説明

リモートコントロール信号受信装置

【課題】電子機器のリモートコントロール信号受信待機時における電力消費を抑えることができるリモートコントロール信号受信装置および電力制御方法を提供する。
【解決手段】テレビジョン受像機と電力を伝達可能な配線で接続される電子機器に含まれるリモートコントロール信号受信装置は、受信されたリモートコントロール信号を解析する信号処理手段11と、信号処理手段11に電力を供給する手段であって、電源オフ状態または待機状態では配線に対する電力供給を停止するテレビジョン受像機から配線を介して電力を受ける電力供給手段12とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン受像装置と接続可能な電子機器におけるリモートコントロール信号受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカセットレコーダ、DVDプレーヤ、セットトップボックス(STB)など、テレビジョン受像機と接続可能な電子機器の電源をリモートコントローラ(以下、リモコンという。)によりオン(ON)またはオフ(OFF)するためには、電子機器が待機状態である場合にもリモコン信号受信部に電力を供給する必要がある。電子機器の高機能化とともに、電子機器のリモコンによる操作も複雑化し、電子機器のリモコン信号受信部では多種の信号を解読しなければならない。そのため、リモコン信号受信部は、一般的に、CPUなどを使用した制御回路を備える。そのため、待機時にリモコン信号受信部の電力消費を低減させることは困難である。
【0003】
テレビジョン受像機(TV)のリモコンから送信される信号を受信可能なTVリモコン信号受信部を備え、TVリモコン信号受信部が受信した信号がTV電源オン信号であった場合は、映像系の光加入者線終端装置に対する電力供給を開始し、TV電源オフ信号であった場合は、映像系の光加入者線終端装置に対する電力供給を停止して、映像系の光加入者線終端装置の待機電力の消費を防止する装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−84535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された装置では、映像系の光加入者線終端装置の待機電力の消費を防止することはできるが、TVリモコン信号受信部に電力を常時供給させる必要があるので、TVリモコン信号受信部の待機電力の消費を防止することができない。
【0006】
そこで、本発明は、電子機器のリモコン信号受信待機時における電力消費を抑えることができるリモコン信号受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるリモコン信号受信装置は、テレビジョン受像機と電力を伝達可能な配線で接続される電子機器に含まれるリモコン信号受信装置であって、受信されたリモートコントロール信号を解析する信号処理手段と、信号処理手段に電力を供給する手段であって、電源オフ状態または待機状態では配線に対する電力供給を停止するテレビジョン受像機から配線を介して電力を受ける電力供給手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子機器のリモコン信号受信待機時における電力消費量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明によるリモコン信号受信装置を含む電子機器の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における電子機器とテレビジョン受像機との接続の一例を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態における電子機器とテレビジョン受像機との接続の一例を示す説明図である。
【図4】本発明によるリモコン信号受信装置を含む電子機器の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態における電子機器とテレビジョン受像機との接続の一例を示す説明図である。
【図6】第2の実施形態における電子機器とテレビジョン受像機との接続の一例を示す説明図である。
【図7】本発明によるリモコン信号受信装置の主要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態1.
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明によるリモコン信号受信装置を含む電子機器の第1の実施形態における構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、電子機器100は、機器本体部110と、AC―DC変換部120と、リモコン信号受信装置200とを含む。
【0013】
電子機器100は、リモコンによる操作が可能な電子機器であって、テレビジョン受像機と接続される。電子機器100は、例えば、ビデオカセットレコーダや、ハードディスクドライブ(HDD)レコーダや、DVDプレーヤや、STBなどである。
【0014】
機器本体部110は、電子機器100の各種機能を実現する。例えば、電子機器100がSTBであった場合には、機器本体部110は放送信号の受信や変換など、STBに含まれる機能を実現する。また、機器本体部110は、リモコン信号受信装置200から制御情報が入力された場合には、制御情報に応じた処理を実行する。機器本体部110は、プログラムに従って動作する電子機器100が備えるCPUなどによって実現される。
【0015】
AC―DC変換部120は、商用電源などから供給される交流電力を直流電力に変換する。AC―DC変換部120は、変換後の直流電力を機器本体部110に出力する。
【0016】
リモコン信号受信装置200は、リモコン信号受光部210と、リモコン信号処理部220と、DC―DC変換部230と、電源スイッチ部240とを備える。
【0017】
リモコン信号受光部210は、リモコンから送信された信号(以下、リモコン信号という。)を受信し、受信したリモコン信号をリモコン信号処理部220に出力する。
【0018】
リモコン信号処理部220は、リモコン信号受光部210から入力されたリモコン信号を解析し、リモコン信号に含まれる制御情報を取得する。制御情報は、例えば、電子機器100がSTBであった場合には、チャンネル切り替えや電源ON/OFFなどSTBの各種設定を変更するための情報である。リモコン信号処理部220は、取得した制御情報を機器本体部110へ出力する。
【0019】
リモコン信号処理部220は、リモコン信号に含まれる制御情報が電源ON/OFFに関する制御情報(以下、電源ON/OFF制御情報という。)であった場合には、電源ON/OFF制御情報に応じて、電源スイッチ部240のスイッチをONまたはOFFにさせるための制御信号241を、電源スイッチ部240に出力する。
【0020】
DC―DC変換部230は、電子機器100が備えるUSBインタフェース(図示せず)などから入力される直流電圧をリモコン信号処理部220が動作可能な電圧に変換して、電圧変換後の直流電力をリモコン信号処理部220に出力する。
【0021】
電源スイッチ部240は、リモコン信号処理部220から入力される制御信号241にもとづいて、スイッチのON/OFFを切り替えて、AC―DC変換部120に対する交流電力の入力を開始または停止させる。
【0022】
図2および図3は、第1の実施形態における電子機器とテレビジョン受像機との接続の一例を示す説明図である。
【0023】
図2に示すように、電子機器100とテレビジョン受像機300とは、USBインタフェース線501およびマルチメディアインタフェース線502で接続されている。
【0024】
電子機器100は、USBインタフェースおよびマルチメディアインタフェース(図示せず)を備える。電子機器100のUSBインタフェースおよびマルチメディアインタフェースに、USBインタフェース線501およびマルチメディアインタフェース線502が接続される。マルチメディアインタフェースは、例えば、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)である。機器本体部110は、マルチメディアインタフェースを介して、テレビジョン受像機300との間でHDMI信号などの信号の送受信を行う。
【0025】
商用電源コンセント400は、商用電源と電子機器100とを接続する。商用電源コンセント400によって商用電源と電子機器100とが接続されると、商用電源から供給される交流電力が商用電源コンセント400を介して電子機器100のAC―DC変換部120に入力される。
【0026】
リモコン信号受信装置200の電源スイッチ部240は、商用電源コンセント400とAC―DC変換部120との間に配置される。
【0027】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0028】
まず、テレビジョン受像機300の電源が投入されると、USBインタフェース線501を介して、テレビジョン受像機300から電子機器100のUSBインタフェースに直流電力(USBバスパワー)が供給される。
【0029】
DC―DC変換部230は、USBインタフェースに供給された直流電圧を、リモコン信号処理部220が動作可能な電圧に変換して、電圧変換後の直流電力をリモコン信号処理部220に出力する。
【0030】
リモコン信号処理部220は、DC―DC変換部230からの直流電力の入力が開始されると、リモコン信号の受信(入力および解析)動作が可能な状態となる。
【0031】
リモコン信号処理部220は、リモコン信号受光部210からリモコン信号を入力すると、リモコン信号の解析を開始する。
【0032】
リモコン信号処理部220は、リモコン信号を解析して、リモコン信号に含まれる制御情報を取得する。リモコン信号に含まれる制御情報が電源ON/OFF制御情報であった場合には、電源ON/OFF制御情報に従って、電源スイッチ部240を制御する。具体的には、電源ON/OFF制御情報が電源ONの指示であった場合は、リモコン信号処理部220は、スイッチをONさせるための制御信号241を電源スイッチ部240に出力して、AC―DC変換部120に対する交流電力の入力を開始させる。また、電源ON/OFF制御情報が電源OFFの指示であった場合は、リモコン信号処理部220は、スイッチをOFFさせるための制御信号241を電源スイッチ部240に出力して、AC―DC変換部120に対する交流電力の入力を停止させる。
【0033】
リモコン信号処理部220は、リモコン信号を解析した後、リモコン信号に含まれる制御情報を機器本体部110へ送信する。
【0034】
以上に説明したように、本実施形態では、電子機器100のリモコン信号受信装置200に対して、テレビジョン受像機300から電力を供給しているので、リモコン信号受信装置200への電力供給をテレビジョン受像機300の電源ON/OFFと連動させることができる。そのため、テレビジョン受像機300が電源OFFである場合に、リモコン信号受信装置200の電力消費を防ぐことができる。
【0035】
また、テレビジョン受像機300が待機状態に入った時に、テレビジョン受像機300が電子機器100のUSBインタフェースに対する電力供給を停止する場合には、リモコン信号受信装置200への電力供給も停止されるので、テレビジョン受像機300の待機状態時においても、リモコン信号受信装置200の電力消費を防ぐことができる。
【0036】
なお、リモコン信号受光部210、DC―DC変換部230および電源スイッチ部240は、リモコン信号受信装置200の外部に設置されていてもよい。そのような構成によれば、電子機器100がリモコン信号受光部、DC―DC変換部および電源スイッチ部を備えている場合に、それらを使用することによって、リモコン信号受信装置200の構成を簡略化させることができる。
【0037】
また、マルチメディアインタフェース線502を介してテレビジョン受像機300から電子機器100へ電力供給が可能である場合には、図3に示すように、マルチメディアインタフェース線502を介して、テレビジョン受像機300からリモコン信号受信装置200へ電力供給を行うようにしてもよい。
【0038】
実施形態2.
以下、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
【0039】
図4は、本発明によるリモコン信号受信装置を含む電子機器の第2の実施形態を示すブロック図である。図5および図6は、第2の実施形態における電子機器とテレビジョン受像機との接続の一例を示す説明図である。
【0040】
なお、図5は、USBインタフェース線501を介してテレビジョン受像機300からリモコン信号受信装置201へ電力供給を行う場合の接続の一例を示し、図6は、マルチメディアインタフェース線502を介してテレビジョン受像機300からリモコン信号受信装置201へ電力供給を行う場合の接続の一例を示す。
【0041】
図4に示すように、電子機器100のリモコン信号受信装置201は、タイマ250および補助電源260を備える。
【0042】
タイマ250は、時間を計測し、指定された時間が経過したときに、電源スイッチ部240のスイッチがOFFである場合には、スイッチをONさせるための制御信号241を出力する。例えば、電子機器100がHDDレコーダである場合には、機器本体部110が、留守録(留守録画)や、定期的な番組表の取得などの処理を開始するまでの時間をタイマ250に指定すると、タイマ250は、計時を開始して、指定された時間が経過したときに制御信号241を電源スイッチ部240に出力する。
【0043】
補助電源260は、二次電池である。補助電源260は、電源スイッチ部240のスイッチがONになっているときは、AC―DC変換部120から直流電力が入力され、充電される。また、電源スイッチ部240のスイッチがOFFになっているときは、充電された電力をもとにタイマ250に直流電力を供給する。なお、補助電源260は、スーパーキャパシタなどの電気二重層コンデンサであってもよい。
【0044】
本実施形態によれば、テレビジョン受像機300が電源OFF状態または待機状態であって、リモコン信号受信装置201に電力が供給されていない状態であっても、指定された時間に、タイマ250によって電源スイッチ部240のスイッチをONにさせることができる。従って、留守録などの電子機器100が備える機能を指定された時間に確実に実行させることができる。
【0045】
また、タイマ250は、電源スイッチ部240がOFFにされているときには、補助電源260から直流電力の供給を受けているので、リモコン信号受信装置201の待機電力を増加させることがない。
【0046】
なお、タイマ250および補助電源260は、リモコン信号受信装置201の外部に設置されていてもよい。そのような構成によれば、電子機器100がタイマおよび補助電源を備えている場合に、それらを使用することによって、リモコン信号受信装置201の構成を簡略化させることができる。
【0047】
図7は、本発明によるリモコン信号受信装置の主要部を示すブロック図である。図7に示すように、リモコン信号受信装置(図1に示す電子機器100におけるリモコン信号受信装置200に相当。)は、テレビジョン受像機(図1に示すテレビジョン受像機300に相当。)と電力を伝達可能な配線で接続される電子機器(図1に示す電子機器100に相当。)に含まれるリモコン信号受信装置であって、受信されたリモコン信号を解析する信号処理手段11(図1に示すリモコン信号受信装置200におけるリモコン信号処理部220に相当。)と、信号処理手段11に電力を供給する手段であって、電源オフ状態または待機状態では配線に対する電力供給を停止するテレビジョン受像機から配線を介して電力を受ける電力供給手段12(図1に示すリモコン信号受信装置200におけるDC―DC変換部230に相当。)とを備えている。
【0048】
上記の実施形態には、以下のようなリモコン信号受信装置も開示されている。
【0049】
(1)電子機器に対する商用電源からの電力供給状態を切替可能な主電源制御手段(図1に示すリモコン信号受信装置200における電源スイッチ部240に相当。)を備え、信号処理手段は、リモコン信号が電源オフを指示する制御情報を含む場合には、主電源制御手段の電力供給状態を遮断状態に設定するリモコン信号受信装置。
【0050】
(2)予め設定された時間が経過したときに、主電源制御手段の電力供給状態が遮断状態になっている場合には、主電源制御手段の電力供給状態を通過状態に設定するタイマ(図4に示すリモコン信号受信装置201におけるタイマ250に相当。)を備えたリモコン信号受信装置。
【0051】
(3)主電源制御手段の電力供給状態が遮断状態になっているときに、タイマに電力を供給する補助電源(図4に示すリモコン信号受信装置201における補助電源260に相当。)を備えたリモコン信号受信装置。
【0052】
(4)補助電源が、二次電池または電気二重層コンデンサであるリモコン信号受信装置。
【0053】
(5)電子機器が、ビデオカセットレコーダ、HDDレコーダ、DVDプレーヤまたはセットトップボックスであるリモコン信号受信装置。
【符号の説明】
【0054】
11 信号処理手段
12 電力供給手段
100 電子機器
110 機器本体部
120 AC―DC変換部
200、201 リモコン信号受信装置
210 リモコン信号受光部
220 リモコン信号処理部
230 DC―DC変換部
240 電源スイッチ部
241 制御信号
250 タイマ
260 補助電源
300 テレビジョン受像機
400 商用電源コンセント
501 USBインタフェース線
502 マルチメディアインタフェース線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン受像機と電力を伝達可能な配線で接続される電子機器に含まれるリモートコントロール信号受信装置であって、
受信されたリモートコントロール信号を解析する信号処理手段と、
前記信号処理手段に電力を供給する手段であって、電源オフ状態または待機状態では前記配線に対する電力供給を停止する前記テレビジョン受像機から前記配線を介して電力を受ける電力供給手段とを備えた
ことを特徴とするリモートコントロール信号受信装置。
【請求項2】
電子機器に対する商用電源からの電力供給状態を切替可能な主電源制御手段を備え、
信号処理手段は、リモートコントロール信号が電源オフを指示する制御情報を含む場合には、前記主電源制御手段の電力供給状態を遮断状態に設定する
請求項1に記載のリモートコントロール信号受信装置。
【請求項3】
予め設定された時間が経過したときに、主電源制御手段の電力供給状態が遮断状態になっている場合には、主電源制御手段の電力供給状態を通過状態に設定するタイマを備えた
請求項2に記載のリモートコントロール信号受信装置。
【請求項4】
主電源制御手段の電力供給状態が遮断状態になっているときに、タイマに電力を供給する補助電源を備えた
請求項3に記載のリモートコントロール信号受信装置。
【請求項5】
補助電源は、二次電池または電気二重層コンデンサである
請求項4に記載のリモートコントロール信号受信装置。
【請求項6】
電子機器は、ビデオカセットレコーダ、ハードディスクドライブレコーダ、DVDプレーヤまたはセットトップボックスである
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のリモートコントロール信号受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−248951(P2012−248951A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117154(P2011−117154)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】