説明

ルーバ

【課題】換気扇の取り付けが容易なルーバを提供する。
【解決手段】電気・電子機器用キャビネット100に設けた円形換気孔101に嵌合する雄ねじ筒部11を後面に備えたルーバ本体1と、一端に前記雄ねじ筒部11に螺合する雌ねじ部21を備えるとともに他端に雄ねじ部22を備えたうえ内部を換気扇収納部に形成したリング部材2と、該リング部材2の雄ねじ部22に螺合する雌ねじ部41を設けた円形枠部42をガード本体40の周縁から張出したフィンガーガード4からなり、前記ルーバ本体1の雄ねじ筒部11を円形換気孔101の前面側から嵌合してリング部材2の一端に備えた雌ねじ部21を螺合してルーバ本体1をキャビネット100に取り付け、該リング部材2の内部に形成した換気扇収納部に換気扇3を収納してフィンガーガード4の円形枠部42に設けた雌ねじ部41をリング部材2の他端に備えた雄ねじ部22に螺合して、前記リング部材2とフィンガーガード4により換気扇3を包み込むように取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気・電子機器用キャビネット内の換気を行うためのルーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気・電子機器用キャビネット内を換気するためにキャビネット取り付けるルーバは、キャビネットに設けた換気用取付孔にルーバの後面に設けた雄ねじ筒部を外側から嵌めて、雌ねじ部を設けた締付リングを内側から雄ねじ筒部に螺合して取り付け、該締付リングの周縁に4個配設した取付座に換気扇をねじにより取り付けるものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、この従来のものは、換気扇を締付リングの周縁に配設した4個の取付座ごとにドライバー等の工具によりねじ止めしなければならず作業性の悪いものであった。また、ルーバは締付リングによる締付のみによりキャビネットに取り付けられているため、運送時の振動や設置後の機械の振動等により締付リングの締め付けがゆるむ虞があった。
【特許文献1】実開平06−31197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記のような問題点を解決して、換気扇の取り付けが容易なルーバを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のルーバ装置は、電気・電子機器用キャビネットに設けた円形換気孔に嵌合する雄ねじ筒部を後面に備えたルーバ本体と、一端に前記雄ねじ筒部に螺合する雌ねじ部を備えるとともに他端に雄ねじ部を備えたうえ内部を換気扇収納部に形成したリング部材と、該リング部材の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を設けた円形枠部をガード本体の周縁から張出したフィンガーガードからなり、前記ルーバ本体の雄ねじ筒部を円形換気孔の前面側から嵌合してリング部材の一端に備えた雌ねじ部を螺合してルーバ本体をキャビネットに取り付け、該リング部材の内部に形成した換気扇収納部に換気扇を収納してフィンガーガードの円形枠部に設けた雌ねじ部をリング部材の他端に備えた雄ねじ部に螺合して、前記リング部材とフィンガーガードにより換気扇を包み込むように取り付けたことを特徴とするものを基本の発明とする。
【0006】
そして、前記の発明においてフィンガーガードの円形枠部に設けた雌ねじ部をリング部材の他端に備えた雄ねじ部に螺合する状態で、フィンガーガードが換気扇をルーバ本体に押圧させたものが好ましいものである。
【発明の効果】
【0007】
前記のような本発明は、ルーバ本体の雄ねじ筒部を円形換気孔の前面側から嵌合してリング部材の一端に備えた雌ねじ部を螺合してルーバ本体をキャビネットに取り付けるものであるから取付作業は容易なものである。そして、換気扇は前記リング部材の内部に形成した換気扇収納部に収納してフィンガーガードの円形枠部に設けた雌ねじ部をリング部材の他端に備えた雄ねじ部に螺合して、前記リング部材とフィンガーガードにより換気扇を包み込むように取り付けたものであるので、換気扇の取り付けも容易である。
【0008】
また、フィンガーガードの円形枠部に設けた雌ねじ部をリング部材の他端に備えた雄ねじ部に螺合する状態で、フィンガーガードが換気扇をルーバ本体に押圧させたものとすると、フィンガーガードは換気扇によりキャビネット外側方向への移動を規制されてその反力によりリング部材をキャビネット内側方向に引き寄せることとなる。そうすると、雄ねじ筒部のねじ山とこれに接触しているリング部材の雌ねじ部のねじ山が圧接されて、運送時の振動や設置後の機械の振動等により雄ねじ筒部とリング部材の雌ねじ部の螺合がゆるむことがないものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づき説明する。
図1において、1はルーバ本体であり、該ルーバ本体1の後面には電気・電子機器用キャビネット100に設けた円形換気孔101に嵌合する雄ねじ筒部11を備えている。
【0010】
2はリング部材であり、該リング部材2は一端に前記雄ねじ筒部11に螺合する雌ねじ部21を備えるとともに他端に雄ねじ部22を備えたうえ内部を換気扇収納部に形成したものである。そして、リング部材2は雌ねじ部21を円形換気孔101の前面側から嵌合したルーバ本体1の雄ねじ筒部11に螺合して該ルーバ本体1をパッキング5を介在させてキャビネット100に取り付けるものである。この場合に図3―図4に示すようにリング部材2の外周に突起23を複数配設したものであれば手指が引っ掛かりリング部材2を回しやすくなり螺合作業が容易なものとなる。
【0011】
また、リング部材2内に換気扇3を他端の開口から収納して、リング部材2の他端に備えた雄ねじ部22にフィンガーガード4の円形枠部42に設けた雌ねじ部41を螺合して、換気扇3を前記リング部材2とフィンガーガード4により包み込むように取り付けるものであり、換気扇3の取付作業が容易なものである。なお、前記フィンガーガード4は円形のガード本体40の周縁から円形枠部42を張出させて該円形枠部42の内面に前記リング部材2の雄ねじ部22に螺合する雌ねじ部41を設けたものである。また、円形枠部42の周縁には指掛けようの凹部42aを複数配設して雄ねじ部22への螺合作業を容易なものとしている。
【0012】
なお、図3に示すようにリング部材2の内周には前後方向の溝部24を複数すなわち4個を等間隔に設けてあり、換気扇3を組込み時に換気扇3が図3、図4に示すように外郭を円筒形外郭30のものとして周縁にリブ30aを複数すなわち4個突設したものであれば該リブ30aを溝部24に係合して換気扇3の位置決め及び回り止めとしている。
【0013】
また、前記のようにリング部材2の内周に前後方向の溝部24を4個を等間隔に設けたものであれば、図5に示すように前後端に四角形状の取付用フランジ部33を設けた換気扇3であってもフランジ部33の角部33aを溝部24に係合して換気扇3を位置決め及び回り止めして組み込むことができる。
【0014】
さらに、リング部材2の他端側から中央向けたフィンガーガード4の円形枠部42の深さより深い切欠部25を複数設けて換気扇3の組込み時に電源線32やアース端子34を通過させた後にフィンガーガード4の円形枠部42の先端との間に形成される孔部に電源線32やアース端子34を臨むものとしている。
【0015】
また、フィンガーガード4は円形枠部42に設けた雌ねじ部41をリング部材2の他端に備えた雄ねじ部22に螺合する状態で、フィンガーガード4が換気扇3をルーバ本体1に押圧させたものとしている。すなわち、換気扇3の前端面は雄ねじ筒部11の後端面に当接させ、また、後端面はリング部材2の他端開口から突出した状態でフィンガーガード4のガード本体40の内面と当接させて、フィンガーガード4の円形枠部42に設けた雌ねじ部41がリング部材2の雄ねじ部22への締付ができるものとしている。
【0016】
このような構成とすることにより、フィンガーガード4の円形枠部42に設けた雌ねじ部41がリング部材2の雄ねじ部22への締付方向への螺合を続ければ、フィンガーガード4は換気扇3によりキャビネット外側方向への移動を規制されその反力によりリング部材2をキャビネット内側方向に引き寄せることとなる。そうすると、雄ねじ筒部11のねじ山とこれに接触しているリング部材2の雌ねじ部21のねじ山が圧接されて、運送時の振動や設置後の機械の振動等により雄ねじ筒部11とリング部材2の雌ねじ部2の螺合うがゆるむことがないものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態を示す縦断面図。
【図2】本発明の実施形態の要部を示す断面図。
【図3】本発明の実施形態を分解して示す斜視図。
【図4】本発明の実施形態をフィンガーガードを外して示す斜視図。
【図5】本発明の実施形態の他例をフィンガーガードを外して示す斜視図。
【符号の説明】
【0018】
1 ルーバ本体
11 雄ねじ筒部
2 リング部材
21 雌ねじ部
22 雄ねじ部
3 換気扇
4 フィンガーガード
40 ガード本体
41 雌ねじ部
42 円形枠部
100 電気・電子機器用キャビネット
101 円形換気孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気・電子機器用キャビネットに設けた円形換気孔に嵌合する雄ねじ筒部を後面に備えたルーバ本体と、一端に前記雄ねじ筒部に螺合する雌ねじ部を備えるとともに他端に雄ねじ部を備えたうえ内部を換気扇収納部に形成したリング部材と、該リング部材の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を設けた円形枠部をガード本体の周縁から張出したフィンガーガードからなり、前記ルーバ本体の雄ねじ筒部を円形換気孔の前面側から嵌合してリング部材の一端に備えた雌ねじ部を螺合してルーバ本体をキャビネットに取り付け、該リング部材の内部に形成した換気扇収納部に換気扇を収納してフィンガーガードの円形枠部に設けた雌ねじ部をリング部材の他端に備えた雄ねじ部に螺合して、前記リング部材とフィンガーガードにより換気扇を包み込むように取り付けたことを特徴とするルーバ。
【請求項2】
フィンガーガードの円形枠部に設けた雌ねじ部をリング部材の他端に備えた雄ねじ部に螺合する状態で、フィンガーガードが換気扇をルーバ本体に押圧させた請求項1に記載のルーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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