説明

レシートデータ照合支援装置およびレシートデータ照合支援プログラム

【課題】各テナントの店舗から収集されたレシートと売上データとを正確かつ効率よく照合できるようにし,テナント売上管理業務におけるスピード化,効率化を図る。
【解決手段】 手入力またはレシートの文字認識によって入力された売上管理に必要な売上管理項目ごとの数値データと,実際のレシートの内容とを業務担当者が照合するときに,レシート画像データ処理部11は,チェックが必要な売上管理項目ごとに,その算出元となったレシートの画像から,該当する売上管理項目に対応する1または複数のレシート項目の画像部分を行方向に切り出し,売上チェック画面編集部16は,照合対象の売上管理項目ごとの数値データと,レシート画像データ処理部11が切り出したレシート項目の画像を売上管理項目の順番で並べ替えた画像とを並べて配置した売上チェック画面を作成し,表示装置2に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ショッピングセンターなどの店舗のレシートデータと,店舗ごとに集計された売上管理データとを照合するためのレシートデータ照合支援装置およびレシートデータ照合支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ショピングセンター,ショッピングモール等に出店するテナント(店舗を運営する会社など)の店舗を管理するテナント管理部門では,各店舗の一日の売上を収集し,現金売上,クーポン売上,…といった売上内訳(売上管理項目)を作成している。この売上内訳作成の際には,各店舗から提供される精算レシート,クレジット伝票などが集められて,売上管理項目の数値を算出することが行われるが,各店舗から提供される精算レシート,クレジット伝票などはさまざまな形式で作成されているのが現状である。このため,テナント管理部門では,日次業務において,これらの提供された精算レシート等と作成された売上管理項目の数値データの照合作業に多大な労力を要している。実際に売上管理の業務を行う場合,店舗ごとに,精算レシート,クレジット伝票,商品券(ギフト券)などを机上に並べて,精算レシートに印刷された現金売上,クレジット売上,商品券の売上などを目視し,精算レシート等をもとに入力された売上管理データが正しいかのチェックを行っている。
【0003】
なお,特許文献1の技術では,各販売商品登録装置が,現金取引,信用取引等の取引項目別に集計した売上確定データを入力可能とする。売上管理装置は,各販売商品登録装置から取引項目別の売上累計データとともに入力された売上確定データを収集する。そして,収集した売上確定データと売上累計データとを販売商品登録装置毎に照合し,一致するか否かを判定する。そして,この照合結果に基づいて商品販売部別の売上精査リストを作成し出力する。特許文献1には,以上のような売上管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−147238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したような,ショピングセンター等の各店舗から提供される精算レシート(以下,レシートという)は,店舗ごとにレシート項目の詳細が異なるため,ショピングセンター等を運営する会社(組織)のテナント管理部門では,売上等を集計するために各店舗のレシートデータを予め統一した売上管理項目に対応する売上管理データに入力し直す。
【0006】
各店舗のレシートを出力する販売管理端末等は店舗ごとに異なるため,レシート項目においては,店舗の売上の内訳が異なることが多く,また,同じ内容を意味するレシート項目であっても,レシート項目名として様々な名称が記載されていることも多い。このため,図20に示すように,テナント管理部門の業務担当者500は,各店舗から集めたレシート501と,そのレシート項目の一部に集計されているクレジット伝票502,金券等503等と突き合わせながら,売上管理項目504として入力された売上管理データを照合する作業を行う。なお,レシート501には,各店舗ごとに一日分の売上が集計されたデータが印字されている。
【0007】
図21および図22に,各店舗別のレシート項目とテナント管理部門による売上管理項目との対応関係の例を示す。なお,図21および図22では,異なる店舗のレシートをレシート501aと501bとして表している。また,図21に売上管理項目とレシート501aのレシート項目との項目対応表5041aを示し,同様に,図22に売上管理項目とレシート501bのレシート項目との項目対応表5041bを示す。
【0008】
この例では,テナントの売上管理に必要な売上管理項目の数値データは,No.1の「現金売上」からNo.11の「客数」までの11個の売上管理項目である。しかし,これらの売上管理項目が各店舗のレシート501a,501bの項目として,そのまま1対1の関係で印字されていない。そこで,業務担当者500は,店舗ごとの項目対応表5041aおよび5041bに従って,各店舗のレシート項目から11個の各売上管理項目の値を求めて,それと既に算出済みの各売上管理項目の値とを照合する作業を行う。
【0009】
例えば,図21に示すレシート501aの場合,19番目のレシート項目の「日報上現金有高」に7番目のレシート項目の「感謝カード」の値を足した金額が,1番目の売上管理項目の「現金売上」に相当することが,項目対応表5041aに示されている。したがって,テナント管理部門の業務担当者500は,レシート501aの店舗の場合,19番目および7番目のレシート項目間における,122,793円(日報上現金有高)+2,500円(感謝カード)=125,293円を,1番目の売上管理項目の「現金売上」の値として照合する。
【0010】
一方,図22に示すレシート501bの場合,14番目のレシート項目の「現金売上」の金額が,そのまま1番目の売上管理項目の「現金売上」に相当することが,項目対応表5041bに示されている。したがって,テナント管理部門の業務担当者500は,レシート501bの店舗の場合,14番目のレシート項目における139,639円(現金売上)をそのまま1番目の売上管理項目の「現金売上」の値として照合する。他の売上管理項目についても,同様に売上管理項目とレシート項目との項目対応表5041a,5041bに従ってそれぞれ照合し,照合した売上管理項目の数値データ(売上管理データ)を売上DB(データベース)に登録,または,照合結果と合わない箇所は修正して更新する。
【0011】
このような場合において,売上DBの最終的な売上管理データを確定するために,テナント管理部門の業務担当者500は,データ入力された売上管理項目の内訳の数値データと,各店舗から収集したレシート501,クレジット伝票502,ギフト等の商品券類(以下,金券等503)との照合にかなりの時間を要し,また,数値が合わなかった場合にその訂正作業にも相当な時間を費やす。したがって,テナント管理部門の業務担当者500は,これらのデータ照合のための作業に日次業務の大半を費やしているのが現状である。
【0012】
また,印刷されたレシート,クレジット伝票等を画像読取機などで読み取り,文字認識技術を用いて読み取り画像を文字データ,数値データ化し,売上管理項目を収集するようなレシート収集装置を用いた場合においても,印刷されたレシートの印字不鮮明,汚れ等により文字認識,数字認識の誤りが発生することがある。このような場合においても,同様に,テナント管理部門の業務担当者500は,データ照合のための作業に多大な労力を費やすことになる。
【0013】
各店舗の端末におけるレシート項目を共通化し,オンラインで自動的に売上データを収集することができれば最善であるが,大規模ショッピングモール等では,100以上の多数の店舗が入っていることがあり,それぞれ店舗で使用している情報機器の機種が異なるため,それらの情報機器を改変して統一的にデータ収集し,データ照合を自動化できるように対応することは実際上きわめて困難である。
【0014】
特許文献1の技術は,同一企業内の店舗の売上項目を管理部門が企業内ネットワークを介して収集し,収集した項目を単純に集計しているだけである。一方,ショッピングセンターは,同一企業の店舗ではなく,異なる複数の企業の店舗が集合している。したがって,売上を管理する項目の分類や種類も異なり,項目の名称も企業固有の名称が付けられている。また,項目の並び順もそれぞれ異なっている。このため,ショッピングセンターに属する全ての店舗の売上管理データの照合作業を行うためには,各店舗から発行されるレシートごとにレシート項目の名称を見て,テナント管理に必要な項目かどうかを判断し,必要な項目であれば,どの売上管理項目に相当するかを決定した後,数字のチェックを行なうことになる。従来は,この作業に多くの人手と時間が費やされてきた。また,このチェック作業は,商慣習,業種知識なとが必要なため,この作業の業務担当者は経験の豊富な熟練者に限定され,担当者の人材不足になることもあった。
【0015】
また,企業体が異なるため,ネットワークを介してのデータ収集には,各企業に対して,ネットワーク開設の許諾を得る必要があり,さらに導入されているシステムによって接続するネットワーク種類が異なる等さまざまな問題があり,莫大な時間,費用がかかるといった問題がある。
【0016】
本発明は,以上の点に鑑み,各店舗から発行された精算レシートから売上管理に必要な項目を自動的に判別し,売上管理業務における売上データ照合作業のスピード化,効率化を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は,例えば各店舗から発行されたレシートをもとに,人間の手入力によって入力された売上管理に必要な売上管理項目ごとの数値データと,実際のレシートの内容とが合っているかどうかをチェック,または,レシートを文字認識することにより得られた売上管理項目ごとの数値データと,実際のレシートの内容とが合っているかどうかをチェックするときに,ディスプレイの画面上で容易に目視で確認することができるようにしたものであり,チェックが必要な各売上管理項目に対応するレシート項目の画像を,元のレシートの画像から行単位で切り出し,各売上管理項目の順番に,行単位で切り出したレシート項目の画像を並べ替え,各売上管理項目の数値データと,その各売上管理項目に対応するレシート項目の画像とを並べて売上チェック画面に表示することを特徴とする。
【0018】
すなわち,本発明は,チェック作業の業務担当者が各売上管理項目の数値データが正しいかどうかを,算出元のレシートと照合してチェックするときに,算出元のレシートの画像をそのまま表示するのではなく,チェックに必要なレシート項目の画像を行単位で切り出し,それを各売上管理項目に対応するように並べ替えたレシートの画像を編集して,各売上管理項目の数値データとともに表示するので,目視で容易にチェックすることができるようになる。詳しくは,本発明は以下の手段を備える。
【0019】
(1)本発明は,照合によるチェック対象となる売上管理データ記憶手段に記憶されている売上管理項目ごとの数値データと,前記売上管理項目の数値データの算出元となったレシートとの照合を支援するレシートデータ照合支援装置であって,前記照合の対象となるレシートの画像を記憶するレシート画像記憶手段と,あらかじめ定められた売上管理項目と各売上管理項目の算出元となるレシート内の行位置におけるレシート項目との対応関係情報を記憶する対応関係情報記憶手段と,前記対応関係情報記憶手段に格納された対応関係情報をもとに,各売上管理項目に対応するレシート項目におけるレシート内の行位置を求め,前記レシート画像記憶手段に記憶されたレシートの画像から少なくとも行方向に画像を切り出すレシート画像データ処理手段と,前記レシート画像データ処理手段によって切り出した画像を,あらかじめ定められた売上管理項目の順番で,前記各売上管理項目の項目名およびその数値データに対応させて配置した売上チェック画面を作成し,作成した売上チェック画面を表示装置に表示する売上チェック画面編集表示手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
これによって,事前に手入力によって入力された売上管理項目ごとの数値データまたはレシートを文字認識することにより得られた売上管理項目ごとの数値データが,実際のレシートの内容と合っているかどうかをチェックするときに,店舗ごとに種々の異なる様式でレシートが作成された場合であっても,レシートの画像が行単位で売上管理項目に対応するように並べ替えられて売上チェック画面内に表示されるため,チェックが必要な各売上管理項目ごとの数値データと,実際のレシートの内容とを目視によって比較して容易に照合することができるようになる。
【0021】
(2)また,本発明は,さらに前記発明において,レシートデータ照合支援装置が,前記売上チェック画面における前記売上管理項目の数値データ部分に対する修正情報を入力する手段と,前記修正情報の入力により前記売上管理データ記憶手段に記憶されている該当する売上管理項目の数値データを更新する手段とを備えることを特徴とする。
【0022】
これによって,同じ売上チェック画面上で照合に関する表示と修正に関する編集画面とが表示されるため,データを照合する作業とデータを修正する作業とを同時に併せて行うことができる。
【0023】
(3)また,本発明は,さらに前記発明のいずれかにおいて,前記売上管理データ記憶手段に記憶されている売上管理項目ごとの数値データは,前記レシート画像記憶手段に記憶されているレシートの画像を文字認識することにより得られたデータであり,レシートデータ照合支援装置が,あらかじめ定められた前記売上管理項目の関係式に基づいて,文字認識されたレシート項目の数値データに誤りがあるか否かを類推する第1の誤り類推手段を備え,前記売上チェック画面編集表示手段は,前記第1の誤り類推手段によって誤りと類推されたレシート項目の数値データに対応する売上管理項目の数値データを,前記売上チェック画面において強調表示する手段を有することを特徴とする。
【0024】
これによって,売上管理項目の誤りがあると推定される数値データが,売上チェック画面上で強調表示されるため,数値データの誤りの推定箇所を把握し,その誤りの要因と推定されるレシート項目の画像の表示を確認することができる。
【0025】
(4)また,本発明は,さらに前記発明のいずれかにおいて,前記売上管理データ記憶手段に記憶されている売上管理項目ごとの数値データは,前記レシート画像記憶手段に記憶されているレシートの画像を文字認識することにより得られたデータであり,レシートデータ照合支援装置が,前記売上管理項目の数値データに対する前記修正情報を入力する手段により修正された数値データの過去の修正履歴情報を記憶する修正履歴記憶手段と,あらかじめ定められた前記売上管理項目間の関係式を満たさない数値データが存在する場合に,前記修正履歴記憶手段に記憶された修正履歴情報をもとに,文字認識されたレシート項目の数値データに誤りがあるか否かを類推する第2の誤り類推手段を備え,前記売上チェック画面編集表示手段は,前記第2の誤り類推手段によって誤りと類推されたレシート項目の数値データに対応する売上管理項目の数値データを,前記売上チェック画面において強調表示する手段を有することを特徴とする。
【0026】
これによって,店舗ごとのレシートの数値データに関する修正履歴情報を取ることができるため,過去の修正履歴を用いて,店舗におけるレシート発行装置の印字のくせ等による認識誤りの要因を発見しやすくなるとともに,店舗に起因する照合不一致の結果を分析することができる。
【0027】
(5)また,本発明は,さらに前記発明のいずれかにおいて,前記売上チェック画面編集表示手段は,前記売上チェック画面に,さらに前記レシート画像記憶手段に記憶されたレシートの画像を表示する手段を有することを特徴とする。
【0028】
これによって,売上管理項目の数値データの元となるレシートの画像を,レシート項目を行単位で切り出す前の元の画像形式のまま表示させることができ,実際のレシート画像の確認も行うことができるようになる。
【0029】
(6)また,本発明は,さらに前記発明のいずれかにおいて,レシートデータ照合支援装置が,クレジット伝票または金券の画像を記憶する金券等画像記憶手段を備え,前記売上チェック画面編集表示手段は,前記金券等画像記憶手段に記憶されたクレジット伝票または金券の画像を前記売上チェック画面に表示する手段を有することを特徴とする。
【0030】
これによって,売上管理項目の数値データの元となるレシートの項目に関連する,クレジット伝票,商品券などの画像データを一元的に管理するため,必要に応じてこれらの画像をすぐに画面上に表示させて確認することができる。
【0031】
(7)また,本発明は,さらに前記発明において,レシートデータ照合支援装置が,前記金券等画像記憶手段に記憶されたクレジット伝票または金券の画像を認識することにより得られた前記クレジット伝票または金券の合計金額と,前記売上管理データ記憶手段に記憶されているクレジット伝票または金券に関する売上管理項目の数値データとを比較する金券等チェック手段を備え,前記売上チェック画面編集表示手段は,前記金券チェック手段における比較値が一致しない場合に,前記売上チェック画面における該当する売上管理項目の数値データを強調表示する手段を有することを特徴とする。
【0032】
これによって,売上管理項目に関連するクレジット伝票または金券の合計枚数および合計金額について,すぐに画面上で確認することができる。
【0033】
(8)また,本発明は,さらに(6)または(7)の前記発明のいずれかにおいて,前記売上チェック画面編集表示手段は,クレジット会社ごとにクレジット伝票の枚数および合計金額を表示する手段を有することを特徴とする。
【0034】
これによって,売上管理項目に関連するクレジット会社ごとにクレジット伝票の枚数および合計金額について,すぐに画面上で確認することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の効果は,以下のとおりである。
(1)売上管理項目とレシート項目の画像との対応関係が視覚的に容易に把握できるように表示されるため,照合作業の効率化が達成できる。
(2)レシートに関連するクレジット伝票,金券等のチェックも同じ売上チェック画面上で行うことができ,照合作業の省力化,スピード化が達成できる。
(3)また,売上チェック画面上でデータ照合作業とデータ修正作業とを併せて行うことができるため,照合作業における省力化,効率化が達成できる。
(4)また,売上管理項目の誤りがあると推定される数値データと,その誤りの要因と推定されるレシート項目の数値データとを,自動的に表示できるため,照合作業の照合精度を向上させ,かつ,スピード化が達成できる。
(5)レシートデータの修正履歴情報を取ることにより,過去の修正履歴を把握できるため,店舗ごとに起因する照合不一致の結果を分析でき,その要因に対して早急に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態の装置構成例を示す図である。
【図2】売上DBのデータ構成の例を示す図である。
【図3】売上チェック画面表示の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るレシートデータ照合支援装置の処理フローチャートである。
【図5】対応関係情報テーブルの例を示す図である。
【図6】レシート画像データ処理部における画像データ検索の動作説明図である。
【図7】金券等画像データ処理部における画像データ検索の動作説明図である。
【図8】レシートデータの例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るレシートデータ照合支援装置の売上チェック画面表示の編集処理フローチャートである。
【図10】レシート画像の切り出し動作を説明する図である。
【図11】売上チェック画面編集部の構成例を示す図である。
【図12】売上管理項目の照合データおよびレシート項目の切出し画像の表示例を示す図である。
【図13】売上管理項目表示の例を示す図である。
【図14】レシートデータ検査の処理フローチャートである。
【図15】レシートデータ検査部の構成例を示す図である。
【図16】売上管理項目間関係テーブルの構成例を示す図である。
【図17】修正履歴情報テーブルの例を示す図である。
【図18】金券等データ照合部におけるクレジット伝票および金券等の照合処理の動作を説明する図である。
【図19】金券等データ照合部におけるクレジット伝票および金券等の照合処理の動作を説明する図である。
【図20】従来手法の課題を説明する図である。
【図21】売上管理項目とレシート項目との対応関係の例を示す図である。
【図22】売上管理項目とレシート項目との対応関係の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下,図面を用いながら,本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお,以下では,主に売上管理項目を照合する装置の例について説明するが,本発明は売上管理項目の照合に限られるわけではなく,仕入集計データやその他の伝票などに印字された実績データを照合するために同様に適用することができる。
【0038】
図1は,本発明の概要を説明するための装置構成例を示す。図1において,1はCPUおよびハードディスクやメモリ等の記憶装置等から構成され,1または複数の店舗のレシートデータの照合を支援するレシートデータ照合支援装置,2は読み取り装置で読み込まれ保存されたレシートや金券等の画像およびレシート項目が共通に統一されて管理される売上管理項目等を表示する表示装置,3はユーザがレシートデータを修正する際にデータ入力および編集等を行う入力装置,4は各店舗の売上管理項目の売上データを保存する売上データベース(DB)である。
【0039】
レシートデータ照合支援装置1は,売上DB4に記憶されている売上管理項目ごとの数値データと,売上管理項目の数値データの算出元となったレシートとの照合作業を支援する装置である。
【0040】
レシート画像記憶部101は,照合対象となるレシートの画像(レシート画像)を記憶する。金券等画像記憶部102は,クレジット伝票または金券の画像を記憶する。これらの画像は,あらかじめスキャナ(図示省略)によって読み込まれたものである。
【0041】
レシートデータ記憶部103は,レシート画像記憶部101に記憶されているレシート画像を文字認識することにより得られたレシートデータを記憶する。対応関係情報記憶部104は,売上管理データが管理される店舗ごとに,予め定められた売上管理項目と各売上管理項目の算出元となるレシート内の行位置におけるレシート項目との対応関係情報を記憶する。修正履歴記憶部105は,入力編集部17が売上管理項目の数値データに対する修正情報を入力した場合に,その修正情報により修正された数値データの修正履歴情報を記憶する。
【0042】
売上DB4に記憶されている売上管理項目ごとの売上データは,売上管理項目とレシート項目との対応関係に基づいて,レシート画像記憶部101に記憶されているレシートの画像を文字認識することにより得られたレシートデータまたはそれらが加工(演算)されたデータである。または,この売上管理項目ごとの売上データは,文字認識ではなく,手入力により人間が入力したものであってもよい。例えば,文字認識による入力または手入力による入力の段階では,売上DB4内で売上データは仮登録として扱われ,レシートとの照合により正しいと確認された後は,本登録として扱われる。
【0043】
レシート画像データ処理部11は,照合対象のレシートと関連する,レシート画像記憶部101に記憶されているレシート画像を読み込む。レシート画像データ処理部11は,対応関係情報記憶部104に格納された対応関係情報を参照することにより,各売上管理項目に対応するレシート内の行位置をもとに,レシート画像記憶部101に記憶されたレシート画像から画像を切り出す。レシート画像データ処理部11は,切り出した画像を,予め定められた売上管理項目の順番に,レシート項目名およびその数値データに対応させて並べ替える。レシート画像データ処理部11は,この並べ替えた画像,もとのレシート画像等の画像データを売上チェック画面編集部16に送る。なお,画像データは,例えばスキャナー等の読取機で読み取られた画像が変換されて,ビットマップ形式などの周知のデータ形式でレシート画像記憶部101に格納されているものとする。
【0044】
金券等画像データ処理部12は,照合対象のレシートと関連する,金券等画像記憶部102に記憶されているクレジット伝票画像,金券画像を検索する。金券等画像データ処理部12は,関連する画像データがある場合に,クレジット伝票画像,金券画像などの画像データを金券等画像記憶部102から読み込む。金券等画像データ処理部12は,読み込んだ画像データを売上チェック画面編集部16に送るとともに,その検索結果についてレシートデータ特定部13に通知する。
【0045】
レシートデータ特定部13は,入力装置3から入力される店舗コードや,店舗名などの店舗を特定する検索条件のキー情報をもとに,レシートデータ記憶部103に格納された照合対象となるレシートのレシートデータを特定する。レシートデータ特定部13は,照合対象の店舗についての対応関係情報記憶部104に格納された対応関係情報を参照することにより,各売上管理項目に対応するレシート項目の対応関係を求める。これらを用いて,レシートデータ特定部13は,照合対象の店舗についての必要なレシートデータ,関連する画像データを特定し,各機能部と画面編集,データ照合・検査などの処理に必要な情報をやり取りする。
【0046】
レシートデータ検査部14は,レシートデータ特定部13からの情報,対応関係情報記憶部104および修正履歴記憶部105に格納された情報などを用いて,照合対象のレシートについてレシートデータを検査する。そのために,レシートデータ検査部14は,第1誤り類推部141および第2誤り類推部142(後述する図15に示す)を備える。第1誤り類推部141は,予め定められた売上管理項目とレシート項目との間の関係式に基づいて,文字認識されたレシート項目に対応する数値データに誤りがあるか否かを類推する。第2誤り類推部142は,予め定められた売上管理項目間の関係式を満たさない数値データが存在する場合に,修正履歴記憶部105に記憶された修正履歴情報をもとに,文字認識されたレシート項目の数値データに誤りがあるか否かを類推する。なお,第1誤り類推部141および第2誤り類推部142については,詳しくは後述する。
【0047】
金券等データ照合部15は,金券等画像記憶部102に記憶されたクレジット伝票または金券の画像を認識することにより得られたクレジット伝票または金券の合計金額と,売上DB4に記憶されているクレジット伝票または金券に関する売上管理項目の数値データとを比較する。
【0048】
売上チェック画面編集部16は,図3に示すような売上チェック画面20を表示装置2に表示する。売上チェック画面編集部16は,売上チェック画面20に,さらにレシート画像記憶部101に記憶されたレシート画像24を表示する。売上チェック画面編集部16は,金券等画像記憶部102に記憶されたクレジット伝票の画像25,金券等の画像26を売上チェック画面20に表示する。また,売上チェック画面編集部16は,クレジット会社ごとにクレジット伝票の合計枚数および合計金額表示251,金券等ごとに合計枚数および合計金額表示261を売上チェック画面20に表示する。
【0049】
売上チェック画面編集部16は,第1誤り類推部141または第2誤り類推部142によって誤りと類推された売上管理項目とそれらに対応する数値データとを,売上チェック画面20において強調表示する。さらに,売上チェック画面編集部16は,金券等データ照合部15における比較値が一致しない場合に,売上チェック画面20における該当する売上管理項目とそれらに対応する数値データを強調表示する。
【0050】
入力編集部17は,入力装置3から店舗コード,店舗名などに関する照合データの検索条件を受けて,レシートデータ特定部13にこれらの検索条件を指示する。また,入力編集部17は,売上管理データの照合データについて,売上チェック画面20における売上管理項目の数値データに対応する修正入力を受けて,レシートデータ特定部13および売上チェック画面編集部16に当該修正入力の指示を行う。
【0051】
売上管理データ登録部18は,レシートデータ特定部13から修正または更新指示を受けて,売上DB4に記憶されている該当する売上管理項目の数値データを登録または更新する。
【0052】
図2に,売上DB(データベース)4のデータ構成の例を示す。売上DB4には,店舗コード(および/または売上日付)ごとに,店舗の売上内容を共通的に統一した複数の売上管理項目の数値データが格納される。例えば,売上管理項目No.1「現金売上」,No.2「掛売上」,No.3「クレジット売上」,…などの売上に関する精算項目に対応する数値が格納される。これにより,店舗ごとにまったく異なるフォーマット(シート形式)であったレシートのレシート項目が一元化され,各テナントの店舗により出力されたレシートで統一の取れないレシート項目,名称,数値などが,統一性のとれた売上管理項目として売上DB4に格納されて管理される。
【0053】
レシートデータ照合支援装置1は,以上の手段により,レシートデータ記憶部103に記憶されたレシートデータ,レシート画像記憶部101に記憶されたレシート画像などを用いて,店舗ごとの売上DB4の売上管理項目の数値データと,店舗ごとのレシートの数値データとを照合する画面を作成し,ユーザにレシート照合作業のための種々の表示画面を提供する。
【0054】
図3は,表示装置2に表示される売上チェック画面20の一例を示す図である。図3において,店舗表示欄21には,レシートデータ照合支援装置1が売上管理項目の照合対象とする店舗の店舗コード,店舗名称,売上管理データのもととなる売上日などが表示される。売上管理項目表示域22には,売上管理項目の「項目」が表示されるとともに,照合対象となる店舗におけるレシート項目について,レシート画像から切り出された「レシート項目名称」およびその対応する「数値」の画像が表示される。また,売上管理項目表示域22の「修正領域」には,レシートデータ記憶部103から読み出された,OCR(Optical Character Recognition )読み取り結果である数値データが表示される。
【0055】
また,図3において,23は,照合対象となるレシートにおけるレシート画像から売上管理項目表示域22の売上管理項目との対応関係に従って必要なレシート項目が切り出されて並べ替えられた編集レシート画像である。24は,レシートデータ記憶部103から読み出されたレシート画像である。25は,金券等画像記憶部102から読み出されたクレジット伝票画像であり,261は,金券等データ照合部15によりクレジット伝票が照合された合計枚数および合計金額などの結果表示である。26は,金券等画像記憶部102から読み出された金券等画像であり,251は,金券等データ照合部15により金券等が照合された合計枚数および合計金額などの結果表示である。
【0056】
以下に,図4,図9および図14の処理フローチャートに従って,その他の図も用いながら,図1に示すレシートデータ照合支援装置1の詳細な機能について説明する。
【0057】
図4は,本発明の実施形態に係るレシートデータ照合支援装置1の処理フローチャートである。図4に従って,レシートデータ照合支援装置1が実行する処理について具体的に説明する。
【0058】
レシートデータ照合支援装置1が起動されて,本処理が開始される。入力装置3から店舗コードが入力されると(ステップS1),入力編集部17が入力された店舗コードをレシートデータ特定部13に渡す。レシートデータ特定部13は,受け取った店舗コードをもとに,対応関係情報記憶部104から入力された店舗コードに該当する対応関係情報を検索し,照合対象となる店舗の対応関係情報を取得する(ステップS2)。
【0059】
具体的には,対応関係情報は,対応関係情報記憶部104に備えられる対応関係情報テーブル1041に格納されている。例えば,対応関係情報テーブル1041には,図5に示すように,店舗コードごとに,店舗名称と,複数の売上管理項目の名称と,各売上管理項目に対応するレシート項目の設定内容(「計算区分」および「対応区分」)とを含む対応関係情報が格納されている。図5に示す「計算区分」は,売上管理項目ごとに,対応するレシート項目間の演算が必要であるか否かを設定する。「計算区分」が“1”である場合には演算を必要とし,“0”である場合には演算を必要としないことを示す。図5に示す「対応区分」は,「計算区分」が“1”である場合に,対応するレシート項目間のレシート項目番号(または行番号)および演算子が設定される。また,「対応区分」は,「計算区分」が“0”である場合に,対応するレシート項目番号が設定されるか,または,対応するレシート項目がない場合に“0”が設定される。
【0060】
図5に示すように,例えば「店舗コード:100001」,「店舗名称:A店舗」の店舗では,売上管理項目の「現金売上」について「計算区分:1」により計算有りが設定されていることから,「現金売上」が,「対応区分:19+7」に従って,A店舗のレシートデータにおける19番目のレシート項目と7番目のレシート項目との数値データを加算した値になることを示す。また,売上管理項目の「掛売上」において,「計算区分:0」かつ「対応区分:5」である設定は,「掛売上」が5番目のレシート項目の数値データが代入されることを示す。なお,他の売上管理項目の場合において,「計算区分:0」かつ「対応区分:0」である設定は,対応するレシート項目がない場合を示すので,その値は“0”または“空白”となる。このように,レシートデータ特定部13は,対応関係情報テーブル1041から売上管理項目と各店舗のレシート項目との対応関係情報を取得する。
【0061】
以上のように,対応関係情報が対応関係情報テーブル1041に店舗ごとに設定され,対応関係情報記憶部104に予め格納され,以降の処理に利用される。
【0062】
次に,レシート画像データ処理部11がレシート画像記憶部101からレシート画像を取得し,金券等画像データ処理部12が金券等画像記憶部102から金券等画像を取得する(ステップS3)。
【0063】
具体的には,対象となる店舗コードのレシート画像,金券等画像などの取得要求が,レシートデータ特定部13からレシート画像データ処理部11および金券等画像データ処理部12に送られる。これを受けて,レシート画像データ処理部11が対象となる店舗コードのレシート画像1011をレシート画像記憶部101から取得し,また,金券等画像データ処理部12がクレジット伝票画像1021または金券画像1022を金券等画像記憶部102から取得する。これとともに,レシートデータ特定部13は,レシートデータ記憶部103からレシートデータを取得する。これらは,各々,売上チェック画面20の編集のために売上チェック画面編集部16に送られる。レシートデータ照合支援装置1は,例えば対象となるレシートデータファイルの関連ファイル(レシート画像ファイル,金券等画像ファイルなど)について,以下に説明するような検索方法により,レシート画像記憶部101,金券等画像記憶部102にあるか否かを検索する。
【0064】
図6および図7に,レシート画像データ処理部11および金券等画像データ処理部12における画像データ検索の動作説明図を示す。
【0065】
図6に,図1に示すレシート画像データ処理部11の構成例について示す。レシート画像データ処理部11は,図6に示すように,レシート画像データ読込部111と,レシート項目切出部112と,レシート画像編集部113と,画像データ出力部114とを備える。以降においては,レシート画像データ処理部11が図6に示す構成を採るものとして説明する。
【0066】
ここで,レシートデータ記憶部103に,例えば,図8に示すようなレシートデータ1031を有するレシートデータファイルが格納されているものとする。このレシートデータファイルには,例えば店舗コードと売上日時とにより一意に定められたファイル名「100001_20101201A 」が付与されているとする。また,このレシートデータファイル「100001_20101201A 」に関連するレシート画像1011のファイル名には,そのレシート画像を示す識別子「PR」が付与され,「100001_20101201A _PR* 」としてレシート画像記憶部101に格納されているとする。同様に,レシートデータファイル「100001_20101201A 」に関連するクレジット伝票画像1021a,金券画像1022aおよび1022bのファイル名にも,ファイル名にクレジット,金券を示す識別子「PK」,「PC」が付与され,「100001_20101201A _PC* 」,「100001_20101201A _PK* 」として金券等画像記憶部102に格納されているとする。なお,「*」の部分には,ファイル数に応じて数値が付与されるか,または,1ファイルの場合には付与されなくてもよい。なお,この例では,データ検索をファイル名で関連するファイルを検索する方法で示しているが,本例に限定されるものでなく,他の一元的にデータ管理される情報を有する記憶手段を利用して検索する方法であってもよい。
【0067】
レシートデータ特定部13は,前述したような予め設定されたファイル名の規則に従って,レシートデータファイル「100001_20101201A 」に関連するクレジット伝票画像1021a,金券画像1022a,1022bなどの関連ファイル名を特定し,レシート画像データ処理部11および金券等画像データ処理部12に通知する。
【0068】
レシート画像データ処理部11のレシート画像データ読込部111は,図6に示すように,レシート画像記憶部101からレシートデータファイル「100001_20101201A 」に関連するレシート画像ファイル「100001_20101201A _PR」を検索する。また,金券等画像データ処理部12は,図7に示すように,同様に金券等画像記憶部102からクレジット伝票画像ファイル「100001_20101201A _PC1 」と金券画像ファイル「100001_20101201A _PK1 」および「100001_20101201A _PK2 」を検索する。レシート画像データ処理部11および金券等画像データ処理部12は,各々,検索した結果をレシートデータ特定部13に通知する。
【0069】
これにより,レシートデータ特定部13は,例えば図7に示すように,クレジット伝票画像ファイル「100001_20101201A _PC1 」からクレジット伝票が1であり,金券画像ファイル「100001_20101201A _PK1 」,「100001_20101201A _PK2 」から金券2枚があると判断することができる。
【0070】
また,これらの画像データファイルは,レシート画像データ処理部11の画像データ出力部114および金券等画像データ処理部12の画像データ出力部(図示しない)により,必要なデータ形式に従って処理され,売上チェック画面編集部16に送られる。
【0071】
次に,売上チェック画面編集部16は,受け取ったレシート画像1011,金券等画像1021〜1022およびレシートデータなどを表示装置2に表示するために,売上チェック画面20を編集する(ステップS4)。編集後,売上チェック画面編集部16は売上チェック画面20を表示装置2に出力し,この出力を受けた表示装置2が,売上チェック画面20を表示する(ステップS5)。
【0072】
次に,レシートデータ特定部13は,照合対象となる店舗のレシートデータについてクレジット伝票が有るか否かを判断する(ステップS6)。
【0073】
クレジット伝票が有る場合,レシートデータ特定部13は,金券等画像データ処理部12に当該レシートデータに関連するクレジット伝票画像1021の表示要求を送る。金券等画像データ処理部12が,この表示要求を受けて取得したクレジット伝票画像1021のデータを売上チェック画面編集部16に送ると,このクレジット伝票画像1021が売上チェック画面編集部16により編集されて,売上チェック画面20上に表示される(ステップS7)。画面表示後に,次のステップS8に処理が進められる。一方,ステップS6において,クレジット伝票が無いとされた場合,ステップS8に処理が進められる。
【0074】
続いて,レシートデータ特定部13は,対象となる店舗のレシートデータについて金券等が有るか否か判断する(ステップS8)。
【0075】
金券等が有る場合,レシートデータ特定部13は,金券等画像データ処理部12に当該レシートデータに関連する金券画像1022の表示要求を送る。金券等画像データ処理部12が,この要求を受けて取得した金券画像1022を売上チェック画面編集部16に送ると,金券画像1022が売上チェック画面編集部16により編集されて,売上チェック画面20上に表示される(ステップS9)。画面表示後に,次のステップ10に処理が進められる。一方,ステップS8において,金券等が無いとされた場合,ステップ10に処理が進められる。
【0076】
次に,レシートデータ検査部14は,レシートデータ検査処理を開始する(ステップS10)。レシートデータ特定部13は,レシートデータ検査部14から検査結果を受けて,当該検査結果をチェックする(ステップS11)。
【0077】
検査結果をチェック後,レシートデータ特定部13は,検査でエラーがあるか否か判断する(ステップS12)。検査でエラーが有る場合,レシートデータ特定部13は,修正入力を待ち合わせ(ステップS13),指示された該当箇所の修正入力を反映させて,処理をステップS10に戻す。
【0078】
検査でエラーが無い場合,レシートデータ特定部13は,照合対象の店舗についての登録する売上管理データを売上管理データ登録部18に送り,売上管理データ登録部18が売上DB4に当該売上管理データを登録または更新する(ステップS14)。その後,レシートデータ照合支援装置1は,本処理を終了する。なお,最初に売上DB4には,同じレシートのOCR読み取り結果等から得られた売上管理データが仮登録されており,照合処理後のステップS14の処理で,当該店舗の売上管理データが売上DB4に本登録されることになる。
【0079】
図9は,図4に示すステップS4の詳細な処理フローチャートである。図9に従って,レシートデータ照合支援装置1が実行する売上チェック画面の編集処理について具体的に説明する。なお,レシート画像データ処理部11の構成は,図6に示す構成例として説明する。
【0080】
売上チェック画面20の編集処理が開始されると,レシート画像データ処理部11のレシート項目切出部112が,取得した対応関係情報をもとに,レシート画像から必要とされるレシート項目の行を特定する(ステップS21)。続いて,レシート項目切出部112は,さらに,特定したレシート項目の行の画像からレシート項目と数値の画像とを切り出す(ステップS22)。レシート項目切出部112は,この切り出した画像を作業領域(ワークメモリ)に格納する(ステップS23)。
【0081】
具体的に説明するため,図10に,レシート画像の切り出し動作説明図を示す。図10において,レシート画像記憶部101に格納されたレシート画像1011aが,レシート画像データ読込部111により読み込まれたとする。レシート項目切出部112が,対応関係情報に基づいて,この読み込まれたレシート画像1011aから必要となるレシート項目の行を特定し,さらに特定したレシート項目の行(行番号)からレシート項目および数値データの画像を切り出す。また,レシート画像編集部113は,レシート項目切出部112からこれらの切り出し画像と,レシートデータ特定部13から照合元のレシートデータ1031とを受けて,レシートデータ作業領域191(図示しないワークメモリ)に格納する。
【0082】
例えば,図10に示すように,レシートデータ作業領域191における設定内容として,「店舗コード」および「店舗名称」には,対応関係情報から読み込まれた“100001”および“A店舗”が格納される。「行番号」には,レシートデータ1031のレシート項目の項目番号が格納される。また,「画像」には,レシート項目切出部112から切り出された画像が格納される。例えば,図10に示すレシート画像1011aの“ 1 日報上売上金額 148,467”の行に対しては,レシートデータ作業領域191において「行番号」に“1”の数値データが格納され,当該行番号に関する「画像」に“日報上売上金額 148,467”の切り出し画像が格納される。
【0083】
次に,レシート画像編集部113は,対応関係情報に基づいて,作業領域(レシートデータ作業領域191)に格納されたレシート項目の切り出し画像を売上管理項目との対応をとれるように並び替えを行う(ステップS24)。レシート画像編集部113は,さらに,店舗名,日付などを切り出した画像を並べ替えた切り出し画像に合成して,売上チェック画面20の所定の画面領域に表示するように画像を編集する(ステップS25)。
【0084】
なお,レシート画像,切り出されて編集されたレシート画像(以下,編集レシート画像と呼ぶ),切り出されたレシート項目の部分の画像などは,画像データ出力部114を介して,売上チェック画面編集部16に送られる。
【0085】
次に,レシートデータ特定部13は,対応関係情報をもとに,レシート項目間の計算があるか否かを判断し(ステップS26),売上チェック画面編集部16に当該判断結果を通知する。
【0086】
ここで,図11に,図1に示す売上チェック画面編集部16の構成例を示す。売上チェック画面編集部16は,図11に示すように,照合データ表示編集部161と,修正情報表示編集部162と,強調表示編集部163と,切出画像表示編集部164と,レシート画像表示部165と,金券等画像表示部166とを備える。これらの機能部を以降のフローに従って,説明する。
【0087】
レシート項目間の計算がない場合,売上チェック画面20の編集において,売上チェック画面編集部16の照合データ表示編集部161が,売上管理項目表示域22の表示のためにレシート画像のレシート項目(切り出した画像)を編集する(ステップS27)。なお,この場合には,売上管理項目表示域22の表示において,照合データ表示編集部161により表示欄221〜224(図12に示す)が設けられ,レシート項目間の「計算値」表示欄225が設けられない。編集後,ステップS29に処理を進める。
【0088】
レシート項目間の計算がある場合,売上チェック画面20の編集において,照合データ表示編集部161が,この通知内容に従って,売上管理項目表示域22の表示のためにレシート画像のレシート項目と,レシート項目間の「計算値」表示欄225とを設けて,編集する(ステップS28)。編集後,ステップS29に処理を進める。
【0089】
具体的な例として,図12に,売上管理項目表示域22において「計算値」表示欄225が設けられない例を示し,図13に,売上管理項目表示域22aにおいて「計算値」表示欄225が設けられた例を示す。また,図12および図13に,それぞれ売上管理項目表示域22と22aとに並べて表示される編集レシート画像23と23aとの表示例を示す。
【0090】
図12に示すように,売上管理項目表示域22には,「売上管理項目(名称)」表示欄221の「No.」および「項目」ごとに,対応するレシート項目の「項目名称」表示欄222と「数値」表示欄223とが表示される。レシート項目の「項目名称」表示欄222と「数値」表示欄223には,各々,レシート画像から切り出されたレシート項目名称とその対応する数値の画像が表示される。なお,切り出されたレシート項目名称およびその対応する数値の各々の画像は,設定に応じて画像サイズが調整され,対応する売上管理項目ごとに並べられて表示される。また,「修正領域」表示欄224には,レシートデータ記憶部103から読み出されたレシートデータの数値データが表示される。または,売上DB4に仮登録されている売上管理項目の数値データが表示される。
【0091】
図12に示す編集レシート画像23は,例えばレシート画像記憶部101から読み出されたレシート画像1011の必要なレシート項目の行231〜2311が切り出され,照合対象のレシートにおけるレシート項目と売上管理項目との対応関係をユーザが容易に把握できるように,切出画像表示編集部164によりそれらが並べ替えられて編集され,表示される。また,行230には,レシート画像にある店舗名,売上日などの部分がもとのレシート画像1011から切り出されて合成される。
【0092】
また,前述の処理フローには記載していないが,この他にも,後述する誤り類推処理によって売上管理項目に誤りがあると認識された場合に,強調表示編集部163が,図12に示すように,該当する売上管理項目,対応するレシート項目などについて例えば濃淡,色分け等による強調表示を行う。
【0093】
図13に示す売上管理項目表示域22aの表示の例は,売上管理項目にレシート項目間の演算がある場合であり,例えば,売上管理項目「現金売上」では,レシート項目の「日報上現金有高」と「感謝カード」とに対応するレシートデータの加算された数値が「計算値」表示欄225に格納される。なお,「修正領域」表示欄224には,レシート項目間の計算がある場合,レシート項目の数値とその演算された結果とが格納されて表示される。
【0094】
図13の例では,売上管理項目「現金売上」の「修正領域」表示欄224に,最初に,レシート項目「日報上現金有高」の“122,793”と,「感謝カード」の“2,500”と,これらのレシート項目間の計算値“125,293”が表示される。これらの修正領域におけるレシート項目に対応する数値データは,ユーザにより修正入力または編集可能とされ,これらの入力または編集に伴って,レシート項目間の計算値も再計算されて表示される。なお,表示欄221〜224については,図12と同様である。
【0095】
次に,修正情報表示編集部162は,入力装置3から入力される修正入力に応じて,売上管理項目表示域22の「修正領域」表示欄224における修正領域に入力された数値を編集する(ステップS29)。
【0096】
以上の編集後,売上チェック画面編集部16は,売上管理項目と,編集したレシート画像と,さらに設定に応じて編集前のレシート画像と,金券等画像とを売上チェック画面20に表示させるために,売上チェック画面編集部16は当該表示内容を表示装置2に出力する(ステップS210)。ステップS210の処理後に,売上チェック画面編集部16は,本処理フローを終了する。なお,図11に示すレシート画像表示部165により入力された編集前のレシート画像1011が売上チェック画面20に表示され,金券等画像表示部166により金券等の画像(1021,1022)が売上チェック画面20に表示される。
【0097】
以上のように,売上チェック画面編集部16の表示機能により,ユーザは,レシート項目の数値データの照合または修正作業において,一目で売上管理項目とレシート項目との対応関係を迷うことなく,容易に把握することができるため,レシートデータの照合および修正作業において,不用意に誤って照合したり修正したりすることを回避することができる。
【0098】
また,売上管理項目表示域22に加えて,さらに店舗ごとの異なるレシートのイメージを視覚化することにより,そのレシートの特徴を把握しやすい効果を有する。また,レシートデータ照合時に売上管理項目の数値データに誤りがあると判断された場合に,その画像をチェックすることによりレシートの印字品質,よごれ,印字のフォント種類などの特徴を容易に把握でき,その原因究明を短時間に,効率的に行うことができる。
【0099】
また,例えば各店舗の精算レシート(レシート)を印字するキャッシュレジスタなどは,店舗ごとに異なることが多いが,同じメーカ,同じプリンタ装置のシステムを導入している店舗もある。店舗ごとの修正履歴を取ることにより,例えば同じシステムを採用している店舗同士については,修正履歴情報を活用することにより,誤認識の分析の精度をさらに向上させ,誤り推定の確度をさらに高めることができる。以上のような修正履歴を分析することにより,認識確率の高いシステム,プリンタ装置などが把握でき,店舗に対して,推奨するシステム,プリンタ装置などを提案することができる。
【0100】
図14は,図4に示すステップS10におけるレシートデータ検査の詳細な処理フローチャートである。以下に,図14に従って,図15〜図17を用いて,レシートデータ照合支援装置1が実行するレシートデータ検査の処理について具体的に説明する。
【0101】
ここで,図15に,図1に示すレシートデータ検査部14の構成例を示す。レシートデータ検査部14は,図15に示すように,前述した第1誤り類推部141および第2誤り類推部142を備える。
【0102】
レシートデータ検査部14は,売上DB4から売上管理項目についての数値データ(売上データ)を取得する(ステップS31)。例えば,レシートデータ検査部14は,照合データとして,「店舗コード:100001」,「売上日:2010/12/1」と入力編集部17からキー情報となる条件が指定されると,図2に示す売上DB4から該当する売上データを検索する。レシートデータ検査部14は,検索した売上データがヒットすると,売上DB4から売上管理項目ごとの売上データを取得する。
【0103】
次に,レシートデータ検査部14の第1誤り類推部141は,対応関係情報記憶部104に備えられた売上管理項目間関係テーブル1042から売上管理項目間の対応関係式を取得する(ステップS32)。
【0104】
図16に,売上管理項目間関係テーブル1042の構成例を示す。売上管理項目間関係テーブル1042には,図16に示すように,予め定められた売上管理項目間の関係式が定義され,格納されている。売上管理項目間関係テーブル1042において,例えば「番号#1」(「関係式#1」と記す)には,売上管理項目No.5の数値データが項目No.1およびNo.3の数値データの加算として,“(5)=(1)+(3)”のように定義される。同様に,「関係式#2」には,売上管理項目No.6が項目No.5の数値データに例えば“0.05(税率5%)”を乗じるものとして,“(6)=(5)×0.05”のように定義される。図示しないが,定義可能な式については,その他の関係式#3,…についても同様に各々が予め定義される。
【0105】
次に,第1誤り類推部141は,取得した売上管理項目間の対応関係式および売上管理項目の数値データを用いて,売上管理項目間の対応関係式が成立しているかどうかを検算する(ステップS33)。続いて,第1誤り類推部141は,売上管理項目間の対応関係式について検算エラーがあるか否か判断する(ステップS34)。検算エラーがある場合,第1誤り類推部141は,検算エラーの売上管理項目をレシートデータ特定部13に通知する(ステップS35)。一方,検算エラーがない場合,レシートデータ検査部14は,ステップS311に処理を移す。
【0106】
具体的には,図16に示すように,第1誤り類推部141は,検算作業領域192(図示しないワークメモリ)の読込数値の領域に,照合対象となる店舗の売上管理項目の売上データを格納する。例えば,売上管理項目No.1((1)のように示す)の“現金売上”の読込数値“139,639”,(3)の“クレジット売上”の読込数値“8,046”などが格納される。
【0107】
第1誤り類推部141は,売上管理項目間関係テーブル1042の「関係式#1」,「関係式#2」,…を用いて,売上管理項目間の検算を実施する。例えば,「関係式#1」の(5)=(1)+(3)から,“147,685=139,639+8,046”とされる検算値を算出する。第1誤り類推部141は,検算値“147,685”が読込数値“144,685”と異なるため(検算NG),売上管理項目における(1)の読込数値“139,639”,(3)の読込数値“8,046”,(5)の読込数値“144,685”のいずれかに誤りがある(結果×)と推定する。
【0108】
続いて,第1誤り類推部141は,「関係式#2」の(6)=(5)×0.05から,“7,234=144,685×0.05”とされる検算値を算出する。第1誤り類推部141は,検算値“144,685”が読込数値“144,685”と一致するため(検算OK),売上管理項目における(5)の読込数値“144,685”および(6)の読込数値“に誤りがない(結果○)と推定する。
【0109】
第1誤り類推部141は,例えば「関係式#1」と「関係式#2」の検算結果から,売上管理項目における(1)または(3)の読込数値データに誤りがあると推定する。なお,関係式による検算結果による推定は本例に限定されず,複数の関係式の組合せから推定可能である。以上に説明したような推定処理を第1誤り推定とする。
【0110】
次に,第2誤り類推部142は,修正履歴記憶部105に備えられた修正履歴情報テーブル1051から,該当店舗のレシートデータの修正履歴情報を取得する(ステップS36)。
【0111】
ここで,図17に,修正履歴情報テーブル1051の構成例を示す。修正履歴情報テーブル1051には,図17に示すように,店舗ごとに,レシートデータ記憶部103に記憶されたレシートデータの検査結果による修正と非修正との履歴情報が格納され,レシートデータ照合の都度に更新される。例えば,図17に示す修正履歴情報テーブル1051には売上管理項目に対応するレシート項目の数値データ中において,「0の修正履歴」とは,「0→0」(0を0として認識)とした回数と,「0→1」(0と認識されたが,1と修正した),「0→2」(0と認識されたが,2と修正した),…などの修正の回数が格納される。その他の「1の修正履歴」,…等も,同様に格納される。
【0112】
次に,第2誤り類推部142は,取得した修正履歴情報に基づいて,誤りを類推する(ステップS37)。続いて,第2誤り類推部142は,類推した誤りの結果をレシートデータ特定部13に通知する(ステップS38)。
【0113】
具体的には,図16に示す例で説明すると,A店舗について,修正履歴情報テーブル1051における「5の修正履歴」が,「8→5」の修正回数が最も多いものとする。第2誤り類推部142は,売上管理項目に対応する読込数値について,検算作業領域192から「8」の数値を検索する。なお,図16に示す例では,1つの売上管理項目が1つのレシート項目に対応する場合を示すが,1つの売上管理項目に複数のレシート項目が演算されて対応する場合は,その各々のレシート項目の数値に対して検索される。以上から,最初に,第2誤り類推部142は,レシート項目の数値データに「8」を含むものに対応する売上管理項目における(3)および(5)に誤りがあると推定する。
【0114】
なお,第2誤り類推部142は,第1誤り類推部141の検算結果と,上述した修正履歴情報から類推した結果とを用いて,総合判断して,売上管理項目における(3)の読込数値“8046”に誤りがあると推定してもよい。第2誤り類推部142は,さらに,この結果を用いて,売上管理項目における(3)の修正候補として“5046”と訂正して,第1誤り類推部141に検算させてもよい。
【0115】
これにより,第2誤り類推部142は,修正候補を用いて,第1誤り類推部141において訂正後の検算結果を知ることができ,レシートデータ検査部14は,類推した内容が正しいか否かを判断することができる。例えば,修正候補として“5046”と訂正して,第1誤り類推部141において検算結果がNGとして得られた場合に,第2誤り類推部142は,最初に修正回数が最も多いものを候補として推定したが,次に,修正回数の多いものを推定候補として選び,同様な判断を繰り返すことにより,誤りのあるレシート項目の数値データを絞り込み,誤り推定の確度を高めることができる。なお,これらの結果は,売上チェック画面20において,誤り推定された売上管理項目とレシート項目などが強調表示されて,ユーザに注意喚起される。
【0116】
次に,レシートデータ検査部14は,レシートデータ特定部13から誤り修正の通知があったか否か判断する(ステップS39)。誤り修正がない場合に,レシートデータ検査部14は,ステップS311に処理を移す。
【0117】
一方,誤り修正があった場合,レシートデータ検査部14は,該当する店舗の修正履歴情報について,売上管理項目に対応する正しい数値データと誤りを修正した数値データとで統計をとり,修正履歴記憶部105の修正履歴情報テーブル1051を更新し(ステップS310),更新後に本処理を終了する。
【0118】
検算エラーがない場合または誤り修正がない場合に,レシートデータ検査部14は,該当する店舗の修正履歴情報について,売上管理項目に対応する数値データで統計をとり,修正履歴情報テーブル1051を更新し(ステップS311),更新後に本処理を終了する。
【0119】
以上説明したように,本実施態様におけるレシートデータ照合支援装置1において,売上管理データについての照合結果の修正履歴を記録するため,店舗ごとの修正頻度,売上管理データの誤りの傾向を容易に把握することができる。また,誤りがあると類推される場合に,当該誤りの可能性のある箇所を指摘することができるため,短時間に売上管理データの誤りを特定し,その誤りを訂正することができる。これにより,レシートデータ照合作業にかかる作業時間の短縮化,効率化を図ることができる。
【0120】
また,各店舗に備えられたキャッシュレジスタなどのレシート出力装置を変更する必要がないため,テナントに側にとっては余計な出費を抑えることができる。
【0121】
図18および図19に,金券等データ照合部15におけるクレジット伝票および金券等の照合処理の動作を説明する図を示す。
【0122】
最初に,図18に示すクレジット伝票の照合処理の動作について説明する。金券等データ照合部15は,レシートデータ特定部13などを介して,例えば図7に示すようなクレジット伝票画像1021aを受けると,クレジット会社別ごとに予め定められた伝票形式に従って,当該画像からクレジット種別,クレジット会社を特定する識別コード,クレジット金額等の情報をOCR読み取り処理などと同様な処理方法を用いて判別する。また,金券等データ照合部15は,例えば画像ファイルからクレジット伝票の枚数をカウントする。金券等データ照合部15は,レシートデータ特定部13を介して,判別した情報を売上チェック画面編集部16に送る。この判別された情報が,売上チェック画面編集部16の照合データ表示編集部161により,図18に示すように,売上管理項目表示域22の表示とともに,売上チェック画面20上にクレジット伝票合計枚数・金額表示251,クレジット会社別詳細表示252として表示される。なお,この場合に,売上管理項目表示域22における対応する項目等が容易に把握できるように,例えば売上管理項目表示域22の「クレジット売上」に関連する項目が強調表示されてもよい。
【0123】
次に,図19に示す金券等の照合処理の動作について説明する。金券等データ照合部15は,レシートデータ特定部13などを介して,例えば図7に示すような金券画像1022を受けると,金券(贈答券,ギフト券など)会社別ごとに予め定められた金券形式に従って,当該画像から金券発行会社を特定する識別コード,金券種別(金券の金額)等の情報をOCR読み取り処理などと同様な処理方法を用いて判別する。また,金券等データ照合部15は,例えば画像ファイルから金券の枚数をカウントする。金券等データ照合部15は,レシートデータ特定部13を介して,判別した情報を売上チェック画面編集部16に送る。この判別された情報が,売上チェック画面編集部16の照合データ表示編集部161により,図19に示すように,売上管理項目表示域22の表示とともに,売上チェック画面20上に金券合計枚数・金額表示261,金券会社別詳細表示262として表示される。なお,この場合に,例えば売上管理項目表示域22の「商品券」に関連する項目が強調表示されてもよい。
【0124】
以上説明したように,前述したレシートデータ検査部14のレシート検査処理に加えて,さらに,金券等データ照合部15のクレジット伝票および金券等の照合処理の結果を交えて,レシートデータ検査部14がレシートデータの検査を行うことにより,より正確に,かつ,短時間に売上管理項目のチェック作業を行うことができる。これにより,レシートデータ照合作業にかかる作業時間の短縮化,効率化を図ることができる。
【0125】
以上のレシートデータ照合支援装置が行う処理は,コンピュータとソフトウェアプログラムとによって実現することができ,そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも,ネットワークを通して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0126】
1 レシートデータ照合支援装置
2 表示装置
3 入力装置
4 売上DB(データベース)
11 レシート画像データ処理部
12 金券等画像データ処理部
13 レシートデータ特定部
14 レシートデータ検査部
15 金券等データ照合部
16 売上チェック画面編集部
17 入力編集部
18 売上管理データ登録部
101 レシート画像記憶部
102 金券等画像記憶部
103 レシートデータ記憶部
104 対応関係情報記憶部
105 修正履歴記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照合によるチェック対象となる売上管理データ記憶手段に記憶されている売上管理項目ごとの数値データと,前記売上管理項目の数値データの算出元となったレシートとの照合を支援するレシートデータ照合支援装置であって,
前記照合の対象となるレシートの画像を記憶するレシート画像記憶手段と,
あらかじめ定められた売上管理項目と各売上管理項目の算出元となるレシート内の行位置におけるレシート項目との対応関係情報を記憶する対応関係情報記憶手段と,
前記対応関係情報記憶手段に格納された対応関係情報をもとに,各売上管理項目に対応するレシート項目におけるレシート内の行位置を求め,前記レシート画像記憶手段に記憶されたレシートの画像から少なくとも行方向に画像を切り出すレシート画像データ処理手段と,
前記レシート画像データ処理手段によって切り出された画像を,あらかじめ定められた売上管理項目の順番で,前記各売上管理項目の項目名およびその数値データに対応させて配置した売上チェック画面を作成し,作成した売上チェック画面を表示装置に表示する売上チェック画面編集表示手段とを備える
ことを特徴とするレシートデータ照合支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレシートデータ照合支援装置において,
前記売上チェック画面における前記売上管理項目の数値データ部分に対する修正情報を入力する手段と,
前記修正情報の入力により前記売上管理データ記憶手段に記憶されている該当する売上管理項目の数値データを更新する手段とを備える
ことを特徴とするレシートデータ照合支援装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のレシートデータ照合支援装置において,
前記売上管理データ記憶手段に記憶されている売上管理項目ごとの数値データは,前記レシート画像記憶手段に記憶されているレシートの画像を文字認識することにより得られたデータであり,
当該レシートデータ照合支援装置は,あらかじめ定められた前記売上管理項目の関係式に基づいて,文字認識されたレシート項目の数値データに誤りがあるか否かを類推する第1の誤り類推手段をさらに備え,
前記売上チェック画面編集表示手段は,前記第1の誤り類推手段によって誤りと類推されたレシート項目の数値データに対応する売上管理項目の数値データを,前記売上チェック画面において強調表示する手段を有する
ことを特徴とするレシートデータ照合支援装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のレシートデータ照合支援装置において,
前記売上管理データ記憶手段に記憶されている売上管理項目ごとの数値データは,前記レシート画像記憶手段に記憶されているレシートの画像を文字認識することにより得られたデータであり,
当該レシートデータ照合支援装置は,
前記売上管理項目の数値データに対する前記修正情報を入力する手段により修正された数値データの過去の修正履歴情報を記憶する修正履歴記憶手段と,
あらかじめ定められた前記売上管理項目間の関係式を満たさない数値データが存在する場合に,前記修正履歴記憶手段に記憶された修正履歴情報をもとに,文字認識されたレシート項目の数値データに誤りがあるか否かを類推する第2の誤り類推手段とを,さらに備え,
前記売上チェック画面編集表示手段は,前記第2の誤り類推手段によって誤りと類推されたレシート項目の数値データに対応する売上管理項目の数値データを,前記売上チェック画面において強調表示する手段を有する
ことを特徴とするレシートデータ照合支援装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレシートデータ照合支援装置において,
前記売上チェック画面編集表示手段は,前記売上チェック画面に,さらに前記レシート画像記憶手段に記憶されたレシートの画像を表示する手段を有する
ことを特徴とするレシートデータ照合支援装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレシートデータ照合支援装置において,
クレジット伝票または金券の画像を記憶する金券等画像記憶手段を備え,
前記売上チェック画面編集表示手段は,前記金券等画像記憶手段に記憶されたクレジット伝票または金券の画像を前記売上チェック画面に表示する手段を有する
ことを特徴とするレシートデータ照合支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載のレシートデータ照合支援装置において,
前記金券等画像記憶手段に記憶されたクレジット伝票または金券の画像を認識することにより得られた前記クレジット伝票または金券の合計金額と,前記売上管理データ記憶手段に記憶されているクレジット伝票または金券に関する売上管理項目の数値データとを比較する金券等チェック手段を備え,
前記売上チェック画面編集表示手段は,前記金券チェック手段における比較値が一致しない場合に,前記売上チェック画面における該当する売上管理項目の数値データを強調表示する手段を有する
ことを特徴とするレシートデータ照合支援装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のレシートデータ照合支援装置において,
前記売上チェック画面編集表示手段は,クレジット会社ごとにクレジット伝票の枚数および合計金額を表示する手段を有する
ことを特徴とするレシートデータ照合支援装置。
【請求項9】
コンピュータを,請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のレシートデータ照合支援装置が備える手段として機能させるためのレシートデータ照合支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−133507(P2012−133507A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284058(P2010−284058)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(598097552)株式会社富士通マーケティング (30)
【Fターム(参考)】