リンパ管を介した神経性刺激のためのシステム
埋め込み型神経性刺激システムは、神経性刺激回路と、1つ以上の刺激電極が、患者の胸管および/または胸管から分岐する管等の、患者の1つ以上のリンパ管に配置されることを可能にするように構成される、少なくとも1つの埋め込み型リード線とを有する、埋め込み型医療機器を含む。神経性刺激パルスは、1つ以上の刺激電極を通して、埋め込み型医療機器から胸管または胸管から分岐する管に隣接する1つ以上の標的領域に送達される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
参照することにより本願に組み込まれる、2006年6月6日に出願された米国特許出願第11/422,421号の優先権の利益をここで主張する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体において参照することにより本願に組み込まれる、同時係属で同一出願人による、2006年6月6日出願の「METHOD AND APPARATUS FOR LYMPHATIC SYSTEM PACING AND SENSING」と題された米国特許出願第11/422,423号、2006年6月6日出願の「METHOD AND APPARATUS FOR GASTROINTESTINAL STIMULATION VIA THE LYMPHATIC SYSTEM」と題された米国特許出願第11/422,418号、2006年6月6日出願の「METHOD AND DEVICE FOR LYMPHATIC SYSTEM MONITORING」と題された米国特許出願第11/422,417号、および2006年6月6日出願の「METHOD AND DEVICE FOR ENDO−LYMPHATIC STIMULATION」と題された米国特許出願第11/422,414号に関連している。
【0003】
(技術分野)
本書は、概して、医療機器に関し、具体的には、1つ以上のリンパ管を介して神経性刺激を送達する、埋め込み型システムに関する。
【背景技術】
【0004】
(背景)
神経性刺激は、様々な病態を治療するように印加されている。神経への電気刺激パルスの制御された送達は、その神経の活動を生成、変調、または抑制することにより、その神経の機能を修復し、および/またはその神経によって神経支配される組織または臓器の機能を調節する。神経性刺激の1つの具体例は、自律神経系の各部に電気刺激パルスを送達することによって、心臓機能および血行動態の性能を調節することである。心臓は、交感神経および副交感神経によって神経支配されている。人工的に印加した電気刺激を含む、これらの神経における活動は、心臓機能および血行動態の性能を変調する。副交感神経の直接電気刺激は、交感神経活動の低減を含み、かつ血管抵抗を減少させることによって血圧を低下させる、圧反射を活性化することが可能である。交感神経抑制、ならびに交感神経活性化は、おそらく急性虚血心筋の側副かん流を増加させ、かつ心筋障害を減少させることによって、心筋梗塞後の不整脈の脆弱性の低減と関連付けられている。神経性刺激による交感神経および副交感神経系の変調は、心筋梗塞後に心筋がさらに再形成し、致命的な不整脈になりやすくなるのを防ぐ等の、肯定的な臨床的有益性を有することが示されている。
【0005】
埋め込み型医療システムは、神経性刺激を送達するために使用される。典型的な埋め込み型神経性刺激システムは、複数の刺激電極を通して電気刺激パルスを送達する埋め込み型神経刺激装置を含む。刺激される神経の場所に応じて、刺激電極は、埋め込み型神経刺激装置に組み込んでもよく、および/または1つ以上の埋め込み型リード線を使用して、埋め込み型神経刺激装置に接続してもよい。実践において、所望の刺激部位は、解剖学的構造がある場所でなくてもよく、埋め込み型神経刺激装置の容易な埋め込み、またはリード線による容易なアクセスを可能にする。埋め込み手順と関連する危険度は、侵襲性の程度とともに増加する。したがって、所望の刺激部位を考えると、その刺激部位に神経性刺激パルスを送達するシステムを埋め込む侵襲性を最小限化する必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要旨)
埋め込み型神経性刺激システムは、神経性刺激回路と、1つ以上の刺激電極が、患者の胸管および/または胸管から分岐する管等の、患者の1つ以上のリンパ管に配置されることを可能にするように構成される、少なくとも1つの埋め込み型リード線とを有する、埋め込み型医療機器を含む。神経性刺激パルスは、1つ以上の刺激電極を通して、埋め込み型医療機器から胸管または胸管から分岐する管に隣接する1つ以上の標的領域に送達される。
【0007】
一実施形態では、神経性刺激システムは、電極集合体と、埋め込み型医療機器とを含む。電極集合体は、リンパ管に埋め込まれるように構成される電極基盤と、電極基盤上の刺激電極とを含む。電極基盤は、リンパ管の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、神経性刺激パルスが送達される標的領域に接触し、電極集合体の埋め込みの後に、リンパ管の一部分と標的領域との間の接触を維持するように構成される。埋め込み型医療機器は、刺激電極を通して神経性刺激パルスを送達する神経性刺激回路を含む。
【0008】
一実施形態では、神経性刺激を送達するための方法が提供される。神経性刺激パルスは、埋め込み型医療機器から、リンパ管に配置される少なくとも1つの刺激電極に送達される。
【0009】
本開示は、本出願の教示の一部の概説であり、本主題の排他的または包括的治療となることを目的としない。本主題についてのさらなる詳細は、発明を実施するための最良の形態および添付の請求項にある。次の発明を実施するための最良の形態を読んで理解し、その一部を形成する図面を見ると、本発明の他の側面が当業者にとって明白となるであろう。本発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの法的同等物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、概して、一例として、本書で論じられる様々な実施形態を図示する。図面は、例示的目的にすぎず、一定の縮尺ではない場合がある。
【図1】図1は、神経性刺激システムの実施形態、および神経性刺激システムが使用される環境の各部の図解である。
【図2】図2は、神経性刺激システムの別の実施形態、および神経性刺激システムが使用される環境の各部の図解である。
【図3】図3は、神経性刺激システムの埋め込み型医療機器の実施形態を図示するブロック図である。
【図4】図4は、埋め込み型医療機器の具体的実施形態を図示するブロック図である。
【図5】図5は、埋め込み型医療機器の別の具体的実施形態を図示するブロック図である。
【図6】図6は、神経性刺激システムの外部システムの実施形態を図示するブロック図である。
【図7】図7は、患者管理システムである外部システムの実施形態を図示するブロック図である。
【図8】図8は、胸管を介して神経性刺激を送達するための方法を図示するフローチャートである。
【図9】図9は、リンパ管および神経性刺激に対する標的領域の図解である。
【図10】図10は、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための電極集合体の実施形態の図解である。
【図11】図11は、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための別の電極集合体の実施形態の図解である。
【図12】図12は、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための別の電極集合体の実施形態の図解である。
【図13】図13は、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための別の電極集合体の実施形態の図解である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
次の発明を実施するための最良の形態では、これに関して一部を形成する添付図面を参照し、図中、例証として、本発明を実践することができる具体的実施形態を示す。当業者が本発明を実践することが可能となるように、これらの実施形態は十分に詳細に説明され、実施形態を組み合わせてもよく、または他の実施形態を利用してもよく、かつ本発明の精神および範囲を逸脱しない限り、構造的、理論的、および電気的な変更を行ってもよいことが理解される。本開示における「1つの」または「様々な」実施形態への言及は、必ずしも同じ実施形態を指さず、そのような言及は、2つ以上の実施形態を検討する。次の発明を実施するための最良の形態は、例を提供し、本発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの法的同等物によって定義される。
【0012】
本書は、患者の胸管等のリンパ管に配置される、少なくとも1つの刺激送達装置を通して、神経性刺激を送達する埋め込み型医療機器を含む、埋め込み型神経性刺激システムについて論議する。一実施形態では、埋め込み型神経性刺激システムは、1つ以上の刺激電極がリンパ管に配置されることを可能にするようにリンパ管の一部分への挿入に対して構成される、経腔的リード線を含む。埋め込み型医療機器は、電気パルスを生成する神経性刺激回路を含む。電気パルスは、リンパ管に配置される1つ以上の刺激電極を通して、リンパ管に隣接する1つ以上の標的領域に送達される。本書では、そのようなリンパ管の例として胸管が具体的に論じられるが、神経性刺激パルスは、胸管、胸管から分岐するリンパ管、右リンパ本幹、および右リンパ本幹から分岐するリンパ管を含むが、それらに限定されない、いずれか1つ以上のリンパ管を通して送達される。
【0013】
本書では、例として電気刺激が具体的に論じられるが、本主題は、胸管等のリンパ管を介して神経系の1つ以上の構成要素を刺激することが可能である、任意の形式のエネルギーを使用する、神経刺激を含む。様々な実施形態では、リンパ管に配置される刺激送達装置は、神経刺激を生成または受信し、次いでそれはリンパ管を介して1つ以上の神経性刺激部位に送達される。神経刺激は、電気、磁気、電磁気、熱、および/または音響(超音波を含む)エネルギー等の、神経反応を誘出することが可能である、1つ以上の形式のエネルギーである。
【0014】
図1は、神経性刺激システム100の実施形態、およびシステム100が使用される環境の各部の図解である。システム100は、埋め込み型医療機器110、リード線112、外部システム130、および埋め込み型医療機器110と外部システム130との間の通信を提供する遠隔測定リンク125を含む。
【0015】
システム100は、患者の身体101のリンパ系の一部分である胸管105に配置される、少なくとも1つの電極を通して、神経性刺激パルスを送達する。リンパ系は、リンパ組織、リンパ節、およびリンパ管を含む。間質液は、組織から吸収され、リンパ節に浸透され、リンパ管に流し込まれる。図1は、胸管105の各部、鎖骨下静脈102、左外頸静脈104、左内頸静脈103、および上大静脈106を図示する。胸管105は、鎖骨下静脈102および左内頸静脈103の接合点において静脈系に接続する。下半身からの液(リンパ液)は、胸管105へと流れ、胸管105から鎖骨下静脈102に流れ込む。胸管105は、心臓と、迷走神経、交感神経、および横隔神経を含む神経系の様々な部分とに隣接する、身体101の後縦隔領域に位置する。そのような神経の電気刺激は、胸管105内に配置される1つ以上の刺激電極を使用することによって、送達される。胸管105は、そこから身体101の神経系の標的領域に電気刺激を送達することが可能である場所へと1つ以上の刺激電極を前進させるための、導管として使用される。神経性刺激のための電極配置のプロセスの方法には、多くの状況において埋め込み手順の侵襲性を低減する可能性がある。
【0016】
埋め込み型医療機器110は、電気パルスである神経性刺激パルスを生成し、リード線112を通して神経性刺激パルスを送達する。一実施形態では、埋め込み型医療機器110はまた、少なくともリード線112を使用して、神経活動を感知する。様々な実施形態では、埋め込み型医療機器110は、その他の生理学的信号を感知すること、および/または神経性刺激に加えて治療を送達することが可能である。そのような追加治療の例は、心臓ペーシング療法、電気的除細動/除細動療法、心臓再同期療法(CRT)、心臓リモデリング制御療法(RCT)、薬物療法、細胞療法、および遺伝子療法を含む。様々な実施形態では、埋め込み型医療機器110は、1つ以上のそのような追加治療と連携して神経性刺激を送達する。一実施形態では、リード線112に加えて、システム100は、心臓にペーシングおよび/または除細動パルスを送達するための、1つ以上の心内膜および/または心外膜リード線を含む。
【0017】
リード線112は、近位端114、遠位端116、および近位端114と遠位端116との間の細長いリード線本体118を含む、埋め込み型神経性刺激リード線である。近位端114は、埋め込み型医療機器110に連結される。遠位端116は、身体101の神経系の標的領域に神経性刺激パルスを送達するための、少なくとも1つの刺激電極を含む。一実施形態では、図1に図示されるように、遠位端116は、刺激電極120および122を含む。様々な他の実施形態では、遠位端116は、1つの刺激電極、または3つ以上の多い刺激電極を含む。一実施形態では、基準電極が埋め込み型医療機器110に組み込まれる。具体的実施形態では、埋め込み型医療機器110は、基準電極の役割を果たす、密封された導電性筐体を含む。神経性刺激パルスは、(i)遠位端116の2つの刺激電極(電極120または122)、または(ii)遠位端116の刺激電極(電極120または122)および埋め込み型医療機器110上の基準電極を使用して、送達される。様々な実施形態では、1つ以上の神経信号を感知するために、刺激電極のうちの1つ以上も使用される。細長いリード線本体118の遠位部(遠位端116に連結される細長いリード線本体118の大部分)は、遠位端116が胸管105に配置されるように、鎖骨下静脈102および胸管105中の配置に対して構成される。リード線112の埋め込みの間、遠位端116は、切開を通して鎖骨下静脈102に挿入され、胸管105に向かって鎖骨下静脈102中で前進させられ、鎖骨下静脈102から胸管105に挿入され、胸管105中の所定の場所に到達するまで胸管105中で前進させられる。一実施形態では、遠位端116の位置は、試験神経性刺激パルスを送達し、かつ誘発神経信号および/またはその他の生理学的反応を検出することによって、調整される。一実施形態では、リード線112は、胸管105中の決定された位置において遠位端116を安定化するように構成される、固定機構を含む。埋め込み型医療機器110は、近位端114に接続され、皮下に埋め込まれる。リンパ系にアクセスするための方法および装置の一例は、その全体において参照することにより本願に組み込まれる、Cardiac Pacemakers, Inc.に譲渡された2006年6月6日出願の「METHOD AND APPARATUS FOR LYMPHATIC SYSTEM PACING AND SENSING」と題された、米国特許出願第11/422,423号で論じられている。電極構造および配置の具体例はまた、図9〜12を参照して、下記で詳細に論じる。
【0018】
一実施形態では、リード線112は、胃分岐等の胸管105から分岐するリンパ管の中に遠位端116をさらに前進させることが可能となるように、構成されるため、刺激電極は、所望の標的領域に近接近して配置することが可能である。遠位端116は、胸管105に挿入された後、胸管105および分岐リンパ管の接合部へと前進させられ、分岐リンパ管に挿入される。胸管における少なくとも1つの刺激電極の配置は、標的領域へのアクセスを提供する例として具体的に論じられるが、本主題は概して、リンパ管を介して刺激部位に1つ以上の刺激電極等の1つ以上の刺激装置を導入するステップを含む。様々な実施形態では、神経性刺激パルスは、リンパ管に配置される1つ以上の刺激電極、および/またはリンパ管から分岐する別のリンパ管を含むリンパ管を通してアクセス可能な構造に配置される1つ以上の刺激電極を通して、送達される。
【0019】
一実施形態では、システム100は、胸管105に配置されるように配設される1つ以上の刺激電極をそれぞれ含む、2つ以上のリード線を含む。別の実施形態では、リード線は、2つ以上の標的領域に独立して制御可能な神経性刺激パルスを送達するために配設される、複数の電極を含む。
【0020】
外部システム130は、埋め込み型医療機器110と通信し、医師または他の介護人による埋め込み型医療機器110へのアクセスを提供する。一実施形態では、外部システム130は、プログラマを含む。別の実施形態では、外部システム130は、遠隔測定リンク125を介して埋め込み型医療機器110と通信する外部装置、比較的遠い場所における遠隔装置、および外部装置と遠隔装置とを結び付ける電気通信ネットワークを含む、患者管理システムである。患者管理システムは、患者の状態の監視および治療の調整等の目的で、遠隔場所から埋め込み型医療機器110へのアクセスを可能にする。一実施形態では、遠隔測定リンク125は、誘導性遠隔測定リンクである。別の実施形態では、遠隔測定リンク125は、遠方界無線周波(RF)遠隔測定リンクである。遠隔測定リンク125は、埋め込み型医療機器110から外部システム130へのデータ伝送を提供する。このことは、例えば、埋め込み型医療機器110によって取得されるリアルタイム生理学的データを伝送するステップ、埋め込み型医療機器110によって取得され、それに保存される生理学的データを抽出するステップ、埋め込み型医療機器110に記録される、所定の種類の病理学的事象の発生および治療送達等の患者病歴データを抽出するステップ、および/または埋め込み型医療機器110の動作状態(例えば、バッテリ状態およびリード線インピーダンス)を示すデータを抽出するステップを含む。遠隔測定リンク125はまた、外部システム130から埋め込み型医療機器110へのデータ伝送も提供する。このことは、例えば、生理学的データを取得するように埋め込み型医療機器110をプログラムするステップ、少なくとも1つの自己診断試験(装置の動作状態について等)を行うように埋め込み型医療機器110をプログラムするステップ、および/または1つ以上の治療を送達する、および/または1つ以上の治療の送達を調整するように埋め込み型医療機器110をプログラムするステップを含む。
【0021】
図2は、神経性刺激システム200の実施形態、およびシステム200が使用される環境の各部の図解である。システム200は、神経性刺激システム100の構成要素およびリード線を含む。つまり、神経性刺激システム200は、埋め込み型医療機器110、リード線112および232、外部システム130、ならびに遠隔測定リンク125を含む。
【0022】
リード線232は、近位端234、遠位端236、および近位端234と遠位端236との間の細長いリード線本体238を含む、埋め込み型神経性刺激リード線である。近位端234は、埋め込み型医療機器110に連結される。遠位端236は、少なくとも1つの電極を含む。一実施形態では、図2に図示されるように、リード線232は、遠位端236において電極240を含む。別の実施形態では、リード線232は、複数の刺激電極を含む。一実施形態では、リード線232は、胸管105外部の皮下配置に対して構成される。一実施形態では、電極240は、基準電極として使用される。
【0023】
リード線232は、埋め込み型医療機器110から神経性刺激パルスを送達することが可能である標的領域の範囲を拡張する。様々な実施形態では、神経性刺激パルスは、(i)遠位端116の2つの刺激電極(電極120および122)、(ii)遠位端116の刺激電極(電極120または122)および電極240(基準電極として)、または(iii)遠位端116の刺激電極(電極120または122)および埋め込み型医療機器110上の基準電極を含む、システム200の任意の一対の電極を通して送達される。一実施形態では、遠位端116および236は、神経性刺激に対する標的構造が、遠位端116の刺激電極(電極120または122)と基準電極(電極240、または埋め込み型医療機器110上の基準電極)とのほぼ間にあるように、位置付けられる。例えば、標的構造は、身体101の脊髄の一部分である。
【0024】
図3は、埋め込み型医療機器110の具体的実施形態である、埋め込み型医療機器310の実施形態を図示するブロック図である。埋め込み型医療機器310は、神経性刺激回路346および埋め込み制御回路348を含む。神経性刺激回路346は、それを通して神経性刺激パルスが神経系中の標的領域に送達される、一対の刺激電極342および344に神経性刺激パルスを送達する。刺激電極342および344のうちの少なくとも1つは、胸管105に配置される。埋め込み制御回路348は、神経性刺激回路346からの神経性刺激パルスの送達を制御する。
【0025】
一実施形態では、刺激電極342および344は両方とも、電極120および122のように、胸管105中にあり、標的領域に隣接する。別の実施形態では、刺激電極342は、電極120または122のように、胸管105中にあり、標的領域に隣接し、刺激電極344は、電極240または埋め込み型医療機器310上の基準電極のように、胸管105外部にある。一実施形態では、標的領域は、刺激電極342および344のほぼ間にある。
【0026】
様々な実施形態では、標的領域は、後縦隔領域または腹部領域中の胸管に隣接している神経系の1つ以上の構成要素を含む。標的領域の例は、交感神経、副交感神経(迷走神経を含む)、横隔神経、脊髄、脳幹、腎神経、および頸動脈ならびに大動脈中の圧受容器を含む。一実施形態では、心臓機能は、交感神経興奮、交感神経抑制、副交感神経興奮、および副交感神経抑制のうちの1つ以上を含む神経性刺激を印加することによって、調節される。交感神経および副交感神経の両方に興奮刺激ならびに抑制刺激を提供することが可能なシステムの一例は、その全体において参照することにより本願に組み込まれる、Cardiac Pacemakers,Inc.に譲渡された2005年5月9日出願の「METHOD AND APPARATUS FOR CONTROLLING AUTONOMIC BALANCE USING NEURAL STIMULATION」と題された米国特許出願第11/124,791号で論じられている。
【0027】
図解の目的で、図3は、一対の刺激電極342および344を示す。様々な実施形態では、神経性刺激回路346は、複数の刺激電極から選択される1組以上の刺激電極を通して神経性刺激パルスを送達する。一実施形態では、神経性刺激回路346は、一対の刺激電極を通して神経性刺激パルスをそれぞれ送達する、2つ以上の刺激出力チャネルを含む。別の実施形態では、複数の刺激電極がある電極アレイは胸管に配置され、各刺激電極に関連する刺激の生理学的効果を試験することによって、神経性刺激パルスを送達するために1つ以上の刺激電極が選択される。
【0028】
図4は、埋め込み型医療機器110の別の具体的実施形態である、埋め込み型医療機器410の実施形態を図示するブロック図である。埋め込み型医療機器410は、神経性刺激回路346、感知回路452、埋め込み制御回路448、および埋め込み遠隔測定回路458を含む。1つ以上の生理学的センサ450は、埋め込み型医療機器410内に収納され、埋め込み型医療機器410に組み込まれ、および/またはリード線を使用して埋め込み型医療機器410に接続される。
【0029】
生理学的センサ450は、刺激される神経系の構成要素によって調節される神経機能および/または生理学的機能を示す1つ以上の生理学的信号を感知する。感知回路452は、1つ以上の生理学的信号を処理し、神経性刺激を開始、停止、または調整する必要性を示す信号を生成する。そのような生理学的信号の例は、心拍数、心拍変動(HRV)、および血圧を示す信号を含む。一実施形態では、生理学的センサ450は、感知電極として利用される、刺激電極342および344のうちの一方または両方を含む。
【0030】
埋め込み制御回路448は、埋め込み制御回路348の具体的実施形態であり、複数の刺激パラメータを使用して、神経性刺激回路346からの神経性刺激パルスの送達を制御する。埋め込み制御回路448は、パラメータ保存回路454およびパラメータ受信機456を含む。パラメータ保存回路454は、複数の刺激パラメータの値を保存する。そのような刺激パラメータの例は、パルス振幅、パルス幅、およびパルス周波数(パルス間隔)を含む。複数の刺激パラメータの値は、調整可能である。パラメータ受信機456は、複数の刺激パラメータの値を受信し、受信した値でパラメータ保存回路454を更新する。一実施形態では、埋め込み制御回路448は、生理学的センサ450によって感知される1つ以上の生理学的信号を使用して、神経性刺激回路346からの神経性刺激パルスの送達を制御する。様々な実施形態では、それぞれの感知した生理学的信号は、神経性刺激を開始または停止する誘起信号、神経性刺激を開始、停止、または強度を調整する安全保障信号、および閉ループ神経性刺激を提供するフィードバック信号のうちの1つ以上として使用される。
【0031】
埋め込み遠隔測定回路458は、遠隔測定リンク125を介してデータを送受信する。一実施形態では、複数の刺激パラメータの値は、外部でプログラム可能であり、プログラムした値は、遠隔測定リンク125を通して外部システム130から受信される。
【0032】
図5は、埋め込み型医療機器410の具体的実施形態である、埋め込み型医療機器510を図示するブロック図である。埋め込み型医療機器510は、神経性刺激回路346、神経感知回路552、埋め込み制御回路548、および埋め込み遠隔測定回路458を含む。
【0033】
神経感知回路552は、感知回路452の具体的実施形態であり、生理学的センサ450の具体的実施形態を表す神経感知電極562および564を使用して感知される、神経信号を処理する。一実施形態では、神経感知回路552は、追加神経感知電極を使用して感知される、2つ以上の神経信号を処理する。一実施形態では、神経信号は、神経性刺激パルスが送達される同じ部位から感知され、刺激電極342および344は、神経感知電極562および564として使用される。言い換えれば、刺激電極342および344、ならびに神経感知電極562および564は、物理的に同じ一対の電極である。別の実施形態では、神経信号は、神経性刺激パルスが送達される部位とは異なる部位から感知される。刺激電極342および344のうちの少なくとも1つは、神経感知電極562および564のいずれかとして使用されない。
【0034】
埋め込み制御回路548は、埋め込み制御回路448の具体的実施形態であり、閉ループ制御器560、パラメータ保存回路454、およびパラメータ受信機456を含む。埋め込み制御回路548は、複数の刺激パラメータおよび感知し処理した神経信号を使用して、神経性刺激回路346からの神経性刺激パルスの送達を制御する。閉ループ制御器560は、フィードバック制御に対する入力として、感知し処理した神経信号を使用して、神経性刺激パルスの送達を制御する。閉ループ神経性刺激の例は、その全体において参照することにより本願に組み込まれる、Cardiac Pacemakers,Inc.に譲渡された2005年11月16日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR CLOSED−LOOP NEURAL STIMULATION」と題された米国特許出願第11/280,940号で論じられている。
【0035】
図6は、外部システム130の具体的実施形態である、外部システム630の実施形態を図示するブロック図である。外部システム630は、外部遠隔測定回路670、外部制御器672、およびユーザインターフェース674を含む。外部遠隔測定回路670は、遠隔測定リンク125を介してデータを送受信する。外部制御器672は、外部システム630の動作を制御する。ユーザインターフェース674は、医師または他の介護人等のユーザが、外部システム630を介して埋め込み型医療機器110と通信することを可能にする。ユーザインターフェース674は、提示装置676およびユーザ入力装置678を含む。ユーザ入力装置678は、複数の刺激パラメータの値のプログラミングを可能にする。一実施形態では、提示装置676およびユーザ入力装置678は、一体化または部分的に一体化されて、埋め込み型医療機器110のプログラミングを可能にする対話型画面を含む。
【0036】
一実施形態では、外部システム630は、プログラマを含む。別の実施形態では、外部システム630は、図7を参照して下記で論じられるような患者管理システムを含む。
【0037】
図7は、外部システム630の具体的実施形態である、外部システム730の実施形態を図示するブロック図である。図7に図示されるように、外部システム730は、外部装置780、電気通信ネットワーク782、および遠隔装置784を含む、患者管理システムである。外部装置780は、埋め込み型医療機器110の付近に配置され、外部遠隔測定システム670を含んで、遠隔測定リンク125を介して埋め込み型医療機器と通信する。遠隔装置784は、遠隔場所にあり、ネットワーク782を通して外部装置780と通信する。遠隔装置784は、ユーザインターフェース674を含んで、医師または他の介護人が、遠隔場所から患者を監視および治療することを可能にし、および/または遠隔場所からの様々な治療リソースへのアクセスを可能にする。
【0038】
図8は、胸管を介して神経性刺激を送達するための方法を図示するフローチャートである。一実施形態では、方法は、上記の構成要素の様々な実施形態を含む、システム100またはシステム200を使用して行われる。
【0039】
神経性刺激リード線は、800において患者のリンパ管に挿入される。一実施形態では、このリンパ管は、胸管である。神経性刺激リード線は、埋め込み型医療機器への接続に対して構成される近位端、および1つ以上の刺激電極を含む遠位端を有する埋め込み型経腔的リード線である。刺激電極を介して神経性刺激パルスを送達することが可能となるように、神経性刺激リード線を胸管に挿入するために、鎖骨下静脈および胸管の入口部の接合部から上流にある、鎖骨下静脈上に開口部が作られる。神経性刺激リード線の遠位端は、開口部を通して鎖骨下静脈に挿入され、鎖骨下静脈および胸管の入口部の接合部に向かって、下流に前進させられる。次いで、神経性刺激リード線は、胸管の中に誘導され、神経性刺激パルスが送達される標的によって決定される領域に遠位端が到達するまで、胸管中で前進させられる。標的領域の例は、交感神経、迷走神経を含む副交感神経、横隔神経、腎神経、脊髄、脳幹、および頸動脈および大動脈中の圧受容器等の、胸管に隣接する縦隔または腹部領域中の神経系の任意の神経または他の構成要素を含む。一実施形態では、所望の標的領域にさらに接近するために、神経性刺激リード線の遠位端は、胸管から分岐するリンパ管の中に誘導される。
【0040】
神経性刺激リード線の刺激電極は、810において、胸管または胸管から分岐するリンパ管に位置付けられる。一実施形態では、神経性刺激リード線の遠位端が標的によって決定される領域に到達すると、試験神経性刺激パルスが送達される。遠位端は、誘発神経信号および/またはその他の予期された生理学的効果等の刺激への満足のいく反応を検出することによって識別される位置に到達するまで、胸管または胸管から分岐するリンパ管中で移動される。次いで、刺激電極がある遠位端は、その位置で安定化される。別の実施形態では、神経性刺激リード線は、複数の刺激電極を含む。神経性刺激リード線が挿入された後、試験神経性刺激パルスは、異なる刺激電極、または刺激電極の異なる組み合わせに、1つずつ送達される。刺激電極または刺激電極の組み合わせは、誘発神経信号および/またはその他の予期された生理学的効果等の刺激への反応に基づいて、意図された治療に対して識別される。
【0041】
1つ以上の生理学的信号は、820において感知される。一実施形態では、少なくとも1つの生理学的信号が感知されて、神経性刺激の送達を開始、停止、または調整する必要性を示す。別の実施形態では、少なくとも1つの生理学的信号は、神経性刺激以外の監視、診断、および/または治療目的で感知される。一実施形態では、1つ以上の神経信号が感知される。具体的実施形態では、神経信号は、神経性刺激が送達される神経から感知される。別の実施形態では、刺激した神経によって調節される生理学的機能をそれぞれ示す、1つ以上の信号が感知される。
【0042】
神経性刺激パルスは、830において、胸管または胸管から分岐するリンパ管等のリンパ管に位置付けられる刺激電極を使用して送達される。一実施形態では、神経性刺激パルスは、胸管または胸管から分岐するリンパ管に位置付けられる2つの刺激電極を通して送達される。別の実施形態では、神経性刺激パルスは、胸管または胸管から分岐するリンパ管に位置付けられる刺激電極、およびリンパ管外部の体内の場所に位置付けられる別の刺激電極を使用して送達される。具体的実施形態では、神経性刺激パルスは、一対の刺激電極のほぼ間にある神経系の一部分に送達される。神経性刺激パルスの送達は、複数の刺激パラメータを使用して制御される。刺激パラメータの例は、パルス振幅、パルス幅、およびパルス周波数(パルス間隔)を含む。これらの刺激パラメータは、調整可能である。一実施形態では、医師または他の介護人等のユーザは、複数の刺激パラメータの1つ以上の値をプログラムする。一実施形態では、神経性刺激パルスの送達はまた、1つ以上の神経信号を含む、1つ以上の生理学的信号を使用して制御される。
【0043】
神経性刺激パルスは、胸管または胸管から分岐するリンパ管を介して送達され、胸管または胸管から分岐するリンパ管に隣接している神経系の神経またはその他の構成要素によって調節される生理学的機能とそれぞれ関連する、1つ以上の臨床症状を治療する。そのような臨床症状の例は、呼吸器疾患、異常血圧、心不整脈、心筋梗塞または虚血性障害(狭心症)、心不全、てんかん、うつ病、腎障害、疼痛、片頭痛、肥満、運動障害、および失禁を含む。治療の具体例は、(i)圧受容器刺激による高血圧の治療、(ii)交感神経抑制または迷走神経興奮による心不全の治療、(iii)交感神経抑制または迷走神経興奮による心筋梗塞後再形成の制御、(iv)神経活性化または遮断による慢性疼痛の緩和、(v)脊髄刺激による、難治性狭心症および末梢血管障害(PVD)を含む血管痛の治療、(vi)脊髄刺激による、脊椎手術失敗症候群(FBSS)、変性腰下肢痛(LBLP)、神経根病変、不完全脊椎病変、および脊髄狭窄を含む脊柱痛の治療、(vii)脊髄刺激による1型または2型慢性局所疼痛症候群(CRPS)の治療、および(viii)脊髄刺激による会陰部痛および泌尿器疾患の治療、ならびに腹側脊髄刺激による脊髄損傷後の起立および歩行等の下肢運動機能の修復を含む。
【0044】
図9〜13は、一例として、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための電極集合体の様々な実施形態を図示する。電極集合体は、1つ以上の電極基盤を含む。1つ以上の刺激電極は、1つ以上の電極基盤のそれぞれに組み込まれる、および/または一体化される。一実施形態では、1つ以上の電極基盤はそれぞれ、リード線112等のリード線の一部として形成される。一具体的実施形態では、電極基盤は、リード線112の遠位端116に形成され、刺激電極120および122は、その電極基盤上にある。別の具体的実施形態では、1つ以上の電極基盤は、リード線112の細長いリード線本体118中に形成される。別の実施形態では、電極基盤は、遠位端116およびリード線112の細長いリード線本体118において形成され、複数の標的領域に神経性刺激パルスの送達を提供する。
【0045】
図9は、それらの自然状態における、リンパ管905および標的領域907の図解である。標的領域907は、神経性刺激パルスが送達される、神経系中の領域である。図9に図示されるように、リンパ管905および標的領域907は、それらの自然状態において、互いと直接接触しておらず、または常に直接接触しているわけではない。図10〜13に図示される電極集合体はそれぞれ、リンパ管905の自然な経路を実質的に変更することによって、リンパ管905と標的領域907との間の略一定直接接触を引き起こし、維持する。そのような略一定直接接触は、リンパ管905中の1つ以上の電極から標的領域907への神経性刺激パルスの信頼性のある送達を可能にする。様々な実施形態では、リンパ管905は、胸管、胸管から分岐する管、または神経性刺激パルスの送達のための1つ以上の電極の配置に適した任意のリンパ管のうちの1つを表す。
【0046】
図10は、リンパ管905に埋め込まれるように構成される電極基盤1021、および電極基盤1021上の刺激電極1020を含む、電極集合体の実施形態の図解である。電極基盤1021は、細長い形状を有し、リンパ管905の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、標的領域907に接触するように構成されるバイアスを含む。バイアスはまた、標的領域907に神経性刺激パルスを送達するために、電極1020が、リンパ管905の内壁と接触することを可能にする。電極基盤1021には、リンパ管905中で刺激電極1020の位置を安定化すること、および埋め込みの後にリンパ管905の一部分と標的領域907との間の接触を維持することを可能にする、剛性がある。一実施形態では、電極基盤1021は、らせん型である。一実施形態では、電極基盤1021は、その期間にスタイレットまたはガイドワイヤを使用してもよい、埋め込み手順の後に、その予備成形形状に戻るように、形状記憶特性を有する細長い本体を含む。形状記憶特性は、ポリエーテルポリウレタン等の形状記憶高分子、または形状記憶金属を使用することによって、提供される。一実施形態では、電極集合体は、リード線112等のリード線を介して、埋め込み型医療機器110に連結される。具体的実施形態では、電極基盤1021は、リード線112の遠位端116において形成され、刺激電極1020は、刺激電極120である。他の具体的実施形態では、2つ以上の刺激電極が、電極基盤1021に組み込まれる。
【0047】
図11は、リンパ管905に埋め込まれるように構成される電極基盤1121、および両方とも電極基盤1121上にある刺激電極1120および1122を含む、別の電極集合体の実施形態の図解である。電極基盤1121は、細長い形状を有し、リンパ管905の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、標的領域907に接触するように構成される、バイアスを含む。バイアスはまた、電極1120および1122のいずれか、または両方を使用して、標的領域907に神経性刺激パルスを送達するために、電極1120および1122が、リンパ管905の内壁と接触することを可能にする。電極基盤1121には、リンパ管905中で刺激電極1120および1122の位置を安定化すること、および埋め込みの後にリンパ管905の一部分と標的領域907との間の接触を維持することを可能にする、剛性がある。一実施形態では、電極基盤1121は、らせん型である。一実施形態では、電極基盤1121は、その期間にスタイレットまたはガイドワイヤを使用してもよい、埋め込み手順の後に、その予備成形形状に戻るように、形状記憶特性を有する細長い本体を含む。形状記憶特性は、ポリエーテルポリウレタン等の形状記憶高分子、または形状記憶金属を使用することによって、提供される。一実施形態では、電極集合体は、リード線112等のリード線を介して、埋め込み型医療機器110に連結される。具体的実施形態では、電極基盤1121は、リード線112の遠位端116において形成され、刺激電極1120および1122は、刺激電極120および122である。他の具体的実施形態では、1つの刺激電極、または3つ以上の刺激電極が、電極基盤1121に組み込まれる。
【0048】
図12は、刺激電極1120および1122がある電極基盤1121、ならびに刺激電極1220および1222がある別の電極基盤1221を含む、別の電極集合体の実施形態の図解である。電極基盤1121および1221は両方とも、リンパ管905に埋め込まれるように構成される。電極基盤1121は、細長い形状を有し、リンパ管905の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、標的領域907に接触するように構成される、バイアスを含む。バイアスはまた、電極1120および1122のいずれか、または両方を使用して、標的領域907に神経性刺激パルスを送達するために、電極1120および1122が、リンパ管905の内壁と接触することを可能にする。電極基盤1221は、細長い形状を有し、リンパ管905の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、標的領域907に接触するように構成される、バイアスを含む。バイアスはまた、電極1220および1222のいずれか、または両方を使用して、標的領域1207に神経性刺激パルスを送達するために、電極1220および1222が、リンパ管905の内壁と接触することを可能にする。電極基盤1121および1221にはそれぞれ、リンパ管905中で刺激電極の位置を安定化すること、および埋め込みの後にリンパ管905の一部分と標的領域907との間の接触を維持することを可能にする、剛性がある。一実施形態では、電極基盤1121および1221は、らせん型である。一実施形態では、電極基盤1121および1221はそれぞれ、その期間にスタイレットまたはガイドワイヤを使用してもよい、埋め込み手順の後に、その予備成形形状に戻るように、形状記憶特性を有する細長い本体を含む。形状記憶特性は、ポリエーテルポリウレタン等の形状記憶高分子、または形状記憶金属を使用することによって、提供される。一実施形態では、電極集合体は、リード線112等のリード線を介して、埋め込み型医療機器110に連結される。具体的実施形態では、電極基盤1121は、リード線112の遠位端116において形成され、刺激電極1120および1122は、刺激電極120および122であり、電極基盤1221は、リード線112の細長いリード線本体118中に形成される。他の具体的実施形態では、1つの刺激電極、または3つ以上の刺激電極が、電極基盤1121および1221のそれぞれに組み込まれる。
【0049】
図13は、電極基盤1321および刺激電極1320を含む、別の電極集合体の実施形態の図解である。電極基盤1321は、拡張可能である。拡張された後、電極基盤1321は、リンパ管905の一部分を実質的に拡張させて、標的領域907に接触する。電極基盤1321の拡張はまた、標的領域907に神経性刺激パルスを送達するために、電極1320がリンパ管905の内壁と安定して接触することを可能にする。一実施形態では、電極基盤1321は、リンパ管中で拡張されて管の開通性を維持する、ステントを含む。一実施形態では、刺激電極1320は、ステントに組み込まれる。別の実施形態では、ステントは金属でできており、刺激電極1320の役割を果たす。別の実施形態では、刺激電極1320は、ステントに統合されて、その構造の一部分となる。ステントはまた、リンパ管905中の刺激電極1320の位置を安定化し、リンパ液の流れの障害を防ぐ。一実施形態では、電極集合体は、リード線112等のリード線を介して、埋め込み型医療機器110に連結される。具体的実施形態では、ステントは、リード線112の遠位端116に組み込まれる。別の実施形態では、ステントは、リード線112の細長いリード線本体118に組み込まれる。別の実施形態では、2つ以上のステントが、細長いリード線本体118および/またはリード線112の遠位端116に組み込まれる。
【0050】
上記の発明を実施するための最良の形態は、限定的ではなく、例示的となることを目的とすることが理解される。上記の説明を読んで理解すると、その他の実施形態が当業者にとって明白となるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の請求項を参照して、そのような請求項が享受できる同等物の全範囲とともに、決定されるべきである。
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
参照することにより本願に組み込まれる、2006年6月6日に出願された米国特許出願第11/422,421号の優先権の利益をここで主張する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体において参照することにより本願に組み込まれる、同時係属で同一出願人による、2006年6月6日出願の「METHOD AND APPARATUS FOR LYMPHATIC SYSTEM PACING AND SENSING」と題された米国特許出願第11/422,423号、2006年6月6日出願の「METHOD AND APPARATUS FOR GASTROINTESTINAL STIMULATION VIA THE LYMPHATIC SYSTEM」と題された米国特許出願第11/422,418号、2006年6月6日出願の「METHOD AND DEVICE FOR LYMPHATIC SYSTEM MONITORING」と題された米国特許出願第11/422,417号、および2006年6月6日出願の「METHOD AND DEVICE FOR ENDO−LYMPHATIC STIMULATION」と題された米国特許出願第11/422,414号に関連している。
【0003】
(技術分野)
本書は、概して、医療機器に関し、具体的には、1つ以上のリンパ管を介して神経性刺激を送達する、埋め込み型システムに関する。
【背景技術】
【0004】
(背景)
神経性刺激は、様々な病態を治療するように印加されている。神経への電気刺激パルスの制御された送達は、その神経の活動を生成、変調、または抑制することにより、その神経の機能を修復し、および/またはその神経によって神経支配される組織または臓器の機能を調節する。神経性刺激の1つの具体例は、自律神経系の各部に電気刺激パルスを送達することによって、心臓機能および血行動態の性能を調節することである。心臓は、交感神経および副交感神経によって神経支配されている。人工的に印加した電気刺激を含む、これらの神経における活動は、心臓機能および血行動態の性能を変調する。副交感神経の直接電気刺激は、交感神経活動の低減を含み、かつ血管抵抗を減少させることによって血圧を低下させる、圧反射を活性化することが可能である。交感神経抑制、ならびに交感神経活性化は、おそらく急性虚血心筋の側副かん流を増加させ、かつ心筋障害を減少させることによって、心筋梗塞後の不整脈の脆弱性の低減と関連付けられている。神経性刺激による交感神経および副交感神経系の変調は、心筋梗塞後に心筋がさらに再形成し、致命的な不整脈になりやすくなるのを防ぐ等の、肯定的な臨床的有益性を有することが示されている。
【0005】
埋め込み型医療システムは、神経性刺激を送達するために使用される。典型的な埋め込み型神経性刺激システムは、複数の刺激電極を通して電気刺激パルスを送達する埋め込み型神経刺激装置を含む。刺激される神経の場所に応じて、刺激電極は、埋め込み型神経刺激装置に組み込んでもよく、および/または1つ以上の埋め込み型リード線を使用して、埋め込み型神経刺激装置に接続してもよい。実践において、所望の刺激部位は、解剖学的構造がある場所でなくてもよく、埋め込み型神経刺激装置の容易な埋め込み、またはリード線による容易なアクセスを可能にする。埋め込み手順と関連する危険度は、侵襲性の程度とともに増加する。したがって、所望の刺激部位を考えると、その刺激部位に神経性刺激パルスを送達するシステムを埋め込む侵襲性を最小限化する必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要旨)
埋め込み型神経性刺激システムは、神経性刺激回路と、1つ以上の刺激電極が、患者の胸管および/または胸管から分岐する管等の、患者の1つ以上のリンパ管に配置されることを可能にするように構成される、少なくとも1つの埋め込み型リード線とを有する、埋め込み型医療機器を含む。神経性刺激パルスは、1つ以上の刺激電極を通して、埋め込み型医療機器から胸管または胸管から分岐する管に隣接する1つ以上の標的領域に送達される。
【0007】
一実施形態では、神経性刺激システムは、電極集合体と、埋め込み型医療機器とを含む。電極集合体は、リンパ管に埋め込まれるように構成される電極基盤と、電極基盤上の刺激電極とを含む。電極基盤は、リンパ管の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、神経性刺激パルスが送達される標的領域に接触し、電極集合体の埋め込みの後に、リンパ管の一部分と標的領域との間の接触を維持するように構成される。埋め込み型医療機器は、刺激電極を通して神経性刺激パルスを送達する神経性刺激回路を含む。
【0008】
一実施形態では、神経性刺激を送達するための方法が提供される。神経性刺激パルスは、埋め込み型医療機器から、リンパ管に配置される少なくとも1つの刺激電極に送達される。
【0009】
本開示は、本出願の教示の一部の概説であり、本主題の排他的または包括的治療となることを目的としない。本主題についてのさらなる詳細は、発明を実施するための最良の形態および添付の請求項にある。次の発明を実施するための最良の形態を読んで理解し、その一部を形成する図面を見ると、本発明の他の側面が当業者にとって明白となるであろう。本発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの法的同等物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、概して、一例として、本書で論じられる様々な実施形態を図示する。図面は、例示的目的にすぎず、一定の縮尺ではない場合がある。
【図1】図1は、神経性刺激システムの実施形態、および神経性刺激システムが使用される環境の各部の図解である。
【図2】図2は、神経性刺激システムの別の実施形態、および神経性刺激システムが使用される環境の各部の図解である。
【図3】図3は、神経性刺激システムの埋め込み型医療機器の実施形態を図示するブロック図である。
【図4】図4は、埋め込み型医療機器の具体的実施形態を図示するブロック図である。
【図5】図5は、埋め込み型医療機器の別の具体的実施形態を図示するブロック図である。
【図6】図6は、神経性刺激システムの外部システムの実施形態を図示するブロック図である。
【図7】図7は、患者管理システムである外部システムの実施形態を図示するブロック図である。
【図8】図8は、胸管を介して神経性刺激を送達するための方法を図示するフローチャートである。
【図9】図9は、リンパ管および神経性刺激に対する標的領域の図解である。
【図10】図10は、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための電極集合体の実施形態の図解である。
【図11】図11は、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための別の電極集合体の実施形態の図解である。
【図12】図12は、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための別の電極集合体の実施形態の図解である。
【図13】図13は、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための別の電極集合体の実施形態の図解である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
次の発明を実施するための最良の形態では、これに関して一部を形成する添付図面を参照し、図中、例証として、本発明を実践することができる具体的実施形態を示す。当業者が本発明を実践することが可能となるように、これらの実施形態は十分に詳細に説明され、実施形態を組み合わせてもよく、または他の実施形態を利用してもよく、かつ本発明の精神および範囲を逸脱しない限り、構造的、理論的、および電気的な変更を行ってもよいことが理解される。本開示における「1つの」または「様々な」実施形態への言及は、必ずしも同じ実施形態を指さず、そのような言及は、2つ以上の実施形態を検討する。次の発明を実施するための最良の形態は、例を提供し、本発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの法的同等物によって定義される。
【0012】
本書は、患者の胸管等のリンパ管に配置される、少なくとも1つの刺激送達装置を通して、神経性刺激を送達する埋め込み型医療機器を含む、埋め込み型神経性刺激システムについて論議する。一実施形態では、埋め込み型神経性刺激システムは、1つ以上の刺激電極がリンパ管に配置されることを可能にするようにリンパ管の一部分への挿入に対して構成される、経腔的リード線を含む。埋め込み型医療機器は、電気パルスを生成する神経性刺激回路を含む。電気パルスは、リンパ管に配置される1つ以上の刺激電極を通して、リンパ管に隣接する1つ以上の標的領域に送達される。本書では、そのようなリンパ管の例として胸管が具体的に論じられるが、神経性刺激パルスは、胸管、胸管から分岐するリンパ管、右リンパ本幹、および右リンパ本幹から分岐するリンパ管を含むが、それらに限定されない、いずれか1つ以上のリンパ管を通して送達される。
【0013】
本書では、例として電気刺激が具体的に論じられるが、本主題は、胸管等のリンパ管を介して神経系の1つ以上の構成要素を刺激することが可能である、任意の形式のエネルギーを使用する、神経刺激を含む。様々な実施形態では、リンパ管に配置される刺激送達装置は、神経刺激を生成または受信し、次いでそれはリンパ管を介して1つ以上の神経性刺激部位に送達される。神経刺激は、電気、磁気、電磁気、熱、および/または音響(超音波を含む)エネルギー等の、神経反応を誘出することが可能である、1つ以上の形式のエネルギーである。
【0014】
図1は、神経性刺激システム100の実施形態、およびシステム100が使用される環境の各部の図解である。システム100は、埋め込み型医療機器110、リード線112、外部システム130、および埋め込み型医療機器110と外部システム130との間の通信を提供する遠隔測定リンク125を含む。
【0015】
システム100は、患者の身体101のリンパ系の一部分である胸管105に配置される、少なくとも1つの電極を通して、神経性刺激パルスを送達する。リンパ系は、リンパ組織、リンパ節、およびリンパ管を含む。間質液は、組織から吸収され、リンパ節に浸透され、リンパ管に流し込まれる。図1は、胸管105の各部、鎖骨下静脈102、左外頸静脈104、左内頸静脈103、および上大静脈106を図示する。胸管105は、鎖骨下静脈102および左内頸静脈103の接合点において静脈系に接続する。下半身からの液(リンパ液)は、胸管105へと流れ、胸管105から鎖骨下静脈102に流れ込む。胸管105は、心臓と、迷走神経、交感神経、および横隔神経を含む神経系の様々な部分とに隣接する、身体101の後縦隔領域に位置する。そのような神経の電気刺激は、胸管105内に配置される1つ以上の刺激電極を使用することによって、送達される。胸管105は、そこから身体101の神経系の標的領域に電気刺激を送達することが可能である場所へと1つ以上の刺激電極を前進させるための、導管として使用される。神経性刺激のための電極配置のプロセスの方法には、多くの状況において埋め込み手順の侵襲性を低減する可能性がある。
【0016】
埋め込み型医療機器110は、電気パルスである神経性刺激パルスを生成し、リード線112を通して神経性刺激パルスを送達する。一実施形態では、埋め込み型医療機器110はまた、少なくともリード線112を使用して、神経活動を感知する。様々な実施形態では、埋め込み型医療機器110は、その他の生理学的信号を感知すること、および/または神経性刺激に加えて治療を送達することが可能である。そのような追加治療の例は、心臓ペーシング療法、電気的除細動/除細動療法、心臓再同期療法(CRT)、心臓リモデリング制御療法(RCT)、薬物療法、細胞療法、および遺伝子療法を含む。様々な実施形態では、埋め込み型医療機器110は、1つ以上のそのような追加治療と連携して神経性刺激を送達する。一実施形態では、リード線112に加えて、システム100は、心臓にペーシングおよび/または除細動パルスを送達するための、1つ以上の心内膜および/または心外膜リード線を含む。
【0017】
リード線112は、近位端114、遠位端116、および近位端114と遠位端116との間の細長いリード線本体118を含む、埋め込み型神経性刺激リード線である。近位端114は、埋め込み型医療機器110に連結される。遠位端116は、身体101の神経系の標的領域に神経性刺激パルスを送達するための、少なくとも1つの刺激電極を含む。一実施形態では、図1に図示されるように、遠位端116は、刺激電極120および122を含む。様々な他の実施形態では、遠位端116は、1つの刺激電極、または3つ以上の多い刺激電極を含む。一実施形態では、基準電極が埋め込み型医療機器110に組み込まれる。具体的実施形態では、埋め込み型医療機器110は、基準電極の役割を果たす、密封された導電性筐体を含む。神経性刺激パルスは、(i)遠位端116の2つの刺激電極(電極120または122)、または(ii)遠位端116の刺激電極(電極120または122)および埋め込み型医療機器110上の基準電極を使用して、送達される。様々な実施形態では、1つ以上の神経信号を感知するために、刺激電極のうちの1つ以上も使用される。細長いリード線本体118の遠位部(遠位端116に連結される細長いリード線本体118の大部分)は、遠位端116が胸管105に配置されるように、鎖骨下静脈102および胸管105中の配置に対して構成される。リード線112の埋め込みの間、遠位端116は、切開を通して鎖骨下静脈102に挿入され、胸管105に向かって鎖骨下静脈102中で前進させられ、鎖骨下静脈102から胸管105に挿入され、胸管105中の所定の場所に到達するまで胸管105中で前進させられる。一実施形態では、遠位端116の位置は、試験神経性刺激パルスを送達し、かつ誘発神経信号および/またはその他の生理学的反応を検出することによって、調整される。一実施形態では、リード線112は、胸管105中の決定された位置において遠位端116を安定化するように構成される、固定機構を含む。埋め込み型医療機器110は、近位端114に接続され、皮下に埋め込まれる。リンパ系にアクセスするための方法および装置の一例は、その全体において参照することにより本願に組み込まれる、Cardiac Pacemakers, Inc.に譲渡された2006年6月6日出願の「METHOD AND APPARATUS FOR LYMPHATIC SYSTEM PACING AND SENSING」と題された、米国特許出願第11/422,423号で論じられている。電極構造および配置の具体例はまた、図9〜12を参照して、下記で詳細に論じる。
【0018】
一実施形態では、リード線112は、胃分岐等の胸管105から分岐するリンパ管の中に遠位端116をさらに前進させることが可能となるように、構成されるため、刺激電極は、所望の標的領域に近接近して配置することが可能である。遠位端116は、胸管105に挿入された後、胸管105および分岐リンパ管の接合部へと前進させられ、分岐リンパ管に挿入される。胸管における少なくとも1つの刺激電極の配置は、標的領域へのアクセスを提供する例として具体的に論じられるが、本主題は概して、リンパ管を介して刺激部位に1つ以上の刺激電極等の1つ以上の刺激装置を導入するステップを含む。様々な実施形態では、神経性刺激パルスは、リンパ管に配置される1つ以上の刺激電極、および/またはリンパ管から分岐する別のリンパ管を含むリンパ管を通してアクセス可能な構造に配置される1つ以上の刺激電極を通して、送達される。
【0019】
一実施形態では、システム100は、胸管105に配置されるように配設される1つ以上の刺激電極をそれぞれ含む、2つ以上のリード線を含む。別の実施形態では、リード線は、2つ以上の標的領域に独立して制御可能な神経性刺激パルスを送達するために配設される、複数の電極を含む。
【0020】
外部システム130は、埋め込み型医療機器110と通信し、医師または他の介護人による埋め込み型医療機器110へのアクセスを提供する。一実施形態では、外部システム130は、プログラマを含む。別の実施形態では、外部システム130は、遠隔測定リンク125を介して埋め込み型医療機器110と通信する外部装置、比較的遠い場所における遠隔装置、および外部装置と遠隔装置とを結び付ける電気通信ネットワークを含む、患者管理システムである。患者管理システムは、患者の状態の監視および治療の調整等の目的で、遠隔場所から埋め込み型医療機器110へのアクセスを可能にする。一実施形態では、遠隔測定リンク125は、誘導性遠隔測定リンクである。別の実施形態では、遠隔測定リンク125は、遠方界無線周波(RF)遠隔測定リンクである。遠隔測定リンク125は、埋め込み型医療機器110から外部システム130へのデータ伝送を提供する。このことは、例えば、埋め込み型医療機器110によって取得されるリアルタイム生理学的データを伝送するステップ、埋め込み型医療機器110によって取得され、それに保存される生理学的データを抽出するステップ、埋め込み型医療機器110に記録される、所定の種類の病理学的事象の発生および治療送達等の患者病歴データを抽出するステップ、および/または埋め込み型医療機器110の動作状態(例えば、バッテリ状態およびリード線インピーダンス)を示すデータを抽出するステップを含む。遠隔測定リンク125はまた、外部システム130から埋め込み型医療機器110へのデータ伝送も提供する。このことは、例えば、生理学的データを取得するように埋め込み型医療機器110をプログラムするステップ、少なくとも1つの自己診断試験(装置の動作状態について等)を行うように埋め込み型医療機器110をプログラムするステップ、および/または1つ以上の治療を送達する、および/または1つ以上の治療の送達を調整するように埋め込み型医療機器110をプログラムするステップを含む。
【0021】
図2は、神経性刺激システム200の実施形態、およびシステム200が使用される環境の各部の図解である。システム200は、神経性刺激システム100の構成要素およびリード線を含む。つまり、神経性刺激システム200は、埋め込み型医療機器110、リード線112および232、外部システム130、ならびに遠隔測定リンク125を含む。
【0022】
リード線232は、近位端234、遠位端236、および近位端234と遠位端236との間の細長いリード線本体238を含む、埋め込み型神経性刺激リード線である。近位端234は、埋め込み型医療機器110に連結される。遠位端236は、少なくとも1つの電極を含む。一実施形態では、図2に図示されるように、リード線232は、遠位端236において電極240を含む。別の実施形態では、リード線232は、複数の刺激電極を含む。一実施形態では、リード線232は、胸管105外部の皮下配置に対して構成される。一実施形態では、電極240は、基準電極として使用される。
【0023】
リード線232は、埋め込み型医療機器110から神経性刺激パルスを送達することが可能である標的領域の範囲を拡張する。様々な実施形態では、神経性刺激パルスは、(i)遠位端116の2つの刺激電極(電極120および122)、(ii)遠位端116の刺激電極(電極120または122)および電極240(基準電極として)、または(iii)遠位端116の刺激電極(電極120または122)および埋め込み型医療機器110上の基準電極を含む、システム200の任意の一対の電極を通して送達される。一実施形態では、遠位端116および236は、神経性刺激に対する標的構造が、遠位端116の刺激電極(電極120または122)と基準電極(電極240、または埋め込み型医療機器110上の基準電極)とのほぼ間にあるように、位置付けられる。例えば、標的構造は、身体101の脊髄の一部分である。
【0024】
図3は、埋め込み型医療機器110の具体的実施形態である、埋め込み型医療機器310の実施形態を図示するブロック図である。埋め込み型医療機器310は、神経性刺激回路346および埋め込み制御回路348を含む。神経性刺激回路346は、それを通して神経性刺激パルスが神経系中の標的領域に送達される、一対の刺激電極342および344に神経性刺激パルスを送達する。刺激電極342および344のうちの少なくとも1つは、胸管105に配置される。埋め込み制御回路348は、神経性刺激回路346からの神経性刺激パルスの送達を制御する。
【0025】
一実施形態では、刺激電極342および344は両方とも、電極120および122のように、胸管105中にあり、標的領域に隣接する。別の実施形態では、刺激電極342は、電極120または122のように、胸管105中にあり、標的領域に隣接し、刺激電極344は、電極240または埋め込み型医療機器310上の基準電極のように、胸管105外部にある。一実施形態では、標的領域は、刺激電極342および344のほぼ間にある。
【0026】
様々な実施形態では、標的領域は、後縦隔領域または腹部領域中の胸管に隣接している神経系の1つ以上の構成要素を含む。標的領域の例は、交感神経、副交感神経(迷走神経を含む)、横隔神経、脊髄、脳幹、腎神経、および頸動脈ならびに大動脈中の圧受容器を含む。一実施形態では、心臓機能は、交感神経興奮、交感神経抑制、副交感神経興奮、および副交感神経抑制のうちの1つ以上を含む神経性刺激を印加することによって、調節される。交感神経および副交感神経の両方に興奮刺激ならびに抑制刺激を提供することが可能なシステムの一例は、その全体において参照することにより本願に組み込まれる、Cardiac Pacemakers,Inc.に譲渡された2005年5月9日出願の「METHOD AND APPARATUS FOR CONTROLLING AUTONOMIC BALANCE USING NEURAL STIMULATION」と題された米国特許出願第11/124,791号で論じられている。
【0027】
図解の目的で、図3は、一対の刺激電極342および344を示す。様々な実施形態では、神経性刺激回路346は、複数の刺激電極から選択される1組以上の刺激電極を通して神経性刺激パルスを送達する。一実施形態では、神経性刺激回路346は、一対の刺激電極を通して神経性刺激パルスをそれぞれ送達する、2つ以上の刺激出力チャネルを含む。別の実施形態では、複数の刺激電極がある電極アレイは胸管に配置され、各刺激電極に関連する刺激の生理学的効果を試験することによって、神経性刺激パルスを送達するために1つ以上の刺激電極が選択される。
【0028】
図4は、埋め込み型医療機器110の別の具体的実施形態である、埋め込み型医療機器410の実施形態を図示するブロック図である。埋め込み型医療機器410は、神経性刺激回路346、感知回路452、埋め込み制御回路448、および埋め込み遠隔測定回路458を含む。1つ以上の生理学的センサ450は、埋め込み型医療機器410内に収納され、埋め込み型医療機器410に組み込まれ、および/またはリード線を使用して埋め込み型医療機器410に接続される。
【0029】
生理学的センサ450は、刺激される神経系の構成要素によって調節される神経機能および/または生理学的機能を示す1つ以上の生理学的信号を感知する。感知回路452は、1つ以上の生理学的信号を処理し、神経性刺激を開始、停止、または調整する必要性を示す信号を生成する。そのような生理学的信号の例は、心拍数、心拍変動(HRV)、および血圧を示す信号を含む。一実施形態では、生理学的センサ450は、感知電極として利用される、刺激電極342および344のうちの一方または両方を含む。
【0030】
埋め込み制御回路448は、埋め込み制御回路348の具体的実施形態であり、複数の刺激パラメータを使用して、神経性刺激回路346からの神経性刺激パルスの送達を制御する。埋め込み制御回路448は、パラメータ保存回路454およびパラメータ受信機456を含む。パラメータ保存回路454は、複数の刺激パラメータの値を保存する。そのような刺激パラメータの例は、パルス振幅、パルス幅、およびパルス周波数(パルス間隔)を含む。複数の刺激パラメータの値は、調整可能である。パラメータ受信機456は、複数の刺激パラメータの値を受信し、受信した値でパラメータ保存回路454を更新する。一実施形態では、埋め込み制御回路448は、生理学的センサ450によって感知される1つ以上の生理学的信号を使用して、神経性刺激回路346からの神経性刺激パルスの送達を制御する。様々な実施形態では、それぞれの感知した生理学的信号は、神経性刺激を開始または停止する誘起信号、神経性刺激を開始、停止、または強度を調整する安全保障信号、および閉ループ神経性刺激を提供するフィードバック信号のうちの1つ以上として使用される。
【0031】
埋め込み遠隔測定回路458は、遠隔測定リンク125を介してデータを送受信する。一実施形態では、複数の刺激パラメータの値は、外部でプログラム可能であり、プログラムした値は、遠隔測定リンク125を通して外部システム130から受信される。
【0032】
図5は、埋め込み型医療機器410の具体的実施形態である、埋め込み型医療機器510を図示するブロック図である。埋め込み型医療機器510は、神経性刺激回路346、神経感知回路552、埋め込み制御回路548、および埋め込み遠隔測定回路458を含む。
【0033】
神経感知回路552は、感知回路452の具体的実施形態であり、生理学的センサ450の具体的実施形態を表す神経感知電極562および564を使用して感知される、神経信号を処理する。一実施形態では、神経感知回路552は、追加神経感知電極を使用して感知される、2つ以上の神経信号を処理する。一実施形態では、神経信号は、神経性刺激パルスが送達される同じ部位から感知され、刺激電極342および344は、神経感知電極562および564として使用される。言い換えれば、刺激電極342および344、ならびに神経感知電極562および564は、物理的に同じ一対の電極である。別の実施形態では、神経信号は、神経性刺激パルスが送達される部位とは異なる部位から感知される。刺激電極342および344のうちの少なくとも1つは、神経感知電極562および564のいずれかとして使用されない。
【0034】
埋め込み制御回路548は、埋め込み制御回路448の具体的実施形態であり、閉ループ制御器560、パラメータ保存回路454、およびパラメータ受信機456を含む。埋め込み制御回路548は、複数の刺激パラメータおよび感知し処理した神経信号を使用して、神経性刺激回路346からの神経性刺激パルスの送達を制御する。閉ループ制御器560は、フィードバック制御に対する入力として、感知し処理した神経信号を使用して、神経性刺激パルスの送達を制御する。閉ループ神経性刺激の例は、その全体において参照することにより本願に組み込まれる、Cardiac Pacemakers,Inc.に譲渡された2005年11月16日出願の「SYSTEM AND METHOD FOR CLOSED−LOOP NEURAL STIMULATION」と題された米国特許出願第11/280,940号で論じられている。
【0035】
図6は、外部システム130の具体的実施形態である、外部システム630の実施形態を図示するブロック図である。外部システム630は、外部遠隔測定回路670、外部制御器672、およびユーザインターフェース674を含む。外部遠隔測定回路670は、遠隔測定リンク125を介してデータを送受信する。外部制御器672は、外部システム630の動作を制御する。ユーザインターフェース674は、医師または他の介護人等のユーザが、外部システム630を介して埋め込み型医療機器110と通信することを可能にする。ユーザインターフェース674は、提示装置676およびユーザ入力装置678を含む。ユーザ入力装置678は、複数の刺激パラメータの値のプログラミングを可能にする。一実施形態では、提示装置676およびユーザ入力装置678は、一体化または部分的に一体化されて、埋め込み型医療機器110のプログラミングを可能にする対話型画面を含む。
【0036】
一実施形態では、外部システム630は、プログラマを含む。別の実施形態では、外部システム630は、図7を参照して下記で論じられるような患者管理システムを含む。
【0037】
図7は、外部システム630の具体的実施形態である、外部システム730の実施形態を図示するブロック図である。図7に図示されるように、外部システム730は、外部装置780、電気通信ネットワーク782、および遠隔装置784を含む、患者管理システムである。外部装置780は、埋め込み型医療機器110の付近に配置され、外部遠隔測定システム670を含んで、遠隔測定リンク125を介して埋め込み型医療機器と通信する。遠隔装置784は、遠隔場所にあり、ネットワーク782を通して外部装置780と通信する。遠隔装置784は、ユーザインターフェース674を含んで、医師または他の介護人が、遠隔場所から患者を監視および治療することを可能にし、および/または遠隔場所からの様々な治療リソースへのアクセスを可能にする。
【0038】
図8は、胸管を介して神経性刺激を送達するための方法を図示するフローチャートである。一実施形態では、方法は、上記の構成要素の様々な実施形態を含む、システム100またはシステム200を使用して行われる。
【0039】
神経性刺激リード線は、800において患者のリンパ管に挿入される。一実施形態では、このリンパ管は、胸管である。神経性刺激リード線は、埋め込み型医療機器への接続に対して構成される近位端、および1つ以上の刺激電極を含む遠位端を有する埋め込み型経腔的リード線である。刺激電極を介して神経性刺激パルスを送達することが可能となるように、神経性刺激リード線を胸管に挿入するために、鎖骨下静脈および胸管の入口部の接合部から上流にある、鎖骨下静脈上に開口部が作られる。神経性刺激リード線の遠位端は、開口部を通して鎖骨下静脈に挿入され、鎖骨下静脈および胸管の入口部の接合部に向かって、下流に前進させられる。次いで、神経性刺激リード線は、胸管の中に誘導され、神経性刺激パルスが送達される標的によって決定される領域に遠位端が到達するまで、胸管中で前進させられる。標的領域の例は、交感神経、迷走神経を含む副交感神経、横隔神経、腎神経、脊髄、脳幹、および頸動脈および大動脈中の圧受容器等の、胸管に隣接する縦隔または腹部領域中の神経系の任意の神経または他の構成要素を含む。一実施形態では、所望の標的領域にさらに接近するために、神経性刺激リード線の遠位端は、胸管から分岐するリンパ管の中に誘導される。
【0040】
神経性刺激リード線の刺激電極は、810において、胸管または胸管から分岐するリンパ管に位置付けられる。一実施形態では、神経性刺激リード線の遠位端が標的によって決定される領域に到達すると、試験神経性刺激パルスが送達される。遠位端は、誘発神経信号および/またはその他の予期された生理学的効果等の刺激への満足のいく反応を検出することによって識別される位置に到達するまで、胸管または胸管から分岐するリンパ管中で移動される。次いで、刺激電極がある遠位端は、その位置で安定化される。別の実施形態では、神経性刺激リード線は、複数の刺激電極を含む。神経性刺激リード線が挿入された後、試験神経性刺激パルスは、異なる刺激電極、または刺激電極の異なる組み合わせに、1つずつ送達される。刺激電極または刺激電極の組み合わせは、誘発神経信号および/またはその他の予期された生理学的効果等の刺激への反応に基づいて、意図された治療に対して識別される。
【0041】
1つ以上の生理学的信号は、820において感知される。一実施形態では、少なくとも1つの生理学的信号が感知されて、神経性刺激の送達を開始、停止、または調整する必要性を示す。別の実施形態では、少なくとも1つの生理学的信号は、神経性刺激以外の監視、診断、および/または治療目的で感知される。一実施形態では、1つ以上の神経信号が感知される。具体的実施形態では、神経信号は、神経性刺激が送達される神経から感知される。別の実施形態では、刺激した神経によって調節される生理学的機能をそれぞれ示す、1つ以上の信号が感知される。
【0042】
神経性刺激パルスは、830において、胸管または胸管から分岐するリンパ管等のリンパ管に位置付けられる刺激電極を使用して送達される。一実施形態では、神経性刺激パルスは、胸管または胸管から分岐するリンパ管に位置付けられる2つの刺激電極を通して送達される。別の実施形態では、神経性刺激パルスは、胸管または胸管から分岐するリンパ管に位置付けられる刺激電極、およびリンパ管外部の体内の場所に位置付けられる別の刺激電極を使用して送達される。具体的実施形態では、神経性刺激パルスは、一対の刺激電極のほぼ間にある神経系の一部分に送達される。神経性刺激パルスの送達は、複数の刺激パラメータを使用して制御される。刺激パラメータの例は、パルス振幅、パルス幅、およびパルス周波数(パルス間隔)を含む。これらの刺激パラメータは、調整可能である。一実施形態では、医師または他の介護人等のユーザは、複数の刺激パラメータの1つ以上の値をプログラムする。一実施形態では、神経性刺激パルスの送達はまた、1つ以上の神経信号を含む、1つ以上の生理学的信号を使用して制御される。
【0043】
神経性刺激パルスは、胸管または胸管から分岐するリンパ管を介して送達され、胸管または胸管から分岐するリンパ管に隣接している神経系の神経またはその他の構成要素によって調節される生理学的機能とそれぞれ関連する、1つ以上の臨床症状を治療する。そのような臨床症状の例は、呼吸器疾患、異常血圧、心不整脈、心筋梗塞または虚血性障害(狭心症)、心不全、てんかん、うつ病、腎障害、疼痛、片頭痛、肥満、運動障害、および失禁を含む。治療の具体例は、(i)圧受容器刺激による高血圧の治療、(ii)交感神経抑制または迷走神経興奮による心不全の治療、(iii)交感神経抑制または迷走神経興奮による心筋梗塞後再形成の制御、(iv)神経活性化または遮断による慢性疼痛の緩和、(v)脊髄刺激による、難治性狭心症および末梢血管障害(PVD)を含む血管痛の治療、(vi)脊髄刺激による、脊椎手術失敗症候群(FBSS)、変性腰下肢痛(LBLP)、神経根病変、不完全脊椎病変、および脊髄狭窄を含む脊柱痛の治療、(vii)脊髄刺激による1型または2型慢性局所疼痛症候群(CRPS)の治療、および(viii)脊髄刺激による会陰部痛および泌尿器疾患の治療、ならびに腹側脊髄刺激による脊髄損傷後の起立および歩行等の下肢運動機能の修復を含む。
【0044】
図9〜13は、一例として、神経性刺激を可能にする、リンパ管に配置するための電極集合体の様々な実施形態を図示する。電極集合体は、1つ以上の電極基盤を含む。1つ以上の刺激電極は、1つ以上の電極基盤のそれぞれに組み込まれる、および/または一体化される。一実施形態では、1つ以上の電極基盤はそれぞれ、リード線112等のリード線の一部として形成される。一具体的実施形態では、電極基盤は、リード線112の遠位端116に形成され、刺激電極120および122は、その電極基盤上にある。別の具体的実施形態では、1つ以上の電極基盤は、リード線112の細長いリード線本体118中に形成される。別の実施形態では、電極基盤は、遠位端116およびリード線112の細長いリード線本体118において形成され、複数の標的領域に神経性刺激パルスの送達を提供する。
【0045】
図9は、それらの自然状態における、リンパ管905および標的領域907の図解である。標的領域907は、神経性刺激パルスが送達される、神経系中の領域である。図9に図示されるように、リンパ管905および標的領域907は、それらの自然状態において、互いと直接接触しておらず、または常に直接接触しているわけではない。図10〜13に図示される電極集合体はそれぞれ、リンパ管905の自然な経路を実質的に変更することによって、リンパ管905と標的領域907との間の略一定直接接触を引き起こし、維持する。そのような略一定直接接触は、リンパ管905中の1つ以上の電極から標的領域907への神経性刺激パルスの信頼性のある送達を可能にする。様々な実施形態では、リンパ管905は、胸管、胸管から分岐する管、または神経性刺激パルスの送達のための1つ以上の電極の配置に適した任意のリンパ管のうちの1つを表す。
【0046】
図10は、リンパ管905に埋め込まれるように構成される電極基盤1021、および電極基盤1021上の刺激電極1020を含む、電極集合体の実施形態の図解である。電極基盤1021は、細長い形状を有し、リンパ管905の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、標的領域907に接触するように構成されるバイアスを含む。バイアスはまた、標的領域907に神経性刺激パルスを送達するために、電極1020が、リンパ管905の内壁と接触することを可能にする。電極基盤1021には、リンパ管905中で刺激電極1020の位置を安定化すること、および埋め込みの後にリンパ管905の一部分と標的領域907との間の接触を維持することを可能にする、剛性がある。一実施形態では、電極基盤1021は、らせん型である。一実施形態では、電極基盤1021は、その期間にスタイレットまたはガイドワイヤを使用してもよい、埋め込み手順の後に、その予備成形形状に戻るように、形状記憶特性を有する細長い本体を含む。形状記憶特性は、ポリエーテルポリウレタン等の形状記憶高分子、または形状記憶金属を使用することによって、提供される。一実施形態では、電極集合体は、リード線112等のリード線を介して、埋め込み型医療機器110に連結される。具体的実施形態では、電極基盤1021は、リード線112の遠位端116において形成され、刺激電極1020は、刺激電極120である。他の具体的実施形態では、2つ以上の刺激電極が、電極基盤1021に組み込まれる。
【0047】
図11は、リンパ管905に埋め込まれるように構成される電極基盤1121、および両方とも電極基盤1121上にある刺激電極1120および1122を含む、別の電極集合体の実施形態の図解である。電極基盤1121は、細長い形状を有し、リンパ管905の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、標的領域907に接触するように構成される、バイアスを含む。バイアスはまた、電極1120および1122のいずれか、または両方を使用して、標的領域907に神経性刺激パルスを送達するために、電極1120および1122が、リンパ管905の内壁と接触することを可能にする。電極基盤1121には、リンパ管905中で刺激電極1120および1122の位置を安定化すること、および埋め込みの後にリンパ管905の一部分と標的領域907との間の接触を維持することを可能にする、剛性がある。一実施形態では、電極基盤1121は、らせん型である。一実施形態では、電極基盤1121は、その期間にスタイレットまたはガイドワイヤを使用してもよい、埋め込み手順の後に、その予備成形形状に戻るように、形状記憶特性を有する細長い本体を含む。形状記憶特性は、ポリエーテルポリウレタン等の形状記憶高分子、または形状記憶金属を使用することによって、提供される。一実施形態では、電極集合体は、リード線112等のリード線を介して、埋め込み型医療機器110に連結される。具体的実施形態では、電極基盤1121は、リード線112の遠位端116において形成され、刺激電極1120および1122は、刺激電極120および122である。他の具体的実施形態では、1つの刺激電極、または3つ以上の刺激電極が、電極基盤1121に組み込まれる。
【0048】
図12は、刺激電極1120および1122がある電極基盤1121、ならびに刺激電極1220および1222がある別の電極基盤1221を含む、別の電極集合体の実施形態の図解である。電極基盤1121および1221は両方とも、リンパ管905に埋め込まれるように構成される。電極基盤1121は、細長い形状を有し、リンパ管905の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、標的領域907に接触するように構成される、バイアスを含む。バイアスはまた、電極1120および1122のいずれか、または両方を使用して、標的領域907に神経性刺激パルスを送達するために、電極1120および1122が、リンパ管905の内壁と接触することを可能にする。電極基盤1221は、細長い形状を有し、リンパ管905の一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、標的領域907に接触するように構成される、バイアスを含む。バイアスはまた、電極1220および1222のいずれか、または両方を使用して、標的領域1207に神経性刺激パルスを送達するために、電極1220および1222が、リンパ管905の内壁と接触することを可能にする。電極基盤1121および1221にはそれぞれ、リンパ管905中で刺激電極の位置を安定化すること、および埋め込みの後にリンパ管905の一部分と標的領域907との間の接触を維持することを可能にする、剛性がある。一実施形態では、電極基盤1121および1221は、らせん型である。一実施形態では、電極基盤1121および1221はそれぞれ、その期間にスタイレットまたはガイドワイヤを使用してもよい、埋め込み手順の後に、その予備成形形状に戻るように、形状記憶特性を有する細長い本体を含む。形状記憶特性は、ポリエーテルポリウレタン等の形状記憶高分子、または形状記憶金属を使用することによって、提供される。一実施形態では、電極集合体は、リード線112等のリード線を介して、埋め込み型医療機器110に連結される。具体的実施形態では、電極基盤1121は、リード線112の遠位端116において形成され、刺激電極1120および1122は、刺激電極120および122であり、電極基盤1221は、リード線112の細長いリード線本体118中に形成される。他の具体的実施形態では、1つの刺激電極、または3つ以上の刺激電極が、電極基盤1121および1221のそれぞれに組み込まれる。
【0049】
図13は、電極基盤1321および刺激電極1320を含む、別の電極集合体の実施形態の図解である。電極基盤1321は、拡張可能である。拡張された後、電極基盤1321は、リンパ管905の一部分を実質的に拡張させて、標的領域907に接触する。電極基盤1321の拡張はまた、標的領域907に神経性刺激パルスを送達するために、電極1320がリンパ管905の内壁と安定して接触することを可能にする。一実施形態では、電極基盤1321は、リンパ管中で拡張されて管の開通性を維持する、ステントを含む。一実施形態では、刺激電極1320は、ステントに組み込まれる。別の実施形態では、ステントは金属でできており、刺激電極1320の役割を果たす。別の実施形態では、刺激電極1320は、ステントに統合されて、その構造の一部分となる。ステントはまた、リンパ管905中の刺激電極1320の位置を安定化し、リンパ液の流れの障害を防ぐ。一実施形態では、電極集合体は、リード線112等のリード線を介して、埋め込み型医療機器110に連結される。具体的実施形態では、ステントは、リード線112の遠位端116に組み込まれる。別の実施形態では、ステントは、リード線112の細長いリード線本体118に組み込まれる。別の実施形態では、2つ以上のステントが、細長いリード線本体118および/またはリード線112の遠位端116に組み込まれる。
【0050】
上記の発明を実施するための最良の形態は、限定的ではなく、例示的となることを目的とすることが理解される。上記の説明を読んで理解すると、その他の実施形態が当業者にとって明白となるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の請求項を参照して、そのような請求項が享受できる同等物の全範囲とともに、決定されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンパ管を有する体内の標的領域に神経性刺激を送達するためのシステムであって、
前記リンパ管のうちの1つに埋め込まれるように構成される第1の電極基盤と、前記第1の電極基盤上の第1の刺激電極とを含む第1の電極集合体であって、前記第1の電極基盤は、前記リンパ管のうちの1つの一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、前記標的領域に接触し、前記第1の電極集合体の埋め込みの後に、前記リンパ管のうちの1つの前記一部分と前記標的領域との間の前記接触を維持するように構成される、第1の電極集合体と、
前記第1の刺激電極を通して神経性刺激を送達するように適合される神経性刺激回路を含む埋め込み型医療機器と、
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1の電極基盤は、1つ以上のバイアスを含む細長い電極基盤を備え、前記1つ以上のバイアスは、それぞれが、前記リンパ管のうちの1つの前記一部に、その自然な経路を実質的に変更させて、前記標的領域に接触するように構成され、そして、前記細長い電極基盤は、前記第1の電極集合体の埋め込みの後に、前記リンパ管のうちの1つの前記一部と前記標的領域との間の前記接触を維持することを可能にする剛性を有する、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1の電極基盤は拡張可能な電極基盤を備え、前記拡張可能な電極基盤は、拡張された後に、前記リンパ管のうちの1つの前記一部に、その自然な経路を実質的に変更させて、前記標的領域に接触するように構成される、システム。
【請求項4】
前記拡張可能な電極基盤はステントを備え、そして、前記第1の電極は前記ステントに組み込まれるか、または前記ステントと一体化される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のシステムであって、前記システムは、第1の遠位端と、前記埋め込み型医療機器に接続されるように構成される第1の近位端と、前記第1の遠位端と前記第1の近位端との間の第1の細長いリード線本体とを有する第1の埋め込み型リード線を備え、そして、前記第1の電極集合体は、前記第1の埋め込み型リード線に組み込まれる、システム。
【請求項6】
前記第1の電極集合体は、前記第1の遠位端に組み込まれる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の電極集合体は、前記第1の細長いリード線本体に組み込まれる、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のシステムであって、前記第1の電極基盤は、第2の刺激電極をさらに備え、そして、前記神経性刺激回路は、前記第1の刺激電極および前記第2の刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するように適合される、システム。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載のシステムであって、前記システムは、前記リンパ管外部の場所に配置されるように構成される第2の刺激電極をさらに備え、そして、前記神経性刺激回路は、前記第1の刺激電極および前記第2の刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するように適合される、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記システムは、皮下に埋め込まれるように構成される第2の埋め込み型リード線をさらに備え、前記第2の埋め込み型リード線は、前記第2の刺激電極を含む第2の遠位端と、前記埋め込み型医療機器に接続されるように構成される第2の近位端と、前記遠位端と前記近位端との間の第2の細長いリード線本体とを有する、システム。
【請求項11】
前記第2の刺激電極は、前記埋め込み型医療機器に組み込まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載のシステムであって、前記システムは、生理学的信号を感知するように適合される生理学的センサを備え、そして、前記埋め込み型医療機器は、
前記生理学的信号を処理する、前記生理学的センサに連結される感知回路と、
前記生理学的信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するように適合される、埋め込み制御回路と、
を備える、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記生理学的センサは、神経信号を感知するように構成される神経感知電極を備え、前記感知回路は、神経感知回路を備えて前記神経信号を処理し、そして、前記埋め込み制御回路は、前記処理した制御信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するように適合される、システム。
【請求項14】
前記神経感知電極は、前記第1の刺激電極である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムであって、前記埋め込み制御回路は閉ループ制御器を備え、前記閉ループ制御器は、入力信号として前記感知した神経信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達のフィードバック制御を提供するように適合される、システム。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれかに記載のシステムであって、前記埋め込み型医療機器は、複数の刺激パラメータを使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するように適合される埋め込み制御回路を備え、前記埋め込み制御回路は、
前記複数の刺激パラメータの値を保存するパラメータ保存回路と、
前記複数の刺激パラメータの1つ以上のプログラムされた値を受信し、かつ前記複数の刺激パラメータの前記受信した1つ以上のプログラムされた値で前記パラメータ保存回路を更新する、パラメータ受信機と、
を含む、システム。
【請求項17】
前記埋め込み型医療機器は、埋め込み遠隔測定回路を備えて、前記複数の刺激パラメータの前記1つ以上のプログラムされた値を受信する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、前記システムは、前記埋め込み型医療機器に伝達的に連結される外部システムをさらに備え、前記外部システムは、
前記パラメータの前記1つ以上のプログラムされた値のプログラミングを可能にするように適合されるユーザ入力装置と、
前記埋め込み型医療機器に前記複数の刺激パラメータの前記1つ以上のプログラムされた値を伝達する外部遠隔測定回路と、
を含む、システム。
【請求項19】
胸管を含むリンパ管を有する身体に神経性刺激を伝達するための方法であって、
埋め込み型医療機器から、前記リンパ管のうちの1つに配置される少なくとも第1の刺激電極に、神経性刺激を送達するステップ
を包含する、方法。
【請求項20】
前記リンパ管のうちの1つに埋め込まれるように構成される電極基盤を使用して、前記リンパ管のうちの1つの自然な経路を変更させて、前記神経性刺激が送達される標的領域に前記リンパ管のうちの1つの一部分を接触させるステップをさらに包含し、前記第1の刺激電極は、前記電極基盤に組み込まれるか、または前記電極基盤と一体化される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記神経性刺激を送達するステップは、前記胸管に配置される刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19および20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記神経性刺激を送達するステップは、前記胸管から分岐する前記管のうちの1つに配置される刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19および20のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記神経性刺激を送達するステップは、前記第1の刺激電極および前記リンパ管のうちの1つに配置される第2の刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19および20のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記神経性刺激を送達するステップは、前記第1の刺激電極および前記リンパ管外部の体内の場所に配置される前記第2の刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19および20のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
請求項19〜24のいずれかに記載の方法であって、
1つ以上の生理学的信号を感知するステップと、
前記1つ以上の生理学的信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するステップと、
をさらに包含する、方法。
【請求項26】
前記1つ以上の生理学的信号を感知するステップは、前記第1の刺激電極を使用して神経信号を感知するステップを包含し、前記神経性刺激の前記送達を制御するステップは、前記神経信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するステップを包含する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項19〜26のいずれかに記載の方法であって、
複数の刺激パラメータを使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するステップと、
前記複数の刺激パラメータの1つ以上の値を受信するステップと、
前記複数の刺激パラメータの前記受信した1つ以上の値を保存するステップと、
をさらに包含する、方法。
【請求項28】
前記神経性刺激が送達される標的に従って、前記刺激パラメータの1つ以上の値をプログラムするステップをさらに包含し、前記標的は、神経系の1つ以上の構成要素を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記神経性刺激を送達するステップは、副交感神経に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記神経性刺激を送達するステップは、迷走神経に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記神経性刺激を送達するステップは、交感神経に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記神経性刺激を送達するステップは、脊髄に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記神経性刺激を送達するステップは、圧受容器に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項1】
リンパ管を有する体内の標的領域に神経性刺激を送達するためのシステムであって、
前記リンパ管のうちの1つに埋め込まれるように構成される第1の電極基盤と、前記第1の電極基盤上の第1の刺激電極とを含む第1の電極集合体であって、前記第1の電極基盤は、前記リンパ管のうちの1つの一部分に、その自然な経路を実質的に変更させて、前記標的領域に接触し、前記第1の電極集合体の埋め込みの後に、前記リンパ管のうちの1つの前記一部分と前記標的領域との間の前記接触を維持するように構成される、第1の電極集合体と、
前記第1の刺激電極を通して神経性刺激を送達するように適合される神経性刺激回路を含む埋め込み型医療機器と、
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1の電極基盤は、1つ以上のバイアスを含む細長い電極基盤を備え、前記1つ以上のバイアスは、それぞれが、前記リンパ管のうちの1つの前記一部に、その自然な経路を実質的に変更させて、前記標的領域に接触するように構成され、そして、前記細長い電極基盤は、前記第1の電極集合体の埋め込みの後に、前記リンパ管のうちの1つの前記一部と前記標的領域との間の前記接触を維持することを可能にする剛性を有する、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記第1の電極基盤は拡張可能な電極基盤を備え、前記拡張可能な電極基盤は、拡張された後に、前記リンパ管のうちの1つの前記一部に、その自然な経路を実質的に変更させて、前記標的領域に接触するように構成される、システム。
【請求項4】
前記拡張可能な電極基盤はステントを備え、そして、前記第1の電極は前記ステントに組み込まれるか、または前記ステントと一体化される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のシステムであって、前記システムは、第1の遠位端と、前記埋め込み型医療機器に接続されるように構成される第1の近位端と、前記第1の遠位端と前記第1の近位端との間の第1の細長いリード線本体とを有する第1の埋め込み型リード線を備え、そして、前記第1の電極集合体は、前記第1の埋め込み型リード線に組み込まれる、システム。
【請求項6】
前記第1の電極集合体は、前記第1の遠位端に組み込まれる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の電極集合体は、前記第1の細長いリード線本体に組み込まれる、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のシステムであって、前記第1の電極基盤は、第2の刺激電極をさらに備え、そして、前記神経性刺激回路は、前記第1の刺激電極および前記第2の刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するように適合される、システム。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載のシステムであって、前記システムは、前記リンパ管外部の場所に配置されるように構成される第2の刺激電極をさらに備え、そして、前記神経性刺激回路は、前記第1の刺激電極および前記第2の刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するように適合される、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記システムは、皮下に埋め込まれるように構成される第2の埋め込み型リード線をさらに備え、前記第2の埋め込み型リード線は、前記第2の刺激電極を含む第2の遠位端と、前記埋め込み型医療機器に接続されるように構成される第2の近位端と、前記遠位端と前記近位端との間の第2の細長いリード線本体とを有する、システム。
【請求項11】
前記第2の刺激電極は、前記埋め込み型医療機器に組み込まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載のシステムであって、前記システムは、生理学的信号を感知するように適合される生理学的センサを備え、そして、前記埋め込み型医療機器は、
前記生理学的信号を処理する、前記生理学的センサに連結される感知回路と、
前記生理学的信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するように適合される、埋め込み制御回路と、
を備える、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記生理学的センサは、神経信号を感知するように構成される神経感知電極を備え、前記感知回路は、神経感知回路を備えて前記神経信号を処理し、そして、前記埋め込み制御回路は、前記処理した制御信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するように適合される、システム。
【請求項14】
前記神経感知電極は、前記第1の刺激電極である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムであって、前記埋め込み制御回路は閉ループ制御器を備え、前記閉ループ制御器は、入力信号として前記感知した神経信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達のフィードバック制御を提供するように適合される、システム。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれかに記載のシステムであって、前記埋め込み型医療機器は、複数の刺激パラメータを使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するように適合される埋め込み制御回路を備え、前記埋め込み制御回路は、
前記複数の刺激パラメータの値を保存するパラメータ保存回路と、
前記複数の刺激パラメータの1つ以上のプログラムされた値を受信し、かつ前記複数の刺激パラメータの前記受信した1つ以上のプログラムされた値で前記パラメータ保存回路を更新する、パラメータ受信機と、
を含む、システム。
【請求項17】
前記埋め込み型医療機器は、埋め込み遠隔測定回路を備えて、前記複数の刺激パラメータの前記1つ以上のプログラムされた値を受信する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、前記システムは、前記埋め込み型医療機器に伝達的に連結される外部システムをさらに備え、前記外部システムは、
前記パラメータの前記1つ以上のプログラムされた値のプログラミングを可能にするように適合されるユーザ入力装置と、
前記埋め込み型医療機器に前記複数の刺激パラメータの前記1つ以上のプログラムされた値を伝達する外部遠隔測定回路と、
を含む、システム。
【請求項19】
胸管を含むリンパ管を有する身体に神経性刺激を伝達するための方法であって、
埋め込み型医療機器から、前記リンパ管のうちの1つに配置される少なくとも第1の刺激電極に、神経性刺激を送達するステップ
を包含する、方法。
【請求項20】
前記リンパ管のうちの1つに埋め込まれるように構成される電極基盤を使用して、前記リンパ管のうちの1つの自然な経路を変更させて、前記神経性刺激が送達される標的領域に前記リンパ管のうちの1つの一部分を接触させるステップをさらに包含し、前記第1の刺激電極は、前記電極基盤に組み込まれるか、または前記電極基盤と一体化される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記神経性刺激を送達するステップは、前記胸管に配置される刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19および20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記神経性刺激を送達するステップは、前記胸管から分岐する前記管のうちの1つに配置される刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19および20のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記神経性刺激を送達するステップは、前記第1の刺激電極および前記リンパ管のうちの1つに配置される第2の刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19および20のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記神経性刺激を送達するステップは、前記第1の刺激電極および前記リンパ管外部の体内の場所に配置される前記第2の刺激電極を通して前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19および20のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
請求項19〜24のいずれかに記載の方法であって、
1つ以上の生理学的信号を感知するステップと、
前記1つ以上の生理学的信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するステップと、
をさらに包含する、方法。
【請求項26】
前記1つ以上の生理学的信号を感知するステップは、前記第1の刺激電極を使用して神経信号を感知するステップを包含し、前記神経性刺激の前記送達を制御するステップは、前記神経信号を使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するステップを包含する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項19〜26のいずれかに記載の方法であって、
複数の刺激パラメータを使用して、前記神経性刺激の前記送達を制御するステップと、
前記複数の刺激パラメータの1つ以上の値を受信するステップと、
前記複数の刺激パラメータの前記受信した1つ以上の値を保存するステップと、
をさらに包含する、方法。
【請求項28】
前記神経性刺激が送達される標的に従って、前記刺激パラメータの1つ以上の値をプログラムするステップをさらに包含し、前記標的は、神経系の1つ以上の構成要素を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記神経性刺激を送達するステップは、副交感神経に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記神経性刺激を送達するステップは、迷走神経に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記神経性刺激を送達するステップは、交感神経に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記神経性刺激を送達するステップは、脊髄に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記神経性刺激を送達するステップは、圧受容器に前記神経性刺激を送達するステップを包含する、請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−539492(P2009−539492A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514448(P2009−514448)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/068617
【国際公開番号】WO2007/146517
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/068617
【国際公開番号】WO2007/146517
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】
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