説明

レジスタ用長尺状フィン

【課題】高い剛性を保持しつつ厚さを薄く形成して風の風向を適正に調節することが可能であるとともに、装飾部材がフィン本体から離脱することを確実に防止する。
【解決手段】レジスタから外部に向かって吹き出される風の風向を上下方向に調節するレジスタ用長尺状フィン9を、板状に形成された樹脂製の長尺状フィン本体13と、長尺状フィン本体13の前端縁に設けられる樹脂製の装飾部材とから構成するとともに、長尺状フィン本体13を一次成形した後、長尺状フィン本体13に対して装飾部材を二次成形する2色成形により形成し、一次成形時点で長尺状フィン本体13には、その前端縁から内側方向に入り込んだ溝部18が形成されるとともに長尺状フィン本体13の長さ方向における中央部19には装飾部材の樹脂が流れ込むゲート孔20が形成され、二次成形時に、装飾部材用の樹脂が前記ゲート孔20から溝部18に流入されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に設けられる空調用レジスタの空気吹出口にて水平方向に配設されるとともに上下方向に回動可能に配設され、空気吹出口から外部に向かって吹き出される風の風向を上下方向に調節するレジスタ用長尺状フィンに関し、特に、長尺状フィンの前端部に装飾部材を設けたレジスタ用長尺状フィンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空調用レジスタに使用されるレジスタフィンに対して部分的に加飾を施したレジスタ用フィンが提案されている。
例えば、特開2010−202108号公報には、板状のフィン主体部と、フィン主体部を両面側から挟み込むように組み付けた一対のフィンカバーとから構成されたレジスタフィンが記載されている。
【0003】
かかるレジスタフィンでは、フィン主体部の全体にメッキ等の塗装を行い、フィン主体部の車室側に面する部分を露出させた状態で各フィンカバーを組み付けけることにより、車室側に面する部分のみがメッキ等により加飾された意匠性の高いレジスタフィンを得ることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−202108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のレジスタフィンは、フィン主体部に複数の係合孔部を形成するとともに、各フィンカバーに複数の係合爪部を形成しておき、フィン主体部における各係合孔部と各フィンカバーにおける係合爪部とを係合することにより組み付けされている。
【0006】
前記従来のレジスタフィンでは、フィン主体部の両面にフィンカバーを組み付けて構成されているので、高い剛性を保持することが可能ではあるが、必然的にコスト高を招来するとともにレジスタフィンの厚さが増加してしまう。レジスタフィンはレジスタ内の限られた空間で使用されるものであるから、レジスタフィンの厚さが増加することは好ましいものではなく、レジスタフィン自体がレジスタから吹き出される風の障害物となって風向の調節が難しくなる。
【0007】
また、レジスタフィンは、フィン主体部の係合孔にフィンカバーの係合爪部を係合させるだけで組み付けられているものであるから、レジスタフィンに荷重が加えられるとフィン主体部からフィンカバーが外れてしまう虞がある。
【0008】
更に、レジスタフィンの加飾は、フィン主体部全体にメッキ等を施し、各フィンカバーからフィン主体部の一部を車室側に露出させることにより行われており、このためだけにフィン主体部の全体にメッキ等を施すことは非常に無駄があり、この点でもコスト高を招来してしまうものである。
【0009】
本発明は前記従来技術における問題点を解消するためになされたものであり、高い剛性を保持しつつ厚さを薄く形成して風の風向を適正に調節することが可能であるとともに、装飾部材がフィン本体から離脱することを確実に防止することが可能なコストの低いレジスタ用長尺状フィンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係るレジスタ用長尺状フィンは、レジスタにおけるリテーナにて相互に対向する一対の側壁の間に回動可能に配設され、レジスタから外部に向かって吹き出される風の風向を上下方向に調節するレジスタ用長尺状フィンであって、板状に形成された樹脂製の長尺状フィン本体と、前記長尺状フィン本体の前端縁に設けられる樹脂製の装飾部材とを備え、前記長尺状フィン本体を一次成形した後、長尺状フィン本体に対して前記装飾部材を二次成形する2色成形により形成され、前記一次成形時点で長尺状フィン本体には、その前端縁から内側方向に入り込んだ溝部が形成されるとともに長尺状フィン本体の長さ方向における中央部には装飾部材の樹脂が流れ込むゲート孔が形成され、前記二次成形時に、装飾部材用の樹脂が前記ゲート孔から前記溝部に流入されることを特徴とする。
【0011】
本願の請求項2に係るレジスタ用長尺状フィンは、請求項1のレジスタ用長尺状フィンにおいて、前記長尺状フィン本体は、ガラス繊維強化樹脂から形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係るレジスタ用長尺状フィンは、長尺状フィン本体と装飾部材とを2色成形してレジスタ用長尺状フィンを形成する際に、長尺状フィン本体の一次成形時点で長尺状フィン本体には、その前端縁から内側方向に入り込んだ溝部が形成されるとともに長尺状フィン本体の長さ方向における中央部には装飾部材の樹脂が流れ込むゲート孔が形成され、長尺状フィン本体に対する装飾部材の二次形成時に、装飾部材用の樹脂がゲート孔から前記溝部に流入されるので、装飾部材は長尺状フィン本体の前端縁における溝部で強固に長尺状フィン本体に固着されることとなり、これより装飾部材は長尺状フィン本体から離脱してしまうことを確実に防止することができ、また、装飾部材の樹脂がどのような樹脂であっても二色成形することができる。
【0013】
また、長尺状フィン本体に形成されたゲート孔は長尺状フィン本体の長さ方向における中央部に形成されており、装飾部材用樹脂はかかるゲート孔からゲート孔の両側に向かって溝部を流れていくので、樹脂流路の長さをゲート孔の両側で均等化することにより樹脂流動圧を低く保持しつつ装飾部材用樹脂を良好な流動性をもって装飾部材用樹脂を溝部に均等に行き渡らせることができる。これにより、装飾部材の成形性が向上し、また、成形むらが発生することを防止することができる。
【0014】
長尺状フィン本体は一枚の板状に形成され、装飾部材は長尺状フィン本体の前端縁に固着されているだけであるので、レジスタ用長尺状フィン全体の厚さを薄く形成することができる。このように構成されたレジスタ用長尺状フィンは、レジスタから吹き出される風の障害物となることなく、風の風向を適正に調節することができる。
【0015】
前記したようにレジスタ用長尺状フィンは、長尺状フィン本体とその前端縁に固着された装飾部材とから構成されており、部品点数を必要最小限にしてコストが低く装飾性の高いレジスタ用長尺状フィンを実現することができる。
【0016】
本願の請求項2に係るレジスタ用長尺状フィンでは、長尺状フィン本体がガラス繊維強化樹脂から形成されているので、長尺状フィン本体を薄く成形した場合でも高い剛性を保持することができ、また、荷重が加えられた場合においても変形等を生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るレジスタ用長尺フィンを使用するレジスタが自動車の室内で前方に配置されたインスツルメントパネルに配置された状態を示す説明図である。
【図2】本実施形態に係るレジスタの斜視図である。
【図3】レジスタ用長尺状フィンの平面図である。
【図4】レジスタ用長尺状フィンの斜視図である。
【図5】レジスタ用長尺状フィンの背面図である。
【図6】一次成形後に長尺状フィン本体に形成されるゲート孔の説明図である。
【図7】レジスタ用長尺状フィンをゲート孔を通る位置で切断して示す装飾部材の説明図である。
【図8】レジスタ用長尺状フィンに取り付けられるノブを構成する上側ノブ部材の斜視図である。
【図9】上側ノブ部材の裏面斜視図である。
【図10】上側ノブ部材の平面図である。
【図11】上側ノブ部材の正面図である。
【図12】長尺状フィンの他の例を示す長尺状フィンの前部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るレジスタ用長尺状フィンについて、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るレジスタ用長尺状フィンを使用したレジスタの使用形態について図1に基づき説明する。
【0019】
図1において、自動車の室内で前方に配置されたインスツルメントパネル1の中央位置には、ナビゲーションシステム等で使用されるディスプレイ2が配置されている。ディスプレイの下方位置には、本実施例に係る一対のレジスタ3が配設されている。尚、インスツルメントパネル1の左右サイドにも一対のレジスタ4が配設されているが、これらのレジスタ4は長尺状フィンは使用されておらず、公知の構成を有している。
【0020】
図2において、本実施形態に係るレジスタ3は、正面視長方形状を有しており、断面が略長方形状に形成された筒状の通風部5を有するリテーナ6を備えている。リテーナ6の内部には、レジスタ3を構成する各種の部品が収納されており、また、リテーナ6の前面側(図2中手前側)には、通風部5に連通する空気吹出口7が形成されている。
【0021】
リテーナ6において空気吹出口7を画成し、左右方向で相互に対向する一対の側壁8、8(図2には一方の側壁8のみを示す)の間には、本実施形態に係る長尺状フィン9が回動可能に配設されている。かかる長尺状フィン9は、空気吹出口7から外部に向かって吹き出される風の風向を上下方向に調節するのに使用される。長尺状フィン9の略中央部には、長尺状フィン9に対してスライド可能に取り付けられるノブ10が設けられている。ノブ10は、図2に示すように、上側ノブ部材10Aと下側ノブ部材10Bとから構成されており、上側ノブ部材10Aの下部と下側ノブ部材10Bの上部との間に形成される挿通凹部(後述する)には、ノブ10がスライド可能となるように長尺状フィン9が挿通されている。
尚、このノブ10の構成については後述する。
【0022】
空気吹出口7にて長尺状フィン9の背後には、複数の縦フィン11を公知のリンク機構を介して一体に左右方向に回動させる縦フィン機構12が配設されている。かかる縦フィン機構12の各縦フィン11は、ノブ10との間に設けられる公知のギア機構によりノブ10の左右方向へのスライドに対応して左右方向へ回動され、空気吹出口7から吹き出される風の風向を左右方向に調節するのに使用される。
【0023】
続いて、長尺状フィン9の構成について図3乃至図5に基づき説明する。長尺状フィン9は、板状に形成された樹脂製の長尺状フィン本体13及び長尺状フィン本体13の前端縁に設けられる樹脂製の装飾部材14とを備えている。
【0024】
長尺状フィン本体13の両端部からは支持軸15、15が延設されており、これらの各支持軸15は、空気吹出口7の各側壁8、8に形成された支持孔(図示せず)に回動可能に支持されている。また、長尺状フィン本体13の後端部には、ノブ10をスライド可能に支持するノブ支持部16、16が形成されており、各ノブ支持部16には、図5に示すように、凹溝17が設けられている。
【0025】
前記のように構成された長尺状フィン9は、所謂、樹脂の2色形成により形成される。長尺状フィン9を2色成形するには、先ず、長尺状フィン本体13を成形するための一次成形型にガラス繊維を混入したポリブチレンテレフタレート(PBT)を流し込んで長尺状フィン本体13を一次成形する。このように成形した長尺状フィン本体13を図6、図7に示す。
【0026】
一次成形後の長尺状フィン本体13では、図6に示すように、その前端部から内側方向に入り込むように溝部18が形成されている。溝部18は、装飾部材14を二次成形するためのキャビティであり、長尺状フィン本体13の長さ方向における中央部19で幅広に形成されるとともに中央部19から両端部にいくに従って幅狭に形成されている。また、中央部19には、溝部18に連通するゲート孔20が形成されている。
【0027】
前記のように一次成形された長尺状フィン本体13を二次形成型に配置し、ポリブチレンテレフタレートにアルミ粉を混錬した樹脂材料をゲート孔20から注入する。これにより樹脂材料は、ゲート孔20から溝部18の中央部19を経て長尺状フィン本体13の両端部に流入していく。
【0028】
このとき、図5及び図6に示すように、長尺状フィン本体13の一次成形時点で長尺状フィン本体13の前端縁から内側方向に入り込んだ溝部18が形成されるとともに長尺状フィン本体13の長さ方向における中央部19には装飾部材成形用樹脂材料が流れ込むゲート孔20が形成され、長尺状フィン本体13に対する装飾部材14の二次形成時に、装飾部材用樹脂材料がゲート孔20から前記溝部18に流入されるので、装飾部材14は長尺状フィン本体13の前端縁における溝部18で強固に長尺状フィン本体13に固着されることとなり、これより装飾部材14が長尺状フィン本体13から離脱してしまうことを確実に防止することができ、また、装飾部材用樹脂材料がどのような樹脂材料であっても二色成形することができる。
【0029】
また、長尺状フィン本体13に形成されたゲート孔20は長尺状フィン本体13の長さ方向における中央部に形成されており、装飾部材用樹脂はかかるゲート孔20からゲート孔20の両側に向かって溝部18を流れていくので、樹脂流路の長さをゲート孔20の両側で均等化することにより樹脂流動圧を低く保持しつつ装飾部材用樹脂を良好な流動性をもって溝部18の全体に均等に行き渡らせることができる。これにより、装飾部材14の成形性が向上し、また、成形むらが発生することを防止することができる。
【0030】
長尺状フィン本体13は一枚の板状に形成され、装飾部材14は長尺状フィン本体13の前端縁に固着されているだけであるので、長尺状フィン9の全体の厚さを薄く形成することができる。このように構成された長尺状フィン9は、レジスタ1から吹き出される風の障害物となることなく、風の風向を適正に調節することができる。
【0031】
前記したように長尺状フィン9は、長尺状フィン本体13とその前端縁に固着された装飾部材14とから構成されており、部品点数を必要最小限にしてコストが低く装飾性の高い長尺状フィン9を実現することができる。
【0032】
長尺状フィン本体13はポリブチレンテレフタレートにガラス繊維を混入したガラス繊維強化樹脂から形成されているので、長尺状フィン本体13を薄く成形した場合でも高い剛性を保持することができ、また、荷重が加えられた場合においても変形等を生じることはない。
【0033】
続いて、長尺状フィン9にスライド可能に支持されるノブ10の構成について図8乃至図11に基づき説明する。ここに、ノブ10は、図2にて説明したように、上側ノブ部材10Aと下側ノブ部材10Bとから構成されているが、ノブ10を長尺状フィン9に対してスライド可能に保持するについては、基本的に上側ノブ部材10Aが主要な役割を行うので、以下においては上側ノブ部材10Aに着目して説明することとする。
上側ノブ部材10Aは、平面視で略正方形状に形成されており、水平部21と水平部から連続して背面側に向かって上方に傾斜した後部22とから一体に形成されている。水平部21の前端縁には、その前端縁を囲むように装飾部材23が設けられている。
【0034】
上側ノブ部材10Aの裏面には、図8に示すように、長尺状フィン9が挿通される挿通凹部24が形成されている。挿通用凹部24において、図9に示すように、その前側には装飾部材23の両端部25、25が配置され、また、その後側には後部22の下部両側に形成された突起状の摺動突起26、26が配置されている。
【0035】
上側ノブ部材10Aを長尺状フィン9に対してスライド可能に保持するには、上側ノブ部材10Aの摺動突起26、26を長尺状フィン9の背面に形成された凹溝17、17に挿嵌しつつ、上側ノブ部材10Aの挿通凹部24に挿通する。これにより、上側ノブ部材10Aに設けられた装飾部材23の両端部25、25が長尺状フィン9の前端側に設けられた装飾部材14に当接し、各摺動突起26がそれぞれの凹溝17内で挿嵌保持される。この結果、上側ノブ部材10Aは、各凹部17の長さ方向の範囲内で長尺状フィン9上でスライド可能に保持されるものである。
【0036】
前記のように構成された上側ノブ部材10Aは、前記した長尺状フィン9の場合と同様に、樹脂の2色形成により形成される。上側ノブ部材10Aを2色成形するには、先ず、装飾部材23を除くノブ本体を成形するための一次成形型にポリブチレンテレフタレート(PBT)とABS樹脂とを混合してなる樹脂材料を流し込んでノブ本体を一次成形する。このように成形したノブ本体では、装飾部材23用の溝部が一体に形成されており、かかる溝部は、装飾部材23を二次成形するためのキャビティとなる。
【0037】
前記のように一次成形されたノブ本体を二次形成型に配置し、ポリブチレンテレフタレートにアルミ粉を混錬した樹脂材料を、二次成形型にて装飾部材23の端部25近傍に設けられたゲート孔から注入する。これにより樹脂材料は、ゲート孔からノブ本体の溝部内部に流入していく。
【0038】
このとき、ノブ本体の一次成形時点で、ノブ本体には装飾部材23用の溝が形成されるとともに、装飾部材用樹脂材料がゲートから溝部の内部に流入されるので、装飾部材23はノブ本体の前端縁における溝部で強固にノブ本体に固着されることとなり、これより装飾部材23がノブ本体から離脱してしまうことを確実に防止することができ、また、装飾部材用樹脂材料がどのような樹脂材料であっても二色成形することができる。
【0039】
前記したように上側ノブ部材10Aは、ノブ本体とその前端縁に固着された装飾部材23とから構成されており、部品点数を必要最小限にしてコストが低く装飾性の高い上側ノブ部材10Aを実現することができる。
【0040】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、前記実施形態においては、長尺状フィン本体13の成形樹脂材料としてポリブチレンテレフタレート(PBT)をガラス繊維で強化した樹脂材料が使用されているが、これに限定されることはなく、長尺状フィン9に要求される剛性を保持できる限りにおいて、例えば、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)をガラス繊維で強化した樹脂材料やポリカーボネート樹脂(PC)等を使用することもできる。
【0041】
また、前記実施形態に係る長尺状フィン9では、一次成形後の長尺状フィン本体13に対して装飾部材14の二次成形を行う際に、長尺状フィン本体13の前端面に装飾部材14が密着するように装飾部材14の二次成形を行っていたが、かかる場合には、長尺状フィン本体13の前端面の近傍における上下両面に成形上のバリ等が発生してしまい見栄えが悪くなる場合があるので、図12に示すように、長尺状フィン本体13の一次成形を行う時点で、アンダーカット部30が形成されるようにしてもよい。このようにすると、成形上のバリ等は、アンダーカット部30の斜面31に発生することとなり、装飾部材14の二次形成を行って長尺状フィン9を形成し、装飾部材14の前面側(図12右側)を矢印A方向側から見た場合には、斜面31に発生するバリ等は装飾部材14により遮蔽されて全く見えなくなり、見栄えが良好となる。
【符号の説明】
【0042】
3 レジスタ
5 通風部
6 リテーナ
7 空気吹出口
8 空気吹出口に形成された側壁
9 長尺状フィン
10 ノブ
10A 上側ノブ部材
13 フィン本体
14 装飾部材
15 支持軸
18 溝部
19 中央部
20 ゲート孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスタにおけるリテーナにて相互に対向する一対の側壁の間に回動可能に配設され、レジスタから外部に向かって吹き出される風の風向を上下方向に調節するレジスタ用長尺状フィンであって、
板状に形成された樹脂製の長尺状フィン本体と、
前記長尺状フィン本体の前端縁に設けられる樹脂製の装飾部材とを備え、
前記長尺状フィン本体を一次成形した後、長尺状フィン本体に対して前記装飾部材を二次成形する2色成形により形成され、
前記一次成形時点で長尺状フィン本体には、その前端縁から内側方向に入り込んだ溝部が形成されるとともに長尺状フィン本体の長さ方向における中央部には装飾部材の樹脂が流れ込むゲート孔が形成され、
前記二次成形時に、装飾部材用の樹脂が前記ゲート孔から前記溝部に流入されることを特徴とするレジスタ用長尺状フィン。
【請求項2】
前記長尺状フィン本体はガラス繊維強化樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレジスタ用長尺状フィン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−35301(P2013−35301A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170272(P2011−170272)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(308016242)豊和化成株式会社 (65)
【Fターム(参考)】