リーダライタシステム、および、リーダライタ
【課題】携帯端末が近接された際の状況に応じて適切なWEBページを表示させることができる。
【解決手段】非接触ICチップが内蔵された携帯端末をリーダライタ10に近接させると、リーダライタ10は、携帯端末およびリーダライタに関する情報をクエリパラメータとしたURLを作成し、携帯端末に作成したURLでASPサーバ20にアクセスするように指示する。この指示を受けて携帯端末からのアクセスを受けたASPサーバ20は、クエリパラメータに基づいて、携帯端末にWEBページを送信するためのWEBサーバ30を選択する。そして、選択されたWEBサーバ30は、WEBページをアクセス元の携帯端末に送信する。
【解決手段】非接触ICチップが内蔵された携帯端末をリーダライタ10に近接させると、リーダライタ10は、携帯端末およびリーダライタに関する情報をクエリパラメータとしたURLを作成し、携帯端末に作成したURLでASPサーバ20にアクセスするように指示する。この指示を受けて携帯端末からのアクセスを受けたASPサーバ20は、クエリパラメータに基づいて、携帯端末にWEBページを送信するためのWEBサーバ30を選択する。そして、選択されたWEBサーバ30は、WEBページをアクセス元の携帯端末に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末との間で情報の送受信が可能なリーダライタシステム、リーダライタに関する。
【背景技術】
【0002】
リーダライタに非接触ICチップが内蔵されている携帯端末を近接させた際に、該携帯端末のWEBブラウザを起動させて、特定のWEBページを表示させることを可能とするリーダライタシステムがある(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−87096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のシステムは、携帯端末が近接された際に特定のサイトへアクセスさせるという画一的な処理を行うにすぎない。そのため、上述のリーダライタでは、携帯端末に内蔵されている非接触ICチップのIDや、リーダライタ毎や、近接させた時間帯毎などの状況に応じて、適切なWEBページを表示させることはできない。
【0004】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、リーダライタに近接された携帯端末が状況に応じた適切なWEBページを表示することができる、リーダライタシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るリーダライタシステムは、
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタと、
該携帯端末とネットワークを介して接続される第1のサーバと、該第1のサーバとネットワークを介して接続されWEBページを記憶する複数の第2のサーバとから構成されるリーダライタシステムであって、
前記リーダライタは、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含み、前記第1のサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを近接された携帯端末に送信するURL送信手段とを備え、
前記第1のサーバは、
携帯端末からの前記URL送信手段で送信されたURLによるアクセスに応答して、該URLに含まれる前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報に基づいて、アクセス元の携帯端末へWEBページを送信するための前記第2のサーバを選択するサーバ選択手段と、
前記サーバ選択手段で選択された前記第2のサーバに、アクセス元の携帯端末へWEBページを送信させることを指示する指示手段とを備え、
前記第2のサーバは、前記指示手段による指示に応答して、アクセス元の携帯端末へ自身が記憶するWEBページを送信するWEBページ送信手段を備える、
ことを特徴とする。
【0006】
前記URL作成手段は、前記取得手段で取得した情報を暗号化し、該暗号化した情報を含んだURLを作成し、
前記第2の取得手段は、暗号化した情報を含んだURLを復号化して、前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得してもよい。
【0007】
前記URL作成手段は、前記取得手段で取得した情報をクエリパラメータとしたURLを作成してもよい。
【0008】
前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報は、前記携帯端末に内蔵されている該非接触ICチップの識別情報、前記リーダライタの識別情報、前記リーダライタの電源が入力された回数を示す情報、前記リーダライタの電源が入力されてからの経過時間を示す情報、前記リーダライタへ携帯端末が近接された回数を示す情報、乱数を示す情報の少なくとも1つを含んでもよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るリーダライタシステムは、
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタと、
該携帯端末とネットワークを介して接続される第1のサーバとから構成されるリーダライタシステムであって、
前記リーダライタは、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含み、前記第1のサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを該携帯端末に送信するURL送信手段とを備え、
前記第1のサーバは、
複数のWEBページを記憶するWEBページ記憶手段と、
携帯端末からの前記URL送信手段で受信したURLによるアクセスに応答して、該URLに含まれる前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報に基づいて前記WEBページ記憶手段に記憶されているWEBページを選択するWEBページ選択手段と、
前記WEBページ選択手段で選択されたWEBページをアクセス元の携帯端末に送信するWEBページ送信手段を備える、
ことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るリーダライタは、
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタであって、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含むURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを該携帯端末に送信するURL送信手段とを備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、リーダライタに携帯端末が近接された際に、携帯端末のID等の情報に基づいて最適なWEBサーバが選択されるため、リーダライタに近接された携帯端末が状況に応じた適切なWEBページを表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るリーダライタシステム1について説明する。本実施形態に係るリーダライタシステム1は、図1に示すように、リーダライタ10と、ASPサーバ20と、複数のWEBサーバ30と、ネットワークNとを備える。ネットワークNは、インターネットやLAN(Local Area Network)等であり、ASPサーバ20とWEBサーバ30とはネットワークNを介して有線又は無線により相互に通信可能である。また、ASPサーバ20とWEBサーバ30とは、リーダライタ10に近接された非接触ICチップが内蔵されている携帯端末と、ネットワークNを介して相互に通信可能である。また、この携帯端末は、WEBブラウザを内蔵しており、該WEBブラウザを介して任意のWEBサイトにアクセスすることができる。
【0013】
リーダライタ10は、近接された非接触ICチップが内蔵されている携帯端末と各種の情報を送受信する。
リーダライタ10は、図2(A)に示すように、アンテナ11と、アナログ回路部12と、記憶部13と、制御部14とを備える。
【0014】
アナログ回路部12は、変調回路、復調回路、高周波増幅回路などを備え、近接された携帯端末に内蔵されている非接触ICチップと無線通信を行い、各種情報を送受信する。アナログ回路部12は、送信の動作として、搬送波を生成し、制御部14より供給されたデータを用いてこの搬送波を公知の手法により変調し、得られた変調波を増幅して、近接携帯端末へとアンテナ11を介して無線送信する。
また、アナログ回路部12は、受信の動作として、近接された携帯端末から送信されアンテナ11を介して受信した変調波を増幅して復調し、復調により得られたデータを制御部14に供給する。
【0015】
記憶部13は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等から構成され、制御部14の動作プログラム、及び固定データ、例えば、自身のリーダライタ10を識別するための識別情報(ID)を記憶する。
また、記憶部13は、制御部14が動作するための主メモリ及びワークエリアとして機能する。
また、記憶部13は、図2(B)に示すように、携帯端末が近接された回数を計測するためのカウンタ(近接回数計測カウンタ)を記憶する。なお、近接回数計測カウンタの初期値は0である。
また、記憶部13は、図2(B)に示すように、リーダライタ10が電源ONをされた回数を計測するためのカウンタ(電源ON回数計測カウンタ)を記憶する。なお、電源ON回数計測カウンタの初期値は0である。
また、記憶部13は、図2(B)に示すように、ASPサーバ20の所定のファイルにアクセスするためのアクセス用URL(Uniform Resource Locator)を記憶する。
【0016】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、記憶部13に記憶されている動作プログラムを実行することにより、リーダライタ10全体を制御する。
また、制御部14は、リーダライタ10に電源が供給されてON状態になったことを示す信号を検知した際に、電源ON回数計測カウンタを1つインクリメントする。従って、電源ON回数計測カウンタの値は、リーダライタ10の電源がONされた回数を示すこととなる。
また、制御部14は、リーダライタ10に電源が供給されてON状態になったことを示す信号を検知してからの経過時間を、内部に備えるソフトウェアタイマなどにより計測する。なお、電源がOFF状態になったことを検知した場合には、制御部14は、この計測した時間をリセットして0にする。
また、制御部14は、携帯端末が近接された際に、該携帯端末に内蔵されている非接触ICチップの識別情報(ID)や、リーダライタ10のID等の情報を暗号化してクエリパラメータにして、記憶部13に記憶されているアクセス用URLに結合したものをブラウザ起動命令とともに、近接された携帯端末に送信する。
【0017】
ASPサーバ20は、図3に示すように、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。
【0018】
通信部21は、NIC(Network Interface Card)等の通信インタフェースを備え、ネットワークNを介して、携帯端末、WEBサーバ30との間で情報を送受信する。
【0019】
記憶部22は、ハードディスク装置や、RAMや、ROM等から構成され、制御部23の動作プログラム、及び固定データを記憶する。
また、記憶部22は、制御部23が動作するための主メモリ及びワークエリアとして機能する。
【0020】
また、記憶部22は、WEBサーバ選択DB(データベース)221を備える。WEBサーバ選択DB221は、リーダライタ10に近接された携帯端末から送信されてきた情報に基づいて、該携帯端末にWEBページを送信するためのWEBサーバ30を選択するためのDBである。
【0021】
具体的に、WEBサーバ選択DB221は、図4に示すように、所定の条件毎に、該条件を満たす情報の送信元の携帯端末にWEBページを送信させるWEBサーバ30を特定するための情報(例えば、WEBサーバ30のIPアドレス)を記憶する。
所定の条件は、携帯端末が内蔵する非接触ICチップの識別情報(ICチップID)と、リーダライタ10の識別情報(リーダライタID)と、リーダライタ10の電源ONの回数(電源ON回数)と、リーダライタ10の電源ONからの経過時間(電源ON経過時間)と、リーダライタ10へ携帯端末が近接された回数(近接回数)と、乱数の各範囲を示した複数の条件から構成される。
例えば、図4に示すWEBサーバ選択DB221の先頭エントリに記憶されている情報より、ICチップIDが「T000〜T300」の範囲にあり、リーダライタIDが「RW1000〜RW2000」の範囲にあり、電源ON回数が「3回以上」であり、電源ON経過時間が「1時間以上」であり、近接回数が「0回〜1000回」の範囲にあり、乱数が「奇数」である各情報が携帯端末から送信されてきた際に、該携帯端末へWEBページを送信するために、IPアドレス「123:123:123:1」で特定されるWEBサーバ30が選択されることを示している。
また、2番目のエントリに記憶されている情報より、リーダライタIDが「RW2001〜RW3000」の範囲にある情報が送信されてきた際に、IPアドレス「123:123:123:2」で特定されるWEBサーバ30が選択されることを示している。
また、3番目のエントリに記憶されている情報より、電源ON回数が「100回以下」であり、電源ON経過時間が「5時間以上、10時間未満」である各情報が送信されてきた際に、IPアドレス「123:123:123:3」で特定されるWEBサーバ30が選択されることを示している。
また、4番目のエントリに記憶されている情報より、近接回数が「1000回、5000回」であることを示す情報が送信されてきた際に、IPアドレス「123:123:123:4」で特定されるWEBサーバ30が選択されることを示している。
【0022】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、記憶部22に記憶されている動作プログラムを実行することにより、ASPサーバ20全体を制御する。
また、制御部23は、携帯端末から送信されたURLに含まれる情報から、該携帯端末にWEBページを送信させるWEBサーバ30を選択する処理を行う。
【0023】
WEBサーバ30は、図5に示すように、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。
【0024】
通信部31は、NIC(Network Interface Card)等の通信インタフェースを備え、ネットワークNを介して、携帯端末、ASPサーバ20との間で情報を送受信する。
【0025】
記憶部32は、ハードディスク装置や、RAMや、ROM等から構成され、制御部33の動作プログラム、及び固定データを記憶する。
また、記憶部32は、制御部33が動作するための主メモリ及びワークエリアとして機能する。
また、記憶部32は、携帯端末に送信するためのWEBページを記憶している。
【0026】
制御部33は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、記憶部32に記憶されている動作プログラムを実行することにより、ASPサーバ20全体を制御する。
また、制御部33は、通信部31よりネットワークNを介して携帯端末に、記憶部32に記憶されているWEBページを送信する。
【0027】
続いて、携帯端末のユーザがリーダライタ10に携帯端末を近接させたときのリーダライタシステム1の動作について、図6、図7を参照して説明する。
【0028】
まず、ユーザは、携帯端末をリーダライタ10に近接させて、携帯端末に内蔵されている非接触ICチップより、該非接触ICチップのIDを含んだ変調波を無線送信する。そして、リーダライタ10は、アンテナ11より携帯端末から無線送信された変調波を受信する。アナログ回路部12は、アンテナ11が受信した変調波を増幅して復調し、復調により得られた非接触ICチップのIDを制御部14に送信する。
【0029】
リーダライタ10の制御部14は、アナログ回路部12から非接触ICチップのIDを受信すると(図6、ステップS11)、以下の(1)〜(6)の各情報を取得する(ステップS12)。
(1)携帯端末が内蔵する非接触ICチップの識別情報(ICチップID)
(2)リーダライタ10の識別情報(リーダライタID)
(3)リーダライタ10の電源ONの回数(電源ON回数)
(4)リーダライタ10の電源ONからの経過時間(電源ON経過時間)
(5)リーダライタ10へ携帯端末が近接された回数(近接回数)
(6)乱数
【0030】
なお、(1)のICチップIDの取得は、制御部14が、近接された携帯端末より送信されてきたICチップIDを取得すればよい。
また、(2)のリーダライタIDの取得は、制御部14が、記憶部13に記憶されているリーダライタIDを読み出せばよい。
また、(3)の電源ON回数の取得は、制御部14が、記憶部13に記憶されている電源ON回数計測カウンタの値を読み出せばよい。
また、(4)の電源ON経過時間は、制御部14が、自身が備えるソフトウェアタイマなどによって計測した時間を取得すればよい。
また、(5)の近接回数の取得は、制御部14が、記憶部13に記憶されている近接回数計測カウンタを1つインクリメントした値を取得すればよい。
また、(6)の乱数の取得は、制御部14が公知の乱数発生処理を行って取得すればよい。
【0031】
続いて制御部14は、取得した各情報を暗号化する(ステップS13)。
この暗号化は、秘密キーや公開キーを用いて暗号化するなどの、公知の暗号化技術を利用して行えばよい。
【0032】
そして、制御部14は、暗号化した各情報をクエリパラメータとして、記憶部13に記憶されているアクセス用URLに連結したURLを作成する(ステップS14)。
例えば、アクセス用URLが「http://www.bug.co.jp/index.html」であり、上記の(1)〜(6)の各情報を暗号化した情報が、それぞれ、「abc」、「def」、「ghi」、「jkl」、「mno」、「pqr」である場合、これらの暗号化した各情報をクエリパラメータ(x1〜x6)にした「x1=abc&x2=def&x3=ghi&x4=jkl&x5=mno&x6=pqr」が作成される。そして作成されたクエリにアクセス用URLを連結したURL「http://www.bug.co.jp/index.html?x1=abc&x2=def&x3=ghi&x4=jkl&x5=mno&x6=pqr」が作成される。
【0033】
続いて、制御部14は、近接された携帯端末に、ブラウザを起動させてステップS14で作成したURL先にアクセスするための指示情報を、アンテナ11より無線送信する(ステップS15)。以上で、携帯端末が近接された際の、リーダライタ10の処理は終了する。
【0034】
携帯端末は、リーダライタ10からの指示情報を受信すると、内蔵されているWEBブラウザを起動し、起動させたブラウザを介して、ステップS14で作成したURLにより、ASPサーバ20にアクセスする。なお、このとき、このURLの一部である、暗号化したクエリパラメータが、ASPサーバ20に送信される。
【0035】
ASPサーバ20の制御部23は、携帯端末からのアクセス情報を受信すると(図7、ステップS21)、携帯端末から送信された暗号化されているクエリパラメータを復号化し、ステップS12で取得した各情報を取得する(ステップS22)。
なお、この復号化は、秘密キーを用いて復号化するなどの、公知の復号化技術を利用して行えばよい。
【0036】
そして、制御部23は、取得した各情報、および、WEBサーバ選択DB221に記憶されている情報に基づいて、携帯端末にWEBページを送信させるためのWEBサーバ30を選択する(ステップS23)。
例えば、WEBサーバ選択DB221に図4に示すような情報が記憶されている場合において、携帯端末から取得したクエリパラメータを復号化して得られた各情報が、ICチップID「T123」、リーダライタID「RW1234」、電源ON回数「10回」、電源ON経過時間「3時間」、近接回数「500回」、乱数「3」であった場合、こららの各情報の全てを満たす条件に対応付けられているIPアドレス「123:123:123:1」を有するWEBサーバ30が選択される。
【0037】
続いて、制御部は23、選択したWEBサーバ30に、WEBページを送信させることを要求する、WEBページ送信要求を送信する(ステップS24)。なお、このWEBページ送信要求には、WEBページの送信先となるアクセス元の携帯端末のアドレス(例えば、IPアドレス)が含まれている。以上で、ASPサーバ20の処理は終了する。
【0038】
WEBサーバ30の制御部33はWEBページ送信要求を受信すると(ステップS31)、記憶部32に記憶されているWEBページを、WEBページ送信要求に含まれているアドレスを有する携帯端末へ送信する(ステップS32)。
以上で、WEBサーバ30の処理は終了する。
【0039】
そして、携帯端末は、WEBサーバ30から送信されたWEBページを受信して、ブラウザ上に表示する。
以上で、リーダライタシステム1の処理は終了する。
【0040】
このように、本実施形態のリーダライタシステム1では、非接触ICチップが内蔵された携帯端末をリーダライタ10にかざすと、携帯端末およびリーダライタに関する情報をクエリパラメータとしたURLが作成される。そして、作成されたURLで携帯端末がASPサーバ20にアクセスした際には、ASPサーバ20は該URLに含まれるクエリパラメータに基づいて、適切なWEBサーバを選択する。従って、携帯端末は、リーダライタ10に自身を近接させた際に、かざされた携帯端末およびリーダライタの状況に基づいて、適切なWEBページを表示することが可能となる。
また、このクエリパラメータとなる情報には、リーダライタ10の電源ON経過時間と近接回数も含まれているため、携帯端末が近接されたときのおよその時刻がわかる。従って、近接された時刻に応じて適切なWEBページを表示することが可能となる。なお、リーダライタ10に時計機能を持たせ、近接時に時刻を取得するようにしてもよいが、このような構成にすると、定期的にこの時計機能の時刻合わせを行う必要があり、メンテナンスにかかる手間が増えることとなる。
【0041】
なお、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、リーダライタ10は、ステップS12で、ICチップID、リーダライタID、電源ON回数、電源ON経過時間、近接回数、乱数の6つの情報を取得したが、必ずしもこれらの情報全てを取得する必要はなく、これらの情報のうち少なくとも1つの情報を取得すればよい。
また、これらの情報以外にも、ICチップの種別、携帯端末の識別情報(例えば、設定されている電話番号)、リーダライタ10に設定されているステータス情報なども取得してもよい。
【0042】
また、リーダライタ10は、ステップS15の処理で、作成したURLのみを携帯端末に送信してもよい。すなわち、この場合、携帯端末のブラウザは自動的に起動されず、該URLが示すアクセス先にはアクセスがなされない。そして、携帯端末のブラウザが起動されて該URL先へのアクセスが行われるのは、ユーザによっては、比較的長い時間が経過してから行われる可能性がある。
この場合でも、該URLのクエリパラメータとして設定されている情報は、あくまでリーダライタ10へ携帯端末が近接された時点で作成された情報であるため、携帯端末は、該URLにより近接時の状況に応じた適切なWEBページを表示することができる。
【0043】
また、WEBサーバ30を備えないようにリーダライタシステム1を構成してもよい。この場合、ASPサーバ20の記憶部22には、WEBサーバ選択DB221の替わりに、図8に示すようなWEBページ選択DB222を備える。
このWEBページ選択DB222は、所定の条件毎に、該条件を満たす情報の送信元である携帯端末に送信するためのWEBページを記憶するDBである。
そして、この場合、ASPサーバ20は、携帯端末からのアクセス情報を受信した際には、図9に示す処理を行う。
【0044】
即ち、ASPサーバ20の制御部23は、携帯端末からのアクセス情報を受信すると(図9、ステップS41)、クエリパラメータを復号化して各情報を取得(ステップS42)する。
【0045】
そして、制御部23は、取得した各情報に基づいて、WEBページ選択DB222から適切なWEBページを選択する(ステップS43)。
具体的には、取得した各情報の全てを満たす条件に対応付けられているWEBページを、WEBページ選択DB222から取得すればよい。
そして、制御部23は、取得したWEBページを、アクセス元の携帯端末に送信し(ステップS44)、携帯端末は送信されたWEBページを表示し、処理は終了する。
【0046】
このような処理をすることで、WEBサーバ30を構成しなくても、携帯端末に状況に応じた適切なWEBページを表示させるという、同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の本実施形態に係るリーダライタシステムの構成を示す図である。
【図2】図1に示すリーダライタの構成を示す図である。
【図3】図1に示すASPサーバの構成を示す図である。
【図4】WEBサーバ選択DBの構成を示す図である。
【図5】図1に示すWEBサーバの構成を示す図である。
【図6】携帯端末をリーダライタに近接させた際に行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】携帯端末をリーダライタに近接させた際に行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】WEBページ選択DBの構成を示す図である。
【図9】WEBサーバを構成しない場合における、携帯端末からのアクセスがあった際に行われるASPサーバの処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 リーダライタシステム
10 リーダライタ
20 ASPサーバ
30 WEBサーバ
N ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末との間で情報の送受信が可能なリーダライタシステム、リーダライタに関する。
【背景技術】
【0002】
リーダライタに非接触ICチップが内蔵されている携帯端末を近接させた際に、該携帯端末のWEBブラウザを起動させて、特定のWEBページを表示させることを可能とするリーダライタシステムがある(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−87096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のシステムは、携帯端末が近接された際に特定のサイトへアクセスさせるという画一的な処理を行うにすぎない。そのため、上述のリーダライタでは、携帯端末に内蔵されている非接触ICチップのIDや、リーダライタ毎や、近接させた時間帯毎などの状況に応じて、適切なWEBページを表示させることはできない。
【0004】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、リーダライタに近接された携帯端末が状況に応じた適切なWEBページを表示することができる、リーダライタシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るリーダライタシステムは、
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタと、
該携帯端末とネットワークを介して接続される第1のサーバと、該第1のサーバとネットワークを介して接続されWEBページを記憶する複数の第2のサーバとから構成されるリーダライタシステムであって、
前記リーダライタは、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含み、前記第1のサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを近接された携帯端末に送信するURL送信手段とを備え、
前記第1のサーバは、
携帯端末からの前記URL送信手段で送信されたURLによるアクセスに応答して、該URLに含まれる前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報に基づいて、アクセス元の携帯端末へWEBページを送信するための前記第2のサーバを選択するサーバ選択手段と、
前記サーバ選択手段で選択された前記第2のサーバに、アクセス元の携帯端末へWEBページを送信させることを指示する指示手段とを備え、
前記第2のサーバは、前記指示手段による指示に応答して、アクセス元の携帯端末へ自身が記憶するWEBページを送信するWEBページ送信手段を備える、
ことを特徴とする。
【0006】
前記URL作成手段は、前記取得手段で取得した情報を暗号化し、該暗号化した情報を含んだURLを作成し、
前記第2の取得手段は、暗号化した情報を含んだURLを復号化して、前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得してもよい。
【0007】
前記URL作成手段は、前記取得手段で取得した情報をクエリパラメータとしたURLを作成してもよい。
【0008】
前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報は、前記携帯端末に内蔵されている該非接触ICチップの識別情報、前記リーダライタの識別情報、前記リーダライタの電源が入力された回数を示す情報、前記リーダライタの電源が入力されてからの経過時間を示す情報、前記リーダライタへ携帯端末が近接された回数を示す情報、乱数を示す情報の少なくとも1つを含んでもよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るリーダライタシステムは、
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタと、
該携帯端末とネットワークを介して接続される第1のサーバとから構成されるリーダライタシステムであって、
前記リーダライタは、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含み、前記第1のサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを該携帯端末に送信するURL送信手段とを備え、
前記第1のサーバは、
複数のWEBページを記憶するWEBページ記憶手段と、
携帯端末からの前記URL送信手段で受信したURLによるアクセスに応答して、該URLに含まれる前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報に基づいて前記WEBページ記憶手段に記憶されているWEBページを選択するWEBページ選択手段と、
前記WEBページ選択手段で選択されたWEBページをアクセス元の携帯端末に送信するWEBページ送信手段を備える、
ことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るリーダライタは、
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタであって、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含むURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを該携帯端末に送信するURL送信手段とを備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、リーダライタに携帯端末が近接された際に、携帯端末のID等の情報に基づいて最適なWEBサーバが選択されるため、リーダライタに近接された携帯端末が状況に応じた適切なWEBページを表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るリーダライタシステム1について説明する。本実施形態に係るリーダライタシステム1は、図1に示すように、リーダライタ10と、ASPサーバ20と、複数のWEBサーバ30と、ネットワークNとを備える。ネットワークNは、インターネットやLAN(Local Area Network)等であり、ASPサーバ20とWEBサーバ30とはネットワークNを介して有線又は無線により相互に通信可能である。また、ASPサーバ20とWEBサーバ30とは、リーダライタ10に近接された非接触ICチップが内蔵されている携帯端末と、ネットワークNを介して相互に通信可能である。また、この携帯端末は、WEBブラウザを内蔵しており、該WEBブラウザを介して任意のWEBサイトにアクセスすることができる。
【0013】
リーダライタ10は、近接された非接触ICチップが内蔵されている携帯端末と各種の情報を送受信する。
リーダライタ10は、図2(A)に示すように、アンテナ11と、アナログ回路部12と、記憶部13と、制御部14とを備える。
【0014】
アナログ回路部12は、変調回路、復調回路、高周波増幅回路などを備え、近接された携帯端末に内蔵されている非接触ICチップと無線通信を行い、各種情報を送受信する。アナログ回路部12は、送信の動作として、搬送波を生成し、制御部14より供給されたデータを用いてこの搬送波を公知の手法により変調し、得られた変調波を増幅して、近接携帯端末へとアンテナ11を介して無線送信する。
また、アナログ回路部12は、受信の動作として、近接された携帯端末から送信されアンテナ11を介して受信した変調波を増幅して復調し、復調により得られたデータを制御部14に供給する。
【0015】
記憶部13は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等から構成され、制御部14の動作プログラム、及び固定データ、例えば、自身のリーダライタ10を識別するための識別情報(ID)を記憶する。
また、記憶部13は、制御部14が動作するための主メモリ及びワークエリアとして機能する。
また、記憶部13は、図2(B)に示すように、携帯端末が近接された回数を計測するためのカウンタ(近接回数計測カウンタ)を記憶する。なお、近接回数計測カウンタの初期値は0である。
また、記憶部13は、図2(B)に示すように、リーダライタ10が電源ONをされた回数を計測するためのカウンタ(電源ON回数計測カウンタ)を記憶する。なお、電源ON回数計測カウンタの初期値は0である。
また、記憶部13は、図2(B)に示すように、ASPサーバ20の所定のファイルにアクセスするためのアクセス用URL(Uniform Resource Locator)を記憶する。
【0016】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、記憶部13に記憶されている動作プログラムを実行することにより、リーダライタ10全体を制御する。
また、制御部14は、リーダライタ10に電源が供給されてON状態になったことを示す信号を検知した際に、電源ON回数計測カウンタを1つインクリメントする。従って、電源ON回数計測カウンタの値は、リーダライタ10の電源がONされた回数を示すこととなる。
また、制御部14は、リーダライタ10に電源が供給されてON状態になったことを示す信号を検知してからの経過時間を、内部に備えるソフトウェアタイマなどにより計測する。なお、電源がOFF状態になったことを検知した場合には、制御部14は、この計測した時間をリセットして0にする。
また、制御部14は、携帯端末が近接された際に、該携帯端末に内蔵されている非接触ICチップの識別情報(ID)や、リーダライタ10のID等の情報を暗号化してクエリパラメータにして、記憶部13に記憶されているアクセス用URLに結合したものをブラウザ起動命令とともに、近接された携帯端末に送信する。
【0017】
ASPサーバ20は、図3に示すように、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。
【0018】
通信部21は、NIC(Network Interface Card)等の通信インタフェースを備え、ネットワークNを介して、携帯端末、WEBサーバ30との間で情報を送受信する。
【0019】
記憶部22は、ハードディスク装置や、RAMや、ROM等から構成され、制御部23の動作プログラム、及び固定データを記憶する。
また、記憶部22は、制御部23が動作するための主メモリ及びワークエリアとして機能する。
【0020】
また、記憶部22は、WEBサーバ選択DB(データベース)221を備える。WEBサーバ選択DB221は、リーダライタ10に近接された携帯端末から送信されてきた情報に基づいて、該携帯端末にWEBページを送信するためのWEBサーバ30を選択するためのDBである。
【0021】
具体的に、WEBサーバ選択DB221は、図4に示すように、所定の条件毎に、該条件を満たす情報の送信元の携帯端末にWEBページを送信させるWEBサーバ30を特定するための情報(例えば、WEBサーバ30のIPアドレス)を記憶する。
所定の条件は、携帯端末が内蔵する非接触ICチップの識別情報(ICチップID)と、リーダライタ10の識別情報(リーダライタID)と、リーダライタ10の電源ONの回数(電源ON回数)と、リーダライタ10の電源ONからの経過時間(電源ON経過時間)と、リーダライタ10へ携帯端末が近接された回数(近接回数)と、乱数の各範囲を示した複数の条件から構成される。
例えば、図4に示すWEBサーバ選択DB221の先頭エントリに記憶されている情報より、ICチップIDが「T000〜T300」の範囲にあり、リーダライタIDが「RW1000〜RW2000」の範囲にあり、電源ON回数が「3回以上」であり、電源ON経過時間が「1時間以上」であり、近接回数が「0回〜1000回」の範囲にあり、乱数が「奇数」である各情報が携帯端末から送信されてきた際に、該携帯端末へWEBページを送信するために、IPアドレス「123:123:123:1」で特定されるWEBサーバ30が選択されることを示している。
また、2番目のエントリに記憶されている情報より、リーダライタIDが「RW2001〜RW3000」の範囲にある情報が送信されてきた際に、IPアドレス「123:123:123:2」で特定されるWEBサーバ30が選択されることを示している。
また、3番目のエントリに記憶されている情報より、電源ON回数が「100回以下」であり、電源ON経過時間が「5時間以上、10時間未満」である各情報が送信されてきた際に、IPアドレス「123:123:123:3」で特定されるWEBサーバ30が選択されることを示している。
また、4番目のエントリに記憶されている情報より、近接回数が「1000回、5000回」であることを示す情報が送信されてきた際に、IPアドレス「123:123:123:4」で特定されるWEBサーバ30が選択されることを示している。
【0022】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、記憶部22に記憶されている動作プログラムを実行することにより、ASPサーバ20全体を制御する。
また、制御部23は、携帯端末から送信されたURLに含まれる情報から、該携帯端末にWEBページを送信させるWEBサーバ30を選択する処理を行う。
【0023】
WEBサーバ30は、図5に示すように、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。
【0024】
通信部31は、NIC(Network Interface Card)等の通信インタフェースを備え、ネットワークNを介して、携帯端末、ASPサーバ20との間で情報を送受信する。
【0025】
記憶部32は、ハードディスク装置や、RAMや、ROM等から構成され、制御部33の動作プログラム、及び固定データを記憶する。
また、記憶部32は、制御部33が動作するための主メモリ及びワークエリアとして機能する。
また、記憶部32は、携帯端末に送信するためのWEBページを記憶している。
【0026】
制御部33は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、記憶部32に記憶されている動作プログラムを実行することにより、ASPサーバ20全体を制御する。
また、制御部33は、通信部31よりネットワークNを介して携帯端末に、記憶部32に記憶されているWEBページを送信する。
【0027】
続いて、携帯端末のユーザがリーダライタ10に携帯端末を近接させたときのリーダライタシステム1の動作について、図6、図7を参照して説明する。
【0028】
まず、ユーザは、携帯端末をリーダライタ10に近接させて、携帯端末に内蔵されている非接触ICチップより、該非接触ICチップのIDを含んだ変調波を無線送信する。そして、リーダライタ10は、アンテナ11より携帯端末から無線送信された変調波を受信する。アナログ回路部12は、アンテナ11が受信した変調波を増幅して復調し、復調により得られた非接触ICチップのIDを制御部14に送信する。
【0029】
リーダライタ10の制御部14は、アナログ回路部12から非接触ICチップのIDを受信すると(図6、ステップS11)、以下の(1)〜(6)の各情報を取得する(ステップS12)。
(1)携帯端末が内蔵する非接触ICチップの識別情報(ICチップID)
(2)リーダライタ10の識別情報(リーダライタID)
(3)リーダライタ10の電源ONの回数(電源ON回数)
(4)リーダライタ10の電源ONからの経過時間(電源ON経過時間)
(5)リーダライタ10へ携帯端末が近接された回数(近接回数)
(6)乱数
【0030】
なお、(1)のICチップIDの取得は、制御部14が、近接された携帯端末より送信されてきたICチップIDを取得すればよい。
また、(2)のリーダライタIDの取得は、制御部14が、記憶部13に記憶されているリーダライタIDを読み出せばよい。
また、(3)の電源ON回数の取得は、制御部14が、記憶部13に記憶されている電源ON回数計測カウンタの値を読み出せばよい。
また、(4)の電源ON経過時間は、制御部14が、自身が備えるソフトウェアタイマなどによって計測した時間を取得すればよい。
また、(5)の近接回数の取得は、制御部14が、記憶部13に記憶されている近接回数計測カウンタを1つインクリメントした値を取得すればよい。
また、(6)の乱数の取得は、制御部14が公知の乱数発生処理を行って取得すればよい。
【0031】
続いて制御部14は、取得した各情報を暗号化する(ステップS13)。
この暗号化は、秘密キーや公開キーを用いて暗号化するなどの、公知の暗号化技術を利用して行えばよい。
【0032】
そして、制御部14は、暗号化した各情報をクエリパラメータとして、記憶部13に記憶されているアクセス用URLに連結したURLを作成する(ステップS14)。
例えば、アクセス用URLが「http://www.bug.co.jp/index.html」であり、上記の(1)〜(6)の各情報を暗号化した情報が、それぞれ、「abc」、「def」、「ghi」、「jkl」、「mno」、「pqr」である場合、これらの暗号化した各情報をクエリパラメータ(x1〜x6)にした「x1=abc&x2=def&x3=ghi&x4=jkl&x5=mno&x6=pqr」が作成される。そして作成されたクエリにアクセス用URLを連結したURL「http://www.bug.co.jp/index.html?x1=abc&x2=def&x3=ghi&x4=jkl&x5=mno&x6=pqr」が作成される。
【0033】
続いて、制御部14は、近接された携帯端末に、ブラウザを起動させてステップS14で作成したURL先にアクセスするための指示情報を、アンテナ11より無線送信する(ステップS15)。以上で、携帯端末が近接された際の、リーダライタ10の処理は終了する。
【0034】
携帯端末は、リーダライタ10からの指示情報を受信すると、内蔵されているWEBブラウザを起動し、起動させたブラウザを介して、ステップS14で作成したURLにより、ASPサーバ20にアクセスする。なお、このとき、このURLの一部である、暗号化したクエリパラメータが、ASPサーバ20に送信される。
【0035】
ASPサーバ20の制御部23は、携帯端末からのアクセス情報を受信すると(図7、ステップS21)、携帯端末から送信された暗号化されているクエリパラメータを復号化し、ステップS12で取得した各情報を取得する(ステップS22)。
なお、この復号化は、秘密キーを用いて復号化するなどの、公知の復号化技術を利用して行えばよい。
【0036】
そして、制御部23は、取得した各情報、および、WEBサーバ選択DB221に記憶されている情報に基づいて、携帯端末にWEBページを送信させるためのWEBサーバ30を選択する(ステップS23)。
例えば、WEBサーバ選択DB221に図4に示すような情報が記憶されている場合において、携帯端末から取得したクエリパラメータを復号化して得られた各情報が、ICチップID「T123」、リーダライタID「RW1234」、電源ON回数「10回」、電源ON経過時間「3時間」、近接回数「500回」、乱数「3」であった場合、こららの各情報の全てを満たす条件に対応付けられているIPアドレス「123:123:123:1」を有するWEBサーバ30が選択される。
【0037】
続いて、制御部は23、選択したWEBサーバ30に、WEBページを送信させることを要求する、WEBページ送信要求を送信する(ステップS24)。なお、このWEBページ送信要求には、WEBページの送信先となるアクセス元の携帯端末のアドレス(例えば、IPアドレス)が含まれている。以上で、ASPサーバ20の処理は終了する。
【0038】
WEBサーバ30の制御部33はWEBページ送信要求を受信すると(ステップS31)、記憶部32に記憶されているWEBページを、WEBページ送信要求に含まれているアドレスを有する携帯端末へ送信する(ステップS32)。
以上で、WEBサーバ30の処理は終了する。
【0039】
そして、携帯端末は、WEBサーバ30から送信されたWEBページを受信して、ブラウザ上に表示する。
以上で、リーダライタシステム1の処理は終了する。
【0040】
このように、本実施形態のリーダライタシステム1では、非接触ICチップが内蔵された携帯端末をリーダライタ10にかざすと、携帯端末およびリーダライタに関する情報をクエリパラメータとしたURLが作成される。そして、作成されたURLで携帯端末がASPサーバ20にアクセスした際には、ASPサーバ20は該URLに含まれるクエリパラメータに基づいて、適切なWEBサーバを選択する。従って、携帯端末は、リーダライタ10に自身を近接させた際に、かざされた携帯端末およびリーダライタの状況に基づいて、適切なWEBページを表示することが可能となる。
また、このクエリパラメータとなる情報には、リーダライタ10の電源ON経過時間と近接回数も含まれているため、携帯端末が近接されたときのおよその時刻がわかる。従って、近接された時刻に応じて適切なWEBページを表示することが可能となる。なお、リーダライタ10に時計機能を持たせ、近接時に時刻を取得するようにしてもよいが、このような構成にすると、定期的にこの時計機能の時刻合わせを行う必要があり、メンテナンスにかかる手間が増えることとなる。
【0041】
なお、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施の形態に限られるものではない。
例えば、リーダライタ10は、ステップS12で、ICチップID、リーダライタID、電源ON回数、電源ON経過時間、近接回数、乱数の6つの情報を取得したが、必ずしもこれらの情報全てを取得する必要はなく、これらの情報のうち少なくとも1つの情報を取得すればよい。
また、これらの情報以外にも、ICチップの種別、携帯端末の識別情報(例えば、設定されている電話番号)、リーダライタ10に設定されているステータス情報なども取得してもよい。
【0042】
また、リーダライタ10は、ステップS15の処理で、作成したURLのみを携帯端末に送信してもよい。すなわち、この場合、携帯端末のブラウザは自動的に起動されず、該URLが示すアクセス先にはアクセスがなされない。そして、携帯端末のブラウザが起動されて該URL先へのアクセスが行われるのは、ユーザによっては、比較的長い時間が経過してから行われる可能性がある。
この場合でも、該URLのクエリパラメータとして設定されている情報は、あくまでリーダライタ10へ携帯端末が近接された時点で作成された情報であるため、携帯端末は、該URLにより近接時の状況に応じた適切なWEBページを表示することができる。
【0043】
また、WEBサーバ30を備えないようにリーダライタシステム1を構成してもよい。この場合、ASPサーバ20の記憶部22には、WEBサーバ選択DB221の替わりに、図8に示すようなWEBページ選択DB222を備える。
このWEBページ選択DB222は、所定の条件毎に、該条件を満たす情報の送信元である携帯端末に送信するためのWEBページを記憶するDBである。
そして、この場合、ASPサーバ20は、携帯端末からのアクセス情報を受信した際には、図9に示す処理を行う。
【0044】
即ち、ASPサーバ20の制御部23は、携帯端末からのアクセス情報を受信すると(図9、ステップS41)、クエリパラメータを復号化して各情報を取得(ステップS42)する。
【0045】
そして、制御部23は、取得した各情報に基づいて、WEBページ選択DB222から適切なWEBページを選択する(ステップS43)。
具体的には、取得した各情報の全てを満たす条件に対応付けられているWEBページを、WEBページ選択DB222から取得すればよい。
そして、制御部23は、取得したWEBページを、アクセス元の携帯端末に送信し(ステップS44)、携帯端末は送信されたWEBページを表示し、処理は終了する。
【0046】
このような処理をすることで、WEBサーバ30を構成しなくても、携帯端末に状況に応じた適切なWEBページを表示させるという、同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の本実施形態に係るリーダライタシステムの構成を示す図である。
【図2】図1に示すリーダライタの構成を示す図である。
【図3】図1に示すASPサーバの構成を示す図である。
【図4】WEBサーバ選択DBの構成を示す図である。
【図5】図1に示すWEBサーバの構成を示す図である。
【図6】携帯端末をリーダライタに近接させた際に行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】携帯端末をリーダライタに近接させた際に行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】WEBページ選択DBの構成を示す図である。
【図9】WEBサーバを構成しない場合における、携帯端末からのアクセスがあった際に行われるASPサーバの処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 リーダライタシステム
10 リーダライタ
20 ASPサーバ
30 WEBサーバ
N ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタと、
該携帯端末とネットワークを介して接続される第1のサーバと、該第1のサーバとネットワークを介して接続されWEBページを記憶する複数の第2のサーバとから構成されるリーダライタシステムであって、
前記リーダライタは、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含み、前記第1のサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを近接された携帯端末に送信するURL送信手段とを備え、
前記第1のサーバは、
携帯端末からの前記URL送信手段で送信されたURLによるアクセスに応答して、該URLに含まれる前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報に基づいて、アクセス元の携帯端末へWEBページを送信するための前記第2のサーバを選択するサーバ選択手段と、
前記サーバ選択手段で選択された前記第2のサーバに、アクセス元の携帯端末へWEBページを送信させることを指示する指示手段とを備え、
前記第2のサーバは、前記指示手段による指示に応答して、アクセス元の携帯端末へ自身が記憶するWEBページを送信するWEBページ送信手段を備える、
ことを特徴とする、リーダライタシステム。
【請求項2】
前記URL作成手段は、前記取得手段で取得した情報を暗号化し、該暗号化した情報を含んだURLを作成し、
前記第2の取得手段は、暗号化した情報を含んだURLを復号化して、前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のリーダライタシステム。
【請求項3】
前記URL作成手段は、前記取得手段で取得した情報をクエリパラメータとしたURLを作成する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のリーダライタシステム。
【請求項4】
前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報は、前記携帯端末に内蔵されている該非接触ICチップの識別情報、前記リーダライタの識別情報、前記リーダライタの電源が入力された回数を示す情報、前記リーダライタの電源が入力されてからの経過時間を示す情報、前記リーダライタへ携帯端末が近接された回数を示す情報、乱数を示す情報の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のリーダライタシステム。
【請求項5】
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタと、
該携帯端末とネットワークを介して接続される第1のサーバとから構成されるリーダライタシステムであって、
前記リーダライタは、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含み、前記第1のサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを該携帯端末に送信するURL送信手段とを備え、
前記第1のサーバは、
複数のWEBページを記憶するWEBページ記憶手段と、
携帯端末からの前記URL送信手段で受信したURLによるアクセスに応答して、該URLに含まれる前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報に基づいて前記WEBページ記憶手段に記憶されているWEBページを選択するWEBページ選択手段と、
前記WEBページ選択手段で選択されたWEBページをアクセス元の携帯端末に送信するWEBページ送信手段を備える、
ことを特徴とする、リーダライタシステム。
【請求項6】
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタであって、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含むURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを該携帯端末に送信するURL送信手段とを備える、
ことを特徴とするリーダライタ。
【請求項1】
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタと、
該携帯端末とネットワークを介して接続される第1のサーバと、該第1のサーバとネットワークを介して接続されWEBページを記憶する複数の第2のサーバとから構成されるリーダライタシステムであって、
前記リーダライタは、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含み、前記第1のサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを近接された携帯端末に送信するURL送信手段とを備え、
前記第1のサーバは、
携帯端末からの前記URL送信手段で送信されたURLによるアクセスに応答して、該URLに含まれる前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報に基づいて、アクセス元の携帯端末へWEBページを送信するための前記第2のサーバを選択するサーバ選択手段と、
前記サーバ選択手段で選択された前記第2のサーバに、アクセス元の携帯端末へWEBページを送信させることを指示する指示手段とを備え、
前記第2のサーバは、前記指示手段による指示に応答して、アクセス元の携帯端末へ自身が記憶するWEBページを送信するWEBページ送信手段を備える、
ことを特徴とする、リーダライタシステム。
【請求項2】
前記URL作成手段は、前記取得手段で取得した情報を暗号化し、該暗号化した情報を含んだURLを作成し、
前記第2の取得手段は、暗号化した情報を含んだURLを復号化して、前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のリーダライタシステム。
【請求項3】
前記URL作成手段は、前記取得手段で取得した情報をクエリパラメータとしたURLを作成する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のリーダライタシステム。
【請求項4】
前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報は、前記携帯端末に内蔵されている該非接触ICチップの識別情報、前記リーダライタの識別情報、前記リーダライタの電源が入力された回数を示す情報、前記リーダライタの電源が入力されてからの経過時間を示す情報、前記リーダライタへ携帯端末が近接された回数を示す情報、乱数を示す情報の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のリーダライタシステム。
【請求項5】
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタと、
該携帯端末とネットワークを介して接続される第1のサーバとから構成されるリーダライタシステムであって、
前記リーダライタは、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含み、前記第1のサーバにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを該携帯端末に送信するURL送信手段とを備え、
前記第1のサーバは、
複数のWEBページを記憶するWEBページ記憶手段と、
携帯端末からの前記URL送信手段で受信したURLによるアクセスに応答して、該URLに含まれる前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段で取得した前記携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報に基づいて前記WEBページ記憶手段に記憶されているWEBページを選択するWEBページ選択手段と、
前記WEBページ選択手段で選択されたWEBページをアクセス元の携帯端末に送信するWEBページ送信手段を備える、
ことを特徴とする、リーダライタシステム。
【請求項6】
近接された携帯端末との間で情報を読み書きする機能を有するリーダライタであって、
前記携帯端末が近接された際に、該携帯端末及び/又はリーダライタに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した情報を含むURL(Uniform Resource Locator)を作成するURL作成手段と、
前記URL作成手段で作成したURLを該携帯端末に送信するURL送信手段とを備える、
ことを特徴とするリーダライタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−59124(P2009−59124A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225044(P2007−225044)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(591271450)株式会社ビー・ユー・ジー (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(591271450)株式会社ビー・ユー・ジー (9)
【Fターム(参考)】
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