説明

リーダライタ監視システム、リーダライタ監視方法、リーダライタ監視用コンピュータ、リーダライタ

【課題】リーダライタ稼働状況の簡便確実かつ迅速なチェックを可能とする。
【解決手段】周囲に存在する他リーダライタの確認用無線ICタグ20の読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータ200に送信する、確認用無線ICタグ20が取り付けられたリーダライタ300と、前記結果情報を前記リーダライタ300より受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグ20のID、リーダライタ300のID、およびアンテナ30のIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベース125に格納する。データベース125において、最新の結果情報に対応する読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグ20に関する結果情報の格納がないことを検知して、リーダライタの故障と特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダライタ監視システム、リーダライタ監視方法、リーダライタ監視用コンピュータ、リーダライタに関する。また、本発明は、リーダライタ監視システムに用いられるICチップを含むタグに関するものでもある。更に、本発明は、リーダおよびライタのそれぞれ、また、それら各々の監視システム等にも関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、識別信号を無線送信して通信可能な移動情報通信体を検出し、当該移動情報通信体に対して無線通信を行うリーダライタにおいて、無線信号を受信する通信手段と、他のリーダライタから受信した識別信号に基づいて、当該他のリーダライタからの識別信号の送信タイミングを検出する検出手段と、検出された送信タイミングとずれたタイミングで前記通信手段により識別信号の送信を行わせる通信制御手段と、を備えたことを特徴とするリーダライタ(特許文献1参照)などが提案されている。
【0003】
また、ICカードのループアンテナを介して、該ICカードとの間で所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うICカード用リーダライタにおいて、前記ICカード用リーダライタは、少なくとも1つ以上の他のICカード用リーダライタと通信手順を確立するための少なくとも1つ以上のポーリングコマンドを生成するポーリング生成手段と、前記他のICカード用リーダライタのポーリング生成手段から送信されたポーリングコマンドに応答する固有のレスポンスを生成するレスポンス生成手段と、を備えたことを特徴とするICカード用リーダライタ(特許文献2参照)などが提案されている。
【0004】
また、電磁波を受信することにより発生された誘起電力に基づいて動作する無線通信体の識別情報と、第1の通信端末の第1の端末名情報を対応付けて記憶する記憶処理手段と、近接された前記無線通信体から、電磁波を介して通信する第1の無線通信部を利用して前記識別情報を取得する第1の取得処理手段と、近傍に存在する第2の通信端末との間で、第2の無線通信部を利用した通信のための同期を確立する同期確立処理手段と、前記同期確立処理手段により同期が確立された前記第2の通信端末の第2の端末名情報を取得する第2の取得処理手段と、前記記憶処理手段により記憶されている情報に基づいて、前記第2の取得処理手段により取得された前記第2の端末名情報を有する前記第2の通信端末から、前記第1の取得処理手段により取得された前記識別情報に対応する前記第1の端末名情報を有する前記通信端末を特定する特定処理手段とを備えることを特徴とする情報処理装置(特許文献3参照)などが提案されている。
【特許文献1】特開平11−102419号公報
【特許文献2】特開2005−4471号公報
【特許文献3】特開2003−87263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線ICタグを利用した入退場管理のシステム等が稼働しているが、システム稼働中にリーダライタ自体が機能しているか否かを迅速確実にチェックする技術が提案されていなかった。複数のリーダライタを組み合わせて使用するシステム等においては、少数のリーダライタであっても故障等が生じれば、システム全体に悪影響が及ぶことが想定され、前記のようなリーダライタ監視の技術の登場が望まれていた。
【0006】
そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、リーダライタ稼働状況の簡便確実かつ迅速なチェックを可能とする、リーダライタ監視システム、リーダライタ監視方法、リーダライタ監視用コンピュータ、リーダライタを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明のリーダライタ監視方法は、無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視する方法であって、確認用無線ICタグが取り付けられたリーダライタが、周囲に存在する他リーダライタの確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信し、監視用コンピュータが、前記結果情報を前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納し、前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたリーダライタを故障リーダライタと特定し、前記故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する。
【0008】
また、本発明のリーダライタ監視方法は、無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視する方法であって、確認用無線ICタグをそれぞれ取り付けた複数のアンテナを備えたリーダライタが、前記複数のアンテナ間で確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信し、監視用コンピュータが、前記結果情報を前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納し、前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたアンテナないしリーダライタを、故障アンテナないし故障リーダライタと特定し、前記故障アンテナないし故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する。
【0009】
また、本発明のリーダライタ監視システムは、無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムであって、周囲に存在する他リーダライタの確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信する、確認用無線ICタグが取り付けられたリーダライタと、前記結果情報を前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納し、前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたリーダライタを故障リーダライタと特定し、前記故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、監視用コンピュータと、を備える。
【0010】
また、本発明のリーダライタ監視システムは、無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムであって、前記複数のアンテナ間で確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信する、確認用無線ICタグをそれぞれ取り付けた複数のアンテナを備えたリーダライタと、前記結果情報を前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納し、前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたアンテナないしリーダライタを、故障アンテナないし故障リーダライタと特定し、前記故障アンテナないし故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、監視用コンピュータと、を備える。
【0011】
また、本発明の監視用コンピュータは、無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムを構成するコンピュータであって、確認用無線ICタグが取り付けられたリーダライタが送信してきた、周囲に存在する他リーダライタの確認用無線ICタグの読取り処理の結果情報を、前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納する、結果情報取得部と、前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたリーダライタを故障リーダライタと特定する、故障箇所特定部と、前記故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、出力処理部と、を備える。
【0012】
また、本発明の監視用コンピュータは、無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムを構成するコンピュータであって、確認用無線ICタグをそれぞれ取り付けた複数のアンテナを備えたリーダライタが送信してきた、前記複数のアンテナ間での確認用無線ICタグの読取り処理の結果情報を、前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納する、結果情報取得部と、前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたアンテナないしリーダライタを、故障アンテナないし故障リーダライタと特定する、故障箇所特定部と、前記故障アンテナないし故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、出力処理部と、を備える。
【0013】
また、本発明のリーダライタは、無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムを構成するリーダライタであって、周囲に存在する他リーダライタの確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信する、結果情報送信部を備える。
【0014】
また、本発明のリーダライタは、無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムを構成するリーダライタであって、確認用無線ICタグをそれぞれ取り付けた複数のアンテナと、前記複数のアンテナ間で確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信する、結果情報送信部とを備える。
【0015】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明の実施の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リーダライタ稼働状況の簡便確実かつ迅速なチェックが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施形態のリーダライタ監視システムを含むネットワーク構成図である。本発明のリーダライタ監視システム100(以下、システム100)は監視用コンピュータ200とリーダライタ300とを含むものであり、監視用コンピュータ200およびリーダライタ300は、それぞれ本発明のリーダライタ監視方法を協働して実行する機能を実現すべく、書き換え可能メモリなどのプログラムデータベース201、301に格納されたプログラム202、302をメモリ203、303に読み出し、演算装置たるCPU204、304により実行する。
【0018】
また、前記システム100を構成する監視用コンピュータ200とリーダライタ300は、コンピュータ装置が一般に備えている各種ボタン類、ディスプレイなどの入出力インターフェイス205、305ならびに、監視用コンピュータ200とリーダライタ300との相互間でのデータ授受を担う通信手段206、306などを有している。
【0019】
前記システム100を構成する監視用コンピュータ200およびリーダライタ300は、前記通信手段206、306により、互いに例えばインターネットやLAN、シリアル・インターフェース通信線などのネットワーク140を介して接続し、データ授受を実行する。システム100を構成する監視用コンピュータ200およびリーダライタ300の各種機能部と通信手段206、306との間ではI/O部207、307がデータのバッファリングや各種仲介処理を実行している。
【0020】
続いて、前記システム100を構成する監視用コンピュータ200およびリーダライタ300が、例えばプログラム202、302に基づき構成・保持する機能部につき説明を行う。
【0021】
まず、前記監視用コンピュータ200は、確認用無線ICタグ20が取り付けられたリーダライタ300が送信してきた、周囲に存在する他リーダライタ350の確認用無線ICタグ21の読取り処理の結果情報を、前記リーダライタ300より受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグ21のID、リーダライタ350のID、およびアンテナ35のIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベース125に格納する、結果情報取得部110を備える。
【0022】
なお、前記結果情報取得部110は、確認用無線ICタグ20をそれぞれ取り付けた複数のアンテナ30を備えたリーダライタ300が送信してきた、前記複数のアンテナ間での確認用無線ICタグ20の読取り処理の結果情報を、前記リーダライタ300より受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグ20のID、リーダライタ300のID、およびアンテナ30のIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベース125に格納するものであるとしてもよい。
【0023】
また、前記監視用コンピュータ200は、前記データベース125において、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグ21に関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグ21を備えたリーダライタ350を故障リーダライタ400と特定する、故障箇所特定部111を備える。
【0024】
なお、前記故障箇所特定部111は、前記データベース125において、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグ20に関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグ20を備えたアンテナ30ないしリーダライタ300を、故障アンテナ35ないし故障リーダライタ400と特定するものであるとしてもよい。
【0025】
また、前記監視用コンピュータ200は、前記故障リーダライタ400の情報を出力インターフェイスに出力する、出力処理部112を備える。なお、前記出力処理部112は、前記故障アンテナ35ないし故障リーダライタ400の情報を出力インターフェイスに出力するものであるとしてもよい。
【0026】
また、前記システム100を構成するリーダライタ300は、周囲に存在する他リーダライタ350の確認用無線ICタグ21の読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータ200に送信する、結果情報送信部113を備える。
【0027】
また、前記結果情報送信部113は、確認用無線ICタグ20をそれぞれ取り付けた複数のアンテナ30と、前記複数のアンテナ間で確認用無線ICタグ20の読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータ200に送信するものとしてもよい。
【0028】
また、これまで示した 前記システム100を構成する監視用コンピュータ200およびリーダライタ300における各機能部110〜113は、ハードウェアとして実現してもよいし、メモリやHDD(Hard Disk Drive)などの適宜な記憶装置に格納したプログラムとして実現するとしてもよい。この場合、前記監視用コンピュータ200、リーダライタ300の各CPU204、304が、プログラム実行に合わせて記憶装置より該当プログラム202、302をメモリ203、303に読み出して、これを実行することとなる。
【0029】
また、前記ネットワーク140に関しては、インターネット、LANの他、ATM回線や専用回線、WAN(Wide Area Network)、電灯線ネットワーク、無線ネットワーク、公衆回線網、携帯電話網、シリアル・インターフェース通信線など様々なネットワークを採用することも出来る。また、VPN(Virtual Private Network)など仮想専用ネットワーク技術を用いれば、インターネットを採用した際にセキュリティ性を高めた通信が確立され好適である。なお、前記シリアル・インターフェイスは、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送で、外部機器と接続するためのインターフェースを指し、通信方式としてはRS−232C、RS−422、IrDA、USB、IEEE1394、ファイバ・チャネルなどが想定できる。
【0030】
−−−データベース構造−−−
次に、本実施形態のリーダライタ監視システム100が利用するデータベース125の構造について説明する。図2は、本実施形態におけるデータベースのデータ構造を示す図である。前記データベース125は、監視用コンピュータ200が備えることが想定できる。またこのデータベース15は、監視用コンピュータ200が、リーダライタ300より受信した、他リーダライタ350の確認用無線ICタグ21の読取り処理の結果情報を格納するデータベースとなる。したがって、このデータベース125は、例えば読取りを行ったリーダライタのアンテナIDをキーとして、読取り対象の確認用無線ICタグのID(図中:TID)、読取り動作を互いに実行したアンテナの名称といった情報を関連づけたレコードの集合体となっている。
【0031】
また他にも、監視用コンピュータ200は、タグ情報データベース126を備えている。このタグ情報データベース126は、各確認用無線ICタグ毎に、当該タグの通信用のアンテナ、そしてこれら確認用無線ICタグとアンテナとを備えるリーダライタの情報が格納されている。故障リーダライタや故障アンテナを特定した監視用コンピュータ200が、その情報を前記データベース125と当該タグ情報データベース126とから抽出して出力することが想定できる。
【0032】
−−−リーダライタ配置例−−−
図3(a)〜(d)は、本実施形態におけるリーダライタの配置例1〜4を示す図である。本実施形態におけるリーダライタ300は、例えば、周囲に存在する他リーダライタ350の確認用無線ICタグ21の読取り処理を行うべく、アンテナ30を備えている。そして、このアンテナ30には確認用無線ICタグ20が接続されている。こうしたリーダライタ300とアンテナ30および確認用無線ICタグ20の基本セット((a)図)が、例えば大型施設における入退場口毎に設置され、各入退場口を通過する人(の無線ICタグ装備の入場チケット等)の認証情報やカウント情報を監視用コンピュータ200に送信する動作を担う。
【0033】
また他にも、(b)図に示すように、確認用無線ICタグ20をそれぞれ取り付けた複数のアンテナ30を備えた1体のリーダライタ300を想定することもできる。このリーダライタ300の例であれば、自身の備える確認用無線ICタグ20のみについて、アンテナ間での読取り可否を検知すれば、リーダライタ300が1体のみでリーダライタの稼働監視の結果を得て、監視用コンピュータ200に送信することができる。
【0034】
また、(c)図に示すように、上記(a)図の基本セットと、前記アンテナ30を複数備えたリーダライタ300とを組み合わせ、これらリーダライタ300それぞれから読取り処理の結果情報を1台の監視用コンピュータ200で取得する配置例も想定できる。更には、(d)図に示すように、前記アンテナ30を複数備えたリーダライタ300と、前記基本セットとのそれぞれに監視用コンピュータ200を接続する配置例も想定できる。
【0035】
−−−フロー例1−−−
以下、本実施形態におけるリーダライタ監視方法の実際手順例1について、図に基づき説明する。なお、以下で説明するリーダライタ監視方法に対応する各種動作は、前記システム100を構成する監視用コンピュータ200、リーダライタ300のそれぞれが、メモリ203、303に読み出して実行するプログラム202、302によって実現される。そして、こうしたプログラム202、302は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0036】
図4は、本実施形態のリーダライタ監視方法の実際手順例1を示すフロー図である。この例では、アンテナ30(つまり確認用無線ICタグ20)をおのおの1つ備えた複数台のリーダライタ300と1台の監視用コンピュータ200とが接続されたネットワークを想定する。この場合、前記監視用コンピュータ200は、前記タグ情報データベース126を定期的に参照し、そこに格納されている確認用無線ICタグ20の情報を抽出する。この情報には、例えば、当該確認用無線ICタグ20に接続されているアンテナ30のIDや、これらが備わっているリーダライタ300のIDなどが含まれるものとする。そして監視用コンピュータ200は、前記情報を抽出した確認用無線ICタグ20が備わっているリーダライタ300に対し、周囲の他リーダライタ350に対する読取り処理の開始指示を送信する(S1000)。この開始指示には、例えば、アンテナIDが含まれており、リーダライタ300の備えるアンテナ30に対する発信指示が含まれることが想定できる。
【0037】
リーダライタ300はこの指示を受けて(S1001)、発信回路においてアンテナ30を通じた他リーダライタ350へ向けた読取り電波の発信を実行する(S1002、S1003)。このリーダライタ300の周囲に存在し、読取り電波の到達範囲にある他リーダライタ350の確認用無線ICタグ21が正常であれば(S1004:正常)、当該確認用無線ICタグ21ではアンテナ31にて前記読取り電波を受信し(S1005)、例えばこの電波に基づく発電動作と、この発電動作で得た電力を駆動力とした応答動作の実行をする(S1006)。この、他リーダライタ350の確認用無線ICタグ21における応答動作により、アンテナ31から前記リーダライタ300のアンテナ30に向けて、確認用無線ICタグ21のID(チップID)が返信される(S1007、S1008)。
【0038】
こうして前記リーダライタ300では、前記確認用無線ICタグ21のIDを、他リーダライタ350より受信し、これを監視用コンピュータ200に送信する(S1009)。
【0039】
一方、前記監視用コンピュータ200は、前記リーダライタ300が送信してきた、他リーダライタ350の確認用無線ICタグ21の読取り処理の結果情報、つまり確認用無線ICタグ21のIDを受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグ21のID(リーダライタ350のIDおよびアンテナ35のIDが含まれていてもよい)と、例えば前記リーダライタ300が行った読取り処理の実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベース125に格納する(S1010)。
【0040】
なお、この格納処理を実行するに伴い、監視用コンピュータ200は、前記タグ情報データベース126において、前記確認用無線ICタグ21のIDを照合し、既登録の無線ICタグか否かを判定する(S1011)。この判定において、前記確認用無線ICタグ21が未登録の無線ICタグであるとされたなれば(S1011:NO)、その旨を出力インターフェイスに出力表示するものとする(S1012)。一方、前記確認用無線ICタグ21が既登録の無線ICタグであれば(S1010:YES)、前記確認用無線ICタグ21を備えたリーダライタ350が稼働中である旨を示す画面600(図6参照)を生成し、これを出力表示する(S1015)。
【0041】
他方、前記ステップS1002、S1003において実行された、リーダライタ300のアンテナ30を通じた、他リーダライタ350へ向けた読取り電波の発信に対し、他リーダライタ350の確認用無線ICタグ21での反応が無かったとする(S1004:異常)。この場合、前記監視用コンピュータ200は、前記データベース125において、前記確認用無線ICタグ21に関するレコードを確認し、この確認用無線ICタグ21の最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えているか検知し(S1013)、該当確認用無線ICタグ21を備えたリーダライタ350を故障リーダライタ400と特定する。そして、この故障リーダライタ400の情報を含む、画面610(図6参照)を生成して、これを出力表示する(S1015)。
【0042】
−−−フロー例2−−−
以下、本実施形態におけるリーダライタ監視方法の実際手順例2について、図に基づき説明する。なお、以下で説明するリーダライタ監視方法に対応する各種動作は、前記システム100を構成する監視用コンピュータ200、リーダライタ300のそれぞれが、メモリ203、303に読み出して実行するプログラム202、302によって実現される。そして、こうしたプログラム202、302は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0043】
図5は、本実施形態のリーダライタ監視方法の実際手順例2を示すフロー図である。この例では、アンテナ30、アンテナ36とアンテナを複数備えた1台のリーダライタ300と1台の監視用コンピュータ200とが接続されたネットワークを想定する。この場合、前記監視用コンピュータ200は、前記タグ情報データベース126を定期的に参照し、そこに格納されている確認用無線ICタグ20の情報を抽出する。この情報には、例えば、当該確認用無線ICタグ20に接続されているアンテナ30のIDや、これらが備わっているリーダライタ300のIDなどが含まれるものとする。そして監視用コンピュータ200は、前記情報を抽出した確認用無線ICタグ20が備わっているリーダライタ300に対し、前記複数のアンテナ間での確認用無線ICタグ20の読取り処理の開始指示を送信する(S1000)。この開始指示には、例えば、アンテナIDが含まれており、リーダライタ300の備える複数のアンテナ30に対する発信指示が含まれることが想定できる。
【0044】
この指示を受けたリーダライタ300における発信回路は、複数あるアンテナ30、36を切り替えた発信を行って、例えばアンテナ30からアンテナ36へ向けた読取り電波の発信を実行する(S1002、S1003)。このリーダライタ300の備えるアンテナ36に付帯する確認用無線ICタグ20が正常であれば(S1004:正常)、前記アンテナ36の確認用無線ICタグ20では、同じリーダライタ300内のアンテナ30からの読取り電波を受信し(S1005)、例えばこの電波に基づく発電動作と、この発電動作で得た電力を駆動力とした応答動作の実行をする(S1006)。この、確認用無線ICタグ20における応答動作により、他方のアンテナ36から同じリーダライタ300における一方のアンテナ30に向けて、確認用無線ICタグ20のID(チップID)が返信される(S1007、S1008)。
【0045】
こうして前記リーダライタ300では、前記確認用無線ICタグ20のIDを、他方のアンテナ36より受信し、これを監視用コンピュータ200に送信する(S1009)。
【0046】
一方、前記監視用コンピュータ200は、前記リーダライタ300が送信してきた、前記アンテナ36に付帯の確認用無線ICタグ20の読取り処理の結果情報、つまり確認用無線ICタグ20のIDを受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグ20のID(リーダライタ300のIDおよびアンテナ36のIDが含まれていてもよい)と、例えば前記リーダライタ300が行った読取り処理の実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベース125に格納する(S1010)。
【0047】
なお、この格納処理を実行するに伴い、監視用コンピュータ200は、前記タグ情報データベース126において、前記確認用無線ICタグ20のIDを照合し、既登録の無線ICタグか否かを判定する(S1011)。この判定において、前記確認用無線ICタグ20が未登録の無線ICタグであるとされたなれば(S1011:NO)、その旨を出力インターフェイスに出力表示するものとする(S1012)。一方、前記確認用無線ICタグ20が既登録の無線ICタグであれば(S1011:YES)、前記確認用無線ICタグ20を備えたアンテナ36(或いはリーダライタ300)が稼働中である旨を示す画面620(図6参照)を生成し、これを出力表示する(S1015)。
【0048】
他方、前記ステップS1002、S1003において実行された、リーダライタ300のアンテナ30を通じた、他方のアンテナ36へ向けた読取り電波の発信に対し、他方のアンテナ36に付帯する確認用無線ICタグ20での反応が無かったとする(S1004:異常)。この場合、前記監視用コンピュータ200は、前記データベース125において、前記確認用無線ICタグ20に関するレコードを確認し、この確認用無線ICタグ20の最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えているか検知し(S1013)、該当確認用無線ICタグ20を備えたアンテナ36(或いはリーダライタ300)を故障アンテナ35と特定する。そして、この故障アンテナ35の情報を含む、画面630(図6参照)を生成して、これを出力表示する(S1015)。
【0049】
なお、上述したような、複数のアンテナ30、36を備えるリーダライタ300とについては、一方のアンテナ30から他方のアンテナ36への読取り動作を行うだけでなく、他方のアンテナ36から一方のアンテナ30への読取り動作を実行し、リーダライタ300が備える全アンテナについての稼働状況の検証を行うとすれば好適である。勿論、上記フロー例1で述べたような、1つのアンテナ30を備えたリーダライタ300から、他リーダライタ350への読取り動作の実行のみならず、他リーダライタ350からリーダライタ300への読取り動作の実行を行って、リーダライタ間で互いに稼働状況の検証を行うとすれば好適である。
したがって本発明によれば、リーダライタ稼働状況の簡便確実かつ迅速なチェックを可能とできる。
【0050】
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態のリーダライタ監視システムを含むネットワーク構成図である。
【図2】本実施形態におけるデータベースのデータ構造を示す図である。
【図3】本実施形態におけるリーダライタの配置例1〜4を示す図である。
【図4】本実施形態のリーダライタ監視方法の実際手順例1を示すフロー図である。
【図5】本実施形態のリーダライタ監視方法の実際手順例2を示すフロー図である。
【図6】本実施形態における出力画面例を示図である。
【符号の説明】
【0052】
20 確認用無線ICタグ 21 (他リーダライタの)確認用無線ICタグ
30 アンテナ 31 (他リーダライタの)アンテナ
35 故障アンテナ
100 リーダライタ監視システム 201、301 プログラムデータベース
202、302 プログラム 203、303 メモリ
204、304 CPU 205、305 入出力インターフェイス
206、306 通信手段 207、307 I/O部
110 結果情報取得部 111 故障箇所特定部
112 出力処理部 113 結果情報送信部
125 データベース 140 ネットワーク
200 監視用コンピュータ 300 リーダライタ
350 他リーダライタ 400 故障リーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視する方法であって、
確認用無線ICタグが取り付けられたリーダライタが、
周囲に存在する他リーダライタの確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信し、
監視用コンピュータが、
前記結果情報を前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納し、
前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたリーダライタを故障リーダライタと特定し、
前記故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、
リーダライタ監視方法。
【請求項2】
無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視する方法であって、
確認用無線ICタグをそれぞれ取り付けた複数のアンテナを備えたリーダライタが、
前記複数のアンテナ間で確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信し、
監視用コンピュータが、
前記結果情報を前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納し、
前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたアンテナないしリーダライタを、故障アンテナないし故障リーダライタと特定し、
前記故障アンテナないし故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、
リーダライタ監視方法。
【請求項3】
無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムであって、
周囲に存在する他リーダライタの確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信する、確認用無線ICタグが取り付けられたリーダライタと、
前記結果情報を前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納し、前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたリーダライタを故障リーダライタと特定し、前記故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、監視用コンピュータと、
を備えるリーダライタ監視システム。
【請求項4】
無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムであって、
前記複数のアンテナ間で確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信する、確認用無線ICタグをそれぞれ取り付けた複数のアンテナを備えたリーダライタと、
前記結果情報を前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納し、前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたアンテナないしリーダライタを、故障アンテナないし故障リーダライタと特定し、前記故障アンテナないし故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、監視用コンピュータと、
を備えるリーダライタ監視システム。
【請求項5】
無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムを構成するコンピュータであって、
確認用無線ICタグが取り付けられたリーダライタが送信してきた、周囲に存在する他リーダライタの確認用無線ICタグの読取り処理の結果情報を、前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納する、結果情報取得部と、
前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたリーダライタを故障リーダライタと特定する、故障箇所特定部と、
前記故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、出力処理部と、
を備える監視用コンピュータ。
【請求項6】
無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムを構成するコンピュータであって、
確認用無線ICタグをそれぞれ取り付けた複数のアンテナを備えたリーダライタが送信してきた、前記複数のアンテナ間での確認用無線ICタグの読取り処理の結果情報を、前記リーダライタより受信し、当該結果情報に含まれる、読取り対象の確認用無線ICタグのID、リーダライタのID、およびアンテナのIDの少なくともいずれかと、前記読取り処理実行時刻の情報とを取得して、これらの情報をデータベースに格納する、結果情報取得部と、
前記データベースにおいて、最新の結果情報に対応する前記読取り処理実行時刻から所定時間を超えて該当確認用無線ICタグに関する結果情報の格納がないことを検知して、該当確認用無線ICタグを備えたアンテナないしリーダライタを、故障アンテナないし故障リーダライタと特定する、故障箇所特定部と、
前記故障アンテナないし故障リーダライタの情報を出力インターフェイスに出力する、出力処理部と、
を備える監視用コンピュータ。
【請求項7】
無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムを構成するリーダライタであって、周囲に存在する他リーダライタの確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信する、結果情報送信部を備えるリーダライタ。
【請求項8】
無線ICタグのリーダライタの稼働状況を監視するシステムを構成するリーダライタであって、確認用無線ICタグをそれぞれ取り付けた複数のアンテナと、前記複数のアンテナ間で確認用無線ICタグの読取り処理を行って、その読取り処理の結果情報を、監視用コンピュータに送信する、結果情報送信部とを備えるリーダライタ。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−26275(P2007−26275A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209849(P2005−209849)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】