説明

リモートコントローラ

【課題】TV等のリモートコントローラに懐中電灯の機能を持たせることによって、非常時に懐中電灯の代わりとして使用できる、白色LEDを搭載したリモートコントローラを提供する。
【解決手段】内蔵電源8と、内蔵電源8に接続された白色LED11と、内蔵電源8に接続された赤外LED13と、白色LED11を駆動する白色LED駆動スイッチ12と、赤外LEDを駆動する赤外LED駆動スイッチ18と、白色LED11から発光された白色LED光hνLEDを出射する白色LED発光窓16と、赤外LED13から発光された赤外LED光hνIrを出射する赤外LED発光窓14とを備えるリモートコントローラ10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモートコントローラに関し、特に白色LEDを搭載したリモートコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
停電や緊急時、その他必要なときなど、懐中電灯の代わりになるライト付家電ワイヤレスリモコンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、リモコン送信機に懐中電灯を取り付けた、懐中電灯機能付リモコン送信機も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
また、近年、窒化物半導体の開発により、白色発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)の高輝度化が進んでいる(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平05−15597号公報
【特許文献2】特開平02−143892号公報
【特許文献3】特開2011−139100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、TV等のリモートコントローラに懐中電灯の機能を持たせることによって、非常時に懐中電灯の代わりとして使用できる、白色LEDを搭載したリモートコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、内蔵電源と、前記内蔵電源に接続された白色LEDと、前記内蔵電源に接続された第1赤外LEDと、前記白色LEDを駆動する白色LED駆動スイッチと、前記第1赤外LEDを駆動する第1赤外LED駆動スイッチと、前記白色LEDから発光された白色LED光を出射する白色LED発光窓と、前記第1赤外LEDから発光された第1赤外LED光を出射する赤外LED発光窓とを備えるリモートコントローラが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、TV等のリモートコントローラに懐中電灯の機能を持たせることによって、非常時に懐中電灯の代わりとして使用できる、白色LEDを搭載したリモートコントローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態に係るリモートコントローラの模式的鳥瞰構造図。
【図2】実施の形態に係るリモートコントローラの使用形態の模式的鳥瞰構造図。
【図3】実施の形態に係るリモートコントローラの別の使用形態の模式的鳥瞰構造図。
【図4】実施の形態に係るリモートコントローラの内蔵回路の模式的構成図。
【図5】実施の形態に係るリモートコントローラに搭載される白色LEDの模式的断面構造例。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0011】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
実施の形態に係るリモートコントローラ10の模式的鳥瞰構造は、図1に示すように表される。実施の形態に係るリモートコントローラ10の使用形態の模式的鳥瞰構造は、図2に示すように表される。また、別の使用形態の模式的鳥瞰構造は、図3に示すように表される。また、実施の形態に係るリモートコントローラ10の内蔵回路の模式的構成は、図4に示すように表される。
【0013】
実施の形態に係るリモートコントローラ10は、図1および図4に示すように、内蔵電源(V)8と、内蔵電源8に接続された白色LED11と、内蔵電源8に接続された第1赤外LED13と、白色LED11を駆動する白色LED駆動スイッチSWL(図1の白色LED駆動スイッチ12)と、第1赤外LED13を駆動する第1赤外LED駆動スイッチSWT(図1の赤外LED駆動スイッチ18)と、白色LED11から発光された白色LED光hνLEDを出射する白色LED発光窓16と、第1赤外LED13から発光された第1赤外LED光hνIrを出射する赤外LED発光窓14とを備える。
【0014】
また、実施の形態に係るリモートコントローラ10は、図4に示すように、内蔵電源8に接続された第2赤外LED15と、第2赤外LED15を駆動する第2赤外LED駆動スイッチSWCとをさらに備えていても良い。ここで、第2赤外LED駆動スイッチSWCは、図1の赤外LED駆動スイッチ20によってON/OFFされる。
【0015】
白色LED光hνLEDは、図1および図4に示すように、白色LED11を駆動する白色LED駆動スイッチSWL(図1の白色LED駆動スイッチ12)をONにすることによって、白色LED11が駆動されて、白色LED発光窓16から出射される。
【0016】
第1赤外LED光hνIrは、家電機器として、例えば、図2〜図3に示すように、テレビジョン受像機100を駆動しても良い。ここで、第1赤外LED光hνIrは、図1および図4に示すように、第1赤外LED13を駆動する第1赤外LED駆動スイッチSWT(図1の第1赤外LED駆動スイッチ18)をONにすることによって、第1赤外LED13が駆動されて、赤外LED発光窓14から出射される。
【0017】
また、第2赤外LED光hνCLは、例えば、図3に示すように、照明機器200を直接駆動しても良い。ここで、第2赤外LED光hνCLは、図1および図4に示すように、第2赤外LED15を駆動する第2赤外LED駆動スイッチSWC(図3の第2赤外LED駆動スイッチ20)をONにすることによって、第2赤外LED15が駆動されて、赤外LED発光窓14から出射される。
【0018】
また、別の第2赤外LED光hνCWは、例えば、図3に示すように、照明機器駆動壁スイッチ250を駆動して、照明機器駆動壁スイッチ250をONにすることによって、照明機器200を間接駆動しても良い。
【0019】
また、実施の形態に係るリモートコントローラ10において、白色LED駆動スイッチ12は、内蔵電源8の電源スイッチを兼用していても良い。例えば、白色LED駆動スイッチ12を長押しすることによって、内蔵電源8の電源スイッチをONにすることができるように設定されていても良い。
【0020】
実施の形態に係るリモートコントローラ10は、TV等のリモートコントローラに懐中電灯の機能を持たせることによって、利便性を追求することができる。例えば、寝ている間にもTVのリモートコントローラは手元にある場合が多い。したがって、実施の形態に係るリモートコントローラ10は、非常時に懐中電灯の代わりとして使用することもできる。
【0021】
また、実施の形態に係るリモートコントローラ10は、就寝中に目覚め、部屋が暗い中歩く時に、懐中電灯として使用することができる。
【0022】
また、実施の形態に係るリモートコントローラ10において、携帯電話のように、ボタン部分が光り、各操作ボタンの機能、TVチャンネルなどがわかるようになされていても良い。
【0023】
また、実施の形態に係るリモートコントローラ10には、日付機能も含め、電波時計の機能を搭載し、時間情報を容易にする機能を持たせても良い。
【0024】
また、実施の形態に係るリモートコントローラ10には、ラジオ機能も搭載し、災害時の情報把握を容易にする機能を持たせても良い。
【0025】
また、実施の形態に係るリモートコントローラ10にはグローバル・ポジショニング・システム(全地球測位システム:GPS:Global Positioning System)機能を搭載し、災害時の位置情報の把握機能を持たせても良い。
【0026】
また、実施の形態に係るリモートコントローラ10において、TVチャンネルなどの各操作ボタンを用いて、照明機器の調光操作機能を兼用させても良い。例えば、TVチャンネルなどの各操作ボタンを用いて、照明ライトの色を切り替える機能を兼用させ、或いは、ボリューム機能によって、調光機能を兼用させて、明るさを調整しても良い。
【0027】
また、実施の形態に係るリモートコントローラ10には、点灯専用ボタンを設けてもよく、或いは、特に点灯専用ボタンを設けず、電源を長押しすることで、点灯機能を持たせても良い。
【0028】
実施の形態に係るリモートコントローラ10に搭載される白色LEDは、図5に示すように、チップ基板1と、チップ基板1上に配置された端子電極2a・2kと、チップ基板1の上面外縁を囲むように配置された反射ケース5と、端子電極2a上に配置された半導体発光素子3と、半導体発光素子3の上面電極(図示省略)と端子電極2kを接続するボンディングワイヤ4と、反射ケース5で囲まれた内部に配置され、第1発光蛍光体61と第2発光蛍光体62とを透光性樹脂中に混合分散した蛍光体層6とを備える。ここで、蛍光体層6は、反射ケース5で囲まれた内部に配置され、端子電極2a・2k・半導体発光素子3・ボンディングワイヤ4などを封止している。
【0029】
半導体発光素子3は、窒化物系半導体により形成された青色LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62は、共に黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61は赤色蛍光体、第2発光蛍光体62は、緑色蛍光体で形成されていても良い。
【0030】
ここで、青色LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、例えば、Ce添加YAG(Y3Al512:Ce)蛍光体、Eu添加α−サイアロン(CaSiAlON:Eu)、シリケート蛍光体((Sr,Ba,Ca,Mg)2SiO4:Eu)などを用いることができる。すなわち、青色発光LEDの青色光の一部を黄色蛍光体により黄色の発光に変換し、青+黄の発光により白色発光を得ることができる。
【0031】
また、青色LEDを励起光源とする緑色蛍光体としては、例えば、Eu添加β−サイアロン(Si6-zAlzz8-z:Eu)蛍光体、Ce添加CSSO(Ca3Sc2Si312:Ce)蛍光体などを用いることができる。
【0032】
また、青色LEDを励起光源とする赤色蛍光体としては、例えば、Eu添加CaAlSiN3(CaAlSiN3:Eu)蛍光体などを用いることができる。
【0033】
また、半導体発光素子3は、窒化物系半導体により形成された紫外光LEDで形成されていても良い。この場合、第1発光蛍光体61および第2発光蛍光体62は、共に黄色蛍光体で形成されていても良い。或いは、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61は青色蛍光体、第2発光蛍光体62は、黄色蛍光体で形成されていても良い。
【0034】
紫外光LEDを励起光源とする青色蛍光体としては、紫外光を受けて青色に発光するものであれば良く、例えば、ハロゲン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ケイ酸塩蛍光体などが挙げられる。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもユウロピウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。
【0035】
紫外光LEDを励起光源とする黄色蛍光体としては、青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体および紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体のいずれであっても良い。ここで、演色性を確保するために、第1発光蛍光体61を青色蛍光体、第2発光蛍光体62を黄色蛍光体で形成する場合には、発光効率を一層高めるためには、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体が望ましい。青色発光を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、有機蛍光体では、アリルスルホアミド・メラミンホルムアルデヒド共縮合染色物やペリレン系蛍光体等を挙げることができ、無機蛍光体では、アルミン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等を挙げることができる。このなかでも長時間使用可能な点から、ペリレン系蛍光体、YAG系蛍光体が特に好ましい。また、付活剤としては、例えば、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム、アンチモン等の元素を挙げることができる。この中でもセリウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。蛍光体と付活剤との組み合わせとしては、YAGとセリウムとの組み合わせが好ましい。
【0036】
また、紫外線を吸収して黄色に発光する蛍光体としては、例えば、(La,Ce)(P,Si)O4や、(Zn,Mg)Oなどの蛍光体を挙げることができる。また、付活剤としては、例えば、テルビウム、亜鉛などを挙げることができる。
【0037】
蛍光体層6中の第1発光蛍光体61・第2発光蛍光体62の含有量は、半導体発光素子3や蛍光体の種類などから適宜決定すればよいが、一般にその含有量は、各蛍光体とも蛍光体層6に対して1〜25wt%の範囲が望ましい。
【0038】
尚、実施の形態に係るリモートコントローラ10に搭載される白色LEDには、LED搭載用汎用パッケージを使用して実装されていても良い。
【0039】
また、LEDの構成として、例えば、1パッケージ中に「青色LED+緑色LED+赤色LED」を収容して白色LEDを構成することもできる。このようなマルチチップの例として、「赤外LED+青色LED」のマルチチップで、青色光励起によって黄色光を発光する蛍光体を組み合わせることもできる。黄色蛍光体は、赤外光による影響を受けないため、小型1パッケージで構成可能であり、占有スペースを小さくすることができ、小さなスペースに実装可能である。
【0040】
本発明によれば、TV等のリモートコントローラに懐中電灯の機能を持たせることによって、非常時に懐中電灯の代わりとして使用できる、白色LEDを搭載したリモートコントローラを提供することができる。
【0041】
(その他の実施の形態)
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0042】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のリモートコントローラは、AV機器、エアコン、パソコン、照明器具、カメラ、ゲーム機、ラジコン、自動車関連機器など遠隔操作、遠隔制御を必要とされる機器全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1…チップ基板
2a、2k…端子電極
3…半導体発光素子
4…ボンディングワイヤ
5…反射ケース
6…蛍光体層
8…内蔵電源(V)
10…リモートコントローラ
11…白色LED
12、SWL…白色LED駆動スイッチ
13、15…赤外LED
14…赤外LED発光窓
16…白色LED発光窓
18、20、SWT、SWC…赤外LED駆動スイッチ
61…第1発光蛍光体
62…第2発光蛍光体
hνIr、hνCW、hνCL…赤外LED光
hνLED…白色LED光
100…テレビジョン受像機
200…照明機器
250…照明機器駆動壁スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵電源と、
前記内蔵電源に接続された白色LEDと、
前記内蔵電源に接続された第1赤外LEDと、
前記白色LEDを駆動する白色LED駆動スイッチと、
前記第1赤外LEDを駆動する第1赤外LED駆動スイッチと、
前記白色LEDから発光された白色LED光を出射する白色LED発光窓と、
前記第1赤外LEDから発光された第1赤外LED光を出射する赤外LED発光窓と
を備えることを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項2】
前記内蔵電源に接続された第2赤外LEDと、
前記第2赤外LEDを駆動する第2赤外LED駆動スイッチと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のリモートコントローラ。
【請求項3】
前記第1赤外LED光は、テレビジョン受像機を駆動することを特徴とする請求項1に記載のリモートコントローラ。
【請求項4】
前記第2赤外LED光は、照明機器を直接駆動することを特徴とする請求項2に記載のリモートコントローラ。
【請求項5】
前記第2赤外LED光は、照明機器駆動壁スイッチを駆動することを特徴とする請求項2に記載のリモートコントローラ。
【請求項6】
前記白色LED駆動スイッチは、前記内蔵電源の電源スイッチを兼用していることを特徴とする請求項1に記載のリモートコントローラ。
【請求項7】
前記白色LEDは、窒化物系半導体により形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリモートコントローラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−30995(P2013−30995A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165807(P2011−165807)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】