説明

リラクゼーション機能付き自己啓発装置

【課題】 効率的且つ顕著な自己啓発効果が得られ、新たな自己啓発用データの入手も容易な、リラクゼーション機能付き自己啓発装置を得る。
【解決手段】
暗示により自己啓発を行うための暗示用画像データ及び/又は音声データを予め記憶し又はネットワークよりダウンロードを行って記憶するデータ記憶手段と、該データ記憶手段から前記暗示用画像データ及び/又は音声データを読み出して本来の画像データ及び/又は音声データに割り込ませて合成する信号合成手段と、該合成画像データ及び/又は音声データと同期したパターン表示により表示素子を発光させる表示手段と、前記合成画像データ及び/又は音声データに1/fゆらぎを付加すると共に前記データ記憶手段と信号合成手段と表示手段等の制御を行う制御手段により構成する。また、上記装置にマイナスイオン発生器及び/又はアロマ発生器を内蔵する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送等による映像を視聴しながら、心身に安らぎを与えると共に意図的に注意を向けていなくとも多くの情報や刺激が潜在意識を通して受容されることにより自己啓発が行える、リラクゼーション機能付き自己啓発装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オーストリアの著名な精神医学者であるフロイトの提唱した学説によれば、心とは海に浮かぶ氷山のようなもので、日常我々の行動を支配していると思われる意識は氷山の海面上の部分にすぎず、その海面下には無意識の層が広がっていて、ここに様々な満たされない欲求や願望が潜在意識として蓄積され、これが日常の行動に多大な影響を与えており、心の多くの割合を占めるのは、この無意識の層にあるという。そして、我々が毎日生活している時には、一般的に五感と呼ばれる外部情報のアンテナにより色々なことを知覚したり理解したりしているが、意図的に積極的な注意を向けていない時でも、多くの情報や刺激が前記潜在意識を通して受容されているというのである。つまり、人間の行動は、通常の意識で知覚された刺激だけでなく、無意識のうちに潜在的に受容される刺激によっても強く影響を受けるという。この原理に従い、人為的にコントロールされた情報を潜在意識に送り込むことにより、意識することなく自然に行動や生活習慣を変えることが可能となるものである。
【0003】
上記のような現象は、心理学の分野で閾下知覚と呼ばれており、1957年にアメリカにおいて、ジェームス・ビカリーによるコカコーラ実験が良く知られている。該実験は、ニュージャージー州のドライブインシアターで上映された「ピクニック」という映画の中において、「のどが渇いたならコーラを飲みなさい」,「おなかが空いたならポップコーンを食べなさい」といったCMを1/3000秒〜1/20秒間、5秒毎にフラッシュさせたもので、視聴者が見たり意識したりはできないものである。しかし、この結果、コカコーラは約2割、ポップコーンは約6割の売上高の増加を見たという報告である。上記の実験結果は、その物理的メカニズムは解明されていないが、瞬間的に挿入する画像は意識には上らず、潜在意識に訴える効果があり、これにより感情や本能的又は生理的な人体の要求を誘発するものと考えられる。上記手段の広告への利用は、アメリカ連邦通商委員会により、倫理的な問題点から禁止措置が取られたが、回路のデジタル化・高性能化が進んだ現在、上記のような効果を積極的且つ発展的に利用することにより一般家庭においても種々のメリットが得られることになる。
【0004】
例えば、妊婦の「胎内教育」や美容・健康に関して「健康・若さの自信回復」,「ボケ防止」等や、性格に関して「犯罪等の社会悪」,「劣等感の克服」,「対人恐怖症の克服」等や、教育に関して「学力の向上」,「受験への自信」,「集中力の強化」等や、ビジネスに関して「目標の達成」,「交渉力の向上」,「社内の人間関係」等や、矯正に関して「禁煙」,「禁酒」,「夜尿症」等々において、自己啓発を行おうとするところの到達目標や克服課題を暗示用の画像データ及び/又は音声データとして作製し、テレビ等の再生装置により前記暗示用の画像データ及び/又は音声データを本来の画像データ及び/又は音声データに割り込ませて再生することにより、各々効果が得られるものである。
【0005】
上記原理や現象を利用した装置として、例えば特開昭63−257575号公報において、ビデオテープやCD等の記憶手段に予め暗示用の画像データ及び/又は音声データを記憶しておき、該暗示用の画像データ及び/又は音声データを読み出してテレビ用画像信号及び/又は音声信号にタイミング等を制御しながら割り込ませ、該テレビ用画像信号及び/又は音声信号をテレビ再生することにより、通常のテレビを見ながら暗示用の画像及び/又は音声が無意識のうちに認識されることにより、暗示効果が得られることが記載されている。
【0006】
また、特開平02−121674号公報においても、ICカセットに暗示メッセージ用の文字・画像及び音声を記憶しておき、該文字・画像及び音声を読み出してテレビ画面に映し出される放送番組やビデオ又はファミコンに係る映像・音声に合成して再生することにより、潜在意識に前記暗示メッセージに係る情報を送り込むことにより、自己改善効果が得られることが記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開昭63−257575
【特許文献2】特開平02−121674
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記2つの公報を始めとする同様の公報において、潜在意識を通して暗示による自己啓発を行う装置は、単にテレビ等の再生装置において暗示用画像データ及び/又は音声データを本来の画像データ及び/又は音声データに割り込ませて再生することにより自己啓発効果を得るというものであった。しかしながら、人間の脳においてアルファ波が出ている状態、すなわち心身が安らいだ状態では脳内にβエンドルフィンというモルモンが分泌され、該状態においては潜在能力の機能がより活性化され、記憶力や集中力及び創造力等が増大することが知られている。従って、従来の装置に前記人間の脳内にアルファ波の出やすい状況を付加することにより、潜在意識を通して暗示による自己啓発効果がより効率的且つ顕著に現れることになり、このような装置の開発が望まれていた。また、前記暗示用画像データ及び/又は音声データは、ビデオ,CD,ICカセット等の記憶媒体に自己啓発の目的に合ったデータが予め記憶されており、新たな自己啓発用データを入手するには、新たに記憶媒体を購入する必要があった。
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために成されたものであり、リラクゼーション効果により心身に安らぎを与えて潜在能力の機能の活性化を図ることにより、従来のテレビ放送等による映像を視聴しながら自己啓発を行うだけの装置に比べてより効率的且つ顕著な自己啓発効果が得られ、更には新たな自己啓発用データの入手も容易な、リラクゼーション機能付き自己啓発装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置においては、暗示により自己啓発を行うための暗示用画像データ及び/又は音声データを予め記憶し又はネットワークより前記暗示用画像データ及び/又は音声データのダウンロードを行って記憶するデータ記憶手段と、該データ記憶手段から前記暗示用画像データ及び/又は音声データを読み出して本来の画像データ及び/又は音声データに前記暗示用画像データ及び/又は音声データを割り込ませて合成する信号合成手段と、該合成画像データ及び/又は音声データと同期したパターン表示により表示素子を発光させる表示手段と、前記合成画像データ及び/又は音声データに1/fゆらぎを付加すると共に前記データ記憶手段と信号合成手段と表示手段等の制御を行う制御手段とにより構成する。
【0011】
上記装置にマイナスイオン発生器及び/又はアロマ発生器を内蔵し、必要に応じてマイナスイオン発生器よりマイナスイオンを発生させ及び/又はアロマ発生器よりハーブ等のアロマを発生させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置によれば、1/fゆらぎやマイナスイオン及び/又はハーブ等のアロマによるリラクゼーション効果番により心身に安らぎを与えて潜在能力の機能の活性化を図ることができるため、従来のテレビ放送等による映像を視聴しながら自己啓発を行うだけの装置に比べてより効率的且つ顕著な自己啓発効果が得られるという絶大なる効果を奏する。更にはインターネット等のネットワークにより新たな自己啓発用データの入手が容易に行えるという効果も奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態を図を用いて説明する。
【0014】
図3は本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置を構成するブロック図であり、暗示により自己啓発を行うための暗示用画像データ及び/又は音声データを予め記憶し又はネットワークより前記暗示用画像データ及び/又は音声データのダウンロードを行って記憶するデータ記憶手段と、該データ記憶手段から前記暗示用画像データ及び/又は音声データを読み出して本来の画像データ及び/又は音声データに前記暗示用画像データ及び/又は音声データを割り込ませて合成する信号合成手段と、該合成画像データ及び/又は音声データと同期したパターン表示により表示素子を発光させる表示手段と、前記合成画像データ及び/又は音声データに1/fゆらぎを付加すると共に前記データ記憶手段と信号合成手段と表示手段等の制御を行う制御手段とにより、リラクゼーション機能付き自己啓発装置を構成する。更には、マイナスイオンを発生させるためのマイナスイオン発生器20及び/又はハーブ等のアロマを発生させるためのアロマ発生器21を内蔵する。
【0015】
上記データ記憶手段として、暗示により自己啓発を行うための暗示用画像データ及び/又は音声データを予め記憶したメモリカード3より当該暗示用画像データ及び/又は音声データを読出すためのデータ読出回路15と、インターネット等のネットワークに接続して前記暗示用画像データ及び/又は音声データの販売会社より新たな自己啓発用データをダウンロードして入手するためのネットワーク通信回路14と、前記手段により得られた暗示用画像データ及び/又は音声データを蓄積するためのメモリ回路17等により構成する。該メモリ回路17には後述の制御手段のための制御プログラムも蓄積される。前記メモリカード3は、本体1の表面に配設されたコネクタ2を介して着脱自在にすると好適である。また、暗示用画像データ及び/又は音声データの記憶媒体として現状ではメモリカード3が好適であるが、同様の機能を持つものであれば如何なる記憶媒体であっても構わない。
【0016】
次に上記信号合成手段として、再生装置がテレビの場合、チューナー10にアンテナを接続してテレビ用画像信号と音声信号を受信し、信号処理回路11にて当該テレビ用画像データと音声データに変換すると共に、信号合成回路12にて上記データ記憶手段から読出した暗示用画像データ及び/又は音声データを当該テレビ用画像データ及び/又は音声データに割り込ませて合成する。該割り込みの頻度は、画像データの場合、例えば数秒間隔毎に1/60秒間程度挿入するのが好適であるが、任意に設定したり可変できるようにして構わない。
【0017】
次に上記表示手段として、再生装置がテレビの場合、上記テレビ用画像データ及び/又は音声データと同期したパターン表示を表示駆動回路18により表示素子4を制御して発光させる。該表示素子4として現状ではカラーLCD表示器やカラーLED表示器等が好適であるが、同様の機能を持つものであれば如何なる表示素子であっても構わない。なお、パターン表示とは視覚的に安らぎを与えるランダムなイルミネーション的発光を行う表示を指す。
【0018】
次に上記制御手段として、再生装置がテレビの場合、前記テレビ用画像データ及び/又は音声データに1/fゆらぎを付加すると共に上記データ記憶手段と信号合成手段と表示手段等の制御を行う制御回路16及び制御プログラムを蓄積したメモリ回路17等により構成する。
【0019】
また、上記信号合成回路12で合成されたテレビ用画像データ及び/又は音声データを後段の信号処理回路13を経由してテレビの映像信号端子及び音声信号端子に接続してテレビ再生を行う。また、上記データ記憶手段,信号合成手段,表示手段,制御手段とマイナスイオン発生器20及び/又はアロマ発生器21等に適正な回路電源を供給するための電源回路19を具備する。
【実施例】
【0020】
本発明の実施例として、本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置をテレビに接続し、該テレビ映像を視聴しながら自己啓発を行う例を図を用いて説明する。
【0021】
図1は本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置をテレビに接続する時の接続系統図であり、アンテナケーブル7をリラクゼーション機能付き自己啓発装置の本体1のアンテナ入力端子(図示せず)に接続してチューナー10にテレビ信号を入力する。また、インターネット8を本体1のネットワーク端子(図示せず)に接続してネットワーク通信回路14に信号を接続する。また、本体1の映像出力端子及び音声出力端子(図示せず)に信号ケーブル6を接続し、テレビ5の映像入力端子及び音声入力端子(図示せず)に各々接続する。
【0022】
図2は本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置をビデオレコーダーを中継してテレビに接続する時の接続系統図であり、アンテナケーブル7をビデオレコーダー9のアンテナ入力端子(図示せず)に接続し、該ビデオレコーダー9のアンテナ出力端子(図示せず)をリラクゼーション機能付き自己啓発装置の本体1のアンテナ入力端子(図示せず)に接続してチューナー10にテレビ信号を入力する。また、インターネット8を本体1のネットワーク端子(図示せず)に接続してネットワーク通信回路14に信号を接続する。また、本体1の映像出力端子及び音声出力端子(図示せず)に信号ケーブル6を接続し、テレビ5の映像入力端子及び音声入力端子(図示せず)に各々接続する。
【0023】
上記のように配線を行った後、リラクゼーション機能付き自己啓発装置の本体1の電源スイッチ(図示せず)をONにして動作させ、暗示により自己啓発を行うための暗示用画像データ及び/又は音声データが予め記憶されたメモリカード3をコネクタ2に挿入する。また、インターネット8に接続し、操作スイッチ(図示せず)にて前記暗示用画像データ及び/又は音声データの販売会社より新たな自己啓発用データをダウンロードして入手する。
【0024】
次に、テレビ5の電源スイッチ(図示せず)をONにして動作させ、好みのチャンネルを選択し又は好みのビデオをセットしてテレビ映像を視聴する。この時、テレビ画像には暗示用画像が数秒間隔毎に1/60秒間程度挿入され、テレビ音声には暗示用音声が可聴領域外の周波数で反復再生され、更には前記テレビ画像やテレビ音声に1/fゆらぎが付加される。また、テレビ用画像データ及び/又は音声データと同期したパターン表示をカラーLCD表示器やカラーLED表示器等の表示素子4にて発光させる。このような聴覚的及び視覚的なリラクゼーション効果により心身に安らぎを与えて潜在能力の機能の活性化を図ることにより、効率的且つ顕著な自己啓発効果が得られることになる。
【0025】
また、必要に応じてマイナスイオン発生器20よりマイナスイオンを発生させ及び/又はアロマ発生器21よりハーブ等のアロマを発生させる。このような嗅覚的なリラクゼーション効果により更に心身に安らぎを与えて潜在能力の機能の活性化を図ることにより、より効率的且つ顕著な自己啓発効果が得られることになる。
【0026】
上記説明においては、テレビ映像を対象としたリラクゼーション機能付き自己啓発装置について述べたが、パーソナルコンピュータ,家庭用ゲーム機,携帯電話,広告用ディスプレイ装置など、画像出力や音声出力が行えるものにすべてついても対応可能であり、それらに本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置を接続又は内蔵した装置は全て本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置の範疇に含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置をテレビに接続する時の接続系統図である。
【図2】本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置をビデオレコーダーを中継してテレビに接続する時の接続系統図である。
【図3】本発明のリラクゼーション機能付き自己啓発装置を構成するブロック図である。
【符号の説明】
【0028】
1 本体
2 コネクタ
3 メモリカード
4 表示素子
5 テレビ
6 信号ケーブル
7 アンテナケーブル
8 インターネット
9 ビデオレコーダー
10 チューナー
11 信号処理回路
12 信号合成回路
13 信号処理回路
14 ネットワーク通信回路
15 データ読出回路
16 制御回路
17 メモリ回路
18 表示駆動回路
19 電源回路
20 マイナスイオン発生器
21 アロマ発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗示により自己啓発を行うための暗示用画像データ及び/又は音声データを予め記憶し又はネットワークより前記暗示用画像データ及び/又は音声データのダウンロードを行って記憶するデータ記憶手段と、該データ記憶手段から前記暗示用画像データ及び/又は音声データを読み出して本来の画像データ及び/又は音声データに前記暗示用画像データ及び/又は音声データを割り込ませて合成する信号合成手段と、該合成画像データ及び/又は音声データと同期したパターン表示により表示素子を発光させる表示手段と、前記合成画像データ及び/又は音声データに1/fゆらぎを付加すると共に前記データ記憶手段と信号合成手段と表示手段等の制御を行う制御手段とにより構成したことを特徴とした、リラクゼーション機能付き自己啓発装置。
【請求項2】
マイナスイオン発生器及び/又はアロマ発生器を内蔵し、マイナスイオン発生器よりマイナスイオンを発生させ及び/又はアロマ発生器よりハーブ等のアロマを発生させることができることを特徴とした、請求項1に記載のリラクゼーション機能付き自己啓発装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−592(P2007−592A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216470(P2005−216470)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(505281528)
【Fターム(参考)】