説明

リフト車両用フローティングフォーク

搬送体に対して積込み及び積下ろしするための自動案内車両等の物品処理車両において、該車両には自由に浮くことが可能な1対のフォークが含まれる。このフォーク対は、垂直方向に自由に移動できるとともに、フォーク・キャリッジに対して軸を中心に枢動又は傾斜することができるが、積荷が載せられると、フォーク対がロックされるため、自由に浮く動きが阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本PCT出願は、「リフト車両用フローティングフォーク」という題の2008年4月23日付で出願された米国特許予備出願の出願番号第61/047,174及び「リフト車両用フローティングフォーク」という題の2009年4月23日付で出願された米国特許出願の出願番号第12/429,090の権益を引継ぎ、該予備出願及び該出願に開示された内容は本願の一部を構成する。
【0002】
本発明は、一般的には物品処理車両に関し、特に、搬送体に対する積込み及び積下ろし、特に、最小限の干渉で該搬送体の端部付近への積込み等を自動的に遂行し得る自動案内車両に関する。
【背景技術】
【0003】
自動案内車両(AGV)は、積荷搬送のために種々の物品処理の工業分野において用いられている。この自動案内車両という用語は、一般に複数の自動誘導システムないし装置を搭載した頑丈な車両構造のものを指す。他方、自動案内カート(AGC)という用語は同様の目的を有するが、その適用範囲が限られるとともに、より構造が簡素な車両構造のものを指す。請求項も含む本願において用いられる用語「自動案内車両」は、上記両方の車両、AGV,AGCを含むとともに、更に自動案内される種類の他の車両をも含む意味に解される。
【0004】
現今の軽荷重用自動案内車両の設計は、そのフレームの四隅に旋回脚輪を一般に備えているのが特徴であり、他の特徴は、カートの方向制御のための固定の脚輪及び駆動ホイールを備えていることである。現行の設計の例として、2つの固定脚輪がフレームに取着されるとともにカートフレームの各側の旋回脚輪の間のほぼ中央位置に配置される。これら旋回脚輪の2対の支軸及び固定脚輪の支軸はおおむね互いに平行をなす。カートフレームには操縦可能な駆動ユニットないし装置が設けられ、これはヒンジ結合されるとともにカートフレームからバネ負荷されたプレートにより取付けられ、これによって該操縦可能な駆動ホイールが支持面に対して適切な粘着摩擦を維持するようになっている。又、他の例では、固定された駆動ホイールが自動案内車両を推進し、操縦可能な脚輪用ホイールが該車両の運動を方向付ける構造となっている。一般的に重荷重用自動案内車両は、重荷重用フレーム及び少なくとも3つのホイールが含まれ、3つのホイールのうちの少なくとも1つは駆動ホイールであり、少なくとも1つは誘導システムによって指示される操縦ホイールである。これら自動案内車両の多くは、積荷を移動させるための既存の車両と製造又は配送設定の点において似ているが、自動的に誘導されるようになっている。
【0005】
積込みドックに対して搬送体が変化する場合に、搬送体への自動積込み及び積下ろしに関する問題が起きる。通常、搬送体は、ドライバーによって手動で積込みベイに対して位置付けされる。しかし、この手動による位置付けは、搬送体の位置に関して感得されない変化を結果として招くことになる。例えば、ドライバーがセミトレーラ等の搬送体を積込みドックに位置付けるときに、該トレーラを積込みドックのドアに対して完全に合致させることは困難である。搬送体は、一般に積込みベイのドアの外側の搬送体積込みエリア内に位置付けられるので、搬送体の位置や搬送体と積込みドックの間に多くの不一致が起こることがある。これらの不一致により、自動案内車両による搬送体に対する積込み又は積下ろし、特に、自動案内車両による搬送体の端部付近にある積荷の積込み又は積下ろしが困難になることがある。搬送体の端部の付近では、人による操作でも積込み及び積下ろしが困難な場合がある。搬送体に対する自動積込み及び積下ろしに関連したそのような困難な点の1つに、自動案内車両が搬送体と積込みベイ、具体的には、搬送体の床と積込みベイの床との高さの違いを克服しなければならないことがある。搬送体の種々の型式、方式、モデル、さらにサスペンションのメンテナンス頻度等の変動に応じて搬送体の高さは異なる。搬送体に対する積込みや積下ろしの際、重さが搬送体にかかったり外されたりすることでサスペンションが圧縮又は復元されるので、搬送体の高さは通常一定ではない。重さが変化すると搬送体の高さも変化し、積込みベイの床の高さに対する搬送体の高さも変化する。確実な動作をなすために自動案内車両は、搬送体に対して積込み又は積み下ろしが遂行される際に、搬送体の高さの静的な変動だけではなく、搬送体の高さの動的な変動に対して調整可能でなければならない。特定の搬送体の高さの変動及び処理又は積込みや積み下ろし中の変動により、搬送体のルーフの高さが積込みベイの床に対して変化する可能性がある。これにより、特にほぼ満載状態の搬送体において、嵩の高い積荷が搬送体のルーフ又は搬送体のエントランス又は入口部にあるルーフの縁に部分的に接触する可能性を生じる。積荷と搬送体のいかなる接触も、搬送体の積込みに問題を生じる。従来技術における、この搬送体の高さの変動の問題に対処するために試みられた解決策では、流体圧作動装置あるいは他のジャッキ等を用いて搬送体の高さ位置の調整又は安定をはかるものが見られるが、これもコスト高となるとともに十分な効果も上げられないものであるという問題があった。更に、搬送体に対する積込み又は積下ろし中にトレーラのサスペンションが圧縮又は復元されるので、これら流体圧作動装置又は他のジャッキ等は高さの変動に対し効果を発揮しない。
【0006】
搬送体位置付け、特に搬送体の高さにおける変動は、搬送体の自動積込みを妨げる可能性があり、ほぼ確実に効率を下げる。例えば、最も効率的な積込みとして、複数の積荷を互いに極力近接させて位置付ける方法があるが、搬送体の予想される位置のいかなる変化も、これら積荷の分離を増大する可能性がある。
【0007】
搬送体の位置付けにおける上記に記載した変動及びその他変動は、他の問題、特に、最後数個のパレット又は積荷の搬送体への積込みにおける問題を引き起こす可能性がある。例えば、多くの積込み及び積下ろし施設の構成に従い、搬送体が積込みベイ又はドックドアに後ろづけされる搬送体の積込みエリアは、通常積込みベイのドアに向かって下方向に傾斜している。下方向に向かって傾斜することで、容易に搬送体の縁部と積込み施設の床の高さをおおむね一致させえることができるようになる一方で、搬送体の積込みエリアが傾斜することで、搬送体の床が積込み施設の床に対して角度を持つようになる。搬送体の床の高さは搬送体同士でも異なるため、一般にドック・ランプを用いて高さ変動を相殺する又は積込み施設の床と搬送体の床との間の移行を緩和するが、ドック・ランプは、多くの場合、積込みベイの床以上に搬送体の床に対して鋭角である。使用する搬送体がセミトラック・トレーラ等のトレーラである場合には、積込みベイの床の角度に対する搬送体の角度のその他の変動も起こり得る。具体的には、通常搬送体が積込みベイのドアに対して後ろ付けされてから、オペレータはセミトレーラの前面近傍のジャッキを下ろしセミトラックをセミトレーラから離れるよう運転する。ドライバーが搬送体ジャッキを同じ位置にすることはほとんどないため、搬送体エリアが積込みベイの高さで平行になるように設計されている場合でも、積込みベイの床に対する搬送体、この場合、セミトラック・トレーラの床の角度が変動するようになる。
【0008】
搬送体の床と積込みベイの床又はドック・ランプの間の移行には、積込みベイの床に対する険しい上り勾配や下り勾配が必要となる可能性がある。より詳細には、移行には、誘導やトレーラの端部における積込みを困難にするドック・ランプの険しい上り勾配や下り勾配が必要となる場合が多い。例えば、トレーラの端部における積込みは、自動案内車両が搬送体の床の積荷を支持する面と平行でないときに困難になることがある。より具体的には、自動案内車両の大部分がドック・ランプ又は積込みを行う床施設に位置し、搬送体の床が積込みベイの床又はドック・ランプに対して高さや角度が異なる場合、自動案内車両が積荷を搬送体の床に下ろしてからフォークをパレット・ポケットから容易に取り外す、あるいは積荷を積下ろすためにパレット・ポケット内にフォークを配置させることが難しい場合がある。より具体的には、搬送体の床が縦ないし垂直方向及び角度的、すなわち角度を変えて積込み施設の床又はドック・ランプと合せられていない場合、フォークの先端がパレット・ポケットの上面又は底面の一方に接触して、フォークの自動案内車両に最も近い部分がパレット・ポケット内の上面又は底面の他方に接触し、フォークをパレットのポケットに対して挿入したり引き抜いたりすることが困難になる可能性がある。従って、自動案内車両が最後の積荷を下ろした後で搬送体から戻ろうとするときに、フォークがパレットと摩擦係合し、最後の積荷が自動案内車両によって引き戻される可能性がある。
【0009】
搬送体への積込みに関して、積荷支持面及び自動案内車支持面等の2つの支持面間の角度が、搬送体に対して積込みが行われるにつれて大きくなることがある。より具体的には、上述したように、搬送体に積荷を追加すればするほどサスペンションが圧縮される。サスペンションが圧縮している時は、トレーラの高さは低いので、トレーラの端部における積込みの際、搬送体の床と自動案内車両の支持面との角度は増加する。場合によっては、搬送体からの積下ろしを行うことでも角度が増すことがある。
【0010】
図に明らかに示したように、トレーラの端部における積込み及び積下ろしの問題は、一般にトレーラのドア又は搬送体の入口部内側の最後数個の積荷に対して起こる。これは、自動案内車両が搬送体の入口部の更に奥部で積荷を積下ろす際は、自動案内車両は、主に搬送体の床の上、すなわち積荷面と等しい支持面の上に載っているためである。もちろん、自動案内車両は、フォーク端を取り外すときに主に搬送体の床の上に載っていなければならい。そうでなければ、自動案内車両がフォーク端を取り外すときに、自動案内車両の搬送体の床の上に載っている部分が徐々に減少してしまう。同様に、搬送体の床が積込みベイの床と縦ないし垂直方向及び角度において等しくない場合に自動案内車両が車両に対して積下ろしを試みる場合に、フォークをパレット・ポケットに挿入して搬送体の入口部付近の積荷を確実に持ち上げることは困難なことがある。
【0011】
自動案内車両の走行を制御し、搬送体の自動積込み及び積下ろしを行うための誘導システムを用いても、搬送体に対する積込み及び積下ろしの動作、特に搬送体の入口部に最も近くに位置する積荷等、搬送体上の最後数個の積荷に関しては、十分に費用効果が高く効率的な方法で対処されて来なかった。
【発明の概要】
【0012】
上記に照らして本発明は、費用効率が良くシンプルな方法で最小限の干渉によって搬送体に対して積込み及び積下ろし、特に、該搬送体の端部付近において積荷の積込み及び積下ろしを遂行し得る物品処理車両や自動案内車両等の積荷運搬車両に関する。
【0013】
本発明は、全ての積荷運搬車両及び物品処理車両に適用可能なものとして説明しているが、特に自動案内車両に適用可能である。車両に積込みを行う場合、積荷運搬車両の熟練したオペレータであれば、搬送体の角度を容易に確定して、積荷を容易に下ろし、フォークをパレット・ポケットから容易に取り外すために昇降機構又はフォークを傾斜させる必要があるかを判断することができる。しかしながら、経験がないオペレータにとっては、搬送体の入口部近くの積荷の積下ろしや積込みは困難である。一方、自動案内車両が同じタスクを実行するためには、特別なセンサ、プロセッサ及びソフトウェアプログラムを用いなければならならず、実施するためには費用がかかってしまう。本発明は、オペレータにより案内される車両及び自動案内車両の両方に有益であるが、搬送体に対して積込みを遂行するように設計された自動案内車両において特に有益である。そのため、本発明は自動案内車両及びオペレータにより案内される車両の両方に適用可能であるが、本明細書では、自動案内車両に関連する問題について本発明を説明する。しかしながら、本発明及び請求項の範囲は、自動案内車両及びオペレータにより案内される車両の両方に関するものと理解されるものである。
【0014】
本発明は、物品処理車両、特に自動案内車両によって搬送体に対して積込み及び積下ろしを遂行する装置、方法及びシステムに関するものである。該方法では、自動案内車両はまず積荷と係合し、次いで、係合した積荷とともに主たる第1の誘導システムにより既知の位置まで案内される。この位置から、自動案内車両は搬送体の位置を確定し、そして搬送体上に積荷を下ろす。次いで、自動案内車両は次の所望位置に進む。
【0015】
本発明の他の実施形態において、自動案内車両はまず積荷と係合し、次いで、係合した積荷とともに誘導システムにより既知の位置まで案内される。この位置から該誘導システムが搬送体上の適切な積荷位置を確定し、自己調整して自動案内車両を積荷とともに、その適切な位置に案内して該積荷を下ろす。次いで、調整された誘導システムを用いて自動案内車両をおおむね上述した既知の位置まで戻し、該誘導システムが自動案内車両の次の目的地までの走行を制御する。
【0016】
本発明の装置に関して、自動案内車両がドアの内側近傍に最後数個の積荷を下ろす場合に、自動案内車両の1対のフォークないしフォーク対は、以下「支持平面」と呼ぶ様々な角度を有する支持面に渡る際、搬送体の床及び自動案内車両の主な支持面とのいかなる角度差異又は自動案内車両の支持面の相対角度を補償するために自動案内車両に対して限定的な範囲内で浮くことができる。従って、該フォークが上下に浮き、自由に傾けるようにすることで、自動案内車両は、自動案内車両のマスト又はフォークを能動的に動かすことなく縦ないし垂直方向(以下、「垂直方向」という)及び角度的、すなわち角度を異にしたオフセットの両方を容易に効率的に調整することができる。従って、フォークを積荷のパレット・ポケットから取り外す又は積荷をパレット・ポケットへ挿入する際に、フォークが垂直方向及び傾斜の両方における限定的な範囲内で浮くことができるようにすることで、自動案内車両は、自動案内車両の支持面(又は支持平面)が積荷の支持面に対して角度を持っていても、搬送体に対して積込み及び積下ろしを容易に遂行することができる。フォークは角度的かつ垂直方向に浮くことが可能なので、フォークは、最小限の干渉でパレット・ポケットに挿入したり、パレット・ポケットから取り外したりすることができる。
【0017】
フォークは浮くが、フォークをフォーク・キャリッジに連結する少なくとも1対のピンがフォーク・キャリッジに対して2次元的に自由に動けるようにし、他の対のピンが1次元的にのみ動けるようにすることで、積荷に対して安定した支持を提供することができる。より具体的には、積荷を持ち上げたときピンは固定された位置にあり、積荷の重さ及びフォーク・キャリッジの構成により動きが制約される。しかしながら、積荷の重さがフォークにかかっていないときは、フォーク及びピンの縦ないし垂直軸線(以下、「垂直軸線」という)に沿って限定的に動く。フォーク・キャリッジはさらに、少なくとも1対のピンの垂直軸線に沿った動きに加えて垂直軸線に対する動きを可能とする角のある側壁を有するスロットを含む。
【0018】
本発明の適用可能性は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲及び以下に図面より更に明らかになる。尚、本発明の精神と範囲内で種々の変更や変形がなされることが当業者にとって明らかになるよう、詳細な説明及び具体例は、好適な実施形態を示素者であるが、あくまで例示的である。
【0019】
本発明は、以下の詳細な説明、添付した請求の範囲及び添付の図面により、更により良く理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】積込み施設内で走行するために積荷を持ち上げる自動案内車両の側面図である。
【図2】搬送体に対して傾いているドック・ランプの例示的説明図である。
【図3】搬送体に挿入された端部にある積荷の側面図である。
【図4】搬送体内に下ろされている積荷と、パレットとフォークの接触状態の側面図である。
【図5】パレット・ポケットから取り外す間にフォークが浮いている状態を示す側面図である。
【図6】下ろされた積荷及びフォークを取り外した自動案内車両の側面図である。
【図7】積込み施設内での移動のための位置フォークを調整する自動案内車両の側面図である。
【図8】図8は、端部にある積荷をピックアップする自動案内車両の側面図である。
【図9】積荷の別の下ろし方の側面図である。
【図10】フォークをパレット・ポケットに挿入する自動案内車両の側面図である。
【図11】フォークをパレット・ポケットに挿入する間のフローティングフォークを示す側面図である。
【図12】完全にパレット・ポケットに挿入されたフォークの側面図である。
【図13】積荷を持ち上げる準備をしている自動案内車両の側面図である。
【図14】積荷を持ち上げている自動案内車両の側面図である。
【図15】フォーク上の積荷の側面図である。
【図16】搬送体に対して傾いているドック・ランプを例示的に説明する図である。
【図17】積荷を搬送体の床に下ろしている自動案内車両の側面図である。
【図18】積荷を搬送体の床に下ろした際のフォークの位置を示す側面図である。
【図19】パレット・ポケットから取り外される準備においてフォークが浮いている状態を示す側面図である。
【図20】パレット・ポケットから取り外す間にフォークが浮いている状態を示す側面図である。
【図21】積荷の配置及びパレット・ポケットからのフォークの取り外しが完了した状態を示す側面図である。
【図22】搬送体の端部において積荷をピックアップする準備をしている自動案内車両の側面図である。
【図23】パレット・ポケットにフォークを押し込んでいる状態を説明する側面図である。
【図24】フォークが浮く前のフォークのパレットへの接触を説明する側面図である。
【図25】図24に説明したようなフォークのパレットに対する接触を無くすフローティングフォークを説明する図である。
【図26】積荷を持ち上げる準備をしている自動案内車両を説明する側面図である。
【図27】積荷を持ち上げる準備をしている自動案内車両の側面図である。
【図28】積荷を持ち上げている自動案内車両の側面図である。
【図29】搬送体の端部から2番目の積荷をピックアップしている自動案内車両の側面図である。
【図30】パレット・ポケットへの挿入のためにフォークが浮いている状態を示す側面図である。
【図31】フォークのパレット・ポケットへの部分的な挿入を示す側面図である。
【図32】フォークのパレット・ポケットへの完全な挿入を示す側面図である。
【図33】積荷を持ち上げる準備をしている自動案内車両の側面図である。
【図34】積荷を持ち上げている自動案内車両の側面図である。
【図35】端部から2番目の積荷をピックアップする準備をしている自動案内車両の側面図である。
【図36】完全にパレット・ポケットに挿入し始めたものの側面図である。
【図37】部分的に挿入されているフォークの側面図である。
【図38】挿入し続けるフォークの浮きを示す側面図である。
【図39】パレット・ポケットに完全に挿入されたフォークの側面図である。
【図40】積荷を持ち上げる準備をしている自動案内車両の側面図である。
【図41】積荷を持ち上げている自動案内車両の側面図である。
【図42】フローティングフォーク、フォーク・キャリッジ及びマストの上面図である。
【図43】フォーク・キャリッジの正面図及びフォークを部分的に示す図である。
【図44】他のフォーク・キャリッジの側面図である。
【図45】フローティングフォークの側面の詳細略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る自動案内車両10は図に示され、図を参照に説明される。但し、本発明において搬送体に積荷を自動的に積込む作業及び積下ろす作業は、図示の自動案内車両以外の構造のものにも適用可能である。すなわち、本発明は、種々の構造の自動案内車両ならびにリフト等フォークを使用する他の物品処理用車両にも適用可能である。
【0022】
この自動案内車両10は、該車両を操縦するための操縦機構及び駆動するための駆動機構を備えている。図示のように、操縦及び駆動機構は、駆動ホイール12と操縦可能なホイール14を有し、これらホイールは誘導システムに連結されているとともに該車両10の駆動及び操縦のために用いられる。誘導システムは、自動案内車両10が推進される際に操縦可能ホイールを旋回させて該車両10を操縦する。駆動ホイール12は、電気的差動を形成するように直列に接続された二重駆動ホイールで構成するのが望ましい。又、差動推進システムを用いても良い、例えば、駆動ホイールのためのマスター/スレーブモータ・コントローラの使用を介して、あるいは旋回脚輪を備えた差動又はパンツアー操縦システムである。
【0023】
この誘導システム自体としては、公知の種々の誘導システムの内の1つを用いることができる。以下に詳述するように2つの誘導システムを用いこともできる。主たる第1の誘導システムは自動案内車両10をプログラムされた走行路に沿って案内する慣性誘導システムである。操縦可能なホイール14の位置は既に定められているとともに操作して動かすことができる。自動案内車両10が走行する距離及び方向は、追跡ホイール、光学システム、又はその他方法によって測定される。この追跡ホイール又はその他システムと共働して、あるいはこれとは別途に操縦用エンコーダ及び各駆動ホイール上のエンコーダを備えたシステムを用いてもよく、これによって自動案内車両10の走行距離及び方向を追跡する。該車両10が走行する際、操縦可能なホイール14が所定ないし任意の距離のところで所定ないし任意の位置に向けて旋回される。このようにして、自動案内車両10は、該操縦可能なホイール14の位置を特定すること、及びその位置まで走行した距離を特定することにより、殆どの走行面の全体にわたって走行するのに使用可能である。この詳細な記述は図面のみで与えられるが、主たる誘導システムとして、例えばレーザ誘導システムなど、種々の型式の誘導システムの使用は、本発明の精神及び範囲に含まれる。
【0024】
又、自動案内車両10は、図示のように好ましくは対をなすフォークないし1対のフォーク(以下、フォーク対)16あるいはクランプなどの積荷捕捉機構を備える。該捕捉機構により該車両10は積荷60と係合する。積荷60は、当業者には公知のように、フォーク対16と係合するためにフォーク・ポケット又はパレット・ポケット74を有するパレット72を含むことが好ましい。場合によっては、2組の隣接したフォーク対を用いて、自動案内車両10が1対の積荷を運搬できるようにしてもよい。トレーラに積荷を対で積み込むことにより、自動案内車両10の走行回数が最小となるため積込み時間が減少する。積込み時間が減少すれば、システムが含む自動案内車両の個々の車両数が少なくて済む。フォーク対16及びフォーク・キャリッジ17に関する以下の説明は、単一のフォーク対についてのものであり、図面においても単一のフォーク対として説明してあるが、本発明は、2組のフォーク対にも等しく適用可能である。
【0025】
当業者には公知であるフォーク対16は、水平セグメント62、縦方向に沿う垂直セグメント70及び、その間に形成された移行セクション68からなるセグメントを一般に含む。水平セグメント62は、自動案内車両10がパレット72を持ち上げるときにパレット72と係合する上面63及び下面64を一般に含む。水平セグメント62は、フォーク端66も含む。フォーク対16の垂直セグメント70は、昇降機構18又はマストに連結されている。昇降機構18により積荷60は上昇又は下降した種々の高さ位置に運ばれ、例えば積荷相互の積み重ねがなされる。フォーク対16は、昇降機構18に連結されるフォーク・キャリッジ17に取付けられている又は連結されている。好ましい実施形態において、自動案内車両10は更に2組の距離センサ、後部距離測定装置20及び前部距離測定装置30を備える。両距離測定装置は、操縦及び駆動機構に作動連結され、以下に更に詳述するように、自動案内車両10を案内するのに用いられる。
【0026】
フォーク・キャリッジ17は、フォーク対16のピン48と共働ないし相互作用するスロット32を各側に含む。ピン48は、フォーク対16をフォーク・キャリッジ17に動作可能に連結する。より具体的には、フォーク対16は、フォーク・キャリッジ17においてそれぞれスロット32に連結された上部対及び下部対を含む。スロット32は、1対の上部スロット36及び1対の下部スロット34を含む。上部スロット36及び下部スロット34の両方は、ピン48が垂直上下方向にスロット32の垂直軸線33に沿って自由に移動することを可能にする。上部スロット36及び下部スロット34のうちの少なくとも一方は、実質的にピン48のスロット32の軸線33に沿った縦方向ないし垂直方向以外のあらゆる方向への移動を制約する。フォーク対の支持面又はパレット72との相互作用のため、上部スロット36及び下部スロット34の他方は、ピン48が垂直軸線33に沿って垂直に持ち上げられるときに、垂直軸線33から徐々に離れる動きを可能にする。好ましい実施形態において、上部スロット36は、垂直軸線33から外方に傾斜した側壁38を持つことによりピン48のこの自由な範囲の動きを可能としている。より具体的には、側壁38は、垂直軸線33から上方向外方に延びる。上部スロット36の下部は、下部で静止しているピン48の垂直軸線33から離れる動きが実質的に制約されるように形成されている。従って、フォーク対16が積荷を持ち上げている間は、フォーク対16の傾斜や角運動等が起きないよう、水平方向にはスロットにより、垂直方向には重力によりその自由運動が抑えられている。図に示したように、ピン48がスロット32の下端46に係合している場合、角度を有する側壁が、ピン48の垂直軸線33から離れる動きを制約する。しかしながら、ピン48が下端46から持ち上げられ、より持ち上げられると、垂直軸線33から離れるより自由な動きが可能となる。更に図1に示すように、下部スロット34は、下端46を含まなくてもよい。しかしながら、重い積荷の持ち上げ等の特定の実施形態などでは、図44に示すように、下部スロットは、積荷60を持ち上げている間のフォーク対16を更に支持するための下端を含んでもよい。運搬のために積荷60を持ち上げている図において、角度を有する側壁38は、フォーク対16が積荷60を持ち上げているときに自由に動かないように十分支持していると見ることができる。しかしながら、積荷60の重さがフォーク対16から外される場合、フォーク対16の端部ないし先端66にかかる圧力により、フォーク対16が容易に浮き上がることもある。この圧力は、フォークの先端66がパレット・ポケット74に入るときに起こるものである。
【0027】
上述した積荷捕捉機構は、側方シフト機構22によって水平方向に、係合した積荷をシフトないし移動可能であってもよい。図3に示す好ましい実施形態において、昇降機構18には2つのフォーク対16が備えられてもよく、各フォーク対16は分離したフォーク・キャリッジ17に取付けられ、各フォーク・キャリッジ17は昇降機構18に取付けられている。昇降機構18によってフォーク・キャリッジ17はフォーク対16及び/又は積荷を必要に応じて縦方向に位置付けるように動作する。フォーク・キャリッジ17は、縦スライド部材15上に取付けられるとともに流体圧作動装置を備え、これにより、昇降機構18の持ち上げ能力に加えて各フォーク対16がそれぞれ個別に6インチ(15.24cm)持ち上げる能力を有する。この個別の持ち上げ動作により自動案内車両10は走行して、そのフォーク対16を隣接する一対の積荷に対して位置付けることができる。フォーク対16の一方のみを6インチ(15.24cm)持ち上げることにより、自動案内車両10が単一の積荷を隣接する一対の積荷から取り上げることができる。側方シフト機構22を伴う同様な動作によって、自動案内車両10は、2つの積荷を互いに横に並べた状態に配置や、あるいはこれら積荷を単一箱型収容ラック内に配置することができる。水平移動可能となるため、フォーク・キャリッジ17は油圧モータ24及びチェーン25を備えていても良い。フォーク・キャリッジ17はチェーン25により所望位置に引かれる。好ましい実施形態において、キャリッジ側レール26がフォーク・キャリッジ17の中央位置を越えて走行させ、自動案内車両10がその中央位置に積荷を落下させることを可能とする。これを行なうために、1つのフォーク対16が一側に移動ないしシフトするとともに通路より外れ、これによって他方のフォーク対16が自動案内車両10の中央に位置することが許容される。
【0028】
積荷が積荷捕捉機構によって自動案内車両10と係合したとき、該車両10の前後方向の走行動作ならびに昇降機構18と関連する側方シフト機構22により、積荷は3次元の全ての方向において位置の調整が可能となる。図1に示す好ましい実施形態において、各フォーク対16は、矢印31で示すように水平方向に独立して移動可能である。又、各側方シフト機構22は、フォーク対16の移動を追跡するエンコーダ23をそれぞれ備える。これらエンコーダ23は、好ましくは水平方向におけるフォーク対16の位置及び位置の変化速度の両方を追跡することができる。これらエンコーダ23は自動案内車両10の誘導システムと共働するとともにフォーク対16を正しく位置付けるのに用いられる。フォーク対16の水平方向の移動ないしシフト動作は、以下に記述する搬送体50に積荷を積込む動作に関連して更に説明する。
【0029】
上述の自動案内車両10は、搬送体50に積荷を自動的に積込む、あるいは積下ろしするのに使用される。この動作過程は、工場内の積込みドック位置に格納された運搬トレーラについて説明するが、これと同様の動作は、例えば平床式トレーラや軌道カーなどの同様の搬送体50についても適用される。
【0030】
搬送体50に積荷を積込むために、自動案内車両10は、まず積荷と係合しなければならない。この係合は、通常パレットと一体をなす積荷のフォーク・ポケットと合致した自動案内車両のフォーク対16の使用及び、積荷を地面より持ち上げる昇降機構18の使用によって遂行される。フォーク・ポケットに対するフォーク対16の合致は難しい動作であり精密さを要する。そのために好ましくは、該積荷が比較的精度の高い既知の位置ないし場所に位置付けられる。次いで、自動案内車両10の誘導システムがこの既知の位置で該積荷に対応するようにプログラムされる。これによって、フォーク対16及びフォーク・ポケットは互いに合致する。もし、積荷を精度の高い既知の位置に配置するのが困難または実用的でない場合、自動案内車両によって積荷積込みをより広い領域とするように変更することも可能である。例えば、フォーク対16の端部ないし先端66又はその近傍に光学センサをそれぞれ配置して積荷のフォーク・ポケットを検出するのに用いることができる。そして、自動案内車両10が積込み位置に近づいてきたとき、これらの光学センサによりフォーク・ポケットを見出した際に動作させることができる。フォーク・ポケットの検出位置に基づいて、自動案内車両10は、その走行通路を調整ないし変更するか、あるいはフォーク対16とフォーク・ポケットが対応するように、フォーク対16が側方シフト機構22によって調整される。これによって、より確実かつ安定した動作が保証されるが、このために追加的部材が必要となると、よりコストがかかり構成としての好ましさも低下する。しかしながら、フォークが垂直方向及び角度的すなわち角度が変化した状態に浮くことができる能力を持つことで、自動案内車両では、自動案内車両に対して連続的な積込みが可能な一方、フォークの配置誤差がより大きい範囲で起こってしまう。
【0031】
自動案内車両10に積荷が積込まれると、該車両10が工場内の積込みドック領域へ走行する。搬送体50は積込みドック隣接位置に配置される。場合によっては、該ドックから搬送体50への自動案内車両10の走行を容易にするために積込みランプが用いられる。このランプは2つの異なる面の間での自動案内車両10の移行を容易にするように構成されている。この移行がいくらか平坦でないため、もし使うとすれば追跡ホイールが必要となろう。これにより損傷を回避するために押し上げられるとともに不作動状態にする。
【0032】
自動案内車両10は、搬送体50に対して、その主たる第1の誘導システムを用い、積荷を積込みドック及び搬送体50の近傍ないし近接した位置に搬送する。好ましい実施形態において、自動案内車両10は、その主たる第1の誘導システムを用いて、搬送体50の開口52の入口部近傍に移動する。該開口52は、以下において「入口部」とも称する。この時点で、自動案内車両10は、積荷を所望の積込み位置へ案内する。次に自動案内車両は、入口部からの積荷が最後の数個になるまで、搬送体を満たし続ける。公知の任意の誘導システムを用いて自動案内車両10を搬送体の入口部52の近傍及び搬送体50上の位置に誘導案内してもよい。搬送体に用いられる誘導システムは、要望に応じて異なってもよい。搬送体の内側又は外側に任意の誘導システムを用いてもよいが、以下に説明する本発明は、主たる第1の慣性誘導システム及び第2に光レーザ又はレーザレーダ誘導システムを用いる。
【0033】
積込みの間自動案内車両10は、誘導システムにより所望の積荷位置へ案内される。積荷60が最初の積荷である場合、予定された積荷位置は搬送体50の最も前方の空いているセクションであるが、重たい積荷に関しては、この配置は、搬送体内の所望の荷重分散によって変化する可能性がある。好ましい実施形態において、自動案内車両10は、搬送体50の端部56ないし端壁又は外販相対50条に予め積込まれた積荷が検出されるまで、搬送体50のおおむね中央に向かって前進を継続する。この検出は、適宜構成された圧力センサ等により行なわれる。すなわち、圧力センサはフォーク対16の一端部に配置され、搬送体50の端壁56又は他の積荷との接触を検出する。あるいは、好ましい実施形態において、該圧力センサは、フォーク対16の他端部に配置され、積荷自体が端部ないし端壁56又は他の積荷と接触したときに該積荷に作用する。自動案内車両10は意図する所望積荷位置に近づくと、その移動速度を低下させ、搬送体50の一端部ないし端壁56と積荷との接触ないし衝突あるいは他の積荷との接触ないし衝突を検出する。走行抵抗が増大すると、例えば、比較的不動の対象物が自動案内車両10に接触したとき、該車両10の電動モータに供給される電流も同様に増大する。電流の増大は積荷がその意図する所望積荷位置に達したことの指標として用い得る。
【0034】
自動案内車両が意図した積荷位置に達すると、該車両10は積荷60を他へ引渡す動作を遂行する。すなわち、好ましい実施形態において、この動作は、積荷60を昇降機構18によって搬送体50上に下降させる動作及びフォーク対16をフォーク・ポケットから離脱させる動作である。積荷60を引渡す動作ステップは、その前に側方シフト機構22によって搬送体50の一側に向かって外方向にフォーク対16を係合した積荷とともに移動ないしシフトさせる動作をも含む。好ましい実施形態において、積荷は2つの独立したパレット72よりなり、その各々は図1に示すフォーク対16の1つと係合する。この実施形態において、自動案内車両10が該車両10の走行方向における意図した所望、積荷位置に達しようとするとき、側方シフト機構22がフォーク対16及びそれに係合した独立のパレットを搬送体50の側部54に向かって外方向に移動ないしシフトして互いに離間させる。この側方への移動ないしシフト動作の間、フォーク対16の位置変化をエンコーダ23が追跡する。該エンコーダ23によりフォーク対16の位置がもはや変化しないと検出されると、積荷60は搬送体50の側部54に接触したと推測され、そして自動案内車両10は更に搬送体50の端部ないし端壁56又は該搬送体上に前に積込まれた積荷を検出するまで前進する。この地点で、積荷は意図した積荷位置に達し、搬送体50のベース上に積荷60が下ろされる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、請求された発明の範囲から離れることなくそれら実施形態の種々の変形を加えることができる。例えば、単一のフォーク対16を備えた自動案内車両10も本発明の方法を実施するのに使用可能である。この構成においては、フォーク対16は、それぞれの積荷60を搬送体50の側部54に配置し得るように側方シフト機構22によって移動ないしシフトし得る。この態様では搬送体50は一度に1つの積荷を積み込み得る。又、自動案内車両10は積荷が引渡される搬送体50の側部54を交替することができる。更に、本発明においては、自動案内車両10により搬送体50に任意の積荷状態に積荷を積込むことが可能である。すなわち、例えば図4aに示す好適な実施形態のように、積荷60を搬送体50の前部から後部にかけて並べた2つの積荷状態や、積荷60を前後に2つ並べた状態と前後の中間に1つ配置した状態により互いに異なる配列とした積荷状態(図4b)など、考えられる種々のレイアウトに対応し得る。積荷が非対称形状の場合、例えば図4cに示す60で示す前後2列の積荷状態に対して60´で示すようにこれに対して90度回転させてその間に配置した積荷状態や、図4dに示す積荷60のピンホイール・レイアウトなどのように、いくつかの積荷が他の積荷に対し回転した状態で配置されてもよい。又更に、図4a‐dは全て積荷が矩形状のものを示したが、本発明では、その他の任意の形状のものも扱うことができる。
【0036】
上述のように、自動案内車両により積荷を搬送体に引渡す位置の自由度が高いので、積込みがなされる搬送体50について最適な積荷状態を得ることができる。一般の配置構成では、搬送体には極力空間がない最小の空スペース、すなわち積荷のない状態とするのが望ましいが、重い積荷の場合には搬送体の許容重量限度を越える恐れもある。このような場合、あるいは積荷積込みが満載寄りは少ない搬送体50の場合、搬送体50内の積荷の移動ないしシフトを最小限とするレイアウトを採り得る。いずれの場合も、本発明に係る方法により自動案内車両により所望ないしは任意の積荷レイアウトで搬送体50に積荷の積込みをなし得る。
【0037】
積荷60を引渡した後、誘導システムが用いられ、自動案内車両10を搬送体50の入口部52の外の位置へ戻すように案内する。この場所に到着すると、誘導システムが用いられて自動案内車両の走行案内を行ない、例えば、他の積荷のピックアップを遂行させる。もし、実施形態におけるように追跡ホイールが用いられる場合、該ホイールは下降し、地面に再び接触して、第1のすなわち慣性誘導システムによる利用に供せられる。
【0038】
好ましい実施形態において、主たる第1の誘導システムは、自動案内車両10が第2の誘導システムにより誘導案内されているときに、該車両10の運動を継続して追跡する。この継続的追跡によって、主たる第1の誘導システムによる、より正確な誘導案内を可能とする。
【0039】
搬送体50上に最後数個の積荷60を積み込む際に、本発明では、フローティングフォークのフォーク対16を用いて搬送体の床57上に積荷60を下ろすことを容易にする。より具体的には、自動案内車両が積荷60を下ろす場合、フォーク対16は、垂直的、角度的又は、フォーク・キャリッジ17に対して傾斜して動くことにより浮く。上部スロット36の角度を有する側壁38を提供することにより、上部ピン48は、1次元的にしか動かない下部スロットとは異なり2次元的に動く余地を持つ。フォーク対16が傾斜する必要がある場合、上部スロット36のフォーク・ピン48は、フォークの先端66の垂直的かつ角度的な動きをある程度の限度内で可能とする制約的な方法で、2次元的に自由に動けるので、パレット・ポケット74自体又は支持面がフォーク対16を強制的に動かし、正しい量だけ傾斜させる。実施形態によっては、自動案内車両10が、搬送体50に下ろされる最後数個の積荷60等入口部52の近傍に積荷60を下ろすと判断する場合、自動案内車両10は、この動作にさらにステップを追加してもよい。より具体的には、自動案内車両10が積荷60に近づき、フォーク対16、特に、フォークの先端66がパレット72のパレット・ポケット74に入るにつれて、昇降機構18は、フォーク・ピン48がスロット32の下端46から持ち上がるよう、フォーク対16が、搬送体の床57又は自動案内車両の支持面に係合するようにフォーク・キャリッジ17を垂直方向の下方向に下げてもよい。フォーク・ピン48がスロット32の下端46から持ち上がることにより上部ピン49が自動案内車両10の長手軸線11に沿って動くことが可能になる。この動きによりフォーク対16は、浮く動作において持ち上げられる又は下げられるだけではなく、自動案内車両10が積荷を下す又はピックアップする場所である搬送体の床57に対して角度を有する支持面上にある場合でも、昇降機構18を傾斜させることなくフォーク対16を傾斜または角度を持たせ、フォーク対16、具体的にはフォークの水平セグメント62を、搬送体の床57に対し実質的に平行にすることができる。フォーク対16を搬送体の床57に対して実質的に平行にしてパレット・ポケットの軸に対しても平行させることで、フォークの先端66は、最小限の干渉でパレット・ポケット74内に容易に入ることができる。実施形態によっては、パレット72が、フォークの先端66がパレット・ポケット74内に完全に入り込んで、上部フォーク面63又は下部フォーク面64の一方がパレット72に係合するように十分な相対角度を有する。この係合により、上部ピン49は、フォーク対16が傾斜して摩擦係合または、フォークがパレット・ポケット74に挿入される際、浮くことができないためパレット72と強制的に係合されることを最小化するような所望の方向に次第に動くように強制される。フォーク対16がパレット・ポケット74に一旦完全に挿入されると、自動案内車両10は通常通り積荷を持ち上げ、上部スロット36の角度を有する側壁38により、自動案内車両が積荷を持ち上げるにつれて、ピン48が長手軸線11に沿って動くことを制約するように、特に、上部ピン49が長手軸線11方向に自由に動くことを制約するように、積荷60の重さによりフォーク・ピン48、特に上部ピン49が下方に押される。従って、積荷60が上がるにつれ、角度を有する側壁38によってピン48、ひいてはフォーク対16及び積荷60が自動案内車両10に合せられ、積荷60、特に、パレット72の角度が、積荷ベイの床85のドック・ランプ86等の自動案内車両の支持面に対する角度と等しくなる。
【0040】
搬送体からの積荷の積下ろし動作は、上述した積込み動作に極めて類似している。主たる違いは、ピックアップ動作で引き出されるべき積荷60を搬送体上の正しい位置にあることを保証することが難しいことである。従って、自動案内車両10は、これに対処し得るとともに積荷60の位置の変化を補償し得るように構成されなければならない。当該動作のステップは、主たる第1の誘導システムで自動案内車両10を案内して搬送体の近傍ないし近接した位置、好ましくは、搬送体50の入口部52のところに位置付けることである。この地点において、第2の誘導システムが自動案内車両10を積荷60と対応ないし合致するように案内する。上述のように、自動案内車両10は、フォーク対16上又はその近傍に設けて積荷60を支持するパレット72のフォーク・ポケット74を検出するのに用いる。複数の光学センサを備えることにより、広範囲の積荷位置付けをなし得るように構成し得る。該車両10が搬送体50上の積荷位置に近づいたとき、これら光学センサが動作してフォーク・ポケット74を見出す。そして、フォーク・ポケット74の検出位置を基準として自動案内車両10は、その走行路を変更するか、あるいは又、フォーク対16がフォークシフター、すなわち上述の側方シフト機構22及びスライド部材15、によって調整され、これによってフォーク対16が自動案内車両10とは独立して運動し得、フォーク対16とフォーク・ポケットが相互に対応する。
【0041】
フローティングフォーク16を用いて搬送体50の積下ろしを行う動作は、搬送体50への積込み動作と同様である。フォーク対16を下げてパレット・ポケット74内に挿入する。以下に説明する床57の角度を感知する方法によって判断されるものであるが、必要であれば、自動案内車両は、フォーク対16を搬送体50の床57または自動案内車両の支持面に対して押圧するように昇降機構18を下げ、ピン48がスロット32の下端46から持ち上げられるようにしてもよい。上述したようにピン48を持ち上げることにより、上部ピン49が自動案内車両10の長手軸線11に沿って自由に動けるようになる。フォーク対16を自動案内車両10の支持面に対して自由に傾斜できるようにすることで、自動案内車両10は、フォーク対16、特に、フォークの先端66がパレット72上のパレット・ポケット74に入るように積荷60に向かって前進することができる。上部フォーク面63又は下部フォーク面64等のフォークの先端66がパレット72の何れかの位置に係合した場合、フォーク対16は浮くことでピン48をスロット32の垂直軸線から離れるように動かし、必要に応じてパレット・ポケット74と位置合せすることができる。自動案内車両10は、通常通り前方に駆動し積荷60をピックアップすることができる。積荷60をピックアップする際、フォーク対16は自動案内車両10と通常の状態となる。より具体的には、ピン48は、上部ピン49が角度を有する側壁38によって長手方向への移動が制約される位置に配置されるように、自動案内車両10の支持面に向かって下方に移動する。以下に説明するように、実施形態によっては、自動案内車両は、傾斜機構40及び傾斜センサ42を用いて昇降機構18を更に傾斜させてかなり険しい角度に対する更なる調整を遂行するようにしてもよい。しかしながら、本発明においては、床又は支持面の角度に対して傾斜しない又は計測しないことが好ましく、フォーク対16を浮かせて搬送体の床面57に合わせることによってフォーク・キャリッジ及びフォーク対の共働ないし相互作用、特に、角度を有する側壁38がその機能を実行させることが好ましい。係合した後、自動案内車両10の昇降機構18により積荷60は持ち上げ可能である。その後、誘導システムが用いられ、自動案内車両10を搬送体50の入口部52の外の位置へ戻すように案内する。この地点において、誘導システムが用いられ、該車両10を次の目的地へ案内する。2つの案内システムが使用される場合、誘導システムは該車両10が第2の誘導システムにより案内されているときにも継続して該車両10の運動を追跡することが好ましい。これにより、主たる第1の誘導システムによる、より正確な誘導案内動作続行を可能とする
【0042】
本発明の他の実施形態では、主たる第1の誘導システムを利用して、最初の自動案内車両10が搬送体50に入る前に搬送体走行通路ないしパスを確定し、搬送体50内をナビゲートすることを可能とする。走行パスを確定する際、積込みドックに対する搬送体50の傾斜、搬送体入口部の中心の積込みドック・ベイ82の中心に対するいかなる水平方向のオフセット、及び積込み施設の床に対するいかなる垂直方向のオフセット又は角度を判定してもよい。実施形態によっては、システムも搬送体の床及びルーフの一方の位置及び相対角度を判定する。上述したように好ましい実施形態において、自動案内車両は慣性誘導システムを利用して自動案内車両10を積込みがなされる搬送体50の入口部52へ誘導案内する。搬送体50の入口部52は、搬送体50のドア55の近傍にある。搬送体50の入口部52の近傍にある自動案内車両は、自動案内車両10用の搬送体走行パスを例えば、移動ビームレーザ又は光システムを有するセンサを用いて確定して、搬送体50の側壁の位置を確定すること等により搬送体50を走査する。実施形態によっては、センサはさらに搬送体のルーフ58及び搬送体の床57の少なくとも一方を走査してもよい。搬送体走行パスを確定すると、慣性誘導システム等の主たる第1の誘導システムを利用して、上述した例で説明した方法と同様の方法で搬送体50対する積込み及び積下ろしを遂行することができる。従って、フローティングフォーク16によってかなり険しい角度の場合のおいてのような昇降機構の傾斜が必要とされない全ての範囲内の動きが可能となる。この確定により、必要に応じて、昇降機構を傾斜させるための情報を用いて、より広範囲の動きをフローティングフォークに提供することもできる。しかしながら、好ましい実施形態においては、フォークを浮かせることで、搬送体のルーフや床の角度又は垂直オフセットを確定する必要がなくなる。
【0043】
自動案内車両10は、単一のセンサ100又は複数のセンサを用いて搬送体50の外部から搬送体50の内部のデータ・プロファイルを作成してもよい。この他の実施形態において、搬送体50のデータ・プロファイルは、自動案内車両10の大部分が、搬送体50によって形成され、その中に積荷60が下される空洞に入る前、特に、積荷60が搬送体50に入る前に作成される。例えば、水平変位、搬送体50の傾斜、縦変位及び、搬送体の床57の角度等の予定された位置からの偏差を特定するために搬送体50のデータ・プロファイルを作成することにより、自動案内車両10が搬送体50に入る前に搬送体50内に積荷60を下すための最善のパスに対して自動案内車両10が容易に向かうことができるようになる。より具体的には、オペレータのエラーにより、積荷60が下される搬送体50、具体的にはセミトレーラが、積込み領域80に後ろ付けされる際に、通常最適位置からずれ、水平のオフセット又は傾斜が全く同じようになるよう位置付けされることはほとんどない。積込み領域又はドック80は、積込みドック壁によって画定されるベイ開口部82を含み、この開口部が搬送体の幅よりも広いためにこのオペレータのエラーが起こる。これにより起こったオペレータのエラーは、自動案内車両10に関して、図4eに示すような搬送体50の幅を実質的に満たす積荷60を用いるシステムにおいて問題を引き起こす。搬送体50の積込み施設の床85に対する垂直方向のずれも、自動案内車両10に、嵩の高い積荷を置く際の問題を引き起こす可能性がある。自動案内車両の支持面に対する搬送体の床57の垂直方向ずれ及び傾斜も、自動案内車両に搬送体50の入口部52近傍に積荷を配置する際の問題を引き起こす可能性がある。従って、自動案内車両10は、積荷60が搬送体に入る前にセンサ100を用いて搬送体50のプロファイルを作成してもよい。それにより、図8に示すように搬送体50が予定された位置から水平方向にずれている場合でも、側壁54に積荷を接触させることなく、自動案内車両10が搬送体50に入ることが可能となる。図8に示したように、オペレータが搬送体50を適切に位置付けした場合、搬送体50の長手軸線51は予定された長手軸線84に合せられる。しかしながら、図8には、搬送体の開口部52又が入口部において予定された長手軸線84から水平方向にずれているだけでなく、予定された長手軸線84からある角度で傾斜している搬送体が示されている。図9〜図11において示したように、搬送体は積込み施設の床85又はドック・ランプ86に対して垂直方向にずれる又は傾斜する可能性もある。
【0044】
好ましい実施形態において、主たる第1の誘導システムが、たどるべき搬送体通路ないしパスを作成するためにセンサ100を用いることで、第2の誘導システムの必要がなくなるが、場合によっては、第2の誘導システムを用いる。好ましい実施形態において自動案内車両10は、A位置、すなわちポジションAに向けて進むことと搬送体パスに沿って進むことに同一のナビゲーションシステムを使用する。上述したように、この誘導システムは、慣性誘導、有線誘導、視覚誘導、テープ誘導、レーザターゲット誘導、又はレーザ誘導等のレーザ誘導を含む公知の任意のシステムであってよい。しかしながら、有線誘導システム、テープ誘導又は、レーザターゲット誘導が用いられる場合、慣性誘導システム、推測航法による誘導システム、視覚誘導システム又は、レーザ誘導システムも搬送体内の走行のために含まれていてもよい。上述したように、自動案内車両10は、自動案内車両が所望の動作で積荷60を取得し、図8に示した搬送体50の外部のポジションA等のポイントに自動案内車両を誘導案内するため、主たる第1の誘導システムを用いる。
【0045】
例えば、センサの位置を最適化しながら積荷60が搬送体50の開口部52又は入口部を越える前に自動案内車両自体を搬送体50内へ向かう所望の走行パスに合せるために十分な操作スペースを提供することに関して、積荷60がおよそ3フィートの深さを持つとともに自動案内車両自体を搬送体50へ適切に合せるために自動案内車両が必要とする操作スペースの平均がおよそ3フィートである場合、搬送体50の外側の予定された停止位置は、入口部52から6フィート又はそれより若干遠くにある。センサ100が自動案内車両に位置していない場合、入口部からより遠い距離に位置するポジションAを設定することで、より大きな操作スペースを提供することが好ましい場合がある。これにより、自動案内車両は、積荷60が搬送体50に入る前に所望の搬送通路ないしパスに合せるために、その位置及び走行通路ないしパスをより楽に調整するので、操作速度が増し、結果として積込み時間が短縮される。
【0046】
自動案内車両10が、搭載コントローラ又は自動案内車両を指示する中央コントローラに、自動案内車両10が動作する全体的なシステムに入った搬送体50の方向又は計算された所望の搬送体パスを持たない場合、自動案内車両10は、搬送体50の方向を判断し得る、トレーラに関するイメージ、マップ又は、他のデータ・プロファイルを作成する。搬送体50の方向を判断する際に重要なことは、進入する積荷60が側壁54に接触しないための、開口部52、特に、開口部52の各側における側壁54が、予定された位置、すなわち一般的には積込みベイ84の中央部からオフセットしているか、より詳細には、側壁54の位置、及び側壁54から判断されるトレーラの角度又は傾斜を判定することである。必要条件ではないが、空の搬送体50に対して積込みを行う際にセンサ100を用いて端壁56の位置を判断し、搬送体がある程度荷積みされて到着した場合、搬送体における任意のパレット又は積荷までの距離を判断してもよい。端壁56又は任意の搭載済みの積荷の位置から、自動案内車両10又はシステムコントローラは、最初の積荷60を下ろすために自動案内車両10がどれほどトレーラ内に移動しなければならないかを計算することができる。好ましい実施形態において自動案内車両は、搬送体パスの長さを計算することで積荷が下ろされて最終的な位置に押される前にトレーラ内のより奥部まで移動することが可能となる。搬送体において積荷を押す距離を最小化することにより、自動案内車両10の電池が再充電を必要とするまでの時間が長くなる。しかし、例えば、トレーラ及び移動のおおよその距離を知っている自動案内車両10等を用いたりする他の任意の方法を用いて、積荷60を配置する際に自動案内車両がどれほどトレーラ内に移動しなければならないかを判断してもよい。
【0047】
自動案内車両10の搬送体内の搬送体パスを決める際に、自動案内車両10は、通常搬送体のデータ・プロファイルを集めて、次に側壁54を分析して、搬送体の実際の長手軸線におおむね沿う走行ラインを確定する。より具体的には、自動案内車両10は通常、積込みベイ82の予定された長手軸線84に沿った位置まで近づく。そして、レーザセンサ100が搬送体50の像を作ってデータ・プロファイルを作成し、通常は搬送体50の実際の長手軸線51に沿うものである予定された走行パスを確定する。この実際の長手軸線は、一般的には搬送体の側壁54を数学的に平均することで搬送体50への中央走行パスを作成することで計算される。
【0048】
自動案内車両10がポジションAにあるとき、あるいは、ポジションAより手前の位置にあるとき、自動案内車両は、センサ100が搭載されていれば停止し、センサ100を用いて搬送体50をプロファイルする。ポジションAが操作に必要な最小距離よりも遠くに位置するように搬送体の入口部52から十分に離れている場合、自動案内車両は、積荷60が搬送体50に入る前に停止せずにセンサ100を用いて搬送体をプロファイルできる可能性がある。図8におけるポジションAはただ、搬送体の内部を感知するため及び/又は搬送パスをたどる自動案内車両10に切り替える、または更に積荷60が側壁54に接触せずに搬送体に入ることを含む搬送パスに沿うよう適切に操作を行うための最も理想的な位置を示すのみである。そのため、誘導システム間で切り替えが起こるときにセンサ20及び30が搬送体内にある上述した実施形態と比べると、本実施形態では、搬送体への新規経路を計算し該経路を利用するために切り替えが行われている間、センサ100が完全に搬送体の外にある。そのため、センサ100が自動案内車両10に搭載されている場合、ポジションAに最初着いた自動案内車両が、搬送体50のデータ・プロファイルを取得する。自動案内車両又は中央コントローラは、データ・プロファイルを用いて、どのような積荷60を搬送体50が受け取るのかに応じて、搬送体50への最適な経路(搬送体パス)及び積荷60の最適配置を計算する。そして自動案内車両は、ポジションAから該搬送体50への搬送体パスをたどって、積荷60を配置し、その後、搬送体パスをたどって搬送体50からポジションAへ戻る。ポジションAにおいて、搬送体パスからシステムにおいて用いられる次の目的地に向かう経路へ切り替える。
【0049】
センサ100は、レーザセンサ又は、例えば搬送体の開口部52、側壁54及び、端壁56を感知し、搬送体の内部の画像を形成できるその他のセンサであることが好ましい。例えば、特に、搬送体に嵩の高い積荷を積み込む際に、センサは、搬送体のルーフ(図示せず)に関する情報も提供して、積荷60の上面と搬送体のルーフの間に十分な隙間をもって自動案内車両が搬送体に入ることを保証してもよい。図6、7に説明したように、センサはフォーク対16の間の自動案内車両の中央にある。この配置により通常、積荷60間の隙間から搬送体50の側壁54及び天井までの高さの測定が可能となる。しかしながら、操作上の様々な必要性に応じて、センサ100を他の位置に配置してもよい。例えば通常より幅又は長さにおいて2倍の大きさのパレットを使用するような、テーブルや家具又は他の装置等の大きな物体を有する工場もある。そのため、センサ100が、パレットが幅2倍のパレットである場合に、天井見ることができ、又は自動案内車両のフォーク上に2つの長さが2倍のパレットが配置される場合に、側壁54を見ることができるようにするために、センサ100の配置に自動案内車両上の他の位置を利用してもよい。
【0050】
好ましい実施形態においては、2番目に到着する自動案内車両は、既にシステム内の搬送方向に関する情報、より詳細には、ポジションAから搬送体への搬送体パス及び積荷を下ろした後に搬送体からポジションAへ戻る搬送体パスを備えている。先に到着した自動案内車両がシステムにシステム追加した、たどるべき搬送体パスを自動案内車両は知っているため、自動案内車両がたどっている経路を切り替えるときに、自動案内車両は、停止することなく、さらには搬送体50を感知せずにポジションAを通過し、搬送体に入ることができる。最大限に効率を高めるためにシステムは、予定された搬送パスへの切り替えをポジションAの前に行ってもよい。これにより自動案内車両の操作時間を増やし、さらに経路を所望の搬送パスに合せるためにより長い時間と距離があるため自動案内車両の操作速度を上げることができる。例えば、慣性誘導システムを用いて自動案内車両を図8に示したようにポジションAへ運ぶ。ポジションAに到達する前又は到達すると中央コントローラは、所望の搬送体パスを自動案内車両に提供して、自動案内車両は継続して慣性誘導システムを用いて自車両を搬送体パスに合わせ、搬送体パスをたどって搬送体に入り、積荷60を適切な位置に下ろす。自動案内車両は、慣性誘導システムを用いて逆方向のパスをたどってポジションAへ戻る。ここで新しい目的地に向かうパスに切り替える。
【0051】
もちろん、各自動案内車両は、搬送体に最初に近づいたとき又は近づく度に個別にデータ・プロファイルを作成し、通常は積荷60が下ろされる搬送体50の長手軸線51に沿う所望の搬送体パスを計算するセンサ100及びコントローラを備えてもよい。2度目以降に自動案内車両が積荷60を下ろすために搬送体50に近づく際、所望の走行パスを再計算してもよいし、あるいは、前回確定した走行パスを使用してもよい。少なくとも最初の2〜3台の自動案内車両にたどるべき搬送パスを計算させることで、より正確な経路のための搬送体パス及びデータ・プロファイルの平均化が可能となる。しかしながら、センサ100が自動案内車両に搭載されている場合、搬送体50が積荷60で満たされるにつれて通常側壁が見にくくなり、データ・プロファイルが測定する側壁が減るため、再計算したときに所望の走行パスにエラーがもたらされる可能性が大きくなるので自動案内車両が入る前に毎回分析することが逆効果となる可能性がある。
【0052】
更なるステップとして、センサ100がトレーラ50の内部を走査するときに別のセンサが、積込みベイエリア80内に固定された物品を走査して、システム内でその位置を較正してもよい。より具体的には、自動案内車両10は、図8のポジションAまで走行し、搬送体50の内部を走査する際に積込みドック壁83及び積込みドック・ベイ82の場所に基づいて、ポジションAから1/2インチ(1.27cm)離れていると判断する可能性がある。積荷を置くために搬送体50の中へと移動した後の自動案内車両は、ポジションAに戻ってくる。しかし、ポジションAに戻ってくると、予定された位置と実際の位置の間の以前の差異を調整する。そのため、自動案内車両10は、追加のステップまたはシステム内の他の地点における較正なしに、簡単にその車両位置を再較正できる。第1の実施形態において、新規搬送パスが搬送体50の長手軸線51に沿って確定すると自動案内車両は、慣性誘導システムを用いてトレーラ内部に向かって走行し、積荷60を下ろす。個別の又は別の誘導システムではなく慣性誘導システムを用いることによって、自動案内車両を作成するにあったて、その如何なる利益を引き換えにすることなく経費を抑えることが可能となる。しかしながら、本システムは、推測航法、レーザ誘導、視覚誘導、テープ誘導、及び有線誘導等のその他多くの誘導システムを用いてもよい。慣性誘導システムを用いる際に、垂直方向ではなく水平方向の動きにジャイロスコープが調整されるため、自動案内車両がトレーラ50に入るときに積込みドックに対する搬送体50の垂直方向の如何なる位置ズレも、慣性誘導システムに影響しない。当業者であれば、実施形態によっては、較正の問題の排除又は、積荷からの重さが加わったときの搬送体の設定によって嵩の高い積荷が搬送体の上面に接触しないことを保証するため、各自動案内車両が独自で搬送体のデータ・プロファイルを作成することが有益であるとこを認識するだろう。実施形態によっては、特定の地点で慣性誘導システムを再較正したい場合、搬送体及び積込みエリア内の特定の固定された位置のデータ・プロファイルを作成して、システムに対する自動案内車両の較正を行うことが望ましい。
【0053】
当業者であれば理解可能であるが、自動案内車両は一般にフォーク及び積荷60を車両の後方に位置付けた状態で前方へ走行する。従って、図8のポジションAに到達する前に自動案内車両は、一般に積荷60又はフォーク対16が搬送体50に面するように動作する。その後自動案内車両は、必要があれば、搬送体を感知してデータ・プロファイル及び搬送パスを作成し、積荷60から先に搬送体50の中へ移動する。搬送体を出ると次の積荷をピックアップするので、自動案内車両は、積荷60を配置すると搬送体からポジションAまで戻り、一般に車両がスローダウン、又は、停止しないようにプロファイル間又はシステム間の切り替えを行う。ポジションAを過ぎたある地点において自動案内車両は、フォークが車両の後部にくるように180度回転する。もちろん場合によってはセンサ100をフォークの反対側に配置して、トレーラのデータ・プロファイルを作成するため、センサ100の視界を開けてもよい。本実施形態においては、ポジションAは、積荷60が側壁54に接触することなく積荷が先に搬送体50に入るように、自動案内車両が180度回転して、搬送体パスに位置合わせができるよう入口部52から十分離れた位置に配置されている。
【0054】
自動案内車両は、最大限の積荷が車両に置けるよう積込みを行うので、自動案内車両は一般に計算したパスの端に到達すると積荷を下ろし、その積荷を搬送体の床に沿って残りの距離を押す。駆動ホイール上の電流センサを用いることにより、積荷が前回の積荷と接触したこと、そして、積荷が搬送体上の前回の積荷に対して密着して下ろされたことを判断することができる。
【0055】
実施形態によっては、センサ100を車両ではなく、自動案内車両10の通路上でない場所で、かつ、搬送体50の内部が十分に見える場所である積込みドックの任意の場所に含まれていてもよい。例えば、積込みベイのドア及び搬送体50へのドアを開けるとすぐにセンサが自動的に撮像し、所望の位置に対するオフセットや傾斜等を含む搬送体の実際の位置のデータ・プロファイルを作成できるように、搬送体に面する各積込みベイから6フィートほど離れた位置にあってもよい。この更新されたデータ・プロファイルは、その後中央コントローラに記録され、それにより、各自動案内車両に対して走行経路又は搬送体パスが提供されるため、搬送体の位置のデータ・プロファイルを作成し、中央コントローラを更新して自動案内車両用の走行パスを確定するというステップを少なくとも最初の自動案内車両に関して省くことができる。従って、中央コントローラは所望の走行パスを作成でき、自動案内車両は車両走行パスの標準データ・プロファイルを用いる慣性誘導システムを用いてポジションAまで走行可能となる。そして、ポジションAに到達すると、ポジションAのデータ・プロファイルを予定された走行パスから実際の搬送体50への走行パスへ切り替えるので、停止することなく、多くの場合にはスローダウンさせすることもなく、搬送体50の中へと停止せずに移動することができる。センサが自動案内車両の外に位置する場合、センサは、積込みベイエリア80内または各トレーラの上方又は各トレーラの間等、積込みベイの外側に位置していてもよい。自動案内車両用の更新されたデータ・プロファイルを提供するためには、一般に搬送体50の水平方向の傾斜及びオフセットだけを確定する必要がある。
【0056】
図には搬送体の中にパレット対を運搬できるように2組のフォーク対を有する車両として自動案内車両を示しているが、場合によっては、1組のフォーク対を有する車両を用いて積荷を並べて配置するための新規搬送パスを搬送体への各パスに対して確定してもよい。
【0057】
本発明は、特にダブル・パレット・システムにおけるパレットの各側と搬送体の側壁との間に最小限の隙間しかない非常に幅の広い積荷に対して有効である。計算した搬送体パスを用いて自動案内車両10は、積荷と各側の側壁との隙間が1/2インチ(1.27cm)よりも狭い状態で搬送体に入り、搬送体50の側壁に当たることなく積荷60を配置予定位置まで移動することができると考えられる。
【0058】
上述したシステムは、自動で搬送体からの積荷の積下ろしを行うためにも用いることができる。搬送体からの積荷の積下ろし動作は、実質的に上述した搬送体への積荷の積込み動作と同様である。しかしながら、パレットが搬送体50の開口部付近に配置されるような完全に満載状態の搬送体50において自動案内車両は、データ・プロファイルを作成するために搬送体50を感知することなしにこのパレットを積下ろしてもよい。最初のパレットが下ろされた後又は、搬送体50が満載状態でない場合、自動案内車両は、トレーラの側壁及び位置を感知して搬送体50の傾斜及び水平方向のオフセットを確定してもよい。積荷60が連続的に自動案内車両から下ろされる際、センサ100によって最初に測定された部分的に積み込まれた搬送体の側壁の量は限られるので、データ・プロファイルにおけるエラーを減らために後続の自動案内車両がトレーラのデータ・プロファイルを作成してもよい。各パレット又は積荷60が搬送体50から下ろされると、側壁54のより多くの部分が見えるようになり、より正確なデータ・プロファイルが作成可能となる。システムは、前回とそれに続くデータ・プロファイルの間の差異が閾値レベルより小さくなったとき、搬送体の傾斜やオフセット及び各後続の自動案内車両に対する所望の搬送体パスを確定してもよい。トレーラ上のパレットの位置ズレのためにトレーラ内の位置合わせを一旦微調整するために、当技術分野で公知の何れかのパレット・ポケット感知システムを用いてフォークをパレット・ポケット内に合せてもよい。積込みエリア80の天井から吊るされる場合のようにセンサ100が自動案内車両から離れて位置する実施形態においては、搬送体からの積下ろしにおいて、センサ100は積荷60を上面から見ることができるため、搬送体の内部に関するエラーが最小限の完全なデータ・プロファイルを作成することができ、積荷が満載の搬送体についても搬送体の傾斜及びオフセットを正確に確定することができる。各自動案内車両が搬送体50のデータ・プロファイルを作成する必要はないので、搬送体から積み下ろすために自動案内車両の外にセンサを配置させることにより、より有効なシステムを提供することができる。
【0059】
センサ100が自動案内車両上に位置する場合、センサが積荷を下又は上から見ることができるような位置に配置することが好ましい。施設によって積荷60のタイプが異なるので、センサを車両の下部に配置して積荷60の下を見て搬送体50の内部を感知することが好ましい。通常、このタイプの配置は地面から少なくとも4〜6インチ(10.16〜15.24cm)ほど離れており、2重フォーク自動案内車両上では、予定された好ましい位置が自動案内車両(の水平方向)のほぼ中央で、7.5インチ(19.05cm)地面から離れている。もちろんセンサは、搬送体50の側壁54、好ましくは搬送体50への開口部を画定する側壁の端壁を含む側壁54の位置の許容できる読取を受け取り可能な位置ならどこに配置してもよい。センサ100を積荷60の通常運搬位置の下に配置した状態にあることで、動いている間に自動案内車両は、トレーラのデータ・プロファイルを作成することができるため、停止することなく、ポジションAにおいてセンサが提供した新しいデータ・プロファイルによって確定される更新された走行パスに切り替えることができる。
【0060】
上述したように、センサ100を用いて搬送体の床57又は搬送体のルーフ58のどちらか一方の相対位置を確定することにより、パレットの最後の数点又は搬送体50の入口部52のすぐ内側の積荷60等のような搬送体の端における積込みに関して選択肢ができる。搬送体50に対する積込み及び積下ろしを行う上記方法は、全てのタイプの搬送体に対して有効であるが、搬送体50の端部近傍の積荷60の積込み及び積下ろしは困難な場合がある。より具体的には、図11〜19に示したように、自動案内車両のより多くの部分が載っている支持面が積荷60、具体的にはパレット72が、下ろされるまたは移動される面に対して角度を有する場合、フォークがパレット72から取り外される又は挿入される際、自動案内車両10のパレット・フォーク16がパレット72と干渉することで困難が生じる可能性がある。パレット72には、フォーク対16が積荷60を持ち上げるために挿入されるパレット・ポケット74を有する。積荷60を所望の位置に運んだ後、フォーク対16は、積荷を置いて、積荷60から取り外される。図11〜19に示すよう、積込みベイの床85又はドック・ランプ86等のような自動案内車両10が載っている面に対して角度を有する搬送体の床57等の面に積荷60が載せられる場合、自動案内車両は、積荷を正確に下ろし、自動案内車両がポケットからフォークを取り外すときに下ろされた位置に留まることを保証することが困難であり、又、搬送体50からの積下ろしを行う場合、自動案内車両がフォークをポケットに挿入して積荷60をピックアップすることが困難である。パレット・ポケット74は狭いので、面同士の角度の僅かに異なることで、パレット・ポケット74の上部表面又は下部表面の一方にフォーク端66が当たり、パレット・ポケット74の上部表面又は下部表面の他方に水平セグメント62の移行セクション68に最も近い位置が当たる。上記の説明及び説明図から容易に理解できるように、この接触により搬送体50の入口部又は端部52での操作中に問題が起こる場合がある。より具体的には、自動案内車両が搬送体に入ると、ホイール12及び14は、搬送体の床57に位置するようになるので、自動案内車両の支持面は積荷の支持面と同じとなるため、搬送体の奥部にある積荷に関しては問題がない。従って、図面から明らかなように、ドア55又は入口部52の内側の1つ又は2つのパレットについては、自動案内車両10が、搬送体の床57に対して角度を有するドック・ランプ86又は積込みベイエリア85の上に留まった状態で積荷を配置しようとするため、問題が存在することがある。
【0061】
上述したように、自動案内車両がポジションAに到達するとセンサ100は、搬送体を走査して搬送体の床57又は搬送体のルーフ58のうちの少なくとも一方を確定する。搬送体のルーフ58及び搬送体の床57は、通常平行であり、通常、自動案内車両が搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的な高さと搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的角度を確定するために、これらの表面のうちの一方だけを確定すればよい。又、センサ100が搬送体50の位置を走査するときは、搬送体50の積込みベイの開口部82又はドック壁83に対する相対的位置を確定してもよい。この搬送体50のドック壁83に対する位置と、搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的な角度及び高さの違いを併せて確定することにより、自動案内車両10又はシステムコントローラが搬送体50の内部へ延びるドック・ランプ86の相対的角度を確定できるようになる。必要に応じて自動案内車両は、ドック・ランプ86が搬送体内部にどのくらい延びるかを更に確定してもよい。従って、積荷60を搬送体50の端部の近傍に配置するためにシステムは、上述した誘導システムに従い、搬送体の床57の積込みベイの床85に対する相対的角度及び相対的な垂直方向の変位を確定する。自動案内車両は必要に応じてドック・ランプ86の相対的位置及び角度も確定する。
【0062】
この通りに搬送体50の相対的位置を自動案内車両10が確定することで、自動案内車両10は、搬送体の床57に対して角度を有する支持面上の端に位置するときに、パレット72が搬送体の床57又は搬送体のルーフ58に確実に触れないように所望の高さまで積荷60を持ち上げた状態で搬送体50に入ることができる。所望の位置に積荷60がある状態で自動案内車両10は、傾斜機構40を用いて昇降機構18又はフォーク・キャリッジの一方を傾けてもよい。昇降機構18又はフォーク・キャリッジ17の相対的傾斜を確定するために傾斜センサ42を含んでもよい。図11〜19は傾斜した昇降機構18を示す図であるが、当業者であれば分かるように、フォーク・キャリッジ17が傾斜している間に昇降機構18は静止したままでもよい。昇降機構18又はフォーク・キャリッジ17を傾斜させることで、自動案内車両10は、自動案内車両10の支持面とパレット72の支持面の相対的角度の違いを埋め合わせてもよい。この埋め合わせにより自動案内車両は、積荷を搬送体の床57に確実に配置することが可能となり、そして、フォーク対16を実質的に干渉がないとされる最小限の干渉でパレット・ポケット74から取り外すことが可能になり、積荷60の位置が実質的に変わらないようにできる。
【0063】
積荷60を搬送体50内に下ろす際に、搬送体50の外側又は部分的に搬送体50の中にある自動案内車両10の支持面と搬送体の床57の相対的位置の間に険しい相対角度がある場合、昇降機構18又はフォーク・キャリッジ17を傾斜機構40によって傾斜させる際に複数の調整が必要である。より具体的には、搬送体のルーフ58までの隙間が最小限の嵩の高い積荷等に対しては、搬送体の長手軸線に沿った自動案内車両の動きに合せて複数の傾斜機構40による角度調整が必要となることがある。例えば、自動案内車両10が搬送体50に入るにつれて傾斜機構40は、協調した傾斜運動、具体的には、自動案内車両10の前進する動きと協調した動きをすることが必要となる。そのため、最小限の隙間の積荷に対しては、パレット72は、積荷が搬送体のルーフ58又は搬送体の床57に対して接触しないようにほぼ弓状の動きをする。従って、自動案内車両10が搬送体の内部に進むにつれて、傾斜機構40は積荷60に徐々に角度をつけるので、パレット72の前縁は搬送体の床57とは接触しない。そしてパレット72は、搬送体の床57の所望の位置に配置される。そして、積荷60を下ろす間フォーク対16は下げられ、自動案内車両は、進む方向を搬送体50から出る方向に逆向きする。パレット・ポケット74内の隙間が極小であるため、フォーク対16がパレット・ポケット74に接触しないことを保証するために、フォーク対16もまた、一般に自動案内車両が搬送体を出るにつれて、徐々に角度がつけられる。フォーク対16がパレット・ポケット74を実質的に持たない状態になると、自動案内車両10は続けてポジションAに戻り、同時に、傾斜機構40、具体的には、昇降機構18及びフォーク・キャリッジ17のうちの一方を実質的に垂直な位置に戻す。
【0064】
上述したように、フォーク・キャリッジ17は図に示したように、フォーク対16が上下に浮いたり傾斜したりできるようにするスロット32を含んでもよい。上述したフローティングフォークを上述した積荷を配置するための傾斜方法と組み合わせることで、動きの範囲を増やすことが可能となる。フォーク対16がある程度浮くことが可能となることで、フォーク対16をパレット・ポケット74からスムーズに取り外すために必要な調整の回数を減らすことができる。フォーク対16は垂直方向には自由に浮き、限られた距離だけ傾斜するので、自動案内車両は、昇降の調整をする必要はなく傾斜調整だけが必要となる。
【0065】
上述したように、自動案内車両上のコントローラ又はシステムコントローラは、自動案内車両の支持面と搬送体の床57の相対角度を測定して、自動案内車両が搬送体50を出たり入ったりする際の積荷60又はフォーク対16に要求される傾斜及び、必要であれば、自動案内車両の動きと協調したフォーク対16の動きを確定してもよい。これにより、搬送体50の端部での積込み又は入口部に最も近い場所での積込みがスムーズかつ効率的に行われるので、自動案内車両10が搬送体50の入口部52に積み込むときに積荷の配置が移動やズレを確実に防止することができる。上述したシステムは、搬送体50に対する積下ろしを改善するために図に説明したように逆にしてもよい。より具体的には、自動案内車両が、フォーク対16を少なくとも入口部52又は搬送体50の端部の最初の積み荷60のパレット・ポケット74に延ばす際、自動案内車両は、搬送体50の確定された相対的位置を利用して傾斜機構40を用いるフォーク対16の位置合せをしてパレット・ポケット74内のフォーク対16の干渉を防止してもよい。自動案内車両は、パレット・ポケット74に入る際のフォーク対16の動きを調整して自動案内車両が前方へ動いてもフォーク対16がパレット72に確実に接触しないことようにしてもよい。センサ100が積荷を積み込まれた搬送体50をポジションAにおいて測定する場合、積荷60が搬送体の床57を測定するのを干渉することがあるので、センサは、搬送体のルーフ58を測定することになっている。もちろん、実施形態によっては、センサは積込みベイのドアの外側又は搬送体の積込みエリア80の先の積込み施設の外側に配置されて、搬送体50の相対的位置を確定することで個々の自動案内車両10が搬送体を走査する必要性を無くしてもよい。施設内にあり自動案内車両10上にはないセンサも、搬送体50の床又はルーフの一方を計測して自動案内車両又はシステムコントローラにそれを通信してもよい。外部のスキャナの利用は、積込みベイの施設に対する搬送体の位置を確定させ、積荷を適切に配置するとともに入口部52に最も近い積荷を積込んだり積み下ろしたりするために必要な情報で自動案内車両を更新する中央コントローラと通信してもよい。
【0066】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。当業者には本発明が、これら実施形態の構成に限定されず、以下の請求項で定義される発明の本質及び妥当な範囲から離れることなく種々の可能な変形構成を含み得ることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸線を有する物品処理車両であって、
フォーク・キャリッジと、
前記フォーク・キャリッジに連結された1対のフォークと、
を備え、
前記フォーク対は、前記フォーク・キャリッジに対して垂直方向及び角度的に動くことが可能である物品処理車両。
【請求項2】
前記フォーク対は、前記自動案内車両からの入力なしに垂直方向及び角度的に自由に動く請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記角度的動きは、前記車両からの入力を必要としない請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記フォーク対は、前記自動案内車両との直接的相互作用から自由である請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記フォーク・キャリッジは、少なくとも1つの上部スロットを含み、前記上部スロットは、該上部スロットの長手軸線に対して角度を有する側面を有する請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記上部スロットは、三角形状を有する請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記上部スロットは、半径を有する下端を含み、前記フォークは前記スロットに嵌合するフォーク・ピンを含み、前記フォーク・ピンは前記下端の前記半径と実質的に同じ半径を有する請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記上部スロットはV字型である請求項5に記載の車両。
【請求項9】
前記フォーク・キャリッジは、実質的に平行な側壁を有する下部スロット及び下部スロット軸を含み、前記下部スロットは下部スロット幅を有する請求項1に記載の車両。
【請求項10】
前記フォーク対は、前記スロットに嵌合するピンを含み、前記下部スロット幅は、前記ピンが前記軸に沿って自由にスライドできるようにし、前記ピンが前記軸から離れる動きを実質的に制約するように構成される請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記上部スロットは、前記上側面間の中間地点で形成された線におおむね沿って位置する上部スロット軸を含み、前記フォーク・キャリッジは、実質的に平行な側壁を有する下部スロット及び前記下側面間の中間地点に沿った下部スロット軸を有し、前記上部軸及び前記下部軸は平行である請求項5に記載の車両。
【請求項12】
前記フォーク・キャリッジは、少なくとも1つの上部スロット及び少なくとも1つの下部スロットを含み、前記フォーク対は、前記上部スロット内で少なくとも部分的に移動させられるように構成された少なくとも1つの上部ピン及び前記下部スロット内で移動させられるように構成された少なくとも1つの下部ピンを含む請求項1に記載の車両。
【請求項13】
前記ピンは、前記フォークを前記フォーク・キャリッジに連結する請求項12に記載の車両。
【請求項14】
前記車両は、前記フォーク・キャリッジの前記自動案内車両の支持面からの垂直移動のためのマストを含み、前記フォーク対が前記自動案内車両の前記支持面から十分に動かされると、前記上部ピンが前記フォーク・キャリッジに対して垂直的かつ角度的に動くことを制約される請求項12に記載の車両。
【請求項15】
前記車両は、前記フォーク・キャリッジの前記自動案内車両の支持面からの垂直移動のためのマストを含み、前記フォーク・キャリッジが十分に垂直方向に下げられると、前記ピンが前記上部スロットの下部表面から離れる方向に垂直に移動し、前記フォーク・キャリッジに対して角度的に動くことが可能となる請求項12に記載の車両。
【請求項16】
前記上部スロットは、1対の側壁及び下端を含み、前記側壁対が、前記上部軸から外方に延び前記下端で最も接近する請求項15に記載の車両。
【請求項17】
前記フォーク・キャリッジは、下部軸を有する下部スロットを含み、前記フォーク対は、下部ピンを含み、前記ピンが前記下部スロット内で垂直方向だけに動くように実質的に制約され、前記スロットは、前記下部軸に沿った前記ピンの垂直運動を制限する上端を含む請求項1に記載の車両。
【請求項18】
それぞれが長手軸線を有する上部及び下部スロットを有するフォーク・キャリッジを備える自動案内車両であって、前記上部スロットが前記長手軸線から外方に延びる角度を有する側面を有する自動案内車両。
【請求項19】
前記上部スロットの前記角度を有する側面は、前記上部スロットの下端において前記長手軸線に近い請求項18に記載の自動案内車両。
【請求項20】
前記フォーク・キャリッジに連結されたフォーク対を更に備え、前記フォーク対は、前記スロット内部に嵌合するピンを有し、前記自動案内車両が前記フォークを持ち上げるにつれて、前記スロット及び前記ピンは共働して前記フォークの前記フォーク・キャリッジに対する角度のある動きを徐々に制約する請求項18に記載の自動案内車両。
【請求項21】
下部スロットと上部スロットとを備える物品処理車両用フォーク・キャリッジであって、前記下部及び上部のスロットのそれぞれは垂直軸線を含み、前記下部スロットは前記垂直軸線からの距離が略同じである複数の側壁を含み、前記上部スロットは前記垂直軸線から上方に向かって延びる角度のある側壁を含む物品処理車両用フォーク・キャリッジ。
【請求項22】
1対のフォークを更に含み、前記フォーク対は、前記フォーク対を前記フォーク・キャリッジに連結するためのピンを含む請求項21に記載のフォーク・キャリッジ。
【請求項23】
前記ピンは、前記スロットに移動可能に連結される請求項21に記載のフォーク・キャリッジ。
【請求項24】
荷重が前記フォークに加わると、前記フォーク対の前記スロットによる動きが制約される請求項23に記載のフォーク・キャリッジ。
【請求項25】
自動案内車両と角をなす搬送体の床によって支持される積荷を係合する方法であり、前記自動案内車両は、前記搬送体の床に対して角度を有する面によって支持されており、前記自動案内車両は、フォーク・キャリッジ及び水平な積荷部分を有するフォーク対を含み、前記フォーク対は、前記自動案内車両との直接的相互作用から自由に前記フォーク・キャリッジに対して動くことが可能であって、前記方法は、
前記フォーク対の前記水平部分は、前記自動案内車両の前記支持面に対して実質的に平行である、前記自動案内車両を係合位置に誘導するステップと
前記フォーク・キャリッジを前記フォーク対がまず前記床に係合するまで下げるステップと、
前記自動案内車両による前記フォーク対の直接的な角度方向の動きなしで、前記フォーク対が前記フォーク・キャリッジに対して垂直方向及び角度的に動き、前記水平な積荷部分が前記搬送体の床に対して平行となるまで前記フォーク・キャリッジを下げ続けるステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公表番号】特表2011−518740(P2011−518740A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506459(P2011−506459)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/041580
【国際公開番号】WO2009/132219
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(595057306)ジエービス・ビー・ウエブ・インターナショナル・カンパニー (7)
【Fターム(参考)】