説明

リベット

【課題】工作物が有するリベットのための開口の大きさが異なっていても、コストがかからず且つ改善された耐荷力を有するブラインドリベットを提供する。
【解決手段】軸方向に延在するキャビティ及び当該リベットヘッド11に隣接する軸部を有する、リベットヘッドを備えるか、又はこのリベットヘッドから成る、スリーブ部1と、ほぼ円柱状の基体及び当該基体の直径Dに対応して拡幅されているリベットマンドレルヘッド21を備えるリベットマンドレル2とを備え、当該リベットマンドレルは、スリーブ部を自身の基体と共にキャビティに沿って貫通する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベットに関し、当該リベットは、リベットヘッドであって、軸方向に延在するキャビティ及び当該リベットヘッドに隣接する軸部を有する、リベットヘッドを備えるか、又はこのリベットヘッドから成る、スリーブ部と、ほぼ円柱状の基体、及び当該基体の直径に対して拡幅されているリベットマンドレルヘッドを備えるリベットマンドレルとを備え、当該リベットマンドレルは、スリーブ部を自身の基体と共にキャビティに沿って貫通する。
【背景技術】
【0002】
このようなリベットは大量生産され、工作物を接合する際に広く用いられる。特に、異なる材料から成り、且つはんだ付け、溶接又は接着のような接合技法を使用できない工作物を結合する必要がある場合に、そのようなリベットによって組み合わせることは、実施可能な代替の結合の可能性を示す。ここで、結合される工作物は先ず開口を設けられ、理想的な場合には開口軸を軸位置合わせして調節しながら共に設置される。引き続き、スリーブ部のリベットヘッドは、第1の工作物の穴に接して置かれ、そこにおいて固定されて支持され、開口を貫通するリベットマンドレルが、固定されたリベットヘッドと当該リベットヘッドに場合によっては隣接する軸部とを通じて引かれ、リベットマンドレルの拡幅されているリベットマンドレルヘッドが、第2の工作物に接するようになるか、又は末端側のスリーブ部を力嵌めによる結合の形成の下に変形させる。このような力嵌めによる結合は、例えば、様々な材料から成る個々の構成部品が互いに組み合わされる航空機の組み立てにおいて、度々用いられる。
【0003】
様々な工作物をリベットによって組み合わせるために、上述したように、これらの工作物に開口を設けることが必要とされており、これらの開口を設けられた工作物においてリベットが用いられる。実施においては、この点に関して、リベットを受け入れるために設けられる2つの開口が異なる開口直径を有する場合が度々ある。必要とされる開口を複数の工作物に別個に作成すると、厳密に同じ開口直径を得ることは難しい。しかし、たとえ様々な材料から成る、結合される工作物を重ね合わせて置き、それぞれ対応する開口を作業工程において又は単独の開口作業によって作成するとしても、そのように作成された開口は、材料特性が異なるため、様々な開口直径を有する場合がある。ここでさらに、開口作業の種類は、対応する開口の大きさと形状とに影響を与える場合がある。例えばこのようなことはレーザによる穴あけにおいて既知である。
【0004】
異なる開口直径を有する工作物をリベットによって組み合わせると、リベットが、開口内において、全ての開口壁又は両方の工作物に接しない場合がある。したがって、工作物間の結合は、最低でも、単に力嵌めによって専ら行われ、1つの工作物は、開口軸に垂直な平面内において隙間を有する。したがって、リベットによる結合の耐荷力は制限される。
【0005】
当該技術水準によれば、この欠点を、必要とされる開口を皿形にすることによって回避することが試みられている。しかし、研磨作業は追加の作業工程を示し、当該作業工程は、時間とコストとがかかり、特に航空機の構成部品を結合する際、1つの構成部品において1000の開口を皿形にする場合は、生産性を著しく低下させる恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した当該技術水準に基づくと、本発明の課題は、冒頭で述べたようなリベットを提示することであり、当該リベットによって、コストがかからず且つ改善された耐荷力を有する、工作物間の結合が可能となり、これは、たとえこれらの工作物がリベットのための開口の大きさが異なっていても可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を、冒頭に述べたようなリベットが解決し、当該リベットにおいては、リベットマンドレルが、円柱状の基体に軸方向に延在するリブを備え、当該リブは好ましくは、リベットマンドレルヘッドとキャビティとの間に配置される。
【0008】
本発明によるリベットが特に有する利点は、当該リベットが、リベットマンドレルをリベットヘッド内に又はリベットヘッドを通じて挿入することによって工作物を結合する場合、工作物内の開口の大きさが異なっていても、円柱状の基体に設けられるリブによって、少なくとも領域ごとに両方の開口壁又は工作物と接するようになり、力によって嵌められる構成要素の結合及び形状を封止される構成要素の結合も容易に実現することができるということである。ここで、軸位置合わせでなく開口軸の調節によって生じる位置の不正確さも調整することができる。
【0009】
また、本発明による設けられるリブがさらなる態様において有する利点は、据え付け工程において、変形によって、リブ間に存在する間隙内に、結合される工作物又はスリーブ部の材料(Material: material)が入り込むことができ、その結果、リベットマンドレルの挿入が、リベットマンドレルのあり得る円錐状の実施の形態に対して容易になるか、又はそもそもここでようやく可能になるということである。
【0010】
ここで、リベットによる結合の耐荷力を均一で高くすることに関して、リブがリベットマンドレルの縦軸に対して回転対称に配置されることが有利である。
【0011】
また、可能な限り長い長さにわたるリブの作用を利用するか又は最大化するため、リブがリベットマンドレルヘッドに接続することも有利である。
【0012】
さらに、実験において示されたように、リベットマンドレルと軸部又は工作物との間の中間表面圧力を有する接触面を可能な限り広くすること、及びひいてはリベットによる結合の力に関する耐荷力を高めることに関して、リブが、少なくとも領域ごとに円弧形状の又は特に鋭角を有するリブ外側輪郭を有することが有利である場合がある。
【0013】
少ない労力でリベットマンドレルを挿入することを可能にするために、リブを、少なくとも部分的に楔面を有するように形成することもできる。これに対して代替的には、リブを、自身の軸方向の拡張部に沿ってほぼ平らな断面を有するように形成することができ、これは、リブと工作物又はスリーブ部の軸部との間の表面圧力を高めることに関して有利である。また、リブが、リベットマンドレルヘッドからリベットヘッドの方向へと観察すると、断面が均一である領域を先ず有し、当該領域に、傾斜した又は楔形状の領域が続くことも可能である。これによって、リベットマンドレルを容易に挿入し、それと同時に高い表面圧力を得ることが可能である。
【0014】
本発明によるリベットのリベットマンドレルは中空状に形成することができる。しかし、リベットマンドレルを非中空状に形成することが有利である。これは、リベットマンドレルが、自身に働く放射状の力に対してより強く抵抗することができ、リベットによる結合がより高い剛性を有し、またリベットマンドレルを傷つけることなく、挿入の際により高い牽引力をリベットマンドレルに対して加えることができるからである。
【0015】
リブは、リベットマンドレルの製造後にリベットマンドレルに取り付けることができ、例えば取り付けは、はんだ付け若しくは接着、又は他の結合技法によって行うことができる。しかし、それぞれの結合位置は、負荷に関して潜在的に弱い位置を意味するため、リベットマンドレルは一体的に形成されることが好ましい。圧延又は冷間成形は、軸方向に延在するリブを有する非中空のリベットマンドレルを製造するための適切且つ容易な方法である。
【0016】
特に際立っている態様において、スリーブ部が、一定の外径を有する軸部を備え、当該軸部の第1の端がリベットヘッドのキャビティに隣接し、軸部の第2の端が少なくとも軸部と同じ外径を有するリベットマンドレルヘッドと接続し、軸部は、第1の端から第2の端への方向に、一定の内径を有する拡大領域と、それに続く少なくとも部分的に拡大されている内径を有する圧縮領域とを有するように形成され、リブは、軸部の圧縮領域に対応する領域に接することが確認されている。
【0017】
ブラインドリベットの実施の形態のこの変形形態において、据え付け工程後にリブによって、リベットマンドレルと軸部との間のみでなく、軸部と工作物との間においても優れた表面圧力を得ることができる。リブは一方では以下のことを可能にする。すなわち、軸部の材料がリブ間の間隙に部分的に入り込むことができ、変形によって強化が達成され、当該強化は、高い耐荷力を有する結合を達成できるほど高いが、リベットマンドレルの挿入を困難にするか又は妨げることはないリベットマンドレルを当該技術水準と比較してより少ない労力で挿入することができる。他方、リブは、挿入の際に同時に軸部を少なくとも領域ごとに拡大し、開口壁を形状封止(Formschluss: form closing; form sealing)しながら工作物内に軸部を押し込み、その結果、据え付け工程後に、軸部とリベットマンドレルも、軸部と工作物も互いに堅固に結合される。したがって、一方ではリベットマンドレルと軸部との間の力嵌めによる結合が、他方では軸部と工作物との間の形状封止による優れた結合が提供される。
【0018】
特別な目的のために、例えばリベットヘッドと軸部とがリベットの据え付け後に強力な拡散する(divergierend: diverging)負荷にさらされる場合のために、スリーブ部のリベットヘッドと軸部とが様々な材料から成るようにも設計することができる。例えば、スリーブ部のリベットヘッドと軸部とは個々の部分として別々に製造されることができ、当該個々の部分はリベットマンドレルと共にキットを形成し、当該キットは、リベットによる結合を行う際に初めて組み立てられる。個々の部分はこの場合様々な材料から成ることができ、当該材料は個々の部分の予想される負荷に応じて選択される。また、リベットスリーブが或る材料から製造され、リベットヘッドの領域において、軸部の領域における特性とは別の、例えば、リベットヘッドを局所的に制限を設けて熱処理するか又は加工熱処理することに応じるという特性を有することも可能である。
【0019】
圧縮領域における軸部の内表面が、リベットマンドレルのリブと共に形成されている領域におけるリベットマンドレルの表面に対応して形成される場合、スリーブ部の軸部と工作物との間だけでなく、軸部とリベットマンドレルとの間においても特に高い表面圧力を達成することができる。リベットのこの変形形態においては、力嵌めも、完全な形状封止も達成され、これは、高い負荷耐性を有することができるリベットによる結合をもたらす。
【0020】
以下において、本発明を、実施例に基づいてさらに説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1においては、本発明によるリベットにおいて用いられるリベットマンドレル2が例示的に示されている。リベットマンドレル2は、通常は金属材料から製造され、また有利には、全体が高強度の合金鋼から非中空状に製造され、縦軸Xと直径Dとを有するほぼ円柱状の基体26を備える。基体26には、図1において概略的に示されるように、縦軸Xに対して垂直な平面内にあり且つこの縦軸を中心にして延在する波状部(Riffel: ripple:リップル)23を設けることができ、当該波状部によって、リベットマンドレル2は、リベットを据え付ける際にリベットヘッドと結合するか、又は据え付けた後に形状封止により結合する。この波状部23は、好ましくは非対称に形成され、それによって、プレストレス(Vorspannung: prestress; initial tension:初期応力)が高められる。さらに波状部25が設けられ、当該波状部25によって、リベットマンドレル2は据え付け装置と共に引かれることができる。さらに、リベットマンドレル2は所定の切断位置24を有し、当該所定の切断位置において、リベットマンドレル2は、据え付け工程の最後又はリベットによる結合の完了後に切断され、その結果、リベットマンドレル2の端は、リベットのリベットヘッドと好ましくは概ね同一平面で終端する。加えて、リベットマンドレル2は、一端において、基体26の直径Dに対して拡幅されているリベットマンドレルヘッド21を備え、当該リベットマンドレルヘッドにはリブ22が接続される。リブ22は、リベットマンドレル2の縦軸Xの方向に又は縦軸Xに対して平行に延在し、この縦軸Xを中心にして回転対称的に配置される。リブ22の数は円柱状の基体26の直径Dによって決まり、例えば直径Dが10mmの場合は4本〜10本であり、その結果、一方では、リベットマンドレル2を良好に挿入することができ、他方ではしかし、リベットマンドレル2と軸部又は工作物との間の表面圧力を高めることもできる。
【0022】
図2においては、図1によるリベットマンドレル2が2つの結合される工作物3、4の開口に挿入された後であるが、リベットを据え付ける前の本発明によるブラインドリベットの断面が示される。ブラインドリベットは、説明したリベットマンドレル2の他に、リベットヘッド11と軸部12とを有するスリーブ部1を備え、当該軸部は、一端121においてリベットヘッド11の軸方向に延在するキャビティに隣接する。軸部12は、一定の外径を有するように形成される。軸部の第2の端122の領域に、リベットマンドレル2のリベットマンドレルヘッド21が載せられ、リベットマンドレルヘッド21は、軸部12の載置領域において軸部と同じ外径を有し、続いて先細になるように実施される。これによって、たとえ工作物3に接触(zugaenglich: accessible)できないとしてもリベットを挿入することができる。
【0023】
スリーブ部1は、内部において、リベットヘッド11の領域と当該リベットヘッドに隣接する軸部12の拡張領域Aとにおいて、ほぼ円柱形状に形成されているキャビティを備え、当該キャビティは、対応して寸法を合わせられているリベットマンドレル2の円柱状の基体26を収容する。拡張領域Aに隣接する圧縮領域Sにおいて、軸部12は、拡張領域Aと比較して拡大されている内径を有するように形成され、それによって、リベットマンドレル2のリブ22のための空間が提供される。軸部12の拡大されている内径は、リブ22が軸部12に内部において個々に接するように設計される。リベットの個別の部分は、もはや互いから外れることはなく、これによって、組み立ての際のリベットの取り扱いが容易になる。
【0024】
図2に示されている状態は、上述したように、リベットを据え付ける前であり、すなわちリベットマンドレル2をスリーブ部1内に挿入する前である。工作物3、4内のリベットのために必要とされる開口は異なる開口直径を有し、そのため、軸部12は両方の工作物3、4には密接せず、工作物3に対して、且つ場合によっては工作物4に対しても自由距離31を有する。
【0025】
ここで、リベットマンドレル2は、波状部25を引くことによってスリーブ部1内に挿入されてリベットヘッド11において支持され、それによって、軸部12に載っているリベットマンドレルヘッド21は、軸部の第2の端122における軸部12の圧縮又は変形を引き起こし、その結果、軸部は潰され、封止ヘッドが形成される。同時に、リベットマンドレルヘッド21に接続されているリブ22は、軸部12のより小さい内径を有して形成されている領域内に進み、当該領域において軸部12の拡大を引き起こし、その結果、軸部12と工作物3との間にある隙間31が除去される。拡大の際、非中空状のリベットマンドレル2がリブ22の領域のみにおいて軸部12と接する限り、軸部12の余分な材料はリブ22間の間隙内にも押し入れることができ、その結果、リベット及び工作物3、4における良好な形状封止と有利な応力分布とが達成される。軸部12は自身の端122においては薄壁であり、リベットマンドレル2は縦長に形成されているリブ22によって容易に軸部12内に導入されるため、リベットを据え付けるのに必要な力はわずかである。据え付け工程の最後においては、軸部12と工作物3、4間の隔たり6との間の隙間31は最終的にもはや存在せず、工作物3、4は、力嵌めにより且つ形状封止により互いに結合する。
【0026】
リベットを据え付けた後、基体26は、リベットヘッド11の内面13及び軸部12とほぼ全ての面で接する。この状態は、図3において示されている。この点に関しては、上述したように、(図3の部分拡大図から見て取れるように)波状部23が断面において、非対称に又は鋸歯状に形成されることが有利である。
【0027】
当業者には、リベットの据え付け前に、工作物4と軸部12との間にも隙間がある可能性があることは自明である。この場合、リベットの据え付けの際に、軸部12の変形によって、軸部12と工作物3との間の間隙も、軸部12と工作物4との間の間隙も封止される。本発明は変形形態も同様に含み、当該変形形態においては、軸部12は一定の壁厚を有するように形成される。
【0028】
図2及び図3に示されている実施形態に対する代替の実施形態として、リブの取り付け以外においては同じ幾何学的形状の形成において、リブをリベットマンドレルではなく軸部に取り付けることが可能であるが、これはより高い製造コストをもたらす。それは、リブを軸部に嵌め込むのは、リベットマンドレルの外側に嵌め込むよりも費用がかかるためである。
【0029】
図4は、本発明によるリベットを示し、当該リベットにおいては、リベットを据え付けた後、スリーブ部1がリベットヘッド12のみから成り、軸部が存在しない。リベットマンドレル2は、皿頭として形成されるリベットマンドレルヘッド21を有するように形成され、その端を工作物3の表面領域と同一平面にすることができる。この実施の変形形態においては、リベットマンドレル2のリブ22は、工作物3、4と直接的に接し、当該工作物3、4は、リベットを据え付けることで開口側において変形し、またリブ22はそのように形状封止を実現する。
【0030】
図5a、図5b及び図5cは、リブ22の可能な実施形態を示し、それらのリブは実験において実用性があることが認められた。図5aにおいて示されているように、リブ22は、自身の縦拡張部に沿ったほぼ平らな断面と、概ね円弧形状のリブ外側輪郭221とを有するように形成されることができる。図2によるリベットの据え付けの際に、リベットマンドレル2の縦軸Xに対して平行に延在する円弧形状の前面222、223は軸部12に接して沿って滑り、この軸部を拡大する。同時に、軸部12の材料は、リブ22間に存在する間隙内に入り込み、当該間隙においてリブ側面224に接する。
【0031】
図5aによる実施形態に対してさらに改良された一実施形態においては、図5bによるとリブ22は、傾斜している前面223を有するようにも形成されることができ、当該傾斜している前面は楔面として作用し、リベットマンドレル2の滑動は挿入の際に容易になる。
【0032】
リブ22の特に有利な一実施形態が最後に図5cによって示される。リブ22のそのような形状では、高い表面圧力、又はリベット及び工作物3、4における応力の最適化が、リベットの挿入特性が良好な状態で提供される。
【0033】
さらなる可能な実施形態においては、リブ22は段状にすることもでき、且つ/又は異なる断面を有するように形成することができる。
【0034】
リブ22は、リベットマンドレル2の挿入の際に軸部12又は工作物3、4の拡大が行われるような、長さL1と幅とを有して形成される。リブの長さが、リベットマンドレルヘッド21と所定の切断位置24との間の基体26の長さLの少なくとも25%であり、好ましくは40%よりも長く、且つ/又はリブ領域B(図1)のリブ22が、基体26の外面の少なくとも40%を覆い、好ましくは50%よりも広い領域を覆うと、特に有効な軸部12の拡大と、高い表面圧力のために有利な、リブ22間への材料の入り込みとが達成される。
【0035】
最後に、図6及び図7において、本発明によるリベットの変形形態が示される。当該変形形態は、軸方向の間隙6(図1)の封止に関して有利であることが明らかになっている。この変形形態において、スリーブ部1は軸部12を備え、当該軸部は複数の部分から成り、その結果、封止ヘッドの形成の前及び/又は間に、軸方向の力が工作物3に加えられる。例えば、図6において示されている変形形態においてリベットマンドレル2を挿入する際、上側スリーブ123はリブ22によって拡大され、スリーブと上側プレート3との間の間隙が封止され、続いて上側スリーブ123と共に上側プレート3が取り去られ(mitgenommen: taken away)、プレート間の間隙6に橋渡しがなされ、その後、上側スリーブ123も、下側スリーブ124も強度を増すように拡大され、耐荷力を有する形状封止が生じる。
【0036】
同様に、図7において示されている変形形態において、軸部12の工作物3、4の方向への拡大の前、及び形状封止の形成の前に、軸方向に作用する力が工作物3に対して加えられ、その結果、間隙6が封止することができることが保証される。軸部の上記のような複数の部分から成る形成の代わりに、この軸部は、所定の切断位置又は1つ若しくは複数の所定の変形位置を有するように一体的に形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるリベットのリベットマンドレルを示す図である。
【図2】据え付け工程前のブラインドリベットを示す図である。
【図3】据え付け工程後のブラインドリベットを示す図である。
【図4】据え付け工程後の皿頭リベットを示す図である。
【図5a】リベットマンドレルの基体上にあるリブであって、自身の軸方向の拡張部に沿ってほぼ平らな断面を有するように形成される、リブを示す図である。
【図5b】リベットマンドレルの基体上にあるリブであって、平らな楔面とほぼ円弧形状のリブ外側輪郭とを有するように形成される、リブを示す図である。
【図5c】リベットマンドレルの基体上にあるリブであって、曲がっている楔面と鋭角を有するリブ外側輪郭とを有するように形成される、リブを示す図である。
【図6】スリーブ部が複数の個々の部分から成る、本発明によるリベットの部分図である。
【図7】スリーブ部が複数の個々の部分から成る、さらなるリベットの部分図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成されている部品(3、4)、特に航空機の構成部品を結合するリベットであって、該リベットは、リベットヘッド(11)であって、軸方向に延在するキャビティ及び該リベットヘッド(11)に隣接する軸部(12)を有する、リベットヘッド(11)を備えるか、又は該リベットヘッド(11)から成る、スリーブ部(1)と、ほぼ円柱状の基体(26)、及び該基体(26)の直径(D)に対応して拡幅されているリベットマンドレルヘッド(21)を備えるリベットマンドレル(2)とを備え、該リベットマンドレル(2)は、前記スリーブ部(1)を自身の前記基体(26)と共に前記キャビティに沿って貫通し、なお、前記リベットマンドレル(2)が、円柱状の前記基体(26)に軸方向に延在するリブ(22)を備えることを特徴とする、開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項2】
前記リブ(22)は、前記リベットマンドレルヘッド(21)と前記キャビティとの間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項3】
前記基体(26)は、軸方向の前記キャビティを、前記リベットヘッド(11)の内面(13)に接しながら貫通することを特徴とする、請求項1又は2に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項4】
前記リブ(22)は、前記リベットマンドレル(2)の縦軸(X)に対して回転対称に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項5】
前記リブ(22)は、前記リベットマンドレルヘッド(21)に接続することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項6】
前記リブ(22)は、少なくとも領域ごとに円弧形状の又は特に鋭角を有するリブ外側輪郭(221)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項7】
前記リブ(22)は、少なくとも部分的に楔面(223)を有するように形成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項8】
前記リブ(22)は、自身の軸方向の拡張部に沿ってほぼ平らな断面を有するように形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項9】
前記リベットマンドレルは(2)は非中空状に形成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項10】
前記リベットマンドレル(2)は、圧延又は冷間成形によって作成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項11】
前記リベットマンドレル(2)は一体的に形成されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項12】
前記スリーブ部(1)が一定の外径を有する軸部(12)を備え、該軸部(12)の第1の端(121)が前記リベットヘッド(11)の前記キャビティに隣接し、前記軸部(12)の第2の端(122)が少なくとも該軸部(12)と同じ外径を有するリベットマンドレルヘッド(21)と接続し、前記軸部(12)は、前記第1の端(121)から前記第2の端(122)への方向に、一定の内径を有する拡大領域(A)と、該拡大領域(A)に続く、少なくとも部分的に拡大されている内径を有する圧縮領域(S)とを有するように形成され、前記リブ(22)は、前記軸部(12)の前記圧縮領域(S)に対応する領域に接することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項13】
前記スリーブ部(1)の前記リベットヘッド(11)及び前記軸部(12)は、様々な材料から成ることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項14】
前記スリーブ部(1)は、或る材料から製造され、前記リベットヘッド(11)の領域において、前記軸部(12)の領域における特性とは別の特性を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項15】
前記圧縮領域(S)における前記軸部(12)の内面が、前記リベットマンドレル(2)の前記リブ(22)と共に形成されている領域における前記リベットマンドレル(2)の表面に対応して形成されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項16】
前記リブ(22)は、前記リベットマンドレル(2)の挿入の際に前記軸部(12)又は前記部品(3、4)の拡大が行われるような、長さ(L1)と幅とを有して形成されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項17】
前記リブ(22)の前記長さ(L1)が、前記リベットマンドレルヘッド(21)と前記基体(26)の所定の切断位置(24)との間の該基体(26)の長さ(L)の少なくとも25%であり、好ましくは40%よりも長いことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項18】
リブ領域(B)の前記リブ(22)が、前記基体(26)の外面の少なくとも40%を覆い、好ましくは50%よりも広い領域を覆うことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。
【請求項19】
前記スリーブ部(1)は、軸部(12)であって、複数の部分から成り、且つ/又は所定の切断位置若しくは所定の変形位置を有し、その結果、封止ヘッド(Schliesskopf: sealing head; closing head)の形成の前及び/又は間に、軸方向の力成分が前記部品(3)に加えられる、軸部を備えることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の開口が形成されている部品、特に航空機の構成部品を結合するリベット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−149772(P2012−149772A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−63779(P2012−63779)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【分割の表示】特願2008−513993(P2008−513993)の分割
【原出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(507379119)
【Fターム(参考)】