説明

レシプロ式フィーダ

【課題】車輪やレールを不要としてフィーダ本体の設置精度を緩和することができると共に、材料投入ホッパからばら物がこぼれても作動に支障がなく、保守性が良好なレシプロ式フィーダを提供する。
【解決手段】前後へ往復動可能なフィーダ本体1を、往復動方向へ所定の間隔を隔てて複数の吊ロッド13により吊下げる。材料投入ホッパ10の左右両側には、前後に所定の間隔をおいて複数の支持座11が設けられ、支持座11の下面に設けたブラケット12には、縦向きに下方へ延在する吊ロッド13が、フィーダ本体1の幅方向へ水平に延びるピン14を介して枢支され、吊ロッド13の下端は、フィーダ本体1の下面に固設したブラケット15にピン14と平行なピン16を介して枢支されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレシプロ式フィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
石灰石等のばら物の定量供給には従来からレシプロ式フィーダが使用されており、斯かるレシプロ式フィーダの一例は図3に示されている。図3ではフィーダ本体1は、複数の車輪2を介して枠体3上のレール4に支持されている。又、フィーダ本体1の後方にはモータ5が配置され、モータ出力軸に取り付けたシーブ6と中間シーブ7とには、無端状のベルト8が巻き掛けられている。更に、中間シーブ7の外周部近傍に枢支したリンク9の先端は、フィーダ本体1後端に枢支されている。図中、10はフィーダ本体1の上方に配置された材料投入ホッパであり、材料投入ホッパ10は図示してない枠体に設置され、支持されている。
【0003】
運転時には、モータ5が駆動されることにより、シーブ6、ベルト8を介して中間シーブ7が回動し、このため、リンク9は、中間シーブ7と共に回転しつつ長手方向へ往復動し、フィーダ本体1はレール4上を転動する車輪2を介して矢印Aに示すように前後へ往復動する。このため、材料投入ホッパ10から切出されたばら物は、フィーダ本体1により定量供給される。
【0004】
レシプロ式フィーダの先行技術文献としては、特許文献1がある。特許文献1では、レシプロ式フィーダは、分級装置本体に据付け固定された台座部と、該台座部上に複数個の車輪を介在させて前後方向へ往復動自在に支持された受け皿と、受け皿を前後方向へ往復動させる駆動機構を備えている。
【特許文献1】特開2001−38292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図3に示すレシプロ式フィーダでは、レール4の材料投入ホッパ10に対する設置精度を正確にしないと、フィーダ本体1の材料投入ホッパ10に対する設置精度が低下し、材料投入ホッパ10から投入されたばら物がレール4上にこぼれたりして、車輪2がレール4上を転動する際に抵抗となり、作動がスムーズに行なわれない虞があり、又、ばら物がレール4上やその周囲にこぼれるため、清掃を行なう必要があるが、車輪2やレール4があるため接近が困難で清掃がやり難く、保守性が悪い。
【0006】
特許文献1に示すレシプロ式フィーダも、レール部及びレール部を転動する車輪を備えているため、図3に示すレシプロ式フィーダと同様な問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑み、車輪やレールを不要としてフィーダ本体の設置精度を緩和することができると共に、材料投入ホッパからばら物がこぼれても作動に支障がなく、保守性が良好なレシプロ式フィーダを提供することを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のレシプロ式フィーダは、前後へ往復動可能なフィーダ本体を、往復動方向へ所定の間隔を隔てて複数の吊ロッドにより吊下げたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のレシプロ式フィーダによれば、車輪やレールが不要となってフィーダ本体の設置精度が緩和されると共に、材料投入ホッパからばら物がこぼれてもフィーダ本体の下面近傍にたまることがなく、従って、フィーダ本体の往復動に支障が生じることがなく、又、フィーダ本体周りのばら物の除去が不要であるため、保守性が良好である、等種々の優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1、図2は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図3と同一の符号を付した部分は同一のものを表わしている。而して、本図示例の特徴とするところは、フィーダ本体1をペンデュランサポートにより吊下げ支持し得るようにして、車輪や車輪が転動するレールを不要とした点である。
【0011】
すなわち、材料投入ホッパ10の左右両側には、前後に所定の間隔をおいて複数の支持座11が設けられ、支持座11の下面に設けたブラケット12には、縦向きに下方へ延在する吊ロッド13が、フィーダ本体1の幅方向へ水平に延びるピン14を介し枢支され、吊ロッド13の下端は、フィーダ本体1の下面に固設したブラケット15にピン14と平行なピン16を介して枢支されている。而して、各吊ロッド13は長さが等しく、ブラケット12、ピン14、吊ロッド13、ピン16、ブラケット15によりペンデュランサポートが構成されている。
【0012】
次に、上記した実施の形態の作動を説明する。
運転時にはモータ5が駆動されることにより、シーブ6、ベルト8を介して中間シーブ7が回動し、このため、リンク9は中間シーブ7と共に回動しつつ長手方向へ往復動する。従って、フィーダ本体1は上方のピン14を支点として揺動する吊ロッド13に支持された状態で矢印Aに示すように前後へ往復動する。このため、材料投入ホッパ10から切出されたばら物は、フィーダ本体1により定量供給される。フィーダ本体1の往復動の際、前後の吊ロッド13は平行状態を保持して揺動する。
【0013】
本図示例によれば、車輪やレールが不要となるためフィーダ本体1の設置精度が緩和されると共に、材料投入ホッパ10からばら物がこぼれてもフィーダ本体1の下面近傍にたまることがなく、従って、フィーダ本体1の往復動に支障が生じることがなく、又、フィーダ本体1周りのばら物の除去が不要であるため、保守性が良好である。
【0014】
なお、本発明のレシプロ式フィーダは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のレシプロ式フィーダの概略側面図である。
【図2】図1のII−II方向矢視図である。
【図3】従来のレシプロ式フィーダの概略側面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 フィーダ本体
13 吊ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後へ往復動可能なフィーダ本体を、往復動方向へ所定の間隔を隔てて複数の吊ロッドにより吊下げたことを特徴とするレシプロ式フィーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−131435(P2007−131435A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327473(P2005−327473)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】