説明

レジシステム、売上端末装置、及び、ポータブル端末

【課題】 レジにおける処理時間を短縮できるレジシステムを提供する。
【解決手段】 バーコード読取り部22は、商品情報バーコード11を読み取って、商品情報を、購買情報蓄積部23に蓄積する。レジ30は、購買情報蓄積部23に蓄積された商品情報を読み出し、読み出した商品情報に基づいて合計金額を算出して、清算処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジシステム、売上端末装置、及び、ポータブル端末に関し、更に詳しくは、商品情報に基づいて合計金額の算出を行うレジシステム、及び、そのようなレジシステムで使用される売上端末装置及びポータブル端末に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スーパーマーケットや専門量販店、ディスカウントストアでは、買い物客は、買い物カゴに購入希望の商品を入れてレジまで持ち運び、レジにて代金を清算して買い物を行っていた。このような店舗では、多くの買い物客が一度に店に押し寄せると、レジ前に長蛇の列ができこともしばしば起き、長蛇の列を見た顧客が購買意欲を無くして、店側が販売機会を喪失することがあった。この場合、レジ数を増やすことができれば、レジ待ち渋滞を解消することができる。しかし、スペースや資金の点から、レジ数を増やすことができない店舗も存在し、そのような店舗では問題を解決することはできない。また、レジ数を増やした場合でも、レジ担当者がバーコードのスキャンに手間取るような場合には、それにより長蛇の列ができることもあった。
【0003】
ここで、レジを通さずに買い物ができるシステムとしては、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1では、買い物客は、あらかじめ会員登録しておく。買い物客は、店舗に出向き、例えば購入希望商品のバーコードを携帯情報端末に読み込ませて、携帯情報端末に、購入希望の商品の情報を蓄積する。買い物客が、購入機能の商品の情報を、電子メールでサーバ装置に送信すると、サーバ装置は、商品の発送処理や決済処理を行う。その後、商品は、後に、あらかじめ登録された住所に向けて発送され、買い物金額は、あらかじめ登録された口座等から引き落とされる。この技術によれば、買い物客は、店舗において、実際に商品を受け取って帰る必要がなく、手ぶらで買い物をすることができ、レジに並ぶ必要がなくなる。
【0004】
また、従来、買い物において、現在どのくらいの金額の買い物をしたかを買い物途中に確認できるシステムとしては、特許文献2に記載されたものがある。図3は、特許文献1に記載されたショッピング情報提供システムの構成を示している。買い物客は、カート51に購入希望商品を入れる際、その商品のバーコードを、カート51に設置されたバーコードリーダに読み込ませる。店側のセンタ装置55は、カート51から送信されたバーコードを受信すると、商品情報DB53からそのバーコードに対応した商品の価格を取得し、取得した商品価格をカート51に返送し、カート51に設けられた表示部には、これまでにバーコードを読み込ませた商品の合計の価格が表示される。このようにすることで、ショッピング情報提供システム50では、買い物客は、現在どのくらいの買い物をしたのかを知ることができる。
【特許文献1】特開2003−331024号公報(段落0010〜0038)
【特許文献2】特開2002−304671号公報(図1、段落0064〜0071)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、レジを通さずに、手ぶらで買い物することを前提としている。このため、レジを通すことを前提とした場合に、特許文献1に記載の技術を用いて、レジ待ち渋滞を解消することはできない。特許文献2に記載の技術では、買い物途中で購入希望商品の合計金額を知ることはできるものの、レジにおいて、再度バーコードを読み取って清算をしなければならないため、レジ待ち渋滞を解消することはできない。
【0006】
レジ待ち渋滞を解消させるために、商品にICタグを貼り付け、レジにたどり着く前に代金の清算を済ませる手法が考えられる。しかし、この場合には、全商品にICタグを貼り付ける必要があり、コストがかかるという問題がある。また、買い物客が、一度購入しようとしてカートに入れた後に、思い直して商品を返却した場合には、購入商品情報と購買情報との間にずれが生ずることになる。このようなずれを防止するためには、一度カートに入れた商品を返却できないようにする必要があり、特殊な機能を有するカートを使用しなければならない。このため、このような手法が採用されたとしても、一部の店舗でしか使用されず、一般的に広がらない場合が多いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、レジにおける処理時間を短縮できるレジシステム、及び、そのようなレジシステムで使用される売上端末装置、及び、ポータブル端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のレジシステムは、商品識別情報及び金額情報を含む商品情報を読み取る第1読取り部と、該第1読取り部で読み取った商品情報を蓄積する第1記憶部とを有するポータブル端末装置と、レジに設置される売上端末装置であって、前記第1記憶部に蓄積された商品情報を読み出す読出し部と、該読出し部で読み出した商品情報を蓄積する第2記憶部と、該第2記憶部に記憶された商品情報に基づいて売上を計上する売上計上部とを有する売上端末装置とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のレジシステムでは、ポータブル端末は、例えばバーコードとして印刷された商品情報を読み取って、これを蓄積する。売上げ端末装置は、ポータブル端末に蓄積された商品情報を読み出して売上げの計上を行う。このようにすることで、商品情報を1つずつ売上端末装置に読み込ませて売上げの計上を行う場合に比して、売上げの計上に掛かる時間を短縮でき、レジ前の行列を解消させることができる。
【0010】
本発明のレジシステムでは、前記ポータブル端末装置は、前記第1読取り部が商品情報を読み取る際のモードを、購入モード又は返却モードの何れかに選択する第1選択部を更に備え、前記第1記憶部は、購入モード及び返却モードのそれぞれで読み取った商品情報を購入モード及び返却モードに対応付けて記憶する構成を採用できる。この場合、購入モードでいったん読み取らせた商品情報を、返却モードで読み取らせた場合に、その商品情報を返却モードに対応付けて記憶させ、売上げの計上時に、第1記憶部から読み出された商品情報のうち、返却モードに対応付けられた商品情報を除く商品情報によって合計金額を算出することにより、利用者が、いったん購入希望とした商品を返品した場合でも、売上端末装置は正しく清算処理を行うことができる。
【0011】
本発明のレジシステムでは、前記売上端末装置は、前記商品情報を読み取る第2読取り部と、前記第2読取り部で商品情報を読み取る際のモードを、購入モード又は返却モードの何れかに選択する第2選択部と、前記第2選択部による選択に基づいて、前記第2記憶部に記憶された購入モード及び返却モードの商品情報に、前記第2読取り部で購入モード及び返却モードのそれぞれで読み取った商品情報を前記購入モード及び返却モードに対応付けてそれぞれ追加蓄積する追加処理部とを更に備える構成を採用できる。この場合、売上端末装置によっても、返品の処理を行うことができる。
【0012】
本発明のレジシステムでは、前記ポータブル端末装置は、前記第1読取り部が商品情報を読み取る際のモードを、購入モード又は返却モードの何れかに選択する第1選択部を更に備え、前記第1記憶部は、購入モードで読み取った商品情報を蓄積し、前記返却モードで読み取った商品情報を前記購入モードで蓄積した商品情報から削除する構成を採用できる。この場合、売上端末装置に返品した商品の商品情報が読み出されないことにより、利用者が、いったん購入希望とした商品を返品した場合でも、売上端末装置は、正しく清算処理を行うことができる。
【0013】
本発明のレジシステムでは、前記売上端末装置は、前記商品情報を読み取る第2読取り部と、前記第2読取り部で商品情報を読み取る際のモードを、購入モード又は返却モードの何れかに選択する第2選択部と、前記第2選択部による選択に基づいて、前記第2記憶部に記憶された購入モードの商品情報に、前記第2読取り部で読み取った購入モードの商品情報を追加し、前記第2記憶部に記憶された購入モードの商品情報を、前記第2読取り部で読み取った返却モードの商品情報に基づいて削除する追加処理部とを更に備える構成を採用することができる。この場合、売上端末装置によっても、返品の処理を行うことができる。
【0014】
本発明のレジシステムでは、前記第1記憶部は、前記返却モードで前記商品情報を読み取った回数、及び、返却モードで読み取った商品情報が示す金額の少なくとも一方に応じた返却ポイントを更に記憶する構成を採用することができる。この場合、前記売上計上部は、前記返却ポイントに対応する割引金額を前記商品情報が示す金額の合計から差し引くことが好ましい。このような値引きを行うことによって、購買者に意識的に返却処理操作をさせる意欲を高めることができ、返品処理をレジにつく前に済ませておくことにより、売上げの計上にかかる時間をより短縮できる。
【0015】
本発明のレジシステムでは、前記ポータブル端末装置が、購入希望の商品を運搬するワゴンに取り付けられる構成を採用できる。
【0016】
本発明の売上端末装置は、レジに設置される売上端末装置であって、商品識別情報及び金額情報を含む商品情報を蓄積するポータブル端末装置から該蓄積された商品情報を読み出す読出し部と、該読出し部で読み出した商品情報を蓄積する第1記憶部と、該記憶部に記憶された商品情報に基づいて売上を計上する売上計上部とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の売上端末装置は、ポータブル端末に蓄積された商品情報を読み出して、売上金額の計上を行う。このようにすることにより、売上げの計上にかかる時間を短縮でき、レジ前の行列を解消することができる。
【0018】
本発明のポータブル端末装置は、商品識別情報及び金額情報を含む商品情報を読み取る読取り部と、該読取り部で読み取った商品情報を蓄積する第2記憶部と、該第2記憶部に蓄積された商品情報を、上記本発明の売上端末装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
利用者は、本発明のポータブル端末装置を用いて、商品情報を読み取らせつつ買い物を行う。このようにすることにより、売上げの計上にかかる時間を短縮でき、レジ前の行列を解消することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のレジシステム、売上端末装置、及び、ポータブル端末は、ポータブル端末に蓄積された商品情報を読み出して、売上げの計上を行うことにより、売上げの計上に掛かる時間を短縮して、レジ前の行列を解消することができる。また、返却ポイントに応じた金額を、合計金額から差し引く構成を採用する場合には、利用者による自主的な返品処理を期待でき、売上げの計上に掛かる時間を更に短縮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態のレジシステムの構成をブロック図で示している。レジシステム100は、利用者が使用するポータブル端末20と、店舗に配置されたレジ30とを有する。レジシステムは、スーパー、専門量販店、ディスカウントストア等の店舗、特に、店のスペースや資金の関係で多数のレジを置くことができない店舗、或いは、季節による繁忙期と閑散期の差が大きく、繁忙期のピーク時に合わせてレジ台数を設置したのでは閑散期にレジが空きすぎるような業態の店舗で運用される。または、バーゲンセール等で一時的に会場を借りて設置される、レジを大量に準備しにくい店舗で運用される。
【0022】
ポータブル端末20は、処理選択部21、バーコード読取り部22、購買情報蓄積部23、及び、返却情報記憶部24を有する。レジシステム100が運用される店舗では、商品を識別するための情報として、商品に商品情報バーコード11が添付され、或いは、商品に近い場所、例えば商品棚に商品情報バーコード11が添付されている。このバーコード情報には、商品価格を示す情報が含まれている。バーコード読取り部22は、商品に印刷された商品情報バーコード11を読み取る機能を有する。
【0023】
処理選択部21は、利用者の操作により、購入処理と返却処理との間の切替えを行う。購入処理が選択された場合、ポータブル端末20は、バーコード読取り部22により読み取られた商品情報バーコードに対応するバーコード情報を、購買情報として購買情報蓄積部23に蓄積する。購買情報は、商品を識別する情報と商品価格に関する情報とを含む。
【0024】
返却処理が選択された場合、ポータブル端末20は、バーコード読取り部22により読み取られた商品情報バーコードに対応するバーコード情報を、返却情報として、返却情報蓄積部24に蓄積する。商品の返却に対しては、商品ごとに返却ポイントが設定されている。返却ポイントは、例えば商品価格の1/10に設定される。返却情報は、商品を識別する情報と、例えば商品価格を返却ポイントに換算して得られた返却ポイントとを含む。
【0025】
レジ30は、ポータブル端末接続部31と、清算部32とを有する。ポータブル端末接続部31は、利用者が使用したポータブル端末20と、レジ30とを接続するインタフェースとして構成される。ポータブル端末接続部31は、購買情報蓄積部23に蓄積された購買情報と、返却情報蓄積部24に蓄積された返却情報とを読み出す機能を有する。清算部32は、ポータブル端末接続部31が読み出した購買情報及び返却情報に基づいて、購入商品の合計金額を表示部に表示し、代金の清算を行う。
【0026】
図2は、レジシステムにおける動作手順をフローチャートで示している。以下、同図を参照して、利用者が商品を購入する際の動作手順について、詳細に説明する。まず、購買客は、店舗入り口にて、ポータブル端末20を受け取り、ポータブル端末20を稼動状態とする。利用者は、商品の購入に際しては、処理選択部21により購入処理を選択する。また、いったん購入希望としたものの、購入を取り消したい商品が発生した場合には、処理選択部21により返却処理を選択する。ポータブル端末20は、処理選択部21により、購入処理が選択されたか、返却処理が選択されたかを判断する(ステップS1)。
【0027】
購買客により、購入処理が選択された場合、購買客が、商品陳列場所で、購入希望商品の商品情報バーコード11を、バーコード読取り部22にかざすと、バーコード読取り部22は、その商品情報バーコード11を読み取る(ステップS2)。このとき、同一の購入希望の商品が複数あるときには、そのそれぞれについて、商品情報バーコードの読み取りを行う。ポータブル端末20は、バーコード読取り部22が読み取ったバーコード情報を、購買情報として、購買情報蓄積部23に蓄積する(ステップS3)。
【0028】
購買客は、購入を取り消したい商品が発生した場合には、その商品の商品陳列場所まで戻り、処理選択部21により返却処理を選択して、商品の返却を行う。返却処理が選択された場合、購買客が、返却希望商品の商品情報バーコード11をバーコード読取り部22にかざすと、バーコード読取り部22は、その商品情報バーコード11を読み取る(ステップS4)。その後、ポータブル端末20は、バーコード読取り部22が読み取ったバーコード情報を、返却情報として、返却情報蓄積部24に蓄積する(ステップS5)。
【0029】
購買客は、購入希望商品のバーコード読取り及び返却希望商品のバーコード読取りを完了したか否かを判断し(ステップS6)、完了していない場合には、ステップS1に戻り、購入処理の動作(ステップS2及びS3)、又は、返却処理の動作(ステップS4及びS5)を継続する。購買客が、店舗内を移動しつつ、新たな購入希望商品の商品情報バーコードを読み取らせた場合には、購買情報蓄積部23には、その購入機能商品に対応する購買情報が蓄積される。また、購買客が、返却希望の商品のバーコードを読み取らせた場合には、その返却希望商品の商品情報が、返却情報蓄積部24に蓄積される。
【0030】
購買客は、購入希望商品又は返却希望商品のバーコード読取りを完了させると、レジに移動し、レジ担当者にポータブル端末20を渡す。レジ担当者が、ポータブル端末20を、レジ30に接続すると、レジ30は、購買情報蓄積部23に蓄積された購買情報を読み出す(ステップS7)。また、返却情報記憶部24に、返却情報が蓄積されているときには、返却情報もあわせて読み出す。清算部32は、読み出した購買情報と返却情報とに基づいて、合計金額を算出する。
【0031】
清算部32は、ディスプレイ等の表示部に、購入商品の情報、返却商品の情報、返却ポイント、及び、算出した合計金額の情報を表示する。例えば、購買情報蓄積部23に「商品A」、「商品B」、「商品C」が蓄積されており、返却情報蓄積部24に「商品C」が蓄積されているときには、清算部32は、「商品A」の商品価格と「商品B」の商品価格とを合計し、その合計金額を、表示部に表示する。また、清算部32は、返却情報が蓄積されているときには、返却ポイント数に応じて所定の割合の金額を割り引く割引処理を行う。この場合、清算部32は、割引前の合計金額と、割引後の金額とを表示部に表示する。返却ポイントと割引率(額)との関係は、レジ30内にあらかじめ記憶されている。
【0032】
レジ担当者は、表示された購買情報及び返却情報と、実際に購買客がレジに運んできた商品とから、購買情報に含まれない商品があるか否か、或いは、購買情報に含まれるがレジに運ばれた商品には存在しない商品があるか否かを判断する。レジ担当者は、購買情報に含まれない商品がある場合には、図示しないレジ30が備えるバーコード読取装置によりその商品のバーコードを読み取って、足りない購買情報を追加する処理を行う(ステップS8)。逆に、購買客が返却処理をし忘れて、購買情報に含まれるがレジに運ばれた商品に存在しない商品があるときには、バーコード読取装置によりその商品のバーコードを読み取って返却処理を行う。このとき、返却ポイントは、加算されない。
【0033】
ステップS8で、購入商品の追加、又は、返却商品の追加が行われると、清算部32は、変更後の内容の購入情報、返却情報、返却ポイント、及び、合計金額の表示を行う。購買客は、レジ30の表示内容を確認した上で、商品の代金を支払う。レジ担当者は、代金を受け取って、代金の清算を行い、売上げを計上(登録)する(ステップS9)。代金清算が終了すると、ポータブル端末20は、購買情報蓄積部23及び返却情報蓄積部24の内容がクリアされ、店舗入り口付近に移動されて、次の購買客によって利用されるのに備える。
【0034】
本実施形態では、レジに到達する前に、購買希望の商品の商品情報バーコード読み込みがほとんど終了しているため、商品の確認時間を含めても、レジでの処理時間を大幅に短縮させることができる。また、レジ担当者がバーコードをスキャンする機会が減るため、新人やレジに不慣れな担当者であっても、レジでの処理時間を短縮させることが可能となる。これにより、レジ前での行列を緩和することにつながり、購買客の不満を解消させる効果がある。更に、購買客が自身で返却処理を行った場合には、返却ポイントに応じて割引き行うため、購買客は、意識的にポータブル端末20を用いて返却処理を行うようになり、レジでの代金精算時に商品が返却される可能性を低減することができ、代金清算を円滑に行うことができる。
【0035】
なお、上記実施形態では、ポータブル端末20が、商品情報バーコードを読み取ることにより、商品を識別する情報及び商品価格を取得する例について示したが、ポータブル端末20は、バーコード以外から、それらの情報を取得してもよい。ポータブル端末20は、商品の情報を読み取って情報を蓄積し、レジ30に蓄積した情報を受け渡すことができるものであれば、どのような機種であっても構わない。また、必ずしもポータブルとして構成される必要はなく、例えば買い物カゴやカートに備え付けられているものでもよい。ポータブル端末20とレジ30との接続には、有線ケーブルを用いた接続や、無線通信を用いた接続を利用することができる。
【0036】
上記実施形態では、商品情報バーコードが商品価格の情報を含む例について示したが、これには限定されず、価格情報を含まなくてもよい。この場合には、例えば、商品識別情報と商品価格とを対応付けて記憶する商品データベースを用意し、清算部32は、その商品データベースを参照して、合計金額を算出する構成を採用すればよい。このようにする場合には、商品価格の一元管理が可能であり、価格変更等が容易となる。また、返却ポイントは、返却する商品の商品価格に応じて設定する必要はなく、例えば返却処理の回数に応じて設定することもできる。
【0037】
上記実施形態では、返却ポイント数に応じて割引処理を行ったが、返却ポイントについては、購買客がポイント稼ぎのためにわざと返却処理を大量に行うことを防ぐために、上限を設けられるようにするとよい。また、ポータブル端末20をレジ30に接続し、レジ担当者により返却処理を行った場合には、返却ポイントを付与しない例について示したが、これには限定されず、その場合に返却ポイントを付与するかどうかは、レジ30側で調整できるようにしてもよい。また、また、店舗・業態によっては、返却ポイントをゼロにして、割引きなしでの運用も可能である。
【0038】
上記実施形態では、利用者が返却処理を選択して商品情報を読み込ませると、その商品情報を返却情報蓄積部24に蓄積する例について示したが、これに代えて、購買情報蓄積部23に蓄積された商品情報を削除してもよい。または、購買情報蓄積部23に蓄積された商品情報を、「返却」と対応付けて記憶してもよい。この場合、レジ30は、読み込んだ商品情報のうち、「返却」に対応付けられた商品情報を除いて合計金額を算出することにより、返品に対応した清算が可能となる。
【0039】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明のレジシステム、売上端末装置、及び、ポータブル端末は、上記実施形態例にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明による一実施形態のレジシステムの構成を示す機能ブロック図。
【図2】レジシステムにおける動作手順を示すフローチャート。
【図3】従来のショッピング情報提供システムの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0041】
11:商品情報バーコード
20:ポータブル端末
21:処理選択部
22:バーコード読取り部
23:購買情報蓄積部
24:返却情報蓄積部
30:レジ
31:ポータブル端末接続部
32:清算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品識別情報及び金額情報を含む商品情報を読み取る第1読取り部と、該第1読取り部で読み取った商品情報を蓄積する第1記憶部とを有するポータブル端末装置と、
レジに設置される売上端末装置であって、前記第1記憶部に蓄積された商品情報を読み出す読出し部と、該読出し部で読み出した商品情報を蓄積する第2記憶部と、該第2記憶部に記憶された商品情報に基づいて売上を計上する売上計上部とを有する売上端末装置とを備えることを特徴とするレジシステム。
【請求項2】
前記ポータブル端末装置は、前記第1読取り部が商品情報を読み取る際のモードを、購入モード又は返却モードの何れかに選択する第1選択部を更に備え、前記第1記憶部は、購入モード及び返却モードのそれぞれで読み取った商品情報を購入モード及び返却モードに対応付けて記憶する、請求項1に記載のレジシステム。
【請求項3】
前記売上端末装置は、
前記商品情報を読み取る第2読取り部と、
前記第2読取り部で商品情報を読み取る際のモードを、購入モード又は返却モードの何れかに選択する第2選択部と、
前記第2選択部による選択に基づいて、前記第2記憶部に記憶された購入モード及び返却モードの商品情報に、前記第2読取り部で購入モード及び返却モードのそれぞれで読み取った商品情報を前記購入モード及び返却モードに対応付けてそれぞれ追加蓄積する追加処理部と
を更に備える、請求項2に記載のレジシステム。
【請求項4】
前記ポータブル端末装置は、前記第1読取り部が商品情報を読み取る際のモードを、購入モード又は返却モードの何れかに選択する第1選択部を更に備え、前記第1記憶部は、購入モードで読み取った商品情報を蓄積し、前記返却モードで読み取った商品情報を前記購入モードで蓄積した商品情報から削除する、請求項1に記載のレジシステム。
【請求項5】
前記売上端末装置は、
前記商品情報を読み取る第2読取り部と、
前記第2読取り部で商品情報を読み取る際のモードを、購入モード又は返却モードの何れかに選択する第2選択部と、
前記第2選択部による選択に基づいて、前記第2記憶部に記憶された購入モードの商品情報に、前記第2読取り部で読み取った購入モードの商品情報を追加し、前記第2記憶部に記憶された購入モードの商品情報を、前記第2読取り部で読み取った返却モードの商品情報に基づいて削除する追加処理部と
を更に備える、請求項4に記載のレジシステム。
【請求項6】
前記第1記憶部は、前記返却モードで前記商品情報を読み取った回数、及び、返却モードで読み取った商品情報が示す金額の少なくとも一方に応じた返却ポイントを更に記憶する、請求項2又は4に記載のレジシステム。
【請求項7】
前記売上計上部は、前記返却ポイントに対応する割引金額を前記商品情報が示す金額の合計から差し引く、請求項6に記載のレジシステム。
【請求項8】
前記ポータブル端末装置が、購入希望の商品を運搬するワゴンに取り付けられる、請求項1〜7の何れか一に記載のレジシステム。
【請求項9】
レジに設置される売上端末装置であって、商品識別情報及び金額情報を含む商品情報を蓄積するポータブル端末装置から該蓄積された商品情報を読み出す読出し部と、該読出し部で読み出した商品情報を蓄積する第1記憶部と、該記憶部に記憶された商品情報に基づいて売上を計上する売上計上部とを備えることを特徴とする売上端末装置。
【請求項10】
商品識別情報及び金額情報を含む商品情報を読み取る読取り部と、該読取り部で読み取った商品情報を蓄積する第2記憶部と、該第2記憶部に蓄積された商品情報を、請求項9に記載の売上端末装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とするポータブル端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−227986(P2006−227986A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42122(P2005−42122)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(390001041)NECネクサソリューションズ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】