説明

リンク機能付動画再生装置およびリンク機能付動画再生プログラム

【課題】動画上のオブジェクトを選択されることで、オブジェクトに関連する情報を表示するリンク機能付動画再生装置を提供する。
【解決手段】リンク機能付動画再生装置1は、動画データMに出現するオブジェクトの時間情報、領域情報およびリンク先情報を記述したリンク情報メタデータLからメタ情報を抽出するメタ情報抽出手段13と、画面上の位置が選択された段階で選択位置を特定する選択位置特定手段160aと、動画データMの再生時間が時間情報の時間区間に含まれ、かつ、選択位置が領域情報の範囲に含まれているオブジェクトをメタ情報において探索するオブジェクト探索手段160cと、探索されたオブジェクトに対応するリンク先情報をメタ情報から抽出するリンク先情報抽出手段162と、リンク先情報で示されるリンク先から関連情報を取得して提示する関連情報提示手段17と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画再生時に、当該動画に含まれるオブジェクトにリンクした関連情報を提示するリンク機能付動画再生装置およびリンク機能付動画再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CPUやグラフィックスカードの性能の向上により、パーソナルコンピュータ上でも動画を見ることができる環境が整ってきた。例えば、パーソナルコンピュータでは、メディアプレーヤやウェブブラウザによって、ローカルの記憶装置に記憶した動画ファイルを再生したり、サーバ上に存在する動画コンテンツをネットワーク経由でストリーミング再生したりすることができる。
【0003】
このような動画配信サービスのビジネスモデルとして、広告(バナー広告、テキスト広告)を提示して動画コンテンツを無料で提供するモデルが存在している。
この広告の見せ方として、例えば、動画の周りに広告バナーを表示し、ユーザがマウス等で広告バナーを選択(クリック)することで、この広告に関連する詳細情報をウェブブラウザで提示する手法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。あるいは、動画上に広告バナーを表示し、ユーザが選択することで、詳細情報を提示する手法も存在する(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
このように、動画コンテンツとともに広告を提示するには、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)のリンクタグ(<a href="…">)やイメージタグ(<img>)等によって実現することができる。すなわち、リンクタグやイメージタグによって、バナーの画像(あるいは文字列)とマウスでクリックしたときのリンク先であるURL(Uniform Resource Locator)とをHTMLで記述しておけば、ユーザがマウスによってバナーをクリックすることで、そのリンク先の関連情報を画面上に提示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−260902号公報
【特許文献2】特開2010−98730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記した特許文献1のように、動画の周りに広告バナーを表示しようとすると、広告バナーの表示領域を確保するために、動画そのものを縮小して、その周りに広告バナーを表示しなければならない。しかし、大画面で動画を見たいというユーザにとっては、広告バナーそのものを敬遠するおそれや、広告バナーを付加した動画を敬遠するおそれがあり、広告としての役割を低減させてしまう。
また、前記した特許文献2のように、動画上に広告バナーを表示しようとすると、動画の一部分を常時隠すことになるため、動画の著作権者の意向に反する場合が想定され、常にこのような形式で広告バナーを表示することができない。
【0007】
このように、従来の技術では、広告(関連情報)を提供する提供者や動画の著作権者の意向と、ユーザの意向とがかみ合わず、ユーザが動画上で関心を示した対象(オブジェクト)に対して、最適なタイミングでユーザに関連情報を提供することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、動画を再生する際に、動画を縮小することなく、また、動画上に常に関連情報を表示することなく、ユーザが動画上のオブジェクトに関心を示した段階で、当該オブジェクトに関連する情報を表示することが可能なリンク機能付動画再生装置およびリンク機能付動画再生プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載のリンク機能付動画再生装置は、動画データ内のオブジェクトを識別するためのオブジェクト識別情報に対応付けて、前記動画データ内で前記オブジェクトが出現する時間区間を示す時間情報と、前記時間区間において当該動画データの再生画面内における前記オブジェクトの領域を示す領域情報と、前記オブジェクトの関連情報のリンク先を示すリンク先情報とをメタ情報として含んだリンク情報メタデータに基づいて、前記動画データの再生時に、位置入力装置を介して前記オブジェクトが選択されることで、当該オブジェクトの関連情報を提示するリンク機能付動画再生装置であって、動画再生手段と、選択位置特定手段と、オブジェクト探索手段と、リンク先情報抽出手段と、関連情報提示手段と、を備える構成とした。
【0010】
かかる構成において、リンク機能付動画再生装置は、動画再生手段によって、動画データを再生する。そして、リンク機能付動画再生装置は、選択位置特定手段によって、マウス、タッチパネル等の位置入力装置を介して画面上の位置を示す位置情報と当該位置が選択されたことを示す選択指示情報とが入力信号として入力された段階で、当該位置を選択位置として特定する。この位置情報は、例えば、画面上の座標である。また、選択指示情報は、例えばタッチパネルやマウスボタンをクリック(押下および解放)したことを示す情報である。すなわち、位置情報と選択指示情報とが入力信号として入力された段階とは、タッチパネルやマウスボタンをユーザがクリック等したタイミングをいう。
【0011】
そして、リンク機能付動画再生装置は、オブジェクト探索手段によって、リンク情報メタデータの各メタ情報において、動画データの再生時間が時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、選択位置が領域情報で示される範囲に含まれているオブジェクトを探索する。これによって、ユーザが指し示した位置に、関連情報がリンクされたオブジェクトが存在するか否かが判定されることになる。
【0012】
そして、リンク機能付動画再生装置は、リンク先情報抽出手段によって、リンク情報メタデータから、オブジェクト探索手段で探索されたオブジェクトに対応するリンク先情報を抽出する。
その後、リンク機能付動画再生装置は、関連情報提示手段によって、リンク先情報抽出手段で抽出されたリンク先情報で示されるリンク先から関連情報を取得して提示する。
これによって、リンク機能付動画再生装置は、ユーザが画面上で指し示したオブジェクトに関連情報がリンクされている場合に、当該関連情報を画面上に提示することができる。
【0013】
また、請求項2に記載のリンク機能付動画再生装置は、請求項1に記載のリンク機能付動画再生装置において、前記選択位置特定手段に、前記入力信号として、前記位置情報とともに選択の開始を示す選択開始情報を入力された段階で、当該位置情報に基づく前記再生画面内の位置を第1選択位置として特定し、前記位置情報とともに選択の終了を示す選択終了情報を入力された段階で、当該位置情報に基づく前記再生画面内の位置を第2選択位置として特定する機能を付加し、再生時間減算手段をさらに備える構成とした。
【0014】
かかる構成において、リンク機能付動画再生装置は、再生時間減算手段によって、第1選択位置と第2選択位置との距離に応じて予め定めた時間を、動作データの再生時間から減算して過去再生時間を演算する。
そして、リンク機能付動画再生装置は、オブジェクト探索手段によって、第2選択位置が特定された際に、過去再生時間と第1選択位置とを用いて、リンク情報メタデータオブジェクトを探索する。これによって、現在再生中の動画データにおいて、過去に出現したオブジェクトを選択することが可能になる。
【0015】
また、請求項3に記載のリンク機能付動画再生装置は、請求項1に記載のリンク機能付動画再生装置において、ポインタ表示手段と、ポインタ位置判定手段と、をさらに備える構成とした。
【0016】
かかる構成において、リンク機能付動画再生装置は、ポインタ表示手段によって、画面上の位置を指し示すポインタを表示し、位置入力装置から入力される入力信号に含まれる位置情報に基づいて前記ポインタの位置を移動させる。
【0017】
このとき、リンク機能付動画再生装置は、ポインタ位置判定手段によって、動画データの再生時間がメタ情報の時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、ポインタの位置がメタ情報の領域情報で示される範囲に含まれているか否かを判定することで、当該ポインタの位置が、関連情報がリンクされているオブジェクト上に存在するか否かを判定する。
【0018】
そして、ポインタの位置が、関連情報がリンクされているオブジェクト上に存在する場合、ポインタ表示手段は、ポインタの形状を、オブジェクトに関連情報がリンクされていることを示す予め定めたポインタの形状に変更する。
これによって、リンク機能付動画再生装置は、マウス等のポインタの位置で指し示したオブジェクトに、関連情報がリンクされているか否かを視覚的にユーザに提示することができる。
【0019】
さらに、請求項4に記載のリンク機能付動画再生装置は、請求項1に記載のリンク機能付動画再生装置において、リンク情報メタデータには、2つのオブジェクトからなるグループを識別するためのグループ識別情報に対応付けて、2つのオブジェクト識別情報を含むグループ内オブジェクト識別情報と、グループの関連情報のリンク先を示す第2のリンク先情報とをメタ情報としてさらに含み、第1選択位置特定手段と、第2選択位置特定手段と、グループオブジェクト探索手段と、をさらに備える構成とした。
【0020】
かかる構成において、リンク機能付動画再生装置は、第1選択位置特定手段によって、入力信号として、位置情報とともに選択の開始を示す選択開始情報を入力された段階で、位置情報に基づく再生画面内の位置を第1選択位置として特定するとともに、動画データの再生時間を第1再生時間として特定する。なお、この選択開始情報は、タッチパネル、マウスボタン等を押下したことを示す情報である。
【0021】
また、リンク機能付動画再生装置は、第2選択位置特定手段によって、入力信号として、位置情報とともに選択の終了を示す選択終了情報を入力された段階で、位置情報に基づく再生画面内の位置を第2選択位置として特定するとともに、動画データの再生時間を第2再生時間として特定する。なお、この選択終了情報は、タッチパネル、マウスボタン等を解放したことを示す情報である。
このように、リンク機能付動画再生装置は、選択開始情報と選択終了情報とを検出することで、タッチパネル、マウス等の操作において、ドラッグ動作を検出することができる。
【0022】
そして、リンク機能付動画再生装置は、グループオブジェクト探索手段によって、リンク情報メタデータの各メタ情報において、第1再生時間がメタ情報の時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、第1選択位置がメタ情報の領域情報で示される範囲に含まれている第1のオブジェクト識別情報と、第2再生時間がメタ情報の時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、第2選択位置がメタ情報の領域情報で示される範囲に含まれている第2のオブジェクト識別情報とを含むグループを探索する。
これによって、リンク機能付動画再生装置は、第1選択位置と第2選択位置とにおいて、2つのオブジェクトを特定することができる。
【0023】
そして、リンク機能付動画再生装置は、グループが探索された場合に、リンク先情報抽出手段によって、個別のオブジェクトのリンク先情報に替えて、リンク情報メタデータから、グループに対応する第2のリンク先情報を抽出する。
これによって、リンク機能付動画再生装置は、関連情報提示手段によって、2つのオブジェクトからなるグループにリンクされた関連情報を、第2のリンク先情報で示されるリンク先から取得して提示することができる。
【0024】
また、請求項5に記載のリンク機能付動画再生装置は、請求項1に記載のリンク機能付動画再生装置において、リンク情報メタデータには、複数のオブジェクトからなるグループを識別するためのグループ識別情報に対応付けて、複数のオブジェクト識別情報を含むグループ内オブジェクト識別情報と、グループの関連情報のリンク先を示す第2のリンク先情報とをメタ情報としてさらに含み、第1選択位置特定手段と、第2選択位置特定手段と、グループオブジェクト探索手段と、をさらに備える構成とした。
【0025】
かかる構成において、リンク機能付動画再生装置は、第1選択位置特定手段によって、入力信号として、位置情報とともに選択の開始を示す選択開始情報を入力された段階で、位置情報に基づく再生画面内の位置を第1選択位置として特定するとともに、動画データの再生時間を第1再生時間として特定する。なお、この選択開始情報は、タッチパネル、マウスボタン等を押下したことを示す情報である。
【0026】
また、リンク機能付動画再生装置は、第2選択位置特定手段によって、入力信号として、位置情報とともに選択の終了を示す選択終了情報を入力された段階で、位置情報に基づく再生画面内の位置を第2選択位置として特定するとともに、動画データの再生時間を第2再生時間として特定する。なお、この選択終了情報は、タッチパネル、マウスボタン等を解放したことを示す情報である。
このように、リンク機能付動画再生装置は、選択開始情報と選択終了情報とを検出することで、タッチパネル、マウス等の操作において、ドラッグ動作を検出することができる。
【0027】
そして、リンク機能付動画再生装置は、グループオブジェクト探索手段によって、リンク情報メタデータの各メタ情報において、時間情報で示される時間区間が、第1再生時間と第2再生時間との時間区間と重複し、かつ、領域情報で示される範囲が、第1選択位置と第2選択位置とで特定される矩形領域と重複する複数のオブジェクト識別情報をグループとして探索する。
これによって、リンク機能付動画再生装置は、第1選択位置と第2選択位置とにおいて、複数のオブジェクトを特定することができる。
【0028】
そして、リンク機能付動画再生装置は、グループが探索された場合に、リンク先情報抽出手段によって、個別のオブジェクトのリンク先情報に替えて、リンク情報メタデータから、グループに対応する第2のリンク先情報を抽出する。
これによって、リンク機能付動画再生装置は、関連情報提示手段によって、複数のオブジェクトからなるグループにリンクされた関連情報を、第2のリンク先情報で示されるリンク先から取得して提示することができる。
【0029】
さらに、請求項6に記載のリンク機能付動画再生プログラムは、動画データ内のオブジェクトを識別するためのオブジェクト識別情報に対応付けて、前記動画データ内で前記オブジェクトが出現する時間区間を示す時間情報と、前記時間区間において当該動画データの再生画面内における前記オブジェクトの領域を示す領域情報と、前記オブジェクトの関連情報のリンク先を示すリンク先情報とをメタ情報として含んだリンク情報メタデータに基づいて、前記動画データの再生時に、位置入力装置を介して前記オブジェクトが選択されることで、当該オブジェクトの関連情報を提示するために、コンピュータを、動画再生手段、選択位置特定手段、オブジェクト探索手段、リンク先情報抽出手段、関連情報提示手段、として機能させる構成とした。
【0030】
かかる構成において、リンク機能付動画再生プログラムは、動画再生手段によって動画データを再生するとともに、メタ情報抽出手段によって動画データに対応したリンク情報メタデータから、個々のメタ情報を抽出する。
【0031】
そして、リンク機能付動画再生プログラムは、選択位置特定手段によって、マウス、タッチパネル等の位置入力装置を介して画面上の位置を示す位置情報と当該位置が選択されたことを示す選択指示情報とが入力信号として入力された段階で、当該位置を選択位置として特定する。
【0032】
そして、リンク機能付動画再生プログラムは、オブジェクト探索手段によって、リンク情報メタデータの各メタ情報において、動画データの再生時間が時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、選択位置が領域情報で示される範囲に含まれているオブジェクトを探索する。
【0033】
そして、リンク機能付動画再生プログラムは、リンク先情報抽出手段によって、リンク情報メタデータから、オブジェクト探索手段で探索されたオブジェクトに対応するリンク先情報を抽出する。その後、リンク機能付動画再生プログラムは、関連情報提示手段によって、リンク先情報抽出手段で抽出されたリンク先情報で示されるリンク先から関連情報を取得して提示する。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
請求項1,6に記載の発明によれば、動画データを再生中に、ユーザが画面上に出現するオブジェクトを選択したタイミングで、当該オブジェクトに関連する情報を表示することができる。これによって、動画上に常に関連情報を表示するための領域を設ける必要がないため、動画を縮小することもなく、大画面で動画を再生することができる。また、本発明によれば、関連情報を常に動画上に表示することがないため、動画全体を再生させたいという著作権者の意向に沿うことができる。
【0035】
請求項2に記載の発明によれば、動画データを再生中に、画面上に出現するオブジェクトをユーザが選択する際に、オブジェクトが画面上から消えた状態であっても、過去に遡ってオブジェクトを選択することができる。これによって、ユーザは、関心を示したオブジェクトが選択直前に画面上から消えた場合であっても、そのオブジェクトを選択することができる。
【0036】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザは、マウス等の画面上のポインタの形状が変化したときに、その位置に存在するオブジェクトに関連情報がリンクされていることを認識することができる。これによって、本発明は、関連情報がリンクされていないオブジェクト上でのユーザのマウスクリック等の操作をなくし、ユーザの無用な動作を防止することができる。
【0037】
請求項4,5に記載の発明によれば、動画画面上のオブジェクトを、ユーザがドラッグ動作によって選択をすることで、複数のオブジェクトをグループとし、当該グループに関連する関連情報を一度に提示することができる。これによって、本発明は、複数のオブジェクト間で共通した関連情報を提示することができるため、個々のオブジェクトの関連情報を個別に提示する場合に比べ、オブジェクトの組み合わせによって、バリエーションに富んだ関連情報を提示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る動画配信システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置の構成を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置で使用するリンク情報メタデータの内容を説明するためのデータ構造図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置で使用するリンク情報メタデータのメディア時間と動画座標を説明するための概念図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置の動画再生時の画面を説明するための画面例(クリック動作)である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置の動画再生時の画面を説明するための画面例(ドラッグ動作)である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るリンク機能付動画再生装置の構成を示すブロック構成図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るリンク機能付動画再生装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係るリンク機能付動画再生装置で使用するリンク情報メタデータの内容を説明するためのデータ構造図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るリンク機能付動画再生装置の動画再生時の画面を説明するための画面例である。
【図12】本発明の第3実施形態に係るリンク機能付動画再生装置の構成を示すブロック構成図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係るリンク機能付動画再生装置の構成を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[動画コンテンツ配信システム]
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係るリンク機能付動画再生装置を含んだ動画配信システムの構成について説明する。
【0040】
動画配信システムSは、動画コンテンツを配信するとともに、当該動画コンテンツに関連する情報を提供するものである。ここでは、動画配信システムSは、リンク機能付動画再生装置1と、動画提供装置2と、関連情報提供装置3とを、ネットワークNを介して接続して構成している。なお、動画配信システムSは、各装置(1,2,3)を、それぞれ1つ以上含んで構成することができる。
【0041】
リンク機能付動画再生装置1は、動画提供装置2から提供される動画コンテンツ(動画データM、リンク情報メタデータL)Cを取得して動画を再生するとともに、再生画面上のオブジェクト(人物、物、あるいは時間)を選択されることで、当該オブジェクトにリンクされている(対応付けされている)関連情報を関連情報提供装置3から取得して表示するものである。このリンク機能付動画再生装置1の構成および動作については、後で詳細に説明を行う。
【0042】
動画提供装置2は、動画コンテンツCを、ネットワークNを介して、リンク機能付動画再生装置1に提供(配信)するコンテンツサーバである。この動画提供装置2は、記憶手段20に動画データMとリンク情報メタデータLとを対応付けた動画コンテンツCを予め記憶しておき、リンク機能付動画再生装置1からの要求に応じて動画コンテンツCを配信する。
【0043】
ここで、動画データMは、一般的な映像音声コンテンツであって、例えば、MPEG等の符号化形式で符号化されたデータである。
リンク情報メタデータLは、動画データMに出現(登場)するオブジェクト(人物、物等)の配置(位置、領域、時間)や、当該オブジェクトの関連情報へのリンク先を記述したオブジェクトに関するメタ情報である。このリンク情報メタデータLを解析することで、リンク機能付動画再生装置1は、現在画面上に表示されているオブジェクトを特定し、当該オブジェクトにリンクされている関連情報を関連情報提供装置3から取得することが可能になる。このリンク情報メタデータLの内容については、後で詳細に説明を行う。
【0044】
また、動画コンテンツCは、動画データMとリンク情報メタデータLとを、別々のファイルとして構成してもよいし、動画コンテンツを格納するファイル形式の1つであるMP4等の形式で1つのファイルとしてコンテナ化してもよい。
【0045】
なお、ここでは、動画提供装置2は、ネットワークNを介して、動画コンテンツを配信することとするが、放送波を介して、動画コンテンツCを配信する形態であっても構わない。その場合、動画提供装置2は、番組編成に応じて、放送波を介して、動画コンテンツCを配信する。
【0046】
関連情報提供装置3は、動画コンテンツCに関連する情報(広告等)を、ネットワークNを介して、リンク機能付動画再生装置1に提供するものである。この関連情報提供装置3は、記憶手段30に動画コンテンツCに関連する関連情報Rを予め記憶しておき、リンク機能付動画再生装置1からの要求に応じて関連情報Rを配信する。
【0047】
ここで、関連情報Rは、動画データMのオブジェクトに関連する情報であって、例えば、HTML形式で記述されたデータである。すなわち、関連情報提供装置3は、一般的なウェブサーバで構成することができる。
【0048】
このように動画配信システムSを構成することで、リンク機能付動画再生装置1は、リンク情報メタデータLを解析し、動画データMの再生画面上に出現しているオブジェクトの位置(領域、時間)を特定し、当該位置をマウス等によってユーザに選択されたか否かを判定することができる。そして、リンク機能付動画再生装置1は、ユーザによって、オブジェクトを選択されたときだけ、画面上に関連情報Rを提示する。
以下、本発明の実施形態に係るリンク機能付動画再生装置について詳細に説明する。
【0049】
<第1実施形態>
[リンク機能付動画再生装置の構成]
まず、図2を参照(適宜図1参照)して、本発明の第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置1の構成について説明する。
【0050】
ここでは、リンク機能付動画再生装置1は、通信手段10と、コンテンツ取得手段11と、記憶手段12と、メタ情報抽出手段13と、動画再生手段14と、ポインタ位置入力手段15と、リンク先情報特定手段16と、関連情報提示手段17と、ポインタ位置判定手段18と、表示制御手段19と、を備えている。
【0051】
通信手段10は、ネットワークNを介して、通信先のサーバ(動画提供装置2、関連情報提供装置3)との間で、TCP/IP等の所定のプロトコルで通信を行うものである。この通信手段10は、例えば、NIC(Network Interface Card)で実現することができる。
【0052】
コンテンツ取得手段11は、通信手段10を介して、動画提供装置2から、動画コンテンツC(動画データM、リンク情報メタデータL)を取得するものである。このコンテンツ取得手段11は、図示を省略したキーボード等の入力手段を介して、ユーザが指定した動画コンテンツCを、動画提供装置2から取得する。
【0053】
なお、コンテンツ取得手段11は、ユーザからの指示により、動画コンテンツCを逐次取得しながら再生(ストリーミング再生)を行う場合、取得した動画コンテンツCのうち動画データMを、動画再生手段14に出力し、リンク情報メタデータLを、メタ情報抽出手段13に出力する。
【0054】
また、コンテンツ取得手段11は、ユーザからの指示により、動画コンテンツCを、一旦、リンク機能付動画再生装置1内に蓄積する場合、取得した動画コンテンツC(動画データM、リンク情報メタデータL)を記憶手段12に記憶させる。
【0055】
記憶手段12は、動画コンテンツC(動画データM、リンク情報メタデータL)を記憶するもので、ハードディスク、光磁気ディスク等の一般的な記憶装置である。
ここで、記憶手段12に記憶される動画コンテンツCは、図1で説明した動画提供装置2が提供する動画コンテンツCと同じものである。
【0056】
すなわち、動画コンテンツCの動画データMは、一般的な映像音声コンテンツであって、例えば、MPEG等の符号化形式で符号化されたデータである。また、リンク情報メタデータLは、動画データMに出現するオブジェクト(人物、物等)の配置(位置、領域、時間)や、当該オブジェクトの関連情報へのリンク先を記述したオブジェクトに関するメタ情報である。
【0057】
ここで、図4,5を参照(適宜図1,2参照)して、リンク情報メタデータLの内容について具体的に説明する。図4に示すように、リンク情報メタデータLは、「オブジェクト識別情報(オブジェクトID)」、「リンク先情報(URL)」、「時間情報(メディア時間)」、「領域情報(動画座標)」をオブジェクト情報として含んでいる。
【0058】
「オブジェクト識別情報(オブジェクトID)」は、動画データM内に出現(登場)するオブジェクトを識別するための固有の識別子である。この識別子は、例えば、英数字などの文字列である。この「オブジェクト識別情報」には、動画データM内に出現する人物や物に対して、オブジェクトとして予め固有の識別子を割り当てて設定しておく。図4では、一例として、動画データM内に出現する3人の人物の識別子を〔PERSON1〕、〔PERSON2〕、〔PERSON3〕とし、動画データM内に出現する物(かばん)の識別子を〔BAG1〕とした例を示している。
【0059】
「リンク先情報(URL)」は、「オブジェクト識別情報」で特定されるオブジェクトに関連する関連情報へのリンク先を示す情報である。例えば、「リンク先情報」は、関連情報の所在を示すURLである。図4では、一例として、関連情報をHTMLファイルとし、オブジェクト〔PERSON1〕のリンク先を、「http://nhk.or.jp/p1.html」とした例を示している(他のオブジェクトについても同様)。なお、リンク先の関連情報は、動的なウェブページを生成するスクリプト言語であるPHP(PHP Hypertext Preprocessor)等であってもよい。
【0060】
「時間情報(メディア時間)」は、動画データM内にオブジェクトが出現する時間を示す情報である。例えば、「時間情報」には、動画データMの再生開始からの経過時間でオブジェクトが出現する時間を予め設定しておく。図4では、一例として、動画データMの開始10秒から15秒の間に、オブジェクト〔PERSON1〕が出現していることを示している(他のオブジェクトについても同様)。
【0061】
「領域情報(動画座標)」は、動画データM内に出現するオブジェクトの再生画面内における領域を示す情報である。すなわち、この「領域情報」は、ユーザが画面上のオブジェクトを選択する際のオブジェクトとしての有効範囲を示すものである。
この「領域情報」は、「時間情報」で特定される時間内に出現するオブジェクトの再生画面内の領域であって、図4では、一例として、オブジェクト〔PERSON1〕が、対角2点の座標(500,200)−(1000,1200)で特定される領域に出現していることを示している(他のオブジェクトについても同様)。
【0062】
この「領域情報」は、例えば、図5に示すように当該オブジェクトを含む矩形領域とすることができる。図5は、オブジェクト〔PERSON1〕、〔BAG1〕の「領域情報(動画座標)」を破線で表している。図5に示すように、「領域情報」は、オブジェクトを含んだ矩形領域(図中、破線内)を特定する座標を示し、画面内の座標系(x,y)において、例えば、左上、右下の座標により予め設定しておく。また、この「領域情報」は、オブジェクトの形状を厳密に含んだ領域とする必要はなく、オブジェクトを選択可能な領域としておおまかに設定してもよい。
【0063】
なお、同一の動画データM内に、時間を変えて、同一のオブジェクトが出現する場合、「時間情報」および「領域情報」は、「オブジェクト識別情報」に対して、複数設定することとしてもよい。例えば、図4の〔PERSON3〕のように、同一のオブジェクトに対して、複数の「時間情報」および「領域情報」を設定する。
また、動画データM内に、時間方向に連続して同一のオブジェクトが出現する場合であっても、その領域が時間とともに変化する場合、「時間情報」および「領域情報」を複数設定することとする。
【0064】
このリンク情報メタデータLは、XML(Extensible Markup Language)、CSV(Comma Separated Values)等の形式で記述することができる。
XML形式でリンク情報メタデータLを記述する場合、各オブジェクト情報を識別するためのタグを予め定義しておき、そのタグに各オブジェクト情報を挟んで記述する。
【0065】
なお、CSV形式でリンク情報メタデータLを記述する場合、図4の〔PERSON3〕は、「オブジェクト識別情報」、「リンク情報」についても、それぞれ「時間情報」と同一の数だけ設定し、データの行数を揃えることとする。これによって、リンク情報メタデータLを、単純に区切り記号(カンマ等)で区切って表現することができる。
このように、リンク情報メタデータLを定めておくことで、動画データM内に出現するオブジェクトの領域を時間方向に特定することができる。
図2に戻って、リンク機能付動画再生装置1の構成について説明を続ける。
【0066】
メタ情報抽出手段13は、リンク情報メタデータLを解析し、個々のメタ情報(オブジェクト情報)を抽出するものである。このメタ情報抽出手段13は、XMLやCSV形式で記述されたリンク情報メタデータLを解析することで、個々のメタ情報(「オブジェクト識別情報(オブジェクトID)」、「リンク先情報(URL)」、「時間情報(メディア時間)」、「領域情報(動画座標)」〔図4参照〕)を抽出する。
【0067】
例えば、リンク情報メタデータLがXML形式で記述されたデータである場合、メタ情報抽出手段13は、メタ情報ごとに予め定めた固有のタグに挟まれたデータを読み出すことで、メタ情報のデータを抽出する。また、例えば、リンク情報メタデータLがCSV形式で記述されたデータである場合、メタ情報抽出手段13は、予め定めた順序で配置されたメタ情報のデータを、区切り記号で区分して抽出する。
【0068】
このメタ情報抽出手段13は、ネットワークNを介して、動画データMを逐次取得しながら再生(ストリーミング再生)を行う場合、コンテンツ取得手段11から、動画データMに対応したリンク情報メタデータLを取得し解析を行う。
また、メタ情報抽出手段13は、記憶手段12に記憶されている動画データMの再生(蓄積再生)を行う場合、動画データMに対応するリンク情報メタデータLを記憶手段12から読み出して解析を行う。
また、メタ情報抽出手段13は、抽出したメタ情報を、リンク先情報特定手段16に出力する。
【0069】
動画再生手段14は、動画データMを再生するものである。この動画再生手段14は、MPEG等で符号化された映像音声コンテンツである動画データMを復号し、画面表示を行うための表示データを生成する。この動画再生手段14は、一般的なメディアプレーヤで実現することができる。ここでは、動画再生手段14は、生成した表示データを表示制御手段19に出力する。
【0070】
なお、ここでは、動画再生手段14は、動画データMを復号する際に、動画の再生時間(メディア時間)を計時し、リンク先情報特定手段16に出力することとする。例えば、動画データMがMPEGである場合、動画再生手段14は、符号化データに含まれている時間情報(PTS:Presentation Time Stamp,DTS:Decoding Time Stamp)を基準として、現在の再生時間(メディア時間)を計時することができる。
【0071】
ポインタ位置入力手段15は、外部に接続された位置入力装置Pから信号を入力し、当該信号に含まれている表示画面上の位置を示す位置情報や位置入力装置Pの動作を示す動作情報を入力するインタフェースである。この位置入力装置Pは、例えば、マウス、ジョイスティック、タッチパネル等、画面上の位置を特定することが可能なものであれば特に限定するものではない。
【0072】
ここで、位置入力装置Pから入力される位置情報は、表示装置Dの画面上の位置を特定するための情報であって、例えば、画面上でマウスカーソル等によって現在指し示されている位置からの相対位置や、絶対位置である。例えば、マウスのように位置情報が移動量(相対位置)として入力される場合、ポインタ位置入力手段15は、現在のポインタ位置と入力された相対位置とから、位置情報を画面上の座標に変換する。また、タッチパネルのように位置情報が画面上の絶対位置として入力される場合、ポインタ位置入力手段15は、絶対位置の座標をそのまま位置情報として使用する。
また、位置入力装置Pから入力される動作情報は、位置入力装置Pに対するユーザの操作内容を示す情報である。例えば、マウスボタンやタッチパネルの押下、解放を示す情報である。
【0073】
このポインタ位置入力手段15は、位置入力装置Pで特定される画面上の位置情報と動作情報とを、リンク先情報特定手段16に出力する。なお、ポインタ位置入力手段15は、位置入力装置Pで特定される画面上の座標については、さらに、ポインタ位置判定手段18とポインタ表示手段191とに出力する。
なお、以降の説明において、位置入力装置Pをマウスとして説明する。
【0074】
リンク先情報特定手段16は、動画再生手段14で再生される動画データMのメディア時間と、ポインタ位置入力手段15から入力される位置情報および動作情報とに基づいて、メタ情報抽出手段13を介して抽出されたリンク情報メタデータLのメタ情報から、ユーザが選択したオブジェクトの関連情報のリンク先(リンク先情報)を特定するものである。
ここでは、リンク先情報特定手段16は、オブジェクト特定手段160と、リンク先情報抽出手段162と、を備えている。
【0075】
オブジェクト特定手段160は、動画データMにおいて、ユーザが選択したオブジェクトを特定するものである。ここでは、オブジェクト特定手段160は、選択位置特定手段160aと、再生時間減算手段160bと、オブジェクト探索手段160cと、を備えている。
【0076】
選択位置特定手段160aは、動画データMの再生画面内において、ユーザが選択した位置(選択位置)を特定するものである。ここでは、選択位置特定手段160aは、ポインタ位置入力手段15から入力される位置情報および動作情報に基づいて、選択位置を特定する。
【0077】
具体的には、選択位置特定手段160aは、ポインタ位置入力手段15から、動作情報として、位置が選択されたことを示す情報(選択指示情報;例えば、マウスボタンがクリック〔押下および解放〕されたことを示す情報)を入力された段階で、当該動作情報と同じタイミングでポインタ位置入力手段15から入力される位置情報を、選択位置として特定する。
また、選択位置特定手段160aは、さらに、ポインタ位置入力手段15から入力される位置情報が、所定時間(例えば1〜3秒)変化しない場合、当該位置が選択されたと特定することとしてもよい。
【0078】
なお、例えば、マルチウインドウ表示等によって、動画データMが表示装置Dの表示画面の一部として再生されている場合、選択位置特定手段160aは、表示制御手段19から当該動画データMを再生しているウインドウ画面の動画再生領域の位置を取得し、当該位置の座標を、動画再生領域内の座標に変換することとする。
これによって、選択位置特定手段160aは、ユーザが動画データMの再生画面内において選択した位置を特定することができる。
このように特定された位置情報は、オブジェクト探索手段160cに出力される。
【0079】
また、選択位置特定手段160aは、動画データMの再生画面内において、ユーザが行うドラッグ動作により選択した位置(第1選択位置、第2選択位置)を特定する機能を有している。なお、ここでのドラッグ動作は、第1選択位置と第2選択位置との距離に応じた時間だけ、動画データMの再生時間を過去に遡って、第1選択位置におけるオブジェクトを特定する操作とする。
【0080】
具体的には、選択位置特定手段160aは、ポインタ位置入力手段15から、動作情報として、位置が選択されたことを示す情報(選択開始情報;例えば、マウスボタンが押下されたことを示す情報)を入力された段階で、当該動作情報と同じタイミングでポインタ位置入力手段15から入力される位置情報を、第1選択位置として特定する。また、選択位置特定手段160aは、ポインタ位置入力手段15から、動作情報として、位置の選択の終了を示す情報(選択終了情報;例えば、マウスボタンが解放されたことを示す情報)を入力された段階で、当該動作情報と同じタイミングでポインタ位置入力手段15から入力される位置情報を、第2選択位置として特定する。
【0081】
このようにマウスのドラッグ動作が行われたとき、選択位置特定手段160aは、第1選択位置で特定される再生画面内の位置を位置情報として、オブジェクト探索手段160cに出力する。また、選択位置特定手段160aは、第1選択位置および第2選択位置を、再生時間減算手段160bに出力する。
【0082】
再生時間減算手段160bは、選択位置特定手段160aで特定される第1選択位置と第2選択位置との距離に応じて予め定めた時間を、現在の動画の再生時間(メディア時間)から減算して、過去の時間(過去再生時間)を演算するものである。
【0083】
この再生時間減算手段160bは、例えば、画面上で第1選択位置と第2選択位置との距離が1cmのときに、過去に遡る時間(減算時間)を5秒というように、予めその対応関係を定めておく。なお、画面上における距離は、画素ピッチにより異なるため、予め画面上の解像度等を設定しておき、再生時間減算手段160bは、第1選択位置と第2選択位置との画素数から距離を算出し、その距離に応じた時間を減算時間とする。
この再生時間減算手段160bは、演算した過去再生時間をオブジェクト探索手段160cに出力する。
【0084】
オブジェクト探索手段160cは、動画データMの再生画面内における選択位置特定手段160aで特定された選択位置において、オブジェクトを探索するものである。
このオブジェクト探索手段160cは、メタ情報抽出手段13を介して抽出されたリンク情報メタデータLの各メタ情報において、現在の動画データMの再生時間(メディア時間)が、メタ情報の「時間情報(メディア時間)」(図4参照)で示される時間区間に含まれ、かつ、選択位置がメタ情報の「領域情報(動画座標)」(図4参照)で示される範囲に含まれているオブジェクト識別情報(オブジェクトID)を探索する。これによって、現在再生されている動画データMにおいて、ユーザが選択したオブジェクトが特定されることになる。
【0085】
なお、オブジェクト探索手段160cは、ドラッグ動作により、再生時間減算手段160bから、再生時間を過去に遡った時間(過去再生時間)が通知された際には、動画データMの再生時間を過去再生時間とし、選択位置を選択位置特定手段160aで特定された第1選択位置として、オブジェクトを探索する。
【0086】
すなわち、オブジェクト探索手段160cは、選択位置特定手段160aにおいて、ドラッグ動作を検出した際に、メタ情報抽出手段13を介して抽出されたリンク情報メタデータLの各メタ情報において、メディア時間(再生時間減算手段160bで演算された過去再生時間)が、メタ情報の「時間情報(メディア時間)」(図4参照)で示される時間区間に含まれ、かつ、選択位置(選択位置特定手段160aで特定される第1選択位置)がメタ情報の「領域情報(動画座標)」(図4参照)で示される範囲に含まれているオブジェクト識別情報(オブジェクトID)を探索する。
このオブジェクト探索手段160cは、特定したオブジェクトのオブジェクト識別情報を、リンク先情報抽出手段162に出力する。
【0087】
リンク先情報抽出手段162は、リンク情報メタデータLの各メタ情報から、オブジェクト特定手段160で特定されたオブジェクトに関連する関連情報へのリンク先を抽出するものである。すなわち、リンク先情報抽出手段162は、メタ情報抽出手段13を介して抽出されたリンク情報メタデータLの各メタ情報から、オブジェクト特定手段160で特定されたオブジェクト(オブジェクト識別情報)に対応するメタ情報である「リンク先情報(URL)」(図4参照)を抽出する。
【0088】
このリンク先情報抽出手段162は、抽出したリンク先情報を関連情報提示手段17に出力する。
これによって、リンク先情報特定手段16は、ユーザが選択したオブジェクトにリンクされている関連情報へのリンク先を、メタ情報から特定することができる。
【0089】
関連情報提示手段17は、リンク先情報特定手段16で特定されたリンク先情報で示されるリンク先から関連情報を取得し、画面上に提示するものである。この関連情報提示手段17は、リンク先情報で示されるリンク先(URL)から、通信手段10を介して、関連情報を取得し、画面表示を行うための表示データを生成する。この関連情報提示手段17は、一般的なウェブブラウザで実現することができる。ここでは、関連情報提示手段17は、生成した表示データを表示制御手段19に出力する。
【0090】
なお、関連情報提示手段17は、マウスカーソルの近傍に関連情報のみをポップアップウインドウによって表示することとしてもよいし、新規にウェブブラウザの画面(ウインドウ画面)を表示して、関連情報を提示することとしてもよい。
また、この関連情報提示手段17は、関連情報を提示する際に、例えば、画面上の〔閉じる〕ボタン(図示せず)によって、関連情報の画面を消去することとしてもよいし、予め定めた時間、関連情報を提示した後、画面を消去することとしてもよい。
【0091】
ポインタ位置判定手段18は、動画データMの再生画面上において、ポインタ(マウスカーソル)の位置が、関連情報がリンクされているオブジェクト上に存在するか否かを判定するものである。
【0092】
ここで、ポインタ位置判定手段18は、ポインタが、関連情報がリンクされているオブジェクトの領域に入った場合、関連情報がリンクされていることを示す予め定めた形状にポインタ形状を変更する旨を、ポインタ表示手段191に指示する。また、ポインタ位置判定手段18は、ポインタが、当該オブジェクトの領域から出た場合、元のポインタ形状に戻す旨を、ポインタ表示手段191に指示する。
【0093】
なお、このポインタ位置判定手段18は、メタ情報抽出手段13で抽出されたメタ情報において、現在の動画データMの再生時間(メディア時間)が、メタ情報の「時間情報(メディア時間)」(図4参照)で示される時間区間に含まれ、かつ、ポインタの位置がメタ情報の「領域情報(動画座標)」(図4参照)で示される範囲に含まれている場合に、ポインタの位置が、関連情報がリンクされているオブジェクト上に存在すると判定する。
【0094】
表示制御手段19は、表示装置Dの画面上に画面データを表示するものである。この表示制御手段19は、ユーザとの間のグラフィカルなユーザインタフェースを実現するものであって、例えば、一般的なウインドウシステムで実現することができる。ここでは、表示制御手段19は、画面表示手段190と、ポインタ表示手段191と、を備えている。
【0095】
画面表示手段190は、個々のタスクが要求する画面データを表示するものであって、画面上に複数のウインドウを生成し、個々のタスクごとに区分して画面データをそれぞれのウインドウに表示する。ここで、個々のタスクとは、画面の表示を伴う手段が行う処理の実行単位であって、ここでは、動画再生手段14による動画再生、関連情報提示手段17による関連情報提示がこれに相当する。
【0096】
ポインタ表示手段191は、画面上の位置をユーザが選択するためのポインタを表示するものである。このポインタは、例えば、マウスカーソルのような、位置を指し示す形状(例えば、矢印形状)によって、ユーザに視覚的に画面上の位置を提示するものである。
このポインタ表示手段191は、ポインタ位置入力手段15から入力されるポインタの座標に応じて、ポインタの位置を移動させる。
また、ポインタ表示手段191は、ポインタ位置判定手段18から、画面上のポインタの形状を変更する旨の指示された段階で、ポインタの形状を変更する。
これによって、ユーザは、画面上のポインタ形状によって、ポインタの位置に関連情報がリンクされているオブジェクトが存在するか否かを視認することができる。
【0097】
このようにリンク機能付動画再生装置1を構成することで、リンク機能付動画再生装置1は、ユーザがポインタ(マウスカーソル)で、リンク付きのオブジェクトを選択したときだけ、オブジェクトに関連する情報を画面上に提示する。
【0098】
これによって、リンク機能付動画再生装置1は、動画データMの再生時には、表示装置Dの画面全体に動画を再生することができ、ユーザが動画上で関心を示した対象(オブジェクト)に対して、ユーザが関心を示したタイミングで、オブジェクトに関連する情報を画面上に提示することができる。
【0099】
[リンク機能付動画再生装置の動作]
次に、図3を参照(適宜図2参照)して、本発明の第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置1の動作について説明する。なお、ここでは、再生する動画コンテンツCが記憶手段12に予め記憶されているものとして説明するが、動画提供装置2(図1参照)から、ストリーミングデータとして入力して再生することとしてもよい。
【0100】
まず、リンク機能付動画再生装置1は、図示を省略した入力手段を介して、ユーザから動画コンテンツCの再生を指示されると、メタ情報抽出手段13によって、記憶手段12に記憶されているリンク情報メタデータLから、個々のメタ情報(オブジェクト情報)を抽出する(ステップS1)。
そして、リンク機能付動画再生装置1は、動画再生手段14によって、記憶手段12に記憶されている動画データMの再生を開始し、表示制御手段19の画面表示手段190によって、表示装置Dの画面上に再生動画を表示する(ステップS2)。
【0101】
このとき、リンク機能付動画再生装置1は、ポインタ位置入力手段15によって、ユーザが操作する位置入力装置P(マウス等)の信号を逐次入力し、位置情報および動作情報を解析する。また、リンク機能付動画再生装置1は、ポインタ移動中に、ポインタ位置判定手段18によって、ポインタが、関連情報がリンクされているオブジェクトの領域に入ったことを検出し、当該領域にポインタが入った場合、関連情報がリンクされていることを示す予め定めた形状にポインタ形状を変更する。
【0102】
そして、リンク機能付動画再生装置1は、ポインタ位置入力手段15によって、位置入力装置Pから、ユーザが画面上のポインタ位置を選択した信号(マウスボタンのクリック〔シングルクリック:押下および解放〕)等)を受信することで、ポインタ位置が選択されたことを検出する(ステップS3)。ここで、ポインタ位置が選択された場合(ステップS3でYes)で、リンク機能付動画再生装置1は、選択位置特定手段160aによって、ポインタ位置入力手段15から入力される位置情報を選択位置として特定する。
【0103】
そして、リンク機能付動画再生装置1は、オブジェクト探索手段160cによって、現在再生中の動画データMの再生画面内における選択位置特定手段160aで特定された選択位置において、オブジェクトが存在しているか否かを探索する(ステップS4)。
すなわち、オブジェクト探索手段160cは、動画データMの現在の再生時間(メディア時間)と、選択された現在のポインタ位置とから、ステップS1で抽出したメタ情報(リンク情報メタデータL)内で、対応するメディア時間、および、対応するポインタ位置に、関連情報にリンク付けされたオブジェクトが存在するか否かを探索する。
【0104】
なお、ステップS3において、ポインタ位置入力手段15によって、位置入力装置Pから、ユーザが画面上においてドラッグ動作を行ったことを検出した場合、リンク機能付動画再生装置1は、再生時間減算手段160bによって、ドラッグ動作によるポインタの距離に応じた時間分遡った時間(過去再生時間)を演算し、ステップS4において、ドラッグ動作によって特定された第1選択位置と過去再生時間とからオブジェクトを探索する。
【0105】
そして、リンク機能付動画再生装置1は、関連情報にリンクされたオブジェクトが存在した場合(ステップS5でYes)、リンク先情報抽出手段162によって、ステップS4で探索したオブジェクトに対応するリンク先情報(URL)を、関連情報提示手段17に出力する。そして、リンク機能付動画再生装置1は、関連情報提示手段17によって、リンク先情報(URL)で特定される関連情報を、通信手段10を介して取得し、表示制御手段19の画面表示手段190によって、表示装置Dの画面上に関連情報を提示する(ステップS6)。
【0106】
そして、リンク機能付動画再生装置1は、動画再生手段14による動画再生が終了した場合(ステップS7でYes)、動作を終了し、動画再生が継続している場合(ステップS7でNo)、ステップS3に戻って動作を継続する。
【0107】
また、ステップS3においてポインタ位置が選択されていない場合(ステップS3でNo)や、ステップS5において関連情報にリンク付けされたオブジェクトが存在しない場合(ステップS5でNo)、リンク機能付動画再生装置1は、ステップS7に動作を進めることとする。
【0108】
[リンク機能付動画再生装置の画面例]
次に、図6,図7を参照(適宜図2参照)して、本発明の第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置1の画面例について簡単に説明する。
【0109】
(クリック操作によるオブジェクト選択例)
まず、図6を参照して、オブジェクトを選択する画面例について説明する。
図6(a)に示すように、リンク機能付動画再生装置1は、動画再生手段14によって、表示画面G上に動画データMを再生している状態で、ポインタ位置判定手段18によって、ポインタP1が、関連情報にリンクされているオブジェクトの領域Aに入ったことを検出する。そして、リンク機能付動画再生装置1は、領域AにポインタP1が入った段階で、ポインタ表示手段191によって、ポインタP1の形状(ここでは、矢印)を、当該オブジェクトが関連情報にリンクされていることを示す予め定めた形状(ここでは、文書付矢印)に変更する。これによって、リンク機能付動画再生装置1は、ユーザが指し示したオブジェクトに関連情報がリンクされていることを、視覚化して提示することができる。
【0110】
そして、リンク機能付動画再生装置1は、ユーザが、ポインタP1が指し示している位置を選択(マウスボタンのクリック〔押下および解放〕)した段階で、リンク先情報特定手段16によって、選択されたオブジェクトの関連情報のリンク先をメタ情報から抽出(特定)し、関連情報提示手段17によって、図6(b)に示すように、表示画面G上に、関連情報の画面Wを表示する。
【0111】
これによって、リンク機能付動画再生装置1は、図6(a)に示すように、動画データMの再生時には、表示装置Dの表示画面G全体に動画を再生することができ、ユーザが動画上で関心を示したオブジェクトに対して、ユーザが関心を示した(ユーザが選択した)タイミングで、図6(b)に示すように、オブジェクトに関連する情報を画面G上に提示することができる。
【0112】
(ドラッグ動作による過去オブジェクト選択例)
次に、図7を参照して、ドラッグ動作によって、過去に遡ってオブジェクトを選択する画面例について説明する。
図7(a)に示すように、表示画面G上に動画データMを再生しているある時点(メディア時間)で、関連情報にリンクされているオブジェクトO1(領域A)が存在し、図7(b)に示すように、再生に伴い表示画面G上から、オブジェクトO1が消えたとする。
この図7(b)の画面上で、ユーザはオブジェクトが存在していた位置近傍をポインタP1により第1選択位置を特定してドラッグ動作を開始し、図7(c)に示すように、ドラッグ動作の終了により第2選択位置を特定する。
【0113】
そして、リンク機能付動画再生装置1は、リンク先情報特定手段16によって、第1選択位置と第2選択位置との距離Diに応じた時間まで遡って、第1選択位置に存在していたオブジェクトO1の関連情報のリンク先をメタ情報から抽出(特定)し、関連情報提示手段17によって、図7(d)に示すように、表示画面G上に、関連情報の画面Wを表示する。これによって、リンク機能付動画再生装置1は、動画データMの再生中に、ユーザが関心を示したオブジェクトが画面G上から消えた場合であっても、ドラッグ動作によって、過去に遡って、オブジェクトに関連する情報を画面G上に提示することができる。
【0114】
<第2実施形態>
[リンク機能付動画再生装置の構成]
次に、図8を参照(適宜図1参照)して、本発明の第2実施形態に係るリンク機能付動画再生装置1Bの構成について説明する。
【0115】
このリンク機能付動画再生装置1Bは、リンク機能付動画再生装置1(図2参照)に対して、さらに、ユーザが複数のオブジェクトを選択し、複数のオブジェクトに関連する関連情報を提示する機能を付加している。
ここでは、リンク機能付動画再生装置1Bは、通信手段10と、コンテンツ取得手段11と、記憶手段12Bと、メタ情報抽出手段13と、動画再生手段14と、ポインタ位置入力手段15と、リンク先情報特定手段16Bと、関連情報提示手段17と、ポインタ位置判定手段18と、表示制御手段19と、を備えている。
【0116】
記憶手段12Bおよびリンク先情報特定手段16B以外の構成については、図2で説明したリンク機能付動画再生装置1と同一の構成であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0117】
記憶手段12Bは、動画コンテンツC(動画データM、リンク情報メタデータL)を記憶するもので、ハードディスク、光磁気ディスク等の一般的な記憶装置である。なお、記憶手段12Bに記憶される動画コンテンツCは、図1で説明した動画提供装置2が提供する形態であっても構わない。
ここで、記憶手段12Bに記憶される動画コンテンツCは、リンク情報メタデータLの内容が、リンク機能付動画再生装置1(図2参照)で説明したリンク情報メタデータLと異なっている。
【0118】
このリンク情報メタデータLは、動画データMに登場するオブジェクト(人物、物等)の配置(位置、領域)や、当該オブジェクトの関連情報へのリンク先を記述した個別のオブジェクトに関するメタ情報(個別リンク情報)と、複数のオブジェクトごとの関連情報へのリンク先を記述したメタ情報(グループリンク情報)とで構成される。
【0119】
ここで、図10を参照して、リンク情報メタデータLの内容について具体的に説明する。図10に示すように、リンク情報メタデータLは、個別リンク情報(a)とグループリンク情報(b)とで構成される。
【0120】
図10(a)に示した個別リンク情報は、リンク機能付動画再生装置1(図2参照)で用いる図4で説明したリンク情報メタデータLと同一のものであるため、ここでは、説明を省略する。
図10(b)に示したグループリンク情報は、図10(a)で定義した個々のオブジェクトを2つ以上組み合わせて1つのグループとして構成し、当該グループごとの関連情報へのリンク先を記述したものである。
【0121】
ここでは、グループリンク情報は、「グループ識別情報(グループID)」、「グループオブジェクト識別情報(オブジェクトID)」、「グループリンク先情報(URL)」をグループオブジェクト情報として含んでいる。
【0122】
「グループ識別情報(グループID)」は、動画データM内に出現(登場)する複数のオブジェクトをグループとして識別するための固有の識別子である。この識別子は、例えば、英数字などの文字列である。この「グループ識別情報」には、動画データM内に出現する人物や物に対して、複数のオブジェクトを1つのグループとして予め固有の識別子を割り当てて設定しておく。図10(b)では、一例として、動画データM内に出現する2人の人物(PERSON1、PERSON2)を1つの識別子〔PERSON−RELATIONSHIP1〕として記述した例を示している(他のグループ識別情報についても同様)。
【0123】
「グループ内オブジェクト識別情報(オブジェクトID)」は、動画データM内に出現(登場)するオブジェクトを識別するための固有の識別子である。この図10(b)の「グループ内オブジェクト識別情報」は、図10(a)の個別リンク情報の「オブジェクト識別情報」を、2つ以上連結したものである。図10(b)では、一例として、〔PERSON−RELATIONSHIP1〕で識別されるグループとして、2人の人物の識別子〔PERSON1〕、〔PERSON2〕を連結して定義した例を示している(他のグループについても同様)。
【0124】
「グループリンク先情報(URL)」(第2のリンク先情報)は、「グループ識別情報」で特定されるグループに関連する関連情報へのリンク先を示す情報である。この「グループリンク先情報」の内容は、図10(a)の個別リンク情報の「リンク先情報」と同様の情報であるため、説明を省略する。
このリンク情報メタデータLは、XML、CSV等の形式で記述することができる。
このように、リンク情報メタデータLを定めておくことで、動画データM内に出現するオブジェクトの領域を時間方向に特定することができるとともに、複数のオブジェクトをグループとして特定することができる。
図8に戻って、リンク機能付動画再生装置1Bの構成について説明を続ける。
【0125】
リンク先情報特定手段16Bは、動画再生手段14で再生される動画データMのメディア時間と、ポインタ位置入力手段15から入力される位置情報および動作情報とに基づいて、メタ情報抽出手段13を介して抽出されたリンク情報メタデータLのメタ情報から、ユーザが選択したオブジェクトの関連情報のリンク先(リンク先情報)を抽出するものである。
【0126】
ここでは、リンク先情報特定手段16Bは、オブジェクト特定手段160と、グループオブジェクト特定手段161と、リンク先情報抽出手段162Bと、を備えている。オブジェクト特定手段160は、図2で説明したリンク機能付動画再生装置1と同一の構成であるため説明を省略する。
【0127】
グループオブジェクト特定手段161は、現在再生中の動画データMにおいて、ユーザが選択した複数のオブジェクトを特定するものである。このグループオブジェクト特定手段161は、複数のオブジェクトを、ポインタ(マウスカーソル)のドラッグ動作によって特定することとする。ここでは、グループオブジェクト特定手段161は、第1選択位置特定手段161aと、第2選択位置特定手段161bと、グループオブジェクト探索手段161cと、を備えている。
【0128】
なお、ドラッグ動作は、オブジェクト特定手段160においても検出するが、ここでは、グループオブジェクト特定手段161が、ポインタ位置入力手段15から、位置の選択の開始を示す情報(選択開始情報;例えば、マウスボタンが押下されたことを示す情報)と、位置の選択の終了を示す情報(選択終了情報;例えば、マウスボタンが解放されたことを示す情報)を優先的に取得することとする。
【0129】
第1選択位置特定手段161aは、動画データMの再生画面内において、ユーザが選択した1番目の位置(第1選択位置)を特定するものである。ここでは、第1選択位置特定手段161aは、ポインタ位置入力手段15から入力される位置情報および動作情報に基づいて第1選択位置を特定する。
【0130】
具体的には、第1選択位置特定手段161aは、ポインタ位置入力手段15から、動作情報として、位置の選択の開始を示す情報(選択開始情報;例えば、マウスボタンが押下されたことを示す情報)を入力された段階で、当該動作情報と同じタイミングでポインタ位置入力手段15から入力される位置情報を第1選択位置として特定する。
この第1選択位置特定手段161aは、第1選択位置と、当該位置が選択されたメディア時間(第1再生時間)とをグループオブジェクト探索手段161cに出力する。
【0131】
第2選択位置特定手段161bは、動画データMの再生画面内において、ユーザが選択した2番目の位置(第2選択位置)を特定するものである。この第2選択位置特定手段161bも、ポインタ位置入力手段15から入力される位置情報および動作情報に基づいて第2選択位置を特定する。
【0132】
具体的には、第2選択位置特定手段161bは、ポインタ位置入力手段15から、動作情報として、位置の選択の終了を示す情報(選択終了情報;例えば、マウスボタンが解放されたことを示す情報)を入力された段階で、当該動作情報と同じタイミングでポインタ位置入力手段15から入力される位置情報を第2選択位置として特定する。
この第2選択位置特定手段161bは、第2選択位置と、当該位置が選択されたメディア時間(第2再生時間)とをグループオブジェクト探索手段161cに出力する。
【0133】
このように第1選択位置特定手段161aにおける選択の開始(マウスボタンの押下)と、第2選択位置特定手段161bにおける選択の終了(マウスボタンの解放)とによるドラッグ動作の検出によって、ユーザが画面上で選択した2つの位置(第1選択位置、第2選択位置)と時間(第1再生時間、第2再生時間)とが特定されることになる。
【0134】
なお、例えば、マルチウインドウ表示等によって、動画データMが表示装置Dの表示画面の一部として再生されている場合、第1選択位置特定手段161aおよび第2選択位置特定手段161bは、表示制御手段19から当該動画データMを再生しているウインドウ画面の動画再生領域の位置を取得し、当該位置の座標を、動画再生領域内の座標に変換することとする。
【0135】
グループオブジェクト探索手段161cは、第1選択位置特定手段161aで特定された第1選択位置および第1再生時間と、第2選択位置特定手段161bで特定された第2選択位置および第2再生時間とに基づいて、ユーザが選択した複数の位置におけるオブジェクトを探索するものである。
【0136】
このグループオブジェクト探索手段161cは、メタ情報抽出手段13を介して抽出されたリンク情報メタデータLの各メタ情報において、第1再生時間(メディア時間)がメタ情報の「時間情報(メディア時間)」(図10(a)参照)で示される時間区間に含まれ、かつ、第1選択位置がメタ情報の「領域情報(動画座標)」(図10(a)参照)で示される範囲に含まれているオブジェクト識別情報(オブジェクトID)を探索する。
【0137】
また、グループオブジェクト探索手段161cは、メタ情報抽出手段13を介して抽出されたリンク情報メタデータLの各メタ情報において、第2再生時間(メディア時間)がメタ情報の「時間情報(メディア時間)」(図10(a)参照)で示される時間区間に含まれ、かつ、第2選択位置がメタ情報の「領域情報(動画座標)」(図10(a)参照)で示される範囲に含まれているオブジェクト識別情報(オブジェクトID)を探索する。これによって、現在再生されている動画データMにおいて、ユーザが選択した2つのオブジェクトが特定されることになる。
このグループオブジェクト探索手段161cは、特定したオブジェクトのオブジェクト識別情報を、リンク先情報抽出手段162Bに出力する。
【0138】
なお、オブジェクトが特定できなかった場合、すなわち、ユーザがオブジェクトを直接選択してドラッグ動作を行わなかった場合、グループオブジェクト探索手段161cは、再生時間減算手段160bに、第1選択位置および第2選択位置を出力することとする。
そして、再生時間減算手段160bによって、過去再生時間が演算され、オブジェクト探索手段160cによって、動画データMの再生時間を過去再生時間とし、選択位置を第1選択位置特定手段161aで特定された第1選択位置として、オブジェクトを探索する。
【0139】
なお、ここでは、グループオブジェクト特定手段161がオブジェクト特定手段160よりも優先的にドラッグ動作を検出することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図示を省略したキーボード等で特定のキー(例えば、「コントロール」キー)を押下されている状態を、図示を省略したキー判定手段によって検出し、当該キーが押下されている場合にのみ、グループオブジェクト特定手段161がドラッグ動作を検出し、それ以外の場合は、オブジェクト特定手段160がドラッグ動作の検出を行うこととしてもよい。
【0140】
リンク先情報抽出手段162Bは、メタ情報抽出手段13で抽出された個別リンク情報(図10(a)参照)のメタ情報において、オブジェクト特定手段160やグループオブジェクト特定手段161で特定されたオブジェクトに関連する関連情報へのリンク先を特定するものである。
【0141】
すなわち、リンク先情報抽出手段162Bは、オブジェクト特定手段160からオブジェクト識別情報が入力された場合、メタ情報抽出手段13を介して抽出されたリンク情報メタデータLの各メタ情報(個別リンク情報)から、オブジェクト特定手段160で特定されたオブジェクト(オブジェクト識別情報)に対応する「リンク先情報(URL)」(図10(a)参照)を特定する。
【0142】
また、リンク先情報抽出手段162Bは、グループオブジェクト特定手段161から複数のオブジェクト識別情報が入力された場合、メタ情報抽出手段13を介して抽出されたリンク情報メタデータLの各メタ情報(グループリンク情報)から、グループオブジェクト特定手段161で特定された複数のオブジェクト(オブジェクト識別情報)に対応する「リンク先情報(URL)」(図10(b)参照)を特定する。
【0143】
なお、ここでは、グループオブジェクト探索手段161cは、第1選択位置特定手段161aで特定された位置のオブジェクトと、第2選択位置特定手段161bで特定された位置のオブジェクトとの2つを1つのグループとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0144】
例えば、グループオブジェクト探索手段161cは、メタ情報の「時間情報(メディア時間)」で示される時間区間が、第1選択位置特定手段161aで特定された第1再生時間と第2選択位置特定手段161bで特定された第2再生時間との時間区間と重複し、かつ、メタ情報の「領域情報(動画座標)」(図10(a)参照)で示される範囲が、第1選択位置特定手段161aで特定された第1選択位置と第2選択位置特定手段161bで特定された第2選択位置とで特定される矩形領域と重複するオブジェクトを探索することとしてもよい。これによって、ユーザがドラッグ動作によって特定した画面上の矩形領域内に、ドラッグ時間内に存在したオブジェクトが選択されることになる。また、この場合、3つ以上のオブジェクトであっても選択が可能になる。
【0145】
なお、このように3つ以上のオブジェクトを選択可能にするか、第1選択位置特定手段161aと第2選択位置特定手段161bとで特定される2つのオブジェクトのみを選択可能にするかは、必ずしもいずれか一方である必要はない。
例えば、図示を省略したキーボード等で特定のキー(例えば、「シフト」キー)を押下されているか否かによって、いずれかの動作に切り替えることとしてもよい。
【0146】
また、ここでは、グループオブジェクト特定手段161は、ポインタ(マウスカーソル)のドラッグ動作によって複数のオブジェクトを1つのグループとして特定することとしたが、必ずしもドラッグ動作によって特定する必要はない。
例えば、グループオブジェクト特定手段161は、図示を省略したキーボード等で特定のキー(例えば、「シフト」キー)を押下された状態で、1つのオブジェクトを1つのクリック動作で選択していき、最後のオブジェクトをダブルクリック動作で選択された段階で、それまで選択されたオブジェクトをグループとして特定することとしてもよい。
【0147】
以上説明したようにリンク機能付動画再生装置1Bを構成することで、リンク機能付動画再生装置1Bは、ユーザがポインタ(マウスカーソル)で、リンク付きのオブジェクトを選択したときだけ、1以上のオブジェクトに関連する情報を画面上に提示することができる。
【0148】
[リンク機能付動画再生装置の動作]
次に、図9を参照(適宜図8参照)して、本発明の第2実施形態に係るリンク機能付動画再生装置1Bの動作について説明する。ここでは、複数のオブジェクトを選択して、関連情報を提示する動作について説明するが、1つのオブジェクトを選択する動作については、図3で説明した動作と同じであるため、説明を省略する。
【0149】
まず、リンク機能付動画再生装置1Bは、図示を省略した入力手段を介して、ユーザから動画コンテンツCの再生を指示されると、メタ情報抽出手段13によって、記憶手段12に記憶されているリンク情報メタデータLから、個々のメタ情報(オブジェクト情報)を抽出する(ステップS10)。
【0150】
そして、リンク機能付動画再生装置1Bは、動画再生手段14によって、記憶手段12に記憶されている動画データMの再生を開始し、表示制御手段19の画面表示手段190によって、表示装置Dの画面上に動画データMを表示する(ステップS11)。
このとき、リンク機能付動画再生装置1Bは、ポインタ位置入力手段15によって、ユーザが操作する位置入力装置P(マウス等)の信号を逐次入力し、位置情報および動作情報を解析する。また、リンク機能付動画再生装置1Bは、ポインタ移動中に、ポインタ位置判定手段18によって、ポインタが、関連情報がリンクされているオブジェクトの領域に入ったことを検出し、当該領域にポインタが入った場合、関連情報がリンクされていることを示す予め定めた形状にポインタ形状を変更する。
【0151】
そして、位置入力装置Pから、ユーザが画面上の選択を開始した信号(ドラッグ動作開始;マウスボタンの押下等)を受信した段階(ステップS12でYes)で、リンク機能付動画再生装置1Bは、第1選択位置特定手段161aによって、ポインタ位置入力手段15から入力される位置情報を第1選択位置として特定するとともに、当該位置が選択されたメディア時間(第1再生時間)を特定する(ステップS13)。
【0152】
さらに、位置入力装置Pから、ユーザが画面上の選択を終了した信号(ドラッグ動作終了;マウスボタンの解放等)を受信した段階(ステップS14でYes)で、リンク機能付動画再生装置1Bは、第2選択位置特定手段161bによって、ポインタ位置入力手段15から入力される位置情報を第2選択位置として特定するとともに、当該位置が選択されたメディア時間(第2再生時間)を特定する(ステップS15)。
【0153】
そして、リンク機能付動画再生装置1Bは、グループオブジェクト探索手段161cによって、ステップS13で特定された第1選択位置および第1再生時間と、ステップS15で特定された第2選択位置および第2再生時間とに基づいて、ステップS10で抽出したメタ情報において、ユーザが選択した複数の位置におけるオブジェクトを探索する(ステップS16)。
【0154】
すなわち、グループオブジェクト探索手段161cは、ステップS10で抽出されたメタ情報において、第1再生時間がメタ情報の「時間情報(メディア時間)」(図10(a)参照)で示される時間区間に含まれ、かつ、第1選択位置がメタ情報の「領域情報(動画座標)」(図10(a)参照)で示される範囲に含まれているオブジェクト(オブジェクト識別情報)を探索する。
【0155】
また、グループオブジェクト探索手段161cは、ステップS10で抽出されたメタ情報において、第2再生時間がメタ情報の「時間情報(メディア時間)」(図10(a)参照)で示される時間区間に含まれ、かつ、第2選択位置がメタ情報の「領域情報(動画座標)」(図10(a)参照)で示される範囲に含まれているオブジェクト(オブジェクト識別情報)を探索する。
【0156】
そして、リンク機能付動画再生装置1Bは、ステップS16で探索された複数のオブジェクト(グループオブジェクト)が関連情報にリンクされている場合(ステップS17でYes)、リンク先情報抽出手段162Bによって、ステップS16で探索した複数のオブジェクト(グループオブジェクト)に対応するリンク先情報(URL)を、関連情報提示手段17に出力する。そして、リンク機能付動画再生装置1Bは、関連情報提示手段17によって、リンク先情報(URL)で特定される関連情報を、通信手段10を介して取得し、表示制御手段19の画面表示手段190によって、表示装置Dの画面上に関連情報を提示する(ステップS18)。
【0157】
そして、リンク機能付動画再生装置1Bは、動画再生手段14による動画再生が終了した場合(ステップS19でYes)、動作を終了し、動画再生が継続している場合(ステップS19でNo)、ステップS12に戻って動作を継続する。
【0158】
また、ステップS12,S14においてポインタ位置が選択されていない場合(ステップS12,S14でNo)や、ステップS17において関連情報にリンク付けされたグループオブジェクトが存在しない場合(ステップS17でNo)、リンク機能付動画再生装置1Bは、ステップS19に動作を進めることとする。
なお、ここでは、ステップS16において、第1選択位置および第1再生時間と、第2選択位置および第2再生時間とで、それぞれ特定される2つのオブジェクトを探索することとしたが、第1再生時間と第2再生時間との時間区間において、第1選択位置と第2選択位置とで特定される領域に存在する複数のオブジェクトを探索することとしてもよい。
【0159】
[リンク機能付動画再生装置の画面例]
次に、図11を参照(適宜図8参照)して、本発明の第2実施形態に係るリンク機能付動画再生装置1Bの画面例について簡単に説明する。
【0160】
図11(a)に示すように、リンク機能付動画再生装置1Bは、動画再生手段14によって、表示画面G上に動画データMを再生している状態で、ユーザが、ポインタP1が第1のリンク付オブジェクトO1の領域A1に存在する状態で、マウスボタンの押下等によってドラッグ動作を開始し、ポインタP1を第2のリンク付オブジェクトO2の領域A2に移動させ、マウスボタンの解放等によってドラッグ動作を終了したとする。
【0161】
すると、リンク機能付動画再生装置1Bは、リンク先情報特定手段16Bによって、リンク付オブジェクトO1,O2を1つのグループとして、当該グループの関連情報のリンク先をメタ情報から抽出(特定)し、関連情報提示手段17によって、図11(b)に示すように、表示画面G上に、グループ(ここでは、オブジェクトO1,O2)に関連する関連情報の画面Wを表示する。
【0162】
これによって、リンク機能付動画再生装置1Bは、図11(a)に示すように、動画データMの再生時には、表示装置Dの表示画面G全体に動画を再生することができ、ユーザが動画上で関心を示した複数のオブジェクトに対して、ユーザが関心を示した(ユーザが選択した)タイミングで、図11(b)に示すように、複数のオブジェクトに関連する情報を画面G上に提示することができる。
【0163】
以上、第1実施形態に係るリンク機能付動画再生装置1、第2実施形態に係るリンク機能付動画再生装置1Bについて説明したが、本発明は、これらの構成に限定されるものではない。
【0164】
ここでは、画面上にユーザが指し示すポインタを表示して使用するマウス等を位置入力装置Pとして用いた例で、リンク機能付動画再生装置1,1Bを説明した。
しかし、位置入力装置Pをタッチパネル等とした場合、必ずしも画面上に位置を示すポインタを表示する必要はない。
すなわち、位置入力装置Pとしてタッチパネルを使用する場合、リンク機能付動画再生装置1(図2参照)、リンク機能付動画再生装置1B(図8参照)は、それぞれ、ポインタ位置判定手段18とポインタ表示手段191とを構成から省略し、図12に示したリンク機能付動画再生装置1C、図13に示したリンク機能付動画再生装置1Dとして構成してもよい。なお、リンク機能付動画再生装置1C、1Dの構成は、すでに説明したリンク機能付動画再生装置1、1Bの一部と同一の構成であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0165】
これによって、リンク機能付動画再生装置1C(図12参照)やリンク機能付動画再生装置1D(図13参照)は、携帯端末のような画面上でタッチパネルによって操作する小型端末として構成することが可能になる。
【0166】
なお、リンク機能付動画再生装置1(図2),1B(図8),1C(図12),1D(図13)は、一般的なCPU、RAM、ROMなどで構成することができ、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラム(リンク機能付動画再生プログラム)で動作させることができる。
【符号の説明】
【0167】
S 動画配信システム
1 リンク機能付動画再生装置
10 通信手段
11 コンテンツ取得手段
12 記憶手段
13 メタ情報抽出手段
14 動画再生手段
15 ポインタ位置入力手段
16 リンク先情報特定手段
160 オブジェクト特定手段
160a 選択位置特定手段
160b 再生時間減算手段
160c オブジェクト探索手段
161 グループオブジェクト特定手段
161a 第1選択位置特定手段
161b 第2選択位置特定手段
161c グループオブジェクト探索手段
162 リンク先情報抽出手段
17 関連情報提示手段
18 ポインタ位置判定手段
19 表示制御手段
190 画面表示手段
191 ポインタ表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データ内のオブジェクトを識別するためのオブジェクト識別情報に対応付けて、前記動画データ内で前記オブジェクトが出現する時間区間を示す時間情報と、前記時間区間において当該動画データの再生画面内における前記オブジェクトの領域を示す領域情報と、前記オブジェクトの関連情報のリンク先を示すリンク先情報とをメタ情報として含んだリンク情報メタデータに基づいて、前記動画データの再生時に、位置入力装置を介して前記オブジェクトが選択されることで、当該オブジェクトの関連情報を提示するリンク機能付動画再生装置であって、
前記動画データを再生する動画再生手段と、
前記位置入力装置を介して画面上の位置を示す位置情報と当該位置が選択されたことを示す選択指示情報とが入力信号として入力された段階で、当該位置を選択位置として特定する選択位置特定手段と、
前記リンク情報メタデータの各メタ情報において、前記動画データの再生時間が前記時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、前記選択位置が前記領域情報で示される範囲に含まれているオブジェクトを探索するオブジェクト探索手段と、
前記リンク情報メタデータから、前記オブジェクト探索手段で探索されたオブジェクトに対応するリンク先情報を抽出するリンク先情報抽出手段と、
このリンク先情報抽出手段で抽出されたリンク先情報で示されるリンク先から前記関連情報を取得して提示する関連情報提示手段と、
を備えることを特徴とするリンク機能付動画再生装置。
【請求項2】
前記選択位置特定手段に、前記入力信号として、前記位置情報とともに選択の開始を示す選択開始情報を入力された段階で、当該位置情報に基づく前記再生画面内の位置を第1選択位置として特定し、前記位置情報とともに選択の終了を示す選択終了情報を入力された段階で、当該位置情報に基づく前記再生画面内の位置を第2選択位置として特定する機能を付加し、
前記第1選択位置と前記第2選択位置との距離に応じて予め定めた時間を、前記再生時間から減算して過去再生時間を演算する再生時間減算手段をさらに備え、
前記オブジェクト探索手段は、前記第2選択位置が特定された際に、前記再生時間を前記過去再生時間とし、前記選択位置を前記第1選択位置とすることでオブジェクトを探索することを特徴とする請求項1に記載のリンク機能付動画再生装置。
【請求項3】
画面上の位置を指し示すポインタを表示し、前記位置入力装置から入力される入力信号に含まれる位置情報に基づいて前記ポインタの位置を移動させるポインタ表示手段と、
前記動画データの再生時間が前記時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、前記ポインタの位置が前記領域情報で示される範囲に含まれているか否かを判定することで、当該ポインタの位置が、前記関連情報がリンクされているオブジェクト上に存在するか否かを判定するポインタ位置判定手段と、をさらに備え、
前記ポインタ表示手段は、前記ポインタ位置判定手段によって、前記ポインタの位置が、前記関連情報がリンクされているオブジェクト上に存在すると判定された場合、前記ポインタの形状を、前記オブジェクトに関連情報がリンクされていることを示す予め定めたポインタの形状に変更することを特徴とする請求項1に記載のリンク機能付動画再生装置。
【請求項4】
前記リンク情報メタデータには、2つのオブジェクトからなるグループを識別するためのグループ識別情報に対応付けて、2つのオブジェクト識別情報を含むグループ内オブジェクト識別情報と、前記グループの関連情報のリンク先を示す第2のリンク先情報とをメタ情報としてさらに含み、
前記入力信号として、前記位置情報とともに選択の開始を示す選択開始情報を入力された段階で、前記位置情報に基づく前記再生画面内の位置を第1選択位置として特定するとともに、前記動画データの再生時間を第1再生時間として特定する第1選択位置特定手段と、
前記入力信号として、前記位置情報とともに選択の終了を示す選択終了情報を入力された段階で、前記位置情報に基づく前記再生画面内の位置を第2選択位置として特定するとともに、前記動画データの再生時間を第2再生時間として特定する第2選択位置特定手段と、
前記リンク情報メタデータの各メタ情報において、前記第1再生時間が前記時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、前記第1選択位置が前記領域情報で示される範囲に含まれている第1のオブジェクト識別情報と、前記第2再生時間が前記時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、前記第2選択位置が前記領域情報で示される範囲に含まれている第2のオブジェクト識別情報とを含むグループを探索するグループオブジェクト探索手段と、をさらに備え、
前記グループが探索された場合に、前記リンク先情報抽出手段は、前記リンク先情報に替えて、前記リンク情報メタデータから、前記グループに対応する前記第2のリンク先情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載のリンク機能付動画再生装置。
【請求項5】
前記リンク情報メタデータには、複数のオブジェクトからなるグループを識別するためのグループ識別情報に対応付けて、複数のオブジェクト識別情報を含むグループ内オブジェクト識別情報と、前記グループの関連情報のリンク先を示す第2のリンク先情報とをメタ情報としてさらに含み、
前記入力信号として、前記位置情報とともに選択の開始を示す選択開始情報を入力された段階で、前記位置情報に基づく前記再生画面内の位置を第1選択位置として特定するとともに、前記動画データの再生時間を第1再生時間として特定する第1選択位置特定手段と、
前記入力信号として、前記位置情報とともに選択の終了を示す選択終了情報を入力された段階で、前記位置情報に基づく前記再生画面内の位置を第2選択位置として特定するとともに、前記動画データの再生時間を第2再生時間として特定する第2選択位置特定手段と、
前記リンク情報メタデータの各メタ情報において、前記時間情報で示される時間区間が、前記第1再生時間と前記第2再生時間との時間区間と重複し、かつ、前記領域情報で示される範囲が、前記第1選択位置と前記第2選択位置とで特定される矩形領域と重複する複数のオブジェクト識別情報をグループとして探索するグループオブジェクト探索手段と、をさらに備え、
前記グループが探索された場合に、前記リンク先情報抽出手段は、前記リンク先情報に替えて、前記リンク情報メタデータから、前記グループに対応する前記第2のリンク先情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載のリンク機能付動画再生装置。
【請求項6】
動画データ内のオブジェクトを識別するためのオブジェクト識別情報に対応付けて、前記動画データ内で前記オブジェクトが出現する時間区間を示す時間情報と、前記時間区間において当該動画データの再生画面内における前記オブジェクトの領域を示す領域情報と、前記オブジェクトの関連情報のリンク先を示すリンク先情報とをメタ情報として含んだリンク情報メタデータに基づいて、前記動画データの再生時に、位置入力装置を介して前記オブジェクトが選択されることで、当該オブジェクトの関連情報を提示するために、コンピュータを、
前記動画データを再生する動画再生手段、
前記位置入力装置を介して画面上の位置を示す位置情報と当該位置が選択されたことを示す選択指示情報とが入力信号として入力された段階で、当該位置を選択位置として特定する選択位置特定手段、
前記リンク情報メタデータの各メタ情報において、前記動画データの再生時間が前記時間情報で示される時間区間に含まれ、かつ、前記選択位置が前記領域情報で示される範囲に含まれているオブジェクトを探索するオブジェクト探索手段、
前記リンク情報メタデータから、前記オブジェクト探索手段で探索されたオブジェクトに対応するリンク先情報を抽出するリンク先情報抽出手段、
このリンク先情報抽出手段で抽出されたリンク先情報で示されるリンク先から前記関連情報を取得して提示する関連情報提示手段、
として機能させることを特徴とするリンク機能付動画再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−259184(P2011−259184A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131571(P2010−131571)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】