説明

リモートコントローラおよびその発光部点灯制御方法

【課題】操作信号の送信先となる電子機器をユーザに知らせるためのインジケータを備えたリモートコントローラを提供する。
【解決手段】キー入力受付部76が、第1電子機器に対して操作が有効となる有効キーの入力操作を受け付けると、発光制御部72は、第1選択キーの第1発光部61を点灯する。一方、キー入力受付部76が、有効キー以外の操作キーの入力操作を受け付けると、発光制御部72は、第2選択キーの第2発光部62または第3選択キーの第3発光部63を点灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に操作信号を送信するリモートコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テレビや音響機器などの電子機器は、赤外線受光部を有して、リモートコントローラから赤外線の操作信号を受信できるようになっている。操作対象となる電子機器の数が増えると、各電子機器に専用のリモートコントローラを用いることはユーザにとって煩わしいため、複数の電子機器を1台のリモートコントローラで遠隔操作できるようにしたマルチリモートコントローラが普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−62464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マルチリモートコントローラには、操作対象となる電子機器を選択するための複数の選択キーを備えたものがある。選択キーへの入力操作により、操作対象となる電子機器が選択されると、その後の操作キーの入力操作信号は、選択された電子機器に送信される。このとき、ユーザに対して、どの電子機器に操作信号が送信されているかを示すことができれば、ユーザは、操作信号が適切に、選択した電子機器に送信されていることを確認できるようになる。特に、同一または近似した機能をもつ電子機器が複数存在する場合には、どの電子機器に対して操作信号が送信されているかをユーザに示せれば、ユーザは、容易に操作している電子機器を確認できる。
【0005】
また、リモートコントローラが遠隔操作可能な電子機器の数が増えると、複数の通信手段が必要となることもある。一般に、テレビや音響機器などに対しては、赤外線通信により操作信号が送信されるが、ゲーム装置などの情報処理装置は赤外線受光部を有していないことが多く、そのため、たとえばブルートゥース(登録商標)無線通信方式や、無線LAN(Local Area Nework)通信方式、ZigBee(登録商標)通信方式など、情報処理装置が備えている通信プロトコルで操作信号が送信される必要がある。リモートコントローラはバッテリ駆動であるため、特に複数の通信手段が搭載される場合には、バッテリ消費を可能な限り抑えることが好ましい。
【0006】
そこで本発明は、操作信号の送信先となる電子機器をユーザに知らせるためのインジケータを備えたリモートコントローラを提供することを目的とする。また本発明は、効果的にバッテリ消費を抑えることのできるリモートコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のリモートコントローラは、操作信号を電子機器に送信するリモートコントローラであって、複数の操作キーと、操作信号の送信機能をもつ第1送信部と、操作信号の送信機能をもつ第2送信部と、操作信号の送信先を選択するための複数の選択キーと、操作キーまたは選択キーの入力操作を受け付ける受付部と、複数の選択キーをそれぞれ光らせる複数の発光部と、発光部の点灯を制御する発光制御部と、を備える。複数の選択キーは、第1送信部から操作信号を送信する第1電子機器を選択するための第1選択キーと、第2送信部から操作信号を送信する第2電子機器を選択するための第2選択キーと、第2送信部から操作信号を送信する第3電子機器を選択するための第3選択キーと、を少なくとも含む。発光制御部は、電子機器が選択された状態で、受付部が操作キーの入力操作を受け付けると、選択された電子機器に対応する選択キーの発光部を点灯する。
【0008】
本発明の別の態様もまた、操作信号を電子機器に送信するリモートコントローラである。このリモートコントローラは、複数の操作キーと、操作信号の送信機能をもつ第1送信部と、操作信号の送信機能をもつ第2送信部と、操作信号の送信先を選択するための複数の選択キーと、操作キーまたは選択キーの入力操作を受け付ける受付部と、インジケータを制御するインジケータ制御部と、を備える。複数の選択キーは、第1送信部から操作信号を送信する第1電子機器を選択するための第1選択キーと、第2送信部から操作信号を送信する第2電子機器を選択するための第2選択キーと、第2送信部から操作信号を送信する第3電子機器を選択するための第3選択キーと、を少なくとも含む。インジケータ制御部は、電子機器が選択された状態で、受付部が操作キーの入力操作を受け付けると、選択された電子機器に対応する選択キーのインジケータを制御して、選択キーの状態を変化させる。
【0009】
本発明の別の態様は、リモートコントローラにおける発光部を点灯する制御方法に関する。当該リモートコントローラは、複数の操作キーと、操作信号の送信機能をもつ送信部と、操作信号の送信先を選択するための複数の選択キーと、複数の選択キーをそれぞれ光らせる複数の発光部と、を有する。点灯制御方法は、操作信号の送信先となる電子機器が選択された状態で、操作キーの入力操作を受け付けるステップと、受け付けた入力操作が、選択された電子機器に対して有効であるか無効であるか判定するステップと、受け付けた入力操作が選択された電子機器に対して有効である場合、選択された電子機器に対応する選択キーの発光部を点灯するステップと、受け付けた入力操作が選択された電子機器に対して無効である場合、選択された電子機器に対応する選択キー以外の発光部を点灯するステップとを備える。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、新規なリモートコントローラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例にかかるリモートコントロールシステムを示す図である。
【図2】実施例にかかるリモートコントローラの外観の一例を示す図である。
【図3】リモートコントローラの上側から見た接点シート、樹脂プレートおよび基板の斜視図である。
【図4】リモートコントローラの下側から見た基板、樹脂プレートおよび接点シートの斜視図である。
【図5】リモートコントローラの機能ブロックを示す図である。
【図6】今回機器情報および前回機器情報の関係を説明するための図である。
【図7】操作キーの入力キー情報の処理を示すフローチャートである。
【図8】リモートコントローラの機能ブロックの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施例にかかるリモートコントロールシステム1を示す。リモートコントロールシステム1は、遠隔操作の対象となるゲーム機2、AVアンプ3およびテレビ4などの複数の電子機器と、これらの電子機器を遠隔操作可能なリモートコントローラ10を有する。ユーザは、リモートコントローラ10を用いて、各電子機器を遠隔操作できる。
【0014】
リモートコントローラ10は、ユーザが操作する複数の操作キーと、ユーザが操作キーを入力操作することで生成される操作信号の送信先すなわち遠隔操作の対象となる電子機器を選択するための複数の選択キーを備える。本実施例では、遠隔操作の対象となる電子機器がゲーム機2、AVアンプ3およびテレビ4の3台であるため、リモートコントローラ10は、3つの選択キーを有している。なお選択キーの数は、遠隔操作対象となる電子機器の数に応じて定められればよく、操作可能な電子機器が4台あれば、選択キーは4つ設けられる。
【0015】
ゲーム機2は、Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)プロトコル(IEEE 802.15.1)による無線通信機能を有しており、ゲーム機専用のゲームコントローラとの間で、ゲームに関連するデータ信号を送受信する。またAVアンプ3およびテレビ4は、赤外線受光部を有し、赤外線送信される信号を受信する機能をもつ。これらの電子機器に操作信号を送信するために、リモートコントローラ10は、ブルートゥース用の通信モジュールおよび赤外線発光部の2つの通信手段を備える。リモートコントロールシステム1において、リモートコントローラ10のブルートゥース通信モジュールは、ゲーム機2に対して操作信号を送信する機能をもち、一方で赤外線発光部は、AVアンプ3またはテレビ4に対して操作信号を送信する機能をもつ。このようにリモートコントローラ10は、複数種類の通信手段を備えていることを一つの特徴としている。
【0016】
リモートコントローラ10は、選択キーが入力操作されて電子機器が選択されると、その後の操作キーの入力操作を、選択された電子機器のコマンドデータに変換して、その電子機器に操作信号として送信する。そのため、原則として、電子機器が選択された後は、リモートコントローラ10は選択された電子機器に操作信号を送信する。しかしながら、本実施例のリモートコントローラ10は、ゲーム機2が選択された後であっても、特定の操作キーが入力操作された場合には、赤外線発光部を用いて、AVアンプ3またはテレビ4に対して操作信号を送信することもある。
【0017】
図2は、実施例にかかるリモートコントローラ10の外観の一例を示す。リモートコントローラ10の上面(操作面)には、複数の操作キーが配列された操作キー群30と、複数の選択キーが配列された選択キー群20とが設けられる。操作キー群30は、全ての電子機器に対して共用される操作キーと、1つまたは2つの電子機器に対して用いられる操作キーを含んでいる。複数の操作キーのうち、たとえば音量を調節するためのボリュームキー32、音量をオフにするためのMUTEキー34、および画面を切り替えるためのINPUTキー36は、ゲーム機2に対して操作が有効となる操作キーではなく、そのためゲーム機2が遠隔操作対象として選択された状態で、ボリュームキー32などが入力操作されても、その操作信号はゲーム機2に送信されない。また、画面を3D表示にするための3Dキー38は、テレビ4に対してのみ操作が有効となる操作キーである。
【0018】
選択キー群20は、GAME機選択キー20a、AMP選択キー20bおよびTV選択キー20cから構成される。GAME機選択キー20aは、ゲーム機2を選択するための選択キーであり、AMP選択キー20bは、AVアンプ3を選択するための選択キーであり、TV選択キー20cは、テレビ4を選択するための選択キーである。各選択キーの下方には発光部がそれぞれ配設されており、発光部が点灯すると、上方に位置する選択キーが光るようになっている。
【0019】
リモートコントローラ10は、図2において複数の電子機器を操作するためのマルチリモートコントローラとして示されているが、遠隔操作装置として動作するためのアプリケーションプログラムをインストールして、リモートコントローラ10として利用できる携帯端末装置であってもよい。つまり、リモートコントローラ10は、複数の電子機器を遠隔操作するための機能を有するものであればよく、たとえばスマートフォンやタブレット端末、またキーボード付き端末などの汎用の情報処理端末であってもよい。また、携帯端末に限らず、据置型のコンピュータなどであってもよい。このように本実施例においてリモートコントローラ10は、電子機器を離れた場所から操作できる装置であればよく、専用装置であっても、またはプログラムをインストールすることで遠隔操作機能を備えるようになった装置であってもよい。図2においては、選択キー群20および操作キー群30が、押しボタン式の各種キーから構成されているが、たとえばスマートフォンがリモートコントローラ10として用いられる場合には、タッチパネル上に表示されるソフトウェアキーによって、選択キー群20および操作キー群30が構成されてもよい。
【0020】
図2に示すリモートコントローラ10は、上側筐体および下側筐体を嵌め合わせて構成され、上側筐体の表面に、選択キー群20および操作キー群30が設けられる。通信モジュールやプロセッサのチップは、上側筐体および下側筐体が構成する内部空間に設けられた基板に取り付けられる。
【0021】
図3および図4は、リモートコントローラ10の内部構造を説明するための図である。リモートコントローラ10の内部には、上から順に接点シート40、樹脂プレート50および基板60が配置される。図3は、リモートコントローラ10の上側から見た接点シート40、樹脂プレート50および基板60の斜視図であり、図4は、リモートコントローラ10の下側から見た基板60、樹脂プレート50および接点シート40の斜視図である。したがって、図3は、接点シート40、樹脂プレート50および基板60の上面を示し、図4は、基板60、樹脂プレート50および接点シート40の下面を示している。なお、図3および図4では、接点シート40、樹脂プレート50および基板60が離れた状態で示されているが、実際には、接点シート40および基板60が樹脂プレート50に固定され、樹脂プレート50が上側筐体または下側筐体に固定される。樹脂プレート50はモールド成型により作成され、選択キー群20におけるGAME機選択キー20a、AMP選択キー20b、TV選択キー20cに対応した位置に、第1穴51、第2穴52、第3穴53を有している。
【0022】
基板60は、樹脂プレート50の収容部54に収容され、固定される。基板60の上面には、第1発光部61、第2発光部62、第3発光部63、端子部65およびMPU(Micro Processing Unit)67が設けられる。第1発光部61、第2発光部62および第3発光部63は、それぞれ発光ダイオード(LED)であって、樹脂プレート50における第1穴51、第2穴52および第3穴53に対応する位置に形成される。基板60の下面には、赤外線発光部64およびブルートゥース用の通信モジュール66が設けられる。リモートコントロールシステム1において、通信モジュール66は、操作信号の送信機能をもつ第1送信部であり、赤外線発光部64は、操作信号の送信機能をもつ第2送信部である。なお図示していないが、下面の空き領域には、ブルートゥース用のアンテナが形成される。
【0023】
MPU67は、第1発光部61、第2発光部62、第3発光部63、赤外線発光部64の発光制御を行い、また通信モジュール66の通信制御を行う。第1発光部61が点灯すると、光は第1穴51を通ってGAME機選択キー20aを光らせる。同様に、第2発光部62が点灯すると、光が第2穴52を通ってAMP選択キー20bを光らせ、また第3発光部63が点灯すると、光が第3穴53を通ってTV選択キー20cを光らせる。第1発光部61、第2発光部62、第3発光部63の発光色は同一であってよい。
【0024】
接点シート40の上面には、リモートコントローラ10の上側筐体に設けられた各種キーの位置に対応した複数の接点42が形成される。接点42は一対の固定接点を含み、上側筐体においてキーの裏側には、キーの押込操作により下方に動く導電性ゴム接点が設けられている。キーが押し込まれて、導電性ゴム接点が接点42に接触すると、導電性ゴム接点が、接点42に形成された一対の固定接点を導通する。
【0025】
接点シート40の下面には、接点42に接続する引出配線41が形成されている。また基板60の上面にはMPU67に接続する端子部65が形成されている。引出配線41の端子部と端子部65とが接続することで、接点42が導通すると、MPU67は、導通した接点42を特定して、その接点42に対応するキーのコマンドコードを生成する。
【0026】
本実施例の基板60は、ブルートゥース用の通信モジュール66を搭載するため、多層基板として構成される。そのため基板単価が高く、筐体全面に広がる大きさにすることは、コスト高となり好ましくない。そこで基板60は、高密度でMPU67およびブルートゥース用の通信モジュール66などを配置できる大きさとし、第1発光部61、第2発光部62、第3発光部63の発光を筐体上面に透過させる第1穴51、第2穴52、第3穴53を樹脂プレート50に形成することで、全体のコストを下げる構造を採用している。
【0027】
図5は、リモートコントローラ10の機能ブロックを示す。MPU67は、処理部70、発光制御部72、通信制御部74、キー入力受付部76、コマンド保持部78および選択情報保持部80を備える。MPU67の各機能は、演算装置、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現され、図5においてはそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがってこれらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者に理解されるところである。
【0028】
本実施例のリモートコントローラ10は、操作信号の送信機能を2つ備えている。第1の送信機能は、通信モジュール66により実現され、通信モジュール66は、ブルートゥース通信プロトコルにより、コマンドデータを含む操作信号を、ゲーム機2に送信する。第2の送信機能は、赤外線発光部64により実現され、赤外線発光部64は、赤外線により、コマンドデータを含む操作信号を、AVアンプ3またはテレビ4に送信する。通信モジュール66から出力される操作信号と、赤外線発光部64から送信される操作信号のフォーマットは異なるが、操作信号に、受信機器を特定する情報およびコマンドデータが含まれる点では共通している。
【0029】
キー入力受付部76は、端子部65に接続して、ユーザによる操作キーまたは選択キーの入力操作を受け付ける。図3および図4に関して説明したように、本実施例のリモートコントローラ10では、ユーザによりキーが押下されると、キー下方に位置する接点42の一対の固定接点が導通する。各接点42は、引出配線41および端子部65を介してキー入力受付部76に接続されており、キー入力受付部76は、導通した接点42を検出することで、押し込まれたキーを特定する。キー入力受付部76は、押下されたキーを特定する情報(入力キー情報)を、処理部70に伝達する。
【0030】
リモートコントローラ10を使用するユーザは、まず最初に、選択キー群20(図2参照)のなかから、遠隔操作する電子機器に割り当てられた選択キーを押下する。具体的にユーザは、ゲーム機2を操作したい場合にはGAME機選択キー20aを押下し、AVアンプ3を操作したい場合にはAMP選択キー20bを押下し、テレビ4を操作したい場合にはTV選択キー20cを押下する。いずれかの選択キーが押下されると、処理部70は、キー入力受付部76から選択キーの入力キー情報を受け取り、選択された電子機器を特定する情報を、今回機器情報82として選択情報保持部80に登録する。なお、デフォルトの状態、たとえばバッテリの交換直後の状態では、今回機器情報82は、ゲーム機2を特定する情報に設定される。
【0031】
今回機器情報82は、現在選択されているゲーム機2、AVアンプ3、テレビ4のいずれかを特定する情報であり、電子機器そのものを特定する情報であってもよく、また電子機器に対応するGAME機選択キー20a、AMP選択キー20b、TV選択キー20cを特定する情報であってもよい。処理部70は、選択されている電子機器すなわち操作対象となる電子機器を、今回機器情報82をもとに特定する。そのためユーザがリモートコントローラ10の使用を開始する際に、選択キーを押下せずに、操作キーを押下すると、処理部70は、操作キーの入力キー情報を、原則として、今回機器情報82により特定される電子機器の入力操作として処理することになる。なお後述するが、本実施例のリモートコントローラ10において、一部の特定の操作キーの入力キー情報は、前回機器情報84により特定される電子機器の入力操作として処理される。
【0032】
処理部70は、選択キーの入力キー情報を受け取ると、押下された選択キーに関する情報を発光制御部72に通知する。発光制御部72は、発光部の点灯を制御する機能を有し、選択キーに関する情報を受け取ると、対応する発光部を所定時間点灯する。たとえば、点灯時間は500ms程度であってよい。したがって、GAME機選択キー20aが押下された場合には、GAME機選択キー20aの下方に配置される第1発光部61が点灯される。
【0033】
図5に示すように、選択情報保持部80は、今回機器情報82とともに、前回機器情報84を保持する。前回機器情報84は、GAME機選択キー20aが入力操作される前に、AVアンプ3またはテレビ4のいずれが選択されていたかを示す情報である。つまり、前回機器情報84は、最後に操作されたのがAVアンプ3またはテレビ4であるかを特定する情報である。GAME機選択キー20aが入力操作される前に、AMP選択キー20bが入力操作されていれば、前回機器情報84は、AVアンプ3を特定する情報であり、GAME機選択キー20aが入力操作される前に、TV選択キー20cが入力操作されていれば、前回機器情報84は、テレビ4を特定する情報となる。
【0034】
以下、図6を参照して、今回機器情報82および前回機器情報84の関係を説明する。なお、図6において、IRおよびBTは、リモートコントローラ10における送信手段を特定する情報であり、IRは赤外線発光部64を、BTは通信モジュール66を特定している。
【0035】
図6(a)は、AMP選択キー20bを押下したときに登録される選択情報保持部80の保持内容を示す。処理部70は、AMP選択キー20bの入力キー情報を受け取ると、今回機器情報82および前回機器情報84ともに、AVアンプ3を特定する情報に設定する。前回機器情報84は、AVアンプ3またはテレビ4のうち、最後に選択されたものを特定する情報であるため、この場合は、今回機器情報82および前回機器情報84が、ともにAVアンプ3を特定する情報となる。なお図示されるように、今回機器情報82および前回機器情報84には、電子機器を特定する情報に加えて、その電子機器に操作信号を送信する送信手段に関する情報が登録されてもよい。
【0036】
図6(b)は、AMP選択キー20bの押下後、GAME機選択キー20aを押下したときに登録される選択情報保持部80の保持内容を示す。処理部70は、GAME機選択キー20aの入力キー情報を受け取ると、前回機器情報84は更新せず、今回機器情報82を、ゲーム機2を特定する情報に設定する。
【0037】
図6(c)は、TV選択キー20cを押下したときに登録される選択情報保持部80の保持内容を示す。処理部70は、TV選択キー20cの入力キー情報を受け取ると、今回機器情報82および前回機器情報84ともに、テレビ4を特定する情報に設定する。前回機器情報84は、AVアンプ3またはテレビ4のうち、最後に選択されたものを特定する情報であるため、この場合は、今回機器情報82および前回機器情報84が、ともにテレビ4を特定する情報となる。
【0038】
図6(d)は、TV選択キー20cの押下後、GAME機選択キー20aを押下したときに登録される選択情報保持部80の保持内容を示す。処理部70は、GAME機選択キー20aの入力キー情報を受け取ると、前回機器情報84は更新せず、今回機器情報82を、ゲーム機2を特定する情報に設定する。
【0039】
本実施例のリモートコントローラ10は、3つの電子機器を遠隔操作可能としているが、そのうち、ゲーム機2を操作対象の基軸とした遠隔操作機能が形成されている。ゲーム機2をメイン機器と呼び、メイン機器をサポートするAVアンプ3およびテレビ4をサブ機器と呼ぶと、図6(a)〜図6(d)に示すように、前回機器情報84には、メイン機器をサポートするサブ機器のみが含まれ、メイン機器は含まれないように、前回機器情報84の登録内容が制御される。
【0040】
図5に戻って、コマンド保持部78は、各電子機器のコマンドテーブルを保持する。コマンドテーブルは、操作キーの情報と、電子機器のコマンドデータとを対応付けて構成されており、予めインストールされていてもよく、また学習により生成されたものであってもよい。処理部70は、操作対象となる電子機器用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出す。
【0041】
キー入力受付部76が操作キーの入力操作を受け付けると、処理部70は、キー入力受付部76から操作キーの入力キー情報を受け取る。処理部70は、操作キーの入力キー情報を受け取ると、まず、3Dキー38の入力キー情報であるか判定する。3Dキー38はテレビ4に対してのみ操作が有効となる操作キーであるため、処理部70は、3Dキー38の入力キー情報を受け取ると、テレビ4用のコマンドテーブルを参照して、3Dキー38に対応するコマンドデータを読み出す。処理部70は、赤外線発光部64の発光を制御し、読み出したコマンドデータを含む操作信号を生成して、赤外線発光部64から送信させるとともに、発光制御部72に、操作対象であるテレビ4を特定する情報を通知する。これにより発光制御部72は、テレビ4に対応するTV選択キー20cの第3発光部63を所定時間点灯させる。
【0042】
処理部70が、3Dキー38以外の入力キー情報を受け取った場合、今回機器情報82を参照して、今回機器情報82で特定される電子機器に対して、受け取った入力キー情報が有効であるか判定する。
【0043】
たとえば図2に関して説明したように、複数の操作キーのうち、音量を調節するためのボリュームキー32、音量をオフにするためのMUTEキー34、および画面を切り替えるためのINPUTキー36は、ゲーム機2への操作信号を生成するためには利用されない。たとえば、ボリュームキー32やMUTEキー34は、音量を変更するためのキーであるが、ゲーム機2は、音量を変更するための機能を有していない。
【0044】
そのため、操作キー群30における複数の操作キーは、今回機器情報82で特定される電子機器に対して、操作が有効となる有効キーと、操作が有効ではない無効キーとに区別される。つまり、ゲーム機2に対して、ボリュームキー32、MUTEキー34、INPUTキー36は、無効キーであり、ゲーム機2用のコマンドテーブルにおいて、ボリュームキー32、MUTEキー34、INPUTキー36に対応するコマンドデータは記録されていない。なお、ゲーム機2に対して、ボリュームキー32、MUTEキー34、INPUTキー36以外の操作キーは、有効キーであり、ゲーム機2用のコマンドテーブルにおいて、対応するコマンドデータが記録されている。
【0045】
処理部70は、電子機器ごとに無効キーの無効リストを保持する。処理部70は、入力キー情報を受け取ると、無効リストを参照して、有効キーの入力キー情報であるか、または無効キーの入力キー情報であるかを判定する。なお、リストは、電子機器ごとに有効キーをリスト化した有効リストであってもよい。いずれにしても、処理部70は、リストを参照することで、有効キーの入力キー情報であるか、または無効キーの入力キー情報であるかを判定できる。本実施例では、ゲーム機2に対して、無効キーが存在しており、一方でAVアンプ3、テレビ4に対して無効キーは存在していない。なお、3Dキー38は、テレビ4にのみ有効な操作キーであるが、3Dキー38の判定処理は、無効キーの判定処理の前に実行されるため、以下では、3Dキー38を除いた操作キーについての処理を説明する。
【0046】
なお本実施例では、AVアンプ3、テレビ4に対して無効キーが設定されていないため、AVアンプ3、テレビ4に対する無効リストは生成されなくてよい。そのため処理部70は、今回機器情報82により特定される電子機器がAVアンプ3またはテレビ4であれば、入力キー情報が有効キー情報であることを前提として、後続の処理を実行してもよい。
【0047】
<入力キー情報が有効キー情報である場合>
今回機器情報82が、ゲーム機2を特定する情報である場合、処理部70は、コマンド保持部78に保持されているゲーム機2用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出す。
【0048】
処理部70は、コマンドデータを読み出すと、今回機器情報82を参照して、送信手段を特定する。今回機器情報82がゲーム機2を特定する情報であれば、処理部70は、通信制御部74にコマンドデータを供給して、操作信号の生成を指示する。
【0049】
通信制御部74は、通信モジュール66を制御する機能をもつ。まず通信制御部74は、通信モジュール66とゲーム機2との間で通信リンクを確立させる。通信リンクの確立後、通信制御部74は、通信モジュール66にコマンドデータを供給し、通信モジュール66は、所定のフォーマットで操作信号を生成して、ブルートゥースプロトコルで操作信号をゲーム機2に送信する。
【0050】
なお通信制御部74は、処理部70からコマンドデータが所定時間(たとえば10分)供給されなくなると、通信モジュール66とゲーム機2の間の通信リンクを切断する。本実施例のリモートコントローラ10はバッテリ駆動であるため、無用に電力消費することは好ましくない。そこで通信制御部74は、処理部70からコマンドデータの到来を監視し、送信するべきコマンドデータが所定時間なければ、通信モジュール66とゲーム機2の間の通信リンクを切断して、バッテリ消費を抑えるようにしている。
【0051】
今回機器情報82がAVアンプ3を特定する情報である場合、処理部70は、AVアンプ3用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出し、読み出したコマンドデータと、送信先としてAVアンプ3を含む操作信号を生成する。処理部70は、生成した操作信号を、赤外線発光部64からAVアンプ3に送信させる。
【0052】
また、今回機器情報82がテレビ4を特定する情報である場合、処理部70は、テレビ4用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出し、読み出したコマンドデータと、送信先としてテレビ4を含む操作信号を生成する。処理部70は、生成した操作信号を、赤外線発光部64からテレビ4に送信させる。
【0053】
以上の送信処理と同時に、処理部70は、操作キーの入力キー情報を受け取ると、今回機器情報82を参照して、操作対象である電子機器を特定する情報を発光制御部72に通知する。発光制御部72は、選択されている電子機器を特定する情報を受け取ると、対応する選択キーの発光部を所定時間点灯させる。たとえば、点灯時間は500ms程度であってよい。したがって、今回機器情報82がゲーム機2を特定する情報である場合、発光制御部72はGAME機選択キー20aに対応する第1発光部61を点灯し、今回機器情報82がAVアンプ3を特定する情報である場合、発光制御部72はAMP選択キー20bに対応する第2発光部62を点灯し、今回機器情報82がテレビ4を特定する情報である場合、発光制御部72はTV選択キー20cに対応する第3発光部63を点灯する。
【0054】
なお、発光制御部72は、操作信号の送信と同期して発光部を点灯することが好ましい。そのため、処理部70は、通信モジュール66または赤外線発光部64から操作信号が送信されていることを確認してから、発光制御部72に発光指示を供給してもよい。このように処理部70は、送信確認を行ってから発光制御部72に発光指示を行ってもよいが、処理を簡単にするために、送信確認を行わずに発光制御部72に発光指示を行ってもよい。操作信号の送信に要する時間と発光部の点灯に要する時間とは、いずれも非常に短いため、送信確認を行う場合も行わない場合も、操作信号の送信と発光部の点灯とが同じタイミングで実行されるようになる。
【0055】
本実施例のリモートコントローラ10において、GAME機選択キー20a、AMP選択キー20b、TV選択キー20cを光らせることは、ユーザに、操作対象となる電子機器を知らせる効果をもつとともに、操作信号の送信手段が通信モジュール66または赤外線発光部64のいずれであるかを知らせる効果ももっている。すなわち、GAME機選択キー20aが光ると、ユーザは、通信モジュール66から操作信号がゲーム機2に送信されていることを認識できる。また、AMP選択キー20bが光ると、ユーザは、赤外線発光部64から操作信号がAVアンプ3に送信されていることを認識でき、一方、TV選択キー20cが光ると、ユーザは、赤外線発光部64から操作信号がテレビ4に送信されていることを認識できる。このように、リモートコントローラ10は、2つの操作信号の送信手段を有しているが、選択キーの数を、送信手段の数より多くすることで、ユーザは、どの送信手段により、どの電子機器に操作信号が送信されているかを一目で理解することができる。
【0056】
<入力キー情報が無効キー情報である場合>
一方、今回機器情報82がゲーム機2を特定する情報であり、すなわち遠隔操作対象としてゲーム機2が選択されている場合に、キー入力受付部76が、無効キーの入力操作を受け付けると、処理部70は、ゲーム機2の無効リストを参照して、無効キーの入力キー情報であることを判定する。なお、コマンド保持部78が、無効キーとNULL値を対応付けたコマンドテーブルを有してもよく、この場合、処理部70は、コマンドテーブルを参照して、対応するコマンドデータが存在しないことを確認したときに、無効キーの入力キー情報であることを判定してもよい。
【0057】
GAME機選択キー20aが押下されて、遠隔操作対象としてゲーム機2が選択されている状態では、選択情報保持部80の保持内容は、図6(b)または図6(d)に示すようになっている。キー入力受付部76が無効キーの入力操作を受け付け、処理部70が、無効キーの入力キー情報であることを判定すると、選択情報保持部80に保持されている前回機器情報84を参照する。
【0058】
処理部70は、前回機器情報84を参照して、使用するコマンドテーブルを特定し、操作キーに対応するコマンドデータを読み出す。前回機器情報84がAVアンプ3を特定する情報であれば、処理部70は、コマンド保持部78に保持されているAVアンプ3用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出す。一方、前回機器情報84がテレビ4を特定する情報であれば、処理部70は、コマンド保持部78に保持されているテレビ4用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出す。処理部70は、操作信号を生成して、前回機器情報84により特定されるAVアンプ3またはテレビ4に対して、赤外線発光部64から操作信号を送信させる。
【0059】
このように処理部70は、ゲーム機2が選択されている場合に、ゲーム機2に割り当てられていない無効キー情報を破棄するのではなく、前回機器情報84を用いて、AVアンプ3またはテレビ4に対する操作信号を生成する。これにより、たとえば音量を変更したい場合に、ユーザは、AMP選択キー20bまたはTV選択キー20cを押下して、わざわざ操作対象を切り替える必要なく、ゲーム機2を選択した状態のまま、音量変更できるようになる。また、前回機器情報84を用いることで、ユーザが、ゲーム機2を操作する前に操作していた電子機器、つまりゲームを行う前に操作していた電子機器を操作対象とすることができる。
【0060】
また処理部70は、無効キーの入力キー情報を受け取ると、前回機器情報84を参照して、操作信号の送信先を特定する情報を発光制御部72に通知する。発光制御部72は、送信先を特定する情報を受け取ると、対応する選択キーの発光部を所定時間点灯する。たとえば、点灯時間は500ms程度であってよい。したがって、前回機器情報84がAVアンプ3を特定する情報である場合、発光制御部72はAMP選択キー20bに対応する第2発光部62を点灯し、前回機器情報84がテレビ4を特定する情報である場合、発光制御部72はTV選択キー20cに対応する第3発光部63を点灯する。
【0061】
このように処理部70は、ゲーム機2が選択されている場合に、ゲーム機2に割り当てられていない無効キー情報を受け取ると、AVアンプ3またはテレビ4に対する操作信号を生成するとともに、送信先となる電子機器に対応する発光部を点灯させる。これにより、ユーザは、どの電子機器で音量調整しているかを把握でき、容易に状況確認することが可能となる。
【0062】
図7は、操作キーの入力キー情報の処理を示すフローチャートである。キー入力受付部76が、操作キーの入力操作を受け付け(S10)、入力キー情報を処理部70に伝達する。処理部70は、入力キー情報が3Dキー38の操作情報であるか判定する(S12)。3Dキー38は、テレビ4に対してのみ操作が有効となる操作キーであるため、3Dキー38が押下された場合には(S12のY)、処理部70は、テレビ4用のコマンドテーブルを参照して、3Dキー38に対応するコマンドデータを読み出す(S22)。処理部70は、読み出したコマンドデータを含む操作信号を生成して、赤外線発光部64から送信させるとともに(S24)、発光制御部72に、操作対象であるテレビ4を特定する情報を通知する。これにより発光制御部72は、テレビ4に対応するTV選択キー20cの第3発光部63を所定時間点灯させる(S26)。
【0063】
一方、3Dキー38の入力キー情報でない場合(S12のN)、処理部70は、今回機器情報82を参照して、選択されている電子機器を特定する(S14)。
【0064】
今回機器情報82がAVアンプ3を特定する情報である場合(S14のAMP)、処理部70は、AVアンプ3用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出し(S16)、読み出したコマンドデータと、送信先としてAVアンプ3を含む操作信号を生成する。処理部70は、生成した操作信号を、赤外線発光部64からAVアンプ3に送信させる(S18)。また発光制御部72は、AMP選択キー20bに対応する第2発光部62を点灯する(S20)。
【0065】
今回機器情報82がテレビ4を特定する情報である場合(S14のTV)、処理部70は、テレビ4用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出し(S22)、読み出したコマンドデータと、送信先としてテレビ4を含む操作信号を生成する。処理部70は、生成した操作信号を、赤外線発光部64からテレビ4に送信させる(S24)。また発光制御部72は、TV選択キー20cに対応する第3発光部63を点灯する(S26)。
【0066】
今回機器情報82がゲーム機2を特定する情報である場合(S14のGAME)、処理部70は、無効リストを参照して、有効キーの入力キー情報であるか判定する(S28)。有効キーの入力キー情報である場合(S28のY)、処理部70は、ゲーム機2用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出し(S30)、通信制御部74を介して通信モジュール66に渡す。通信モジュール66は、操作信号を生成して、ブルートゥースプロトコルで操作信号をゲーム機2に送信する(S32)。また発光制御部72は、GAME機選択キー20aに対応する第1発光部61を点灯する(S34)。
【0067】
一方で、無効キーの入力キー情報である場合(S28のN)、処理部70は、前回機器情報84を参照して、操作対象となる電子機器を選択する(S36)。前回機器情報84がAVアンプ3を特定する情報であれば(S36のAMP)、処理部70は、コマンド保持部78に保持されているAVアンプ3用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出す(S16)。処理部70は、読み出したコマンドデータと、送信先としてAVアンプ3を含む操作信号を生成し、赤外線発光部64からAVアンプ3に送信させる(S18)。また発光制御部72は、AMP選択キー20bに対応する第2発光部62を点灯する(S20)。
【0068】
一方、前回機器情報84がテレビ4を特定する情報であれば(S36のTV)、処理部70は、コマンド保持部78に保持されているテレビ4用のコマンドテーブルを参照して、操作キーに対応するコマンドデータを読み出す(S22)。処理部70は、読み出したコマンドデータと、送信先としてテレビ4を含む操作信号を生成し、赤外線発光部64からテレビ4に送信させる(S24)。また発光制御部72は、TV選択キー20cに対応する第3発光部63を点灯する(S26)。
【0069】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0070】
本実施例において、通信制御部74が、送信するべきコマンドデータが所定時間存在しなければ、自動的に通信モジュール66とゲーム機2との接続を切断させることを説明した。切断後、通信制御部74は、通信モジュール66をスリープさせてもよい。通信制御部74は、さらに省電力化をはかるべく、たとえば、ゲーム機2が遠隔操作対象として選択された状態にあって、所定時間経過前であっても、AMP選択キー20bまたはTV選択キー20cが入力操作されると、通信モジュール66とゲーム機2との接続を切断し、通信モジュール66をスリープさせてもよい。これにより、通信モジュール66におけるバッテリ消費を抑制し、省電力化を図ることができる。
【0071】
具体的には、処理部70が、AMP選択キー20bまたはTV選択キー20cの入力キー情報を受け取ると、通信制御部74に対して通信リンクの切断指示を供給する。このように、複数の送信手段が存在している場合に、一方の送信手段の使用が開始されると、他方の通信手段の使用を中断することで、バッテリの無用な消費を回避することが可能となる。
【0072】
また、リモートコントローラ10は、押下式のキーではなく、タッチパネルなどに表示されるソフトウェアキーであってもよい。この場合、キー入力受付部76は、ユーザにより選択されたタッチ位置から、選択されたキーを特定し、入力キー情報を処理部70に供給する。
【0073】
図8は、リモートコントローラ10の機能ブロックの変形例を示す。図8において、図5と同一の符号を付した機能ブロックは、図5に関連して説明した機能ブロックと同一または同様の機能を有する。この変形例では、少なくとも選択キーがソフトウェアキーとして画面表示される状況を前提としている。
【0074】
図8に示す変形例では、実施例における第1発光部61、第2発光部62、第3発光部63の代わりに、複数の選択キーの状態をそれぞれ変化させる第1インジケータ91、第2インジケータ92、第3インジケータ93が設けられる。インジケータ制御部90は、第1インジケータ91、第2インジケータ92、第3インジケータ93を制御する。ここでインジケータは、操作信号の送信先をユーザに知らせるために選択キーに対して施される装飾的な演出であってよい。
【0075】
この変形例では、図2に示した選択キー群20および操作キー群30が、タッチパネルなどのディスプレイ上にソフトウェアキーとして表示される。なお、全てのキーがソフトウェアキーである必要はなく、一部は押下式のキーであってもよい。インジケータ制御部90は、送信先である電子機器をユーザに知らせるために、選択キーの表示態様を変化させる。この指示は、図5に示すリモートコントローラ10における発光指示と同様、処理部70により提供される。図5に示すリモートコントローラ10は、発光部を点灯することでユーザに送信先を知らせていたが、図8に示すリモートコントローラ10は、選択キーの表示態様を変化させることでユーザに送信先を知らせている。
【0076】
また、図8に示すリモートコントローラ10は、第1通信モジュール94と第2通信モジュール95とを備える。第1通信モジュール94は、ブルートゥース用の通信モジュール66と同じであってもよく、第2通信モジュール95は、たとえばWLAN通信方式の通信モジュールであってもよく、また他の通信方式の通信モジュールであってもよい。このようにリモートコントローラ10は、複数の通信手段を有していればよく、その種類は問わない。
【符号の説明】
【0077】
1・・・リモートコントロールシステム、2・・・ゲーム機、3・・・AVアンプ、4・・・テレビ、10・・・リモートコントローラ、20・・・選択キー群、20a・・・GAME機選択キー、20b・・・AMP選択キー、20c・・・TV選択キー、30・・・操作キー群、32・・・ボリュームキー、34・・・MUTEキー、36・・・INPUTキー、60・・・基板、61・・・第1発光部、62・・・第2発光部、63・・・第3発光部、64・・・赤外線発光部、65・・・端子部、66・・・通信モジュール、67・・・MPU、70・・・処理部、72・・・発光制御部、74・・・通信制御部、76・・・キー入力受付部、78・・・コマンド保持部、80・・・選択情報保持部、82・・・今回機器情報、84・・・前回機器情報、90・・・インジケータ制御部、91・・・第1インジケータ、92・・・第2インジケータ、93・・・第3インジケータ、94・・・第1通信モジュール、95・・・第2通信モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作信号を電子機器に送信するリモートコントローラであって、
複数の操作キーと、
操作信号の送信機能をもつ第1送信部と、
操作信号の送信機能をもつ第2送信部と、
操作信号の送信先を選択するための複数の選択キーと、
操作キーまたは選択キーの入力操作を受け付ける受付部と、
複数の選択キーをそれぞれ光らせる複数の発光部と、
発光部の点灯を制御する発光制御部と、を備え、
複数の選択キーは、
前記第1送信部から操作信号を送信する第1電子機器を選択するための第1選択キーと、
前記第2送信部から操作信号を送信する第2電子機器を選択するための第2選択キーと、
前記第2送信部から操作信号を送信する第3電子機器を選択するための第3選択キーと、を少なくとも含み、
前記発光制御部は、電子機器が選択された状態で、前記受付部が操作キーの入力操作を受け付けると、選択された電子機器に対応する選択キーの発光部を点灯することを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項2】
第1選択キーが入力操作されて第1電子機器が選択された状態で、前記受付部が、第1電子機器に対して操作が有効となる有効キーの入力操作を受け付けると、前記発光制御部は、第1選択キーの発光部を点灯し、
前記受付部が、有効キー以外の操作キーの入力操作を受け付けると、前記発光制御部は、第2選択キーまたは第3選択キーの発光部を点灯することを特徴とする請求項1に記載のリモートコントローラ。
【請求項3】
第1選択キーが入力操作される前に、第2電子機器または第3電子機器のいずれが選択されていたかを示す前回機器情報を保持する保持部を、さらに備え、
第1選択キーが入力操作されて第1電子機器が選択された状態で、前記受付部が、第1電子機器に対して操作が有効となる有効キー以外の操作キーの入力操作を受け付けると、前記第2送信部は、前回機器情報により特定される電子機器に対して、操作信号を送信することを特徴とする請求項1または2に記載のリモートコントローラ。
【請求項4】
第1選択キーが入力操作されて第1電子機器が選択された状態で、前記受付部が、有効キー以外の操作キーの入力操作を受け付けると、前記発光制御部は、前回機器情報により特定される選択キーの発光部を点灯することを特徴とする請求項3に記載のリモートコントローラ。
【請求項5】
前記保持部は、現在選択されている電子機器を特定する今回機器情報を保持することを特徴とする請求項3または4に記載のリモートコントローラ。
【請求項6】
第1選択キーが入力操作されて第1電子機器が選択された状態で、第2選択キーまたは第3選択キーが入力操作されると、前記第1送信部と第1電子機器との接続を切断する通信制御部を、さらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のリモートコントローラ。
【請求項7】
操作信号を電子機器に送信するリモートコントローラであって、
複数の操作キーと、
操作信号の送信機能をもつ第1送信部と、
操作信号の送信機能をもつ第2送信部と、
操作信号の送信先を選択するための複数の選択キーと、
操作キーまたは選択キーの入力操作を受け付ける受付部と、
インジケータを制御するインジケータ制御部と、を備え、
複数の選択キーは、
前記第1送信部から操作信号を送信する第1電子機器を選択するための第1選択キーと、
前記第2送信部から操作信号を送信する第2電子機器を選択するための第2選択キーと、
前記第2送信部から操作信号を送信する第3電子機器を選択するための第3選択キーと、を少なくとも含み、
前記インジケータ制御部は、電子機器が選択された状態で、前記受付部が操作キーの入力操作を受け付けると、選択された電子機器に対応する選択キーのインジケータを制御して、選択キーの状態を変化させることを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項8】
リモートコントローラにおいて発光部を点灯する制御方法であって、当該リモートコントローラは、複数の操作キーと、操作信号の送信機能をもつ送信部と、操作信号の送信先を選択するための複数の選択キーと、複数の選択キーをそれぞれ光らせる複数の発光部と、を有しており、
操作信号の送信先となる電子機器が選択された状態で、操作キーの入力操作を受け付けるステップと、
受け付けた入力操作が、選択された電子機器に対して有効であるか無効であるか判定するステップと、
受け付けた入力操作が選択された電子機器に対して有効である場合、選択された電子機器に対応する選択キーの発光部を点灯するステップと、
受け付けた入力操作が選択された電子機器に対して無効である場合、選択された電子機器に対応する選択キー以外の発光部を点灯するステップと、
を備えることを特徴とする発光部の点灯制御方法。
【請求項9】
複数の操作キーと、操作信号の送信機能をもつ送信部と、操作信号の送信先を選択するための複数の選択キーと、複数の選択キーをそれぞれ光らせる複数の発光部とを有するリモートコントローラに搭載されるコンピュータに、
操作信号の送信先となる電子機器が選択された状態で、操作キーの入力操作を受け付ける機能と、
受け付けた入力操作が、選択された電子機器に対して有効であるか無効であるか判定する機能と、
受け付けた入力操作が選択された電子機器に対して有効である場合、選択された電子機器に対応する選択キーの発光部を点灯する機能と、
受け付けた入力操作が選択された電子機器に対して無効である場合、選択された電子機器に対応する選択キー以外の発光部を点灯する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−160924(P2012−160924A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19288(P2011−19288)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】