説明

レオロジー調節用ビウレット化合物

【課題】本発明は、所定の構造を有すチキソトロピー剤によりチキソトロピー特性の効果的プロファイルおよび再現性を確実に改善することにある。
【解決手段】
下記の理想的に示す一般式で表されるビウレット化合物であり、また、本発明はこれらの製造方法ならびにレオロジー調節用およびチクソトロピー性のコーティングシステム用の垂れ防止剤および/または沈降防止剤としてのこれらの化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビウレット化合物、それを製造する方法、ならびに溶媒系(solvent−borne)、無溶媒および水系のコーティング材料、ポリ塩化ビニルプラスチゾル、エポシキ系コーティングおよび不飽和ポリエステル樹脂系のコーティングのようなコーティングシステムのためのレオロジー調節剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記述されているように、液状コーティングシステムのレオロジーを調節するために、シリカ、水素化ひまし油または有機的に修飾したベントナイトを使用するのが一般的である。また、ポリアミドワックスも広く使用されている。 特に、ポリアミドおよびポリアミドエステルの分野においては、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8などの多くの特許がある。また、特許文献9および特許文献10に記述されているように、修飾したベントナイトとポリアミドとの組合せも使用されている。
【0003】
これらの物質は一般的に乾燥固体またはペーストであり、溶媒と剪断力を用いて半製品に投入しなければならず、また、目標温度を調節して液状コーティングシステムに入れなければならないという、デメリットがある。この温度が目標値通りに維持できない場合には、完成したコーティングシステム中に結晶が生じ、このコーティングの欠陥となる。これらのシステムの一般的なデメリットは、クリヤーで透明なコーティングに濁りやヘイズが生じることである。さらに、乾燥製品を取扱うことによりプロセシングの間に粉塵が生じ、好ましくない。上記のポリアミドエステルは液状であることが多いので、本質的に固体物質よりも効果が低い。
【0004】
レオロジー調節のための他の解決策が特許文献11開示されている。ここでは、バインダの存在下にイソシアネートとアミンとが反応して尿素となる。この尿素は非常に細かく分散して針状結晶となる。このような修飾したバインダはレオロジー調節および垂れ防止バインダとして提供され、「垂れ調節剤」と称されている。これらの製品のデメリットは、これらがバインダ中で製造されるので、常にバインダと結びついており、既成のコーティング材料を自在に修正することができないということである。
【0005】
特許文献12には、上述のデメリットの幾つかを解消するためのチキソトロピー剤を製造する方法が記述され、非プロトン性溶媒中、LiClの存在下にポリアミンのイソシアネート付加物の反応により得られる尿素ウレタンが記述されている。このようにして製造された生成物のデメリットは、該尿素ウレタンの構造が不明瞭であり、その製造方法に影響されることである。この方法では、1モルのジイソシアネートと1モルのモノアルコールとを最初に反応させる。これにより、所望のNCO官能性モノ付加物のみならず、NCO官能性でないジ付加物も製造される。また、単量体であるジイソシアネートのある量が未反応のままで残存する。NCO基の反応性ならびに温度や時間のような反応条件により、これらの種々の化合物の割合が変化する。
【0006】
しかしながら、このようにして製造された付加物のすべてが比較的多量の未反応ジイソシアネートを有し、これがさらにポリアミドと反応して分子鎖を延長するが、これを調節することができない。したがって、これらの生成物は沈殿や所望しないゲル化が生じる傾向にあり、バインダ中にいわゆる”種”作ることになる。
【0007】
特許文献13には、過剰のイソシアネートを除去してこれらの欠点を回避している。しかし、これらの生成物のデメリットは、例えばアルカリ金属塩を一緒に用いたNMP(N−メチルピロリドン)のような高極性溶媒中でのみしか安定な溶液とならないことである。
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,208,218号明細書
【特許文献2】米国特許第4,410,364号明細書
【特許文献3】米国特許第4,412,018号明細書
【特許文献4】ドイツ特許69523221号明細書
【特許文献5】欧州特許第0528363号明細書
【特許文献6】欧州特許第0239419号明細書
【特許文献7】米国特許第5,510,452号明細書
【特許文献8】米国特許第5,349,011号明細書
【特許文献9】欧州特許第0509202号明細書
【特許文献10】ドイツ特許第69704691号明細書
【特許文献11】欧州特許第0198519号明細書
【特許文献12】欧州特許第0006252号明細書
【特許文献13】ドイツ特許第19919482号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、より明確な構造を有すチキソトロピー剤を製造する方法、ならびに該チキソトロピー剤によりチキソトロピー特性の効果的プロファイルおよび再現性を確実に改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、ウレトジオン(成分A)およびモノアミン官能性化合物(成分B)から製造されるA−Bの一般構造を有すビウレット化合物を用いて、この目的を達成することを見出した。
すなわち、本発明は下記の理想的に示す(idearized)一般式(I)のビウレット化合物を提供する。
【化1】

(式中、R1はC1〜C22アルキレン、C3〜C22アルケニレン、C5〜C15シクロアルキレン、アリーレン、C7〜C12アルアルキレン、ポリオキシアルキレンラジカルまたはポリエステルラジカル、
2はC1〜C22アルキル、ヒドロキシC1〜C22アルキル、C3〜C18アルケニル、アリール、C7−C12アルアルキルまたはC5〜C12シクロアルキルラジカル、ヒドロキシポリオキシアルキレン、C1〜C22アルコキシポリオキシアルキレン、C5〜C12シクロアルコキシポリオキシアルキレンまたはC7〜C12アルアルコキシポリオキシアルキレンラジカル、もしくはC1〜C22アルカノール、C5〜C12シクロアルカノールまたはC7〜C12アルアルカノールから製造されるポリエステル、もしくはC1〜C22アルコキシポリオキシアルキレン、C6−C12シクロアルコキシポリオキシアルキレンまたはC7〜C12アルアルコキシポリオキシアルキレンから製造されるポリエステル、
Yは同じか異なるO,NH、CO−NH−NH またはNH−NH−CO,
3,R4およびR5はそれぞれ相互に独立して、C2〜C40アルキレン、C3〜C40アルケニレン、C5〜C40シクロアルキレン、アリーレン、C7〜C40アルアルキレンまたはポリオキシアルキレンラジカル、若しくはこれらはポリエステルラジカル、
6はC1〜C30アルキル、C3〜C22アルケニル、ヒドロキシアルキルおよびヒドロキシアルケニル、C4〜C13シクロアルキル、アリールまたはC7〜C12アルアルキルラジカル、
ZはCOO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNHおよびNHCONHからなるグループから選ばれる少なくとも一つであり、aは1〜19の数字である。)
【0011】
ラジカルR1、R2、R3、R4、R5、R6、YおよびZ、ならびにインデックスaの定義は、該化合物の特徴と無関係に、本発明との関係で上記の定義に対応する。これらのラジカルの好ましいものはその下位の区分で見出すことができる。
【0012】
ラジカルR1、R2、R3、R4および/またはR5の少なくとも一つがポリオキシアルキレン部分を含む場合には、これらのラジカルは、それが特徴付けられる化合物とは無関係に、好ましくはランダムまたはブロック状に配列するエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシド単位から構成される。この場合において、適切であればこれらの単位の少なくとも一つがスチレン単位で置換されてもよい。
これらの中で、エチレンオキシドラジカルおよびプロピレンオキシドラジカルが特に好ましい。
【0013】
ラジカルR1、R2、R3、R4および/またはR5の少なくとも一つがポリエステルラジカルを含む場合には、これらのラジカルは、それが特徴付けられる化合物とは無関係に、好ましくは、少なくとも一つのC1〜C18ヒドロキシカルボン酸またはβ−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよびC1〜C6アルキル基置換のε−カプロラクトンのような少なくとも一つのラクトンをベースに構成される。
【0014】
1としてはヘキサメチレンラジカルがより好ましい。R2はC1〜C22アルキルまたはアルコキシポリオキシアルキレンラジカルが好ましい。ラジカルR3およびR5は相互に独立して、C2〜C18アルキレン、C7〜C15アルアルキレンラジカルが好ましく、C2〜C12アルキレン、C7〜C12アルアルキレンラジカルがより好ましく、例えば、ヘキサメチレン、オクタメチレンまたはm−キシリレンのようなC2−C8アルキレン、C7〜C9アルアルキレンラジカルが特に好ましい。ラジカルR3とR5は同じものが好ましい。
【0015】
4はC2〜C40アルキレン、C3〜C40アルケニレン、C5〜C40シクロアルキレン、アリーレンまたはC7〜C40アルアルキレンラジカル、例えば、ダイマー酸の2個のカルボキシル基の間のラジカルのようなC30〜C40アルキレン、C30〜C40アルケニレン、C30〜C40シクロアルキレン、アリーレンまたはC30〜C40アルアルキレンラジカルが好ましい。R4はC34ラジカルがより好ましい。
【0016】
6は、適切な場合には水酸基で置換されても良いC1〜C30アルキルまたはC3〜C22アルケニルラジカルが好ましく、C12〜C30アルキルまたはC12〜C22アルケニルラジカルがより好ましく、例えば、C17アルキルまたはC17アルケニルラジカルのようなC12〜C20アルキルまたはC12〜C20アルケニルラジカルがより好ましい。
ZはNHCOおよびCONHがより好ましい。インデックスaは1〜19、より好ましくは2〜7の数字である。
【0017】
また、本発明は下記の理想的に示す一般式(A)のウレトジオンと下記の理想的に示す一般構造(B)のモノアミン官能性化合物との反応で得られ、チキソトロピーを生成しかつ垂れを防止する一般構造A−Bを有すビウレット化合物を製造するプロセスを提供する。
【化2】

(式中、R1はC1〜C22アルキレン、C3〜C22アルケニレン、C5〜C15シクロアルキレン、アリーレン、C7〜C12のアルアルキレン、ポリオキシアルキレンラジカルまたはポリエステルラジカル、
2はC1〜C22アルキル、ヒドロキシC1〜C22アルキル、C3−C18アルケニル、アリール、C7〜C12アラルキルまたはC5〜C12シクロアルコキシラジカル、ヒドロキシポリオキシアルキレン、C1〜C22アルコキシポリオキシアルキレン、C5〜C12シクロアルコキシポリオキシアルキレンまたはC7〜C12アルアルコキシポリオキシアルキレンラジカル、若しくはC1〜C22アルカノール、C5〜C12シクロアルカノールまたはC7〜C12アルアルカノールから製造されるポリエステル、またはC1〜C22アルコキシ、C6〜C12シクロアルコキシまたはC7〜C12アルアルコキシポリオキシアルキレンから製造されるポリエステル、
Yは同じか異なるO,NH、CO−NH−NH またはNH−NH−COラジカル、
(B)H2N−R3−[Z−R4−X−R5a−Z−R6
(式中、R3、R4およびR5はそれぞれ相互に独立して、C2〜C40アルキレン、C3〜C40アルケニレン、C5〜C40シクロアルキレン、アリーレン、C7〜C40アルアルキレンまたはポリオキシアルキレンラジカル、若しくはこれらのポリエステルラジカル、
R6はC1〜C30アルキル、C3〜C22アルケニル、ヒドロキシアルキルおよびヒドロキシアルケニル、C4〜C13シクロアルキル、アリールまたはC7〜C12アルアルキルラジカル、
ZはCOO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNHおよびNHCONHからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、aは1〜19の数字である。)
【発明の効果】
【0018】
より明確な構造を有すチキソトロピー剤により、チキソトロピークの効果的プロファイルおよび再現性を確実に改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の一般構造A−Bのビウレット化合物を製造する場合に、ウレトジオン含有ポリイソシアネートのウレトジオン部分を保持しながら、最初にモノアルコールと反応させてウレタン含有ポリマーを形成するか、またはモノアミンおよび/またはアルカノールアミンならびに/もしくはモノヒドラジドと反応させて尿素および/またはセミカルバジド含有ポリマーを生成する。次に、第2ステップとして、ウレトジオン環を開環させながらアミン官能性化合物と反応させて本発明のビウレット化合物を製造する。
【0020】
当業者が知っているように、ウレトジオンは、特定の触媒を使用して単量体のジイソシアネートを付加反応させて製造する(H.J. Laas、Halpaap、J.Pedain;J.prakt.Chemie 336(1994)、185−200)。
例えば、Rhein−ChemieからDesmodur(登録商標)TT/Gとして入手できるTDIウレトジオンとは別に、BAYERからDesmodur(登録商標)N3400として市販されているHDIウレトジオンを使用するのが好ましい。これらの化合物は市販品であり、純粋なものとしてではなく、類似構造の化合物の混合物であるものが多い。
【0021】
化合物Aに使用するモノアルコールは脂肪族、脂環式およびアルアリファティクアルコールである。脂肪族アルコールについては、炭素鎖長がC1〜C22の線状、分岐状又は環状アルコールが使用され、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、オレイルアルコールおよびステアリルアルコールが挙げられる。同様に、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシルエーテル)またはエチレングリコールモノフェニルエーテルのようなグリコールモノエーテルも挙げられる。脂環式アルコールとしては、例えばシクロペンタノールおよびシクロヘキサノールが挙げられる。同様に、例えばベンジルアルコールのようなアルアリファチックアルコールも使用できる。環状アルコールとしては、例えば1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリジ−2−ノン[1−(2−hydroxy−ethyl)imidazolidin−2−one]が代表的なものである。
ポリオレフィンモノオール、ポリアクリレートモノオール、ポリカーボネートモノオール、ポリカプロラクトンモノオール、ポリオキザゾリンモノオール又はポリシロキサンモノオールのような重合体アルコールも本発明に含まれる。これらは、BASFの商標名「Lutensol」として当業者に知られているようなもので、種々のアルコキシル化度を有す脂肪アルコールアルコキシエステルのようなものである。
エチレンオキシド基および/またはプロピレンオキシド基、ならびに/もしくはブチレンオキシド基を有し、かつ適切な場合にはスチレンオキシドで修飾されてもよいポリオキシアルキレンモノアルコールの使用が好ましい。
例えば、メタノールを原料として製造され、末端OH基を有するポリオキシエチレンであるMPEG350、MPEG500およびMPEG750のようなポリオキシアルキレンモノアルコールの使用が特に好ましい。これらのモノアルコールは混合物で使用してもよい。
【0022】
ウレトジオン含有化合物Aの製造に使用するモノアミンは脂肪族、脂環式およびアルアリファチックアミンである。脂肪族アミンについては、炭素鎖長がC2〜C22の線状、分岐状または環状アミンが使用され、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、sec−およびtert−ブチルアミン、3−メチルー1−ブタンアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリデシルアミン、オレイルアミン、オクタデシルアミン及びAkzo Nobelの商品名「Armeen」として知られているC12〜C22アミンの混合物が挙げられる。本発明におけるアミンとしては、ポリイソブチレンアミンのようなポリオレフィンアミンだけでなく、Huntsmanの商品名「Jeffamine(登録商標)」 M600、M1000、M2005およびM2070として知られているエチレンオキシド基および/またはプロピレンオキシド基を有するポリオキシアルキレンモノアミンも好ましい。アルアリファチックアミンとしては、ベンジルアミンおよびフルフリルアミンのようなものがある。しかしながら、例えば安息香酸ヒドラジドのようなヒドラジドも使用することができる。また、これらのモノアミンも混合して使用することができるし、上記モノアルコールおよび上記モノヒドラジドをモノアミンに任意に混合して使用することもできる。
【0023】
同様に、該ウレトジオン含有化合物Aを製造するために、アルカノールアミンを使用することもできる。2−アミノエタノール、3−アミノー1−プロパノール、1−アミノー2−プロパノール、2−(2−アミノエトキシ)−エタノール、ジエタノールアミン、3−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−1−プロパノール、ジイソプロパノールアミンおよびこれらのOH基がアルコキシル化された化合物を例示することができる。
【0024】
ウレトジオン含有ポリイソシアネートとモノアルコールとの反応は15〜90℃、好ましくは20〜75℃の間の温度で、所望によりジブチル錫ジラウレート(DBTL)のような触媒を使用して行う。ウレトジオン含有ポリイソシアネートとモノアミンおよび/またはアルカノールアミン、ならびに/もしくはモノヒドラジドとの反応は15〜45℃、好ましくは20〜30℃の間の温度で行う。共反応物の添加の順序は任意である。適切な場合には、ウレトジオン含有ポリイソシアネートを最初に不活性溶媒に入れて、次いでモノアルコール、モノアミン、アルカノールアミンまたはモノヒドラジドを滴下する。また、最初にモノアルコール、モノアミン、アルカノールアミンまたはモノヒドラジドを入れてから、ウレトジオン含有ポリイソシアネートを滴下することもできる。さらに、成分Aがウレタン基のみならず尿素基および/またはセミカルバジド基を有する場合には、該ウレトジオン含有ポリイソシアネートは最初に該アルコールと反応し、次いで該アミンおよび/または該モノヒドラジドと反応する。適切な場合には、例えば、酢酸メトキシプロピル、シクロヘキサン、トルエン、キシレンまたはShellsol Aのような高沸点芳香族のような不活性溶媒中で、該反応を行うこともできる。
【0025】
一般式(B)のモノアミン官能性化合物は下記のようにして製造する。
(B)H2N−R3−[Z−R4−Z−R5a−Z−R6
これは当業者に知られている条件であり、例えば、モノカルボン酸およびポリカルボン酸、好ましくはジカルボン酸および/または無水ジカルボン酸との混合物をジアミンと、好ましくは100〜250℃、より好ましくは140〜200℃の温度で水を分離しながら反応させる。ジアミン、ポリカルボン酸およびモノカルボン酸の比率は3:2:1〜20:19:1、好ましくは3:2:1〜8:7:1である。
一つの好ましい態様として、一般式(B)の化合物は最初にジカルボン酸および/または無水カルボン酸をジアミンと、100〜250℃、より好ましくは140〜200℃の温度で水を分離しながら反応させて、一般式(C)の縮合生成物を生成させる。
(C)HN−R−[Z−R−Z−R−NH
この縮合生成物は、100%の活性物質を基準として、好ましいアミン数5〜180、より好ましいアミン数15〜100を有している。次いで、化合物(C)とモノカルボン酸とを、100〜250℃、より好ましくは140〜200℃の温度で水を分離しながら反応させて、化合物(B)生成させる。この縮合生成物は100%の活性物質を基準として、好ましいアミン数3〜80、より好ましいアミン数8〜50を有している。
【0026】
該ジアミンは脂肪族、芳香族およびアルアリファチックの第1級アミンが好ましく、エチレンジアミン、ネオペンタンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン(水溶液としても)、1,8−オクタメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン,シクロヘキシルジアミン,4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジ−アミノジシクロへキシルメタン、イソホロンジアミン、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、4,11−ジオキサテトラデカン−1,14−ジアミン、4,7,10−トリオキサデカン−1,13−ジアミン、ランダム状またはブロック状で数平均分子量が148〜4,000g/molのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド基含有ポリオキシアルキレンジアミン(例えば、HuntsmanからJeffamine(登録商標)D230,D400、D2000,D4000、およびJeffamine ED600、ED900、ED2003およびEDR148が入手できる)、ビス(3−アミノプロピル)−ポリテトラヒドロフラン350、750、1100および2100(数字は平均分子量を示す)のようなポリテトラヒドロフランジアミン、4,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3−ジアミノジフェニルスルホン、パラキシレンジアミンおよびメタキシレンジアミンが挙げられる。これらの中で、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミンおよびメタキシレンジアミンが好ましい。
【0027】
同様に、H2N−R−NR−R−NH2タイプのアミンも使用することができる。ここで、Rは独立してC1〜C18アルキルまたはC1〜C4アルコキシを表す。N,N'−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミンがその一例である。しかしながら、シュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドまたはアジピン酸ジヒドラジドのようなジヒドラジドも使用できる。上記ジアミンの混合物として上記ジヒドラジドとの混合物も同様に使用できる。該ジアミンをカーボネート化合物にして使用することができ、これは該ジアミンをポリカルボン酸と水とCO2を除去しながら縮合反応させて本発明に好ましいアミド部分を生成させて得られる。
【0028】
ポリカルボン酸は少なくとも2個、好ましくは3〜40個の炭素原子を有す脂肪族、脂環式または芳香族の、線状または分岐状で、飽和または不飽和のジカルボン酸が好ましい。かかるポリカルボン酸の例として、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、ドデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ドコサン二酸、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸またはイソフタル酸があり、単独または混合して使用する。
【0029】
無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸および無水コハク酸のような酸無水物も適しており、適切な場合には無水ドデセニルコハク酸のようにアルキル基またはアルキレン基で修飾したものも本発明に含まれる。例えば、ポリブタジエンのジカルボン酸のような高分子量ポリカルボン酸も、また酒石酸、クエン酸およびヒドロキシフタル酸のような水酸基官能性ポリカルボン酸も使用できる。3,6,9−トリオキシウンデカン二酸およびポリグリコール二酸のようなオキシジカルボン酸も含まれる。
当業者にダイマー酸として知られている、炭素原子数36の炭素鎖長を有す二量化脂肪酸が好ましい。これらのダイマー酸は単量体の含有量が少なく(通常、8重量%未満)、かつ25重量%以下のトリマー酸部分を含有していてもよい。
【0030】
該モノカルボン酸としては飽和の、モノ〜ポリ不飽和の、線状および分岐状の脂肪族カルボン酸である。これらの例として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、オエナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルイミトレイン酸、ペトラセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸、リシネル酸、α−エレオステアリン酸、α−パルナリン酸、ココナッツ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ココナッツ/パーム核油脂肪酸、綿実油脂肪酸、ピーナッツ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ひまわり油脂肪酸、菜種油脂肪酸および獣脂脂肪酸を挙げることができる。さらに、リカン酸のようなケトカルボン酸や安息香酸のような芳香族モノカルボン酸も使用できる。
【0031】
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、リシノール脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシ−ドデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸または4−ヒドロキシデカン酸が代表的なものである。これらのモノカルボン酸の混合物もまた使用できる。
【0032】
該モノカルボン酸および/またはポリカルボン酸はその一部をモノイソシアネートおよび/またはジイソシアネートで置き換えることができ、かつ該ジアミンはその一部をジオールで置き換えることができる。この場合には、エステル基、ウレタン基および/または尿素基は一般式(B)および(C)の化合物の好ましいアミド部分と共に存在する。
【0033】
単独または混合物のジオールとして、好ましくはポリオキシアルキレンジオール、適切な場合にはC1〜C4アルキル基および/またはC1〜C4アルコキシ基で修飾したポリオキシアルケニルジオール、ポリエステルジオール、混合ポリエステルポリオキシアルキレンジオール、ポリラクトンジオール、混合ポリオキシアルキレン、ポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオレフィンジオール、ポリアクリレートジオール、アルコキシル化ビスフェノール A ジオール、α,ω−ジヒドロキシアルキレンシロキサン型のジオール、および数平均分子量Mnが250〜5,000g/molのこれらのアルコキシル化化合物がある。
【0034】
使用するジイソシアネートは脂肪族、脂環式および芳香族のジイソシアネートまたはこれらの混合物が好ましい。
このようなジイソシアネートの例として、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロへキシレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、およびその混合物、p−キシリレンジイソシアネートおよびm−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジシクロへキシルメタン、3、3'−ジメチル−4、4’−ビスフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジイソシアネートジフェニルメタン、2、4’−および4,4’−ジイソシアネートジフェニルメタンの異性体混合物およびC36ダイマー酸ジイソシアネート(dimer diisocyanate)を挙げることができる。
【0035】
一般構造A−Bである本発明のビウレット化合物を製造するには、一般式Aのウレトジオンおよび一般式Bのモノアミン官能性化合物を反応温度60〜120℃、好ましくは75〜90℃の間で反応させる。
この場合の成分Aと成分Bの比率は、化合物Aの1molに対して化合物Bを0.8〜1.2mol、好ましくは0.9〜1.1mol、より好ましくは1mol使用する。
反応は溶媒を使用しても使用しなくてもよい。
適した溶媒としては、例えば、酢酸メトキシプロピル、シクロヘキサン、トルエン、キシレンのようなすべての脂肪族、芳香族、プロトン性および非プロトン性溶媒、もしくはShellsol AまたはExxon D40のような相対的に高沸点溶剤がある。N−メチルピロリドンまたはN−エチルピロリドン、およびエタノール、プロパノール、イソブタノールまたはブチルグリコールのようなアルコールも適している。
また、上記の付加反応は、例えば、ポリプロピレングリコール600(数字は平均分子量を示す)のようなポリエーテルを溶媒として行うこともできる。混合溶媒も使用することができる。
【0036】
さらに、本発明は一般構造A−Bである本発明のビウレット化合物および本発明のプロセスで得られる一般構造A−Bのビウレット化合物のレオロジー調節用添加剤としての使用も提供する。すなわち、ポリウレタン(1Kおよび2K 1成分および2成分)、ポリアクリレート、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂およびエポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルプラスチゾルおよびポリ塩化ビニル有機ゾル、エポキシ系コーティングおよび不飽和ポリエステルのようなバインダに基づく溶媒系および無溶媒系コーティング材料のレオロジー調節用添加剤としての使用である。また、例えば米国特許6,156,325に記述されている種類のネイル・エナメルもコーティング材料に含まれることを理解すべきである。
【0037】
一般構造A−Bである本発明のビウレット化合物の使用量は、全処方重量を基準として、0.05〜5.0重量%活性物質、好ましくは0.1〜3.0重量%活性物質、より好ましくは0.2〜2.0重量%活性物質である。また、本発明は、一般構造A−Bの本発明のビウレット化合物または本発明のプロセスで得られる一般構造A−Bのビウレット化合物の1以上を含む硬化および未硬化のポリマー組成物も提供する。
本発明を以下の実施例でさらに詳しく説明する。
【実施例】
【0038】
本発明の成分Aの製造
【0039】
実施例1
攪拌機、還流コンデンサおよび温度計を付けた1リッターの三口フラスコに、室温でヘキサメチレンジイシシアネートウレトジオン[BayerのDesmodur(登録商標) N3400、NCO量:21.5%]の195.0g(0.5mol)とエチレングリコールモノフェニルエーテルの138.2g(1.0mol)を入れて70℃に加熱する。イソシアネート量が0.1%未満になるまで反応させる。次いで、反応混合物を50℃まで冷却する。
【0040】
成分A
【0041】
【表1】

【0042】
注1:
Jeffamine(登録商標)M600:Huntsmanのモノアミン官能性EO/POポリエーテル(EO:PO=1:9)、Mn:〜600g/mol
Jeffamine(登録商標)M1000:Huntsmanのモノアミン官能性EO/POポリエーテル(EO:PO=19:3)、Mn:〜1,000g/mol
Polyglycol M350、500:Clariantのメタノール原料から製造されるモノヒドロキシ官能性EOポリエーテル、Mn:〜350または500g/mol
【0043】
本発明の成分Bの製造
実施例10
攪拌機、水分分離機および温度計を付けた1リッターの三口フラスコに、ダイマー酸Pripol(商標)1009(二量化脂肪酸の水素化物、Uniqema:最大1%のトリマー酸)の227.8g(0.4mol)、ヘキサメチレンジアミンの69.6g(0.6mol)およびExxsol D40(脱芳香族化炭化水素、ExxonMobil Chemical)の152.1gを順次入れ、170℃までゆっくり加熱する。この反応中に徐々に遊離する水は水分離機を介して共沸分離する。得られた縮合生成物のアミン数は51である。
次いで、トール油脂肪酸の57.6g(0.2mol)[多量のオレイン酸とリノール酸、および約2%の樹脂酸(アビエチン酸)を含有するモノカルボン酸の混合物、Arizona Chemical GmbH]を加え、この反応中に遊離する水を水分離機を介して共沸分離する。この縮合生成物のアミン数は22.7である。その後、この反応混合物を50℃に冷却する。
【0044】
成分B
【0045】
【表2】

【0046】
注2:
Pripol(商標)1006:Uniqemaの水素化した二量化脂肪酸(最大4%のトリマー酸)
Pripol(商標)1009:Uniqemaの水素化した二量化脂肪酸(最大1%のトリマー酸)
Pripol(商標)1013:Uniqemaの水素化した二量化脂肪酸(最大4%のトリマー酸)
Pripol(商標)1017:Uniqemaの水素化した二量化脂肪酸(最大22%のトリマー酸)
Empol(登録商標)1062:Cognisの部分水素化した二量化脂肪酸(最大3.5%のポリカルボン酸)
Empol(登録商標)1012:Cognisの水素化した二量化脂肪酸(最大5%のポリカルボン酸)
Jeffamine(登録商標)ED600:Huntsmanのジアミン官能性EO/POポリエーテル(EO:PO=9:3.6)、Mn:〜600g/mol
Jeffamine(登録商標)D230:Huntsmanのジアミン官能性POポリエーテル、Mn:〜230g/mol
【0047】
本発明のビウレット付加物の製造
実施例20
攪拌機、還流コンデンサおよび温度計を付けた1リッターの三口フラスコに、室温で、実施例1の付加物の66.6g(0.1mol)と実施例10の縮合生成物の247.1g(0.1mol;アミン数=22.7)を順次入れ、85℃まで加熱する。この反応混合物をアミン数が1未満になるまで攪拌する。次いで、得られる生成物にイソブタノールを加えて固形分が30%になるように希釈する。
【0048】
【表3】

【0049】
性能の結果
白色塗料処方:Worleekyd S365白色塗料、バインダ 64%、TiO2 20%)
Worleekyd S356、 K030中に70% 34.4
Disperbyk(登録商標)110 0.6
RKB−2(TiO2) 20.0
BYK066 0.3
分散:4cmテフロンディスクのDispermatを用い50℃、8,500rpm、30分間
Nuodex Combi APB 4.5
Borchi NOx M2 0.2
K030 10.4
100
注3:
Worleekyd S365: Worleeの風乾長油アルキッド樹脂
Disperbyk(登録商標)110:BYK−Chemieの湿潤・分散添加剤(酸性基を有す共重合体溶液)
RKB−2:BAYER AGの白色顔料(ニ酸化チタン)
BYK066:BYK−Chemieのシリコン消泡剤
Nuodex Combi APB:Sasol Servo BVの組合せ乾燥剤(comnibation dryer)
Borchi Nox M2:Borchersの皮張り防止剤(anti−skinning agent)(methyl ethyl ketoxime)
K030:Solvadis Deutshlandの炭素原子数8〜11のパラフィン系、ナフテン系および芳香族系炭化水素混合物
【0050】
添加剤処方:全組成物の重量を基準に1重量%の活性物質
混合:添加剤を加え、2.5cmの歯状ディスクのDispermatを用い、1,200rpmで2分間攪拌する。
【0051】
評価:垂れ限界の形で、レオロジー活性をテストする。
この目的のために、BYK Gardnerの自動塗布機を使用して、添加剤が入った塗料システムを段階コーター(stepped coater)50〜500μmおよび550−1,000μmで、BYK Gardner2801対比チャートに塗布する(速度:3cm/秒)。この対比チャートを垂直に掛けて乾燥する。安定性を湿潤状態、μm単位で読み取る。これがレオロジー活性の尺度である。この結果を表4にまとめる。
【0052】
【表4】

注4:
BYK411:BYK−Chemieの液状のレオロジー添加剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の理想的に示す一般式のビウレット化合物。
【化1】

式中、
1はC1〜C22アルキレン、C3〜C22アルケニレン、C5〜C15シクロアルキレン、アリーレン、C7〜C12アルアルキレン、ポリオキシアルキレンラジカルまたはポリエステルラジカル、
2はC1〜C22アルキル、ヒドロキシC1〜C22アルキル、C3〜C18アルケニル、アリール、C7〜C12アルアルキルまたはC5〜C12シクロアルコキシラジカル、ヒドロキシポリオキシアルキレン、C1〜C22アルコキシポリオキシアルキレン、C5〜C12シクロアルコキシポリオキシアルキレンまたはC7〜C12アルアルコキシポリオキシアルキレンラジカル、もしくはC1〜C22アルカノール、C5〜C12シクロアルカノールまたはC7〜C12アルアルカノールから製造されるポリエステルラジカル、またはC1〜C22アルコキシポリオキシアルキレン、C6〜C12シクロアルコキシポリオキシアルキレンまたはC7〜C12アルアルコキシポリオキシアルキレンから製造されるポリエステルラジカル、
Yは同じか異なるO,NH、CO−NH−NHまたはNH−NH−CO,
3,R4およびR5はそれぞれ相互に独立して、C2〜C40アルキレン、C3〜C40アルケニレン、C5〜C40シクロアルキレン、アリーレン、C7〜C40アルアルキレンまたはポリオキシアルキレンラジカル、もしくはポリエステルラジカル、
6はC1〜C30アルキル、C3〜C22アルケニル、ヒドロキシアルキルおよびヒドロキシアルケニル、C4〜C13シクロアルキル、アリールまたはC7〜C12アルアルキルラジカル、
ZはCOO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNHおよびNHCONHからなるグループから選ばれる少なくとも一つであり、aは1〜19の数字である。
【請求項2】
前記R1がヘキサメチレンラジカルであることを特徴とする請求項1に記載のビウレット化合物。
【請求項3】
2がC1〜C12アルキルラジカル、またはアルコキシポリオキシアルキレンラジカルであることを特徴とする請求項1または2に記載のビウレット化合物。
【請求項4】
ラジカルR3およびR5が相互に独立してC2〜C18アルキレン、C7〜C15アルアルキレンラジカル、好ましくはC2〜C12アルキレン、C7〜C12アルアルキレンラジカル、特に好ましくは、ヘキサメチレン、オクタメチレンまたはm−キシレンラジカルのようなC2〜C8アルキレン、C7〜C9アルアルキレンラジカルであることを特徴とする請求項1〜3に記載のビウレット化合物。
【請求項5】
4がC2〜C40アルキレン、C3〜C40アルケニレン、C5〜C40シクロアルキレン、アリーレンまたはC7〜C40アルアルキレンラジカル、好ましくはC30〜C40アルキレン、C30〜C40アルケニレン、C30〜C40シクロアルキレン、アリーレンまたはC30〜C40アルアルキレンラジカルであることを特徴とする請求項1〜4に記載のビウレット化合物。
【請求項6】
6がC1〜C30アルキルまたはC3〜C22アルケニルラジカルであることを特徴とする請求項1〜5に記載のビウレット化合物。
【請求項7】
ZがNHCOまたはCONHであることを特徴とする請求項1〜6に記載のビウレット化合物。
【請求項8】
aが2〜7であることを特徴とする請求項1〜7に記載のビウレット化合物。
【請求項9】
下記の理想的に示す一般式(A)のウレトジオンと下記の理想的に示す一般構造(B)のモノアミン官能性化合物とを反応させることを特徴とする請求項1〜8に記載のビウレット化合物の製造方法。
【化2】

(式中、R1はC1〜C22アルキレン、C3〜C22アルケニレン、C5〜C15シクロアルキレン、アリーレン、C7〜C12アルアルキレン、ポリオキシアルキレンラジカルまたはポリエステルラジカル、R2はC1〜C22アルキル、ヒドロキシC1〜C22アルキル、C3〜C18アルケニル、アリール、C7〜C12アルアルキルまたはC5〜C12シクロアルキルラジカル、ヒドロキシポリオキシアルキレン、C1〜C22アルコキシポリオキシアルキレン、C5〜C12シクロアルコキシポリオキシアルキレンまたはC7〜C12アルアルコキシポリオキシアルキレンラジカル、もしくはC1〜C22アルカノール、C5〜C12シクロアルカノールまたはC7〜C12アルアルカノールから製造されるポリエステル、またはC1〜C22アルコキシポリオキシアルキレン、C6〜C12シクロアルコキシポリオキシアルキレンまたはC7〜C12アルアルコキシポリオキシアルキレンから製造されるポリエステル、Yは同じか異なるO,NH、CO−NH−NHまたはNH−NH−CO)、
(B)H2N−R3−[Z−R4−Z−R5a−Z−R6
(式中、R3、R4およびR5はそれぞれ相互に独立して、C2〜C40アルキレン、C3〜C40アルケニレン、C5〜C40シクロアルキレン、アリーレン、C7〜C40アルアルキレンまたはポリオキシアルキレンラジカル、もしくはこれらはポリエステルラジカル、R6はC1〜C30アルキル、C3〜C22アルケニル、ヒドロキシアルキルおよびヒドロキシアルケニル、C4〜C13シクロアルキル、アリールまたはC7〜C12アルアルキルラジカル、ZはCOO、OCO、NHCO、CONH、NHCOO、OOCNHおよびNHCONHの群から選ばれる少なくとも一つ、ならびに、aは1〜19の数字である。)
【請求項10】
請求項1〜8に記載のビウレット化合物のレオロジー調節剤としての使用。
【請求項11】
チキソトロピークコーティングシステム用の垂れ防止剤および/または沈降防止剤としての請求項1〜8に記載のビウレット化合物の使用。

【公開番号】特開2007−238943(P2007−238943A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−58579(P2007−58579)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(598067245)ベーイプシロンカー ヘミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング (30)
【Fターム(参考)】