態である場合、キャパシター(C1)の両端電圧(Vc1)を測定する。また、電圧感知部62はオン・オフスイッチ(SW1)とキャパシタースイッチ(SW2)のいずれもオン状態である場合のキャパシター(C2)の両端電圧、又はキャパシタンス可変部50両端の電圧(Vc2)を測定する。ここで、このような電圧(Vc1、Vc2)はリニアモーター10に印加された電源が可変する場合、このような可変する電源の電圧はキャパシター(C1)及びキャパシター(C2)又はキャパシタンス可変部50の両端電圧(Vc1、Vc2)に直接影響を及ぼすことになり、電圧(Vc1、Vc2)だけを測定しても印加される電源の可変の程度を正確に把握することができる。上述したように、キャパシター(C1)がキャパシター(C2)よりキャパシタンスがより大きいため、電圧(Vc1)を使用することができるが、キャパシタンス可変部50の両端電圧(Vc2)を使用してもよい。
【0084】
また、制御部70は上述したキャパシタンス可変部50を制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、このように可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変してリニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更することができるようになる。特に、制御部70は印加される電源の可変程度を電圧感知部(61又は62)を通して認識し、測定された電圧Vc(Vc1又はVc2中の少なくとも一つ以上を含む電圧)が低くなれば(特に、低冷力運転時)出力が減少するが、現在の出力を維持するためには高冷力運転が行われるようにしなければならず、したがって高冷力運転が行われるようにする。また、測定された電圧Vcが高ければ(特に、高冷力運転時)、出力が増加するので、現在の出力を維持するためには低冷力運転が行われるようにしなければならず、したがって低冷力運転が行われるようにする。このような出力変更及び突入電流の防止に対する制御部70の制御に対しては下記の図9に基づいて説明する。
【0085】
図8は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第4実施例の構成図である。図8に示すように、リニアモーター10(すなわち、リニア圧縮機の制御装置)は電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、一端がキャパシター(C1)の一端に接続し、他端がコイル捲線体Lの捲線タップ(T)に接続してキャパシター(C1)に対して並列で接続されたキャパシタンス可変部50aと、キャパシター(C1)とキャパシター(C3)(又はキャパシタンス可変部50a)それぞれの両端電圧(Vc1)、(Vc3)を測定する電圧感知部61、63と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50aを制御する制御部70と、からなる。
【0086】
ここで、図8のオン・オフスイッチ(SW1)40と、コイル捲線体L及びキャパシター(C1)、キャパシタンス可変部50aは図4の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0087】
電圧感知部61はオン・オフスイッチ(SW1)40がオン状態である場合、キャパシター(C1)の両端電圧(Vc1)を測定する。また、電圧感知部63はオン・オフスイッチ(SW1)とキャパシタースイッチ(SW2)のいずれもオン状態である場合のキャパシター(C3)の両端電圧、又はキャパシタンス可変部50a両端の電圧(Vc3)を測定する。ここで、リニアモーター10に印加された電源が可変する場合、このような可変する電源の電圧はキャパシター(C1)及びキャパシター(C3)又はキャパシタンス可変部50aの両端電圧(Vc1)、(Vc3)に直接影響を及ぼすことになり、電圧(Vc1)、(Vc3)だけを測定しても印加された電源の可変程度を正確に把握することができる。上述したように、キャパシター(C1)がキャパシター(C3)よりキャパシタンスがより大きいため、電圧(Vc1)を使用してもよく、キャパシタンス可変部50a又はキャパシター(C3)の両端電圧(Vc3)を使用してもよい。
【0088】
また、制御部70は、上述したキャパシタンス可変部50aを制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、このような可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変してリニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更し得ることになる。特に、制御部70は印加された電源の可変程度を電圧感知部(61又は63)を介して認識し、測定された電圧Vc(Vc1又はVc3のうち少なくとも一つ以上を含む電圧)が低くなれば(特に、低冷力運転時)出力が減少するので、現在の出力を維持するためには高冷力運転がなされるようにしなければならず、したがって高冷力運転が行われるようにする。また、測定された電圧Vcが高ければ(特に、高冷力運転時)出力が増加するので、現在の出力を維持するためには低冷力運転がなされるようにしなければならず、したがって低冷力運転が行われるようにする。このような出力変更及び突入電流の防止に対する制御部70の制御に対しては下記の図9に基づいて説明する。
【0089】
図9は、図7及び8の制御装置に対する制御方法の順序図である。
【0090】
この図の開始段階において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)40が閉じられるようにすることにより、電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)に印加されるようにし、リニア圧縮機が所定の出力を生成することになる。以下では、制御部70はキャパシター(C1)の両端電圧(Vc1)を下記の電圧Vcとして使用する例を挙げて説明する。
【0091】
段階(S71)において、制御部70は電圧感知部61からキャパシター(C1)の両端電圧Vcの入力を受けて過負荷電圧(Vo)と比較する。この過負荷電圧(Vo)は制御部70が予め貯蔵した値であり、リニア圧縮機に過負荷がかかるか、又は異常状態の運転を引き起こす恐れがあると判断される値であり、上記電圧Vcが印加される電源の値を反映するので、この電圧Vcと過負荷電圧(Vo)を比較するようになる。例えば、電圧Vcが過負荷電圧(Vo)より小さければ段階(S72)に進行し、そうでなく電圧Vcが過負荷電圧(Vo)と同一であるか、大きければ段階(S80)に進行して印加される電源が遮断されるようにする。
【0092】
段階(S72)において、制御部70はリニア圧縮機に印加される電源が変化されたか否かを判断して以後の段階(S73〜 S79)で現在の冷力を維持する運転を行う。ここで、電圧Vcと比較される値は、所定の基準電圧(Vr)で、この基準電圧(Vr)は制御部70が低冷力運転及び高冷力運転を遂行するにあたって、安定的に遂行し得る最適の大きさの電圧を意味するもので、印加電源は187〜250V程度に可変する場合、例えば、220Vのような一つの値にするか、所定範囲(200〜240V)内の基準電圧に定めることができる。段階(S72)において、例えば、電圧Vcが基準電圧(Vr)より小さければ、出力が減少されるので、制御部70は、これを防止するために、高冷力運転を行うように段階(S73)に進行する。例えば、電圧Vcが基準電圧(Vr)と同一であるか、大きければ、出力が増加されるので、制御部70はこれを防止するために、低冷力運転を行うように段階(S76)に進行する。
【0093】
段階(S73)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる(すなわち開放する)。ここで、制御部70は所定の時間(例えば、数秒)の間このオフ状態を維持し、キャパシター(C1)に充電された電荷がある程度消耗されるようにする。
【0094】
段階(S74)において、制御部70はキャパシタンス可変部50、50aを制御し、すなわちキャパシタースイッチ(SW2)がオンになるように、すなわち閉じられるようにする。ここで、制御部70は、このようなオン状態(SW1はオフで、SW2はオン)を維持し、キャパシター(C1)に充電された電荷がすべて消耗されるようにする。このような消耗は突入電流防止素子52又はコイル捲線体Lの一部コイルにより行われる。
【0095】
段階(S75)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより(すなわち、閉じられるようにすることにより)、電源がキャパシター(C1)とキャパシタンス可変部50、50a(すなわちキャパシター(C2、C3))に印加されるように、すなわち全体キャパシタンスが以前より増加されて高冷力運転が行われるようにする。
【0096】
段階(S76)において、制御部70は現在キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか、すなわち閉じられているかを判断する。例えば、キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態(現在高冷力運転状態)であれば段階(S77)に進行し、そうでなければ現在の低冷力運転をそのまま維持する場合であるから、そのまま終了する。
【0097】
段階(S77)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる。このオフ時間が所定の時間の間、段階(S73)と同様に維持される。制御部70が段階(S77)を遂行せず、段階(S78)を遂行すると、キャパシター(C2)に充電された電荷による突入電流がオン・オフスイッチ(SW1)に流れ、破損させることがあるので、段階(S77)が要求される。
【0098】
段階(S78)において、制御部70はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより、開状態にする。開状態が所定の時間の間、維持されるようにして、制御部70はキャパシター(C1)及び/又は(C2、C3)に充電された電荷、特にキャパシター(C2、C3)に充電された電荷が消耗されるようにする。ここで、複数のキャパシタンス可変部50、50aが並列で接続した場合、それぞれのキャパシタースイッチ(SW2)を開閉することにより、より多様なキャパシタンスの可変が可能になる。
【0099】
段階(S79)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより、電源がキャパシター(C1)とコイル捲線体Lを通して印加されるようにし、すなわち全体キャパシタンスが以前より減少されて低冷力運転が行われるようにする。
【0100】
段階(S80)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)40をオフさせることにより、電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)に印加されないようにし、キャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)の電荷が消耗されるようにする。このオン・オフスイッチ(SW1)40のオフ状態を所定の時間の間維持することができる。
【0101】
段階(S81)において、制御部70はキャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか否かを判断し、例えば、オン状態であれば(現在高冷力運転)、段階(S82)に進行し、そうでなければ(現在低冷力運転)、そのまま終了する。
【0102】
段階(S82)において、制御部70はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることによりキャパシター(C2、C3)及び/又はキャパシター(C1)の電荷が消耗されるようにする。
【0103】
上述した実施例による制御方法において、制御部70はキャパシタンス可変部50、50aの制御により全体のキャパシタンスを可変する前に、オン・オフスイッチ(SW1)40が先にオフされるようにし、図7及び8の構成による突入電流防止の他にも追加的な突入電流の防止を行うようにする。
【0104】
また、リニア圧縮機の稼動を中断させる場合にも、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)40のオフを優先的に遂行し、その後、キャパシタースイッチ(SW2)がオフされるようにして、突入電流によるスイッチ(SW2又はSW1)の破損が防止され得る。
【0105】
図10は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第5実施例の構成図である。図10に示すように、リニア圧縮機の制御装置は電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、キャパシター(C1)に対して並列に接続されたキャパシタンス可変部50と、キャパシター(C1)とキャパシター(C2)(又はキャパシタンス可変部50)それぞれの両端電圧(Vc1、Vc2)を測定する電圧感知部61、62と、印加された電源の電圧Viと周波数Fiを測定する電圧及び周波数感知部65と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50を制御する制御部80と、からなる。
【0106】
図10のオン・オフスイッチ(SW1)40 、コイル捲線体L、キャパシター(C1)、キャパシタンス可変部50、及び電圧感知部(61、62)は図7の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0107】
電圧及び周波数感知部65は印加された電源の電圧Viと周波数Fiを測定する。ここで、電圧Viと周波数Fiはリニア圧縮機の出力に直接影響を及ぼす因子であり、以下ではこのような電圧Viと周波数Fiをすべて考慮して電源の変動程度を判断するために、この電圧及び周波数感知部65が備えられなければならない。
【0108】
また、制御部80は上述したキャパシタンス可変部50を制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、このような可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変してリニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更できるようにする。
【0109】
特に、制御部80は印加される電源の変動程度を電圧及び周波数感知部65から入力された電圧Viと周波数Fiを因子とする関数から算定されたモード電圧Vmを算定し、所定の基準値(a)(ここで、aは常数)と比較する。このようにモード電圧Vmは、電圧Viと周波数Fiの関数から算定されるものであり、電圧Viと周波数Fiがリニア圧縮機の冷力、すなわち出力に及ぼす影響が異なることがあるので、すなわち、その影響の程度が異なることがあり、単純に電圧Viと周波数Fiが各々所定の基準電圧及び基準周波数と比較されることは多少無理がある。このようなモード電圧Vmを算定する関数は一次関数、二次関数などと、その影響の程度をより正確に表現する関数があり得るが、本発明の実施例では下記の数式2の関数を使用することにする。
【0110】
【数2】
【0111】
ここで、α、bは所定の大きさの常数である。
【0112】
また、制御部80は電圧感知部61又は62を通して認識し、測定された電圧Vc(Vc1又はVc2のうち少なくとも一つ以上を含む電圧)が過負荷電圧(Vo)より低ければ、現在の出力を維持し、測定された電圧Vcが過負荷電圧(Vo)と同じか高ければ、過負荷などの問題を解決するために電源の供給を中断する。このような出力の変更、及び突入電流の防止に対する制御部80の制御に対しては、図12に基づいて後述する。
【0113】
図11は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第6実施例の構成図である。図11に示すように、リニア圧縮機の制御装置は電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、一端がキャパシター(C1)の一端に接続されて他端がコイル捲線体Lの捲線タップ(T)に接続され、キャパシター(C1)に対して並列に接続されたキャパシタンス可変部50aと、キャパシター(C1)とキャパシター(C3)(又はキャパシタンス可変部50a)それぞれの両端電圧(Vc1)、(Vc3)を測定する電圧感知部61、63と、印加された電源の電圧Viと周波数Fiを測定する電圧及び周波数感知部65と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50aを制御する制御部80と、からなる。
【0114】
ここで、図11のオン・オフスイッチ(SW1)40、コイル捲線体L及びキャパシター(C1)、キャパシタンス可変部50a、及び電圧感知部61、63は図8の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0115】
また、図11の電圧及び周波数感知部65は図10の電圧及び周波数感知部65と同一の素子である。
【0116】
また、制御部80は、図10の制御部80と同一の素子であり、同一の機能を遂行するが、図10の電圧感知部62の代りに電圧感知部63の測定電圧(Vc3)を使用する。すなわち、制御部80は電圧感知部(61又は63)を通して認識し、測定された電圧Vc(Vc1又はVc3のうち少なくとも一つ以上を含む電圧)が過負荷電圧(Vo)より低ければ、現在の出力を維持し、測定された電圧Vcが過負荷電圧(Vo)と同じか高ければ、過負荷などの問題を解決するために電源の供給を中断する。このような出力変更及び突入電流の防止に対する制御部80の制御に対しては、以下で図12に基づいて説明する。
【0117】
図12は図10及び11の制御装置に対する制御方法の順序図である。
【0118】
この順序図の開始段階で、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)40を閉じられるようにして電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)に印加されるようにしてリニア圧縮機が所定の出力を生成するようにする。以下では、制御部80はキャパシター(C1)の両端電圧(Vc1)を電圧Vcとして使用することを例に挙げて説明する。
【0119】
段階(S91)において、制御部80は電圧感知部61からキャパシター(C1)の両端電圧Vcの入力を受けて過負荷電圧(Vo)と比較する。この過負荷電圧(Vo)は制御部80が予め貯蔵した値であり、リニア圧縮機に過負荷がかかるか又は異常状態の運転を引き起こすことができると判断される値であり、この電圧Vcが印加された電源の値を反映するので、この電圧Vcと過負荷電圧(Vo)とを比較する。例えば、電圧Vcが過負荷電圧(Vo)より小さければ段階(S92)に進行し、そうでなければ電圧Vcが過負荷電圧(Vo)と同じか大きければ段階(S100)に進行して印加された電源が遮断される。
【0120】
段階(S92)において、制御部80は、リニア圧縮機に印加された電源が変化されたか否かを判断して以後の段階(S93ないしS99)で現在の冷力を維持する運転を遂行する。ここで、モード電圧Vmと比較される値は所定の基準値(a)であり、この基準値(a)とは制御部80が低冷力運転及び高冷力運転を遂行するにあたって、安定的に遂行し得る最適の値を意味し、一つの値であるか、所定範囲の値であり得る。段階(S92)において、例えば、モード電圧Vmが基準値(a)より小さければ出力が減少されるので、制御部80はこれを防止するために、高冷力運転を行うように、段階(S93)に進行する。例えば、モード電圧Vmが基準値(a)と同じか大きければ、出力が増加するので、制御部80はこれを防止するために低冷力運転を行うように段階(S96)に進行する。
【0121】
段階(S93)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる(すなわち、開放する)。ここで、制御部80は所定の時間(例えば、数秒)の間、このオフ状態を維持し、キャパシター(C1)に充電された電荷がある程度消耗されるようにする。
【0122】
段階(S94)において、制御部80はキャパシタンス可変部50、50aを制御して、すなわちキャパシタースイッチ(SW2)がオンになるように、すなわち閉じられるようにする。ここで、制御部80は、このようなオン状態(SW1はオフ、SW2はオン)を維持して、キャパシター(C1)に充電された電荷がすべて消耗されるようにする。このような消耗は突入電流防止素子52又はコイル捲線体Lの一部コイルにより行われる。
【0123】
段階(S95)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより(すなわち、閉じられるようにすることにより)、電源がキャパシター(C1)とキャパシタンス可変部50、50a(すなわちキャパシター(C2、C3))に印加されるようにし、すなわち全体のキャパシタンスが以前より増加して高冷力運転が行われるようにする。
【0124】
段階(S96)において、制御部80は現在キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか、すなわち閉じられているか否かを判断する。例えば、キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態(現在高冷力運転状態)であれば、段階(S97)に進行し、そうでなければ現在の低冷力運転をそのまま維持する場合であるからそのまま終了する。
【0125】
段階(S97)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる。このオフ時間が所定の時間の間、段階(S93)と同様に維持される。制御部80が段階(S97)を遂行せずに、段階(S98)を遂行すると、キャパシター(C2)に充電された電荷による突入電流がオン・オフスイッチ(SW1)に流れ、破損を起こすことがあるので、段階(S97)が要求される。
【0126】
段階(S98)において、制御部80はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより開状態になる。開状態が所定の時間の間維持されるようにし、制御部80はキャパシター(C1)及び/又は(C2、C3)に充電された電荷、特にキャパシター(C2、C3)に充電された電荷が消耗されるようにする。ここで、多数のキャパシタンス可変部50、50aが並列に接続された場合、それぞれのキャパシタースイッチ(SW2)を開閉させることにより、より多様なキャパシタンスの可変が可能になる。
【0127】
段階(S99)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより、電源がキャパシター(C1)とコイル捲線体Lを介して印加されるようにし、すなわち全体キャパシタンスが以前より減少されて低冷力運転が行われるようにする。
【0128】
段階(S100)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)40をオフさせることにより、電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)に印加されないようにして、キャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)の電荷が消耗されるようにする。このオン・オフスイッチ(SW1)40のオフ状態を所定の時間の間維持することができる。
【0129】
段階(S101)において、制御部80はキャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか否かを判断し、例えば、オン状態であれば(現在高冷力運転)、段階(S102)に進行し、そうでなければ(現在低冷力運転)、そのまま終了する。
【0130】
段階(S102)において、制御部80はキャパシタースイッチ(SW2)をオフにすることによりキャパシター(C2、C3)及び/又はキャパシター(C1)の電荷が消耗されるようにする。
【0131】
上述した実施例による制御方法において、制御部80はキャパシタンス可変部50、50aの制御を通して全体キャパシタンスを可変する前に、オン・オフスイッチ(SW1)40が先にオフされるようにすることで、図10及び11の構成による突入電流防止の他にも追加的な突入電流を防止することができる。
【0132】
また、リニア圧縮機の稼動を中断させる場合にも、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)40のオフを優先的に遂行し、それ後、キャパシタースイッチ(SW2)がオフされるようにして、突入電流によるスイッチ(SW2又はSW1)の破損が防止され得る。
【0133】
図13は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第7実施例の構成図である。図13に示すように、リニアモーターは外部電源の印加を受けて定電源に変換する定電源供給部66と、インダクタンスを多様に可変させることができるように、リニア圧縮機の円周方向に捲線されて定電源の印加を受けるコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されて定電源の印加を受けるキャパシター(C)と、コイル捲線体Lの一部又は全体に電源が印加されるようにする分枝手段55と、負荷によって冷力を調節されるようにする定電源供給部66及び分枝手段55を制御する制御部90と、からなる。
【0134】
より詳しくは、定電源供給部66は変動可能性のある外部電源の印加を受けて、所定の大きさの定電圧を有する定電源、又は所定の大きさを有する定周波数を有する定電源、又は所定の大きさの定電圧と所定の大きさの定周波数を有する定電源がキャパシター(C)とコイル捲線体Lに印加されるようにする。この定電源供給部66はインバータ又はトライアック(登録商標)などによる電子回路で実現され得る。
【0135】
ここで、定電圧の大きさと定周波数の大きさは各々単一の値に固定され、定電源供給部66が常時同一の大きさの定電圧及び/又は定周波数を有する定電源を印加することができ、印加される外部電源を制御部90の制御により、大きさの異なる定電圧及び/又は定周波数を有する定電源に変換する機能も可能である。このような定電源供給部66はキャパシター(C)とコイル捲線体Lに定電源を印加することにより、変動可能性のある外部電源の変動による出力変動を防止するだけでなく、負荷(例えば、低負荷、中間負荷、高負荷、過負荷等)によってピストン6の往復行程が自動的に調節されるようにし、上述した自然出力の変化を引き起こすようになる。すなわち、このような自然出力変化は低負荷でのピストン6の往復行程と、過負荷でのピストン6の往復行程とが相異するようにすることにより得られ、特に過負荷時にはピストン6の上死点(TDC)まで往復運動することが望ましい。
【0136】
また、コイル捲線体Lの一端は定電源が印加されるキャパシター(C)に接続され、コイル捲線体Lの他端には分枝手段55の連結端子55cが形成され、連結端子55bはコイル捲線体Lの中間点M(又は中間点Mの分枝線)に接続される。
【0137】
また、キャパシター(C)は、コイル捲線体Lとともに制御装置の回路的な運転周波数fcを決定する構成要素であり、ここで、キャパシター(C)とコイル捲線体Lのそれぞれの大きさは、リニアモーター10の最大出力(例えば、過負荷動作時)での固有周波数fnと一致するように設計されなければならない(すなわち、共振点設計)。この時の固有周波数fnは上述した機械スプリング常数Km及びガススプリング常数Kgがすべて考慮されるか、機械スプリング常数Kmが小さいようにし、ガススプリング常数Kgが固有周波数fnに及ぼす影響が大きくなるようにするなど、あらかじめ予測して使われる。このような設計は、最大出力が要求される負荷が要求される場合、リニアモーター10のピストン6が図2に図示された上死点(TDC)まで往復運動を遂行し、この最大出力以下の負荷ではリニアモーター10のピストン6が負荷に対応して往復運動を遂行するようにするためのものである。
【0138】
また、分枝手段55は定電源供給部66に接続されて連結端子55b又は55cに定電源が印加されるように選択するスイチング素子55aと、スイチング素子55aとの接続により定電源がコイル捲線体Lに印加されるようにコイル捲線体Lの中間点Mと他端に接続される連結端子55b、55c(又は捲線タップ)と、から構成される。この分枝手段55は制御部90の選択信号によりスイチング素子55aを作動して定電源がコイル捲線体Lの一部又は全体に印加されるようにする。ここで、連結端子55b、55cは2個でもよく、3個以上も可能である。分枝手段55は初期にスイチング素子55aが連結端子55cに接するようにする。
【0139】
制御部90は優先的に定電源供給部66を制御し、外部電源の印加を受けて所定の大きさの定電源に変換してキャパシター(C)とコイル捲線体Lに印加されるようにする。これにより、リニアモーター10はピストン6が負荷によって自動的に出力が変化するようにする。
【0140】
このような自動出力変化は、図14に示す図13の制御装置による冷却容量グラフにより明確に認識され得る。すなわち、冷却容量グラフは負荷(温度、周囲温度等)の低負荷(a)、中間負荷(b)、高負荷(c)、過負荷(d)によって冷却容量が変化していることを示し、特に過負荷(d)以後はほぼ一定の大きさを有するようになることが分かる。また、上述したように、過負荷(d)時にはピストン6が上死点(TDC)まで往復運動し、その以下では負荷に対応する往復行程で運動する。このような自動出力変化とともに、本発明による制御装置による冷却容量は外部電源が変動されても、常に一定の大きさの定電源が印加されるため、図14に示すように、グラフが徐々に変化して冷却サイクルが安定的に駆動される。また、自動出力変化及び安定した冷却サイクルと共に、制御装置の回路的運転周波数fcが最大出力の固有周波数fnと一致するようになり、ピストン6は最大出力(過負荷)で上死点(TDC)までの往復を遂行し、冷却効率が最大となる。従来のリニア圧縮機の場合、回路の運転周波数fcを高負荷の出力の固有周波数fnと一致させて、最大出力(過負荷)でその冷却容量が減少する傾向があった。
【0141】
また、制御部90は要請出力によって冷却容量を変化させることができる。ここで、要請出力は冷却サイクル上で要求されるか、使用者などによって要求されるすべての出力変動を意味する。このような冷却容量を変化させる第1方法は定電源供給部66を制御する方法であり、第2方法は分枝手段55を制御する方法である。
【0142】
まず、冷却容量の変化のための第1方法は定電源供給部66で変換される定電源の大きさを変更するものである。例えば、出力を高めようとする場合、制御部90は定電源供給部66で変換される定電源の大きさを大きくするか、定周波数の大きさを小さくする。このように出力を高める場合、図14のグラフは上方に移動することになる(ここで、グラフの傾きは変動可能である)。また、出力を低くしようとする場合、制御部90は定電源供給部66で変換される定電源の大きさを小さくするか、定周波数の大きさを大きくする。このように出力を低くする場合、図14のグラフは下方に移動することになる(ここで、グラフの傾きは変動可能である)。場合によっては、制御部90は、初期冷却動作を遂行する場合、出力を高めようとする場合は、定周波数の大きさを大きく変換し、出力を低くしようとする場合は、定周波数の大きさを低くしなければならない。
【0143】
次いで、冷却容量の変化のための第2方法は、分枝手段55を制御して定電源が印加されるコイル捲線体Lの長さを調節する方法である。図14のグラフは分枝手段55のスイチング素子55aが連結端子55cに接続した状態で得られた結果を示すものであり、制御部90が分枝手段55を制御してスイチング素子55aが連結端子55bに接続されるようにすると、定電源がコイル捲線体Lの一部であるL1にだけ印加されて出力が減少し、図14のグラフは下方に移動することになる(ここで、グラフの傾きは変動可能である)。すなわち、定電源が印加されるコイル捲線体Lの長さを長くすれば定電源が全体に印加されて出力が大きくなり、定電源が印加されるコイル捲線体Lの長さを短くすれば、定電源が一部分だけに印加されて出力が小さくなる。
【0144】
上述した第1方法と第2方法は各々個別的に制御部90により行われるか、組合わせて行われ、多様な出力変化を具現することができる。
【0145】
このような構成の本発明のリニア圧縮機の制御装置は全体のキャパシタンスを可変して出力を制御しながら、これによる突入電流を防止する効果がある。
【0146】
また、本発明は、キャパシタンスの可変時にリニア圧縮機のオン・オフスイッチに対する制御をも行い、突入電流をより效率的に防止する効果がある。
【0147】
また、本発明は、複数のスイッチが備えられたリニアモーター又は制御装置においてこれらのスイッチのオン又はオフの順序を制御し、突入電流が效率的に防止されるようにする効果がある。
【0148】
また、本発明は、印加された電源が変動してもこの変動によって出力が減少されたり増加したりしないようにし、安定した運転が行われるようにする効果がある。
【0149】
また、本発明は、過度な電源が印加されて圧縮機に過負荷がかかるか、又は異常状態の運転が行われないようにする効果がある。
【0150】
また、本発明は、リニア圧縮機の運転(高冷力運転、低冷力運転)を可変しながらもこれによる突入電流の発生を防止するという効果がある。
【0151】
また、本発明は、印加される外部電源の変動に影響を受けずに負荷によって出力が変動するようにして冷却効率を極大化するという効果がある。
【0152】
また、本発明は、所定の要求出力によってコイルに印加される定電源の大きさを変化させることにより複数個の出力を具現する効果がある。
【0153】
また、本発明は、定電源の大きさ及び、この定電源が印加されるコイルの長さを変化させることにより、複数個の出力を具現する効果がある。
【0154】
また、本発明は、定電源と最大出力での共振点設計を通して最大出力時にピストンを上死点(TDC)まで往復行程を遂行するようにし、冷却容量及び冷却効率を向上させる効果がある。
【0155】
以上、本発明は、本発明の実施例及び添付図面に基づいてムービングマグネット形のリニアモーターが作動し、これと連結されたピストンがシリンダー内部で往復直線移動しながら冷媒を吸入、圧縮、吐出するリニア圧縮機を例に上げて詳細に説明したが、以上の実施例及び図面によって本発明の範囲が制限されるのではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲に記載された内容によってのみ制限される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニア圧縮機に関し、特に冷力可変及び突入電流防止を行うリニア圧縮機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、圧縮機(Compressor)は、電気モーターやタービンなどの動力発生装置から動力の伝達を受けて空気や冷媒又はその他の多様な作動ガスを圧縮させて圧力を高める機械装置であって、冷蔵庫やエアコンなどの家電機器又は産業全般に亙り広く使われている。
【0003】
このような圧縮機を大別すると、ピストンとシリンダーの間に作動ガスが吸・吐出される圧縮空間が形成されるようにして、ピストンがシリンダー内部で直線往復運動しながら冷媒を圧縮させる往復動式圧縮機(Reciprocating compressor)と、偏心回転するローラ(Roller)とシリンダー間に作動ガスが吸・吐出される圧縮空間が形成されるようにして、ローラがシリンダーの内壁に沿って偏心回転しながら冷媒を圧縮させる回転式圧縮機(Rotary compressor)と、旋回スクロール(Orbiting scroll)と固定スクロール(Fixed scroll)間に作動ガスが吸・吐出される圧縮空間が形成されるようにして旋回スクロールが固定スクロールに沿って回転しながら冷媒を圧縮させるスクロール式圧縮機(Scroll compressor)と、に分けられる。
【0004】
一般に、リニア圧縮機は、モーターの直線駆動力を利用して冷媒を吸入、圧縮、吐出させるが、冷媒ガスを圧縮させるシリンダー及びピストンなどが含まれた圧縮部と、上記圧縮部に駆動力を供給するリニアモーターが含まれた駆動部と、大きく分けられる。
【0005】
具体的に、上記リニア圧縮機は密閉容器の内部にシリンダーが固定されるように設けられ、上記シリンダーの内部にピストンが往復直線運動可能に設けられ、上記ピストンが上記シリンダーの内部で往復直線運動することにより上記シリンダー内部の圧縮空間に冷媒が流入するようにして圧縮させた後、吐出させるように構成され、上記圧縮空間には、吸入弁アセンブリー及び吐出弁アセンブリーが設けられ、上記圧縮空間内部の圧力によって冷媒の流入及び吐出を調節する。
【0006】
また、上記ピストンに直線運動力を発生させるリニアモーターがお互いに連結されるように設けられるが、上記リニアモーターは、上記シリンダーの周辺に複数個のラミネーションが円周方向に積層されるように構成されたインナーステーター及びアウターステーターが所定の間隙をおいて設けられるが、上記インナーステーター又はアウターステーターの内側にはコイル(又はコイル捲線体)が巻き取られるように設けられて、上記インナーステーターとアウターステーター間の間隙には永久磁石が上記ピストンと連結されるように設けられる。
【0007】
ここで、上記永久磁石は、上記ピストンの運動方向に移動可能に設けられて、上記コイルに電流が流れることにより発生する電磁気力により上記ピストンの運動方向に往復直線運動するが、通常上記リニアモーターは一定の運転周波数fcで作動され、上記ピストンが所定のストロークSで往復直線運動するようにする。
【0008】
図1は、従来技術によるリニア圧縮機の制御装置の構成図である。同図に示すように、制御装置はリニア圧縮機の円周方向に捲線され、電源の印加を受けるコイル捲線体Lと、コイル捲線体Lの一部又は全体に電源が印加されるようにする分枝手段100と、負荷に応じて冷力を調節するために分枝手段100を制御する制御部200と、からなる。
【0009】
より詳しくは、コイル捲線体Lの一端は電源に接続され、コイル捲線体Lの他端には分枝手段100の連結端子100aが形成され、連結端子100bはコイル捲線体Lの中間点M(又は中間点Mの分枝線)に接続され、制御部200の制御により電源を連結端子100a又は100bに印加するスイチング素子100cが分枝手段100に含まれる。
【0010】
制御部200は冷凍サイクル内で過負荷時に高冷力を出力するためにコイル捲線体Lの一部に電源が印加されるようにする共振運動(power mode)が行われるようにし、冷凍サイクル内で低負荷時に、又は中間負荷時に、低冷力又は中間冷力を出力するためにコイル捲線体L全体に電源が印加されるようにする正常運動(Saving mode)が行われるようにする。このために、制御部200は共振運動のために分枝手段100のスイチング素子100cが連結端子100bに接続されるようにし、又は制御部200は正常運動のために分枝手段100のスイチング素子100cが連結端子100aに接続されるようにする。
【0011】
上記のように構成されたリニア圧縮機は、上記リニアモーターが設計上考慮した負荷下でコイルスプリングの機械スプリング常数Km及びガススプリングのガススプリング常数Kgにより算出されるピストンの固有周波数fnに一致する運転周波数fcで運転されるように構成されるので、単に設計上考慮した負荷下に限って上記リニアモーターが共振状態で運転されることにより、効率を上げることができる。
【0012】
ところが、上記のようなリニア圧縮機は、実際負荷が可変することにより上記ガススプリングのガススプリング常数Kg及びこれを考慮して算出されたピストンの固有周波数fnが変更される。
【0013】
具体的に、上記リニアモーターは設計時中間負荷領域で上記ピストンの固有周波数fnと一致するように運転周波数fcが決定され、負荷が可変してもこのように決定された一定の運転周波数fcで運転されるが、上記ピストンの固有周波数fnは負荷が大きくなるに連れて、大きくなる。
【0014】
【数1】
【0015】
ここで、上記fnはピストンの固有周波数であり、Km 及びKgは機械スプリング常数及びガススプリング常数であり、Mはピストンの質量である。
【0016】
通常、設計時に全体スプリング常数KTにおいてガススプリング常数Kgが占める比率が小さいため、ガススプリング常数Kgを考慮しなかいか、ガススプリング常数Kgを一定の値に設定して適用し、上記ピストンの質量M及び機械スプリング常数Kmも一定の値を有するので、上記ピストンの固有周波数fnも上記数式1に依存して一定の値で算出される。
【0017】
しかし、実際に負荷が増加するにつれて制限された空間内で冷媒の圧力及び温度が高まり、これによって上記ガススプリング自体の弾性力が大きくなり、ガススプリング常数Kgが大きくなり、このようなガススプリング常数Kgに比例するように算出されるピストンの固有周波数fnも大きくなる。
【0018】
このような従来技術において、制御部200がスイチング素子100cを制御する場合、コイル捲線体Lに蓄積された電気エネルギーが作用して突入電流が発生するという問題点がある。
【0019】
また、このような従来技術において、印加された電源が可変する場合、このような可変は制御部200の制御とは関係なく、リニア圧縮機の出力に変動を引き起こすという問題点がある。また、このような制御部200は、過度な電源が印加された場合、圧縮機に過負荷がかかり、異常状態の運転を行うことになり、リニア圧縮機が正常に作動しなくなるという問題点がある。
【0020】
また、上述した図1の従来技術によるリニア圧縮機の制御装置は、このようなガススプリング常数Kgによって可変するピストン又は可動部材の固有周波数fnを考慮することなく、運転周波数fcだけを調節することにより、負荷の冷力によって出力を可変することはできるが、リニア圧縮機の共振周波数から離れてしまい、リニア圧縮機の効率が落ちてしまう。また、従来技術によるリニア圧縮機の場合、外部から印加される供給電源の変動によって効率及び冷力の変化が大分大きくなって、リニア圧縮機の運転上の致命的な問題点となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
このような従来技術に対して、本発明は、制御装置の全体キャパシタンスを可変して出力を制御しながら、これによる突入電流を防止するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明は、キャパシタンスの可変時にリニア圧縮機の電源スイッチに対する制御も遂行し、突入電流を防止するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0023】
本発明は、印加される電源が変動してもこの変動によって出力が減少したり、増加したりしないように制御するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0024】
また、本発明は、過度な電源が印加されて圧縮機に過負荷がかかるか、又は異常状態の運転を行わないようにするリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、リニア圧縮機の運転(低冷力運転、高冷力運転)を可変しながらも、これによる突入電流の発生を防止するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0026】
本発明は、印加される外部電源の変動に影響を受けずに負荷によって出力が変動するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明は、所定の要求される出力によってコイルに印加される定電源の大きさを変化させることにより複数個の出力を具現するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【0028】
また、本発明は、定電源の大きさ、及びこの定電源が印加されるコイルの長さを変化させることにより、複数個の出力を具現するリニア圧縮機の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
このような目的を達成するために、本発明のリニア圧縮機の制御装置はリニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、上記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、上記第1キャパシターと並列構造を有し、キャパシタースイッチを備えたキャパシタンス可変部と、上記キャパシタースイッチを制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより、上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【0030】
また、本発明のリニア圧縮機の制御装置はリニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、上記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、上記第1キャパシターと並列構造を有するキャパシタンス可変部と、上記第1キャパシター及び上記キャパシタンス可変部のうち少なくとも一つ以上の両端間の電圧Vcを測定する電圧感知部と、上記電圧感知部からの測定電圧Vcによって上記キャパシタンス可変部を制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより負荷による上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【0031】
また、本発明のリニア圧縮機の制御装置はリニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、一端が上記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、上記第1キャパシターと並列構造を有するキャパシタンス可変部と、印加電源の電圧Vi及び周波数Fiを測定する電圧及び周波数感知部と、上記電圧及び周波数感知部からの上記印加電源の電圧Viと周波数Fiに関する関数によるモード電圧Vmを算定し、上記モード電圧Vmによって上記キャパシタンス可変部を制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより、上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【0032】
また、本発明のリニア圧縮機の制御装置は、リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、上記コイル捲線体に直列に接続されたキャパシターと、外部電源の印加を受けて特定の大きさの定電源に変換するようにして上記コイル捲線体に印加する定電源供給部と、上記定電源供給部が上記特定大きさの定電源を上記コイル捲線体に供給するように制御して負荷による上記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、からなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来技術によるリニア圧縮機の制御装置の構成図である。
【図2】本発明によるリニア圧縮機が図示された断面図である。
【図3】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第1実施例の構成図である。
【図4】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第2実施例の構成図である。
【図5】図3及び4の制御装置に対する制御方法の第1実施例の順序図である。
【図6】図3及び4の制御装置に対する制御方法の第2実施例の順序図である。
【図7】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第3実施例の構成図である。
【図8】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第4実施例の構成図である。
【図9】図7及び8の制御装置に対する制御方法の順序図である。
【図10】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第5実施例の構成図である。
【図11】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第6実施例の構成図である。
【図12】図10及び11の制御装置に対する制御方法の順序図である。
【図13】本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第7実施例の構成図である。
【図14】図13の制御装置による冷却容量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、添付された図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0035】
本発明によるリニア圧縮機は、図2に示すように密閉容器2の一方側に冷媒が流出入する流入管2a及び流出管2bが設けられ、密閉容器2の内側にシリンダー4が固定されるように設けられ、シリンダー4内部の圧縮空間Pに吸入された冷媒を圧縮させ得るように、シリンダー4の内部にピストン6が往復直線運動可能に設けられると同時に、ピストン6の運動方向に弾性支持されるように各種スプリングが設けられ、ピストン6は直線往復駆動力を発生させるリニアモーター10と連結されるように設けられる。
【0036】
さらに、圧縮空間Pと接しているピストン6の一端に吸入弁22が設けられ、圧縮空間Pと接しているシリンダー4の一端に吐出弁アセンブリー24が設けられ、吸入弁22及び吐出弁アセンブリー24は各々圧縮空間Pの内部の圧力によって開閉されるように自動的に調節される。
【0037】
ここで、密閉容器2は内部が密閉されるように上、下部シェルがお互いに結合されるように設けられ、一方側に冷媒が流入される流入管2a及び冷媒が流出する流出管2bが設けられ、シリンダー4の内側にピストン6が往復直線運動可能に運動方向に弾性支持されるように設けられるとともに、シリンダー4の外側にリニアモーター10がフレーム18により組み立てられて組立体を構成し、このような組立体が密閉容器2の内側底面に支持スプリング29により弾性支持されるように設けられる。
【0038】
さらに、密閉容器2の内部底面には所定のオイルが収容され、組立体の下段にはオイルをポンピングするオイル供給装置30が設けられるとともに、組立体の下側フレーム18の内部にはオイルをピストン6とシリンダー4の間に供給し得るようにオイル供給管18aが形成されるが、これによりオイル供給装置30はピストン6の往復直線運動によって発生する振動により作動してオイルをポンピングし、このようなオイルはオイル供給管18aを通ってピストン6とシリンダー4間の間隙に供給されて冷却及び潤滑作用をする。
【0039】
シリンダー4は、ピストン6が往復直線運動するように中孔形状で形成されるとともに、一方側に圧縮空間Pが形成され、流入管2aの内側に一端が近接するように位置された状態で流入管2aと同一直線上に設けられることが望ましい。
【0040】
シリンダー4は流入管2aと近接した一端の内部に上記ピストン6が往復直線運動可能に設けられ、流入管2aと反対方向側の一端に吐出弁アセンブリー24が設けられる。
【0041】
ここで、吐出弁アセンブリー24はシリンダー4の一端側に所定の吐出空間を形成するように設けられる吐出カバー24aと、シリンダーの圧縮空間P側の一端を開閉するように設けられる吐出弁24bと、吐出カバー24aと吐出弁24bとの間に軸方向に弾性力を付与する一種のコイルスプリングである弁スプリング24cと、からなり、シリンダー4の一端の内周にOリングRが嵌合されるように設けられて吐出弁24bがシリンダー4の一端に密着されるようにする。
【0042】
さらに、吐出カバー24aの一方側と流出管2bとの間には屈曲するように形成されたループパイプ28が連設されるが、ループパイプ28は圧縮された冷媒が外部に吐出されるように案内するだけでなく、シリンダー4、ピストン6、リニアモーター10の相互作用による振動が密閉容器2全体に伝えられることを緩衝する。
【0043】
したがって、ピストン6がシリンダー4の内部で往復直線運動することにより圧縮空間Pの圧力が所定の吐出圧力以上になると、弁スプリング24cが圧縮されて吐出弁24bを開放させ、冷媒が圧縮空間Pから吐出された後、ループパイプ28及び流出管2bを介して完全に外部に吐出される。
【0044】
ピストン6は流入管2aから流入した冷媒が流動するように冷媒流路6aが中央に形成されて、流入管2aと近接した一端が連結部材17によりリニアモーター10が直接連結されるように設けられるとともに、流入管2aと反対方向側の一端に吸入弁22が設けられ、ピストン6の運動方向に各種スプリングにより弾性支持されるように設けられる。
【0045】
ここで、吸入弁22は薄板形状で、中央部分がピストン6の冷媒流路6aを開閉させるように中央部分が一部切開されるように形成され、一方側がピストン6の一端にスクリューにより固定されるように設けられる。
【0046】
したがって、ピストン6がシリンダー4の内部で往復直線運動することにより圧縮空間Pの圧力が吐出圧力より低い所定の吸入圧力以下になると、吸入弁22が開放されて冷媒が圧縮空間Pに吸入され、圧縮空間Pの圧力が所定の吸入圧力以上になると、吸入弁22が閉められた状態で圧縮空間Pの冷媒が圧縮される。
【0047】
特に、ピストン6は運動方向に弾性支持されるように設けられるが、具体的には、流入管2aと近接したピストン6の一端に半径方向に突出されたピストンフランジ6bがコイルスプリングなどのような機械スプリング8a,8bによりピストン6の運動方向に弾性支持され、流入管2aと反対方向側の圧縮空間Pに含まれた冷媒が自らの弾性力によりガススプリングとして作用し、ピストン6を弾性支持する。
【0048】
ここで、機械スプリング8a,8bは負荷と関係なく、一定の機械スプリング常数Kmを有するが、機械スプリング8a,8bはピストンフランジ6bを基準にリニアモーター10に固定される所定の支持フレーム26とシリンダー4に各々軸方向に並行して設けられることが望ましく、支持フレーム26により支持される機械スプリング8aとシリンダー4に設けられる機械スプリング8bが同一の機械スプリング常数Kmを有するように構成されることが望ましい。
【0049】
図3は本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第1実施例の構成図である。
【0050】
図2と関連して、リニアモーター10は複数個のラミネーション12aが円周方向に積層されるように構成され、フレーム18によりシリンダー4の外側に固定されるように設けられるインナーステーター12と、コイルが巻き取られるように構成されたコイル捲線体14a周辺に複数個のラミネーション14bが円周方向に積層されるように構成され、フレーム18によりシリンダー4の外側にインナーステーター12と所定の間隙をおいて設けられるアウターステーター14と、インナーステーター12とアウターステーター14間の間隙に位置してピストン6と連結部材17により連結されるように設けられる永久磁石16と、からなるが、コイル捲線体14aはインナーステーター12の外側に固定されるように設けられ得る。
【0051】
特に、図3に示すように、リニア圧縮機の制御装置は、電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、キャパシター(C1)に対して並列に接続されたキャパシタンス可変部50と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50を制御する制御部60と、からなる。
【0052】
より詳しくは、オン・オフスイッチ(SW1)40は制御部60の制御によりリニアモーター10に電源を印加するメーンスイッチに該当する。ここで、電源は外部の商用電源であるか、このリニア圧縮機が装着される装置(例えば、冷蔵庫等)の電源供給部から印加された電源を意味する。
【0053】
キャパシター(C1)及びキャパシタンス可変部50は、リニアモーター10の全体キャパシタンスを決定し、図3に示すように並列に接続する。
【0054】
また、キャパシタンス可変部50は、キャパシター(C2)と、キャパシタースイッチ(SW2)及び突入電流防止素子52の直列接続で構成される。このキャパシタンス可変部50がキャパシター(C1)に対して複数個が並列に接続され得る。
【0055】
ここで、キャパシター(C2)にはキャパシター(C1)より小さい容量のキャパシタンスを有するキャパシターが接続される。また、キャパシタースイッチ(SW2)は電源からの電流又は電圧がキャパシター(C2)を通してコイル捲線体Lに印加されるようにその接続を調節するものであり、制御部60がキャパシタンス可変部50を制御するということはキャパシタースイッチ(SW2)のオン・オフを制御することを意味する。
【0056】
また、突入電流防止素子52はオン・オフスイッチ(SW1)40の閉状態でキャパシタースイッチ(SW2)をオンにする場合、キャパシター(C1)に充電された電荷がキャパシター(C2)に瞬間的に流れる突入電流が発生し、キャパシタースイッチ(SW2)の接点が溶着することがあり、このような突入電流によるキャパシタースイッチ(SW2)の破損を防止するために備えられる。ここで突入電流防止素子52は、この突入電流を他の形態のエネルギーに変換したりキャパシタースイッチ(SW2)に過度に印加されないようにするために、抵抗又はNTC(Negative Temperature Coefficient:負温度特性)素子又はインダクター中の少なくとも一つを含む。
【0057】
また、制御部60は上述したキャパシタンス可変部50を制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変し、リニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更できるようになる。特に、リニア圧縮機の出力は負荷によってその大きさが変動されなければならないが、この負荷の大きさと関係なく、その出力を増減させることもできる。このような出力変更及び突入電流の防止に対する制御部60の制御に対しては下記の図5及び6に基づいて後述する。
【0058】
図4は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第2実施例の構成図である。
【0059】
図4に示すように、リニア圧縮機の制御装置は、電源の印加を受けてモーター10に供給されるようにするオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、一端がキャパシター(C1)の一端に接続し、他端がコイル捲線体Lの捲線タップ(T)に接続して、キャパシター(C1)に対して並列で接続したキャパシタンス可変部50aと、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50aを制御する制御部60と、からなる。
【0060】
ここで、図4のオン・オフスイッチ(SW1)40と、コイル捲線体L及びキャパシター(C1)は図3の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0061】
図4のキャパシタンス可変部50aは、キャパシター(C3)と、キャパシタースイッチ(SW2)の直列接続により構成される。特に、図4のキャパシタンス可変部50aは、図3のキャパシタンス可変部50とは異なり、突入電流防止素子52を含まず、他端がコイル捲線体Lの捲線タップ(T)に直接接続し、キャパシター(C1)と捲線タップ(T)間のコイルがインダクターの機能を遂行するので、上述したような突入電流が発生した場合でも、この突入電流がキャパシタースイッチ(SW2)を破損しないようにする。このようなキャパシタンス可変部50aとコイル捲線体Lの連結によって、図3で言及した別途の突入電流防止素子は備えられる必要がなくなり、全体的なリニアモーター10が占める面積を減少させるだけでなく、生産コストが低減され得る。特に、抵抗の場合、突入電流を、発熱により消耗するが、運転時に電流による発熱が連続的に発生されるために、リニアモーター10の温度を上昇させるという問題が引き起こされ得るし、NTC素子の場合、周囲の温度が高い場合、その抵抗値が落ちて突入電流を防ぐ効果が落ちることがあり得るとともに、インダクターの場合相対的にその大きさが大きいためにリニア圧縮機で占める面積が相当大きくなることがあり、このような問題点をキャパシタンス可変部50aとコイル捲線体Lとを接続させて解決することができる。
【0062】
このキャパシタンス可変部50aはキャパシター(C1)に対して複数個が並列で接続され得るが、ここで、このキャパシタンス可変部50aのための捲線タップ(T)は一つであるか、それ以上であり得る。
【0063】
ここで、キャパシター(C3)は、図3のキャパシター(C2)とその素子的な面(キャパシタンスの大きさ含む)や機能的な面で同一である。また、制御部60がキャパシタンス可変部50aを制御するとは、キャパシタースイッチ(SW2)のオン・オフを制御することを意味する。
【0064】
また、制御部60は上述したキャパシタンス可変部50aを制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、このような可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変してリニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更することができる。特に、リニア圧縮機の出力は負荷によってその大きさが変動しなければならないが、この負荷の大きさと関係なく、その出力を増減させることもできる。このような出力変更及び突入電流防止に対する制御部60の制御に対しては下記の図5及び6に基づいて説明する。
【0065】
図5は、図3及び4の制御装置に対する制御方法の第1実施例の順序図である。この順序図の開始(START)段階において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)40が閉じられるようにして電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)に印加されるようにすることによりリニア圧縮機が所定の出力を生成する。
【0066】
段階(S51)において、制御部60はリニア圧縮機がさらに冷力を生成する必要があるか否かを判断する。このような判断は、上述したとおり、負荷によって又はこの負荷と関係なく、冷力が要求されることもあり、それぞれの場合に適合するように行われる。例えば、冷力が要求されると(すなわち、高冷力制御の場合)、段階(S52)に進行し、そうでない場合は(高冷力制御が要求されない場合であって、低冷力制御を維持する場合であるか、現在の高冷力制御を終了して低冷力制御に変更する場合をすべて含む)、段階(S55)に進行する。
【0067】
段階(S52)では、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる(すなわち、開放する)。ここで、制御部60は所定の時間(例えば、数秒)の間、このオフ状態を維持して、キャパシター(C1)に充電された電荷がある程度消耗されるようにする。
【0068】
段階(S53)において、制御部60はキャパシタンス可変部50、50aを制御し、すなわちキャパシタースイッチ(SW2)がオンになるように、すなわち閉じられるようにする。ここで、制御部60は、このようなオン状態(SW1はオフで、SW2はオン)を維持して、キャパシター(C1)に充電された電荷がすべて消耗されるようにする。このような消耗は突入電流防止素子52又はコイル捲線体Lの一部コイルによりなされる。
【0069】
段階(S54)において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより(すなわち、閉じられることにより)、電源がキャパシター(C1)とキャパシタンス可変部50、50a(すなわち、キャパシター(C2、C3))に印加されるようにすることにより、すなわち全体キャパシタンスが以前より増加されて高冷力運転が行われるようにする。
【0070】
段階(S55)において、制御部60は、現在キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか、すなわち閉じられているかを判断する。例えば、キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態(現在高冷力運転状態)であれば、段階(S56)に進行し、そうでなければ現在の低冷力運転をそのまま維持する場合であるから、そのまま終了する。
【0071】
段階(S56)において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる。このオフ状態が所定の時間の間、段階(S52)と同様に維持される。制御部60が段階(S57)を遂行せずに段階(S58)を遂行すると、キャパシター(C2、C3)に充電された電荷による突入電流がオン・オフスイッチ(SW1)に流れることになり、破損を起こすことがあるので、段階(S57)が要求される。
【0072】
段階(S57)において、制御部60はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより開状態になる。開状態が所定の時間の間、維持されるようにして、制御部60はキャパシター(C1)及び/又は(C2、C3)に充電された電荷、特にキャパシター(C2、C3)に充電された電荷が消耗されるようにする。
【0073】
段階(S58)において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより、電源がキャパシター(C1)とコイル捲線体Lを通して印加されるようにし、すなわち全体キャパシタンスが以前より減少して低冷力運転が行われるようにする。
【0074】
上述した第1実施例による制御方法において、制御部60はキャパシタンス可変部50、50aの制御を通して全体キャパシタンスを可変する前に、オン・オフスイッチ(SW1)40が先にオフされるようにし、図3及び4の構成による突入電流の防止以外にも追加的な突入電流を防止する。
【0075】
図6は、図3及び4の制御装置に対する制御方法の第2実施例の順序図である。
【0076】
段階(S61)において、制御部60は現在の高冷力運転又は低冷力運転を遂行するリニア圧縮機の稼動を中断するか否かを判断する。このような中断するか否かはこのリニア圧縮機が装着された装置からの命令に従うか、充分な冷力が維持され、これ以上の冷力が要求されないと判断する場合などに行われる。例えば、リニア圧縮機の稼動を中止しようとする場合には段階(S62)に進行し、そうではなく現在の稼動を維持する場合にはそのまま終了する。
【0077】
段階(S62)において、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)40をオフさせることにより電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)に印加されないようにし、キャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)の電荷が消耗されるようにする。このオン・オフスイッチ(SW1)40のオフ状態を所定の時間の間維持することができる。
【0078】
段階(S63)において、制御部60はキャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか否かを判断して、例えば、オン状態であれば(現在高冷力運転)、段階(S64)に進行し、そうでなければ(現在低冷力運転)、そのまま終了する。
【0079】
段階(S64)において、制御部60はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより、キャパシター(C2、C3)及び/又はキャパシター(C1)の電荷が消耗されるようにする。
【0080】
上述したとおりリニア圧縮機の稼動を中断させる場合にも、制御部60はオン・オフスイッチ(SW1)40のオフを優先的に遂行し、その後、キャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより、突入電流によるスイッチ(SW2又はSW1)の破損が防止され得る。
【0081】
図7は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第3実施例の構成図である。図7に示すように、リニア圧縮機の制御装置は電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、キャパシター(C1)に対して並列に接続されたキャパシタンス可変部50と、キャパシター(C1)とキャパシター(C2)(又はキャパシタンス可変部50)それぞれの両端電圧(Vc1、Vc2)を測定する電圧感知部61、62と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50を制御する制御部70と、からなる。
【0082】
ここで、図7のオン・オフスイッチ(SW1)40と、コイル捲線体L、キャパシター(C1)、キャパシタンス可変部50は図3の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0083】
また、電圧感知部61はオン・オフスイッチ(SW1)40がオン状態である場合、キャパシター(C1)の両端電圧(Vc1)を測定する。また、電圧感知部62はオン・オフスイッチ(SW1)とキャパシタースイッチ(SW2)のいずれもオン状態である場合のキャパシター(C2)の両端電圧、又はキャパシタンス可変部50両端の電圧(Vc2)を測定する。ここで、このような電圧(Vc1、Vc2)はリニアモーター10に印加された電源が可変する場合、このような可変する電源の電圧はキャパシター(C1)及びキャパシター(C2)又はキャパシタンス可変部50の両端電圧(Vc1、Vc2)に直接影響を及ぼすことになり、電圧(Vc1、Vc2)だけを測定しても印加される電源の可変の程度を正確に把握することができる。上述したように、キャパシター(C1)がキャパシター(C2)よりキャパシタンスがより大きいため、電圧(Vc1)を使用することができるが、キャパシタンス可変部50の両端電圧(Vc2)を使用してもよい。
【0084】
また、制御部70は上述したキャパシタンス可変部50を制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、このように可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変してリニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更することができるようになる。特に、制御部70は印加される電源の可変程度を電圧感知部(61又は62)を通して認識し、測定された電圧Vc(Vc1又はVc2中の少なくとも一つ以上を含む電圧)が低くなれば(特に、低冷力運転時)出力が減少するが、現在の出力を維持するためには高冷力運転が行われるようにしなければならず、したがって高冷力運転が行われるようにする。また、測定された電圧Vcが高ければ(特に、高冷力運転時)、出力が増加するので、現在の出力を維持するためには低冷力運転が行われるようにしなければならず、したがって低冷力運転が行われるようにする。このような出力変更及び突入電流の防止に対する制御部70の制御に対しては下記の図9に基づいて説明する。
【0085】
図8は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第4実施例の構成図である。図8に示すように、リニアモーター10(すなわち、リニア圧縮機の制御装置)は電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、一端がキャパシター(C1)の一端に接続し、他端がコイル捲線体Lの捲線タップ(T)に接続してキャパシター(C1)に対して並列で接続されたキャパシタンス可変部50aと、キャパシター(C1)とキャパシター(C3)(又はキャパシタンス可変部50a)それぞれの両端電圧(Vc1)、(Vc3)を測定する電圧感知部61、63と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50aを制御する制御部70と、からなる。
【0086】
ここで、図8のオン・オフスイッチ(SW1)40と、コイル捲線体L及びキャパシター(C1)、キャパシタンス可変部50aは図4の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0087】
電圧感知部61はオン・オフスイッチ(SW1)40がオン状態である場合、キャパシター(C1)の両端電圧(Vc1)を測定する。また、電圧感知部63はオン・オフスイッチ(SW1)とキャパシタースイッチ(SW2)のいずれもオン状態である場合のキャパシター(C3)の両端電圧、又はキャパシタンス可変部50a両端の電圧(Vc3)を測定する。ここで、リニアモーター10に印加された電源が可変する場合、このような可変する電源の電圧はキャパシター(C1)及びキャパシター(C3)又はキャパシタンス可変部50aの両端電圧(Vc1)、(Vc3)に直接影響を及ぼすことになり、電圧(Vc1)、(Vc3)だけを測定しても印加された電源の可変程度を正確に把握することができる。上述したように、キャパシター(C1)がキャパシター(C3)よりキャパシタンスがより大きいため、電圧(Vc1)を使用してもよく、キャパシタンス可変部50a又はキャパシター(C3)の両端電圧(Vc3)を使用してもよい。
【0088】
また、制御部70は、上述したキャパシタンス可変部50aを制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、このような可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変してリニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更し得ることになる。特に、制御部70は印加された電源の可変程度を電圧感知部(61又は63)を介して認識し、測定された電圧Vc(Vc1又はVc3のうち少なくとも一つ以上を含む電圧)が低くなれば(特に、低冷力運転時)出力が減少するので、現在の出力を維持するためには高冷力運転がなされるようにしなければならず、したがって高冷力運転が行われるようにする。また、測定された電圧Vcが高ければ(特に、高冷力運転時)出力が増加するので、現在の出力を維持するためには低冷力運転がなされるようにしなければならず、したがって低冷力運転が行われるようにする。このような出力変更及び突入電流の防止に対する制御部70の制御に対しては下記の図9に基づいて説明する。
【0089】
図9は、図7及び8の制御装置に対する制御方法の順序図である。
【0090】
この図の開始段階において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)40が閉じられるようにすることにより、電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)に印加されるようにし、リニア圧縮機が所定の出力を生成することになる。以下では、制御部70はキャパシター(C1)の両端電圧(Vc1)を下記の電圧Vcとして使用する例を挙げて説明する。
【0091】
段階(S71)において、制御部70は電圧感知部61からキャパシター(C1)の両端電圧Vcの入力を受けて過負荷電圧(Vo)と比較する。この過負荷電圧(Vo)は制御部70が予め貯蔵した値であり、リニア圧縮機に過負荷がかかるか、又は異常状態の運転を引き起こす恐れがあると判断される値であり、上記電圧Vcが印加される電源の値を反映するので、この電圧Vcと過負荷電圧(Vo)を比較するようになる。例えば、電圧Vcが過負荷電圧(Vo)より小さければ段階(S72)に進行し、そうでなく電圧Vcが過負荷電圧(Vo)と同一であるか、大きければ段階(S80)に進行して印加される電源が遮断されるようにする。
【0092】
段階(S72)において、制御部70はリニア圧縮機に印加される電源が変化されたか否かを判断して以後の段階(S73〜 S79)で現在の冷力を維持する運転を行う。ここで、電圧Vcと比較される値は、所定の基準電圧(Vr)で、この基準電圧(Vr)は制御部70が低冷力運転及び高冷力運転を遂行するにあたって、安定的に遂行し得る最適の大きさの電圧を意味するもので、印加電源は187〜250V程度に可変する場合、例えば、220Vのような一つの値にするか、所定範囲(200〜240V)内の基準電圧に定めることができる。段階(S72)において、例えば、電圧Vcが基準電圧(Vr)より小さければ、出力が減少されるので、制御部70は、これを防止するために、高冷力運転を行うように段階(S73)に進行する。例えば、電圧Vcが基準電圧(Vr)と同一であるか、大きければ、出力が増加されるので、制御部70はこれを防止するために、低冷力運転を行うように段階(S76)に進行する。
【0093】
段階(S73)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる(すなわち開放する)。ここで、制御部70は所定の時間(例えば、数秒)の間このオフ状態を維持し、キャパシター(C1)に充電された電荷がある程度消耗されるようにする。
【0094】
段階(S74)において、制御部70はキャパシタンス可変部50、50aを制御し、すなわちキャパシタースイッチ(SW2)がオンになるように、すなわち閉じられるようにする。ここで、制御部70は、このようなオン状態(SW1はオフで、SW2はオン)を維持し、キャパシター(C1)に充電された電荷がすべて消耗されるようにする。このような消耗は突入電流防止素子52又はコイル捲線体Lの一部コイルにより行われる。
【0095】
段階(S75)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより(すなわち、閉じられるようにすることにより)、電源がキャパシター(C1)とキャパシタンス可変部50、50a(すなわちキャパシター(C2、C3))に印加されるように、すなわち全体キャパシタンスが以前より増加されて高冷力運転が行われるようにする。
【0096】
段階(S76)において、制御部70は現在キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか、すなわち閉じられているかを判断する。例えば、キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態(現在高冷力運転状態)であれば段階(S77)に進行し、そうでなければ現在の低冷力運転をそのまま維持する場合であるから、そのまま終了する。
【0097】
段階(S77)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる。このオフ時間が所定の時間の間、段階(S73)と同様に維持される。制御部70が段階(S77)を遂行せず、段階(S78)を遂行すると、キャパシター(C2)に充電された電荷による突入電流がオン・オフスイッチ(SW1)に流れ、破損させることがあるので、段階(S77)が要求される。
【0098】
段階(S78)において、制御部70はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより、開状態にする。開状態が所定の時間の間、維持されるようにして、制御部70はキャパシター(C1)及び/又は(C2、C3)に充電された電荷、特にキャパシター(C2、C3)に充電された電荷が消耗されるようにする。ここで、複数のキャパシタンス可変部50、50aが並列で接続した場合、それぞれのキャパシタースイッチ(SW2)を開閉することにより、より多様なキャパシタンスの可変が可能になる。
【0099】
段階(S79)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより、電源がキャパシター(C1)とコイル捲線体Lを通して印加されるようにし、すなわち全体キャパシタンスが以前より減少されて低冷力運転が行われるようにする。
【0100】
段階(S80)において、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)40をオフさせることにより、電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)に印加されないようにし、キャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)の電荷が消耗されるようにする。このオン・オフスイッチ(SW1)40のオフ状態を所定の時間の間維持することができる。
【0101】
段階(S81)において、制御部70はキャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか否かを判断し、例えば、オン状態であれば(現在高冷力運転)、段階(S82)に進行し、そうでなければ(現在低冷力運転)、そのまま終了する。
【0102】
段階(S82)において、制御部70はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることによりキャパシター(C2、C3)及び/又はキャパシター(C1)の電荷が消耗されるようにする。
【0103】
上述した実施例による制御方法において、制御部70はキャパシタンス可変部50、50aの制御により全体のキャパシタンスを可変する前に、オン・オフスイッチ(SW1)40が先にオフされるようにし、図7及び8の構成による突入電流防止の他にも追加的な突入電流の防止を行うようにする。
【0104】
また、リニア圧縮機の稼動を中断させる場合にも、制御部70はオン・オフスイッチ(SW1)40のオフを優先的に遂行し、その後、キャパシタースイッチ(SW2)がオフされるようにして、突入電流によるスイッチ(SW2又はSW1)の破損が防止され得る。
【0105】
図10は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第5実施例の構成図である。図10に示すように、リニア圧縮機の制御装置は電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、キャパシター(C1)に対して並列に接続されたキャパシタンス可変部50と、キャパシター(C1)とキャパシター(C2)(又はキャパシタンス可変部50)それぞれの両端電圧(Vc1、Vc2)を測定する電圧感知部61、62と、印加された電源の電圧Viと周波数Fiを測定する電圧及び周波数感知部65と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50を制御する制御部80と、からなる。
【0106】
図10のオン・オフスイッチ(SW1)40 、コイル捲線体L、キャパシター(C1)、キャパシタンス可変部50、及び電圧感知部(61、62)は図7の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0107】
電圧及び周波数感知部65は印加された電源の電圧Viと周波数Fiを測定する。ここで、電圧Viと周波数Fiはリニア圧縮機の出力に直接影響を及ぼす因子であり、以下ではこのような電圧Viと周波数Fiをすべて考慮して電源の変動程度を判断するために、この電圧及び周波数感知部65が備えられなければならない。
【0108】
また、制御部80は上述したキャパシタンス可変部50を制御して、リニアモーター10の全体キャパシタンスを可変することにより、このような可変されたキャパシタンスとコイル捲線体Lによる運転周波数を可変してリニア圧縮機の出力、すなわち冷力を変更できるようにする。
【0109】
特に、制御部80は印加される電源の変動程度を電圧及び周波数感知部65から入力された電圧Viと周波数Fiを因子とする関数から算定されたモード電圧Vmを算定し、所定の基準値(a)(ここで、aは常数)と比較する。このようにモード電圧Vmは、電圧Viと周波数Fiの関数から算定されるものであり、電圧Viと周波数Fiがリニア圧縮機の冷力、すなわち出力に及ぼす影響が異なることがあるので、すなわち、その影響の程度が異なることがあり、単純に電圧Viと周波数Fiが各々所定の基準電圧及び基準周波数と比較されることは多少無理がある。このようなモード電圧Vmを算定する関数は一次関数、二次関数などと、その影響の程度をより正確に表現する関数があり得るが、本発明の実施例では下記の数式2の関数を使用することにする。
【0110】
【数2】
【0111】
ここで、α、bは所定の大きさの常数である。
【0112】
また、制御部80は電圧感知部61又は62を通して認識し、測定された電圧Vc(Vc1又はVc2のうち少なくとも一つ以上を含む電圧)が過負荷電圧(Vo)より低ければ、現在の出力を維持し、測定された電圧Vcが過負荷電圧(Vo)と同じか高ければ、過負荷などの問題を解決するために電源の供給を中断する。このような出力の変更、及び突入電流の防止に対する制御部80の制御に対しては、図12に基づいて後述する。
【0113】
図11は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第6実施例の構成図である。図11に示すように、リニア圧縮機の制御装置は電源の印加を受けてモーター10に供給するオン・オフスイッチ(SW1)40と、リニア圧縮機の円周方向に捲線されたコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されたキャパシター(C1)と、一端がキャパシター(C1)の一端に接続されて他端がコイル捲線体Lの捲線タップ(T)に接続され、キャパシター(C1)に対して並列に接続されたキャパシタンス可変部50aと、キャパシター(C1)とキャパシター(C3)(又はキャパシタンス可変部50a)それぞれの両端電圧(Vc1)、(Vc3)を測定する電圧感知部61、63と、印加された電源の電圧Viと周波数Fiを測定する電圧及び周波数感知部65と、リニア圧縮機の出力変化のためにキャパシタンス可変部50aを制御する制御部80と、からなる。
【0114】
ここで、図11のオン・オフスイッチ(SW1)40、コイル捲線体L及びキャパシター(C1)、キャパシタンス可変部50a、及び電圧感知部61、63は図8の同一の識別番号の素子と同一の素子である。
【0115】
また、図11の電圧及び周波数感知部65は図10の電圧及び周波数感知部65と同一の素子である。
【0116】
また、制御部80は、図10の制御部80と同一の素子であり、同一の機能を遂行するが、図10の電圧感知部62の代りに電圧感知部63の測定電圧(Vc3)を使用する。すなわち、制御部80は電圧感知部(61又は63)を通して認識し、測定された電圧Vc(Vc1又はVc3のうち少なくとも一つ以上を含む電圧)が過負荷電圧(Vo)より低ければ、現在の出力を維持し、測定された電圧Vcが過負荷電圧(Vo)と同じか高ければ、過負荷などの問題を解決するために電源の供給を中断する。このような出力変更及び突入電流の防止に対する制御部80の制御に対しては、以下で図12に基づいて説明する。
【0117】
図12は図10及び11の制御装置に対する制御方法の順序図である。
【0118】
この順序図の開始段階で、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)40を閉じられるようにして電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)に印加されるようにしてリニア圧縮機が所定の出力を生成するようにする。以下では、制御部80はキャパシター(C1)の両端電圧(Vc1)を電圧Vcとして使用することを例に挙げて説明する。
【0119】
段階(S91)において、制御部80は電圧感知部61からキャパシター(C1)の両端電圧Vcの入力を受けて過負荷電圧(Vo)と比較する。この過負荷電圧(Vo)は制御部80が予め貯蔵した値であり、リニア圧縮機に過負荷がかかるか又は異常状態の運転を引き起こすことができると判断される値であり、この電圧Vcが印加された電源の値を反映するので、この電圧Vcと過負荷電圧(Vo)とを比較する。例えば、電圧Vcが過負荷電圧(Vo)より小さければ段階(S92)に進行し、そうでなければ電圧Vcが過負荷電圧(Vo)と同じか大きければ段階(S100)に進行して印加された電源が遮断される。
【0120】
段階(S92)において、制御部80は、リニア圧縮機に印加された電源が変化されたか否かを判断して以後の段階(S93ないしS99)で現在の冷力を維持する運転を遂行する。ここで、モード電圧Vmと比較される値は所定の基準値(a)であり、この基準値(a)とは制御部80が低冷力運転及び高冷力運転を遂行するにあたって、安定的に遂行し得る最適の値を意味し、一つの値であるか、所定範囲の値であり得る。段階(S92)において、例えば、モード電圧Vmが基準値(a)より小さければ出力が減少されるので、制御部80はこれを防止するために、高冷力運転を行うように、段階(S93)に進行する。例えば、モード電圧Vmが基準値(a)と同じか大きければ、出力が増加するので、制御部80はこれを防止するために低冷力運転を行うように段階(S96)に進行する。
【0121】
段階(S93)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる(すなわち、開放する)。ここで、制御部80は所定の時間(例えば、数秒)の間、このオフ状態を維持し、キャパシター(C1)に充電された電荷がある程度消耗されるようにする。
【0122】
段階(S94)において、制御部80はキャパシタンス可変部50、50aを制御して、すなわちキャパシタースイッチ(SW2)がオンになるように、すなわち閉じられるようにする。ここで、制御部80は、このようなオン状態(SW1はオフ、SW2はオン)を維持して、キャパシター(C1)に充電された電荷がすべて消耗されるようにする。このような消耗は突入電流防止素子52又はコイル捲線体Lの一部コイルにより行われる。
【0123】
段階(S95)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより(すなわち、閉じられるようにすることにより)、電源がキャパシター(C1)とキャパシタンス可変部50、50a(すなわちキャパシター(C2、C3))に印加されるようにし、すなわち全体のキャパシタンスが以前より増加して高冷力運転が行われるようにする。
【0124】
段階(S96)において、制御部80は現在キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか、すなわち閉じられているか否かを判断する。例えば、キャパシタースイッチ(SW2)がオン状態(現在高冷力運転状態)であれば、段階(S97)に進行し、そうでなければ現在の低冷力運転をそのまま維持する場合であるからそのまま終了する。
【0125】
段階(S97)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)をオフさせる。このオフ時間が所定の時間の間、段階(S93)と同様に維持される。制御部80が段階(S97)を遂行せずに、段階(S98)を遂行すると、キャパシター(C2)に充電された電荷による突入電流がオン・オフスイッチ(SW1)に流れ、破損を起こすことがあるので、段階(S97)が要求される。
【0126】
段階(S98)において、制御部80はキャパシタースイッチ(SW2)をオフさせることにより開状態になる。開状態が所定の時間の間維持されるようにし、制御部80はキャパシター(C1)及び/又は(C2、C3)に充電された電荷、特にキャパシター(C2、C3)に充電された電荷が消耗されるようにする。ここで、多数のキャパシタンス可変部50、50aが並列に接続された場合、それぞれのキャパシタースイッチ(SW2)を開閉させることにより、より多様なキャパシタンスの可変が可能になる。
【0127】
段階(S99)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)をオンさせることにより、電源がキャパシター(C1)とコイル捲線体Lを介して印加されるようにし、すなわち全体キャパシタンスが以前より減少されて低冷力運転が行われるようにする。
【0128】
段階(S100)において、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)40をオフさせることにより、電源がコイル捲線体Lとキャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)に印加されないようにして、キャパシター(C1)及び/又はキャパシター(C2、C3)の電荷が消耗されるようにする。このオン・オフスイッチ(SW1)40のオフ状態を所定の時間の間維持することができる。
【0129】
段階(S101)において、制御部80はキャパシタースイッチ(SW2)がオン状態であるか否かを判断し、例えば、オン状態であれば(現在高冷力運転)、段階(S102)に進行し、そうでなければ(現在低冷力運転)、そのまま終了する。
【0130】
段階(S102)において、制御部80はキャパシタースイッチ(SW2)をオフにすることによりキャパシター(C2、C3)及び/又はキャパシター(C1)の電荷が消耗されるようにする。
【0131】
上述した実施例による制御方法において、制御部80はキャパシタンス可変部50、50aの制御を通して全体キャパシタンスを可変する前に、オン・オフスイッチ(SW1)40が先にオフされるようにすることで、図10及び11の構成による突入電流防止の他にも追加的な突入電流を防止することができる。
【0132】
また、リニア圧縮機の稼動を中断させる場合にも、制御部80はオン・オフスイッチ(SW1)40のオフを優先的に遂行し、それ後、キャパシタースイッチ(SW2)がオフされるようにして、突入電流によるスイッチ(SW2又はSW1)の破損が防止され得る。
【0133】
図13は、本発明によるリニア圧縮機の制御装置の第7実施例の構成図である。図13に示すように、リニアモーターは外部電源の印加を受けて定電源に変換する定電源供給部66と、インダクタンスを多様に可変させることができるように、リニア圧縮機の円周方向に捲線されて定電源の印加を受けるコイル捲線体L(図2のコイル捲線体14aと同一の素子)と、コイル捲線体Lと直列に接続されて定電源の印加を受けるキャパシター(C)と、コイル捲線体Lの一部又は全体に電源が印加されるようにする分枝手段55と、負荷によって冷力を調節されるようにする定電源供給部66及び分枝手段55を制御する制御部90と、からなる。
【0134】
より詳しくは、定電源供給部66は変動可能性のある外部電源の印加を受けて、所定の大きさの定電圧を有する定電源、又は所定の大きさを有する定周波数を有する定電源、又は所定の大きさの定電圧と所定の大きさの定周波数を有する定電源がキャパシター(C)とコイル捲線体Lに印加されるようにする。この定電源供給部66はインバータ又はトライアック(登録商標)などによる電子回路で実現され得る。
【0135】
ここで、定電圧の大きさと定周波数の大きさは各々単一の値に固定され、定電源供給部66が常時同一の大きさの定電圧及び/又は定周波数を有する定電源を印加することができ、印加される外部電源を制御部90の制御により、大きさの異なる定電圧及び/又は定周波数を有する定電源に変換する機能も可能である。このような定電源供給部66はキャパシター(C)とコイル捲線体Lに定電源を印加することにより、変動可能性のある外部電源の変動による出力変動を防止するだけでなく、負荷(例えば、低負荷、中間負荷、高負荷、過負荷等)によってピストン6の往復行程が自動的に調節されるようにし、上述した自然出力の変化を引き起こすようになる。すなわち、このような自然出力変化は低負荷でのピストン6の往復行程と、過負荷でのピストン6の往復行程とが相異するようにすることにより得られ、特に過負荷時にはピストン6の上死点(TDC)まで往復運動することが望ましい。
【0136】
また、コイル捲線体Lの一端は定電源が印加されるキャパシター(C)に接続され、コイル捲線体Lの他端には分枝手段55の連結端子55cが形成され、連結端子55bはコイル捲線体Lの中間点M(又は中間点Mの分枝線)に接続される。
【0137】
また、キャパシター(C)は、コイル捲線体Lとともに制御装置の回路的な運転周波数fcを決定する構成要素であり、ここで、キャパシター(C)とコイル捲線体Lのそれぞれの大きさは、リニアモーター10の最大出力(例えば、過負荷動作時)での固有周波数fnと一致するように設計されなければならない(すなわち、共振点設計)。この時の固有周波数fnは上述した機械スプリング常数Km及びガススプリング常数Kgがすべて考慮されるか、機械スプリング常数Kmが小さいようにし、ガススプリング常数Kgが固有周波数fnに及ぼす影響が大きくなるようにするなど、あらかじめ予測して使われる。このような設計は、最大出力が要求される負荷が要求される場合、リニアモーター10のピストン6が図2に図示された上死点(TDC)まで往復運動を遂行し、この最大出力以下の負荷ではリニアモーター10のピストン6が負荷に対応して往復運動を遂行するようにするためのものである。
【0138】
また、分枝手段55は定電源供給部66に接続されて連結端子55b又は55cに定電源が印加されるように選択するスイチング素子55aと、スイチング素子55aとの接続により定電源がコイル捲線体Lに印加されるようにコイル捲線体Lの中間点Mと他端に接続される連結端子55b、55c(又は捲線タップ)と、から構成される。この分枝手段55は制御部90の選択信号によりスイチング素子55aを作動して定電源がコイル捲線体Lの一部又は全体に印加されるようにする。ここで、連結端子55b、55cは2個でもよく、3個以上も可能である。分枝手段55は初期にスイチング素子55aが連結端子55cに接するようにする。
【0139】
制御部90は優先的に定電源供給部66を制御し、外部電源の印加を受けて所定の大きさの定電源に変換してキャパシター(C)とコイル捲線体Lに印加されるようにする。これにより、リニアモーター10はピストン6が負荷によって自動的に出力が変化するようにする。
【0140】
このような自動出力変化は、図14に示す図13の制御装置による冷却容量グラフにより明確に認識され得る。すなわち、冷却容量グラフは負荷(温度、周囲温度等)の低負荷(a)、中間負荷(b)、高負荷(c)、過負荷(d)によって冷却容量が変化していることを示し、特に過負荷(d)以後はほぼ一定の大きさを有するようになることが分かる。また、上述したように、過負荷(d)時にはピストン6が上死点(TDC)まで往復運動し、その以下では負荷に対応する往復行程で運動する。このような自動出力変化とともに、本発明による制御装置による冷却容量は外部電源が変動されても、常に一定の大きさの定電源が印加されるため、図14に示すように、グラフが徐々に変化して冷却サイクルが安定的に駆動される。また、自動出力変化及び安定した冷却サイクルと共に、制御装置の回路的運転周波数fcが最大出力の固有周波数fnと一致するようになり、ピストン6は最大出力(過負荷)で上死点(TDC)までの往復を遂行し、冷却効率が最大となる。従来のリニア圧縮機の場合、回路の運転周波数fcを高負荷の出力の固有周波数fnと一致させて、最大出力(過負荷)でその冷却容量が減少する傾向があった。
【0141】
また、制御部90は要請出力によって冷却容量を変化させることができる。ここで、要請出力は冷却サイクル上で要求されるか、使用者などによって要求されるすべての出力変動を意味する。このような冷却容量を変化させる第1方法は定電源供給部66を制御する方法であり、第2方法は分枝手段55を制御する方法である。
【0142】
まず、冷却容量の変化のための第1方法は定電源供給部66で変換される定電源の大きさを変更するものである。例えば、出力を高めようとする場合、制御部90は定電源供給部66で変換される定電源の大きさを大きくするか、定周波数の大きさを小さくする。このように出力を高める場合、図14のグラフは上方に移動することになる(ここで、グラフの傾きは変動可能である)。また、出力を低くしようとする場合、制御部90は定電源供給部66で変換される定電源の大きさを小さくするか、定周波数の大きさを大きくする。このように出力を低くする場合、図14のグラフは下方に移動することになる(ここで、グラフの傾きは変動可能である)。場合によっては、制御部90は、初期冷却動作を遂行する場合、出力を高めようとする場合は、定周波数の大きさを大きく変換し、出力を低くしようとする場合は、定周波数の大きさを低くしなければならない。
【0143】
次いで、冷却容量の変化のための第2方法は、分枝手段55を制御して定電源が印加されるコイル捲線体Lの長さを調節する方法である。図14のグラフは分枝手段55のスイチング素子55aが連結端子55cに接続した状態で得られた結果を示すものであり、制御部90が分枝手段55を制御してスイチング素子55aが連結端子55bに接続されるようにすると、定電源がコイル捲線体Lの一部であるL1にだけ印加されて出力が減少し、図14のグラフは下方に移動することになる(ここで、グラフの傾きは変動可能である)。すなわち、定電源が印加されるコイル捲線体Lの長さを長くすれば定電源が全体に印加されて出力が大きくなり、定電源が印加されるコイル捲線体Lの長さを短くすれば、定電源が一部分だけに印加されて出力が小さくなる。
【0144】
上述した第1方法と第2方法は各々個別的に制御部90により行われるか、組合わせて行われ、多様な出力変化を具現することができる。
【0145】
このような構成の本発明のリニア圧縮機の制御装置は全体のキャパシタンスを可変して出力を制御しながら、これによる突入電流を防止する効果がある。
【0146】
また、本発明は、キャパシタンスの可変時にリニア圧縮機のオン・オフスイッチに対する制御をも行い、突入電流をより效率的に防止する効果がある。
【0147】
また、本発明は、複数のスイッチが備えられたリニアモーター又は制御装置においてこれらのスイッチのオン又はオフの順序を制御し、突入電流が效率的に防止されるようにする効果がある。
【0148】
また、本発明は、印加された電源が変動してもこの変動によって出力が減少されたり増加したりしないようにし、安定した運転が行われるようにする効果がある。
【0149】
また、本発明は、過度な電源が印加されて圧縮機に過負荷がかかるか、又は異常状態の運転が行われないようにする効果がある。
【0150】
また、本発明は、リニア圧縮機の運転(高冷力運転、低冷力運転)を可変しながらもこれによる突入電流の発生を防止するという効果がある。
【0151】
また、本発明は、印加される外部電源の変動に影響を受けずに負荷によって出力が変動するようにして冷却効率を極大化するという効果がある。
【0152】
また、本発明は、所定の要求出力によってコイルに印加される定電源の大きさを変化させることにより複数個の出力を具現する効果がある。
【0153】
また、本発明は、定電源の大きさ及び、この定電源が印加されるコイルの長さを変化させることにより、複数個の出力を具現する効果がある。
【0154】
また、本発明は、定電源と最大出力での共振点設計を通して最大出力時にピストンを上死点(TDC)まで往復行程を遂行するようにし、冷却容量及び冷却効率を向上させる効果がある。
【0155】
以上、本発明は、本発明の実施例及び添付図面に基づいてムービングマグネット形のリニアモーターが作動し、これと連結されたピストンがシリンダー内部で往復直線移動しながら冷媒を吸入、圧縮、吐出するリニア圧縮機を例に上げて詳細に説明したが、以上の実施例及び図面によって本発明の範囲が制限されるのではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲に記載された内容によってのみ制限される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、
前記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、
前記第1キャパシターと並列構造を有し、キャパシタースイッチを具えたキャパシタンス可変部と、
前記キャパシタースイッチを制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより、前記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、
を含むことを特徴とするリニア圧縮機の制御装置。
【請求項2】
前記キャパシタンス可変部は、少なくとも一つの第2キャパシターを備え、前記キャパシタースイッチは前記第2キャパシターと前記コイル捲線体の捲線タップの間に接続されて電流の流れを制御することを特徴とする請求項1記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項3】
前記キャパシタンス可変部は、少なくとも一つの第3キャパシターと、突入電流防止素子とを備え、前記キャパシタースイッチは前記第3キャパシターと前記第1キャパシター間に接続されて電流の流れを制御することを特徴とする請求項1記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項4】
前記突入電流防止素子は、抵抗、NTC素子、インダクターのうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項3記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1キャパシター及び前記キャパシタンス可変部のうち少なくとも一つ以上の両端間の電圧(Vc)を測定する電圧感知部を備えることを特徴とする請求項1記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は前記電圧感知部による測定電圧(Vc)により前記キャパシタースイッチを制御することを特徴とする請求項5記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項7】
前記制御装置は、印加電源の電圧(Vi)と周波数(Fi)を測定する電圧及び周波数感知部を備えることを特徴とする請求項1記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記電圧及び周波数感知部からの電圧(Vi)及び周波数(Fi)に関する関数によるモード電圧(Vm)を算定し、前記モード電圧(Vm)により前記キャパシタースイッチを制御することを特徴とする請求項7記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記コイル捲線体への電源供給のためのオン・オフスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記キャパシタンス可変部を制御するために、前記オン・オフスイッチを優先的にオフさせることを特徴とする請求項9記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記キャパシタンス可変部を制御した後に前記オン・オフスイッチをオンさせることを特徴とする請求項10記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記測定電圧(Vc)が過負荷電圧(Vo)より大きい場合、前記オン・オフスイッチをオフして電源供給を遮断することを特徴とする請求項9記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、さらに前記キャパシタースイッチをオフさせることを特徴とする請求項12記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項14】
リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、
前記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、
前記第1キャパシターと並列構造を有するキャパシタンス可変部と、
前記第1キャパシター及び前記キャパシタンス可変部のうち少なくとも一つ以上の両端間の電圧(Vc)を測定する電圧感知部と、
前記電圧感知部からの測定電圧(Vc)により前記キャパシタンス可変部を制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより負荷による前記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、
を含むことを特徴とするリニア圧縮機の制御装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記測定電圧(Vc)と所定の基準電圧(Vr)との比較により前記キャパシタンス可変部を制御し、前記測定電圧(Vc)が前記基準電圧(Vr)より小さい場合は、全体キャパシタンスが増加するようにし、前記測定電圧(Vc)が前記基準電圧(Vr)と同じか大きい場合は、全体キャパシタンスが減少するようにすることを特徴とする請求項14記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項16】
リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、
前記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、
前記第1キャパシターと並列構造を有するキャパシタンス可変部と、
印加電源の電圧(Vi)及び周波数(Fi)を測定する電圧及び周波数感知部と、
前記電圧及び周波数感知部からの前記印加電源の電圧(Vi)と周波数(Fi)に関する関数によるモード電圧(Vm)を算定し、前記モード電圧(Vm)により前記キャパシタンス可変部を制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより前記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、
を含むことを特徴とするリニア圧縮機の制御装置。
【請求項17】
前記モード電圧(Vm)は下記の数式
Vm=Vi+(Fi-b)× α、(ここで、 α 、bは常数)
によって算定されることを特徴とする請求項16記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記モード電圧(Vm)と所定の基準値(a)との比較により前記キャパシタンス可変部を制御し、前記モード電圧(Vm)が前記基準値(a)より小さい場合は、全体キャパシタンスが増加するようにし、前記モード電圧(Vm)が前記基準値(a)と同じか大きい場合、全体キャパシタンスが減少するようにすることを特徴とする請求項16又17に記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項19】
リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、
前記コイル捲線体に直列に接続されたキャパシターと、
外部電源の印加を受けて特定大きさの定電源に変換して前記コイル捲線体に印加する定電源供給部と、
上記定電源供給部が前記特定大きさの定電源を前記コイル捲線体に供給するように制御して負荷による前記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、
を含むことを特徴とするリニア圧縮機の制御装置。
【請求項20】
前記定電源供給部は、前記外部電源の電圧及び周波数のうち少なくとも一つ以上を前記特定の大きさに変換して、前記定電源を生成することを特徴とする請求項19記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項21】
前記コイル捲線体と前記キャパシターによる運転周波数は前記リニア圧縮機の最大出力での固有周波数と一致することを特徴とする請求項20記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項22】
前記コイル捲線体は複数の捲線タップが接続され、前記制御装置は要請出力に応じて前記制御部により制御されて前記複数の捲線タップに選択的に接続され、前記コイル捲線体の一部又は全体に前記定電源が印加されるようにする分枝手段をさらに備えることを特徴とする請求項19から21までのいずれか一項に記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項1】
リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、
前記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、
前記第1キャパシターと並列構造を有し、キャパシタースイッチを具えたキャパシタンス可変部と、
前記キャパシタースイッチを制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより、前記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、
を含むことを特徴とするリニア圧縮機の制御装置。
【請求項2】
前記キャパシタンス可変部は、少なくとも一つの第2キャパシターを備え、前記キャパシタースイッチは前記第2キャパシターと前記コイル捲線体の捲線タップの間に接続されて電流の流れを制御することを特徴とする請求項1記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項3】
前記キャパシタンス可変部は、少なくとも一つの第3キャパシターと、突入電流防止素子とを備え、前記キャパシタースイッチは前記第3キャパシターと前記第1キャパシター間に接続されて電流の流れを制御することを特徴とする請求項1記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項4】
前記突入電流防止素子は、抵抗、NTC素子、インダクターのうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項3記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1キャパシター及び前記キャパシタンス可変部のうち少なくとも一つ以上の両端間の電圧(Vc)を測定する電圧感知部を備えることを特徴とする請求項1記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は前記電圧感知部による測定電圧(Vc)により前記キャパシタースイッチを制御することを特徴とする請求項5記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項7】
前記制御装置は、印加電源の電圧(Vi)と周波数(Fi)を測定する電圧及び周波数感知部を備えることを特徴とする請求項1記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記電圧及び周波数感知部からの電圧(Vi)及び周波数(Fi)に関する関数によるモード電圧(Vm)を算定し、前記モード電圧(Vm)により前記キャパシタースイッチを制御することを特徴とする請求項7記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記コイル捲線体への電源供給のためのオン・オフスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記キャパシタンス可変部を制御するために、前記オン・オフスイッチを優先的にオフさせることを特徴とする請求項9記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記キャパシタンス可変部を制御した後に前記オン・オフスイッチをオンさせることを特徴とする請求項10記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記測定電圧(Vc)が過負荷電圧(Vo)より大きい場合、前記オン・オフスイッチをオフして電源供給を遮断することを特徴とする請求項9記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、さらに前記キャパシタースイッチをオフさせることを特徴とする請求項12記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項14】
リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、
前記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、
前記第1キャパシターと並列構造を有するキャパシタンス可変部と、
前記第1キャパシター及び前記キャパシタンス可変部のうち少なくとも一つ以上の両端間の電圧(Vc)を測定する電圧感知部と、
前記電圧感知部からの測定電圧(Vc)により前記キャパシタンス可変部を制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより負荷による前記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、
を含むことを特徴とするリニア圧縮機の制御装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記測定電圧(Vc)と所定の基準電圧(Vr)との比較により前記キャパシタンス可変部を制御し、前記測定電圧(Vc)が前記基準電圧(Vr)より小さい場合は、全体キャパシタンスが増加するようにし、前記測定電圧(Vc)が前記基準電圧(Vr)と同じか大きい場合は、全体キャパシタンスが減少するようにすることを特徴とする請求項14記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項16】
リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、
前記コイル捲線体に直列に接続された第1キャパシターと、
前記第1キャパシターと並列構造を有するキャパシタンス可変部と、
印加電源の電圧(Vi)及び周波数(Fi)を測定する電圧及び周波数感知部と、
前記電圧及び周波数感知部からの前記印加電源の電圧(Vi)と周波数(Fi)に関する関数によるモード電圧(Vm)を算定し、前記モード電圧(Vm)により前記キャパシタンス可変部を制御して制御装置の全体キャパシタンスを可変することにより前記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、
を含むことを特徴とするリニア圧縮機の制御装置。
【請求項17】
前記モード電圧(Vm)は下記の数式
Vm=Vi+(Fi-b)× α、(ここで、 α 、bは常数)
によって算定されることを特徴とする請求項16記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記モード電圧(Vm)と所定の基準値(a)との比較により前記キャパシタンス可変部を制御し、前記モード電圧(Vm)が前記基準値(a)より小さい場合は、全体キャパシタンスが増加するようにし、前記モード電圧(Vm)が前記基準値(a)と同じか大きい場合、全体キャパシタンスが減少するようにすることを特徴とする請求項16又17に記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項19】
リニア圧縮機に積層されたコイル捲線体と、
前記コイル捲線体に直列に接続されたキャパシターと、
外部電源の印加を受けて特定大きさの定電源に変換して前記コイル捲線体に印加する定電源供給部と、
上記定電源供給部が前記特定大きさの定電源を前記コイル捲線体に供給するように制御して負荷による前記リニア圧縮機の出力変化を生じさせる制御部と、
を含むことを特徴とするリニア圧縮機の制御装置。
【請求項20】
前記定電源供給部は、前記外部電源の電圧及び周波数のうち少なくとも一つ以上を前記特定の大きさに変換して、前記定電源を生成することを特徴とする請求項19記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項21】
前記コイル捲線体と前記キャパシターによる運転周波数は前記リニア圧縮機の最大出力での固有周波数と一致することを特徴とする請求項20記載のリニア圧縮機の制御装置。
【請求項22】
前記コイル捲線体は複数の捲線タップが接続され、前記制御装置は要請出力に応じて前記制御部により制御されて前記複数の捲線タップに選択的に接続され、前記コイル捲線体の一部又は全体に前記定電源が印加されるようにする分枝手段をさらに備えることを特徴とする請求項19から21までのいずれか一項に記載のリニア圧縮機の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−236918(P2011−236918A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188601(P2011−188601)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【分割の表示】特願2008−553149(P2008−553149)の分割
【原出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【分割の表示】特願2008−553149(P2008−553149)の分割
【原出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
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